JPH10183308A - 永久磁石材料及び異方性ボンド磁石 - Google Patents

永久磁石材料及び異方性ボンド磁石

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JPH10183308A
JPH10183308A JP8339352A JP33935296A JPH10183308A JP H10183308 A JPH10183308 A JP H10183308A JP 8339352 A JP8339352 A JP 8339352A JP 33935296 A JP33935296 A JP 33935296A JP H10183308 A JPH10183308 A JP H10183308A
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Takeshi Ohashi
健 大橋
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高特性の異方性ボンド磁石を作製できる、結
晶磁気異方性の大きい永久磁石材料を提供する。 【解決手段】 Ce、Fe、B、Hと不可避の不純物よりな
る組成式Cex Fe100-x-y-zyz の永久磁石材料にお
いて、原子百分率でxが11〜15、yが5〜9、zが2.5
〜5である事を特徴とする永久磁石材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は永久磁石材料に関す
るものであり、本発明の永久磁石材料は有機樹脂と混練
したボンド磁石用磁粉として用いられ、スピンドルモー
タのような小型モータに用いて最適である。
【0002】
【従来の技術】希土類永久磁石には、焼結磁石とボンド
磁石が存在する。磁気特性は焼結磁石の方が高いが、形
状任意性や脆性ではボンド磁石の方が優れている。両方
の磁石の前記のような特徴を生かして、用途が使い分け
られている。ボンド磁石が最も使用されているのは、小
型モータ分野で、特に薄肉リング磁石を使用するDCブラ
シレスモータやステッピングモータに大量に使用されて
いる。現在最も使用量の多い希土類ボンド磁石は、等方
性急冷薄帯NdFeB磁粉を用いた等方性Ndボンド磁石であ
る。該ボンド磁石の磁気特性を向上させるためには、急
冷薄帯磁粉がボンド磁石中に占める体積比率を上げる事
である。また、磁気特性の高い磁粉を用いる事も有効で
ある。この方向に従って、等方性Ndボンド磁石の特性向
上が図られてきたが、磁粉比率を上げる事はそろそろ限
界に来ている。ボンド磁石の特性向上のため、磁性粉を
磁場中で配向した異方性NdFeBボンド磁石の開発が試み
られている。磁粉の配向により、飽和磁化が向上して、
磁気特性は大幅に改善できる。該異方性NdFeBボンド磁
石の磁粉として、MQ3 (GM社商品名)と呼ばれる異方
性磁石を粉砕した磁粉と、HDDR法と呼ばれる高温下水素
吸脱法により処理したNdFeBM磁粉(Mは遷移金属)
が、候補材料になっている。どちらの方法でも、NdFeB
合金を粉砕後に有意な保磁力を持たせるため、合金中に
微細組織を導入する事が不可欠である。どちらの磁粉を
使用しても、実験室レベルでは20MGOe近い磁気特性が得
られている。しかし、どちらの方法による磁粉を使用す
るにしても、合金に微細構造を導入するため、普通の粉
末冶金法や金属学的でない特殊な手法を用いざるを得な
い。また、室温の保磁力は実用範囲の値が得られても、
温度が上がった場合に、保磁力の低下度合いが大きく、
耐熱性の上で問題があった。
【0003】Nd2 Fe14B(以下、この原子比の化合物を
2-14-1化合物とする)を主相とするNdFeB焼結磁石はそ
の高い磁気特性のため、広範な分野で使用されている。
主相2-14-1化合物を構成するNdの代わりに用いられ得る
ポテンシャルを有する希土類元素はPrであり、Pr2 Fe14
B化合物はNdのそれに匹敵する磁気特性を有する。その
他の希土類元素で異方性磁場がNd系以上のものは存在す
るが、飽和磁化と異方性磁場の両方のバランスが取れて
いるものは、Pr系とNd系以外には存在しない。軽希土類
のCeやLaは希土類元素資源として最も豊富な元素である
が、2-14-1化合物になった時、どちらも4f電子を有しな
いので結晶磁気異方性が小さく、磁石候補材料としては
不適である。ボンド磁石を想定してNdFeB系合金または
焼結磁石を粉砕した磁粉は、ボンド磁石に使用できる程
の保磁力を有していない。この原因は二つある。一つは
Nd2Fe14Bの異方性磁場がさほど大きくないため、単純
に粉砕しても実用上充分な保磁力が出ないためである。
いま一つは、焼結磁石の保磁力機構が核発生成長型であ
るため、焼結体粉砕磁粉の表面状態の影響(酸化、残留
応力、鋭角破面などによる磁気異方性の低下)を受け
て、保磁力が著しく低下するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような事情に鑑
み、単純に粉砕するのみで充分な保磁力の得られる、異
方性磁場の大きな永久磁石材料の開発が望まれている。
また、RFeB系磁石でRに資源量の豊富なCeやLaを使用
した磁石材料の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
を解決するために種々検討した結果、組成式Cex Fe
100-x-y-zyz よりなり、また該組成をベースに種
々の添加物を加えた永久磁石材料を開発し、諸条件を確
立して本発明を完成させた。従来のRFeB系磁石と異な
る点は、RがCeを主体とし、さらにHを含有する点であ
る。すなわち本発明は、Ce、Fe、B、Hと不可避の不純
物よりなる組成式Cex Fe100-x-y-zyz の永久磁石
材料において、原子百分率でxが11〜15、yが5〜9、
zが2.5 〜5である事を特徴とするものである。以下
に、これをさらに詳述する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下に説
明する。Ce2 Fe14B化合物において、Ceは4f電子を持た
ず、本来あるべき4f電子1個は伝導電子として外部に出
てゆき、Ceは4+になっている。2-14-1化合物におい
て、その結晶磁気異方性はほとんどR原子に由来してい
る。R原子の結晶磁気異方性は、4f電子が軌道角運動量
を保持しているため、LS結合において結晶の対称性を
感じるのが原因で生じる。したがって、R原子が4f電子
を有していないか、閉殻の場合の結晶磁気異方性は小さ
い値しか有しない。Ce2 Fe14Bの結晶磁気異方性は上記
の理由により小さい値しか示さない。一方、結晶磁気異
方性は永久磁石の保磁力と結びつくものであり、一般的
に大きな結晶磁気異方性を有する化合物は、大きな保磁
力を有する事が多い。最大理論保磁力を与える異方性磁
場Haは、結晶磁気異方性と結びついており、次の式
(1)により表される。 Ha=2Ku/ Ms ‥‥‥ (1) 但し、Ku;一軸結晶磁気異方性定数、 Ms;飽和磁化 したがって、Ce2 Fe14Bのように小さい結晶磁気異方性
定数しか持たない化合物は、永久磁石材料として使用で
きないと考えられてきた。Ce原子が本来の4f電子1個を
保持している場合、その4f軌道は非常に扁平な軌道なの
で、非常に大きな正の結晶磁気異方性が期待できる。Ce
原子の4f電子を原子に局在させるための手段があれば、
Ce2 Fe14Bは永久磁石材料の候補として有力になる。本
発明者はこの点につき検討を重ねた結果、以下のような
方法により可能である事を見出した。
【0007】R2 Fe14BHX の組成式で表した場合、H
原子は理論的にはX=5.5 まで侵入型で含有され、サイ
トはR3Fe 、R2Fe2の配位を持つ四面体サイトに侵入型
で入ると考えられる(J.F.Herbest,Reviews of Modern
Physics vol.63,No.4(1991))。LaNi5X 程の水素吸蔵
合金ではないが、かなりの水素を吸蔵する事ができる。
2-14-1化合物へのH原子の吸蔵により、次の4つの特性
変化が生じる。 1)格子定数、単位胞の膨張(ΔV/Vは3〜6%) 2)Fe磁気モーメントの増加 3)キュリー温度TC の増加(ΔTC 〜50K) 4)異方性磁場の低下 2)、3)の磁気特性変化は望ましい方向であるが、
4)の異方性磁場の低下は保磁力の低下を意味するた
め、磁石化の観点から有害である。特にNd2 Fe14Bの異
方性磁場は80kOe程度であり、永久磁石材料として決し
て大きいものではない。したがって、2-14-1化合物にお
いて、H原子侵入による異方性磁場の低下は致命的な問
題であり、H原子を吸蔵させる事は有害であると考えら
れてきた。
【0008】一方で、2-14-1への水素吸蔵により格子は
膨張し、歪み、マイクロクラックが生じて微粉化され
る。この現象を利用して、NdFeB合金の粗粉砕・微粉砕
を行う事ができる。焼結磁石として使用するNdFeB合金
は、化学量論比組成よりNdリッチ・Bリッチ組成である
ため、延性を有するNdリッチ相が存在する。Ndリッチ相
により2-14-1相が固着され、粉砕されにくい。ところが
Ndリッチ相は、NdFeB合金中では最も水素ガスを吸収し
やすいので、水素吸蔵により最も微粉化しやすい。最も
機械粉砕しにくい相が、最もH原子吸蔵により微粉化し
やすいため、非常に好都合である。H原子吸蔵による粉
砕のみでは、粒度分布を揃えにくいので、H原子吸蔵状
態か排出状態で、更にジェットミルのような機械粉砕を
併用するのが一般的である。粉末冶金法では、該粉末を
磁場中配向して成形後、真空中または雰囲気中で焼結
(〜1100℃近傍)するため、焼結の昇温過程で、合金中
に含まれているH原子は排出されるので、焼結磁石中に
残存する事はない。2-14-1化合物に対するH原子の影響
は上述のようなものであり、H原子が2-14-1に吸蔵され
た状態では磁気特性に悪影響があるが、H原子吸蔵・排
出を利用する事により微粉化や微細組織を生成する事が
でき、物理的・組織的変化を起こさせる手段として有用
であると考えられてきた。したがって合金磁気特性向上
の手段として、H原子の吸蔵利用は考えられた事がなか
った。
【0009】本発明者はH原子の役割として、Ce2 Fe14
B化合物においてCeの持つ4f電子と伝導電子とのミキシ
ングを抑制する効果のある事を見出した。以下、これを
詳細に説明する。Ceの4f電子のエネルギー準位は、2-14
-1化合物のフェルミ準位近傍にある。このため、伝導電
子と4f電子のミキシングが生じる。言い換えると4f電子
が伝導電子として振る舞い、Ce原子サイトに局在しな
い。これを防いで4f電子を孤立させるためには、格子を
膨張拡張して、伝導電子とのミキシングを妨害する事が
有効である。格子を膨張拡張させ、他に与える影響が少
ない点から、H原子が有効である事を見出した。H原子
の効果は、Nd2 Fe14B化合物では異方性磁場を減じる方
向に働いた。しかしCe2 Fe14B化合物においては、本来
結晶磁気異方性を有しないCe原子に4f電子が局在する事
により、Ceの4f軌道の扁平度が高く、回復する結晶磁気
異方性の寄与の方が圧倒的に大きい。このため、結果と
してH原子吸蔵により、結晶磁気異方性が大幅に増加す
る。既に述べたように、水素ガス吸蔵に伴う磁性の変化
は、磁気モーメントの増加・キュリー温度の上昇・磁気
異方性の低下の三点が認識されていたが、本発明のよう
な、4f電子の局在化に伴う価数の変化がCe2 Fe14BHX
化合物の結晶磁気異方性を向上させる点については認識
されていなかった。
【0010】本発明のCe2 Fe14BHX を主相とする磁性
合金粉末は、主に異方性ボンド磁石用の磁性粉として用
いられる。ボンド磁石磁粉は合金を粉砕し、適度な粒径
まで微細化するだけなので、温度を印加する必要がな
い。Ce2 Fe14Bを主相とした異方性焼結磁石を作製し、
その後、該焼結磁石に水素ガスを吸蔵させて異方性焼結
磁石化する事も可能ではある。しかし、H原子吸蔵によ
り焼結組織が壊れて粉末化するため、バルク組織を保持
できないので望ましくない。
【0011】本発明の磁石合金は、Ce、Fe、B、Hと不
可避の不純物よりなる組成式Cex Fe100-x-y-zyz
で表され、原子百分率でxが11〜15、yが5〜9、zが
2.5〜5である事を特徴とする。xは11未満では合金中
にFeが磁性相として存在し、ヒステリシス曲線の角形性
が悪化し、15を超えると飽和磁化の低下が大きいため、
11〜15である事が必要である。yは5未満ではR2 Fe17
化合物が合金中にソフト磁性相として存在し、ヒステリ
シス曲線の角形性が悪化し、9を超えると飽和磁化の低
下が大きいため、5〜9である必要がある。zは 2.5未
満ではCeの4f電子局在度合いが不十分で、結晶磁気異方
性が充分高い値を持たず、5を超えると結晶の歪みが大
きくなりすぎ、かえって結晶磁気異方性を低下させるた
め、2.5〜5である事が必要であり、望ましくは3.6 〜
4.5である。
【0012】Feの一部はM(MはCo、Al、Mo、Ti、Cu、
Ga、Zr、Nbから選択される少なくとも1種)で置換する
事が可能である。組成式Cex(Fe1-aa)100-x-y-zy
z(x、y、zは前記の通り)において、原子比でa
が0.005 〜0.1 の置換が可能である。aが 0.005未満で
は効果が薄く、0.1 を超えると飽和磁化の低下が大き
い。Mの置換効果は保磁力を増加するため、または温度
変化の改善のためである。Mの組み合わせは具体的には
Co−Al、Co−Mo、Co−Ti、Co−Cu、Co−Ga、Co−Zr、Co
−Nb、Al−Mo、Mo−Ti、Ti−Cu、Cu−Ga、Co−Al−Mo、
Co−Ti−Cu、Co−Al−Ga、Co−Mo−Ti、Co−Cu−Ga、Co
−Al−Mo−Ti、Co−Mo−Ti−Cu、Co−Ti−Cu−Gaなどが
例示される。
【0013】また、Ceの一部をR(RはYを含む希土類
元素すなわちLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb及びLuから選択される少なくとも1種)で置
換した組成式(Ce1-bb)xFe100-x-y-zyz (x、y
は前記の通り)の永久磁石合金も用いる事ができ、原子
比でbが0.01〜0.2 、原子百分率でzが2.5 〜4.5 であ
る。bは0.01未満では効果がなく、 0.2を超えるとかえ
って結晶磁気異方性が低下する。他の希土類元素で置換
する理由は、水素含有量が少ない領域では、異方性を有
する希土類元素で置換した方が、全体の結晶磁気異方性
が増加するためである。Rのうち特に効果が大きいのは
La、Pr、Nd、Tb、Dy、Erである。Rの組み合わせは具体
的にはNd−Pr、Nd−Dy、Pr−Dy、Pr−Tb、Nd−Tb、Pr−
Tb−Dy、Pr−Nd−Dyなどが例示される。さらに、Ceの一
部をRで、かつFeの一部をMで置換した組成式(Ce1-b
b)x(Fe1-aa)100-x-y-zyz (a、b、x、yは
前記の通り)の永久磁石合金も用いる事ができ、原子百
分率でzが2.5 〜4.5 である。
【0014】該磁性合金は水素原子の吸蔵により既に粉
末化しているが、これに機械粉砕(ブラウンミル、ボー
ルミル、ジェットミルなど)を併用して、磁粉の粒度を
調整する事により、磁粉の保磁力を適当な値にする事が
できる。ボンド磁石の磁粉として使用するためには、5
〜15kOe程度が適当な保磁力の範囲である。また、ボン
ド磁石用磁粉として使用するためには、1μm以下のよ
うな細かすぎる磁粉は着火の恐れがあるため好ましくな
い。3〜50μmの粒度を有する粒度分布の広い磁石粉を
使用する事が望ましい。ボンド磁石の有機バインダーと
しては、エポキシ系の樹脂が吸湿性が小さいので望まし
い。磁粉とバインダーの体積比率は、50:50〜80:20の
間で、磁粉の比率は高い程磁気特性は高くなるが、機械
強度が低下するためこの範囲が望ましい。成形は圧縮成
形でも射出成形でもよいが、圧縮成形の方が磁粉比率を
高くする事ができる。磁粉を配向させる磁場強度は5〜
15kOeでよく、望ましくは10kOe以上である。成形圧力
は1〜10t/cm2 でよい。本発明において、従来は磁性材
料として不適であると考えられていたCeFeB合金に水素
を吸蔵させる事により、結晶磁気異方性の大きい永久磁
性材料とする事ができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例を挙げて説明
する。 実施例1 純度99%のCe、純度99.9%のFe及びBを、各々所定の比
率に秤量し、真空高周波溶解炉にて溶解し、冷却鋳型に
鋳造して合金インゴットを作製した。作製した合金イン
ゴットの組成x:yを表1に示す。該合金インゴットを
密封容器に封入した後、容器内を真空にしてから2atm
の圧力になるまで純度99.9%の水素を導入した。該合金
が水素を吸収して減圧状態になるので、更に2atm の圧
力になるまで水素導入する事を3回繰り返した。合計4
回目の水素導入により、該合金の水素吸収が低下し、僅
かしか圧力低下を示さなかったので、水素吸収処理を停
止した。水素を吸蔵した該合金を容器内より取り出した
ところ、該合金は手で擦っても崩れていく程脆弱になっ
ていた。該合金の水素吸蔵処理前後での重量変化を基に
推定した水素吸蔵量zを、表1に併記する。該合金イン
ゴットと水素吸蔵の結果生じた粗粉とを、ブラウンミル
で20メッシュ以下まで粗粉砕し、該粗粉を更にジェット
ミルで平均粒径10μmまで微粉砕した。該微粉の磁気特
性を振動試料型磁力計で測定したところ、表1に示す保
磁力が得られた。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2〜4 合金インゴットの組成を表1に示す値とした以外は実施
例1と同様に行って微粉を作製した。結果を表1に併記
する。
【0018】比較例 比較のため、合金に水素を吸蔵させずに、ジェットミル
で平均粒径10μmまで微粉砕した以外は実施例1と同様
に微粉を作製した。結果を表1に併記する。表1から、
水素吸蔵によりCeFeBH磁粉が保磁力を有するようにな
る事がわかる。
【0019】実施例5〜10 合金インゴットの組成を表2に示す値とした以外は実施
例1と同様に行って微粉を作製した。該微粉の磁気特性
をBHトレーサーで測定した結果を表2に併記する。表2
から、添加物により磁粉の保磁力が向上した事がわか
る。次いで、実施例5、6、9で作製した磁粉を使用し
て異方性ボンド磁石を作製する。作製条件は磁粉:エポ
キシ樹脂を体積比率75:25で混練し、ダイプレスで磁場
中成形した。磁場強度は12kOeで、プレス成形タイプは
横磁場成形、プレス圧力は4t/cm2 とした。該成形体
を、200 ℃でキュアーしてエポキシ樹脂を硬化させて異
方性ボンド磁石を作製した。該異方性ボンド磁石の磁気
特性をBHトレーサーで測定した結果を表3に示す。表3
から良好な磁気特性を有する異方性ボンド磁石が得られ
た事がわかる。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、結晶磁気異方性の大き
い永久磁石材料が得られ、これを使用して高特性の異方
性ボンド磁石を作製する事ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ce、Fe、B、Hと不可避の不純物よりな
    る組成式Cex Fe100-x-y-zyz の永久磁石材料にお
    いて、原子百分率でxが11〜15、yが5〜9、zが2.5
    〜5である事を特徴とする永久磁石材料。
  2. 【請求項2】 Ce、Fe、B、H、M(MはCo、Al、Mo、
    Ti、Cu、Ga、Zr、Nbから選択される少なくとも1種)と
    不可避の不純物よりなる組成式Cex(Fe1-aa)
    100-x-y-zyz の永久磁石材料において、原子比で
    aが0.005 〜0.1 、原子百分率でxが11〜15、yが5〜
    9、zが2.5 〜5である事を特徴とする永久磁石材料。
  3. 【請求項3】 Ce、Fe、B、H、R(RはYを含む希土
    類元素から選択される少なくとも1種)と不可避の不純
    物よりなる組成式(Ce1-bb)xFe100-x-y-zyz の永
    久磁石材料において、原子比でbが0.01〜0.2 、原子百
    分率でxが11〜15、yが5〜9、zが2.5 〜4.5 である
    事を特徴とする永久磁石材料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の永久磁
    石材料を用いて作製した事を特徴とする異方性ボンド磁
    石。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015159612A1 (ja) * 2014-04-15 2015-10-22 Tdk株式会社 希土類永久磁石

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US10529474B2 (en) 2014-04-15 2020-01-07 Tdk Corporation Rare-earth permanent magnet

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