JPH10185284A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JPH10185284A
JPH10185284A JP9199663A JP19966397A JPH10185284A JP H10185284 A JPH10185284 A JP H10185284A JP 9199663 A JP9199663 A JP 9199663A JP 19966397 A JP19966397 A JP 19966397A JP H10185284 A JPH10185284 A JP H10185284A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和装置において、室外ファンの適正な
風量制御の実現により、省エネルギー性と快適性の向
上、及び機器の信頼性の確保とを同時に達成する。 【解決手段】 圧縮機11と室外ファン15とを備えた
室外機1と室内機2とからなり、且つ上記圧縮機11の
運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成され
た空気調和装置において、上記室外ファン15の吹出風
量を、室内温度と室外温度と上記圧縮機11の運転周波
数とに応じて制御する。かかる構成により、例えば従来
のように、室外ファン15の吹出風量を単に室内温度と
室外温度の温度差に基づいて制御する場合に比して、上
記圧縮機11の運転周波数が加味された分だけ、該室外
ファン15の吹出風量を緻密に制御してその消費電力の
低減を図ることができ、延いては空気調和装置の運転効
率を高めてその省エネルギー性の向上を図ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、セパレート型の
空気調和装置に関し、さらに詳しくは室外機に備えられ
た室外ファンの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて
変化するように構成された所謂、インバータ式の空気調
和装置においては、外気温度と室内温度の温度差に基づ
いて室外ファンの吹出風量を決定するのが通例である。
【0003】ところで、空気調和装置に要求される種々
の空調特性の中には、「省エネルギー性」と「快適性」
とがある。
【0004】「省エネルギー性」について 「省エネルギー性」は、特に近年その要求が強いもので
あり、装置全体としての電力消費量をいかに抑えた状態
で装置の運転効率(以下、適宜「COP」と略称する)
を高く維持するかが問題となる。
【0005】かかる背景から、例えば、特開平8−28
937号公報には、空気調和装置の運転効率の向上とい
う観点からの制御においては殆ど考慮されていなかった
室外ファンに着目し、該室外ファンの吹出風量(即ち、
回転速度)を圧縮機の運転周波数に対応させて「高速」
と「低速」の二段階に制御する技術が提案されている。
【0006】ところが、この従来例のものにおいては、
室外ファンの回転速度を、単に、圧縮機の運転周波数に
基づいて設定された基準値を境として「高速」と「低
速」とに切り換えるものであるため、室外ファンの制御
による「省エネルギー性」の改善という点においては十
分とは言い難いものである。
【0007】また一方、空気調和装置においては、その
運転途中において「発停」が繰り返される場合ある。図
6は、冷房運転時を例とし、外気温度と空気調和装置の
冷房能力と室内負荷との関係を示したものである。即
ち、空気調和装置の冷房能力を「定格能力:L01」と
「中間能力:L02」と「最低能力:L03」として表し、
また室内負荷を「負荷線:L05」で表している。そし
て、通常は、外気温度「Ta3」(例えば、35℃)を
基準とし、この外気温度「Ta3」を「中間能力」にほ
ぼ合致させるような設定を行っており、この場合におけ
る冷房能力の可変幅は「Sa」の範囲となる。この状態
から外気温度が「Ta2」まで低下すると、これに伴っ
て室内負荷も減少し、上記「最低能力」上に位置するこ
とになる。この状態は、室内負荷が空気調和装置の「最
低能力」に達し、これ以下の外気温度(即ち、室内負
荷)の領域においては、空気調和装置の能力をそれ以下
に下げて室内負荷に対応させるということができない領
域である。従って、上記外気温度「Ta2」以下の領
域、即ち、領域「SA」では空気調和装置の運転を停止
させる。一方、外気温度が上昇に転じ、これが上記外気
温度「Ta2」を越えて上昇すると、再び空気調和装置
は運転を再開する。かかる空気調和装置の運転の発停は
大きな電力消費を伴うものであることから、「省エネル
ギー性」という点においては好ましいものではない。従
って、かかる空気調和装置の「発停」頻度を減らして
「省エネルギー性」を高めるためには、図6に破線で示
す「最低能力:L04」のように、この「最低能力」の値
を低下させることが有効と言える。しかしながら、かか
る観点からの技術開発は殆ど為されていないのが実情で
ある。
【0008】「快適性」について 「快適性」の阻害要因としては、例えば、「室内吹出温
度のハンチング現象」と「暖房運転時における頻繁な除
霜運転の実行」とがある。
【0009】上記「室内吹出温度のハンチング現象」に
ついて説明すると次の通りである。
【0010】インバータ式の空気調和装置においては、
上述のように、圧縮機の運転周波数を室内負荷に対応さ
せて変化させるようにしているが、その場合、従来一般
には図10に示すように、上記圧縮機の運転周波数を所
定間隔で段階的に複数個設定しており、従って各設定運
転周波数のそれぞれは所定幅の室内負荷に対処すること
になる。
【0011】ここで、例えば、圧縮機が運転周波数
「a」で運転されている場合(即ち、空気調和装置の能
力は「A」である場合)において、その能力が室内負荷
に対して不足すると、圧縮機の運転周波数を「b」に上
げるが(即ち、空気調和装置の能力を「B」に上昇させ
る)、この上昇した能力「B」が室内負荷に対して適正
であれば問題ないが、これが高過ぎると、再び圧縮機は
運転周波数「b」での運転から運転周波数「a」での運
転に切り換えられる。かかる運転周波数の頻繁な切り換
えにより、室内吹出温度が小刻みに増減する「ハンチン
グ現象」が生じることになる。従って、空気調和装置の
「快適性」を追求する上においては、かかる「室内吹出
温度のハンチング現象」を抑制することが必要である
が、かかる観点からの技術開発は未だ為されていない。
【0012】上記「暖房運転時における頻繁な除霜運転
の実行」は、暖房途中において温風吹出が頻繁に停止さ
れるものであるため、空気調和装置の「快適性」の確保
という点において好ましいものでないことは言うまでも
なく、従って、かかる除霜運転の実行を遅延させるため
の技術が従来より種々提案されている。
【0013】しかしながら、これらの多くは、フィン構
造の改善により着霜の抑制あるいは着霜によるフィン間
の通風路の目詰まりの抑制を目的としたもので、少なか
らず熱交換器の構造の変更を伴うものであり、コスト的
に好ましいものとは言い難い。従って、何ら熱交換器等
の構造変更を伴うことなく安価な方法で確実に着霜を抑
制できる技術の開発が望まれているところであるが、こ
れに対する有効な技術は未だ提案されていない。
【0014】さらに、インバータ式の空気調和装置にお
いては、「省エネルギー性」と「快適性」及び「機器の
信頼性」という点において次のような問題もある。
【0015】先ず、第1に、空気調和装置の設置状態あ
るいは周辺環境等に起因する問題である。
【0016】即ち、インバータ式の空気調和装置におい
ては、上述のように、従来より、室外ファンの風量は室
内温度と室外温度のみに基づいて決定するようにしてい
るが、この室外ファン風量の決定方法としては、当該空
気調和装置の製品化に際し、試験等により決定するのが
通例である。そして、その試験による風量決定の際に
は、空気調和装置が製品として販売された後におけるそ
の設置状態、設置環境における風の状態等による影響を
も考慮しているものの、あらゆる事態が想定される実際
の設置状態等に完全に合致させて的確な風量制御を行う
ことは極めて困難である。
【0017】このため、インバータ式の空気調和装置の
場合、圧縮機の運転周波数が小さく冷媒循環量が少ない
とき、特に室外熱交換器が蒸発器として機能する暖房運
転時においては、上記室外ファンの風量が過多となり、
必要以上の電力消費により省エネルギー性が阻害される
ことがある。
【0018】また、室内温度及び室外温度がともに高い
冷房過負荷状態での冷房運転時には、特に室外ファンの
風量が不足し圧縮機における冷媒の吐出圧力が上がるこ
とで、消費電力が増大して省エネルギー性が損なわれる
とともに、場合によっては冷媒の吐出圧力の上昇によっ
て吐出圧保護制御が働き、機器の停止により冷房運転が
中断されることで冷房の快適性が損なわれることにもな
る。
【0019】これとは逆に、外気温度が低い状態で冷房
運転が行われると、その時の冷媒循環量によっては圧縮
機の吐出圧力、即ち、高圧側の冷媒圧力が低くなり、こ
れに伴って圧縮機の吸入圧力、即ち、低圧側の冷媒圧力
が低くなり易くなり、この結果、蒸発器として機能する
室内機の温度が低くなって霧吹き現象が発生するととも
に、圧縮機においては適正な運転の確保上から必要とさ
れる高圧と低圧との適正な圧力差がとれなくなりその作
動上の信頼性が損なわれることも懸念される。
【0020】第2の問題は、保護制御の安直な実行によ
る快適性の低下である。即ち、従来の空気調和装置にお
ける運転制御は、図23に示すように、起動操作に伴い
冷暖の判断がされ、それに応じて冷房起動制御あるいは
暖房起動制御が実行され、しかる後、通常制御に移行
し、環境温度、使用者の要求に従って機器の運転が行わ
れ、冷房あるいは暖房が実現される。
【0021】ところで、従来の空気調和装置の制御にお
いては、機器の保護、快適性の追求という観点から、各
種の保護制御をそれぞれ個別に使用しており、しかもこ
の各種の保護制御を圧縮機、電動弁等のアクチュエータ
とリンクさせていなかったので、所定の保護制御の成立
条件が満たされると、冷房あるいは暖房運転からいきな
り当該保護制御に移行してしまい、その結果、快適性が
損なわれることになるものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】そこで本願発明は、上
記の如き従来の空気調和装置における種々の問題に鑑
み、室外ファンの適正な風量制御の実現によって、省エ
ネルギー性と快適性の向上と、機器の信頼性の確保とを
同時に達成し得るようにした空気調和装置を提案するこ
とを目的としてなされたものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0024】本願の第1の発明では、圧縮機と室外ファ
ンとを備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮
機の運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成
された空気調和装置において、上記室外ファンの吹出風
量を、室内温度と室外温度と上記圧縮機の運転周波数と
に応じて制御することを特徴としている。
【0025】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる空気調和装置において、上記室外ファンを、上記
圧縮機の各運転負荷時において該圧縮機の消費電力と上
記室外ファンの消費電力との和が最小値近傍となるよう
にその吹出風量を制御することを特徴としている。
【0026】本願の第3の発明では、上記第1の発明に
かかる空気調和装置において、上記室外ファンの吹出風
量を、上記圧縮機の各運転負荷時において室内温度と室
外温度とにより決定される吹出風量よりも減少側に設定
することを特徴としている。
【0027】本願の第4の発明では、圧縮機と室外ファ
ンとを備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮
機の運転周波数が室内負荷に応じて段階的に変化するよ
うに構成された空気調和装置において、上記圧縮機の要
求運転周波数が予め段階的に設定された運転周波数値の
中間値である時に、上記圧縮機の運転周波数を上記要求
運転周波数の直上に位置する運転周波数値に設定した状
態で上記室外ファンをその吹出風量が減少するように制
御し、又は上記圧縮機の運転周波数を上記要求運転周波
数の直下に位置する運転周波数値に設定した状態で上記
室外ファンをその吹出風量が増加するように制御するこ
とを特徴としている。
【0028】本願の第5の発明では、圧縮機と室外熱交
換器と室外ファンとを備えた室外機と室内機とからな
り、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変
化するように構成された空気調和装置において、暖房運
転時で且つ上記圧縮機が室内負荷に対応して運転してい
る状態において、上記室外熱交換器の温度と上記圧縮機
から吐出される冷媒温度とが共に低下傾向である場合に
上記室外ファンをその吹出風量が増加するように制御す
ることを特徴としている。
【0029】本願の第6の発明では、圧縮機と室外ファ
ンと室外熱交換器とを備えた室外機と室内機とからな
り、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変
化するように構成された空気調和装置において、上記室
外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を検出す
る冷媒温度センサを備え、冷房運転時に、室内温度と室
外温度及び上記圧縮機の運転周波数とに基づいて求めら
れる上記室外熱交換器における冷媒の想定冷媒圧力と、
上記冷媒温度センサにより検出される冷媒温度から推定
される上記室外熱交換器における実冷媒圧力とを比較
し、上記室外ファンの風量を、「想定冷媒圧力>実冷媒
圧力」であるときには減少させ、「想定冷媒圧力<実冷
媒圧力」であるときには増量させる如く制御することを
特徴としている。
【0030】本願の第7の発明では、上記第6の発明に
かかる空気調和装置において、上記想定冷媒圧力と実冷
媒圧力との差分に関連する値に対応させて所定の不感域
を設け、上記差分に関連する値が上記不感域を越える場
合に初めて、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との比較に
基づく上記室外ファンの風量制御を実行するように構成
したことを特徴としている。
【0031】本願の第8の発明では、上記第7の発明に
かかる空気調和装置において、上記室外ファンのタップ
数を検出するタップ数検出手段を備え、上記想定冷媒圧
力と実冷媒圧力との関係が、「想定冷媒圧力>実冷媒圧
力」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ
数が最小タップ数でない場合には上記室外ファンの風量
を減少させ、該タップ数が最小タップ数である場合には
上記室外ファンの運転を停止させるとともに該室外ファ
ンの停止状態が所定期間継続された後に保護制御に移行
する一方、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときに
は現在のタップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数
でない場合には上記室外ファンの風量を増加させ、該タ
ップ数が最大タップ数である場合には上記室外ファンの
現在の風量を維持させるとともに該室外ファンの最大タ
ップ数での運転状態が所定期間継続された後に保護制御
に移行するように構成したことを特徴としている。
【0032】本願の第9の発明では、上記第6〜第8の
発明にかかる空気調和装置において、上記想定冷媒圧力
の上限を規制する足切り圧力を設定し、上記想定冷媒圧
力と実冷媒圧力及び上記足切り圧力の相対関係が、「想
定冷媒圧力>実冷媒圧力」で且つ「足切り圧力>実冷媒
圧力」である場合には上記室外ファンの風量を減少側に
制御し、これら以外である場合には上記室外ファンの風
量を増加側に制御することを特徴としている。
【0033】本願の第10の発明では、圧縮機と室外フ
ァンと室外熱交換器とを備えた室外機と室内機とからな
り、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変
化するように構成された空気調和装置において、上記室
外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を検出す
る冷媒温度センサを備え、暖房運転時に、室内温度と室
外温度及び上記圧縮機の運転周波数とに基づいて求めら
れる上記室外熱交換器における冷媒の想定冷媒温度と、
上記冷媒温度センサにより検出される上記室外熱交換器
における実冷媒温度とを比較し、上記室外ファンの風量
を、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるときには減少
させ、「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるときには増
量させる如く制御することを特徴としている。
【0034】本願の第11の発明では、上記第10の発
明にかかる空気調和装置において、上記想定冷媒温度と
実冷媒温度との差分に関連する値に対応させて所定の不
感域を設け、上記差分に関連する値が上記不感域を越え
る場合に初めて、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との比
較に基づく上記室外ファンの風量制御を実行するように
構成したことを特徴としている。
【0035】本願の第12の発明では、上記第10の発
明にかかる空気調和装置において、上記室外ファンのタ
ップ数を検出するタップ数検出手段を備え、上記想定冷
媒温度と実冷媒温度との関係が、「想定冷媒温度<実冷
媒温度」であるときには現在のタップ数に基づき、該タ
ップ数が最小タップ数でない場合には上記室外ファンの
風量を減少させ、該タップ数が最小タップ数である場合
には上記室外ファンの運転を停止させる一方、「想定冷
媒温度>実冷媒温度」であるときには現在のタップ数に
基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合には上記
室外ファンの風量を増加させた後、該タップ数が最大タ
ップ数である場合には上記室外ファンの現在の風量を維
持させた後に、それぞれ保護制御に移行させることを特
徴としている。
【0036】本願の第13の発明では、上記第10〜第
12に記載の発明にかかる空気調和装置において、上記
想定冷媒温度の上限を規制する足切り温度を設定し、上
記想定冷媒温度と実冷媒温度及び上記足切り温度の相対
関係が、「想定冷媒温度<実冷媒温度」で且つ「足切り
温度<実冷媒温度」である場合には上記室外ファンの風
量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記室
外ファンの風量を増加側に制御することを特徴としてい
る。
【0037】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0038】(イ)本願の第1の発明にかかる空気調和
装置によれば、圧縮機と室外ファンとを備えた室外機と
室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内
負荷に応じて変化するように構成された空気調和装置に
おいて、上記室外ファンの吹出風量を、室内温度と室外
温度と上記圧縮機の運転周波数とに応じて制御するよう
にしているので、例えば従来のように、室外ファンの吹
出風量を単に室内温度と室外温度の温度差に基づいて制
御する場合に比して、上記圧縮機の運転周波数が加味さ
れた分だけ、該室外ファンの吹出風量を緻密に制御して
その消費電力の低減を図ることができ、延いては空気調
和装置の運転効率を高めてその省エネルギー性の向上を
図ることができるものである。
【0039】(ロ)本願の第2の発明にかかる空気調和
装置によれば、上記第1の発明にかかる空気調和装置に
おいて、上記室外ファンを、上記圧縮機の各運転負荷時
において該圧縮機の消費電力と上記室外ファンの消費電
力との和が最小値近傍となるようにその吹出風量を制御
するようにしているので、装置全体としての消費電力を
可及的に低減させてその運転効率を高めることができ、
延いては空気調和装置の省エネルギー性の向上を図るこ
とができるものである。
【0040】(ハ)本願の第3の発明にかかる空気調和
装置によれば、上記第1の発明にかかる空気調和装置に
おいて、上記室外ファンの吹出風量を、上記圧縮機の各
運転負荷時において室内温度と室外温度とにより決定さ
れる吹出風量よりも減少側に設定するようにしているの
で、該室外ファンの吹出風量の減少に対応して空気調和
装置の最低能力をさらに低能力側に設定することができ
る。この結果、空気調和装置の発停基準となる外気温度
値あるいは室内負荷値が低くなり、それだけ空気調和装
置の発停頻度が低下することから、この発停に伴う多大
な電力ロスが抑制され、それだけ空気調和装置の省エネ
ルギー性の向上が図れるものである。
【0041】(ニ)本願の第4の発明にかかる空気調和
装置は、圧縮機と室外ファンとを備えた室外機と室内機
とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に
応じて段階的に変化するように構成された空気調和装置
において、上記圧縮機の要求運転周波数が予め段階的に
設定された運転周波数値の中間値である時に、上記圧縮
機の運転周波数を上記要求運転周波数の直上に位置する
運転周波数値に設定した状態で上記室外ファンをその吹
出風量が減少するように制御し、又は上記圧縮機の運転
周波数を上記要求運転周波数の直下に位置する運転周波
数値に設定した状態で上記室外ファンをその吹出風量が
増加するように制御するようにしている。
【0042】この場合、上記室外ファンの吹出風量と空
気調和装置の能力との間においては、暖房時と冷房時の
いずれの場合においても、該室外ファンの吹出風量の増
加に伴って空気調和装置の能力も増加する傾向にあるこ
とを考慮すると、上記圧縮機の運転周波数を上記要求運
転周波数の直上に位置する運転周波数値に設定した状態
で上記室外ファンをその吹出風量が減少するように制御
する場合には、上記運転周波数が要求運転周波数の直上
の位置に固定されていても、室外ファンの吹出風量の減
少とともに空気調和装置の能力は低下傾向となり該能力
と上記要求運転周波数に対応する室内負荷とが可及的に
合致せしめられる。また、逆に、上記圧縮機の運転周波
数を上記要求運転周波数の直下に位置する運転周波数値
に設定した状態で上記室外ファンをその吹出風量が増加
するように制御する場合には、上記運転周波数が要求運
転周波数の直下の位置に固定されていても、室外ファン
の吹出風量の増加とともに空気調和装置の能力は上昇傾
向となり該能力と上記要求運転周波数に対応する室内負
荷とが可及的に合致せしめられる。
【0043】従って、この第4の発明にかかる空気調和
装置によれば、該空気調和装置の能力がリニアに変化す
ることから、例えば従来のようにこれが段階的に変化す
る場合のように室内吹出温度のハンチング現象の発生が
防止され、それだけ高い快適性が確保されるものであ
る。
【0044】(ホ)本願の第5の発明にかかる空気調和
装置は、圧縮機と室外熱交換器と室外ファンとを備えた
室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波
数が室内負荷に応じて変化するように構成された空気調
和装置において、暖房運転時で且つ上記圧縮機が室内負
荷に対応して運転している状態において上記室外熱交換
器の温度と上記圧縮機から吐出される冷媒温度とが共に
低下傾向である場合、即ち、室外熱交換器への着霜が推
測される場合に、上記室外ファンをその吹出風量が増加
するように制御するようにしている。
【0045】この場合、室外ファンの吹出風量を増加さ
せると、室外熱交換器の出口における冷媒のエンタルピ
ーがスーパーヒート状態となる。従って、この過熱され
た状態のガス冷媒がそのまま圧縮機に入ることで、該圧
縮機の吐出側の冷媒温度が上昇し、膨張弁の開方向作動
により蒸発器として機能する上記室外熱交換器における
冷媒圧力が上昇し、該室外熱交換器における飽和温度が
高くなることで、それだけ着霜が生じにくくなり、結果
的に除霜運転が抑制され、延いては空気調和装置の快適
性が向上することになる。
【0046】(ヘ)本願の第6の発明にかかる空気調和
装置によれば、圧縮機と室外ファンと室外熱交換器とを
備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運
転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された
空気調和装置において、上記室外熱交換器に該室外熱交
換器における冷媒温度を検出する冷媒温度センサを備
え、冷房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機
の運転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器
における冷媒の想定冷媒圧力と、上記冷媒温度センサに
より検出される冷媒温度から推定される上記室外熱交換
器における実冷媒圧力とを比較し、上記室外ファンの風
量を、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときには減
少させ、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには
増量させる如く制御するようにしている。
【0047】従って、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」の
場合、即ち、上記室外ファンの風量が過多となり、これ
に伴って上記実冷媒圧力が低下している状態において
は、上記室外ファンの風量が減少側に制御されることで
上記実冷媒圧力が上昇側に変化し、冷媒圧力が可及的に
最適値に収束せしめられる。これに対して、「想定冷媒
圧力<実冷媒圧力」の場合、即ち、上記室外ファンの風
量が不足し、これに伴って上記実冷媒圧力が過度に上昇
している状態においては、上記室外ファンの風量が増量
側に制御されることで上記実冷媒圧力が降下側に変化
し、冷媒圧力が可及的に最適値に収束せしめられる。
【0048】これらの結果、冷房運転時においては、空
気調和装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した
室外ファンの風量制御が実現され、不必要な電力消費の
回避による省エネルギー性の実現と、風量不足に起因す
る吐出圧保護制御の実行に伴う機器の停止の回避及び霧
吹き現象の防止による快適性の確保、さらに適正な高低
圧差の実現による圧縮機の信頼性の確保等が図られるも
のである。
【0049】(ト)本願の第7の発明にかかる空気調和
装置によれば、上記(ヘ)に記載の効果に加えて次のよ
うな特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気調
和装置では、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との差分に
関連する値に対応させて所定の不感域を設け、上記差分
に関連する値が上記不感域を越える場合に初めて、上記
想定冷媒圧力と実冷媒圧力との比較に基づく上記室外フ
ァンの風量制御を実行するように構成しているので、上
記差分に関連する値が上記不感域を越えない限り上記想
定冷媒圧力と実冷媒圧力との比較に基づく上記室外ファ
ンの風量制御が実行されず、例えばかかる不感域を設け
ない場合のように上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との大
小関係が変化する度に上記室外ファンの風量制御が実行
されることでファン風量がハンチングを起こすのが可及
的に抑制され、この結果、安定的な冷房運転が実現さ
れ、その快適性がさらに高められるものである。
【0050】(チ)本願の第8の発明にかかる空気調和
装置によれば、上記(ヘ)に記載の効果に加えて次のよ
うな特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気調
和装置では、上記室外ファンのタップ数を検出するタッ
プ数検出手段を備え、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力と
の関係が、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときに
は現在のタップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数
でない場合には上記室外ファンの風量を減少させ、該タ
ップ数が最小タップ数である場合には上記室外ファンの
運転を停止させるとともに該室外ファンの停止状態が所
定期間継続された後に保護制御に移行する一方、「想定
冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには現在のタップ数
に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合には上
記室外ファンの風量を増加させ、該タップ数が最大タッ
プ数である場合には上記室外ファンの現在の風量を維持
させるとともに該室外ファンの最大タップ数での運転状
態が所定期間継続された後に保護制御に移行するように
構成している。
【0051】従って、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」で
あるとき、即ち、上記室外ファン風量を減少制御する要
求があるときには、該室外ファンの現在のタップ数に基
づき異なった二つの制御が択一的に実行される。即ち、
現在のタップ数が最小タップ数でない場合(即ち、タッ
プ数を低下させる余裕がある場合)には、タップ数を低
下させて上記室外ファンの風量を減少させる。これに対
して、上記タップ数が最小タップ数である場合(さらに
タップ数を低下させる余裕のない場合)には、上記室外
ファンの運転そのものを停止させることで風量の低下が
図られると共に、該室外ファンの停止状態が所定期間継
続されたときにはファン制御から保護制御に移行して機
器の保護等が図られる。
【0052】一方、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であ
るとき、即ち、上記室外ファン風量を増量制御する要求
があるときにも、該室外ファンの現在のタップ数に基づ
き異なった二つの制御が択一的に実行される。即ち、現
在のタップ数が最大タップ数でない場合(即ち、タップ
数を上げる余裕がある場合)には、該タップ数を上げて
上記室外ファンの風量を増加させる。これに対して、上
記タップ数が最大タップ数である場合(さらにタップ数
を上げる余裕がない場合)には、上記室外ファンの現在
の風量がそのまま維持されるとともに、該室外ファンの
最大タップ数での運転状態が所定期間継続されたときに
はファン制御から保護制御に移行して機器の保護等が図
られる。
【0053】このように、室外ファンの風量制御を適宜
の保護制御にリンクさせて実行することで、該風量制御
によって圧縮機の吐出圧の調整等が為される分だけ、上
記保護制御の成立条件が緩和され、冷房運転時において
その制御が通常制御から保護制御へ移行するのが抑制さ
れる。この結果、冷房運転時において保護制御が実行さ
れることに伴って機器が停止されることが少なくなり、
それだけ冷房時における快適性が高められるとともに、
上記圧縮機の信頼性も高められるものである。
【0054】(リ)本願の第9の発明にかかる空気調和
装置によれば、上記(ヘ),(ト)又は(チ)に記載の
効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即
ち、この発明の空気調和装置では、上記想定冷媒圧力の
上限を規制する足切り圧力を設定し、上記想定冷媒圧力
と実冷媒圧力及び上記足切り圧力の相対関係が、「想定
冷媒圧力>実冷媒圧力」で且つ「足切り圧力>実冷媒圧
力」である場合には上記室外ファンの風量を減少側に制
御し、これら以外である場合には上記室外ファンの風量
を増加側に制御するようにしている。
【0055】上記想定冷媒圧力の値には多少なりとも必
ず誤差が伴うが、上記室外熱交換器が凝縮器として機能
する冷房運転時において、例えば上記誤差によって、実
際には「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」の関係となってい
るにも拘わらず、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」と判定
されると、本来的には上記室外ファンの風量を減量させ
る必要があるにも拘わらず、該風量が増量側に制御さ
れ、これによって上記圧縮機の吐出圧力が過度に上昇
し、ついには該圧縮機の運転が高圧保護制御の実行によ
って停止されることになる。
【0056】ところが、この発明のように、上記想定冷
媒圧力の上限値を規制する足切り圧力を設定し、上記室
外ファンの風量制御に上記足切り圧力を加味するように
すると、例え上記想定冷媒圧力の誤差が過大であってこ
れをそのまま使用すると上記の如き問題が発生するおそ
れがある場合でも、該想定冷媒圧力によらず、上記足切
り圧力と上記実冷媒圧力との比較によって上記室外ファ
ンの風量制御が実行されるので、該室外ファンの風量制
御の信頼性が向上し、結果的に省エネルギー性及び快適
性の更なる向上が期待できるものである。
【0057】(ヌ)本願の第10の発明にかかる空気調
和装置によれば、圧縮機と室外ファンと室外熱交換器と
を備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の
運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成され
た空気調和装置において、上記室外熱交換器に該室外熱
交換器における冷媒温度を検出する冷媒温度センサを備
え、暖房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機
の運転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器
における冷媒の想定冷媒温度と、上記冷媒温度センサに
より検出される上記室外熱交換器における実冷媒温度と
を比較し、上記室外ファンの風量を、「想定冷媒温度<
実冷媒温度」であるときには減少させ、「想定冷媒温度
>実冷媒温度」であるときには増量させる如く制御する
ようにしている。
【0058】従って、「想定冷媒温度<実冷媒温度」の
場合、即ち、上記室外ファンの風量が過多となり、これ
に伴って上記実冷媒温度が過度にに上昇している状態に
おいては、上記室外ファンの風量が減少側に制御される
ことで上記実冷媒温度が低下側に変化し可及的に最適値
に収束せしめられることで、不必要な電力消費が回避さ
れそれだけ省エネルギー性が促進されることになる。こ
れに対して、「想定冷媒温度>実冷媒温度」の場合、即
ち、上記室外ファンの風量が不足し、これに伴って上記
実冷媒温度が過度に低下しフィンへの着霜が予想される
状態においては、上記室外ファンの風量が増量側に制御
されることで上記実冷媒圧力が上昇側に変化し可及的に
最適値に収束せしめられることでフィンへの着霜が可及
的に抑制される。これらの結果、暖房運転時において
は、空気調和装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適
応した室外ファンの風量制御が実現され、省エネルギー
性の実現とフィンへの着霜の抑制による快適性の向上と
が図られるものである。
【0059】(ル)本願の第11の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記(ヌ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気
調和装置では、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との差分
に関連する値に対応させて所定の不感域を設け、上記差
分に関連する値が上記不感域を越える場合に初めて、上
記想定冷媒温度と実冷媒温度との比較に基づく上記室外
ファンの風量制御を実行するように構成しているので、
上記差分に関連する値が上記不感域を越えない限り上記
想定冷媒温度と実冷媒温度との比較に基づく上記室外フ
ァンの風量制御が実行されず、例えばかかる不感域を設
けない場合のように上記想定冷媒温度と実冷媒温度との
大小関係が変化する度に上記室外ファンの風量制御が実
行されファン風量がハンチングを起こすのが可及的に抑
制され、この結果、安定的な暖房運転が実現され、その
快適性がさらに高められるものである。
【0060】(ヲ)本願の第12の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記(ヌ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気
調和装置では、上記室外ファンのタップ数を検出するタ
ップ数検出手段を備え、上記想定冷媒温度と実冷媒温度
との関係が、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるとき
には現在のタップ数に基づき、該タップ数が最小タップ
数でない場合には上記室外ファンの風量を減少させ、該
タップ数が最小タップ数である場合には上記室外ファン
の運転を停止させる一方、「想定冷媒温度>実冷媒温
度」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ
数が最大タップ数でない場合には上記室外ファンの風量
を増加させた後、該タップ数が最大タップ数である場合
には上記室外ファンの現在の風量を維持させた後に、そ
れぞれ保護制御に移行させるようにしている。 従っ
て、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるとき、即ち、
上記室外ファン風量を減少制御する要求があるときに
は、該室外ファンの現在のタップ数に基づき異なった二
つの制御が択一的に実行される。即ち、現在のタップ数
が最小タップ数でない場合(即ち、タップ数を低下させ
る余裕がある場合)には、タップ数を低下させて上記室
外ファンの風量を減少させる。これに対して、上記タッ
プ数が最小タップ数である場合(さらにタップ数を低下
させる余裕のない場合)には、上記室外ファンの運転そ
のものを停止させることで風量の低下が図られる。かか
る室外ファンの風量低下制御により、暖房運転時におけ
る高い省エネルギー性が確保されるものである。
【0061】一方、「想定冷媒温度>実冷媒温度」であ
るとき、即ち、上記室外ファン風量を増量制御する必要
があるときには、該室外ファンの現在のタップ数に基づ
き、現在のタップ数が最大タップ数でない場合(即ち、
タップ数を上げる余裕がある場合)には該タップ数を上
げて上記室外ファンの風量を増加させた後に、また上記
タップ数が最大タップ数である場合(さらにタップ数を
上げる余裕がない場合)には上記室外ファンの現在の風
量をそのまま維持した後に、それぞれ保護制御に移行す
る。従って、室外ファンの風量を増加させてフィンへの
着霜を抑制することよる快適性の向上と、保護制御の実
行による機器の信頼性の向上とが図られるものである。
【0062】(ワ)本願の第13の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記(ヌ),(ル)又は(ヲ)に記載
の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即
ち、この発明では、上記想定冷媒温度の上限を規制する
足切り温度を設定し、上記想定冷媒温度と実冷媒温度及
び上記足切り温度の相対関係が、「想定冷媒温度<実冷
媒温度」で且つ「足切り温度<実冷媒温度」である場合
には上記室外ファンの風量を減少側に制御し、これら以
外である場合には上記室外ファンの風量を増加側に制御
するようにしている。
【0063】上記想定冷媒温度の値には多少なりとも必
ず誤差が伴うが、上記室外熱交換器が蒸発器として機能
する暖房運転時において、例えば上記誤差によって、実
際には「想定冷媒温度>実冷媒温度」の関係となってい
るにも拘わらず、「想定冷媒温度<実冷媒温度」と判定
されると、本来的には上記室外ファンの風量を増量させ
てフィンへの着霜を防止する必要があるにも拘わらず、
該風量が減量側に制御されフィンの着霜が助長されるこ
とにもなる。
【0064】ところが、この発明のように、上記想定冷
媒温度の上限値を規制する足切り温度を設定し、上記室
外ファンの風量制御に上記足切り温度を加味するように
すると、例え上記想定冷媒温度の誤差が過大であってこ
れをそのまま使用すると上記の如き問題が発生するおそ
れがある場合でも、該想定冷媒温度によらず、上記足切
り温度と上記実冷媒温度との比較によって上記室外ファ
ンの風量制御が実行されるので、フィンへの着霜が可及
的に抑制され、デフロスト制御への移行が遅延される分
だけ暖房時における快適性の更なる向上が期待できるも
のである。
【0065】
【発明の実施の形態】第1の実施形態 図1には、本願発明の第1の実施形態にかかるセパレー
ト型の空気調和装置Z1の全体システムを示しており、
同図において符号1は室外機、2は室内機である。上記
室外機1は、圧縮機11と四路弁12と膨張弁13と室
外熱交換器14とファンモータ16により回転駆動され
る室外ファン15とを備えている。一方、上記室内機2
は、室内熱交換器21とファンモータ23により回転駆
動される室内ファン22とを備えている。そして、これ
ら室外機1と室内機2とは、吐出管41と戻り管42及
び各冷媒管43〜45を介して相互に接続されることで
冷凍システムを構成している。
【0066】さらに、上記室外機1には、コントローラ
17が備えられている。そして、このコントローラ17
には、室外温度センサ31から室外温度「Ta」が、室
内温度センサ32から室内温度「Tb」が、さらに周波
数センサ33から上記圧縮機11の運転周波数「Hz」
がそれぞれ入力される。上記コントローラ17は、これ
ら各入力信号に基づき、後述するように、上記ファンモ
ータ16に所定の制御信号を出力して上記室外ファン1
5の吹出風量(即ち、回転数)を制御する。そして、こ
の室外ファン15の風量制御に本願発明が適用されてい
る。以下、この室外ファン15の風量制御について具体
的に説明する。
【0067】この実施形態における室外ファン15の制
御は、本願の請求項1及び2に記載の発明を実施したも
のであって、室外ファン15の風量制御に関して、従来
一般的な手法である室外温度「Ta」と室内温度「T
b」とに基づく吹出風量の設定手法に加えて、室内負荷
に相当する圧縮機11の運転周波数「Hz」を加味する
ことで、空気調和装置Z1の各運転負荷時における無駄
な電力消費を回避し、もって空気調和装置Z1の空調特
性のうち、特に「省エネルギー性」を向上させるように
したものである。
【0068】先ず、この制御の背景技術を図3及び図4
を参照して説明すると次の通りである。図3は、ある特
定の条件下(即ち、特定の室外温度と室内温度及び特定
の圧縮機運転周波数(即ち、室内負荷))における室外
ファン15の吹出風量と入力(即ち、消費電力)との関
係を示したものであり、同図における曲線「L1」は圧
縮機11の消費電力、曲線「L2」は室外ファン15の
消費電力、さらに曲線「L3」は圧縮機11と室外ファ
ン15の各消費電力の総和を、それぞれ示している。ま
た、室外ファン15の吹出風量(A)は、従来のように
室外温度と室内温度とに基づいて決定された吹出風量で
ある。
【0069】ここで、今、室外ファン15の吹出風量を
「A」から「B」に減少させた場合について考察する
と、吹出風量の減少により圧縮機11の消費電力は「n
1」から「n2」に増えるが、室外ファン15の消費電力
が「n4」から「n3」に減少するため、総消費電力は
「N1」から「N2」に減少する。従って、この総消費電
力を考慮して、室外ファン15の吹出風量と空気調和装
置Z1としての運転効率(COP)との関係を示すと図
4の曲線L4のようになる。即ち、室外ファン15の吹
出風量を「A」から「B」に減少させることで運転効率
は「COP1」から「COP2」へ増加することになる。
【0070】このような室外ファン15の吹出風量の変
化と空気調和装置Z1の運転効率の変化との関係、即
ち、空気調和装置Z1の運転効率を最大とする室外ファ
ン15の吹出風量「B」は、圧縮機11の全ての運転ポ
イントにおいて且つ個々の条件(即ち、室外温度,室内
温度,圧縮機の運転周波数等)によって異なるものが存
在する。
【0071】従って、実験等により、空気調和装置Z1
の最大の運転効率を得ることができる室外ファン15の
吹出風量「B」を圧縮機11の全ての運転ポイントにお
いて且つ個々の条件下において求めてこれをマップ化し
ておけば、実際の運転に際して、その時の室外温度と室
内温度と圧縮機11の運転周波数に対応してマップ値を
読み出し、これに基づいて室外ファン15の吹出風量を
制御することで、常時、空気調和装置Z1をその運転効
率が最大に近い状態で運転することができ、結果的に空
気調和装置Z1の「省エネルギー性」が達成されること
になる。
【0072】かかる室外ファン15の制御を簡単に示し
たものが図2のフローチャートである。即ち、運転開始
後、先ずステップS1において現在の運転形態を判定す
る。そして、「冷房運転時」と判定された場合には、ス
テップS2において現在の室外温度「Ta」と室内温度
「Tb」と圧縮機11の運転周波数「Hz」とをそれぞ
れ読み込む。そして、ステップS3においては、読み込
まれた室外温度「Ta」と室内温度「Tb」と運転周波
数「Hz」とに基づいて、室外ファン15の最適風量を
マップ検索により算出し、この算出値に基づいて室外フ
ァン15の吹出風量を制御する(ステップS4)。
【0073】一方、ステップS1において「暖房運転
時」と判定された場合には、ステップS5において現在
の室外温度「Ta」と室内温度「Tb」と圧縮機11の
運転周波数「Hz」とをそれぞれ読み込む。そして、ス
テップS6においては、読み込まれた室外温度「Ta」
と室内温度「Tb」と運転周波数「Hz」とに基づい
て、室外ファン15の最適風量をマップ検索により算出
し、この算出値に基づいて室外ファン15の吹出風量を
制御する(ステップS7)。
【0074】尚、ステップS3及びステップS6におけ
る演算子「a」〜「c」及び同「d」〜「f」は、冷房
運転時と暖房運転時とにそれぞれ対応して設定された定
数である。また、この実施形態の制御においては、上述
のように室外ファン15の最適な吹出風量をマップ検索
により算出するようにしているが、他の実施形態におい
ては、例えばこれを、室外温度「Ta」と室内温度「T
b」と運転周波数「Hz」とに基づいて演算により算出
するようにしても良い。
【0075】第2の実施形態 第2の実施形態にかかる空気調和装置は、本願の請求項
1及び3に記載の発明の実施形態であって、上記第1の
実施形態にかかる空気調和装置Z1と同様に、空気調和
装置の「省エネルギー性」の向上を狙ったものであっ
て、その全体システム構成及び室外ファン15の制御フ
ローチャートは全て上記第1の実施形態のものと同一で
あるため、上記第1の実施形態における図1及び図2を
そのまま援用し、ここではこの第2の実施形態における
室外ファン15の制御の基本思想及び背景技術のみにつ
いて、図5及び図6を参照して説明する。
【0076】図6は、上記「従来の技術」の項において
説明したように、冷房運転時を例とし、外気温度と空気
調和装置の冷房能力と室内負荷との関係を示したもので
ある。そして、この実施形態における空気調和装置の狙
いは、圧縮機11の発停の基準となる「最低能力:
03」を、さらに下げて「最低能力:L04」とし、空気
調和装置の能力可変幅を「Sa」から「Sb」に拡大す
るとともに、上記圧縮機11を停止させる領域を「S
A」から「SB」に縮小することで、上記圧縮機11の
頻繁な発停作動を可及的に抑制し、以て圧縮機11の発
停に伴う多大な電力消費を可及的に抑制して空気調和装
置の「省エネルギー性」を高めることにある。
【0077】かかる制御の背景技術は図5に示す通りで
ある。即ち、図5には、室外ファン15の吹出風量と空
気調和装置の能力との関係を曲線L5で示したものであ
り、また同図における風量「A」は、従来のように室外
温度と室内温度とに基づいて決定された室外ファン15
の吹出風量である。ここで、この室外ファン15の吹出
風量を「A」から「B」へ減少させると、空気調和装置
の能力は「Q1」から「Q2」に低下することが分かる。
【0078】この実施形態の空気調和装置は、上述のよ
うに室外ファン15の吹出風量の低下により空気調和装
置の能力が低下するという関係に着目し、室内負荷が低
い運転領域においては上記室外ファン15の吹出風量を
減少側に制御して空気調和装置の「最低能力」を更に低
下させるようにしたものである。
【0079】第3の実施形態 図7には、本願発明の第3の実施形態にかかるセパレー
ト型の空気調和装置Z3の全体システムを示しており、
同図において符号1は室外機、2は室内機である。上記
室外機1は、圧縮機11と四路弁12と膨張弁13と室
外熱交換器14とファンモータ16により回転駆動され
る室外ファン15とを備えている。一方、上記室内機2
は、室内熱交換器21とファンモータ23により回転駆
動される室内ファン22とを備えている。そして、これ
ら室外機1と室内機2とは、吐出管41と戻り管42及
び各冷媒管43〜45を介して相互に接続されることで
冷凍システムを構成している。
【0080】さらに、上記室外機1には、コントローラ
17が備えられている。そして、このコントローラ17
には、室外温度センサ31から室外温度「Ta」が、室
内温度センサ32から室内温度「Tb」が、周波数セン
サ33から上記圧縮機11の運転周波数「Hz」がそれ
ぞれ入力されるとともに、リモートコントローラ25か
らは設定温度が入力される。上記コントローラ17は、
これら各入力信号に基づき、後述するように、上記ファ
ンモータ16に所定の制御信号を出力して上記室外ファ
ン15の吹出風量(即ち、回転数)を制御する。そし
て、この室外ファン15の風量制御に本願発明が適用さ
れている。以下、この室外ファン15の風量制御につい
て具体的に説明する。
【0081】この実施形態における室外ファン15の制
御は、本願の請求項4に記載の発明を実施したものであ
って、室外ファン15の風量制御に関して、従来一般的
な手法である室外温度「Ta」と室内温度「Tb」とに
基づく吹出風量の設定手法に加えて、室内負荷に相当す
る圧縮機11の運転周波数「Hz」を加味することで、
室内吹出温度のハンチング現象を可及的に抑制し、もっ
て空気調和装置Z3の空調特性のうち、特に「快適性」
を向上させるようにしたものである。
【0082】先ず、この制御の背景技術を説明すると次
の通りである。図8には、冷房運転時における室外ファ
ン15の吹出風量の変化に伴う、空気調和装置Z3の能
力と入力(即ち、消費電力)と運転効率(COP)の変
化状態を示している。また、図9には、暖房運転時にお
ける室外ファン15の吹出風量の変化に伴う、空気調和
装置Z3の能力と入力(即ち、消費電力)と運転効率
(COP)の変化状態を示している。これら両図から
は、冷房運転時であっても暖房運転時であっても、室外
ファン15の吹出風量の増加に伴って空気調和装置Z3
の能力が上昇する傾向にあることが分かる。この実施形
態のものは、かかる室外ファン15の吹出風量と空気調
和装置Z3の能力との相関関係に着目し、該室外ファン
15の吹出風量の増減調整によって空気調和装置Z3
能力をリニアに増減制御することで「室内吹出温度のハ
ンチング現象」を可及的に防止するようにしたものであ
る。
【0083】かかる知見事項に基づく室外ファン15の
吹出風量の具体的な制御思想は次の通りである。図10
は上記「従来の技術」の項で説明したように従来の空気
調和装置における圧縮機11の制御特性を示したもので
あり、空気調和装置の能力を圧縮機11の運転周波数毎
に段階的に設定したものである。従って、要求される室
内負荷が設定能力の中間値である場合には、圧縮機11
の運転周波数が低位の運転周波数「a」と高位の運転周
波数「b」との間において交互に切り替わり、その結果
として室内吹出温度にハンチング現象が生じる虞れのあ
ることは既述の通りである。
【0084】そこで、この実施形態のものにおいては、
図11(図10の領域Pを拡大図示したものに相当す
る)に示すように、上記リモートコントローラ25(図
7参照)により設定される設定温度「Tr」に対応する
「要求室内負荷」が室外ファン15の吹出風量「a」に
対応する室内負荷「A」と吹出風量「b」に対応する室
内負荷「B」との中間値「C」,「D」,「E」である
場合、空気調和装置の能力を上記「A」あるいは「B」
に設定した状態において、室外ファン15の吹出風量を
増減変化させることで該空気調和装置の能力を上記各要
求室内負荷「C」,「D」,「E」に対応させるように
している。具体的には次の通りである。
【0085】要求室内負荷が高位の能力「B」よりも低
位の能力「A」に近い「C」である場合には、先ず圧縮
機11の運転周波数を能力「A」が得られる位置に設定
し、この状態で、室外ファン15をその吹出風量が増加
する方向(即ち、空気調和装置の能力が増加する方向)
に制御し、空気調和装置Z3の能力を要求室内負荷
「C」に合致させる。
【0086】要求室内負荷が低位の能力「A」よりも高
位の「B」に近い「E」である場合には、先ず圧縮機1
1の運転周波数を能力「B」が得られる位置に設定し、
この状態で、室外ファン15をその吹出風量が減少する
方向(即ち、空気調和装置の能力が減少する方向)に制
御し、空気調和装置Z3の能力を要求室内負荷「E」に
合致させる。
【0087】要求室内負荷が低位の能力「A」と高位の
能力「B」のほぼ中間に位置する「D」である場合に
は、先ず圧縮機11の運転周波数を能力「A」あるいは
能力「B」のいずれかに設定し、この状態で、能力
「A」に設定した場合には室外ファン15をその吹出風
量が増加する方向に、能力「B」に設定した場合には室
外ファン15をその吹出風量が減少する方向に、それぞ
れ制御し、空気調和装置Z3の能力を要求室内負荷
「D」に合致させる。
【0088】このように室外ファン15の吹出風量を圧
縮機11の運転周波数に応じて制御することで、空気調
和装置Z3の能力変化がリニアな特性となり、結果的に
室内吹出温度もリニアに変化し、例えば従来のように室
内吹出温度が段階的に変化する場合に比して、空気調和
装置Z3の快適性が向上するものである。
【0089】第4の実施形態 図12には、本願発明の第4の実施形態にかかるセパレ
ート型の空気調和装置Z3の全体システムを示してお
り、同図において符号1は室外機、2は室内機である。
上記室外機1は、圧縮機11と四路弁12と膨張弁13
と室外熱交換器14とファンモータ16により回転駆動
される室外ファン15とを備えている。一方、上記室内
機2は、室内熱交換器21とファンモータ23により回
転駆動される室内ファン22とを備えている。そして、
これら室外機1と室内機2とは、吐出管41と戻り管4
2及び各冷媒管43〜45を介して相互に接続されるこ
とで冷凍システムを構成している。
【0090】さらに、上記室外機1には、コントローラ
17が備えられている。そして、このコントローラ17
には、室外温度センサ31から室外温度「Ta」が、室
内温度センサ32から室内温度「Tb」が、周波数セン
サ33から上記圧縮機11の運転周波数「Hz」が、熱
交温度センサ34から室外熱交換器14の温度が、さら
に冷媒温度センサ35からは上記圧縮機11の吐出側の
冷媒温度が、それぞれ入力され、該コントローラ17は
これら各検出信号に基づき、後述するように、上記ファ
ンモータ16に所定の制御信号を出力して上記室外ファ
ン15の吹出風量(即ち、回転数)を制御する。そし
て、この室外ファン15の風量制御に本願発明が適用さ
れている。以下、この室外ファン15の風量制御につい
て具体的に説明する。
【0091】この実施形態における室外ファン15の吹
出風量制御は、本願の請求項5に記載の発明を適用した
ものであって、該室外ファン15の風量制御により、何
ら格別の手段を講じることなく、暖房運転時に冷媒状態
を調整して室外熱交換器14の着霜を可及的に抑制し、
除霜運転間隔を長大化することで空気調和装置Z4
「快適性」を高めるものである。
【0092】かかる暖房運転時における着霜抑制のため
の室外ファン15の吹出風量制御を、図12に示すシス
テム図に基づき、冷媒の流れに沿って説明する。冷凍シ
ステムにおいては、膨張弁13の開閉によって圧縮機1
1の吐出側の冷媒温度(Th)が最適となるように制御
している。この冷媒温度(Th)は、圧縮機11の吸入
側の冷媒温度によって左右されるので、吸入側の冷媒温
度が最適であればシステムは連続的に運転される。しか
し、室外熱交換器14に着霜が生じると、上記圧縮機1
1の吸入側の冷媒圧力及び冷媒温度が低下し、これに伴
って吐出側の冷媒温度も低下する。すると、上記膨張弁
13は吐出側の冷媒温度(Th)を上げるために閉じ側
に作動し、冷媒の飽和温度が一段と低下し、これによっ
て室外熱交換器14の温度がさらに下がり、その着霜が
促進され、最終的に除霜運転が実行されるものである。
以上が、室外熱交換器14への着霜メカニズムである。
【0093】この実施形態の制御は、上記の如き室外熱
交換器14への着霜メカニズムを考慮した上で、室外熱
交換器14への着霜を室外ファン15の制御によって遅
らせるものである。即ち、室外熱交換器14への着霜が
発生し始めたとき、これを検知し、室外ファン15をそ
の吹出風量が増加する方向に制御する。このように室外
ファン15の吹出風量を増加させると、室外熱交換器1
4の出口側の冷媒はそのエンタルピーがスーパーヒート
状態となり、言わば加熱された状態で圧縮機11に吸入
される。従って、該圧縮機11の吐出側の冷媒温度(T
h)が上昇し、膨張弁13は開側に作動する。これによ
り上記室外熱交換器14における冷媒圧力が上昇し、該
冷媒の飽和温度が上がり、これに伴って室外熱交換器1
4の温度が上昇することで着霜が抑制されるものであ
る。このように、室外熱交換器14への着霜が抑制され
ることで、着霜による除霜運転の間隔が長くなり、結果
的に空気調和装置Z4の「快適性」が高められるもので
ある。
【0094】以上の制御を、図13に示すフローチャー
トに基づいて説明すると次の通りである。即ち、運転開
始後、先ずステップS1において、現在の運転形態を判
断し、現在は「冷房運転時」と判断された場合には通常
の冷房運転制御を行う(ステップS2)。
【0095】これに対して、「暖房運転時」と判断され
た場合には、先ずステップS3において、圧縮機11の
運転周波数が安定しているかどうかを判断し、安定して
いない場合には「△ts」秒だけそのまま待機(ステッ
プS4)した後に、安定している場合にはその時点で、
それぞれステップS5に移行する。尚、ここで圧縮機1
1の運転周波数が安定していない場合に所定時間待機す
るようにしたのは、かかる状態においては室外熱交換器
14における高圧と低圧との圧力差が大きくて該室外熱
交換器14の温度(Te)が低下傾向となり、制御精度
の確保が困難となるので、これを回避するためである。
【0096】ステップS5においては、室外熱交換器温
度(Te)と冷媒吐出温度(Th)とをそれぞれ読み込
む。さらに、ステップS6においては、これら読込値
(Te),(Th)をそれぞれ今回値(Ten),(T
hn)及び前回値(Ten+1),(Thn+1)とし
てメモリーする。
【0097】ステップS7においては、室外熱交換器温
度(Te)と冷媒吐出温度(Th)の変化傾向を判定す
る。そして、(Ten+1)>(Ten)で且つ(Th
n+1)>(Thn)である場合には両温度とも上昇傾
向にあって室外熱交換器14への着霜の虞れはないもの
と判断しそのままリターンする。これに対して、(Te
n+1)<(Ten)で且つ(Thn+1)<(Th
n)である場合には、室外熱交換器14に着霜が発生し
始めていると判断し、この場合には、ステップS8にお
いて着霜発生を示すフラグを1だけインクリメントする
とともに、このフラグ値が設定値「X」に達するまでこ
れを繰り返しながら待機する(ステップS9)。
【0098】ステップS9において、「Flag≧X」
と判定されると、室外ファン15の吹出風量アップによ
る着霜抑制制御が必要な状態に達したと判断し、ステッ
プS10において室外ファン15のステップを1だけ上
昇させて吹出風量を増加させ、着霜の抑制を図る。
【0099】ここで、1回のステップアップで着霜の抑
制が可能となった場合には問題ないが、これだけでは着
霜の抑制が十分でないと判断される場合には、かかるス
テップアップ操作を繰り返して実行し、室外ファン15
の吹出風量のさらなる増量を図る。しかし、ファンステ
ップが最大ステップに達した場合には、最早、室外ファ
ン15の吹出風量の増量によっては着霜を解消し得ない
状態に立ち至ったものと判断し(ステップS11)、除
霜運転を実行する(ステップS12)。
【0100】このように、室外熱交換器14への着霜を
室外ファン15の吹出風量制御により抑制して除霜運転
の実行を遅らせることで、空気調和装置Z4の「快適
性」が向上するものである。
【0101】第5の実施形態 図14には、ここで説明する本願発明の第5の実施形態
及び後述する第6〜第10の各実施形態に共通のセパレ
ート型空気調和装置Z5の全体システムを示している。
この空気調和装置Z5は、上記各実施形態にかかる各空
気調和装置Z1〜Z4と基本構成を同じとするものであっ
て、これを簡単に説明すると次の通りである。
【0102】図14において、符号1は室外機、2は室
内機であり、該室外機1は、圧縮機11と四路弁12と
膨張弁13と室外熱交換器14とファンモータ16によ
り回転駆動される室外ファン15とを備えている。ま
た、上記室内機2は、室内熱交換器21とファンモータ
23により回転駆動される室内ファン22とを備えてい
る。そして、これら室外機1と室内機2とは、吐出管4
1と戻り管42及び各冷媒管43〜45を介して相互に
接続されることで冷凍システムを構成している。
【0103】さらに、上記室外機1には、コントローラ
17が備えられている。そして、このコントローラ17
には、室外温度センサ31から室外温度「Ta」が、室
内温度センサ32から室内温度「Tb」が、上記室外熱
交換器14に設けた熱交温度センサ34から該室外熱交
換器14における冷媒温度「GP3」(以下、実冷媒温
度「GP3」という)が、上記ファンモータ16に設け
たタップ数センサ36から上記室外ファン15の現在の
タップ数「n」が、さらに上記圧縮機11に設けた周波
数センサ33からは該圧縮機11の運転周波数「Hz」
がそれぞれ入力される。
【0104】上記コントローラ17は、これら各入力信
号に基づき、後述するように、上記ファンモータ16に
所定の制御信号を出力して上記室外ファン15の風量制
御を行う。尚、このコントローラ17は、実際的には図
21に示すように、空気調和装置全体の制御を行うもの
である。即ち、制御項目として冷房及び暖房時の起動制
御(固定パラメータでの制御)と、起動後における通常
制御(即ち、室内温度と室外温度等の検出制御パラメー
タと使用者の設定による設定温度等の設定パラメータと
に基づいて冷媒循環量、ファン風量等を調整する制御)
とを基本制御項目とし、さらにこれら基本制御項目に、
各種の保護制御並びに冷房用及び暖房用ファン制御を付
随制御項目とし、これらの制御をトータル的に実行する
ものであって、従来の制御に比して特徴的な部分は、上
記各種の保護制御と並列に上記冷房用及び暖房用ファン
制御を組み合わせた点であり、かかるファン制御により
高い省エネルギー性と快適性が実現されるものである。
【0105】そして、この室外ファン15の風量制御に
本願発明が適用されており、以下、この室外ファン15
の風量制御について具体的に説明する。
【0106】この実施形態における室外ファン15の制
御は、特に上記空気調和装置Z5を冷房運転する場合に
おける制御に関し、本願の請求項6及び請求項9に記載
の発明を適用したものであって、空気調和装置z5の設
置状態、設置環境における風の状態等の諸条件に適応し
て高い省エネルギー性及び快適性が得られるようにした
制御である。そして、この実施形態における制御の基本
思想は、実験等によって予め予想した冷媒の吐出圧力
と、空気調和装置z5の設置状況に応じて変化する実際
の冷媒の吐出圧力とを比較し、その比較結果に基づいて
上記室外ファン15の風量を変化させることで、その設
置状況等の変化に拘わらず常に室外ファン15の風量を
最適値に設定し得るようにするものである。以下、かか
る制御を図15に示すフローチャートに基づいて具体的
に説明する。
【0107】空気調和装置z5の冷房運転の開始後、先
ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御
中でなく(即ち、通常制御中)且つ前回の制御サイクル
からX秒経過し、既に制御が安定した状態であるのかど
うかを判定し、かかる条件が満足された時点でステップ
S2以下の室外ファン15の風量制御に移行する。
【0108】先ず、ステップS2において、想定冷媒圧
力「GP1」を求めるとともに、足切り圧力「GP2」を
設定する。即ち、先ず、想定冷媒圧力「GP1」を、室
外温度と室内温度と圧縮機11の周波数とに基づいて算
出する。この場合、この算出の回帰精度を高める意味
で、室外温度と室内温度と周波数の2乗項を加味してい
る。尚、ここでは上記想定冷媒圧力「GP1」を演算に
より求めているが、この外に、例えば予め上記想定冷媒
圧力「GP1」を室外温度と室内温度と周波数の値に応
じて求めてこれをテーブル化し、テーブル読み出しによ
り決定することも可能である。
【0109】また、上記足切り圧力「GP2」として
は、冷媒温度64℃における飽和圧力26Kg/cm2
を採用している。尚、この足切り圧力「GP2」の値
は、例えば空気調和装置Z5の設置状況等の条件に応じ
て適宜変更設定可能なことは勿論である。
【0110】次に、ステップS3において、測定室外熱
交換器圧力、即ち、実冷媒圧力「GP3」を求める。即
ち、ここでは、上記熱交温度センサ34により測定され
る現在の冷媒温度(即ち、実冷媒温度)に基づき、この
実冷媒温度における冷媒の飽和圧力を実冷媒圧力「GP
3」として採用する。
【0111】次に、上記想定冷媒圧力「GP1」と足切
り圧力「GP2」と実冷媒圧力「GP3」の三者の比較を
行い、その比較結果に応じて上記室外ファン15の風量
の制御方向を決定する。即ち、ここでは、想定冷媒圧力
「GP1」と実冷媒圧力「GP3」との比較と、足切り圧
力「GP2」と実冷媒圧力「GP3」との比較とをそれぞ
れ行う。
【0112】そして、「GP1>GP3」で且つ「GP2
>GP3」である場合は、室外ファン15の風量が過多
で、上記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1
よりも低下している状態であり、上記実冷媒圧力「GP
3」の上昇制御が要求される状態と判断される。また逆
に、上記の条件が満足されないとき、即ち、「GP1
と「GP2」の少なくともいずれか一方が実冷媒圧力
「GP3」よりも低い場合は、室外ファン15の風量が
不足し、上記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「G
1」よりも高い状態であり、上記実冷媒圧力「GP3
の降下制御が要求される状態と判断される。
【0113】従って、前者の場合には、ステップS5に
おいて室外ファン15の風量を1レベルだけ落として上
記実冷媒圧力「GP3」の上昇回復を図る。これに対し
て、後者の場合には、ステップS6において室外ファン
15の風量を1レベルだけ上げて上記実冷媒圧力「GP
3」の降下回復を図る。
【0114】尚、上述の如く足切り圧力「GP2」を設
定し、この足切り圧力「GP2」を上記室外ファン15
の風量制御のための比較演算(ステップS4)において
加味することで、上記ステップS2における想定冷媒圧
力「GP1」の演算に誤差が生じてもその影響を可及的
に排して高い演算精度が確保でき、延いては上記室外フ
ァン15の風量制御の信頼性がより一層高められること
になる。
【0115】かかる室外ファン15の風量制御が繰り返
して実行されることで、冷房運転時において、空気調和
装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した室外フ
ァンの風量制御が実現され、その結果、不必要な電力消
費の回避による省エネルギー性の実現と、風量不足に起
因する吐出圧保護制御の実行に伴う機器の停止の回避及
び霧吹き現象の防止による快適性の確保、さらには冷媒
の適正な高低圧差の実現による上記圧縮機11の信頼性
の確保等が図られるものである。
【0116】尚、この実施形態における制御によれば上
記の如き有用な効果が得られるものであるが、この実施
形態の制御においては想定冷媒圧力「GP1」と実冷媒
圧力「GP3」との比較によって風量制御を行うことを
基本構成とするものであることから、例えば想定冷媒圧
力「GP1」と実冷媒圧力「GP3」とが接近すると、少
しの圧力変化によって室外ファン15の風量が変更さ
れ、風量のハンチング状態が発生することが考えられ
る。従って、かかるハンチング状態の発生を防止するこ
とでより高い快適性をもつ冷房運転が可能とであり、次
述の第6の実施形態における制御は、この第5の実施形
態における制御に、風量のハンチング防止の処理を加味
した構成となっている。
【0117】第6の実施形態 図16には、本願の請求項7及び請求項9の発明が適用
された第6の実施形態にかかる空気調和装置の制御フロ
ーチャートを示している。尚、この実施形態に対応する
空気調和装置のシステムは図14に示したものと同様で
あるのでその説明は省略する。
【0118】この実施形態における制御は、上述のよう
に、上記第1の実施形態における制御に、風量のハンチ
ング防止の制御を加えたものであり、その制御は以下の
通りである。
【0119】空気調和装置z5の冷房運転の開始後、先
ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御
中でなく且つ前回の制御サイクルからX秒経過している
かどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステ
ップS2以下の室外ファン15の風量制御に移行する。
【0120】ステップS2においては、想定冷媒圧力
「GP1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の周波
数とに基づいて算出すると共に、上記足切り圧力「GP
2」として冷媒温度64℃における飽和圧力26Kg/
cm2を設定する。
【0121】次に、ステップS3において、上記熱交温
度センサ34により測定される現在の冷媒温度に基づ
き、この実冷媒温度における冷媒の飽和圧力を測定室外
熱交換器圧力、即ち、実冷媒圧力「GP3」として求め
る。
【0122】次に、ステップS4においては風量のハン
チング防止のための処理を行う。即ち、上記想定冷媒圧
力「GP1」と上記実冷媒圧力「GP3」との差分の2乗
値「(GP1−GP32」が1より小さい領域、及び上
記足切り圧力「GP2」と上記実冷媒圧力「GP3」との
差分の2乗値「(GP2−GP32」が1より小さい領
域をそれぞれ風量制御への移行判断における「不感域」
として設定し、これら二つの2乗値「(GP1−GP3
2」,「(GP2−GP32」のうち、少なくともいずれ
か一方が1より大きい場合にのみステップS5以下の風
量制御に移行し、いずれの値も1より小さい場合にはそ
のまま制御をリターンさせるものである。
【0123】このように「不感域」を設けることで、例
えばかかる「不感域」を設けない場合のように上記想定
冷媒圧力「GP1」と実冷媒圧力「GP3」との大小関係
が変化する度に上記室外ファン15の風量制御が実行さ
れてその風量が変化し、ハンチング状態となるのが可及
的に防止され、その結果、冷房運転時における安定的な
風量制御が実現され、それだけ冷房時の快適性がさらに
高められる。尚、上記不感域の基準となる値「1」は、
これに限定されるものではなく、例えば着霜等の学習機
能を付加することで適宜変更設定し得ることは勿論であ
る。
【0124】上記ステップS4でのハンチング防止処理
の後は、上記第1の実施形態における制御と同様に、ス
テップS5において、上記想定冷媒圧力「GP1」と足
切り圧力「GP2」と実冷媒圧力「GP3」の三者の比較
を行い、「GP1>GP3」で且つ「GP2>GP3」であ
る場合、即ち、室外ファン15の風量過多に起因して上
記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも
低下しており上記実冷媒圧力「GP3」の上昇制御が要
求される場合には、ステップS6において室外ファン1
5の風量を1レベルだけ落として上記実冷媒圧力「GP
3」の上昇回復を図る。
【0125】これに対して、上記「GP1」と「GP2
の少なくともいずれか一方が実冷媒圧力「GP3」より
も低い場合、即ち、室外ファン15の風量が不足し、上
記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも
高くなっており該実冷媒圧力「GP3」の降下制御が要
求される場合には、ステップS7において室外ファン1
5の風量を1レベルだけ上げて上記実冷媒圧力「G
3」の降下回復を図る。
【0126】かかる室外ファン15の風量制御が繰り返
して実行されることで、冷房運転時において、空気調和
装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応し且つ風量
のハンチングの無い状態での風量制御が実現されるもの
である。
【0127】第7の実施形態 図17には、本願の請求項8及び請求項9の発明が適用
された第7の実施形態にかかる空気調和装置の制御フロ
ーチャートを示している。尚、この実施形態に対応する
空気調和装置のシステムは図14に示したものと同様で
あるのでその説明は省略する。
【0128】この実施形態における制御は、上記第6の
実施形態にかかる制御を基本とし、さらにこれに各種の
保護制御をリンクさせ、上記室外ファン15の風量制御
を保護制御に先行させて実行することで保護制御への移
行条件の成立を抑制し、もってを機器の信頼性を維持し
つつ冷房運転時における快適性をさらに高めるようにし
たものである。以下、その具体的な制御を説明する。
【0129】空気調和装置z5の冷房運転の開始後、先
ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御
中でなく且つ前回の制御サイクルからX秒経過している
かどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステ
ップS2以下の室外ファン15の風量制御及び保護制御
に移行する。
【0130】先ず、ステップS2においては、想定冷媒
圧力「GP1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の
周波数とに基づいて算出すると共に、上記足切り圧力
「GP2」として冷媒温度64℃における飽和圧力26
Kg/cm2を設定する。
【0131】次に、ステップS3において、上記熱交温
度センサ34により測定される現在の冷媒温度に基づ
き、この実冷媒温度における冷媒の飽和圧力を測定室外
熱交換器圧力、即ち、実冷媒圧力「GP3」として求め
る。
【0132】次に、ステップS4においては、上記室外
ファン15の風量のハンチング発生を防止すべく、上記
想定冷媒圧力「GP1」と上記実冷媒圧力「GP3」との
差分の2乗値「(GP1−GP32」が1より小さい領
域、及び上記足切り圧力「GP2」と上記実冷媒圧力
「GP3」との差分の2乗値「(GP2−GP32」が1
より小さい領域をそれぞれ風量制御への移行判断におけ
る「不感域」として設定し、これら二つの2乗値「(G
1−GP32」,「(GP2−GP32」のうち、少な
くともいずれか一方が1より大きい場合にのみステップ
S6以下の風量制御に移行し、いずれの値も1より小さ
い場合には保護制御への移行基準となるカウント値を示
す二つのフラグFLG1,FLG2を共にリセット(ステ
ップS5)した後、制御をリターンさせる。尚、上記不
感域の基準となる値「1」は、これに限定されるもので
はなく、例えば着霜等の学習機能を付加することで適宜
変更設定し得ることは勿論である。
【0133】上記ステップS4における不感域との対比
の結果、ステップS6に移行した場合には、先ずこのス
テップS6において、上記想定冷媒圧力「GP1」と足
切り圧力「GP2」と実冷媒圧力「GP3」の三者の比較
を行う。
【0134】ここで、先ず「GP1>GP3」で且つ「G
2>GP3」と判定された場合、即ち、室外ファン15
の風量過多に起因して上記実冷媒圧力「GP3」が想定
冷媒圧力「GP1」よりも低下しており上記実冷媒圧力
「GP3」の上昇制御が要求される場合には、先ず、ス
テップS7において、ステップS19に示す冷房保護制
御への移行基準となるカウント値に対応するフラグFL
2をリセットし、しかる後、ステップS8に移行す
る。
【0135】ステップS8においては、室外ファン15
の現在のタップ数が最小タップ数であるのかどうかを判
定し、最小タップ数でない場合(即ち、さらに室外ファ
ン15の風量を落とす余裕がある場合)には、タップ数
を下げて室外ファン15の風量を1レベル落とし(ステ
ップS13)、上記実冷媒圧力「GP3」の上昇回復を
図る。
【0136】これに対して、ステップS8において現在
の室外ファン15のタップ数は最小タップ数であると判
定された場合には、タップ数の変更によっては最早室外
ファン15の風量を低下させることができない状態であ
るため、ステップS9において室外ファン15の運転を
停止させると共に、冷房低圧保護制御、凍結防止制御、
霧吹回避制御の各制御への移行に備えて、これら各保護
制御への移行基準となるカウント値に対応するフラグF
LG1を1だけインクリメントする(ステップS1
0)。そして、ステップS11においては、フラグFL
1の値と保護制御への移行基準値「M」とを比較す
る。この場合、最初は「FLG1<1」であるため、そ
のまま制御をリターンし、「FLG1>M」となった時
点で上記保護制御へ移行し、所定の保護制御をそれぞれ
実行する(ステップS12)。尚、上記制御が繰り返さ
れる間に、上記想定冷媒圧力「GP1」及び上記実冷媒
圧力「GP3」が変化し、ステップS6において「N
O」と判定されるに至った場合にはステップS14にお
いて上記フラグFLG1がリセットされる。
【0137】一方、ステップS6において、上記想定冷
媒圧力「GP1」と足切り圧力「GP2」の少なくともい
ずれか一方が実冷媒圧力「GP3」よりも低いと判定さ
れた場合、即ち、室外ファン15の風量が不足し、上記
実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも高
くなっており該実冷媒圧力「GP3」の降下制御が要求
される場合には、先ずステップS14において上記冷房
低圧保護制御等の各保護制御(ステップ12参照)への
移行基準となるカウント値に対応するフラグFLG1
リセットし、しかる後、ステップS15に移行する。
【0138】ステップS15においては、室外ファン1
5の現在のタップ数が最大タップ数であるのかどうかを
判定し、最大タップ数でない場合(即ち、さらに室外フ
ァン15の風量を上げる余裕がある場合)には、タップ
数を上げて室外ファン15の風量を1レベル上げ(ステ
ップS13)、上記実冷媒圧力「GP3」の降下回復を
図る。
【0139】これに対して、ステップS15において現
在の室外ファン15のタップ数は最大タップ数であると
判定された場合には、タップ数の変更によっては最早室
外ファン15の風量を上げることができない状態である
ため、ステップS16において室外ファン15の現行風
量を維持させると共に、ステップS19に示す冷房高圧
保護制御への移行に備えて、該保護制御への移行基準と
なるカウント値に対応するフラグFLG2を1だけイン
クリメントする(ステップS18)。そして、ステップ
S18においては、フラグFLG2の値と保護制御への
移行基準値「N」とを比較する。この場合、最初は「F
LG2<1」であるため、そのまま制御をリターンし、
「FLG2>M」となった時点で上記保護制御へ移行
し、所定の保護制御をそれぞれ実行する(ステップS1
9)。尚、上記制御が繰り返される間に、上記想定冷媒
圧力「GP1」及び上記実冷媒圧力「GP3」が変化し、
ステップS6においてYES」と判定されるに至った場
合にはステップS7において上記フラグFLG2がリセ
ットされる。
【0140】尚、この実施形態の制御を含む空気調和装
置Z5全体の制御の機能ブロックを図22に示してい
る。この機能ブロック図に示すように、冷房運転時にお
ける示す室外ファン15の風量制御は、通常電流制御、
冷房低圧保護制御、冷房高圧保護制御、フィン温度保護
制御、凍結防止・霧吹回避制御及び低外気冷房制御の各
制御に対して直列に組み込まれている。従って、上記の
制御フローチャートにおいては、保護制御として「冷房
低圧保護制御」と「凍結防止・霧吹保護制御」及び「冷
房高圧保護制御」を採用しているが、本願発明に適用さ
れる保護制御としてはこれら各保護制御のみに限定され
るものでなく、上記の各保護制御を適宜選択して採用す
ることができるものである。
【0141】第8の実施形態 図18には、本願の請求項10及び請求項13の発明が
適用された第8の実施形態にかかる空気調和装置の制御
フローチャートを示している。尚、この実施形態に対応
する空気調和装置のシステムは図14に示したものと同
様であるのでその説明は省略する。
【0142】この第8の実施形態における室外ファン1
5の制御は、特に上記空気調和装置Z5を暖房運転する
場合における制御に関するものであって、空気調和装置
5の設置状態、設置環境における風の状態等の諸条件
に適応して高い省エネルギー性及び快適性が得られるよ
うにした制御である。従って、上記第5の実施形態にか
かる制御とその基本思想を同じにするものであって、該
第5の実施形態の制御と異なる点は、該第5の実施形態
にかかる制御においては基本的に想定冷媒圧力「G
1」と実冷媒圧力「GP3」との比較によって室外ファ
ン15の風量制御を行うようにしていたのに対して、こ
の第8の実施形態の制御では基本的に想定冷媒温度「G
1」と実冷媒温度「Gt3」との比較によって室外ファ
ン15の風量制御を行うようにした点である(尚、後述
の第9及び第10の実施形態の制御も同様である)。そ
して、この実施形態の制御においては、風量制御のパラ
メータは異なるものの、その効果としては上記第5の実
施形態における制御と同様に、空気調和装置Z5の設置
状況等の変化に拘わらず常に室外ファン15の風量を最
適値に設定して高い省エネルギー性と快適性及び機器の
信頼性を得ることができるとともに、特に暖房運転時に
問題となる室外熱交換器のフィンへの着霜を効果的に抑
制してさらに高い快適性を確保することができるもので
ある。
【0143】以下、この制御を図18に示すフローチャ
ートに基づいて具体的に説明する。
【0144】空気調和装置z5の冷房運転の開始後、先
ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御
中でなく(即ち、通常制御中)且つ前回の制御サイクル
からX秒経過して制御が安定した状態であるのかどうか
を判定し、かかる条件が満足された時点でステップS2
以下の室外ファン15の風量制御に移行する。
【0145】先ず、ステップS2において、想定冷媒温
度「Gt1」を求めるとともに、足切り温度「Gt2」を
設定する。即ち、先ず、想定冷媒温度「Gt1」を、室
外温度と室内温度と圧縮機11の周波数とに基づいて算
出する。この場合、この算出の回帰精度を高める意味
で、室外温度と室内温度と周波数の2乗項を加味してい
る。尚、ここでは上記想定冷媒温度「Gt1」を演算に
より求めているが、この外に、例えば予め上記想定冷媒
温度「Gt1」を室外温度と室内温度と周波数の値に応
じて求めてこれをテーブル化し、テーブル読み出しによ
り決定することも可能である。
【0146】また、上記足切り温度「Gt2」として
は、「−2℃」を採用している。このように上記足切り
温度「Gt2」を「−2℃」に設定したのは、上記想定
冷媒温度「Gt1」の算出値に誤差が生じることは不可
避であり、この誤差が大きいと、未だ着霜限界温度(−
4℃)に達していないにも拘わらず着霜発生と判断して
デフロスト制御が実行されて快適性が損なわれるという
事態の発生が想定されるので、比較的高温側の「−2
℃」に設定して演算に伴う誤差の影響を風量制御から排
除するようにしたものである。
【0147】次に、ステップS3において、測定室外熱
交換器温度、即ち、実冷媒温度「Gt3」を求める。即
ち、ここでは、上記熱交温度センサ34により測定され
る現在の冷媒温度をそのまま実冷媒温度「Gt3」とし
て採用している。
【0148】次に、ステップS4において、上記想定冷
媒温度「Gt1」と足切り温度「Gt2」と実冷媒温度
「Gt3」の三者の比較を行い、その比較結果に応じて
上記室外ファン15の風量の制御方向を決定する。即
ち、ここでは、想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度
「Gt3」との比較と、足切り温度「Gt2」と実冷媒温
度「Gt3」との比較とをそれぞれ行う。
【0149】そして、「Gt3>Gt1」で且つ「Gt3
>Gt2」である場合は、室外ファン15の風量が過多
で、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1
よりも高い状態であり、従って上記実冷媒温度「G
3」の降下制御が要求される状態と判断される。また
逆に、上記の条件が満足されないとき、即ち、「G
1」と「Gt2」の少なくともいずれか一方が「G
3」よりも高い場合は、室外ファン15の風量が不足
し、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1
よりも低い状態であり、フィンへの着霜抑制上において
上記実冷媒温度「Gt3」の上昇制御が要求される状態
と判断される。
【0150】従って、前者の場合には、ステップS5に
おいて室外ファン15の風量を1レベルだけ落として上
記実冷媒温度「Gt3」の降下回復を図る。これに対し
て、後者の場合には、ステップS6において室外ファン
15の風量を1レベルだけ上げて上記実冷媒温度「Gt
3」の上昇回復を図る。かかる風量制御が行われること
で、上記室外ファン15の風量が過多となって上記実冷
媒温度「Gt3」が過度に上昇している状態において
は、上記室外ファン15の風量が減少側に制御されるこ
とで上記実冷媒温度「Gt3」が低下側に変化し可及的
に最適値に収束せしめられ、これにより不必要な電力消
費が回避され、それだけ省エネルギー性が促進されるこ
とになる。また一方、上記室外ファン15の風量が不足
して上記実冷媒温度「Gt3」が過度に低下しフィンへ
の着霜が予想される状態においては、上記室外ファン1
5の風量が増量側に制御されることで上記実冷媒温度
「Gt3」が上昇側に変化して可及的に最適値に収束せ
しめられ、これによりフィンへの着霜が可及的に抑制さ
れる。これらの結果、暖房運転時においては、空気調和
装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した室外フ
ァンの風量制御が実現され、省エネルギー性の実現とフ
ィンへの着霜の抑制による快適性の向上とが図られるも
のである。
【0151】尚、上述の如く足切り温度「Gt2」を設
定し、この足切り温度「Gt2」を上記室外ファン15
の風量制御のための比較演算(ステップS4)において
加味することで、上記ステップS2における想定冷媒温
度「Gt1」の演算に誤差が生じてもその影響を可及的
に排して高い演算精度が確保でき、延いては上記室外フ
ァン15の風量制御の信頼性がより一層高められること
になる。
【0152】また、この実施形態における制御によれば
上記の如き有用な効果が得られるものであるが、この実
施形態の制御においては想定冷媒温度「Gt1」と実冷
媒温度「Gt3」との比較によって風量制御を行うこと
を基本構成とするものであることから、例えば想定冷媒
温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」とが接近すると、
少しの温度変化によって室外ファン15の風量が変更さ
れ、風量のハンチング状態が発生することが考えられ
る。従って、かかるハンチング状態の発生を防止するこ
とでより高い快適性をもつ暖房運転が可能とであり、次
述の第9の実施形態における制御はこの第8の実施形態
にかかる制御に、風量のハンチング防止の処理を付加し
た構成となっている。
【0153】第9の実施形態 図19には、本願の請求項11及び請求項13の発明が
適用された第9の実施形態にかかる空気調和装置の制御
フローチャートを示している。尚、この実施形態に対応
する空気調和装置のシステムは図14に示したものと同
様であるのでその説明は省略する。
【0154】この実施形態における制御は、上述のよう
に、上記第8の実施形態における制御に、風量のハンチ
ング防止の処理を付加したものであり、その制御は以下
の通りである。
【0155】空気調和装置z5の冷房運転の開始後、先
ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御
中でなく且つ前回の制御サイクルからX秒経過している
かどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステ
ップS2以下の室外ファン15の風量制御に移行する。
【0156】ステップS2においては、想定冷媒温度
「Gt1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の周波
数とに基づいて算出すると共に、上記足切り温度「Gt
2」として「−2℃」を設定する。
【0157】次に、ステップS3において、上記熱交温
度センサ34により測定される現在の冷媒温度をそのま
ま実冷媒温度「Gt3」として求める。
【0158】次に、ステップS4においては風量のハン
チング防止のための処理を行う。即ち、上記想定冷媒温
度「Gt1」と上記実冷媒温度「Gt3」との差分の2乗
値「(Gt1−Gt32」が1より小さい領域、及び上
記足切り温度「Gt2」と上記実冷媒温度「Gt3」との
差分の2乗値「(Gt2−Gt32」が1より小さい領
域をそれぞれ風量制御への移行判断における「不感域」
として設定し、これら二つの2乗値「(Gt1−Gt3
2」,「(Gt2−Gt32」のうち、少なくともいずれ
か一方が1より大きい場合にのみステップS5以下の風
量制御に移行し、いずれの値も1より小さい場合にはそ
のまま制御をリターンさせるものである。
【0159】このように「不感域」を設けることで、例
えばかかる「不感域」を設けない場合のように上記想定
冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との大小関係
が変化する度に上記室外ファン15の風量制御が実行さ
れてその風量が変化し、ハンチング状態となるのが可及
的に防止され、その結果、暖房運転時における安定的な
風量制御が実現され、それだけ暖房時の快適性がさらに
高められる。
【0160】上記ステップS4でのハンチング防止処理
の後は、上記第8の実施形態における制御と同様に、ス
テップS5において、上記想定冷媒温度「Gt1」と足
切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」の三者の比較
を行い、その比較結果に応じて上記室外ファン15の風
量の制御方向を決定する。即ち、ここでは、想定冷媒温
度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との比較と、足切り
温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」との比較とをそれ
ぞれ行う。
【0161】そして、「Gt3>Gt1」で且つ「Gt3
>Gt2」である場合は、室外ファン15の風量が過多
で、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1
よりも高い状態であり、従って上記実冷媒温度「G
3」の降下制御が要求される状態と判断される。また
逆に、上記の条件が満足されないとき、即ち、「G
1」と「Gt2」の少なくともいずれか一方が「G
3」よりも高い場合は、室外ファン15の風量が不足
し、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1
よりも低い状態であり、フィンへの着霜抑制上において
上記実冷媒温度「Gt3」の上昇制御が要求される状態
と判断される。
【0162】従って、前者の場合には、ステップS6に
おいて室外ファン15の風量を1レベルだけ落として上
記実冷媒温度「Gt3」の降下回復を図る。これに対し
て、後者の場合には、ステップS7において室外ファン
15の風量を1レベルだけ上げて上記実冷媒温度「Gt
3」の上昇回復を図る。かかる風量制御が行われること
で、上記室外ファン15の風量が過多となって上記実冷
媒温度「Gt3」が過度に上昇している状態において
は、上記室外ファン15の風量が減少側に制御されるこ
とで上記実冷媒温度「Gt3」が低下側に変化し可及的
に最適値に収束せしめられ、これにより不必要な電力消
費が回避され、それだけ省エネルギー性が促進されるこ
とになる。また一方、上記室外ファン15の風量が不足
して上記実冷媒温度「Gt3」が過度に低下しフィンへ
の着霜が予想される状態においては、上記室外ファン1
5の風量が増量側に制御されることで上記実冷媒温度
「Gt3」が上昇側に変化し可及的に最適値に収束せし
められ、これによりフィンへの着霜が可及的に抑制され
る。これらの結果、暖房運転時においては、空気調和装
置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した室外ファ
ンの風量制御が実現され、省エネルギー性の実現とフィ
ンへの着霜の抑制による快適性の向上とが図られるもの
である。
【0163】第10の実施形態 図20には、本願の請求項12及び請求項13の発明が
適用された第10の実施形態にかかる空気調和装置の制
御フローチャートを示している。尚、この実施形態に対
応する空気調和装置のシステムは図14に示したものと
同様であるのでその説明は省略する。
【0164】この実施形態における制御は、上記第9の
実施形態にかかる制御を基本とし、さらにこれに各種の
保護制御をリンクさせ、上記室外ファン15の風量制御
を保護制御に先行させて実行することで保護制御への移
行条件の成立を抑制し、もってを機器の信頼性を維持し
つつ暖房運転時における快適性をさらに高めるようにし
たものである。以下、その具体的な制御を図20に示す
フローチャートに基づいて説明する。
【0165】空気調和装置z5の冷房運転の開始後、先
ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御
中でなく且つ前回の制御サイクルからX秒経過している
かどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステ
ップS2以下の室外ファン15の風量制御及び保護制御
に移行する。
【0166】先ず、ステップS2においては、想定冷媒
温度「Gt1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の
周波数とに基づいて算出すると共に、上記足切り温度
「Gt2」として「−2℃」を設定する。
【0167】次に、ステップS3において、上記熱交温
度センサ34により測定される現在の冷媒温度をそのま
ま実冷媒温度「Gt3」として採用する。さらに、ステ
ップS4においては、上記室外ファン15の風量のハン
チング発生を防止すべく、上記想定冷媒温度「Gt1
と上記実冷媒温度「Gt3」との差分の2乗値「(Gt1
−Gt32」が1より小さい領域、及び上記足切り温度
「Gt2」と上記実冷媒温度「Gt3」との差分の2乗値
「(Gt2−Gt32」が1より小さい領域をそれぞれ
風量制御への移行判断における「不感域」として設定
し、これら二つの2乗値「(Gt1−Gt32」,
「(Gt2−Gt32」のうち、少なくともいずれか一
方が1より大きい場合にのみステップS5以下の風量制
御に移行し、いずれの値も1より小さい場合にはそのま
ま制御をリターンさせるものである。
【0168】このように「不感域」を設けることで、例
えばかかる「不感域」を設けない場合のように上記想定
冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との大小関係
が変化する度に上記室外ファン15の風量制御が実行さ
れてその風量が変化し、ハンチング状態となるのが可及
的に防止され、その結果、暖房運転時における安定的な
風量制御が実現され、それだけ暖房時の快適性がさらに
高められる。
【0169】上記ステップS4でのハンチング防止処理
の後は、ステップS5において、上記想定冷媒温度「G
1」と足切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」の
三者の比較を行い、その比較結果に応じて上記室外ファ
ン15の風量の制御方向を決定する。即ち、ここでは、
想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との比較
と、足切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」との比
較とをそれぞれ行う。
【0170】そして、「Gt3>Gt1」で且つ「Gt3
>Gt2」である場合は、室外ファン15の風量が過多
で、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1
よりも高い状態であり、従って上記実冷媒温度「G
3」の降下制御が要求される状態と判断される。また
逆に、上記の条件が満足されないとき、即ち、「G
1」と「Gt2」の少なくともいずれか一方が「G
3」よりも高い場合は、室外ファン15の風量が不足
し、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1
よりも低い状態であり、フィンへの着霜抑制上において
上記実冷媒温度「Gt3」の上昇制御が要求される状態
と判断される。
【0171】ここで、先ず「Gt3>Gt1」で且つ「G
3>Gt2」と判定された場合、即ち、室外ファン15
の風量過多に起因して上記実冷媒温度「Gt3」が想定
冷媒温度「Gt1」よりも高くなっており上記実冷媒温
度「Gt3」の降下制御が要求される場合には、ステッ
プS7おいて、室外ファン15の現在のタップ数が最小
タップ数であるのかどうかを判定し、最小タップ数でな
い場合(即ち、さらに室外ファン15の風量を落とす余
裕がある場合)には、上記実冷媒温度「Gt3」の降下
回復を図るべく、タップ数を下げて室外ファン15の風
量を1レベル落とし(ステップS8)、しかる後、制御
をリターンさせる。これに対して、ステップS6におい
て現在の室外ファン15のタップ数は最小タップ数であ
ると判定された場合には、タップ数の変更によっては最
早室外ファン15の風量を低下させることができない状
態であるため、ステップS7において室外ファン15の
運転を停止させた後、制御をリターンさせる。
【0172】一方、ステップS5において、上記想定冷
媒温度「Gt1」と足切り温度「Gt2」の少なくともい
ずれか一方が実冷媒温度「Gt3」よりも高いと判定さ
れた場合、即ち、室外ファン15の風量が不足し、上記
実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも低
くなっており、フィンへの着霜防止の観点から、該実冷
媒温度「Gt3」の上昇制御が要求される場合には、ス
テップS9に移行する。
【0173】ステップS9においては、室外ファン15
の現在のタップ数が最大タップ数であるのかどうかを判
定し、最大タップ数でない場合(即ち、さらに室外ファ
ン15の風量を上げる余裕がある場合)には、タップ数
を上げて室外ファン15の風量を1レベル上げ(ステッ
プS11)、上記実冷媒温度「Gt3」の上昇回復を図
った後、ステップS12へ移行する。これに対して、ス
テップS9において現在の室外ファン15のタップ数は
最大タップ数であると判定された場合には、タップ数の
変更によっては最早室外ファン15の風量を上げること
ができない状態であるため、ステップS10において室
外ファン15の現行風量を維持させた後、ステップS1
2に移行する。
【0174】そして、ステップS12においては、先
ず、リモコンにより使用者が設定した暖房の設定温度
「Gt4」と現在の室内温度「Tb」とを比較する。こ
こで、設定温度「Gt4」よりも室内温度「Tb」が等
しいか高い場合には、十分に暖房性能が出ており、従っ
て上記室外ファン15の風量制御は不要と判断し、その
まま制御をリターンする。これに対して、設定温度「G
4」が室内温度「Tb」よりも低い場合には、暖房性
能が十分に出ておらず、フィンへの着霜が予想される状
態である。従って、この場合には、ステップS13にお
いて除霜要求が出ているかどうかを判定し、除霜要求が
出されていない場合には、図示しないが圧縮機11の周
波数を上げて冷媒循環量を増加させることで暖房性能の
向上を図る制御に移行すべく制御をリターンさせる一
方、除霜要求がでている場合には、そのままデフロスト
制御に移行し(ステップS14)除霜を行うことで暖房
性能の回復を図る。
【0175】尚、この実施形態においては上記室外ファ
ン15の風量制御に、デフロスト制御をリンクさせてい
るが、他の実施形態においてはこのデフロスト制御に変
えて、あるいはデフロスト制御とともに他の保護制御
(図22参照)をリンクさせることも可能なことは勿論
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態にかかる空気調和装
置のシステム図である。
【図2】図1に示した空気調和装置における室外ファン
の制御フローチャートである。
【図3】「風量−入力」特性図である。
【図4】「風量−COP」特性図である。
【図5】本願発明の第2の実施形態にかかる空気調和装
置の内容説明用の「風量−能力」特性図である。
【図6】「外気温度−能力」特性図である。
【図7】本願発明の第3の実施形態にかかる空気調和装
置のシステム図である。
【図8】冷房運転時における「風量−能力等」特性図で
ある。
【図9】暖房運転時における「風量−能力等」特性図で
ある。
【図10】「運転周波数−能力」特性図である。
【図11】「風量−能力」特性図である。
【図12】本願発明の第4の実施形態にかかる空気調和
装置のシステム図である。
【図13】図12に示した空気調和装置における室外フ
ァンの制御フローチャートである。
【図14】本願発明の第5の実施形態にかかる空気調和
装置のシステム図である。
【図15】図14に示す空気調和機における室外ファン
の制御フローチャートである。
【図16】本願発明の第6の実施形態にかかる空気調和
装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図17】本願発明の第7の実施形態にかかる空気調和
装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図18】本願発明の第8の実施形態にかかる空気調和
装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図19】本願発明の第9の実施形態にかかる空気調和
装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図20】本願発明の第10の実施形態にかかる空気調
和装置における室外ファンの制御フローチャートであ
る。
【図21】本願発明の第5、第6、第8及び第9の実施
形態にかかる空気調和装置における機能ブロック図であ
る。
【図22】本願発明の第7及び第10の実施形態にかか
る空気調和装置における機能ブロック図である。
【図23】従来の空気調和装置の機能ブロック図であ
る。
【符号の説明】
1は室外機、2は室内機、11は圧縮機、12は四路
弁、13は膨張弁、14は室外熱交換器、15は室外フ
ァン、16はファンモータ、17はコントローラ、21
は室内熱交換器、22は室内ファン、23はファンモー
タ、25はリモートコントローラ、31は室外温度セン
サ、32は室内温度センサ、33は周波数センサ、34
は熱交温度センサ、35は冷媒温度センサ、41は吐出
管、42は戻り管、43は冷媒管、44は冷媒管、45
は冷媒管、Z1〜Z3は空気調和装置である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と室外ファンとを備えた室外機と
    室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内
    負荷に応じて変化するように構成された空気調和装置で
    あって、 上記室外ファンの吹出風量を、室内温度と室外温度と上
    記圧縮機の運転周波数とに応じて制御することを特徴と
    する空気調和装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記室外ファンは、上記圧縮機の各運転負荷時において
    該圧縮機の消費電力と上記室外ファンの消費電力との和
    が最小値近傍となるようにその吹出風量が制御されるこ
    とを特徴とする空気調和装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記室外ファンの吹出風量を、上記圧縮機の各運転負荷
    時において室内温度と室外温度とにより決定される吹出
    風量よりも減少側に設定することを特徴とする空気調和
    装置。
  4. 【請求項4】 圧縮機と室外ファンとを備えた室外機と
    室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内
    負荷に応じて段階的に変化するように構成された空気調
    和装置であって、 上記圧縮機の要求運転周波数が予め段階的に設定された
    運転周波数値の中間値である時に、上記圧縮機の運転周
    波数を上記要求運転周波数の直上に位置する運転周波数
    値に設定した状態で上記室外ファンをその吹出風量が減
    少するように制御し、又は上記圧縮機の運転周波数を上
    記要求運転周波数の直下に位置する運転周波数値に設定
    した状態で上記室外ファンをその吹出風量が増加するよ
    うに制御することを特徴とする空気調和装置。
  5. 【請求項5】 圧縮機と室外熱交換器と室外ファンとを
    備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運
    転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された
    空気調和装置であって、 暖房運転時で且つ上記圧縮機が室内負荷に対応して運転
    している状態において、上記室外熱交換器の温度と上記
    圧縮機から吐出される冷媒温度とが共に低下傾向である
    場合に上記室外ファンをその吹出風量が増加するように
    制御することを特徴とする空気調和装置。
  6. 【請求項6】 圧縮機と室外ファンと室外熱交換器とを
    備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運
    転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された
    空気調和装置であって、 上記室外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を
    検出する冷媒温度センサを備え、 冷房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機の運
    転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器にお
    ける冷媒の想定冷媒圧力と、上記冷媒温度センサにより
    検出される冷媒温度から推定される上記室外熱交換器に
    おける実冷媒圧力とを比較し、 上記室外ファンの風量を、「想定冷媒圧力>実冷媒圧
    力」であるときには減少させ、「想定冷媒圧力<実冷媒
    圧力」であるときには増量させる如く制御することを特
    徴とする空気調和装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との差分に関連する値に
    対応させて所定の不感域を設け、 上記差分に関連する値が上記不感域を越える場合に初め
    て、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との比較に基づく上
    記室外ファンの風量制御を実行するように構成されてい
    ることを特徴とする空気調和装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 上記室外ファンのタップ数を検出するタップ数検出手段
    を備え、 上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との関係が、 「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときには現在のタ
    ップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数でない場合
    には上記室外ファンの風量を減少させ、該タップ数が最
    小タップ数である場合には上記室外ファンの運転を停止
    させるとともに該室外ファンの停止状態が所定期間継続
    された後に保護制御に移行する一方、 「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには現在のタ
    ップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合
    には上記室外ファンの風量を増加させ、該タップ数が最
    大タップ数である場合には上記室外ファンの現在の風量
    を維持させるとともに該室外ファンの最大タップ数での
    運転状態が所定期間継続された後に保護制御に移行する
    ように構成されたことを特徴とする空気調和装置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8において、 上記想定冷媒圧力の上限を規制する足切り圧力を設定
    し、 上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力及び上記足切り圧力の相
    対関係が、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」で且つ「足切
    り圧力>実冷媒圧力」である場合には上記室外ファンの
    風量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記
    室外ファンの風量を増加側に制御することを特徴とする
    空気調和装置。
  10. 【請求項10】 圧縮機と室外ファンと室外熱交換器と
    を備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の
    運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成され
    た空気調和装置であって、 上記室外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を
    検出する冷媒温度センサを備え、 暖房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機の運
    転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器にお
    ける冷媒の想定冷媒温度と、上記冷媒温度センサにより
    検出される上記室外熱交換器における実冷媒温度とを比
    較し、 上記室外ファンの風量を、「想定冷媒温度<実冷媒温
    度」であるときには減少させ、「想定冷媒温度>実冷媒
    温度」であるときには増量させる如く制御することを特
    徴とする空気調和装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 上記想定冷媒温度と実冷媒温度との差分に関連する値に
    対応させて所定の不感域を設け、 上記差分に関連する値が上記不感域を越える場合に初め
    て、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との比較に基づく上
    記室外ファンの風量制御を実行するように構成されてい
    ることを特徴とする空気調和装置。
  12. 【請求項12】 請求項10において、 上記室外ファンのタップ数を検出するタップ数検出手段
    を備え、 上記想定冷媒温度と実冷媒温度との関係が、 「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるときには現在のタ
    ップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数でない場合
    には上記室外ファンの風量を減少させ、該タップ数が最
    小タップ数である場合には上記室外ファンの運転を停止
    させる一方、 「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるときには現在のタ
    ップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合
    には上記室外ファンの風量を増加させた後、該タップ数
    が最大タップ数である場合には上記室外ファンの現在の
    風量を維持させた後に、それぞれ保護制御に移行させる
    ことを特徴とする空気調和装置。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12において、 上記想定冷媒温度の上限を規制する足切り温度を設定
    し、 上記想定冷媒温度と実冷媒温度及び上記足切り温度の相
    対関係が、「想定冷媒温度<実冷媒温度」で且つ「足切
    り温度<実冷媒温度」である場合には上記室外ファンの
    風量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記
    室外ファンの風量を増加側に制御することを特徴とする
    空気調和装置。
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