JP3885300B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、セパレート型の空気調和装置に関し、さらに詳しくは室外機に備えられた室外ファンの制御に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された所謂、インバータ式の空気調和装置においては、外気温度と室内温度の温度差に基づいて室外ファンの吹出風量を決定するのが通例である。
【0004】
ところで、空気調和装置に要求される種々の空調特性の中には、「省エネルギー性」と「快適性」とがある。
【0005】
「省エネルギー性」について
「省エネルギー性」は、特に近年その要求が強いものであり、装置全体としての電力消費量をいかに抑えた状態で装置の運転効率(以下、適宜「COP」と略称する)を高く維持するかが問題となる。
【0006】
かかる背景から、例えば、特開平8−28937号公報には、空気調和装置の運転効率の向上という観点からの制御においては殆ど考慮されていなかった室外ファンに着目し、該室外ファンの吹出風量(即ち、回転速度)を圧縮機の運転周波数に対応させて「高速」と「低速」の二段階に制御する技術が提案されている。
【0007】
ところが、この従来例のものにおいては、室外ファンの回転速度を、単に、圧縮機の運転周波数に基づいて設定された基準値を境として「高速」と「低速」とに切り換えるものであるため、室外ファンの制御による「省エネルギー性」の改善という点においては十分とは言い難いものである。
【0008】
また一方、空気調和装置においては、その運転途中において「発停」が繰り返される場合ある。図6は、冷房運転時を例とし、外気温度と空気調和装置の冷房能力と室内負荷との関係を示したものである。即ち、空気調和装置の冷房能力を「定格能力:L01」と「中間能力:L02」と「最低能力:L03」として表し、また室内負荷を「負荷線:L05」で表している。そして、通常は、外気温度「Ta3」(例えば、35℃)を基準とし、この外気温度「Ta3」を「中間能力」にほぼ合致させるような設定を行っており、この場合における冷房能力の可変幅は「Sa」の範囲となる。この状態から外気温度が「Ta2」まで低下すると、これに伴って室内負荷も減少し、上記「最低能力」上に位置することになる。この状態は、室内負荷が空気調和装置の「最低能力」に達し、これ以下の外気温度(即ち、室内負荷)の領域においては、空気調和装置の能力をそれ以下に下げて室内負荷に対応させるということができない領域である。従って、上記外気温度「Ta2」以下の領域、即ち、領域「SA」では空気調和装置の運転を停止させる。一方、外気温度が上昇に転じ、これが上記外気温度「Ta2」を越えて上昇すると、再び空気調和装置は運転を開始する。かかる空気調和装置の運転の発停は大きな電力消費を伴うものであることから、「省エネルギー性」という点においては好ましいものではない。従って、かかる空気調和装置の「発停」頻度を減らして「省エネルギー性」を高めるためには、図6に破線で示す「最低能力:L04」のように、この「最低能力」の値を低下させることが有効と言える。しかしながら、かかる観点からの技術開発は殆ど為されていないのが実情である。
【0009】
「快適性」について
「快適性」の阻害要因としては、例えば、「室内吹出温度のハンチング現象」と「暖房運転時における頻繁な除霜運転の実行」とがある。
【0010】
上記「室内吹出温度のハンチング現象」について説明すると次の通りである。
【0011】
インバータ式の空気調和装置においては、上述のように、圧縮機の運転周波数を室内負荷に対応させて変化させるようにしているが、その場合、従来一般には図10に示すように、上記圧縮機の運転周波数を所定間隔で段階的に複数個設定しており、従って各設定運転周波数のそれぞれは所定幅の室内負荷に対処することになる。
【0012】
ここで、例えば、圧縮機が運転周波数「a」で運転されている場合(即ち、空気調和装置の能力は「A」である場合)において、その能力が室内負荷に対して不足すると、圧縮機の運転周波数を「b」に上げるが(即ち、空気調和装置の能力を「B」に上昇させる)、この上昇した能力「B」が室内負荷に対して適正であれば問題ないが、これが高過ぎると、再び圧縮機は運転周波数「b」での運転から運転周波数「a」での運転に切り換えられる。かかる運転周波数の頻繁な切り換えにより、室内吹出温度が小刻みに増減する「ハンチング現象」が生じることになる。従って、空気調和装置の「快適性」を追求する上においては、かかる「室内吹出温度のハンチング現象」を抑制することが必要であるが、かかる観点からの技術開発は未だ為されていない。
【0013】
上記「暖房運転時における頻繁な除霜運転の実行」は、暖房途中において温風吹出が頻繁に停止されるものであるため、空気調和装置の「快適性」の確保という点において好ましいものでないことは言うまでもなく、従って、かかる除霜運転の実行を遅延させるための技術が従来から種々提案されている。
【0014】
しかしながら、これらの多くは、フィン構造の改善により着霜の抑制あるいは着霜によるフィン間の通風路の目詰まりの抑制を目的としたもので、少なからず熱交換器の構造の変更を伴うものであり、コスト的に好ましいものとは言い難い。従って、何ら熱交換器等の構造変更を伴うことなく安価な方法で確実に着霜を抑制できる技術の開発が望まれているところであるが、これに対する有効な技術は未だ提案されていない。
【0015】
さらに、インバータ式の空気調和装置においては、「省エネルギー性」と「快適性」及び「機器の信頼性」という点において次のような問題もある。
【0016】
先ず、第1に、空気調和装置の設置状態あるいは周辺環境等に起因する問題である。
【0017】
即ち、インバータ式の空気調和装置においては、上述のように、従来より、室外ファンの風量は室内温度と室外温度のみに基づいて決定するようにしているが、この室外ファン風量の決定方法としては、当該空気調和装置の製品化に際し、試験等により決定するのが通例である。そして、その試験による風量決定の際には、空気調和装置が製品として販売された後におけるその設置状態、設置環境における風の状態等による影響をも考慮しているものの、あらゆる事態が想定される実際の設置状態等に完全に合致させて的確な風量制御を行うことは極めて困難である。
【0018】
このため、インバータ式の空気調和装置の場合、圧縮機の運転周波数が小さく冷媒循環量が少ないとき、特に室外熱交換器が蒸発器として機能する暖房運転時においては、上記室外ファンの風量が過多となり、必要以上の電力消費により省エネルギー性が阻害されることがある。
【0019】
また、室内温度及び室外温度がともに高い冷房過負荷状態での冷房運転時には、特に室外ファンの風量が不足し圧縮機における冷媒の吐出圧力が上がることで、消費電力が増大して省エネルギー性が損なわれるとともに、場合によっては冷媒の吐出圧力の上昇によって吐出圧保護制御が働き、機器の停止により冷房運転が中断されることで冷房の快適性が損なわれることにもなる。
【0020】
これとは逆に、外気温度が低い状態で冷房運転が行われると、その時の冷媒循環量によっては圧縮機の吐出圧力、即ち、高圧側の冷媒圧力が低くなり、これに伴って圧縮機の吸入圧力、即ち、低圧側の冷媒圧力が低くなり易くなり、この結果、蒸発器として機能する室内機の温度が低くなって霧吹き現象が発生するとともに、圧縮機においては適正な運転の確保上から必要とされる高圧と低圧との適正な圧力差がとれなくなりその作動上の信頼性が損なわれることも懸念される。
【0021】
第2の問題は、保護制御の安直な実行による快適性の低下である。即ち、従来の空気調和装置における運転制御は、図23に示すように、起動操作に伴い冷暖の判断がされ、それに応じて冷房起動制御あるいは暖房起動制御が実行され、しかる後、通常制御に移行し、環境温度、使用者の要求に従って機器の運転が行われ、冷房あるいは暖房が実現される。
【0022】
ところで、従来の空気調和装置の制御においては、機器の保護、快適性の追求という観点から、各種の保護制御をそれぞれ個別に使用しており、しかもこの各種の保護制御を圧縮機、電動弁等のアクチュエータとリンクさせていなかったので、所定の保護制御の成立条件が満たされると、冷房あるいは暖房運転からいきなり当該保護制御に移行してしまい、その結果、快適性が損なわれることになるものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
そこで本願発明は、上記の如き従来の空気調和装置における種々の問題に鑑み、室外ファンの適正な風量制御の実現によって、省エネルギー性と快適性の向上と、機器の信頼性の確保とを同時に達成し得るようにした空気調和装置を提案することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0025】
本願の第1の発明では、圧縮機と室外ファンと室外熱交換器とを備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された空気調和装置において、上記室外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を検出する冷媒温度センサを備え、冷房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機の運転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器における冷媒の想定冷媒圧力と、上記冷媒温度センサにより検出される冷媒温度から推定される上記室外熱交換器における実冷媒圧力とを比較し、上記室外ファンの風量を、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときには減少させ、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには増量させる如く制御することを特徴としている。
【0026】
本願の第1の発明では、上記第1の発明に係る空気調和装置において、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との差分に関連する値に対応させて所定の不感域を設け、上記差分に関連する値が上記不感域を越える場合に初めて、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との比較に基づく上記室外ファンの風量制御を実行するように構成されていることを特徴としている。
【0027】
本願の第3の発明では、上記第2の発明に係る空気調和装置において、上記室外ファンのタップ数を検出するタップ数検出手段を備え、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との関係を、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を減少させ、該タップ数が最小タップ数である場合には上記室外ファンの運転を停止させるとともに該室外ファンの停止状態が所定期間継続された後に保護制御に移行する一方、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を増加させ、該タップ数が最大タップ数である場合には上記室外ファンの現在の風量を維持させるとともに該室外ファンの最大タップ数での運転状態が所定期間継続された後に保護制御に移行するように構成したことを特徴としている。
【0028】
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係る空気調和装置において、上記想定冷媒圧力の上限を規制する足切り圧力を設定し、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力及び上記足切り圧力の相対関係を、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」で且つ「足切り圧力>実冷媒圧力」である場合には上記室外ファンの風量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記室外ファンの風量を増加側に制御することを特徴としている。
【0029】
本願の第5の発明では、圧縮機と室外ファンと室外熱交換器とを備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された空気調和装置において、上記室外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を検出する冷媒温度センサを備え、暖房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機の運転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器における冷媒の想定冷媒温度と、上記冷媒温度センサにより検出される上記室外熱交換器における実冷媒温度とを比較し、上記室外ファンの風量を、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるときには減少させ、「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるときには増量させる如く制御することを特徴としている。
【0030】
本願の第6の発明では、上記第5の発明に係る空気調和装置において、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との差分に関連する値に対応させて所定の不感域を設け、上記差分に関連する値が上記不感域を越える場合に初めて、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との比較に基づく上記室外ファンの風量制御を実行するように構成したことを特徴としている。
【0031】
本願の第7の発明では、上記第5の発明に係る空気調和装置において、上記室外ファンのタップ数を検出するタップ数検出手段を備え、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との関係を、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を減少させ、該タップ数が最小タップ数である場合には上記室外ファンの運転を停止させる一方、「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を増加させた後、該タップ数が最大タップ数である場合には上記室外ファンの現在の風量を維持させた後に、それぞれ保護制御に移行させることを特徴としている。
【0032】
本願の第8の発明では、上記第5、第6又は第7の発明に係る空気調和装置において、上記想定冷媒温度の上限を規制する足切り温度を設定し、上記想定冷媒温度と実冷媒温度及び上記足切り温度の相対関係を、「想定冷媒温度<実冷媒温度」で且つ「足切り温度<実冷媒温度」である場合には上記室外ファンの風量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記室外ファンの風量を増加側に制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0033】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0034】
(イ)本願の第1の発明にかかる空気調和装置によれば、圧縮機と室外ファンと室外熱交換器とを備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された空気調和装置において、上記室外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を検出する冷媒温度センサを備え、冷房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機の運転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器における冷媒の想定冷媒圧力と、上記冷媒温度センサにより検出される冷媒温度から推定される上記室外熱交換器における実冷媒圧力を比較し、上記室外ファンの風量を、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときには減少させ、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには増量させる如く制御するようにしている。
【0035】
従って、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」の場合、即ち、上記室外ファンの風量が過多となり、これに伴って上記実冷媒圧力が低下している状態においては、上記室外ファンの風量が減少側に制御されることで上記実冷媒圧力が上昇側に変化し、冷媒圧力が可及的に最適値に収束せしめられる。これに対して、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」の場合、即ち、上記室外ファンの風量が不足し、これに伴って上記実冷媒圧力が過度に上昇している状態においては、上記室外ファンの風量が増量側に制御されることで上記実冷媒圧力が降下側に変化し、冷媒圧力が可及的に最適値に収束せしめられる。
【0036】
これらの結果、冷房運転時においては、空気調和装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した室外ファンの風量制御が実現され、不必要な電力消費の回避による省エネルギー性の実現と、風量不足に起因する吐出圧保護制御の実行に伴う機器の停止の回避及び霧吹き現象の防止による快適性の確保、さらに適正な高低圧差の実現による圧縮機の信頼性の確保等が図られるものである。
【0037】
(ロ)本願の第2の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気調和装置では、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との差分に関連する値に対応させて所定の不感域を設け、上記差分に関連する値が上記不感域を越える場合に初めて、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との比較に基づく上記室外ファンの風量制御を実行するように構成しているので、上記差分に関連する値が上記不感域を越えない限り上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との比較に基づく上記室外ファンの風量制御が実行されず、例えばかかる不感域を設けない場合のように上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との大小関係が変化する度に上記室外ファンの風量制御が実行されることでファン風量がハンチングを起こすのが可及的に抑制され、この結果、安定的な冷房運転が実現され、その快適性がさらに高められるものである。
【0038】
(ハ)本願の第3の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(ロ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気調和装置では、上記室外ファンのタップ数を検出するタップ数検出手段を備え、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との関係が、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を減少させ、該タップ数が最小タップ数である場合には上記室外ファンの運転を停止させるとともに該室外ファンの停止状態が所定期間継続された後に保護制御に移行する一方、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を増加させ、該タップ数が最大タップ数である場合には上記室外ファンの現在の風量を維持させるとともに該室外ファンの最大タップ数での運転状態が所定期間継続された後に保護制御に移行するように構成している。
【0039】
従って、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるとき、即ち、上記室外ファン風量を減少制御する要求があるときには、該室外ファンの現在のタップ数に基づき異なった二つの制御が択一的に実行される。即ち、現在のタップ数が最小タップ数でない場合(即ち、タップ数を低下させる余裕がある場合)には、タップ数を低下させて上記室外ファンの風量を減少させる。これに対して、上記タップ数が最小タップ数である場合(さらにタップ数を低下させる余裕のない場合)には、上記室外ファンの運転そのものを停止させることで風量の低下が図られると共に、該室外ファンの停止状態が所定期間継続されたときにはファン制御から保護制御に移行して機器の保護等が図られる。
【0040】
一方、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるとき、即ち、上記室外ファン風量を増量制御する要求があるときにも、該室外ファンの現在のタップ数に基づき異なった二つの制御が択一的に実行される。即ち、現在のタップ数が最大タップ数でない場合(即ち、タップ数を上げる余裕がある場合)には、該タップ数を上げて上記室外ファンの風量を増加させる。これに対して、上記タップ数が最大タップ数である場合(さらにタップ数を上げる余裕がない場合)には、上記室外ファンの現在の風量がそのまま維持されるとともに、該室外ファンの最大タップ数での運転状態が所定期間継続されたときにはファン制御から保護制御に移行して機器の保護等が図られる。
【0041】
このように、室外ファンの風量制御を適宜の保護制御にリンクさせて実行することで、該風量制御によって圧縮機の吐出圧の調整等が為される分だけ、上記保護制御の成立条件が緩和され、冷房運転時においてその制御が通常制御から保護制御へ移行するのが抑制される。この結果、冷房運転時において保護制御が実行されることに伴って機器が停止されることが少なくなり、それだけ冷房時における快適性が高められるとともに、上記圧縮機の信頼性も高められるものである。
【0042】
(ニ)本願の第4の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ),(ロ)又は(ハ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気調和装置では、上記想定冷媒圧力の上限を規制する足切り圧力を設定し、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力及び上記足切り圧力の相対関係が、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」で且つ「足切り圧力>実冷媒圧力」である場合には上記室外ファンの風量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記室外ファンの風量を増加側に制御するようにしている。
【0043】
上記想定冷媒圧力の値には多少なりとも必ず誤差が伴うが、上記室外熱交換器が凝縮器として機能する冷房運転時において、例えば上記誤差によって、実際には「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」の関係となっているにも拘わらず、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」と判定されると、本来的には上記室外ファンの風量を減量させる必要があるにも拘わらず、該風量が増量側に制御され、これによって上記圧縮機の吐出圧力が過度に上昇し、ついには該圧縮機の運転が高圧保護制御の実行によって停止されることになる。
【0044】
ところが、この発明のように、上記想定冷媒圧力の上限値を規制する足切り圧力を設定し、上記室外ファンの風量制御に上記足切り圧力を加味するようにすると、例え上記想定冷媒圧力の誤差が過大であってこれをそのまま使用すると上記の如き問題が発生するおそれがある場合でも、該想定冷媒圧力によらず、上記足切り圧力と上記実冷媒圧力との比較によって上記室外ファンの風量制御が実行されるので、該室外ファンの風量制御の信頼性が向上し、結果的に省エネルギー性及び快適性の更なる向上が期待できるものである。
【0045】
(ホ)本願の第5の発明にかかる空気調和装置によれば、圧縮機と室外ファンと室外熱交換器とを備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された空気調和装置において、上記室外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を検出する冷媒温度センサを備え、暖房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機の運転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器における冷媒の想定冷媒温度と、上記冷媒温度センサにより検出される上記室外熱交換器における実冷媒温度とを比較し、上記室外ファンの風量を、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるときには減少させ、「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるときには増量させる如く制御するようにしている。
【0046】
従って、「想定冷媒温度<実冷媒温度」の場合、即ち、上記室外ファンの風量が過多となり、これに伴って上記実冷媒温度が過度に上昇している状態においては、上記室外ファンの風量が減少側に制御されることで上記実冷媒温度が低下側に変化し可及的に最適値に収束せしめられることで、不必要な電力消費が回避されそれだけ省エネルギー性が促進されることになる。これに対して、「想定冷媒温度>実冷媒温度」の場合、即ち、上記室外ファンの風量が不足し、これに伴って上記実冷媒温度が過度に低下しフィンへの着霜が予想される状態においては、上記室外ファンの風量が増量側に制御されることで上記実冷媒圧力が上昇側に変化し可及的に最適値に収束せしめられることでフィンへの着霜が可及的に抑制される。これらの結果、暖房運転時においては、空気調和装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した室外ファンの風量制御が実現され、省エネルギー性の実現とフィンへの着霜の抑制による快適性の向上とが図られるものである。
【0047】
(ヘ)本願の第6の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(ホ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気調和装置では、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との差分に関連する値に対応させて所定の不感域を設け、上記差分に関連する値が上記不感域を越える場合に初めて、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との比較に基づく上記室外ファンの風量制御を実行するように構成しているので、上記差分に関連する値が上記不感域を越えない限り上記想定冷媒温度と実冷媒温度との比較に基づく上記室外ファンの風量制御が実行されず、例えばかかる不感域を設けない場合のように上記想定冷媒温度と実冷媒温度との大小関係が変化する度に上記室外ファンの風量制御が実行されファン風量がハンチングを起こすのが可及的に抑制され、この結果、安定的な暖房運転が実現され、その快適性がさらに高められるものである。
【0048】
(ト)本願の第7の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(ホ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の空気調和装置では、上記室外ファンのタップ数を検出するタップ数検出手段を備え、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との関係が、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を減少させ、該タップ数が最小タップ数である場合には上記室外ファンの運転を停止させる一方、「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を増加させた後、該タップ数が最大タップ数である場合には上記室外ファンの現在の風量を維持させた後に、それぞれ保護制御に移行させるようにしている。 従って、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるとき、即ち、上記室外ファン風量を減少制御する要求があるときには、該室外ファンの現在のタップ数に基づき異なった二つの制御が択一的に実行される。即ち、現在のタップ数が最小タップ数でない場合(即ち、タップ数を低下させる余裕がある場合)には、タップ数を低下させて上記室外ファンの風量を減少させる。これに対して、上記タップ数が最小タップ数である場合(さらにタップ数を低下させる余裕のない場合)には、上記室外ファンの運転そのものを停止させることで風量の低下が図られる。かかる室外ファンの風量低下制御により、暖房運転時における高い省エネルギー性が確保されるものである。
【0049】
一方、「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるとき、即ち、上記室外ファン風量を増量制御する必要があるときには、該室外ファンの現在のタップ数に基づき、現在のタップ数が最大タップ数でない場合(即ち、タップ数を上げる余裕がある場合)には該タップ数を上げて上記室外ファンの風量を増加させた後に、また上記タップ数が最大タップ数である場合(さらにタップ数を上げる余裕がない場合)には上記室外ファンの現在の風量をそのまま維持した後に、それぞれ保護制御に移行する。従って、室外ファンの風量を増加させてフィンへの着霜を抑制することよる快適性の向上と、保護制御の実行による機器の信頼性の向上とが図られるものである。
【0050】
(チ)本願の第8の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(ホ),(ヘ)又は(ト)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記想定冷媒温度の上限を規制する足切り温度を設定し、上記想定冷媒温度と実冷媒温度及び上記足切り温度の相対関係が、「想定冷媒温度<実冷媒温度」で且つ「足切り温度<実冷媒温度」である場合には上記室外ファンの風量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記室外ファンの風量を増加側に制御するようにしている。
【0051】
上記想定冷媒温度の値には多少なりとも必ず誤差が伴うが、上記室外熱交換器が蒸発器として機能する暖房運転時において、例えば上記誤差によって、実際には「想定冷媒温度>実冷媒温度」の関係となっているにも拘わらず、「想定冷媒温度<実冷媒温度」と判定されると、本来的には上記室外ファンの風量を増量させてフィンへの着霜を防止する必要があるにも拘わらず、該風量が減量側に制御されフィンの着霜が助長されることにもなる。
【0052】
ところが、この発明のように、上記想定冷媒温度の上限値を規制する足切り温度を設定し、上記室外ファンの風量制御に上記足切り温度を加味するようにすると、例え上記想定冷媒温度の誤差が過大であってこれをそのまま使用すると上記の如き問題が発生するおそれがある場合でも、該想定冷媒温度によらず、上記足切り温度と上記実冷媒温度との比較によって上記室外ファンの風量制御が実行されるので、フィンへの着霜が可及的に抑制され、デフロスト制御への移行が遅延される分だけ暖房時における快適性の更なる向上が期待できるものである。
【発明の実施の形態】
【0053】
第1の実施形態
図1には、本願発明の第1の実施形態にかかるセパレート型の空気調和装置Z1の全体システムを示しており、同図において符号1は室外機、2は室内機である。上記室外機1は、圧縮機11と四路弁12と膨張弁13と室外熱交換器14とファンモータ16により回転駆動される室外ファン15とを備えている。一方、上記室内機2は、室内熱交換器21とファンモータ23により回転駆動される室内ファン22とを備えている。そして、これら室外機1と室内機2とは、吐出管41と戻り管42及び各冷媒管43〜45を介して相互に接続されることで冷凍システムを構成している。
【0054】
さらに、上記室外機1には、コントローラ17が備えられている。そして、このコントローラ17には、室外温度センサ31から室外温度「Ta」が、室内温度センサ32から室内温度「Tb」が、さらに周波数センサ33から上記圧縮機11の運転周波数「Hz」がそれぞれ入力される。上記コントローラ17は、これら各入力信号に基づき、後述するように、上記ファンモータ16に所定の制御信号を出力して上記室外ファン15の吹出風量(即ち、回転数)を制御する。そして、この室外ファン15の風量制御に本願発明が適用されている。以下、この室外ファン15の風量制御について具体的に説明する。
【0055】
この実施形態における室外ファン15の制御は、室外ファン15の風量制御に関して、従来一般的な手法である室外温度「Ta」と室内温度「Tb」とに基づく吹出風量の設定手法に加えて、室内負荷に相当する圧縮機11の運転周波数「Hz」を加味することで、空気調和装置Z1の各運転負荷時における無駄な電力消費を回避し、もって空気調和装置Z1の空調特性のうち、特に「省エネルギー性」を向上させるようにしたものである。
【0056】
先ず、この制御の背景技術を図3及び図4を参照して説明すると次の通りである。図3は、ある特定の条件下(即ち、特定の室外温度と室内温度及び特定の圧縮機運転周波数(即ち、室内負荷))における室外ファン15の吹出風量と入力(即ち、消費電力)との関係を示したものであり、同図における曲線「L1」は圧縮機11の消費電力、曲線「L2」は室外ファン15の消費電力、さらに曲線「L3」は圧縮機11と室外ファン15の各消費電力の総和を、それぞれ示している。また、室外ファン15の吹出風量(A)は、従来のように室外温度と室内温度とに基づいて決定された吹出風量である。
【0057】
ここで、今、室外ファン15の吹出風量を「A」から「B」に減少させた場合について考察すると、吹出風量の減少により圧縮機11の消費電力は「n1」から「n2」に増えるが、室外ファン15の消費電力が「n4」から「n3」に減少するため、総消費電力は「N1」から「N2」に減少する。従って、この総消費電力を考慮して、室外ファン15の吹出風量と空気調和装置Z1としての運転効率(COP)との関係を示すと図4の曲線L4のようになる。即ち、室外ファン15の吹出風量を「A」から「B」に減少させることで運転効率は「COP1」から「COP2」へ増加することになる。
【0058】
このような室外ファン15の吹出風量の変化と空気調和装置Z1の運転効率の変化との関係、即ち、空気調和装置Z1の運転効率を最大とする室外ファン15の吹出風量「B」は、圧縮機11の全ての運転ポイントにおいて且つ個々の条件(即ち、室外温度,室内温度,圧縮機の運転周波数等)によって異なるものが存在する。
【0059】
従って、実験等により、空気調和装置Z1の最大の運転効率を得ることができる室外ファン15の吹出風量「B」を圧縮機11の全ての運転ポイントにおいて且つ個々の条件下において求めてこれをマップ化しておけば、実際の運転に際して、その時の室外温度と室内温度と圧縮機11の運転周波数に対応してマップ値を読み出し、これに基づいて室外ファン15の吹出風量を制御することで、常時、空気調和装置Z1をその運転効率が最大に近い状態で運転することができ、結果的に空気調和装置Z1の「省エネルギー性」が達成されることになる。
【0060】
かかる室外ファン15の制御を簡単に示したものが図2のフローチャートである。即ち、運転開始後、先ずステップS1において現在の運転形態を判定する。そして、「冷房運転時」と判定された場合には、ステップS2において現在の室外温度「Ta」と室内温度「Tb」と圧縮機11の運転周波数「Hz」とをそれぞれ読み込む。そして、ステップS3においては、読み込まれた室外温度「Ta」と室内温度「Tb」と運転周波数「Hz」とに基づいて、室外ファン15の最適風量をマップ検索により算出し、この算出値に基づいて室外ファン15の吹出風量を制御する(ステップS4)。
【0061】
一方、ステップS1において「暖房運転時」と判定された場合には、ステップS5において現在の室外温度「Ta」と室内温度「Tb」と圧縮機11の運転周波数「Hz」とをそれぞれ読み込む。そして、ステップS6においては、読み込まれた室外温度「Ta」と室内温度「Tb」と運転周波数「Hz」とに基づいて、室外ファン15の最適風量をマップ検索により算出し、この算出値に基づいて室外ファン15の吹出風量を制御する(ステップS7)。
【0062】
尚、ステップS3及びステップS6における演算子「a」〜「c」及び同「d」〜「f」は、冷房運転時と暖房運転時とにそれぞれ対応して設定された定数である。また、この実施形態の制御においては、上述のように室外ファン15の最適な吹出風量をマップ検索により算出するようにしているが、他の実施形態においては、例えばこれを、室外温度「Ta」と室内温度「Tb」と運転周波数「Hz」とに基づいて演算により算出するようにしても良い。
【0063】
第2の実施形態
第2の実施形態にかかる空気調和装置は、上記第1の実施形態にかかる空気調和装置Z1と同様に、空気調和装置の「省エネルギー性」の向上を狙ったものであって、その全体システム構成及び室外ファン15の制御フローチャートは全て上記第1の実施形態のものと同一であるため、上記第1の実施形態における図1及び図2をそのまま援用し、ここではこの第2の実施形態における室外ファン15の制御の基本思想及び背景技術のみについて、図5及び図6を参照して説明する。
【0064】
図6は、上記「従来の技術」の項において説明したように、冷房運転時を例とし、外気温度と空気調和装置の冷房能力と室内負荷との関係を示したものである。そして、この実施形態における空気調和装置の狙いは、圧縮機11の発停の基準となる「最低能力:L03」を、さらに下げて「最低能力:L04」とし、空気調和装置の能力可変幅を「Sa」から「Sb」に拡大するとともに、上記圧縮機11を停止させる領域を「SA」から「SB」に縮小することで、上記圧縮機11の頻繁な発停作動を可及的に抑制し、以て圧縮機11の発停に伴う多大な電力消費を可及的に抑制して空気調和装置の「省エネルギー性」を高めることにある。
【0065】
かかる制御の背景技術は図5に示す通りである。即ち、図5には、室外ファン15の吹出風量と空気調和装置の能力との関係を曲線L5で示したものであり、また同図における風量「A」は、従来のように室外温度と室内温度とに基づいて決定された室外ファン15の吹出風量である。ここで、この室外ファン15の吹出風量を「A」から「B」へ減少させると、空気調和装置の能力は「Q1」から「Q2」に低下することが分かる。
【0066】
この実施形態の空気調和装置は、上述のように室外ファン15の吹出風量の低下により空気調和装置の能力が低下するという関係に着目し、室内負荷が低い運転領域においては上記室外ファン15の吹出風量を減少側に制御して空気調和装置の「最低能力」を更に低下させるようにしたものである。
【0067】
第3の実施形態
図7には、本願発明の第3の実施形態にかかるセパレート型の空気調和装置Z3の全体システムを示しており、同図において符号1は室外機、2は室内機である。上記室外機1は、圧縮機11と四路弁12と膨張弁13と室外熱交換器14とファンモータ16により回転駆動される室外ファン15とを備えている。一方、上記室内機2は、室内熱交換器21とファンモータ23により回転駆動される室内ファン22とを備えている。そして、これら室外機1と室内機2とは、吐出管41と戻り管42及び各冷媒管43〜45を介して相互に接続されることで冷凍システムを構成している。
【0068】
さらに、上記室外機1には、コントローラ17が備えられている。そして、このコントローラ17には、室外温度センサ31から室外温度「Ta」が、室内温度センサ32から室内温度「Tb」が、周波数センサ33から上記圧縮機11の運転周波数「Hz」がそれぞれ入力されるとともに、リモートコントローラ25からは設定温度が入力される。上記コントローラ17は、これら各入力信号に基づき、後述するように、上記ファンモータ16に所定の制御信号を出力して上記室外ファン15の吹出風量(即ち、回転数)を制御する。そして、この室外ファン15の風量制御に本願発明が適用されている。以下、この室外ファン15の風量制御について具体的に説明する。
【0069】
この実施形態における室外ファン15の制御は、室外ファン15の風量制御に関して、従来一般的な手法である室外温度「Ta」と室内温度「Tb」とに基づく吹出風量の設定手法に加えて、室内負荷に相当する圧縮機11の運転周波数「Hz」を加味することで、室内吹出温度のハンチング現象を可及的に抑制し、もって空気調和装置Z3の空調特性のうち、特に「快適性」を向上させるようにしたものである。
【0070】
先ず、この制御の背景技術を説明すると次の通りである。図8には、冷房運転時における室外ファン15の吹出風量の変化に伴う、空気調和装置Z3の能力と入力(即ち、消費電力)と運転効率(COP)の変化状態を示している。また、図9には、暖房運転時における室外ファン15の吹出風量の変化に伴う、空気調和装置Z3の能力と入力(即ち、消費電力)と運転効率(COP)の変化状態を示している。これら両図からは、冷房運転時であっても暖房運転時であっても、室外ファン15の吹出風量の増加に伴って空気調和装置Z3の能力が上昇する傾向にあることが分かる。この実施形態のものは、かかる室外ファン15の吹出風量と空気調和装置Z3の能力との相関関係に着目し、該室外ファン15の吹出風量の増減調整によって空気調和装置Z3の能力をリニアに増減制御することで「室内吹出温度のハンチング現象」を可及的に防止するようにしたものである。
【0071】
かかる知見事項に基づく室外ファン15の吹出風量の具体的な制御思想は次の通りである。図10は上記「従来の技術」の項で説明したように従来の空気調和装置における圧縮機11の制御特性を示したものであり、空気調和装置の能力を圧縮機11の運転周波数毎に段階的に設定したものである。従って、要求される室内負荷が設定能力の中間値である場合には、圧縮機11の運転周波数が低位の運転周波数「a」と高位の運転周波数「b」との間において交互に切り替わり、その結果として室内吹出温度にハンチング現象が生じる虞れのあることは既述の通りである。
【0072】
そこで、この実施形態のものにおいては、図11(図10の領域Pを拡大図示したものに相当する)に示すように、上記リモートコントローラ25(図7参照)により設定される設定温度「Tr」に対応する「要求室内負荷」が室外ファン15の吹出風量「a」に対応する室内負荷「A」と吹出風量「b」に対応する室内負荷「B」との中間値「C」,「D」,「E」である場合、空気調和装置の能力を上記「A」あるいは「B」に設定した状態において、室外ファン15の吹出風量を増減変化させることで該空気調和装置の能力を上記各要求室内負荷「C」,「D」,「E」に対応させるようにしている。具体的には次の通りである。
【0073】
要求室内負荷が高位の能力「B」よりも低位の能力「A」に近い「C」である場合には、先ず圧縮機11の運転周波数を能力「A」が得られる位置に設定し、この状態で、室外ファン15をその吹出風量が増加する方向(即ち、空気調和装置の能力が増加する方向)に制御し、空気調和装置Z3の能力を要求室内負荷「C」に合致させる。
【0074】
要求室内負荷が低位の能力「A」よりも高位の「B」に近い「E」である場合には、先ず圧縮機11の運転周波数を能力「B」が得られる位置に設定し、この状態で、室外ファン15をその吹出風量が減少する方向(即ち、空気調和装置の能力が減少する方向)に制御し、空気調和装置Z3の能力を要求室内負荷「E」に合致させる。
【0075】
要求室内負荷が低位の能力「A」と高位の能力「B」のほぼ中間に位置する「D」である場合には、先ず圧縮機11の運転周波数を能力「A」あるいは能力「B」のいずれかに設定し、この状態で、能力「A」に設定した場合には室外ファン15をその吹出風量が増加する方向に、能力「B」に設定した場合には室外ファン15をその吹出風量が減少する方向に、それぞれ制御し、空気調和装置Z3の能力を要求室内負荷「D」に合致させる。
【0076】
このように室外ファン15の吹出風量を圧縮機11の運転周波数に応じて制御することで、空気調和装置Z3の能力変化がリニアな特性となり、結果的に室内吹出温度もリニアに変化し、例えば従来のように室内吹出温度が段階的に変化する場合に比して、空気調和装置Z3の快適性が向上するものである。
【0077】
第4の実施形態
図12には、本願発明の第4の実施形態にかかるセパレート型の空気調和装置Z3の全体システムを示しており、同図において符号1は室外機、2は室内機である。上記室外機1は、圧縮機11と四路弁12と膨張弁13と室外熱交換器14とファンモータ16により回転駆動される室外ファン15とを備えている。一方、上記室内機2は、室内熱交換器21とファンモータ23により回転駆動される室内ファン22とを備えている。そして、これら室外機1と室内機2とは、吐出管41と戻り管42及び各冷媒管43〜45を介して相互に接続されることで冷凍システムを構成している。
【0078】
さらに、上記室外機1には、コントローラ17が備えられている。そして、このコントローラ17には、室外温度センサ31から室外温度「Ta」が、室内温度センサ32から室内温度「Tb」が、周波数センサ33から上記圧縮機11の運転周波数「Hz」が、熱交温度センサ34から室外熱交換器14の温度が、さらに冷媒温度センサ35からは上記圧縮機11の吐出側の冷媒温度が、それぞれ入力され、該コントローラ17はこれら各検出信号に基づき、後述するように、上記ファンモータ16に所定の制御信号を出力して上記室外ファン15の吹出風量(即ち、回転数)を制御する。そして、この室外ファン15の風量制御に本願発明が適用されている。以下、この室外ファン15の風量制御について具体的に説明する。
【0079】
この実施形態における室外ファン15の吹出風量制御は、該室外ファン15の風量制御により、何ら格別の手段を講じることなく、暖房運転時に冷媒状態を調整して室外熱交換器14の着霜を可及的に抑制し、除霜運転間隔を長大化することで空気調和装置Z4の「快適性」を高めるものである。
【0080】
かかる暖房運転時における着霜抑制のための室外ファン15の吹出風量制御を、図12に示すシステム図に基づき、冷媒の流れに沿って説明する。冷凍システムにおいては、膨張弁13の開閉によって圧縮機11の吐出側の冷媒温度(Th)が最適となるように制御している。この冷媒温度(Th)は、圧縮機11の吸入側の冷媒温度によって左右されるので、吸入側の冷媒温度が最適であればシステムは連続的に運転される。しかし、室外熱交換器14に着霜が生じると、上記圧縮機11の吸入側の冷媒圧力及び冷媒温度が低下し、これに伴って吐出側の冷媒温度も低下する。すると、上記膨張弁13は吐出側の冷媒温度(Th)を上げるために閉じ側に作動し、冷媒の飽和温度が一段と低下し、これによって室外熱交換器14の温度がさらに下がり、その着霜が促進され、最終的に除霜運転が実行されるものである。以上が、室外熱交換器14への着霜メカニズムである。
【0081】
この実施形態の制御は、上記の如き室外熱交換器14への着霜メカニズムを考慮した上で、室外熱交換器14への着霜を室外ファン15の制御によって遅らせるものである。即ち、室外熱交換器14への着霜が発生し始めたとき、これを検知し、室外ファン15をその吹出風量が増加する方向に制御する。このように室外ファン15の吹出風量を増加させると、室外熱交換器14の出口側の冷媒はそのエンタルピーがスーパーヒート状態となり、言わば加熱された状態で圧縮機11に吸入される。従って、該圧縮機11の吐出側の冷媒温度(Th)が上昇し、膨張弁13は開側に作動する。これにより上記室外熱交換器14における冷媒圧力が上昇し、該冷媒の飽和温度が上がり、これに伴って室外熱交換器14の温度が上昇することで着霜が抑制されるものである。このように、室外熱交換器14への着霜が抑制されることで、着霜による除霜運転の間隔が長くなり、結果的に空気調和装置Z4の「快適性」が高められるものである。
【0082】
以上の制御を、図13に示すフローチャートに基づいて説明すると次の通りである。即ち、運転開始後、先ずステップS1において、現在の運転形態を判断し、現在は「冷房運転時」と判断された場合には通常の冷房運転制御を行う(ステップS2)。
【0083】
これに対して、「暖房運転時」と判断された場合には、先ずステップS3において、圧縮機11の運転周波数が安定しているかどうかを判断し、安定していない場合には「△ts」秒だけそのまま待機(ステップS4)した後に、安定している場合にはその時点で、それぞれステップS5に移行する。尚、ここで圧縮機11の運転周波数が安定していない場合に所定時間待機するようにしたのは、かかる状態においては室外熱交換器14における高圧と低圧との圧力差が大きくて該室外熱交換器14の温度(Te)が低下傾向となり、制御精度の確保が困難となるので、これを回避するためである。
【0084】
ステップS5においては、室外熱交換器温度(Te)と冷媒吐出温度(Th)とをそれぞれ読み込む。さらに、ステップS6においては、これら読込値(Te),(Th)をそれぞれ今回値(Ten),(Thn)及び前回値(Ten+1),(Thn+1)としてメモリーする。
【0085】
ステップS7においては、室外熱交換器温度(Te)と冷媒吐出温度(Th)の変化傾向を判定する。そして、(Ten+1)>(Ten)で且つ(Thn+1)>(Thn)である場合には両温度とも上昇傾向にあって室外熱交換器14への着霜の虞れはないものと判断しそのままリターンする。これに対して、(Ten+1)<(Ten)で且つ(Thn+1)<(Thn)である場合には、室外熱交換器14に着霜が発生し始めていると判断し、この場合には、ステップS8において着霜発生を示すフラグを1だけインクリメントするとともに、このフラグ値が設定値「X」に達するまでこれを繰り返しながら待機する(ステップS9)。
【0086】
ステップS9において、「Flag≧X」と判定されると、室外ファン15の吹出風量アップによる着霜抑制制御が必要な状態に達したと判断し、ステップS10において室外ファン15のステップを1だけ上昇させて吹出風量を増加させ、着霜の抑制を図る。
【0087】
ここで、1回のステップアップで着霜の抑制が可能となった場合には問題ないが、これだけでは着霜の抑制が十分でないと判断される場合には、かかるステップアップ操作を繰り返して実行し、室外ファン15の吹出風量のさらなる増量を図る。しかし、ファンステップが最大ステップに達した場合には、最早、室外ファン15の吹出風量の増量によっては着霜を解消し得ない状態に立ち至ったものと判断し(ステップS11)、除霜運転を実行する(ステップS12)。
【0088】
このように、室外熱交換器14への着霜を室外ファン15の吹出風量制御により抑制して除霜運転の実行を遅らせることで、空気調和装置Z4の「快適性」が向上するものである。
【0089】
第5の実施形態
図14には、ここで説明する本願発明の第5の実施形態及び後述する第6〜第10の各実施形態に共通のセパレート型空気調和装置Z5の全体システムを示している。この空気調和装置Z5は、上記各実施形態にかかる各空気調和装置Z1〜Z4と基本構成を同じとするものであって、これを簡単に説明すると次の通りである。
【0090】
図14において、符号1は室外機、2は室内機であり、該室外機1は、圧縮機11と四路弁12と膨張弁13と室外熱交換器14とファンモータ16により回転駆動される室外ファン15とを備えている。また、上記室内機2は、室内熱交換器21とファンモータ23により回転駆動される室内ファン22とを備えている。そして、これら室外機1と室内機2とは、吐出管41と戻り管42及び各冷媒管43〜45を介して相互に接続されることで冷凍システムを構成している。
【0091】
さらに、上記室外機1には、コントローラ17が備えられている。そして、このコントローラ17には、室外温度センサ31から室外温度「Ta」が、室内温度センサ32から室内温度「Tb」が、上記室外熱交換器14に設けた熱交温度センサ34から該室外熱交換器14における冷媒温度「GP3」(以下、実冷媒温度「GP3」という)が、上記ファンモータ16に設けたタップ数センサ36から上記室外ファン15の現在のタップ数「n」が、さらに上記圧縮機11に設けた周波数センサ33からは該圧縮機11の運転周波数「Hz」がそれぞれ入力される。
【0092】
上記コントローラ17は、これら各入力信号に基づき、後述するように、上記ファンモータ16に所定の制御信号を出力して上記室外ファン15の風量制御を行う。尚、このコントローラ17は、実際的には図21に示すように、空気調和装置全体の制御を行うものである。即ち、制御項目として冷房及び暖房時の起動制御(固定パラメータでの制御)と、起動後における通常制御(即ち、室内温度と室外温度等の検出制御パラメータと使用者の設定による設定温度等の設定パラメータとに基づいて冷媒循環量、ファン風量等を調整する制御)とを基本制御項目とし、さらにこれら基本制御項目に、各種の保護制御並びに冷房用及び暖房用ファン制御を付随制御項目とし、これらの制御をトータル的に実行するものであって、従来の制御に比して特徴的な部分は、上記各種の保護制御と並列に上記冷房用及び暖房用ファン制御を組み合わせた点であり、かかるファン制御により高い省エネルギー性と快適性が実現されるものである。
【0093】
そして、この室外ファン15の風量制御に本願発明が適用されており、以下、この室外ファン15の風量制御について具体的に説明する。
【0094】
この実施形態における室外ファン15の制御は、特に上記空気調和装置Z5を冷房運転する場合における制御に関し、空気調和装置Z5の設置状態、設置環境における風の状態等の諸条件に適応して高い省エネルギー性及び快適性が得られるようにした制御である。そして、この実施形態における制御の基本思想は、実験等によって予め予想した冷媒の吐出圧力と、空気調和装置Z5の設置状況に応じて変化する実際の冷媒の吐出圧力とを比較し、その比較結果に基づいて上記室外ファン15の風量を変化させることで、その設置状況等の変化に拘わらず常に室外ファン15の風量を最適値に設定し得るようにするものである。以下、かかる制御を図15に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。
【0095】
空気調和装置Z5の冷房運転の開始後、先ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御中でなく(即ち、通常制御中)且つ前回の制御サイクルからX秒経過し、既に制御が安定した状態であるのかどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステップS2以下の室外ファン15の風量制御に移行する。
【0096】
先ず、ステップS2において、想定冷媒圧力「GP1」を求めるとともに、足切り圧力「GP2」を設定する。即ち、先ず、想定冷媒圧力「GP1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の周波数とに基づいて算出する。この場合、この算出の回帰精度を高める意味で、室外温度と室内温度と周波数の2乗項を加味している。尚、ここでは上記想定冷媒圧力「GP1」を演算により求めているが、この外に、例えば予め上記想定冷媒圧力「GP1」を室外温度と室内温度と周波数の値に応じて求めてこれをテーブル化し、テーブル読み出しにより決定することも可能である。
【0097】
また、上記足切り圧力「GP2」としては、冷媒温度64℃における飽和圧力26Kg/cm2を採用している。尚、この足切り圧力「GP2」の値は、例えば空気調和装置Z5の設置状況等の条件に応じて適宜変更設定可能なことは勿論である。
【0098】
次に、ステップS3において、測定室外熱交換器圧力、即ち、実冷媒圧力「GP3」を求める。即ち、ここでは、上記熱交温度センサ34により測定される現在の冷媒温度(即ち、実冷媒温度)に基づき、この実冷媒温度における冷媒の飽和圧力を実冷媒圧力「GP3」として採用する。
【0099】
次に、上記想定冷媒圧力「GP1」と足切り圧力「GP2」と実冷媒圧力「GP3」の三者の比較を行い、その比較結果に応じて上記室外ファン15の風量の制御方向を決定する。即ち、ここでは、想定冷媒圧力「GP1」と実冷媒圧力「GP3」との比較と、足切り圧力「GP2」と実冷媒圧力「GP3」との比較とをそれぞれ行う。
【0100】
そして、「GP1>GP3」で且つ「GP2>GP3」である場合は、室外ファン15の風量が過多で、上記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも低下している状態であり、上記実冷媒圧力「GP3」の上昇制御が要求される状態と判断される。また逆に、上記の条件が満足されないとき、即ち、「GP1」と「GP2」の少なくともいずれか一方が実冷媒圧力「GP3」よりも低い場合は、室外ファン15の風量が不足し、上記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも高い状態であり、上記実冷媒圧力「GP3」の降下制御が要求される状態と判断される。
【0101】
従って、前者の場合には、ステップS5において室外ファン15の風量を1レベルだけ落として上記実冷媒圧力「GP3」の上昇回復を図る。これに対して、後者の場合には、ステップS6において室外ファン15の風量を1レベルだけ上げて上記実冷媒圧力「GP3」の降下回復を図る。
【0102】
尚、上述の如く足切り圧力「GP2」を設定し、この足切り圧力「GP2」を上記室外ファン15の風量制御のための比較演算(ステップS4)において加味することで、上記ステップS2における想定冷媒圧力「GP1」の演算に誤差が生じてもその影響を可及的に排して高い演算精度が確保でき、延いては上記室外ファン15の風量制御の信頼性がより一層高められることになる。
【0103】
かかる室外ファン15の風量制御が繰り返して実行されることで、冷房運転時において、空気調和装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した室外ファンの風量制御が実現され、その結果、不必要な電力消費の回避による省エネルギー性の実現と、風量不足に起因する吐出圧保護制御の実行に伴う機器の停止の回避及び霧吹き現象の防止による快適性の確保、さらには冷媒の適正な高低圧差の実現による上記圧縮機11の信頼性の確保等が図られるものである。
【0104】
尚、この実施形態における制御によれば上記の如き有用な効果が得られるものであるが、この実施形態の制御においては想定冷媒圧力「GP1」と実冷媒圧力「GP3」との比較によって風量制御を行うことを基本構成とするものであることから、例えば想定冷媒圧力「GP1」と実冷媒圧力「GP3」とが接近すると、少しの圧力変化によって室外ファン15の風量が変更され、風量のハンチング状態が発生することが考えられる。従って、かかるハンチング状態の発生を防止することでより高い快適性をもつ冷房運転が可能とであり、次述の第6の実施形態における制御は、この第5の実施形態における制御に、風量のハンチング防止の処理を加味した構成となっている。
【0105】
第6の実施形態
図16には、第6の実施形態にかかる空気調和装置の制御フローチャートを示している。尚、この実施形態に対応する空気調和装置のシステムは図14に示したものと同様であるのでその説明は省略する。
【0106】
この実施形態における制御は、上述のように、上記第1の実施形態における制御に、風量のハンチング防止の制御を加えたものであり、その制御は以下の通りである。
【0107】
空気調和装置Z5の冷房運転の開始後、先ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御中でなく且つ前回の制御サイクルからX秒経過しているかどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステップS2以下の室外ファン15の風量制御に移行する。
【0108】
ステップS2においては、想定冷媒圧力「GP1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の周波数とに基づいて算出すると共に、上記足切り圧力「GP2」として冷媒温度64℃における飽和圧力26Kg/cm2を設定する。
【0109】
次に、ステップS3において、上記熱交温度センサ34により測定される現在の冷媒温度に基づき、この実冷媒温度における冷媒の飽和圧力を測定室外熱交換器圧力、即ち、実冷媒圧力「GP3」として求める。
【0110】
次に、ステップS4においては風量のハンチング防止のための処理を行う。即ち、上記想定冷媒圧力「GP1」と上記実冷媒圧力「GP3」との差分の2乗値「(GP1−GP3)2」が1より小さい領域、及び上記足切り圧力「GP2」と上記実冷媒圧力「GP3」との差分の2乗値「(GP2−GP3)2」が1より小さい領域をそれぞれ風量制御への移行判断における「不感域」として設定し、これら二つの2乗値「(GP1−GP3)2」,「(GP2−GP3)2」のうち、少なくともいずれか一方が1より大きい場合にのみステップS5以下の風量制御に移行し、いずれの値も1より小さい場合にはそのまま制御をリターンさせるものである。
【0111】
このように「不感域」を設けることで、例えばかかる「不感域」を設けない場合のように上記想定冷媒圧力「GP1」と実冷媒圧力「GP3」との大小関係が変化する度に上記室外ファン15の風量制御が実行されてその風量が変化し、ハンチング状態となるのが可及的に防止され、その結果、冷房運転時における安定的な風量制御が実現され、それだけ冷房時の快適性がさらに高められる。尚、上記不感域の基準となる値「1」は、これに限定されるものではなく、例えば着霜等の学習機能を付加することで適宜変更設定し得ることは勿論である。
【0112】
上記ステップS4でのハンチング防止処理の後は、上記第1の実施形態における制御と同様に、ステップS5において、上記想定冷媒圧力「GP1」と足切り圧力「GP2」と実冷媒圧力「GP3」の三者の比較を行い、「GP1>GP3」で且つ「GP2>GP3」である場合、即ち、室外ファン15の風量過多に起因して上記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも低下しており上記実冷媒圧力「GP3」の上昇制御が要求される場合には、ステップS6において室外ファン15の風量を1レベルだけ落として上記実冷媒圧力「GP3」の上昇回復を図る。
【0113】
これに対して、上記「GP1」と「GP2」の少なくともいずれか一方が実冷媒圧力「GP3」よりも低い場合、即ち、室外ファン15の風量が不足し、上記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも高くなっており該実冷媒圧力「GP3」の降下制御が要求される場合には、ステップS7において室外ファン15の風量を1レベルだけ上げて上記実冷媒圧力「GP3」の降下回復を図る。
【0114】
かかる室外ファン15の風量制御が繰り返して実行されることで、冷房運転時において、空気調和装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応し且つ風量のハンチングの無い状態での風量制御が実現されるものである。
【0115】
第7の実施形態
図17には、第7の実施形態にかかる空気調和装置の制御フローチャートを示している。尚、この実施形態に対応する空気調和装置のシステムは図14に示したものと同様であるのでその説明は省略する。
【0116】
この実施形態における制御は、上記第6の実施形態にかかる制御を基本とし、さらにこれに各種の保護制御をリンクさせ、上記室外ファン15の風量制御を保護制御に先行させて実行することで保護制御への移行条件の成立を抑制し、もって機器の信頼性を維持しつつ冷房運転時における快適性をさらに高めるようにしたものである。以下、その具体的な制御を説明する。
【0117】
空気調和装置Z5の冷房運転の開始後、先ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御中でなく且つ前回の制御サイクルからX秒経過しているかどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステップS2以下の室外ファン15の風量制御及び保護制御に移行する。
【0118】
先ず、ステップS2においては、想定冷媒圧力「GP1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の周波数とに基づいて算出すると共に、上記足切り圧力「GP2」として冷媒温度64℃における飽和圧力26Kg/cm2を設定する。
【0119】
次に、ステップS3において、上記熱交温度センサ34により測定される現在の冷媒温度に基づき、この実冷媒温度における冷媒の飽和圧力を測定室外熱交換器圧力、即ち、実冷媒圧力「GP3」として求める。
【0120】
次に、ステップS4においては、上記室外ファン15の風量のハンチング発生を防止すべく、上記想定冷媒圧力「GP1」と上記実冷媒圧力「GP3」との差分の2乗値「(GP1−GP3)2」が1より小さい領域、及び上記足切り圧力「GP2」と上記実冷媒圧力「GP3」との差分の2乗値「(GP2−GP3)2」が1より小さい領域をそれぞれ風量制御への移行判断における「不感域」として設定し、これら二つの2乗値「(GP1−GP3)2」,「(GP2−GP3)2」のうち、少なくともいずれか一方が1より大きい場合にのみステップS6以下の風量制御に移行し、いずれの値も1より小さい場合には保護制御への移行基準となるカウント値を示す二つのフラグFLG1,FLG2を共にリセット(ステップS5)した後、制御をリターンさせる。尚、上記不感域の基準となる値「1」は、これに限定されるものではなく、例えば着霜等の学習機能を付加することで適宜変更設定し得ることは勿論である。
【0121】
上記ステップS4における不感域との対比の結果、ステップS6に移行した場合には、先ずこのステップS6において、上記想定冷媒圧力「GP1」と足切り圧力「GP2」と実冷媒圧力「GP3」の三者の比較を行う。
【0122】
ここで、先ず「GP1>GP3」で且つ「GP2>GP3」と判定された場合、即ち、室外ファン15の風量過多に起因して上記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも低下しており上記実冷媒圧力「GP3」の上昇制御が要求される場合には、先ず、ステップS7において、ステップS19に示す冷房保護制御への移行基準となるカウント値に対応するフラグFLG2をリセットし、しかる後、ステップS8に移行する。
【0123】
ステップS8においては、室外ファン15の現在のタップ数が最小タップ数であるのかどうかを判定し、最小タップ数でない場合(即ち、さらに室外ファン15の風量を落とす余裕がある場合)には、タップ数を下げて室外ファン15の風量を1レベル落とし(ステップS13)、上記実冷媒圧力「GP3」の上昇回復を図る。
【0124】
これに対して、ステップS8において現在の室外ファン15のタップ数は最小タップ数であると判定された場合には、タップ数の変更によっては最早室外ファン15の風量を低下させることができない状態であるため、ステップS9において室外ファン15の運転を停止させると共に、冷房低圧保護制御、凍結防止制御、霧吹回避制御の各制御への移行に備えて、これら各保護制御への移行基準となるカウント値に対応するフラグFLG1を1だけインクリメントする(ステップS10)。そして、ステップS11においては、フラグFLG1の値と保護制御への移行基準値「M」とを比較する。この場合、最初は「FLG1<1」であるため、そのまま制御をリターンし、「FLG1>M」となった時点で上記保護制御へ移行し、所定の保護制御をそれぞれ実行する(ステップS12)。尚、上記制御が繰り返される間に、上記想定冷媒圧力「GP1」及び上記実冷媒圧力「GP3」が変化し、ステップS6において「NO」と判定されるに至った場合にはステップS14において上記フラグFLG1がリセットされる。
【0125】
一方、ステップS6において、上記想定冷媒圧力「GP1」と足切り圧力「GP2」の少なくともいずれか一方が実冷媒圧力「GP3」よりも低いと判定された場合、即ち、室外ファン15の風量が不足し、上記実冷媒圧力「GP3」が想定冷媒圧力「GP1」よりも高くなっており該実冷媒圧力「GP3」の降下制御が要求される場合には、先ずステップS14において上記冷房低圧保護制御等の各保護制御(ステップ12参照)への移行基準となるカウント値に対応するフラグFLG1をリセットし、しかる後、ステップS15に移行する。
【0126】
ステップS15においては、室外ファン15の現在のタップ数が最大タップ数であるのかどうかを判定し、最大タップ数でない場合(即ち、さらに室外ファン15の風量を上げる余裕がある場合)には、タップ数を上げて室外ファン15の風量を1レベル上げ(ステップS13)、上記実冷媒圧力「GP3」の降下回復を図る。
【0127】
これに対して、ステップS15において現在の室外ファン15のタップ数は最大タップ数であると判定された場合には、タップ数の変更によっては最早室外ファン15の風量を上げることができない状態であるため、ステップS16において室外ファン15の現行風量を維持させると共に、ステップS19に示す冷房高圧保護制御への移行に備えて、該保護制御への移行基準となるカウント値に対応するフラグFLG2を1だけインクリメントする(ステップS18)。そして、ステップS18においては、フラグFLG2の値と保護制御への移行基準値「N」とを比較する。この場合、最初は「FLG2<1」であるため、そのまま制御をリターンし、「FLG2>M」となった時点で上記保護制御へ移行し、所定の保護制御をそれぞれ実行する(ステップS19)。尚、上記制御が繰り返される間に、上記想定冷媒圧力「GP1」及び上記実冷媒圧力「GP3」が変化し、ステップS6においてYES」と判定されるに至った場合にはステップS7において上記フラグFLG2がリセットされる。
【0128】
尚、この実施形態の制御を含む空気調和装置Z5全体の制御の機能ブロックを図22に示している。この機能ブロック図に示すように、冷房運転時における示す室外ファン15の風量制御は、通常電流制御、冷房低圧保護制御、冷房高圧保護制御、フィン温度保護制御、凍結防止・霧吹回避制御及び低外気冷房制御の各制御に対して直列に組み込まれている。従って、上記の制御フローチャートにおいては、保護制御として「冷房低圧保護制御」と「凍結防止・霧吹保護制御」及び「冷房高圧保護制御」を採用しているが、本願発明に適用される保護制御としてはこれら各保護制御のみに限定されるものでなく、上記の各保護制御を適宜選択して採用することができるものである。
【0129】
第8の実施形態
図18には、第8の実施形態にかかる空気調和装置の制御フローチャートを示している。尚、この実施形態に対応する空気調和装置のシステムは図14に示したものと同様であるのでその説明は省略する。
【0130】
この第8の実施形態における室外ファン15の制御は、特に上記空気調和装置Z5を暖房運転する場合における制御に関するものであって、空気調和装置Z5の設置状態、設置環境における風の状態等の諸条件に適応して高い省エネルギー性及び快適性が得られるようにした制御である。従って、上記第5の実施形態にかかる制御とその基本思想を同じにするものであって、該第5の実施形態の制御と異なる点は、該第5の実施形態にかかる制御においては基本的に想定冷媒圧力「GP1」と実冷媒圧力「GP3」との比較によって室外ファン15の風量制御を行うようにしていたのに対して、この第8の実施形態の制御では基本的に想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との比較によって室外ファン15の風量制御を行うようにした点である(尚、後述の第9及び第10の実施形態の制御も同様である)。そして、この実施形態の制御においては、風量制御のパラメータは異なるものの、その効果としては上記第5の実施形態における制御と同様に、空気調和装置Z5の設置状況等の変化に拘わらず常に室外ファン15の風量を最適値に設定して高い省エネルギー性と快適性及び機器の信頼性を得ることができるとともに、特に暖房運転時に問題となる室外熱交換器のフィンへの着霜を効果的に抑制してさらに高い快適性を確保することができるものである。
【0131】
以下、この制御を図18に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。
【0132】
空気調和装置Z5の冷房運転の開始後、先ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御中でなく(即ち、通常制御中)且つ前回の制御サイクルからX秒経過して制御が安定した状態であるのかどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステップS2以下の室外ファン15の風量制御に移行する。
【0133】
先ず、ステップS2において、想定冷媒温度「Gt1」を求めるとともに、足切り温度「Gt2」を設定する。即ち、先ず、想定冷媒温度「Gt1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の周波数とに基づいて算出する。この場合、この算出の回帰精度を高める意味で、室外温度と室内温度と周波数の2乗項を加味している。尚、ここでは上記想定冷媒温度「Gt1」を演算により求めているが、この外に、例えば予め上記想定冷媒温度「Gt1」を室外温度と室内温度と周波数の値に応じて求めてこれをテーブル化し、テーブル読み出しにより決定することも可能である。
【0134】
また、上記足切り温度「Gt2」としては、「−2℃」を採用している。このように上記足切り温度「Gt2」を「−2℃」に設定したのは、上記想定冷媒温度「Gt1」の算出値に誤差が生じることは不可避であり、この誤差が大きいと、未だ着霜限界温度(−4℃)に達していないにも拘わらず着霜発生と判断してデフロスト制御が実行されて快適性が損なわれるという事態の発生が想定されるので、比較的高温側の「−2℃」に設定して演算に伴う誤差の影響を風量制御から排除するようにしたものである。
【0135】
次に、ステップS3において、測定室外熱交換器温度、即ち、実冷媒温度「Gt3」を求める。即ち、ここでは、上記熱交温度センサ34により測定される現在の冷媒温度をそのまま実冷媒温度「Gt3」として採用している。
【0136】
次に、ステップS4において、上記想定冷媒温度「Gt1」と足切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」の三者の比較を行い、その比較結果に応じて上記室外ファン15の風量の制御方向を決定する。即ち、ここでは、想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との比較と、足切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」との比較とをそれぞれ行う。
【0137】
そして、「Gt3>Gt1」で且つ「Gt3>Gt2」である場合は、室外ファン15の風量が過多で、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも高い状態であり、従って上記実冷媒温度「Gt3」の降下制御が要求される状態と判断される。また逆に、上記の条件が満足されないとき、即ち、「Gt1」と「Gt2」の少なくともいずれか一方が「Gt3」よりも高い場合は、室外ファン15の風量が不足し、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも低い状態であり、フィンへの着霜抑制上において上記実冷媒温度「Gt3」の上昇制御が要求される状態と判断される。
【0138】
従って、前者の場合には、ステップS5において室外ファン15の風量を1レベルだけ落として上記実冷媒温度「Gt3」の降下回復を図る。これに対して、後者の場合には、ステップS6において室外ファン15の風量を1レベルだけ上げて上記実冷媒温度「Gt3」の上昇回復を図る。かかる風量制御が行われることで、上記室外ファン15の風量が過多となって上記実冷媒温度「Gt3」が過度に上昇している状態においては、上記室外ファン15の風量が減少側に制御されることで上記実冷媒温度「Gt3」が低下側に変化し可及的に最適値に収束せしめられ、これにより不必要な電力消費が回避され、それだけ省エネルギー性が促進されることになる。また一方、上記室外ファン15の風量が不足して上記実冷媒温度「Gt3」が過度に低下しフィンへの着霜が予想される状態においては、上記室外ファン15の風量が増量側に制御されることで上記実冷媒温度「Gt3」が上昇側に変化して可及的に最適値に収束せしめられ、これによりフィンへの着霜が可及的に抑制される。これらの結果、暖房運転時においては、空気調和装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した室外ファンの風量制御が実現され、省エネルギー性の実現とフィンへの着霜の抑制による快適性の向上とが図られるものである。
【0139】
尚、上述の如く足切り温度「Gt2」を設定し、この足切り温度「Gt2」を上記室外ファン15の風量制御のための比較演算(ステップS4)において加味することで、上記ステップS2における想定冷媒温度「Gt1」の演算に誤差が生じてもその影響を可及的に排して高い演算精度が確保でき、延いては上記室外ファン15の風量制御の信頼性がより一層高められることになる。
【0140】
また、この実施形態における制御によれば上記の如き有用な効果が得られるものであるが、この実施形態の制御においては想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との比較によって風量制御を行うことを基本構成とするものであることから、例えば想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」とが接近すると、少しの温度変化によって室外ファン15の風量が変更され、風量のハンチング状態が発生することが考えられる。従って、かかるハンチング状態の発生を防止することでより高い快適性をもつ暖房運転が可能とであり、次述の第9の実施形態における制御はこの第8の実施形態にかかる制御に、風量のハンチング防止の処理を付加した構成となっている。
【0141】
第9の実施形態
図19には、第9の実施形態にかかる空気調和装置の制御フローチャートを示している。尚、この実施形態に対応する空気調和装置のシステムは図14に示したものと同様であるのでその説明は省略する。
【0142】
この実施形態における制御は、上述のように、上記第8の実施形態における制御に、風量のハンチング防止の処理を付加したものであり、その制御は以下の通りである。
【0143】
空気調和装置Z5の冷房運転の開始後、先ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御中でなく且つ前回の制御サイクルからX秒経過しているかどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステップS2以下の室外ファン15の風量制御に移行する。
【0144】
ステップS2においては、想定冷媒温度「Gt1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の周波数とに基づいて算出すると共に、上記足切り温度「Gt2」として「−2℃」を設定する。
【0145】
次に、ステップS3において、上記熱交温度センサ34により測定される現在の冷媒温度をそのまま実冷媒温度「Gt3」として求める。
【0146】
次に、ステップS4においては風量のハンチング防止のための処理を行う。即ち、上記想定冷媒温度「Gt1」と上記実冷媒温度「Gt3」との差分の2乗値「(Gt1−Gt3)2」が1より小さい領域、及び上記足切り温度「Gt2」と上記実冷媒温度「Gt3」との差分の2乗値「(Gt2−Gt3)2」が1より小さい領域をそれぞれ風量制御への移行判断における「不感域」として設定し、これら二つの2乗値「(Gt1−Gt3)2」,「(Gt2−Gt3)2」のうち、少なくともいずれか一方が1より大きい場合にのみステップS5以下の風量制御に移行し、いずれの値も1より小さい場合にはそのまま制御をリターンさせるものである。
【0147】
このように「不感域」を設けることで、例えばかかる「不感域」を設けない場合のように上記想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との大小関係が変化する度に上記室外ファン15の風量制御が実行されてその風量が変化し、ハンチング状態となるのが可及的に防止され、その結果、暖房運転時における安定的な風量制御が実現され、それだけ暖房時の快適性がさらに高められる。
【0148】
上記ステップS4でのハンチング防止処理の後は、上記第8の実施形態における制御と同様に、ステップS5において、上記想定冷媒温度「Gt1」と足切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」の三者の比較を行い、その比較結果に応じて上記室外ファン15の風量の制御方向を決定する。即ち、ここでは、想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との比較と、足切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」との比較とをそれぞれ行う。
【0149】
そして、「Gt3>Gt1」で且つ「Gt3>Gt2」である場合は、室外ファン15の風量が過多で、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも高い状態であり、従って上記実冷媒温度「Gt3」の降下制御が要求される状態と判断される。また逆に、上記の条件が満足されないとき、即ち、「Gt1」と「Gt2」の少なくともいずれか一方が「Gt3」よりも高い場合は、室外ファン15の風量が不足し、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも低い状態であり、フィンへの着霜抑制上において上記実冷媒温度「Gt3」の上昇制御が要求される状態と判断される。
【0150】
従って、前者の場合には、ステップS6において室外ファン15の風量を1レベルだけ落として上記実冷媒温度「Gt3」の降下回復を図る。これに対して、後者の場合には、ステップS7において室外ファン15の風量を1レベルだけ上げて上記実冷媒温度「Gt3」の上昇回復を図る。かかる風量制御が行われることで、上記室外ファン15の風量が過多となって上記実冷媒温度「Gt3」が過度に上昇している状態においては、上記室外ファン15の風量が減少側に制御されることで上記実冷媒温度「Gt3」が低下側に変化し可及的に最適値に収束せしめられ、これにより不必要な電力消費が回避され、それだけ省エネルギー性が促進されることになる。また一方、上記室外ファン15の風量が不足して上記実冷媒温度「Gt3」が過度に低下しフィンへの着霜が予想される状態においては、上記室外ファン15の風量が増量側に制御されることで上記実冷媒温度「Gt3」が上昇側に変化し可及的に最適値に収束せしめられ、これによりフィンへの着霜が可及的に抑制される。これらの結果、暖房運転時においては、空気調和装置の設置状態、環境温度等の諸条件に適応した室外ファンの風量制御が実現され、省エネルギー性の実現とフィンへの着霜の抑制による快適性の向上とが図られるものである。
【0151】
第10の実施形態
図20には、第10の実施形態にかかる空気調和装置の制御フローチャートを示している。尚、この実施形態に対応する空気調和装置のシステムは図14に示したものと同様であるのでその説明は省略する。
【0152】
この実施形態における制御は、上記第9の実施形態にかかる制御を基本とし、さらにこれに各種の保護制御をリンクさせ、上記室外ファン15の風量制御を保護制御に先行させて実行することで保護制御への移行条件の成立を抑制し、もって機器の信頼性を維持しつつ暖房運転時における快適性をさらに高めるようにしたものである。以下、その具体的な制御を図20に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0153】
空気調和装置Z5の冷房運転の開始後、先ずステップS1において、現在、起動制御及び保護制御中でなく且つ前回の制御サイクルからX秒経過しているかどうかを判定し、かかる条件が満足された時点でステップS2以下の室外ファン15の風量制御及び保護制御に移行する。
【0154】
先ず、ステップS2においては、想定冷媒温度「Gt1」を、室外温度と室内温度と圧縮機11の周波数とに基づいて算出すると共に、上記足切り温度「Gt2」として「−2℃」を設定する。
【0155】
次に、ステップS3において、上記熱交温度センサ34により測定される現在の冷媒温度をそのまま実冷媒温度「Gt3」として採用する。さらに、ステップS4においては、上記室外ファン15の風量のハンチング発生を防止すべく、上記想定冷媒温度「Gt1」と上記実冷媒温度「Gt3」との差分の2乗値「(Gt1−Gt3)2」が1より小さい領域、及び上記足切り温度「Gt2」と上記実冷媒温度「Gt3」との差分の2乗値「(Gt2−Gt3)2」が1より小さい領域をそれぞれ風量制御への移行判断における「不感域」として設定し、これら二つの2乗値「(Gt1−Gt3)2」,「(Gt2−Gt3)2」のうち、少なくともいずれか一方が1より大きい場合にのみステップS5以下の風量制御に移行し、いずれの値も1より小さい場合にはそのまま制御をリターンさせるものである。
【0156】
このように「不感域」を設けることで、例えばかかる「不感域」を設けない場合のように上記想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との大小関係が変化する度に上記室外ファン15の風量制御が実行されてその風量が変化し、ハンチング状態となるのが可及的に防止され、その結果、暖房運転時における安定的な風量制御が実現され、それだけ暖房時の快適性がさらに高められる。
【0157】
上記ステップS4でのハンチング防止処理の後は、ステップS5において、上記想定冷媒温度「Gt1」と足切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」の三者の比較を行い、その比較結果に応じて上記室外ファン15の風量の制御方向を決定する。即ち、ここでは、想定冷媒温度「Gt1」と実冷媒温度「Gt3」との比較と、足切り温度「Gt2」と実冷媒温度「Gt3」との比較とをそれぞれ行う。
【0158】
そして、「Gt3>Gt1」で且つ「Gt3>Gt2」である場合は、室外ファン15の風量が過多で、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも高い状態であり、従って上記実冷媒温度「Gt3」の降下制御が要求される状態と判断される。また逆に、上記の条件が満足されないとき、即ち、「Gt1」と「Gt2」の少なくともいずれか一方が「Gt3」よりも高い場合は、室外ファン15の風量が不足し、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも低い状態であり、フィンへの着霜抑制上において上記実冷媒温度「Gt3」の上昇制御が要求される状態と判断される。
【0159】
ここで、先ず「Gt3>Gt1」で且つ「Gt3>Gt2」と判定された場合、即ち、室外ファン15の風量過多に起因して上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも高くなっており上記実冷媒温度「Gt3」の降下制御が要求される場合には、ステップS7おいて、室外ファン15の現在のタップ数が最小タップ数であるのかどうかを判定し、最小タップ数でない場合(即ち、さらに室外ファン15の風量を落とす余裕がある場合)には、上記実冷媒温度「Gt3」の降下回復を図るべく、タップ数を下げて室外ファン15の風量を1レベル落とし(ステップS8)、しかる後、制御をリターンさせる。これに対して、ステップS6において現在の室外ファン15のタップ数は最小タップ数であると判定された場合には、タップ数の変更によっては最早室外ファン15の風量を低下させることができない状態であるため、ステップS7において室外ファン15の運転を停止させた後、制御をリターンさせる。
【0160】
一方、ステップS5において、上記想定冷媒温度「Gt1」と足切り温度「Gt2」の少なくともいずれか一方が実冷媒温度「Gt3」よりも高いと判定された場合、即ち、室外ファン15の風量が不足し、上記実冷媒温度「Gt3」が想定冷媒温度「Gt1」よりも低くなっており、フィンへの着霜防止の観点から、該実冷媒温度「Gt3」の上昇制御が要求される場合には、ステップS9に移行する。
【0161】
ステップS9においては、室外ファン15の現在のタップ数が最大タップ数であるのかどうかを判定し、最大タップ数でない場合(即ち、さらに室外ファン15の風量を上げる余裕がある場合)には、タップ数を上げて室外ファン15の風量を1レベル上げ(ステップS11)、上記実冷媒温度「Gt3」の上昇回復を図った後、ステップS12へ移行する。これに対して、ステップS9において現在の室外ファン15のタップ数は最大タップ数であると判定された場合には、タップ数の変更によっては最早室外ファン15の風量を上げることができない状態であるため、ステップS10において室外ファン15の現行風量を維持させた後、ステップS12に移行する。
【0162】
そして、ステップS12においては、先ず、リモコンにより使用者が設定した暖房の設定温度「Gt4」と現在の室内温度「Tb」とを比較する。ここで、設定温度「Gt4」よりも室内温度「Tb」が等しいか高い場合には、十分に暖房性能が出ており、従って上記室外ファン15の風量制御は不要と判断し、そのまま制御をリターンする。これに対して、設定温度「Gt4」が室内温度「Tb」よりも低い場合には、暖房性能が十分に出ておらず、フィンへの着霜が予想される状態である。従って、この場合には、ステップS13において除霜要求が出ているかどうかを判定し、除霜要求が出されていない場合には、図示しないが圧縮機11の周波数を上げて冷媒循環量を増加させることで暖房性能の向上を図る制御に移行すべく制御をリターンさせる一方、除霜要求がでている場合には、そのままデフロスト制御に移行し(ステップS14)除霜を行うことで暖房性能の回復を図る。
【0163】
尚、この実施形態においては上記室外ファン15の風量制御に、デフロスト制御をリンクさせているが、他の実施形態においてはこのデフロスト制御に変えて、あるいはデフロスト制御とともに他の保護制御(図22参照)をリンクさせることも可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかる空気調和装置のシステム図である。
【図2】 図1に示した空気調和装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図3】 「風量−入力」特性図である。
【図4】 「風量−COP」特性図である。
【図5】 本願発明の第2の実施形態にかかる空気調和装置の内容説明用の「風量−能力」特性図である。
【図6】 「外気温度−能力」特性図である。
【図7】 本願発明の第3の実施形態にかかる空気調和装置のシステム図である。
【図8】 冷房運転時における「風量−能力等」特性図である。
【図9】 暖房運転時における「風量−能力等」特性図である。
【図10】 「運転周波数−能力」特性図である。
【図11】 「風量−能力」特性図である。
【図12】 本願発明の第4の実施形態にかかる空気調和装置のシステム図である。
【図13】 図12に示した空気調和装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図14】 本願発明の第5の実施形態にかかる空気調和装置のシステム図である。
【図15】 図14に示す空気調和機における室外ファンの制御フローチャートである。
【図16】 本願発明の第6の実施形態にかかる空気調和装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図17】 本願発明の第7の実施形態にかかる空気調和装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図18】 本願発明の第8の実施形態にかかる空気調和装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図19】 本願発明の第9の実施形態にかかる空気調和装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図20】 本願発明の第10の実施形態にかかる空気調和装置における室外ファンの制御フローチャートである。
【図21】 本願発明の第5、第6、第8及び第9の実施形態にかかる空気調和装置における機能ブロック図である。
【図22】 本願発明の第7及び第10の実施形態にかかる空気調和装置における機能ブロック図である。
【図23】 従来の空気調和装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1は室外機、2は室内機、11は圧縮機、12は四路弁、13は膨張弁、14は室外熱交換器、15は室外ファン、16はファンモータ、17はコントローラ、21は室内熱交換器、22は室内ファン、23はファンモータ、25はリモートコントローラ、31は室外温度センサ、32は室内温度センサ、33は周波数センサ、34は熱交温度センサ、35は冷媒温度センサ、41は吐出管、42は戻り管、43は冷媒管、44は冷媒管、45は冷媒管、Z1〜Z3は空気調和装置である。
Claims (8)
- 圧縮機と室外ファンと室外熱交換器とを備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された空気調和装置であって、
上記室外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を検出する冷媒温度センサを備え、
冷房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機の運転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器における冷媒の想定冷媒圧力と、上記冷媒温度センサにより検出される冷媒温度から推定される上記室外熱交換器における実冷媒圧力とを比較し、
上記室外ファンの風量を、「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときには減少させ、「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには増量させる如く制御することを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1において、
上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との差分に関連する値に対応させて所定の不感域を設け、
上記差分に関連する値が上記不感域を越える場合に初めて、上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との比較に基づく上記室外ファンの風量制御を実行するように構成されていることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項2において、
上記室外ファンのタップ数を検出するタップ数検出手段を備え、
上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力との関係が、
「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を減少させ、該タップ数が最小タップ数である場合には上記室外ファンの運転を停止させるとともに該室外ファンの停止状態が所定期間継続された後に保護制御に移行する一方、
「想定冷媒圧力<実冷媒圧力」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を増加させ、該タップ数が最大タップ数である場合には上記室外ファンの現在の風量を維持させるとともに該室外ファンの最大タップ数での運転状態が所定期間継続された後に保護制御に移行するように構成されたことを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1、2又は3において、
上記想定冷媒圧力の上限を規制する足切り圧力を設定し、
上記想定冷媒圧力と実冷媒圧力及び上記足切り圧力の相対関係が、
「想定冷媒圧力>実冷媒圧力」で且つ「足切り圧力>実冷媒圧力」である場合には上記室外ファンの風量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記室外ファンの風量を増加側に制御することを特徴とする空気調和装置。 - 圧縮機と室外ファンと室外熱交換器とを備えた室外機と室内機とからなり、且つ上記圧縮機の運転周波数が室内負荷に応じて変化するように構成された空気調和装置であって、
上記室外熱交換器に該室外熱交換器における冷媒温度を検出する冷媒温度センサを備え、
暖房運転時に、室内温度と室外温度及び上記圧縮機の運転周波数とに基づいて求められる上記室外熱交換器における冷媒の想定冷媒温度と、上記冷媒温度センサにより検出される上記室外熱交換器における実冷媒温度とを比較し、
上記室外ファンの風量を、「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるときには減少させ、「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるときには増量させる如く制御することを特徴とする空気調和装置。 - 請求項5において、
上記想定冷媒温度と実冷媒温度との差分に関連する値に対応させて所定の不感域を設け、
上記差分に関連する値が上記不感域を越える場合に初めて、上記想定冷媒温度と実冷媒温度との比較に基づく上記室外ファンの風量制御を実行するように構成されていることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項5において、
上記室外ファンのタップ数を検出するタップ数検出手段を備え、
上記想定冷媒温度と実冷媒温度との関係が、
「想定冷媒温度<実冷媒温度」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最小タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を減少させ、該タップ数が最小タップ数である場合には上記室外ファンの運転を停止させる一方、
「想定冷媒温度>実冷媒温度」であるときには現在のタップ数に基づき、該タップ数が最大タップ数でない場合には上記室外ファンの風量を増加させた後、該タップ数が最大タップ数である場合には上記室外ファンの現在の風量を維持させた後に、それぞれ保護制御に移行させることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項5、6又は7において、
上記想定冷媒温度の上限を規制する足切り温度を設定し、
上記想定冷媒温度と実冷媒温度及び上記足切り温度の相対関係が、
「想定冷媒温度<実冷媒温度」で且つ「足切り温度<実冷媒温度」である場合には上記室外ファンの風量を減少側に制御し、これら以外である場合には上記室外ファンの風量を増加側に制御することを特徴とする空気調和装置。
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