JPH10177223A - X線画像撮影装置 - Google Patents

X線画像撮影装置

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JPH10177223A
JPH10177223A JP33934196A JP33934196A JPH10177223A JP H10177223 A JPH10177223 A JP H10177223A JP 33934196 A JP33934196 A JP 33934196A JP 33934196 A JP33934196 A JP 33934196A JP H10177223 A JPH10177223 A JP H10177223A
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film
ray
space
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JP33934196A
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Tadashi Fujii
正 藤井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線画像撮影装置の撮影部においてフイルム
とスクリーンとの密着後におけるフイルムの位置を正確
に検出する。 【解決手段】 両増感スクリーン41a ,42a とパッキン
42c とによって形成される密閉空間Sを、フイルム1aの
上部両角部が露出するように形成し、この露出した部分
を位置検出手段80によって検出することにより、スクリ
ーン41a ,42aとの密着後のフイルム1aの位置を検出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線画像撮影装置に
関し、詳細には撮影部におけるX線フイルムの配置状態
の検出に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、特に医療分野において、多数
のX線フイルムを収容したマガジンからこのフイルムを
1枚ずつ撮影部に搬入し、撮影部の所定の位置で被写体
のX線透過画像を撮影するようにしたX線画像撮影装置
がよく知られている(特公平5-67215号、同6-68608号
等)。
【0003】このX線画像撮影装置では、X線フイルム
に記録される被写体のX線透過画像の感度を増大させる
目的で、撮影部においてX線フイルムに前後から増感ス
クリーンを密着させることが一般的に行なわれている。
【0004】この目的のために、増感スクリーンはある
程度の平面度を有する2つの支持体にそれぞれ付着され
る。そして、これら両支持体の間にフイルムを配した後
に両支持体間の間隔を狭めて増感スクリーンをフイルム
に密着させ、その状態において撮影が行なわれる。
【0005】ところでこのスクリーンのフイルムへの密
着方法としては、カムやリンク等の機械要素を用いて両
支持体にフイルム方向への押圧力を作用せしめて行なう
機械的な方法の他に、両スクリーンの間の空間に配され
るX線フイルムの外周を包囲するように形成された環状
の密閉部材(例えばパッキン等)を用いて、この密閉部
材および両支持体に囲まれて形成された密閉空間の内部
の空気を真空ポンプにより排気してこの密閉空間の内部
圧力を減圧し、大気圧との圧力差によって密閉部材を弾
性変形せしめ、両支持体をフイルムの前後からフイルム
に密着させる、いわゆる真空密着方法が知られている。
【0006】なおフイルムの外周を包囲する密閉部材の
断面構造は、一方の支持体に保持される基部と、この基
部から他方の支持体に向けて延びたシーム部とからなる
のが一般的であり、シーム部は弾性変形によりその他方
の支持体に密着するように構成される。
【0007】上記増感スクリーンとフイルムとの密着構
造のうち、真空密着方法は増感スクリーンをフイルムに
均一に密着させることができ、より有効な方法であると
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のX線画
像撮影装置では、撮影部にフイルムを搬入する際に種々
の方法によりフイルムの位置を検出していて、フイルム
が撮影部内の所定の位置に到達するとその搬入動作を停
止してフイルムのセッティングが完了し、その後にフイ
ルムと増感スクリーンとの密着動作を開始するように制
御されている。
【0009】しかし、フイルムと増感スクリーンとの密
着動作中にフイルムが搬入時のセッティング位置からず
れる場合がある。このようにフイルムがセット位置から
ずれると、当然フイルムには被写体の画像がずれて記録
されることになり、疾病等の診断に見苦しいだけでな
く、画像の撮影後にさらにID番号等をフイルムに記録
する構成の撮影装置ではID番号の記録領域に既に被写
体の画像が記録されている状態となって、被写体の画像
にID番号が重畳し、またはID番号の記録ができない
ことにもなる。
【0010】そこでフイルムと増感スクリーンとが密着
した後におけるフイルムの位置を検出することも考えら
れるが、特に上記真空密着方法を採用した構成の撮影装
置では、略真空化された密閉空間内に収容されているフ
イルムの現実の配置状態を検出するのは技術的に困難で
ある。
【0011】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、フイルムと増感スクリーンとの密着後のフイルム
の位置を検出することを可能にしたX線画像撮影装置を
提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のX線画像撮影装
置は、撮影部の密閉空間からフイルムの一部分を露出さ
せ、この露出した部分を検出することによってスクリー
ンとの密着後のフイルムの位置を検出するものである。
【0013】すなわち本発明のX線画像撮影装置は、相
対向する一対の増感スクリーンと該増感スクリーンの周
縁に付設された密閉部材とによって囲まれる密閉空間の
中にX線フイルムを配し、前記密閉空間の内部の空気を
真空ポンプを用いて排気することにより、予め設定され
た所定の時間内に前記増感スクリーンを前記X線フイル
ムに密着させ、該増感スクリーンに密着せしめられたX
線フイルムに被写体のX線画像を記録するX線画像撮影
装置において、前記密閉空間が、前記X線フイルムの一
部が該密閉空間から露出するように形成され、前記X線
フイルムの前記密閉空間から露出した部分を検出して、
前記増感スクリーンに密着した後における該X線フイル
ムの位置を検出する位置検出手段をさらに備えたことを
特徴とするものである。
【0014】なお、上記フイルムの一部を密閉空間から
露出させることにより、密閉空間内部におけるフイルム
位置の検出だけでなく、スクリーンとの密着後において
もこの露出した部分を密閉空間の外部から把持するのが
容易であるなどの点で、フイルムを取り扱ううえで便利
である。
【0015】ただしX線フイルムの一部が密閉空間から
露出させるためには、フイルムが密閉部材の密着面を密
閉空間内部から外部に横断するため、この横断部におけ
る密着が不完全となり、この結果、大気がわずかずつ密
閉空間内にリークすることとなるが、このリーク量はわ
ずかであり、密閉空間内部の真空度低下に及ぼす影響は
一般に少なく、密閉空間内部の減圧作用に問題はない。
なお、このリークによる密閉空間内部の真空度低下が大
きい場合にも、真空ポンプ等の真空化手段の出力を大き
くする等により容易に補うことができる。
【0016】またX線フイルムの位置を検出する位置検
出手段としては、機械的検出手段、電気的検出手段、光
学的検出手段など種々の方式の検出手段を採用すること
ができる。
【0017】
【発明の効果】本発明のX線画像撮影装置は、X線フイ
ルムの一部を、一対の増感スクリーンと密閉部材とによ
って形成される密閉空間内部から露出させ、このフイル
ムの露出した部分を位置検出手段により検出することに
より、スクリーンと密着後においてもX線フイルムの正
確な位置を検出することができる。
【0018】これにより撮影時のフイルムの配置状態、
すなわちスクリーンに密着した状態におけるフイルムの
配置状態を撮影直前に知ることができ、フイルムの位置
がずれたことによる失敗撮影がない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のX線画像撮影装置
の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】図1は本発明のX線画像撮影装置の一実施
形態を示す概略図、図2〜6は図1に示したX線画像撮
影装置の撮影部における前後支持体の作動状態を時系列
で示した図、図7は図1に示したX線画像撮影装置の撮
影部のみを後側から見た要部背面図、図8は図1に示し
たX線画像撮影装置のフイルム位置検出手段の詳細を示
す図である。
【0021】図示のX線画像撮影装置100 は、主として
人体の胸部を被写体とするX線透過画像300 をX線フイ
ルム1aまたは1bに撮影するためのものであり、外形をな
す本体10と、互いに長さの異なる2種類の未露光のX線
フイルム1a,1bをそれぞれその種類ごとに多数収容する
2つのサプライマガジン21,22と、図示しないフイルム
選択手段からのフイルム選択指示に基づいて上記2つの
サプライマガジン21,22のいずれか一方からフイルム1
a,1bを1枚ずつ取り出す枚葉手段31,32および取り出
したフイルム1a等を後述の撮影部40まで搬送する搬送ロ
ーラ33,34,35,36,37を備えた搬送手段と、搬送され
たフイルム1a等を前側支持体41と後側支持体42との間に
搬入し、両支持体41、42の間に保持し、両支持体41、42
の間から搬出する保持搬出入ローラ38a ,38b を含む保
持搬出入手段と、X線フイルム1a等を撮影位置において
前後から密着してこれを保持する前側支持体41および後
側支持体42を有する撮影部40と、両支持体41,42で挟ま
れた後述する密閉空間S内部の空気を排気する真空ポン
プ、密閉空間S内部の圧力を検出する圧力検出器および
圧力検出器により検出された圧力に基づいて真空ポンプ
の駆動を制御する制御手段からなる真空圧制御系60と、
X線フイルム1a等の一部(上端部)に被写体のID番号
等を記録するID記録装置50と、撮影済みのフイルム1a
等を収容するレシーブマガジン23と、後述する増感スク
リーン41a ,42a に密着した後におけるフイルム1a等の
位置を検出する位置検出手段80とを備えた構成である。
【0022】また前側支持体41の後面および後側支持体
42の前面にはそれぞれ増感スクリーン41a ,42a が付設
されており、撮影時においてはこの両スクリーン41a ,
42aの間にフイルム1a等が保持される。さらに、両支持
体41,42に付設されたスクリーン41a ,42a の周縁部に
はパッキン42c が設けられており、両スクリーン41a,4
2a が近接した状態において両スクリーン41a ,42a の
間の空間は支持体41,42と、パッキン42c とにより気密
の密閉空間Sを形成する。
【0023】なお上記前側支持体41および後側支持体42
は略矩形形状であるが、その上部両角部が取り除かれて
おり、パッキン42c も同様の形状に仕上げられている
(図7参照)。これら支持体41,42の取り除かれた上部
両角部に相当する部分には、フイルム1a等を密閉空間S
に収容したときに、フイルム1a等の上部角部が密閉空間
Sの外部に露出する。
【0024】位置検出手段80はこの密閉空間Sから露出
したフイルムの上部両角部の高さ方向(図示上下方向)
の位置が所定の範囲内にあるか否かを検出することによ
り、フイルムの位置を検出するものである。すなわち位
置検出手段80は図8に示すように、高さ方向の許容範囲
の最高位置を検出する第1検出器81および高さ方向の許
容範囲の最低位置を検出する第2検出器82並びに図示し
ない論理演算手段からなり、各検出器81,82はそれぞ
れ、コイルスプリング81b ,82b により一定の方向に付
勢された略L字形の検出レバー81a ,82a と検出レバー
81a ,82a の動きを検出する検出部81e ,82e とを有し
ている構成である。
【0025】ここで第1検出器81を例にしてその作用を
説明する。検出レバー81a は図示の通りL字形状の角部
近傍81c を中心として回動可能にベース81d に軸支され
ており、同じく一端がベース81d に掛けられた引張りコ
イルスプリング81b により図8(1)または(2)に示
す状態に付勢されている。すなわち、検出レバー81aの
L字形の一方の腕部は下方を向き、他方の腕部は左方を
向いた状態である。ここで検出レバー81a の左方を向い
た腕部は検出部81e を遮り、これにより検出部81e は
「ON状態」を示す。一方、検出レバー81a のL字形の
下方を向いた腕部が、コイルスプリング81b の引張り力
に抗して左右に押された場合、図8(3)に示すよう
に、検出レバー81a の左方を向いた腕部は検出部81e か
ら外れ、これにより検出部81e は「OFF状態」を示
す。
【0026】第2検出器82も第1検出器81と同様の構
成、同様の作用をなす(図8(4),(5)参照)。
【0027】第2検出器82は、その検出レバー82a の下
方を向いた腕部の最下端部が、本実施形態のX線画像撮
影装置の、所定の基準高さh0 となる位置に配されてお
り、第1検出器81は、その検出レバー81a の下方を向い
た腕部の最下端部が、基準高さh0 からΔhだけ高い位
置となるように配されている。したがってフイルム1aの
上端縁が高さh0 未満の範囲にある場合には、第1検出
器81、第2検出器82ともに「ON状態」を示し、高さh
0 〜h0 +Δhの範囲にある場合には第1検出器81は
「ON状態」、第2検出器82は「OFF状態」を示す。
またフイルム1aの上端縁が高さ(h0 +Δh)を超える
範囲にある場合には第1検出器81、第2検出器82ともに
「OFF状態」を示す。そしてこのような各検出器81,
82のONまたはOFF状態の組み合わせに応じて論理演
算手段がフイルムの上端縁の位置を高さh0 未満の範
囲、高さh0 〜h0 +Δhの範囲または高さ(h0 +Δ
h)を超える範囲、のうちいずれかと判定するものであ
る。
【0028】なおこの位置検出手段80は密閉空間Sから
露出したフイルムの上部両角部にそれぞれ対応して2つ
設けられている。
【0029】本体10の、撮影部40の直上には、被写体が
高さ方向の位置決めのために顎部を載せる顎当部11が形
成されている。
【0030】また上記両支持体41,42はいずれも撮影時
においては撮影部40の最前部(撮影位置)に略鉛直に位
置するが、一方、フイルム1a等の搬入時および搬出時に
はそれぞれ軸C1を回転中心として後方に回動した位置
(搬出入位置)に移動される。
【0031】前側支持体41は詳しくはその両側部にブラ
ケット41b が設けられており(図2参照)このブラケッ
ト41b には従動アーム41c が軸C7回りに揺動し得るよ
うに軸支されている。またブラケット41b の後端縁は搬
出入位置において、装置本体10に軸支されてC3回りに
回転するベアリング13に接触し、このブラケット41bが
反対カムを構成している。
【0032】後側支持体42は詳しくはその両側部にピン
42b (図3参照)が設けられたブラケットが固設されて
おり、このピン42b には前述の従動アーム41c が回動自
在に掛けられており、また装置本体10に軸支されてC6
回りに回転自在に設けられたリンク15が連結されてい
る。
【0033】従動アーム41c には、従動アーム41c 自体
を一定の方向に付勢する引張りばね42d の一端が接続さ
れており、その引張りばね42d の他端は前側支持体41に
接続されている。さらにブラケット41b の後端縁は、C
3回りに回転するベアリング13に接触し、反対カムを構
成している。
【0034】以上の構成により、前側支持体41と後側支
持体42とは引張りばね42d によって互いに密着する方向
に付勢されている。
【0035】保持搬出入手段は、図7に示した露出した
フイルム1aにその後面側から接触する、本体10にその軸
が片持ちとされた固定された駆動ローラ38a と、本体10
に対してC5回りに回動自在に設けられたリンク39c
に、その軸が片持ち支持された、フイルム1aにその前面
側から接触するフリーローラ38b と、装置本体10に軸支
されてC2回りに回転するベアリング12と、ベアリング
12にその後端縁が接触しC4回りに揺動し得るととも
に、装置本体10に一端が接続された引張りばね14によっ
て後方に付勢された「ト」字形状のリンク39a と、この
リンク39a およびリンク39c の自由端側同士を連結する
リンク39b とを備えた構成である。
【0036】なおリンク39b は、リンク39c に対してC
9回りに回転自在であるとともに、リンク39b の長穴部
とリンク39c の軸C9が引張りコイルばね39d を介して
連結されている。このため軸C9は引張りコイルばね39
d の付勢力に抗してリンク39b の長手方向にある程度移
動することができる。また、リンク39a に対してはC8
回りに回転自在に連結されている。
【0037】2つの枚葉手段31,32は、その一方31が短
いサイズのフイルム1aを、他方32が長いサイズのフイル
ム1bをそれぞれ図示の破線の位置まで進んで吸着するも
のであるが、これらは例えばオペレータからフイルム選
択手段に入力されたフイルム選択指示にしたがっていず
れか一方が駆動される。ただし、必ずしもこのようにフ
イルムの長さごとに各別に枚葉手段31,32を設ける構成
に限るものではなく、一つの枚葉手段が上記フイルム選
択指示にしたがって、その指示された側のサプライマガ
ジン21または22の開口部まで移動せしめられていずれの
長さのフイルム1aまたは1bであっても吸着し得るように
した構成を採ることも勿論可能である。
【0038】次に、本実施形態のX線画像撮影装置の作
用について説明する。
【0039】まずこの装置には、その内部に、短いサイ
ズのシート状の未露光X線フイルム1aが収容されたサプ
ライマガジン21と長いサイズのシート状の未露光X線フ
イルム1bが収容されたサプライマガジン22がセットされ
ている。
【0040】ここで、図示しないフイルム選択手段から
オペレータの指示が入力され、この指示に基づいて、上
記2つのサプライマガジン21,22のいずれか一方から対
応する枚葉手段31または32がフイルム1aまたは1bを1枚
ずつ取り出す。
【0041】以下の作用はサイズの指示の如何に拘らず
同一であるため、指示が短いサイズの場合、すなわち短
いサイズのフイルム1aに対する作用について説明する。
【0042】枚葉手段31はフイルム1aを吸着してサプラ
イマガジン21から引き出した後、さらにフイルム1aを吸
着したまま、搬送ローラ33まで移動する(破線で示
す)。これによりフイルム1aの搬送方向先端部が2つの
搬送ローラ33の間に導かれる。このとき、撮影部40の前
側支持体41および後側支持体42は図2に示すように、撮
影位置から後方に回動された位置(搬出入位置)にあ
り、両支持体41,42間の上端部が開放された状態(開放
状態)とされている。
【0043】搬送ローラ33はフイルム1aを挟持して、配
列された次の搬送ローラ35,36,37に順次フイルム1aを
送り、これらの各搬送ローラ35,36,37も回転駆動し、
フイルム1aを挟持して撮影部40に向かって搬送する。
【0044】搬送ローラ37から送られたフイルム1aの先
端は、駆動ローラ38a とフリーローラ38b との間に導か
れ、駆動ローラ38a とフリーローラ38b との間に挟持さ
れたフイルム1aは、前側支持体41と後側支持体42との間
の空間に送られる。このとき前側支持体41と後側支持体
42との間の隙間は比較的狭く、先に進む程狭くなる楔状
を形成しているため、フイルム1aにカールした巻き癖が
ついている場合にも両支持体41,42の表面でその癖が矯
正され、この空間内にスムーズに搬入される。ここで搬
送ローラ36と37の間にはフイルム1aの後端を検出する検
出器70が設けられており、この検出器70がフイルム1aの
後端部を検出してから所定の時間が経過した後に駆動ロ
ーラ37および38a の回転が停止されるように制御されて
いる。なお、この所定の時間は、搬送速度、残りの搬送
距離に基づいて、フイルム1aの搬送方向後端部が前側支
持体41と後側支持体42との間の空間に収容されるととも
に、その後端部の両角部だけが図7に示すように、駆動
ローラ38a とフリーローラ38b により挟持(保持)され
た状態で停止するような時間として予め設定されてい
る。すなわちフイルム停止位置は、フイルムサイズに拘
らずフイルム上端を基準として一定であり、フイルム位
置検出手段80の位置に回動したときに、フイルムの上端
縁が前述した高さh0 〜h0 +Δhの範囲となるように
所定の時間が設定されている。
【0045】次に、本体10に取り付けられたベアリング
13がC3を中心として時計回りに回転し、ブラケット41
b の後端縁に接触していたベアリング13が逃げるため、
従動アーム41c はその下端部に取り付けられた引張りば
ね42d による付勢力によって回転中心C7の回りを反時
計回りに回転し、従動アーム41c に掛けられたピン42b
に引き寄せられる。このようにして前側支持体41はC1
回りに後方に回動し、閉鎖位置で停止する。この前側支
持体41の動作と同時にリンク15がC6を中心として反時
計回りに前方へ移動し、後側支持体42も閉鎖位置で停止
する。
【0046】これらの一連の動作によってフイルム1aは
その後端部(上端部)の両角部を残して、両支持体41,
42およびパッキン42c によって囲まれる(閉鎖状態;図
3参照)。この両支持体41,42およびパッキン42c によ
って囲まれた空間は密閉空間Sを構成する。
【0047】ここで真空圧制御系60による制御によって
密閉空間Sの内部の空気の排気が開始されるが、フイル
ム1aと両スクリーン41a 、42a が完全に密着するまで
は、フイルム1aが両スクリーン41a 、42a に対して位置
ずれを起こす場合がある。
【0048】真空圧制御系60による制御によって密閉空
間Sの内部圧力が所定の圧力に達し、フイルム1aと両ス
クリーン41a 、42a が完全に密着すると、本体10に取り
付けられたベアリング12がC2回りに回転し、引張りば
ね14によって後方に付勢された「ト」字形状のリンク39
a の後端縁に接触し、さらにベアリング12が回転してリ
ンク39a を付勢力に抗してC4回りに反時計回りに回動
させる(図4参照)。
【0049】このリンク39a の作動によって、リンク39
a に連結されたリンク39b が従動し、リンク39c をC5
回りに時計回りに回動させる。この結果、フイルム1aの
上端部両角部前面に接していたフリーローラ38b がフイ
ルム1aから離隔し、フイルム1aの保持が解除される。
【0050】続いて、リンク15がC6回りに反時計回り
に回転し、両支持体41,42は一体的にC1回りに反時計
回りに回動され、最終的には撮影位置(図6参照)にセ
ットされ、X線画像の撮影準備の状態とされるが、この
回動途中の位置(図5参照)において、フイルム位置検
出手段80が設けられた部分を通過する。このときフイル
ム位置検出手段80が、フイルム1aが位置ずれを起こして
いるか否かを検出する。すなわち前述したように、フイ
ルム1aの上端縁はフイルム位置検出手段80の位置におい
て高さh0 〜h0 +Δhの範囲となるように停止された
が、スクリーン41a 、42a との密着が完了するまでの間
に位置ずれを起こす場合があり、位置ずれを起こしてい
る場合はその上端縁の位置が変動することになる。
【0051】そこでフイルム位置検出手段80を通過する
際に、フイルム上端縁部がフイルム位置検出手段80の第
1検出器81の検出レバー81a および/または第2検出器
82の検出レバー82a を回動させるか否かによりフイルム
1aの高さ方向の位置を検出する。すなわち、フイルム1a
の上端縁が高さh0 未満の範囲に位置ずれしている場合
には、第1検出器81、第2検出器82ともに「ON状態」
を示し、本来設定された高さh0 〜h0 +Δhの範囲に
ある場合には第1検出器81は「ON状態」、第2検出器
82は「OFF状態」を示し、高さ(h0 +Δh)を超え
る範囲に位置ずれしている場合には第1検出器81、第2
検出器82ともに「OFF状態」を示す。そして論理演算
手段が第1検出器81、第2検出器82の検出結果に基づい
て、フイルムの上端縁の位置を、高さh0 未満の範囲、
高さh0 〜h0 +Δhの範囲または高さ(h0 +Δh)
を超える範囲、のうちいずれかと判定し、高さh0 未満
の範囲または高さ(h0 +Δh)を超える範囲と判定し
た場合は、フイルム1aの位置ずれが発生していると判断
することができ、一方、高さh0 〜h0 +Δhの範囲と
判定した場合は、フイルム1aは位置ずれしていない又は
発生していてもX線画像の撮影には問題ないレベルのず
れであると判断することができる。
【0052】このように本実施形態のX線画像撮影装置
は、フイルムがスクリーンと密着した後の位置について
正確に検出することができる。そしてこの結果、撮影時
のフイルムの配置状態、すなわちスクリーンに密着した
状態におけるフイルムの配置状態を撮影時点で即座に知
ることができ、フイルムの位置がずれたことによる失敗
撮影か否かの判断若しくは失敗撮影になることの事前の
警告を発生する等により、再撮影の要否の判断を撮影直
後に行なうことができ若しくは失敗撮影回避のための事
前の措置を講ずることができる。
【0053】なお、上記実施形態のX線画像撮影装置の
作用を引き続き説明する。
【0054】フイルム1aの、スクリーン41a 、42a との
密着後における位置が検出された後にフイルム1aは撮影
位置にセットされ(図6参照)撮影準備が完了する。撮
影準備の完了により図示しない準備完了のランプが点灯
され、撮影操作者に準備完了を知らせる。ここで撮影操
作が行なわれると、被写体に対してX線が短時間だけ照
射され、この被写体の内部構造による吸収情報を担持し
た透過X線300 が撮影位置に配されたフイルム1aに照射
されるが、このとき透過X線300 は、フイルム1aに密着
した両スクリーン41a ,42a によって増感されてフイル
ム1aに潜像として記録される。
【0055】撮影が終了すると、前述した搬出入位置か
ら撮影位置への移動動作と逆の動作によって、前側支持
体41および後側支持体42は、撮影位置からフイルム搬出
入位置に移動され(図4)、また両支持体41,42がフイ
ルム搬出入位置に移動された後は、ベアリング12が前述
と逆の動作をなしてフリーローラ38b がフイルム1aの上
端部の両角部前面に接し、フイルム1aの後面に接した駆
動ローラ38a とともにフイルム1aを挟持することによっ
てフイルム1aを保持し(図3)、真空ポンプは停止制御
される。そして密閉空間S内に空気が流入してフイルム
1aとスクリーン41a および42a との密着が解除され、さ
らにベアリング13が前述の撮影準備と逆の動作をなして
ブラケット41b の後端縁を前方に押圧して前側支持体41
を前方に移動させ、さらにリンク15がC6回りに時計回
りに回転し、支持体42を後方に移動させ、両支持体41,
42は開放状態に戻される(図2)。
【0056】次いで、駆動ローラ38a が搬入時とは反対
の方向に回転し、フイルム1aは両支持体41,42の間から
搬出される。搬出されたフイルム1aは搬送ローラ37に受
け渡される。搬送ローラ37は搬入時とは逆方向に回転し
フイルム1aを搬出方向に搬送する。搬出されたフイルム
1aは、ローラ35,36の間で一旦停止され、ここで撮影対
象である被写体に関するID番号等のID情報が、ID
記録装置50により記録される。このID情報が記録され
るべきフイルム1aの部分は、X線300 が曝射されないよ
うに撮影部において遮蔽しておけばよい。
【0057】ID情報が記録されたフイルム1aは、ロー
ラ35によりレシーブマガジン23に収容され、一連の撮影
動作が終了する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線画像撮影装置の一実施形態を示す
概略図
【図2】図1に示したX線画像撮影装置の撮影部におけ
る両支持体および保持搬出入手段の作用を説明するため
の詳細図(その1;搬出入位置、開放状態)
【図3】図1に示したX線画像撮影装置の撮影部におけ
る両支持体および保持搬出入手段の作用を説明するため
の詳細図(その2;搬出入位置、閉鎖状態、保持状態)
【図4】図1に示したX線画像撮影装置の撮影部におけ
る両支持体および保持搬出入手段の作用を説明するため
の詳細図(その3;搬出入位置、閉鎖状態、非保持状
態)
【図5】図1に示したX線画像撮影装置の撮影部におけ
る両支持体および保持搬出入手段の作用を説明するため
の詳細図(その4;搬出入位置、閉鎖状態、非保持状
態、検出位置)
【図6】図1に示したX線画像撮影装置の撮影部におけ
る両支持体および保持搬出入手段の作用を説明するため
の詳細図(その5;撮影位置)
【図7】図1に示したX線画像撮影装置の撮影部の要部
背面図
【図8】フイルム位置検出手段の詳細を示す図
【符号の説明】
1a,1b X線フイルム 10 本体 40 撮影部 41 前側支持体 41a ,42a スクリーン 42 後側支持体 42c パッキン 50 ID記録装置 60 真空圧制御系 70 圧力検出器 80 フイルム位置検出手段 S 密閉空間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する一対の増感スクリーンと該増
    感スクリーンの周縁に付設された密閉部材とによって囲
    まれる密閉空間の中にX線フイルムを配し、前記密閉空
    間の内部の空気を真空ポンプを用いて排気することによ
    り、予め設定された所定の時間内に前記増感スクリーン
    を前記X線フイルムに密着させ、該増感スクリーンに密
    着せしめられたX線フイルムに被写体のX線画像を記録
    するX線画像撮影装置において、 前記密閉空間が、前記X線フイルムの一部が該密閉空間
    から露出するように形成され、 前記X線フイルムの前記密閉空間から露出した部分を検
    出して、前記増感スクリーンに密着した後における該X
    線フイルムの位置を検出する位置検出手段をさらに備え
    たことを特徴とするX線画像撮影装置。
JP33934196A 1996-12-19 1996-12-19 X線画像撮影装置 Withdrawn JPH10177223A (ja)

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