JPH10179120A - お茶風味発泡酒の製造方法及び該製造方法にかかるお茶風味発泡酒 - Google Patents

お茶風味発泡酒の製造方法及び該製造方法にかかるお茶風味発泡酒

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JPH10179120A
JPH10179120A JP34852996A JP34852996A JPH10179120A JP H10179120 A JPH10179120 A JP H10179120A JP 34852996 A JP34852996 A JP 34852996A JP 34852996 A JP34852996 A JP 34852996A JP H10179120 A JPH10179120 A JP H10179120A
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tea
malt
producing
mash
flavored
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Mitsuhiko Oda
光彦 小田
Chikako Shimizu
千賀子 清水
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Sapporo Breweries Ltd
Original Assignee
Sapporo Breweries Ltd
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  • Tea And Coffee (AREA)
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のビールあるいは発泡酒の製造設備を用
い、お茶とベースとなるビールあるいは発泡酒との調和
のとれたバランス良い味を有するお茶風味発泡酒を製造
する方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 茶葉を発泡酒の製造工程中の仕込工程中
で投入する。そして、茶葉からの茶エキスの抽出作業
を、お茶風味発泡酒の製造工程中の麦芽及び副原料から
加熱により仕込釜マイシェを形成する工程中、又は、麦
芽と温水とを混合して仕込槽マイシェを形成する工程中
で行なう。そうして得られた茶エキス入りのマイシェを
用いてお茶風味発泡酒を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、お茶風味発泡酒の
製造方法に係り、特に麦芽を原料として使用するビール
もしくは発泡酒の製造工程において、茶葉を投入し、お
茶エキスを抽出することによりお茶風味の発泡酒を製造
することに関する。
【0002】
【従来の技術】麦芽を原料とする酒類であるビールや発
泡酒は、消費者の嗜好の多様化に伴って、異なるビール
同士をミックスしたり、果汁あるいは清涼飲料をビール
や発泡酒に添加して飲む等バラエティに富んだ飲み方が
提案されている。また、健康に対する意識の高まりもあ
って、生薬やお茶類の風味を持ったビールもしくは発泡
酒の出現が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、お茶の
風味を有するビール及び発泡酒は、期待とは裏腹に現在
のところ具体的に提案すら成されていない。そこで、本
発明の目的は、従来のビールもしくは発泡酒の製造設備
を有効利用し、お茶とベースとなるビールもしくは発泡
酒とが調和した香味を有するお茶風味発泡酒の製造方法
と該製造方法に係るお茶風味発泡酒を提供することにあ
る。
【0004】また、本発明の他の目的は、ビールや発泡
酒の製造工程に従い、その製造工程において、麦芽や該
副原料からマイシェを生成する仕込工程において茶葉を
投入し、茶のエキス抽出とマイシェの形成を行うことを
特徴とする茶風味発砲酒の製造方法と該製造方法に係る
茶風味発泡酒を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
お茶風味発泡酒の製造方法において、麦芽もしくは麦芽
及びでんぷん質を含有する副原料を使用して発泡酒を製
造する方法であって、製造工程中に茶葉から茶エキスを
抽出する工程を設けたことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載のお
茶風味発泡酒の製造方法において、前記茶葉からの茶エ
キスの抽出工程を、お茶風味発泡酒の製造工程中のマイ
シェを形成する工程中で行なうことを特徴とする。請求
項3記載の発明は、お茶風味発泡酒の製造方法において
麦芽及びでんぷん質を含有する副原料を使用し、麦芽及
び該副原料を仕込釜内で加熱しマイシェを形成する工程
と、麦芽と温水とを仕込槽内で混合しマイシェを形成す
る工程と、前記仕込釜で形成したマイシェ及び前記仕込
槽で形成したマイシェを所定温度で所定時間経過させて
糖化させる糖化工程と、前記マイシェを濾過して濾過麦
汁を得る濾過工程と、前記濾過麦汁を煮沸し熱麦汁を得
る煮沸工程と、前記熱麦汁を冷却後、発酵させる発酵工
程とを含み、前記の麦芽及び該副原料を仕込釜内で加熱
しマイシェを形成する工程において、茶葉を投入し、茶
のエキスの抽出とマイシェの形成を行なうことを特徴と
する。
【0007】請求項4記載の発明は、請求項3記載のお
茶風味発泡酒の製造方法において、前記の麦芽及び該副
原料を仕込釜内で煮沸しマイシェを形成する工程におい
て、麦芽及び前記副原料からマイシェを形成した後、茶
葉を投入し、茶のエキスをマイシェ中に抽出することを
特徴とする。
【0008】請求項5記載の発明は、お茶風味発泡酒の
製造方法において、麦芽及びでんぷん質を含有する副原
料を使用し、麦芽及び該副原料を仕込釜内で煮沸しマイ
シェを形成する工程と、麦芽と温水とを仕込槽内で混合
しマイシェを形成する工程と、前記仕込釜で形成したマ
イシェ及び前記仕込槽で形成したマイシェを所定温度で
所定時間経過させて糖化させる糖化工程と、前記マイシ
ェを濾過して濾過麦汁を得る濾過工程と、前記濾過麦汁
を煮沸し熱麦汁を得る煮沸工程と、前記熱麦汁を冷却
後、発酵させる発酵工程とを含み、前記の麦芽と温水と
を仕込槽内で混合しマイシェを形成する工程において、
茶葉を投入し、茶のエキスの抽出とマイシェの形成を行
なうことを特徴とする。
【0009】請求項6記載の発明は、請求項5記載のお
茶風味発泡酒の製造方法において、麦芽と温水とを仕込
槽内で混合しマイシェを形成する工程で、麦芽と温水と
からマイシェを形成した後、茶葉を投入し、茶のエキス
をマイシェ中に抽出することを特徴とする。
【0010】請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求
項6のいずれか一項記載のお茶風味発泡酒の製造方法に
おいて、茶葉を緑茶とウーロン茶と焙茶と麦茶と紅茶と
ハト麦茶とクワ茶とドクダミ茶とからなる群より選ばれ
た一種の茶若しくは二種以上の茶の混合物とすることを
特徴とする。
【0011】請求項8記載の発明は、お茶風味発泡酒に
おいて、麦芽及びでんぷん質を含有する副原料を使用
し、麦芽や該副原料からマイシェを形成する仕込工程
と、前記マイシェを糖化させる糖化工程と、前記マイシ
ェを濾過して濾過麦汁を得る濾過工程と、前記濾過麦汁
を煮沸し熱麦汁を得る煮沸工程と、前記熱麦汁を冷却
後、発酵させる発酵工程とを含み、前記仕込工程におい
て、茶葉を投入し、茶のエキスの抽出とマイシェの形成
を行なうお茶風味発泡酒の製造方法によって製造したこ
とを特徴とする。
【0012】請求項1記載の発明によれば、発泡酒製造
の段階で麦芽等の他の原料と一緒に茶葉を投入し、茶エ
キスの抽出を発泡酒の製造とを同時に同一の工程を用い
て行なっている。従って、既存の製造設備に大がかりな
変更を加えることなく、従来のビール製造設備をそのま
ま使用することができる。
【0013】さらに、お茶のエキスの濃度がお茶の風味
を発泡酒に十分に付与する濃度であっても、お茶とベー
スになる発泡酒との味が分離しているように所謂分離感
が感じられることがなく、お茶と発泡酒とが程よく混合
されて調和のあるバランスの良い味が得られる。
【0014】請求項2記載の発明によれば、茶葉からの
茶エキスの抽出作業を、お茶風味発泡酒の製造工程中の
発酵工程より前の工程である、発泡酒原料からマイシェ
を形成する仕込工程等の50°Cから100°Cの加熱
を伴う工程を利用して行なうことが可能となる。よっ
て、お茶風味発泡酒の製造工程中での茶葉からの茶エキ
ス抽出を十分に行うことができる。
【0015】従って、従来のビール製造設備をそのまま
使用することができ、茶と発泡酒との調和のある味を有
するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供すること
が可能となる。請求項3記載の発明によれば、茶葉から
の茶エキスの抽出作業を、発泡酒の製造工程中の麦芽及
び副原料からマイシェを形成する仕込釜内の加熱工程を
利用して行なうことが可能となる。よって、お茶風味発
泡酒の製造工程中での茶葉からの茶エキス抽出を十分に
行うことができる。
【0016】従って、従来のビール製造設備をそのまま
使用することができ、茶と発泡酒との調和のとれた味を
有するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供するこ
とが可能となる。請求項4記載の発明によれば、茶葉か
らの茶エキスの抽出作業を、お茶風味発泡酒の製造工程
中の麦芽及び副原料から仕込釜内で加熱によりマイシェ
を形成した後で行なうことが可能となる。従って、加熱
によるマイシェが有する余熱に従って、投入する茶葉の
特性に合わせた温度・時間等の条件での抽出が可能とな
り、茶の種類に応じたより好ましい条件での茶葉からの
茶エキスの抽出を厳密に行なうことができる。従って、
お茶と発泡酒との調和のある味を有するお茶風味発泡酒
を製造する製造方法を提供することが可能となる。
【0017】請求項5記載の発明によれば、茶葉からの
茶エキスの抽出作業を、お茶風味発泡酒の製造工程中の
仕込槽内での麦芽と温水とを混合してマイシェを形成す
る工程中で行なうことが可能となる。よって、お茶風味
発泡酒の製造工程中での茶葉からの茶エキス抽出を十分
に行うことができる。
【0018】従って、従来のビール製造設備をそのまま
使用することができ、お茶と発泡酒との調和のある味を
有するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供するこ
とが可能となる。請求項6記載の発明によれば、茶葉か
らの茶エキスの抽出作業を、発泡酒の製造工程中の仕込
槽内で麦芽と温水とを混合してマイシェを形成した後で
行なうことが可能となる。従って、温水に由来してマイ
シェが有する余熱に従って、投入する茶葉の特性に合わ
せた温度・時間、特に比較的低温の条件での抽出が可能
となり、茶の種類に応じたより好ましい条件での茶葉か
らの茶エキスの抽出を厳密に行なうことができる。従っ
て、お茶と発泡酒との調和のある味を有するお茶風味発
泡酒を製造する製造方法を提供することが可能となる。
【0019】請求項7記載の発明によれば、お茶として
消費者に馴染みの深いものの茶葉をお茶風味発泡酒を飲
む消費者の好みに合わせて、一種または2種以上混合し
てお茶風味発泡酒を製造することが可能となる。よっ
て、消費者に馴染みが深く、消費者の好みに合わせた種
々の香味を有す、また、お茶と発泡酒との調和のある味
を有するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供する
ことが可能となる。
【0020】請求項8記載の発明によれば、茶葉からの
茶エキスの抽出作業を、お茶風味発泡酒の製造工程中の
発酵工程より前にある仕込工程等の50°Cから100
°Cの加熱を伴う工程中で行ない、お茶風味発泡酒の製
造工程中での茶葉からの茶エキス抽出を十分に行ってい
る。
【0021】従って、お茶と発泡酒との調和のある味を
有するバランスの良いお茶風味発泡酒を提供することが
可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下で本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。本発明は、製造設備に大がかりな変
更を伴うことなく、従来のビールあるいは発泡酒の製造
設備をそのまま使用し、製造コストの上昇を抑え、お茶
とビール或いは発泡酒との調和のある味を有するお茶風
味発泡酒を製造するものである。従って、従来のビール
や発泡酒の製造工程及び製造方法がそのベースとなって
いる。図1は本発明のお茶風味発泡酒の製造工程を示す
図であり、これを用いて本発明にかかるお茶風味発泡酒
の製造工程ついて説明する。
【0023】本発明に係るお茶風味発泡酒の製造工程
は、茶葉投入による茶葉からの茶エキスの抽出とマイシ
ェの形成を行なうマイシェ形成工程(以下「液化工程」
という)と、糖化工程と濾過工程と煮沸工程と発酵工程
と貯酒工程からなる。それぞれの工程を以下で簡単に説
明する。
【0024】液化工程は、並行し、かつ異なる二つのマ
イシェ工程からなる。仕込釜マイシェ工程は、主原料で
ある粉砕された麦芽とスターチや小麦やコウリャンやト
ウモロコシや米等のでんぷん質を含有する副原料を仕込
釜1中に温水とともに投入加熱し、液化工程を経て仕込
釜マイシェを形成する。
【0025】仕込槽マイシェ工程は、主原料である粉砕
された麦芽を仕込槽2と呼ばれるタンク内に温水ととも
に投入混合をしながら所定の温度−時間経過のもとで酵
素分解を行い、仕込槽マイシェを形成する。本発明のお
茶風味発泡酒の製造においてはこのマイシェ形成工程に
おいて茶葉を投入することを特徴としており、前記仕込
釜マイシェ若しくは前記仕込槽マイシェのいずれかの工
程中で茶葉をそのままの状態で投入する。なお、麦芽の
みを原料として使用する場合には上記液化工程を仕込釜
と仕込槽とに分けて行なわない場合もある。
【0026】茶葉の投入の時点は、仕込釜マイシェの工
程においては、麦芽とでんぷん質を含有する副原料を仕
込釜1中に温水とともに投入する際に同時に投入するこ
とが可能である。また、麦芽とでんぷん質を含有する副
原料とを仕込釜中に温水とともに投入した後のマイシェ
の形成中に茶葉を投入すること、又はマイシェの形成後
に茶葉を投入することも可能である。よって、茶葉投入
の時期は抽出に用いられる茶葉の特性に合わせて選択さ
れうる。
【0027】しかし、茶葉には種類に応じて適した抽出
温度と抽出時間があり、高温下で長時間晒されることに
より茶の渋み成分が多量に抽出され、かえって香味を劣
化させる可能性があるため、茶葉の種類に応じて、液化
工程中での投入タイミングを考慮することが好ましい。
一般的には、茶葉の投入は液化工程に至る昇温の途中
で、マイシェの温度が80乃至90°Cになった時点で
行なわれる。
【0028】また、仕込槽マイシェの工程においても同
様に、麦芽とでんぷん質を含有する副原料からマイシェ
を形成し、麦芽の投入と同時に仕込槽2への投入がなさ
れる。しかし、茶葉と麦芽が同時に投入されることは必
須の条件ではない。つまり、麦芽を仕込槽中に温水とと
もに投入した後のマイシェの形成中に茶葉を投入するこ
と、又はマイシェの形成後に茶葉を投入することも可能
であり、抽出に用いられる茶葉の特性に合わせて茶葉投
入の時期は選択されうる。
【0029】さらに、仕込釜マイシェ及び仕込槽マイシ
ェの両方の工程中で茶葉を投入することも可能であり、
抽出に用いられる茶葉の特性に合わせて、仕込釜マイシ
ェ工程中に投入される茶葉と仕込槽マイシェ工程中に投
入される茶葉との種類を変えることなども可能である。
【0030】茶葉としては緑茶とウーロン茶と焙茶と麦
茶と紅茶とハト麦茶とクワ茶とドクダミ茶とからなる群
より選ばれた一種の茶若しくは二種以上の茶の混合物を
消費者であるこれを飲む人の好みに合わせて用いること
が可能である。また、紅茶については、レモン果汁若し
くはレモン香料を工程中の適当な時期に添加し、レモン
ティー風味の発泡酒を製造することも可能である。
【0031】そして、例えば紅茶の中にはアールグレ
イ、ダージリン等の種類、緑茶の中には通常のものの
他、所謂玉露茶と称される香りが高く、比較的低温での
抽出が望ましい種類等、様々な種類が含まれているが、
それぞれの種類の特性に合わせて、茶葉の投入時期や温
度や抽出時間を適宜選択することにより、茶葉特有の香
りを有するお茶風味発泡酒を製造することができる。
【0032】次に、糖化工程は、前記の仕込釜マイシェ
及び仕込槽マイシェ工程を経て形成されたそれぞれのマ
イシェを合併する。そして、60°C乃至66°Cの範
囲内の所定温度で30分間乃至120分間の範囲内の所
定時間経過させて、糖化を終えたマイシェを形成する。
【0033】次に、濾過工程は、糖化を終えたマイシェ
を濾過槽3に投入し、濾過を行ない、殻皮その他麦芽や
副原料に由来する不溶物と仕込工程で投入された茶葉か
らなる濾過粕を分離して先ず所謂一番麦汁を得る。それ
から、該濾過粕中に残る麦汁エキスをさらに濾取するた
め、濾過槽3に湯を供給し、該濾過粕を洗うことにより
残存する麦汁エキス(所謂二番麦汁)を得る。
【0034】次に、煮沸工程は、前記の一番麦汁及び二
番麦汁を合わせて、ホップを加えて、煮沸釜中で煮沸
し、熱麦汁を形成する。この熱麦汁は沈殿槽(図示され
ていない)に送られ、煮沸時に生成した熱凝固物を除去
し、清澄な麦汁を得る。次に、発酵工程は、まず熱麦汁
を冷却する。そして、発酵タンク6に移し、直ちに酵母
を加えてアルコール発酵を行なう。7日間程度発酵は行
なわれ、発酵した液から酵母を分離し、ビール製造の場
合は若ビールを形成する。
【0035】次に、貯酒工程は、前記の若ビールを貯酒
タンク7で数週間貯蔵し、熟成させて、お茶風味発泡酒
を製造する。こうして、以上の記載に従いお茶風味発泡
酒は製造される。図2には麦芽の使用量が副原料の使用
量よりも多いお茶風味発泡酒の仕込ダイアグラムを示
し、図3には麦芽使用量が副原料の使用量よりも少ない
お茶風味発泡酒の仕込ダイアグラムを示す。
【0036】いずれの場合もビールもしくは発泡酒の既
存の製造工程、設備を用いて図2および図3に示す仕込
ダイアグラムに従ってお茶風味発泡酒を製造することが
でき、お茶とベースとなるビールあるいは発泡酒とが程
よく混合され、調和のあるバランスのとれた味を有す
る。
【0037】尚、本発明においてはお茶風味発泡酒の製
造において、対応する茶葉そのものを用いているが、粉
末状のお茶エキスを用い、お茶風味発泡酒を製造するこ
とも可能である。その場合もお茶とビール又はお茶と発
泡酒とが程よく混合され、調和のとれた味を有するお茶
風味発泡酒を製造できる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)〔仕込釜マイシェ工程中に茶葉を投入する
お茶風味発泡酒の製造〕 茶葉として緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶、麦
茶、ドクダミ茶、ハト麦茶、紅茶、クワ茶を用
いる。また、紅茶については、その他に貯酒工程にお
いてレモン果汁を加えてレモンティー風味の紅茶風味発
泡酒を製造した。
【0039】まず、ビールの原料である麦芽を50k
g、副原料を20kgを準備する。次に、仕込釜に前記
麦芽の一部である麦芽10kgと前記副原料を20kg
と50°Cの仕込用水85リットルを投入する。そし
て、仕込槽に前記麦芽の残り分である麦芽40kgと5
0°Cの仕込用水145リットルを投入する。そして、
図2に示す仕込ダイアグラムと前記した工程に従って、
お茶風味発泡酒を製造する。
【0040】この時、茶葉の投入は、仕込釜内でのマイ
シェ形成工程で形成されるマイシェの液温が、液化工程
における煮沸前で、80乃至90°Cに達した時点でな
される。以下に、製造に用いた茶葉の種類と茶葉の投入
量(仕込釜と仕込槽の仕込用水を合わせた全仕込用水の
1リットルに対して投入した量として表す。)の範囲及
び今回実施した値を示す。
【0041】緑茶: 投入の範囲;20g乃至25
g: 実施の値;20g ウーロン茶: 投入の範囲;15g乃至20g: 実
施の値;15g ほうじ茶: 投入の範囲;10g乃至15g: 実施
の値;10g 麦茶: 投入の範囲;10g乃至20g: 実施の
値;10g ドクダミ茶: 投入の範囲;20g乃至30g: 実
施の値;20g ハト麦茶: 投入の範囲;10g乃至20g: 実施
の値;10g 紅茶: 投入の範囲;10g乃至20g: 実施の
値;12g クワ茶: 投入の範囲;20g乃至50g: 実施の
値;20g 製造されたお茶風味発泡酒は、何れの茶葉を用いてもそ
れぞれのお茶の香りを有しており、また、お茶とビール
とが程よく混合されて調和のあるバランスのとれた味を
有している。
【0042】特に、緑茶を用いたお茶風味発泡酒につ
いては、香りは他の茶葉によるものよりも少なめで、味
はやや渋みを有している。また、ウーロン茶を用いた
ものについては、高い香りを有しており、味はやや渋み
を有している。また、ほうじ茶を用いたものについて
は、ほうじ茶特有の香りが感じられ、味はやや渋みを有
している。また、麦茶を用いたものについては、所謂
濃色ビールに近い香りを有しており、香ばしい。また、
ドクダミ茶を用いたものについては、高い香りを有し
ており、味はやや渋みを有している。紅茶を用いたも
のについては、重厚な味を有し、万人に好まれる美味し
さを有している。また、合わせて、貯酒工程においてレ
モン果汁を加えて製造されたレモンティー風味の紅茶風
味発泡酒については、味に紅茶由来の渋みが少しあるも
のの、レモンティー特有の香味を有しており、万人に好
まれる美味しさを有している。
【0043】(実施例2)〔仕込槽マイシェ工程中に茶
葉を投入するお茶風味発泡酒の製造〕 茶葉として緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶、麦
茶、ドクダミ茶、ハト麦茶、紅茶、クワ茶を用
いる。また、紅茶については、その他に貯酒工程にお
いてレモン果汁を加えてレモンティー風味の紅茶風味発
泡酒を製造した。
【0044】まず、ビールの原料である麦芽を50k
g、副原料を20kgを準備する。次に、仕込釜に前記
麦芽の一部である麦芽10kgと前記副原料を20kg
と50°Cの仕込用水85リットルを投入する。そし
て、仕込槽に前記麦芽の残り分である麦芽40kgと5
0°Cの仕込用水145リットルをに投入する。そし
て、図2に示す仕込ダイアグラムと前記した工程に従っ
て、お茶風味発泡酒を製造する。
【0045】この時、茶葉の投入は、仕込槽マイシェ工
程で形成されるマイシェの液温が50°Cの状態の糖化
工程の前でなされる。茶葉は50°Cで茶エキスが抽出
されるとともに、65°Cに達する糖化工程においても
茶エキスの抽出がなされる。そして、茶葉の投入量は、
実施例1と同じ範囲で選択可能であり、実施した投入量
は同じとした。
【0046】製造されたお茶風味発泡酒は、何れの茶葉
を用いても実施例1で製造されたものと同様の香りと味
を有しており、それぞれのお茶の香りを有している。よ
って、お茶とベースとなるビールもしくは発泡酒とが程
よく混合され、調和のある味を有している。
【0047】また、各茶の種類に応じた香味も実施例1
と同様のものが得られた。 (実施例3)〔仕込釜マイシェ工程中に茶葉を投入する
お茶風味発泡酒の製造〕 茶葉として緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶、麦
茶、ドクダミ茶、ハト麦茶、紅茶、クワ茶を用
いる。また、紅茶については、その他に貯酒工程にお
いてレモン果汁を加えてレモンティー風味の紅茶風味発
泡酒を製造した。
【0048】まず、発泡酒の原料である麦芽を34k
g、副原料を36kgを準備する。次に、仕込釜に前記
麦芽の一部である麦芽10kgと前記副原料を36kg
と50°Cの仕込用水80リットルを投入する。そし
て、仕込槽に前記麦芽の残り分である麦芽24kgと5
0°Cの仕込用水180リットルをに投入する。そし
て、図3に示す仕込ダイアグラムと前記した工程に従っ
て、お茶風味発泡酒を製造する。
【0049】この時、茶葉の投入は、仕込釜マイシェ工
程で形成されるマイシェの液温が、液化工程における煮
沸前で、80乃至90°Cに達した時点でなされる。そ
して、茶葉の投入量は実施例1と同じ範囲で選択可能で
あり、実施した投入量は同じとした。
【0050】製造されたお茶風味発泡酒は、何れの茶葉
を用いてもそれぞれのお茶の香りを有しており、また、
お茶とベースとなるビールもしくは発泡酒とが程よく混
合されて調和のあるバランスのとれた味を有している。
特に、麦茶を用いたものについては、香ばしく、若干
の焦げ臭い匂いがするものの、味にコクがある。また、
ドクダミ茶を用いたものについては、若干の焦げた味
がするものの、味にクセは無い。ハト麦茶を用いたも
のについては、香り・味ともにハト麦の特徴を有してい
る。紅茶を用いたものについては、重厚な味を有し、
万人に好まれる美味しさを有している。また、合わせ
て、貯酒工程においてレモン果汁を加えて製造されたレ
モンティー風味の紅茶風味発泡酒については、味に紅茶
由来の渋みが少しあるものの、レモンティー特有の香味
を有しており、万人に好まれる美味しさを有している。
クワ茶を用いたものについては、クワ茶の味が残って
いるが全体としてマイルド感を有する味に仕上がってい
る。
【0051】(実施例4)〔仕込槽マイシェ工程中に茶
葉を投入するお茶風味発泡酒の製造〕 茶葉として緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶、麦
茶、ドクダミ茶、ハト麦茶、紅茶、クワ茶を用
いる。また、紅茶については、その他に貯酒工程にお
いてレモン果汁を加えてレモンティー風味の紅茶風味発
泡酒を製造した。
【0052】まず、発泡酒の原料である麦芽を34k
g、副原料を36kgを準備する。次に、仕込釜に前記
麦芽の一部である麦芽10kgと前記副原料を36kg
と50°Cの仕込用水80リットルを投入する。そし
て、仕込槽に前記麦芽の残り分である麦芽24kgと5
0°Cの仕込用水180リットルをに投入する。そし
て、図3に示す仕込ダイアグラムと前記した工程に従っ
て、お茶風味発泡酒を製造する。
【0053】この時、茶葉の投入は、仕込槽マイシェ工
程で形成されるマイシェの液温が50°Cの状態の糖化
工程の前でなされる。茶葉は50°Cで茶エキスが抽出
されるとともに、65°Cに達する糖化工程においても
茶エキスの抽出がなされる。そして、茶葉の投入量は実
施例1と同じ範囲で選択可能であり、実施した投入量は
同じとした。
【0054】製造されたお茶風味発泡酒は、何れの茶葉
を用いても実施例3で製造されたものと同様の香りと味
を有しており、それぞれのお茶の香りを有している。よ
って、お茶とベースとなるビールもしくは発泡酒とが程
よく混合され、調和のあるバランスのとれた味を有して
いる。
【0055】また、各茶の種類に応じた香味も実施例3
と同様のものが得られた。尚、本発明において茶葉に意
味するところは、緑茶や紅茶などの植物の葉から製造さ
れたもののみに限られることはなく、麦茶用の麦のよう
に葉以外の部分であって、抽出によりお茶を作りうるも
のを全て含んでいる。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、お茶風味
発泡酒の製造において、茶エキスの抽出を発泡酒の製造
とを同時に同一の工程を用いて行なっている。従って、
既存の製造設備に大がかりな変更を加えることなく、従
来のビールあるいは発泡酒の製造設備をそのまま使用
し、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0057】さらに、お茶とベースになるビールあるい
は発泡酒との味が分離しているように所謂分離感が感じ
られることがなく、お茶とベースとなるビールあるいは
発泡酒とが程よく混合されて調和のとれたバランスの良
い味が得られる。よって、お茶とベースとなるビールあ
るいは発泡酒との調和のとれた味を有するお茶風味発泡
酒を製造する製造方法を提供することが可能となる。
【0058】請求項2記載の発明によれば、お茶風味発
泡酒の製造工程中での茶葉からの茶エキス抽出を十分に
行うことができる。従って、従来のビールあるいは発泡
酒の製造設備をそのまま使用することができ、また、お
茶とベースになるビールあるいは発泡酒との調和のとれ
た味を有するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供
することが可能となる。
【0059】請求項3記載の発明によれば、お茶風味発
泡酒の製造工程中での茶葉からの茶エキス抽出を十分に
行うことができる。従って、従来のビールあるいは発泡
酒の製造設備をそのまま使用することができ、また、お
茶とベースとなるビールあるいは発泡酒との調和のとれ
た味を有するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供
することが可能となる。
【0060】請求項4記載の発明によれば、お茶とベー
スとなるビールあるいは発泡酒との調和のとれた味を有
するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供すること
が可能となる。請求項5記載の発明によれば、お茶風味
発泡酒の製造工程中での茶葉からの茶エキス抽出を十分
に行うことができる。
【0061】従って、従来のビールあるいは発泡酒の製
造設備をそのまま使用することができ、また、お茶とベ
ースとなるビールあるいは発泡酒との調和のとれた味を
有するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供するこ
とが可能となる。請求項6記載の発明によれば、お茶と
ベースとなるビールあるいは発泡酒との調和のとれた味
を有するお茶風味発泡酒を製造する製造方法を提供する
ことが可能となる。
【0062】請求項7記載の発明によれば、消費者に馴
染みが深く、消費者の好みに合わせた種々の香味を有
す、また、お茶とベースとなるビールあるいは発泡酒と
の調和のとれた味を有するお茶風味発泡酒を製造する製
造方法を提供することが可能となる。
【0063】請求項8記載の発明によれば、お茶と発泡
酒との調和のとれたバランスの良い味を有するお茶風味
発泡酒を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のお茶風味発泡酒の製造工程を示す図で
ある。
【図2】麦芽の使用量が副原料の使用量よりも多いお茶
風味発泡酒の仕込ダイアグラムを示す図である。
【図3】麦芽使用量が副原料の使用量よりも少ないお茶
風味発泡酒の仕込ダイアグラムを示す図である。
【符号の説明】
1 仕込釜 2 仕込槽 3 濾過槽 4 煮沸釜 5 冷却機 6 発酵タンク 7 貯酒タンク

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麦芽もしくは麦芽及びでんぷん質を含有
    する副原料を使用して発泡酒を製造する方法であって、
    製造工程中に茶葉から茶エキスを抽出する工程を設けた
    ことを特徴とするお茶風味発泡酒の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のお茶風味発泡酒の製造方
    法において、 前記茶葉からの茶エキスの抽出工程を、お茶風味発泡酒
    の製造工程中のマイシェを形成する工程中で行なうこと
    を特徴とするお茶風味発砲酒の製造方法。
  3. 【請求項3】 麦芽及びでんぷん質を含有する副原料を
    使用し、 麦芽及び該副原料を仕込釜内で加熱しマイシェを形成す
    る工程と、 麦芽と温水とを仕込槽内で混合しマイシェを形成する工
    程と、 前記仕込釜で形成したマイシェ及び前記仕込槽で形成し
    たマイシェを所定温度で所定時間経過させて糖化させる
    糖化工程と、 前記マイシェを濾過して濾過麦汁を得る濾過工程と、 前記濾過麦汁を煮沸し熱麦汁を得る煮沸工程と、 前記熱麦汁を冷却後、発酵させる発酵工程とを含み、 前記の麦芽及び該副原料を仕込釜内で加熱しマイシェを
    形成する工程において、茶葉を投入し、茶のエキスの抽
    出とマイシェの形成を行なうことを特徴とするお茶風味
    発泡酒の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のお茶風味発泡酒の製造方
    法において、 前記の麦芽及び該副原料を仕込釜内で煮沸しマイシェを
    形成する工程において、麦芽及び前記副原料からマイシ
    ェを形成した後、茶葉を投入し、茶のエキスをマイシェ
    中に抽出することを特徴とするお茶風味発泡酒の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 麦芽及びでんぷん質を含有する副原料を
    使用し、 麦芽及び該副原料を仕込釜内で煮沸しマイシェを形成す
    る工程と、 麦芽と温水とを仕込槽内で混合しマイシェを形成する工
    程と、 前記仕込釜で形成したマイシェ及び前記仕込槽で形成し
    たマイシェを所定温度で所定時間経過させて糖化させる
    糖化工程と、 前記マイシェを濾過して濾過麦汁を得る濾過工程と、 前記濾過麦汁を煮沸し熱麦汁を得る煮沸工程と、 前記熱麦汁を冷却後、発酵させる発酵工程とを含み、 前記の麦芽と温水とを仕込槽内で混合しマイシェを形成
    する工程において、茶葉を投入し、茶のエキスの抽出と
    マイシェの形成を行なうことを特徴とするお茶風味発泡
    酒の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のお茶風味発泡酒の製造方
    法において、 麦芽と温水とを仕込槽内で混合しマイシェを形成する工
    程で、 麦芽と温水とからマイシェを形成した後、茶葉を投入
    し、茶のエキスをマイシェ中に抽出することを特徴とす
    るお茶風味発泡酒の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一項記
    載のお茶風味発泡酒の製造方法において、 茶葉を緑茶とウーロン茶と焙茶と麦茶と紅茶とハト麦茶
    とクワ茶とドクダミ茶とからなる群より選ばれた一種の
    茶若しくは二種以上の茶の混合物とすることを特徴とす
    るお茶風味発泡酒の製造方法。
  8. 【請求項8】 麦芽及びでんぷん質を含有する副原料を
    使用し、 麦芽や該副原料からマイシェを形成する仕込工程と、 前記マイシェを糖化させる糖化工程と、 前記マイシェを濾過して濾過麦汁を得る濾過工程と、 前記濾過麦汁を煮沸し熱麦汁を得る煮沸工程と、 前記熱麦汁を冷却後、発酵させる発酵工程とを含み、 前記仕込工程において、茶葉を投入し、茶のエキスの抽
    出とマイシェの形成を行なうお茶風味発泡酒の製造方法
    によって製造したことを特徴とするお茶風味発泡酒。
JP34852996A 1996-12-26 1996-12-26 お茶風味発泡酒の製造方法及び該製造方法にかかるお茶風味発泡酒 Pending JPH10179120A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007113284A1 (en) * 2006-03-31 2007-10-11 Inbev S.A. Tea-flavored beer
CN102199503A (zh) * 2010-03-25 2011-09-28 牛乃秀 一种普洱酒制备新方法
CN102978067A (zh) * 2012-12-14 2013-03-20 张递霆 食糖发酵酿制法制作黑茶酒的工艺

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