JP6906088B1 - 空気調和機及び管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】暖房運転を継続しつつ、効率的に室外熱交換器の除霜を行うことを目的とする。【解決手段】室外機及び室内機を有する空気調和機であって、室内機に備えられる室内熱交換器と、室外機に備えられる室外熱交換器と、圧縮機と、膨張弁と、暖房運転中において、外気温度が氷点以上の所定温度よりも高い場合に、室外熱交換器のうち少なくとも下流側の冷媒が過熱状態で、且つ、氷点よりも高い温度になるような第1の除霜運転を行うよう制御する制御部と、を有する。【選択図】図3
Description
本発明は、空気調和機及び管理装置に関する。
外気が低温となる冬場に、空気調和機の暖房運転を行うと、室外機に設けられた室外熱交換器に霜が付着する。室外熱交換器では、霜が成長すると霜が付着した部分が熱抵抗となると共に、霜が通風抵抗となり、風が流れ難くなる。これにより、室外熱交換器の熱交換性能が低下すると共に、暖房能力が低下する。
このため、一般的な空気調和機では、冷媒が循環するヒートポンプサイクルを暖房サイクルから冷房サイクルへ切り替えて霜を溶かす除霜運転を行い、霜が溶けた後に再度暖房サイクルに切り替えて暖房運転を行う、といった制御が行われている。除霜運転では、暖房サイクルから冷房サイクルに切り替えて室内機の室内ファンを停止させることから、室内の温度低下し、快適性が損なわれる。
これに対し、特許文献1には、暖房運転を継続しながら、減圧器と室外熱交換器の間を流れる冷媒の温度を所定温度よりも高くする暖房継続除霜運転を行う空気調和機が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術においては、室外熱交換器全体を霜が溶ける温度まで加熱する必要がある。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、暖房運転を継続しつつ、効率的に室外熱交換器の除霜を行うことを目的とする。
本発明は、室外機及び室内機を有する空気調和機であって、前記室内機に備えられる室内熱交換器と、前記室外機に備えられる室外熱交換器と、圧縮機と、膨張弁と、暖房運転中において、外気温度が氷点以上の所定温度よりも高い場合に、前記室外熱交換器のうち少なくとも下流側の冷媒が過熱状態で、且つ、氷点よりも高い温度になるような第1の除霜運転を行うよう制御する制御部と、を有する。
本発明の他の形態は、室内機に備えられる室内熱交換器と、室外機に備えられる室外熱交換器と、圧縮機と、膨張弁と、を備えた空気調和機を管理する管理装置であって、暖房運転中において、外気温度が氷点以上の所定温度よりも高い場合に、前記室外熱交換器のうち少なくとも下流側の冷媒が過熱状態で、且つ、氷点よりも高い温度になるような第1の除霜運転を行うよう制御する制御部を有する。
本発明によれば、暖房運転を継続しつつ、効率的に室外熱交換器の除霜を行うことができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る空気調和機20を示す図である。空気調和機20は、室外機21及び室内機22を備えている。室外機21は、圧縮機1と、アキュムレータ2と、四方弁3と、膨張弁7と、室外熱交換器8と、室外ファン9と、室外ファン9の駆動モータ10と、温度センサ11、12、13と、空気調和機20の全体を制御する制御部23と、を備えている。室内機22は、室内熱交換器4と、室内ファン5と、室内ファン5の駆動モータ6と、を備えている。
図1は、第1の実施形態に係る空気調和機20を示す図である。空気調和機20は、室外機21及び室内機22を備えている。室外機21は、圧縮機1と、アキュムレータ2と、四方弁3と、膨張弁7と、室外熱交換器8と、室外ファン9と、室外ファン9の駆動モータ10と、温度センサ11、12、13と、空気調和機20の全体を制御する制御部23と、を備えている。室内機22は、室内熱交換器4と、室内ファン5と、室内ファン5の駆動モータ6と、を備えている。
暖房運転時は、室内熱交換器4が凝縮器、室外熱交換器8が蒸発器として動作するために、制御部23は、四方弁3を切り替えることにより、図1の矢印のように、圧縮機1、四方弁3、室内熱交換器4、膨張弁7、室外熱交換器8、四方弁3、アキュムレータ2、圧縮機1の順で、サイクル内に封入された冷媒を循環させる。これにより、室内機22の室内熱交換器4には圧縮機1で高温高圧となった冷媒ガスが供給され、冷媒の凝縮熱により高温になった空気が室内ファン5により室内に温風として吹き出すことで暖房が実現する。
温度センサ11は、暖房運転時に室外熱交換器8の冷媒入口となる配管の近傍、すなわち室外熱交換器8と膨張弁7の間の配管のうち室外熱交換器8の近傍に設けられている。本実施形態においては、暖房運転時の動作を主に説明することから、説明の便宜上、以下では、室外熱交換器8の冷媒の出入口のうち、膨張弁7側の出入口を冷媒入口、室外熱交換器8の出入口のうち、圧縮機1側の出入口を冷媒出口と称する。また、温度センサ11により検知された温度を入口温度と称する。
温度センサ12は、外気温度を検知する。温度センサ13は、圧縮機1の冷媒出口側に設けられ、圧縮機1の冷媒出口側の温度を検知する。以下、温度センサ13により検知される、圧縮機1の冷媒出口側の温度を圧縮機出口温度と称する。
室外機21においては、室内熱交換器4で凝縮液化された冷媒が、膨張弁7で減圧して、室外熱交換器8に供給され、室外ファン9を駆動モータ10で駆動することで、冷媒と外気が熱交換する。暖房運転では、室外熱交換器8での外気と冷媒が熱交換するときの冷媒の気化熱を暖房の熱源とする。暖房運転では、外気温度が低下すると、冷媒との熱交換温度差を確保できるように膨張弁7の開度が調整され、室外熱交換器8に供給される冷媒温度が外気温度より低温になるよう制御される。この制御により、冷媒温度が氷点下になると室外熱交換器8には、霜が付着する。
図2A及び図2Bは、室外熱交換器8の概略図である。図2A及び図2Bを参照しつつ、室外熱交換器8の霜を溶かすための処理について説明する。本実施形態の制御部23は、暖房運転時に、霜を溶かすための処理として、除霜運転と、除霜制御モード運転とを実行することができる。除霜運転は、四方弁3を切り替えることで、冷房運転時のように、冷媒の流れる方向を変更し、室外熱交換器8を凝縮器として動作させることで除霜を行うものである。一方、除霜制御モード運転は、暖房運転を継続しつつ、室外熱交換器8の冷媒を過熱状態とすることで霜を溶かすものである。除霜制御モード運転は、第1の除霜運転の一例であり、除霜運転は、第2の除霜運転の一例である。なお、本実施形態の空気調和機20においては、暖房運転において通常制御モードと除霜制御モードの2つの運転モードが設けられている。除霜制御モードは、除霜制御モード運転を実行する運転モードであり、通常制御モードは、通常の暖房運転を行う運転モードである。以下、通常制御モードにおける運転を通常制御モード運転と称する。
図2A及び図2Bに示す室外熱交換器8において、暖房運転時の冷媒入口31は、室外熱交換器8の下側に位置し、暖房運転時の冷媒出口32は、室外熱交換器8の上側に位置する。通常制御モード運転では、外気温度が低下すると、室外熱交換器8内の冷媒温度が外気温度より低温となるように冷凍サイクルが制御される。このため、外気温度が氷点下より高い温度であっても冷媒温度が氷点下になると、図2Aに示すように、室外熱交換器8には、霜Aが付着する。暖房運転中に室外熱交換器8に流入した冷媒は、室外熱交換器8内で、冷媒の飽和温度まで徐々に低下することになるので、冷媒入口31から中間付近までの冷媒温度は、冷媒の飽和温度より高くなる。つまり、暖房運転の通常制御モード運転中は、まず冷媒出口32側に霜Aが付着し、その後、冷媒入口31側まで霜Aが広がっていく。したがって、室外熱交換器8に霜が付着し始めた段階、すなわち室外熱交換器8全体に霜が付着するより前の段階では、図2Aに示すように、霜Aの付着は冷媒出口32側に限られ、冷媒入口31側には、霜Aは付着していない。この状態からさらに暖房制御モード運転が継続されると、霜Aの付着が冷媒出口32側に広がり、室外熱交換器8全体に霜Aが付着した状態となる。
室外熱交換器8の全体に霜Aが付着する程度に着霜が進行すると、暖房能力は大幅に低下し、付着した霜Aを溶かすためには、四方弁3を切り替える除霜運転が必要になる。一方で、図2Aに示すように、霜Aの付着が冷媒出口32側に限られている場合には、上述の除霜運転モードにおける除霜制御モード運転により、冷媒出口32側の霜を溶かすことができる。具体的には、除霜制御モード運転において、制御部23は、膨張弁7を絞るよう制御する。これにより、室外熱交換器8側の冷媒の圧力が低下し、室内熱交換器4側と室外熱交換器8側の冷媒の圧力差が大きくなる。そして、冷媒入口31側の冷媒温度が低下する一方で、冷媒出口32側の冷媒は過熱状態となる。このように、冷媒出口32側の冷媒を過熱状態にすることで、外気から冷媒への吸熱が行われなくなる。さらに、過熱状態の冷媒の温度が氷点よりも高い温度になると、冷媒出口32側に付着した霜Aは、外気で加熱されて溶ける。このように、膨張弁7を絞ることで、図2Bに示すように、冷媒出口32側の霜Aを溶かすことができる。なお、このように外気で霜Aを溶かすためには、外気温度が氷点よりも高い温度であることが必要条件となる。また、膨張弁7を絞ることで、冷媒入口31側では冷媒温度が低下するため、図2Bに示すように、冷媒出口32側には霜Aが付着するようになる。
運転モードを除霜制御モードから通常制御モードに移行させ、膨張弁7を開けることで、再び冷媒入口31側の冷媒の温度が上昇する一方で、冷媒出口32側の冷媒温度が低下する。したがって、図2Bの状態から、再び図2Aに示すように、霜Aが冷媒出口32側に付着する状態に戻る。本実施形態の制御部23は、このように、通常制御モード運転と除霜制御モード運転とを交互に行うことで、図2Aの状態と図2Bの状態とを繰り返し、冷媒入口31側に付着した霜及び冷媒出口32側に付着した霜を順に溶かすことができる。
図3は、空気調和機20の制御部23により実行される、除霜管理処理を示すフローチャートである。除霜管理処理は、暖房運転時における、除霜運転及び除霜制御モード運転の実行を管理する処理である。暖房運転に設定されると、制御部23は、まず、通常制御モード運転を開始する(S100)。次に、制御部23は、温度センサ12により検知された外気温度を取得し、外気温度と外気温度閾値とを比較する(S102)。ここで、外気温度閾値は、霜が溶ける温度、すなわち氷点よりも高い温度であり、予め設定された温度である。本処理は、室外熱交換器8の冷媒出口32側の霜を外気温度での加熱で溶かすことができるか否かを判定するための処理である。外気温度が外気温度閾値よりも高い場合には、上述の通り、外気により冷媒出口32側に付着した霜を溶かすことができる。すなわち、除霜制御モード運転による除霜が可能である。一方で、外気温度が外気温度閾値以下の場合には、除霜制御モード運転では霜を溶かすことができず、霜を溶かすためには除霜運転が必要となる。
外気温度が外気温度閾値よりも高い場合には(S102でY)、制御部23は、さらに、温度センサ11から室外熱交換器8の入口温度を取得し、入口温度と第1入口温度閾値とを比較する(S104)。ここで、第1入口温度閾値は、室外熱交換器8へ一定量以上着霜したと判断し得る温度であり、予め設定された温度である。なお、一定量以上着霜した状態とは図2Aに示すように、冷媒出口32側に霜が付着した状態である。例えば、空気調和機20の管理者等が、予め除霜制御モード運転を開始すべきとする霜の量を定めておき、この量の霜が付着した場合の室外熱交換器8の入口温度を測定し、これを第1入口温度閾値として設定しておく。なお、室外熱交換器8に霜が付着し始めると入口温度は徐々に低下し、入口温度と霜の付着量に相関があることから、この相関に基づいて、入口温度から、霜の付着量を推定することができる。すなわち、S104の処理は、室外熱交換器8に付着した霜の量が予め設定された量以上であるか否かを判定する処理である。なお、室外熱交換器8の温度以外に、回転数あたりの室外ファン9の駆動モータ10の消費電力と霜の付着量にも相関がある。すなわち、室外熱交換器8に霜が付着し始めると消費電力は徐々に低下する。この相関に基づいて、消費電力から霜の付着量を推定することもできる。従って、室外熱交換器8の温度の代わりに、又は、室外熱交換器の温度と併用して、室外ファン9の駆動モータ10の消費電力と閾値とを比較して、室外熱交換器8に付着した霜の量が予め設定された量以上であるか否かを判定してもよい。
入口温度が第1入口温度閾値よりも高い場合、すなわち室外熱交換器8に付着した霜の量が予め設定された量よりも少ない場合には(S104でN)、制御部23は、処理をS102へ進める。すなわち、この場合には、除霜制御モード運転は行われない。一方、入口温度が第1入口温度閾値以下の場合、すなわち室外熱交換器8に付着した霜の量が予め設定された量以上の場合には(S104でY)、制御部23は、暖房運転における除霜制御モードに設定する(S106)。次に、制御部23は、除霜制御モード運転を開始する。すなわち、制御部23は、膨張弁7の開度を絞るよう制御する(S108)。ここでは、制御部23は、予め設定された一定量だけ膨張弁7の開度を絞るものとする。これにより、室外熱交換器8側の圧力が低下し、蒸発温度が低下する。なお、入口温度が第1入口温度閾値以上であることは、室外熱交換器の温度に基づく温度開始条件である。また、S104、S106及びS108の処理は、温度開始条件を満たした場合に、第1の除霜運転としての除霜制御モード運転を行うよう制御する処理に対応する。
次に、制御部23は、室外熱交換器8の入口温度と第2入口温度閾値とを比較する(S110)。第2入口温度閾値は、通常制御モード運転中に室外熱交換器8の冷媒出口32側に付着した霜が溶けたと判断できる温度であり、予め設定された温度である。なお、図2Bに示すように冷媒出口32側の霜が溶けた状態になったときに、霜が溶けたと判断できるものとする。上述のように、入口温度から、室外熱交換器8への霜の付着量を推定することができるので、冷媒出口32側の霜が溶けた状態における入口温度を測定し、これを第2入口温度閾値として設定しておく。なお、第2入口温度閾値は、第1入口温度閾値よりも低い値である。また、上述のように、第2入口温度閾値は、室外熱交換器8の冷媒出口32側の冷媒が過熱状態かつ氷点よりも高い温度となり、さらに室外熱交換器8の冷媒入口31側の冷媒が氷点下となるような温度である。上述の通り、冷媒が過熱状態かつ氷点より高い温度になることで、外気から冷媒への吸熱が行われなくなり、室外熱交換器8に付着している霜は外気で加熱される。外気は氷点以上であるため、外気の加熱により霜が溶ける。
入口温度が第2入口温度閾値よりも高い場合には(S110でN)、制御部23は、処理をS112へ進め、再び膨張弁7を一定量だけ絞る。このように、制御部23は、入口温度が第2入口温度閾値以下になるまで、膨張弁7を段階的に絞っていく。これにより、室外熱交換器8側の圧力が徐々に低下し、これに対応し、冷媒入口31側の冷媒の温度が低下する。すなわち、室外熱交換器8の入口温度も徐々に低下する。そして、入口温度が第2入口温度閾値以下になるまで、すなわち、冷媒出口32側の冷媒が過熱状態になるまで、膨張弁7を段階的に絞ることで、室外熱交換器8の冷媒出口32側の冷媒を過熱状態かつ氷点よりも高い温度とすることができる。
入口温度が第2入口温度閾値以下の場合には(S110でY)、制御部23は、図2Bに示すように、冷媒出口32側の霜が溶けたと判定し、膨張弁7の開度を戻す(S112)。制御部23は、具体的には、膨張弁7の開度を、除霜制御モードに移行する直前の通常制御モードにおける開度と同等まで戻す。なお、制御部23は、膨張弁7の開度を予め設定された開度まで戻せばよく、他の例としては、制御部23は、直前の通常制御モードにおける開度に関らず、一定の値まで開度を戻すこととしてもよい。
その後、制御部23は、処理をS100へ進め、通常制御モード運転を開始する。このように、通常制御モード運転を開始する前に膨張弁7の開度を戻すことで、冷媒循環量、室内熱交換器4と室外熱交換器8の圧力差、室外熱交換器8における圧力、を通常制御モード運転時の各値と同等にすることができる。したがって、通常制御モード運転により、図2Bのように除霜制御モード運転において冷媒入口31側に付着した霜を素早く溶かすことができる。
一方、S102において、外気温度が外気温度閾値以下の場合には(S102でN)、外気温度により室外熱交換器8の霜を溶かすことができない。そこで、この場合には、制御部23は、必要に応じて、除霜運転を行う。制御部23は、まず温度センサ11から室外熱交換器8の入口温度を取得し、入口温度と第3入口温度閾値を比較する(S114)。ここで、第3入口温度閾値は、除霜運転が必要とされる温度であり、予め設定された温度である。第3入口温度閾値は、室外熱交換器8に一定量以上着霜したと判断し得る温度であればよい。
入口温度が第3入口温度閾値よりも高い場合には(S114でN)、制御部23は、除霜運転は不要と判断し、処理をS102へ進める。入口温度が第3入口温度閾値以下の場合には(S114でY)、制御部23は、除霜運転が必要と判断し、除霜運転を実行する(S116)。具体的には、制御部23は、四方弁3を切り替えることで、除霜運転を開始する。そして、制御部23は、室外熱交換器8の入口温度が一定温度以上になると、室外熱交換器8の霜が溶けたと判断し、除霜運転を終了する。制御部23は、その後処理をS100へ進めることで、暖房運転の通常制御モードでの暖房運転を開始する。
以上のように、本実施形態に空気調和機20は、通常制御モード運転により図2Aに示すように、室外熱交換器8の冷媒出口32側に霜が付着した場合において、外気温度が氷点よりも高い温度の場合には、除霜制御モード運転を実行する。これにより、空気調和機20は、室外熱交換器8の冷媒出口32側の冷媒を過熱状態とし、図2Aに示すように冷媒出口32側に付着した霜を溶かすことができる。さらに、除霜制御モード運転により、図2Bに示すように冷媒入口31側に霜が付着するが、空気調和機20は、除霜制御モード運転から通常制御モード運転に切り替えることで、冷媒入口31側の霜を溶かすことができる。このように、本実施形態の空気調和機20は、通常制御モード運転と除霜制御モード運転とを適宜切り替えるよう制御することで、冷媒入口31側の除霜と冷媒出口32側の除霜を順に繰り返すことができる。すなわち、本実施形態の空気調和機20は、従来のように室外熱交換器8の全体の温度を氷点よりも高い温度としなくとも、暖房運転中に除霜を行うことができる。このように、本実施形態の空気調和機20は、暖房運転中に、効率的に除霜を行うことができる。
本実施形態の第1の変形例としては、S108において、制御部23は、膨張弁7を絞るよう制御するのに加えて、室外ファン9の回転数を、通常制御モードにおける回転数よりも上げるよう制御してもよい。これにより、より短時間で冷媒を過熱状態にし、室外熱交換器8の冷媒出口32側の霜をより短時間で溶かすことができる。
第2の変形例について説明する。本実施形態においては、室外熱交換器8に付着した霜の量を検出する手段として、室外熱交換器8と膨張弁7を接続する配管に設けた温度センサ11により検知された温度を利用することとした。ただし、着霜を検知するための手段は、これに限定されるものではない。霜の付着量は、冷媒の温度変化から推定することができる。したがって、膨張弁7から室外熱交換器8を介した圧縮機1までの区間の配管の何れかの位置に温度センサを設置し、制御部23は、この温度センサによる検知結果に基づいて室外熱交換器8に付着した霜の量を検出することとしてもよい。
また、制御部23は、温度センサ以外の手段により室外熱交換器8に付着した霜の量を検出してもよい。霜の付着量が増加すると室外ファン9の駆動モータ10の消費電力が増加することから、制御部23は、例えば、駆動モータ10の消費電力を検知し、消費電力から室外熱交換器8に付着した霜の量を検出することとしてもよい。
第3の変形例について説明する。本実施形態においては、制御部23は、室外熱交換器8の少なくとも下流側の冷媒が過熱状態になるよう制御すればよく、そのための具体的な処理は、実施形態に限定されるものではない。他の例としては、制御部23は、圧縮機1の回転数、室外ファン9の送風量及び室内ファン5の送風量のうち少なくとも1つを調整することにより、過熱状態になるよう制御してもよい。
第4の変形例について説明する。本実施形態においては、制御部23は、室外機21に設けられていたが、他の例としては、制御部23は、室内機22に設けられてもよい。また他の例としては、空気調和機20が不図示の管理装置により管理される場合には、制御部23は、管理装置に設けられてもよい。この場合、管理装置と空気調和機20がネットワークを介して通信可能な空気調和システムにおいて、空気調和機20は、除霜管理処理における制御部23からの指示に従い、本実施形態において説明した、除霜運転及び除霜制御モード運転を実行する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る空気調和機20について、第1の実施形態に係る空気調和機20と異なる点を主に説明する。暖房運転の通常制御モード運転においては、暖房負荷によって圧縮機1の回転数が高回転から低回転の範囲の中で任意の値に設定される。例えば、圧縮機1の回転数が高回転の状態から膨張弁7を絞ると、室内熱交換器4の冷媒と室外熱交換器8の冷媒の圧力差が大きくなる。このため、室外熱交換器8内の冷媒を過熱状態にできるが、その一方で、圧縮機1の出口側の冷媒が過剰に高温高圧となる。このため、圧縮機1の耐圧性、圧縮機1に内蔵のモータの絶縁等級の点での信頼性確保の観点から、圧縮機1が停止されることがあり、暖房運転を継続できなくなる可能性がある。
次に、第2の実施形態に係る空気調和機20について、第1の実施形態に係る空気調和機20と異なる点を主に説明する。暖房運転の通常制御モード運転においては、暖房負荷によって圧縮機1の回転数が高回転から低回転の範囲の中で任意の値に設定される。例えば、圧縮機1の回転数が高回転の状態から膨張弁7を絞ると、室内熱交換器4の冷媒と室外熱交換器8の冷媒の圧力差が大きくなる。このため、室外熱交換器8内の冷媒を過熱状態にできるが、その一方で、圧縮機1の出口側の冷媒が過剰に高温高圧となる。このため、圧縮機1の耐圧性、圧縮機1に内蔵のモータの絶縁等級の点での信頼性確保の観点から、圧縮機1が停止されることがあり、暖房運転を継続できなくなる可能性がある。
そこで、第2の実施形態の空気調和機20においては、圧縮機1の出口側の冷媒が過剰に高温高圧の場合には、圧縮機1の回転数を下げるように制御する。これにより、圧縮機1の出口の冷媒が過剰に高温高圧になるのを防ぐことができる。また、圧縮機出口温度が低い場合には、暖房能力も小さい運転が行われていることになる。そこで、この場合には、空気調和機20は、圧縮機1の回転数を上げるように制御する。これにより、暖房能力を増加させることができる。
図4は、第2の実施形態に係る空気調和機20による除霜管理処理を示すフローチャートである。制御部23は、S106において除霜制御モードに設定した後で、温度センサ13により検知された温度(圧縮機出口温度)を取得し、圧縮機出口温度と、第1圧縮機温度閾値とを比較する(S200)。ここで、第1圧縮機温度閾値は、予め設定された温度である。圧縮機出口温度が第1圧縮機温度閾値よりも高い場合には(S200でY)、制御部23は、圧縮機1の回転数を第1の回転数まで下げるよう制御し(S202)、その後処理をS108へ進める。ここで、第1の回転数は、予め設定された値である。このように、圧縮機1の回転数を下げることにより、圧縮機1の出口側の冷媒が過剰に高温高圧になることを防ぐことができ、圧縮機1の信頼性を確保することができる。
また、圧縮機出口温度が第1圧縮機温度閾値以下の場合には(S200でN)、制御部23は、圧縮機出口温度と第2圧縮機温度閾値とを比較する(S204)。ここで、第2圧縮機温度閾値は、第1圧縮機温度閾値よりも低い温度であり、予め設定された温度である。第2圧縮機温度閾値は、例えば、第1圧縮機温度閾値よりも10℃程度低い値とするの好ましい。圧縮機出口温度が第2圧縮機温度閾値よりも低い場合には(S204でY)、制御部23は、圧縮機1の回転数を第2の回転数まで上げるよう制御し(S206)、その後処理をS108へ進める。ここで、第2の回転数は、予め設定された値である。このように、圧縮機1の回転数を上げた上で、膨張弁7を絞ることで、除霜制御モードにおいて暖房能力を増大させることができる。圧縮機出口温度が第2圧縮機温度閾値以上の場合には(S204でN)、制御部23は、圧縮機1の回転数を変更することなく、処理をS108へ進める。なお、第2の実施形態に係る空気調和機20のこれ以外の構成及び処理は、第1の実施形態に係る空気調和機20の構成及び処理と同様である。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 圧縮機
2 アキュムレータ
3 四方弁
4 室内熱交換器
5 室内ファン
7 膨張弁
8 室外熱交換器
9 室外ファン
11〜13 温度センサ
20 空気調和機
21 室外機
22 室内機
23 制御部
2 アキュムレータ
3 四方弁
4 室内熱交換器
5 室内ファン
7 膨張弁
8 室外熱交換器
9 室外ファン
11〜13 温度センサ
20 空気調和機
21 室外機
22 室内機
23 制御部
Claims (10)
- 室外機及び室内機を有する空気調和機であって、
前記室内機に備えられる室内熱交換器と、
前記室外機に備えられる室外熱交換器と、
圧縮機と、
膨張弁と、
暖房運転中において、外気温度が氷点以上の所定温度よりも高い場合に、前記室外熱交換器のうち少なくとも下流側の冷媒が過熱状態で、且つ、氷点よりも高い温度になるような第1の除霜運転を行うよう制御する制御部と、
を有する、空気調和機。 - 前記制御部は、前記第1の除霜運転中において、前記室外熱交換器のうち少なくとも上流側の冷媒が氷点下となるよう制御する、請求項1に記載の空気調和機。
- 前記制御部は、前記室外熱交換器の温度に基づく温度開始条件を満たした場合に、前記第1の除霜運転を行うよう制御する、請求項1に記載の空気調和機。
- 前記制御部は、前記第1の除霜運転において、前記膨張弁の開度を絞ることにより、前記過熱状態になるよう制御する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の空気調和機。
- 前記制御部は、前記第1の除霜運転において、前記圧縮機の出口側の温度が第1の圧縮機温度閾値よりも高い場合に、前記圧縮機の回転数を第1の回転数まで下げるよう制御する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の空気調和機。
- 前記制御部は、前記第1の除霜運転において、前記圧縮機の出口側の温度が第2の圧縮機温度閾値よりも低い場合に、前記圧縮機の回転数を第2の回転数まで上げるよう制御する、請求項1乃至5の何れか1項に記載の空気調和機。
- 前記制御部は、前記第1の除霜運転の後、前記膨張弁の開度を予め設定された開度まで戻し、前記予め設定された開度まで戻した後で、暖房運転を開始する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の空気調和機。
- 前記制御部は、前記第1の除霜運転において、室外ファンの回転数を、暖房運転時の回転数よりも上げるよう制御する、請求項1乃至7の何れか1項に記載の空気調和機。
- 前記制御部は、前記外気温度が氷点以下の場合に、四方弁を切り替える第2の除霜運転を行うよう制御する、請求項1乃至8の何れか1項に記載の空気調和機。
- 室内機に備えられる室内熱交換器と、室外機に備えられる室外熱交換器と、圧縮機と、膨張弁と、を備えた空気調和機を管理する管理装置であって、
暖房運転中において、外気温度が氷点以上の所定温度よりも高い場合に、前記室外熱交換器のうち少なくとも下流側の冷媒が過熱状態で、且つ、氷点よりも高い温度になるような第1の除霜運転を行うよう制御する制御部を有する、管理装置。
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