JPH10176132A - 水性インキ用バインダー - Google Patents

水性インキ用バインダー

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JPH10176132A
JPH10176132A JP33935196A JP33935196A JPH10176132A JP H10176132 A JPH10176132 A JP H10176132A JP 33935196 A JP33935196 A JP 33935196A JP 33935196 A JP33935196 A JP 33935196A JP H10176132 A JPH10176132 A JP H10176132A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】エマルジョン(水分散型樹脂)のみからなり、
しかも良好な印刷適性を有する水性インキ用バインダー
の提供。 【解決手段】このバインダーは、(イ)塩化ビニル、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類及びモノアルケ
ニルベンゼン類から選択される単量体、(ロ)官能基を
有するエチレン性不飽和単量体から選択される単量体、
(ハ)上記(イ)及び(ロ)以外のエチレン性不飽和単
量体のそれぞれ特定量からなる単量体混合物を乳化重合
させて得られ、その乳化重合体のガラス転移温度が30〜
130℃であって、平均粒子径が 200〜1,000nm 、粒子径
分布を示す多分散指標(P.I.)の値が0.01〜0.35である
エマルジョンからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷適性に優れた
水性インキ用バインダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に印刷は、印刷インキのもつ印刷適
性と印刷効果によってその良否が決まる。印刷適性と
は、印刷機上のインキが被印刷物に移されて印刷面を形
成するまでのインキの挙動と関連する性質で、主な特性
としては、インキの流動性、界面適性、乾燥性等があ
り、一方の印刷効果とは、印刷面を形成したインキが示
す印刷の出来栄えであり、その特性には色調、光沢、耐
水性、耐ブロッキング性等がある。インキの基本的組成
は、色料(染料、顔料)、ビヒクル、補助剤(流動性調
整剤、乾燥性調整剤等)で構成され、この中でビヒクル
が印刷適性や印刷効果に大きな影響を与える。ビヒクル
の基本組成は、バインダー(樹脂)、ワックス、溶剤等
であり、従ってバインダーの選択によりビヒクルの性質
は大きく変化し、これによって印刷適性や印刷効果の良
否が大きく左右されることになる。
【0003】バインダーとしては、溶剤型バインダーと
水性バインダーに大別されるが、最近は、大気汚染、火
災の危険性、作業衛生面等の配慮から有機溶剤を使用し
ない水性バインダーが使用されることが多くなってきて
いる。水性バインダーとしては、スチレン/アクリル系
に代表されるアルカリ可溶性樹脂、PVAに代表される
水溶性樹脂およびアクリル系エマルジョンに代表される
水分散型樹脂とに大別され、古くから段ボール、紙袋等
の紙を対象とする印刷インキのバインダーとして使用さ
れているが、上述のように、最近は大気汚染等の問題か
ら、プラスチックフィルムを対象とする印刷インキにも
使用されることが増えてきている。
【0004】一般に、水分散型樹脂をバインダーとした
水性インキを用いて印刷する場合、印刷機上で室温でイ
ンキを被印刷面へ塗布し、その後、水分散型樹脂のガラ
ス転移温度以上に乾燥して仕上げられる。このようにガ
ラス転移温度以上に加温されると樹脂粒子同士が全体に
融着を起こし、均一に皮膜化されて耐水性が発現しかつ
向上する。印刷適性のうち印刷機上での乾燥性に注目し
てみると、印刷インキは印刷機上ではできるだけ長時間
乾燥せずに流動性を保持することが必要であり、溶剤型
樹脂、アルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂は一旦乾燥皮膜
化しても、溶剤、アルカリ水溶液や水に溶けて元の流動
性を保つため問題はないが、水分散型樹脂は乾燥し樹脂
粒子同士の表面の融着が起こると、水では元に戻らない
ため印刷ができないという問題があった。一方、アルカ
リ可溶性樹脂は耐アルカリ性が悪いという問題、水溶性
樹脂は耐水性が悪いという問題があるため、従来のバイ
ンダーはアルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂と水分散型樹
脂とを併用して調製されている。従って、この場合印刷
適性を良くしようとすると耐アルカリ性や耐水性が劣
り、耐アルカリ性や耐水性を良くしようとすると印刷適
性が不十分となるのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のような状況か
ら、本発明は、アルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂を使用
しないで水分散型樹脂のみからなり、かつ良好な印刷適
性を有する水性インキ用バインダーを提供しようとして
なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、特定範囲の単量体から
なる単量体混合物を乳化重合させた特定範囲のガラス転
移温度と粒子径を示す共重合体のエマルジョンにより課
題解決の可能性があることを見いだし、さらに単量体の
種類、量について試験を行い本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明の水性インキ用バインダ
ーは前記の課題を解決したものであり、これは、 (イ)塩化ビニル、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキル エステル類及びモノアルケニルベンゼン類から選択される単量体 60〜99重量% (ロ)官能基を有するエチレン性不飽和単量体から選択される単量体 1〜20重量% (ハ)上記(イ)及び(ロ)以外のエチレン性不飽和単量体 残部 からなる単量体混合物[(イ)〜(ハ)の合計 100重量
%]を乳化重合させて得られ、その乳化重合体のガラス
転移温度が30〜 130℃であって、平均粒子径が 200〜1,
000nm 、粒子径分布を示す多分散指標(P.I.)の値が0.
01〜0.35であるエマルジョンからなることを特徴とする
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。本発明の水性インキ用バインダーに用いられるエ
マルジョンは前記のとおり(イ)〜(ハ)成分の単量体
を原料として使用する。(イ)成分の単量体としては、
塩化ビニル、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルすなわち炭素数1〜18のアル
キル基を有するアルコールとのアクリル酸エステルや炭
素数1〜18のアルキル基を有するアルコールとのメタク
リル酸エステル、及びモノアルケニルベンゼン類から選
択されたものが使用される。
【0009】(メタ)アクリル酸アルキルエステルにお
ける炭素数1〜18のアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、カプリル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、
ミリスチル基、セチル基、ステアリル基等が挙げられ、
モノアルケニルベンゼン類としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0010】塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル及びスチレン等は単独でまたは2種以上
混合して使用され、(イ)成分としての使用量は、イン
キ塗膜の適度の造膜性、塗膜強度、耐久性等の性能を得
るため単量体全量のうち通常は60〜99重量%とするが、
好ましくは80〜99重量%である。
【0011】(ロ)成分の官能基を有するエチレン性不
飽和単量体としては、1分子中にエチレン性不飽和基の
他にカルボキシル基またはその酸無水物基、ヒドロキシ
ル基、アミド基、アミノ基、アルコキシル基、グリシジ
ル基などの官能基を有するもの、あるいは1分子中にエ
チレン性不飽和基を2個以上有するものが挙げられる。
【0012】このような単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基又は
その酸無水物基含有単量体、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート等のヒドロキシル基含有単量体、(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン
(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有単量体、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有単量
体、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエ
チル(メタ)アクリレート等のアルコキシル基含有単量
体、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリ
ルエーテル等のグリシジル基含有単量体、ジビニルベン
ゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等の1分子中にエチレン性不飽和
基を2個以上有する単量体などが例示される。
【0013】官能基を有するエチレン性不飽和単量体
は、これらの中から1種のみまたは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。この単量体の使用量は、塗膜
の耐水性、耐溶剤性等を向上させるためには単量体全量
のうち1〜20重量%とするが、好ましくは2〜16重量%
である。1重量%未満の場合には塗膜の耐水性、耐溶剤
性が劣り、20重量%を超える場合には重合中に凝塊物が
多く発生するようになるし、さらなる性能の向上も得ら
れない。
【0014】(ハ)成分は(イ)及び(ロ)成分以外の
エチレン性不飽和単量体であり、上記(イ)、(ロ)成
分だけでは発現できない物性、塗膜特性を付与するため
に、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルなどを使用することができるが、これらは、本発明の
目的を損なわないために単量体全量のうち20重量%以下
の使用量とする。
【0015】本発明において、エマルジョンを製造する
には上記各単量体を用いる公知の乳化重合法によること
ができる。すなわち、上記単量体を混合し、これに乳化
剤、重合開始剤等を加えて水系で乳化重合を行えばよ
く、一括して仕込重合する方法、各成分を連続供給しな
がら重合する方法の各種の方法が適用できる。乳化重合
用の乳化剤としては、アルキル又はアルキルアリル硫酸
塩、アルキル又はアルキルアリルスルホン酸塩、ジアル
キルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤、アルキル
トリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジル
アンモニウムクロライド等のカチオン性乳化剤、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン
酸エステル等のノニオン性乳化剤、及び分子中にビニル
基を持つ各イオン性の反応性乳化剤などが例示される。
【0016】乳化剤によって平均粒子径、粒子径分布は
大きく左右される。PVA、CMC、HEC、ポリアク
リル酸ソーダ等の水溶性高分子のみを使用したり、上記
乳化剤と併用したりすることは、粒子径分布が広くなり
好ましくない。乳化剤の使用量は平均粒子径、粒子径分
布の他に、エマルジョンの機械的、化学的安定性、乾燥
皮膜の耐水性などを考慮し、単量体の合計量 100重量部
に対して1〜10重量部の範囲から決められる。
【0017】本発明で使用する、エマルジョンを製造す
るためのラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素水、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスアミジノ
プロパンの塩酸塩等の水溶性タイプ、ベンゾイルパーオ
キサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジブチル
パーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパー
オキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリル等の
油溶性タイプなどが例示される。さらに必要に応じ、
N,N−ジメチルアニリン、酸性亜硫酸ナトリウム、ロ
ンガリット、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用した
レドックス系も使用することができる。重合開始剤の使
用量は単量体の合計量 100重量部に対して通常は0.01〜
5重量部とすればよいが、より好ましくは0.05〜2重量
部である。
【0018】乳化重合時の単量体/水の重量比は通常
0.2〜 2.5、重合温度は通常10〜90℃、重合時間は通常
3〜40時間程度とするとよい。なお、重合の開始時ある
いは終了後に塩基性物質を加えてpHを調整することによ
り、エマルジョンの重合安定性、凍結安定性、機械的安
定性、化学的安定性等を向上させることができる。この
場合、得られるエマルジョンのpHが6〜11となるように
調整することが好ましく、塩基性物質としては、アンモ
ニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等を使用す
ることができる。
【0019】本発明においては、乳化共重合体のガラス
転移温度および平均粒子径、粒子径分布を特定範囲にコ
ントロールするが、これにより、エマルジョン中の共重
合体粒子同士の接触を限りなく小さくさせて、このエマ
ルジョンをインキに用いることにより印刷機上で被印刷
物への印刷時に粒子の融着を起こさせないようにし、乾
燥後の水への再分散性が良くなるようにしてある。乳化
共重合体のガラス転移温度は30〜 130℃であることが必
要であり、30℃未満の場合はエマルジョン粒子の一部ま
たは全部が融着を起こし易く、印刷機上でインキが乾燥
した後の水への再分散性が悪くなり、 130℃を超えると
造膜が不十分になりやすい。好ましくは35〜95℃であ
る。なお、本明細書中に記載されたガラス転移温度は次
の式により求めた。 1/Tg=Σ(Wi/Tgi) Tg :共重合体のガラス転移温度(絶対温度表示) Tgi:単量体成分(i)の単独重合体のガラス転移温
度(絶対温度表示) Wi :共重合体中の成分(i)の重量分率
【0020】さらに、本発明で使用される乳化共重合体
の平均粒子径は 200〜1,000nm 、好ましくは 250〜700n
m の範囲である。共重合体の平均粒子径が 200nm未満の
場合はエマルジョン粒子の接触面積が大きくなるため、
粒子の一部または全部の表面で融着を起こし易く、印刷
機上でインキが乾燥した後の水への再分散性が悪くな
り、1,000nm よりも大きくなるとインキの光沢が低下し
て好ましくない。この平均粒子径は SUB-MICRON PARTIC
LE ANALYZER (COULTER社製、MODEL N4SD)で測定したも
のであるが、優れた印刷適性を確実なものにするには平
均粒子径の範囲に加え、粒子径分布を示す多分散指標
(P.I.)の値の範囲が0.01〜0.35、好ましくは0.01〜0.
25とされる。P.I.値が0.01未満の場合は単一分散系とな
るので重合で得られるエマルジョンではあり得ないし、
0.35を超えると粒子径分布が広くなり、エマルジョン粒
子の接触面積が大きくなるため、粒子の一部または全部
の表面で融着を起こし易く、印刷機上でインキが乾燥し
た後の水への再分散性が悪くなる。P.I.の求め方は後記
のとおりである。
【0021】なお、上述のエマルジョンをバインダーに
用いて水性印刷インキを製造する場合は、顔料、染料等
の種々の着色剤を上述のエマルジョン中に分散又は溶解
すればよく、従来公知の製造機で行なうことができる。
【0022】
【実施例】本発明を実施例及び比較例に基づき具体的に
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部と重量%
を示す。また、実施例1〜9、比較例1〜5における各
特性の測定は下記のようにして行なった。
【0023】a.平均粒子径及び粒子径分布 SUB-MICRON PARTICLE ANALYZER (COULTER社製、MODEL N
4SD)で平均粒子径を測定し、粒子径分布については測
定結果から得た多分散指標(P.I.)で表示した。この測
定器の原理は、測定すべきエマルジョン中のブラウン運
動を行っている粒子にレーザー光を照射し、その散乱光
の強度変化を測定し、これから拡散係数を算出して粒子
径および粒子径分布を求めるもので、次の手順で行う。 1.平均粒子径は、拡散係数(D)が次の Stokes-Eins
tein方程式によって粒子径の逆数に比例することから算
出する。 D=KB T/3πηd D:拡散係数 KB : Boltzmann定数(1.38×10-16erg/K) T:温度(K) η:粘度(P) d:粒子径(cm)
【0024】2.散乱光の強度信号から拡散係数を求め
るため、この信号を数学的に変換した結果の自己相関関
数(ACF)を基に多分散指標(P.I.)を算出する。 G(τ)=<I(t)×I(t+τ)> G(τ) :ACF I(t) :時間tに検出された散乱光の強度 I(t+τ):時間(t+τ)に検出された散乱光の強
度 τ :遅延時間 < > :時間平均 次に基準の時間チャンネルから80個のτのチャンネルの
ACFの基線を引き、さらに基線を差し引いたACFの
個々のチャンネルの対数を計算し、結果として得られる
関数を2次の項までの時間のべき級数に展開する。 In(G(τ)−baseline)=a+bτ+1/
2cτ2 ACF関数Gの1次と2次の項の係数b、cを求め次式
よりP.I.を計算する。 多分散指標(P.I.)=2c/b2 多分散指標は粒子径分布幅を示す数値であり、P.I.値が
小さいと粒子径分布が狭く、P.I.値が大きいと粒子径分
布が広い。
【0025】b.印刷適性 エマルジョンに市販顔料 DISPERSE BLUE SD-6038(大日
本インキ社製、商品名)を1%添加したものを試料とし
た。卓上印刷機(GRAVO-PROOF CM、日商グラビア社製)
に試料をセットし、印刷ロールを1回転させ紙に印刷し
た。次に、このままの状態で10分間放置し、再度印刷ロ
ールを回転させ、1,3,5,7,10分後に紙への印刷
を行い、下記の基準に従って判定した。 ○:1〜5分後に、もとどおり印刷できた。 △:7〜10分後に、もとどおり印刷できた。 ×:10分経っても、もとどおり印刷できなかった。
【0026】c.光沢 エマルジョンをガラス板に wet7g/m2の量となるように
塗布し、 130℃で2分間乾燥して試験片とした。得られ
た試験片についてグロスメーターGM−3D(村上色彩
技術研究所製)を用いて60度反射角の光沢度(%)を測
定し、下記の基準に従って判定した。 ◎:60度反射角の光沢度(%)が80〜 100% ○:60度反射角の光沢度(%)が50〜80% △:60度反射角の光沢度(%)が20〜50% ×:60度反射角の光沢度(%)が0〜20%
【0027】実施例1 攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備
えた重合器内に、窒素置換後、脱イオン水 840部、エマ
ールO(ラウリル硫酸ソーダ、花王社製、商品名)10
部、ノニポール160(ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、三洋化成社製、商品名)30部を仕込み、
窒素ガス雰囲気下に攪拌しながら80℃に昇温させた。次
に、あらかじめ過硫酸アンモニウム4部を脱イオン水 2
00部に溶解した水溶液及びメチルメタクリレート 900
部、エチルアクリレート60部、メタクリル酸30部、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート10部の混合液をそれぞ
れ上記重合器中へ5時間を要して均一に追加し、さらに
80℃で2時間反応を行い30℃まで冷却して重合を終了
し、その後25%アンモニア水でpHを7〜8に調整した。
得られたエマルジョンの固形分濃度は50.1%、粘度 300
cP、pH 7.2であり、共重合体のガラス転移温度は94℃で
あった。得られたエマルジョンについて、平均粒子径及
び粒子径分布(P.I.)、印刷適性、光沢を測定したとこ
ろ、結果は表3に示すとおりであった。
【0028】実施例2 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた耐圧重合器
内に、窒素置換後、脱イオン水 900部、メチルメタクリ
レート 550部、ブチルアクリレート60部、アクリル酸20
部、メタクリル酸20部、ペーストH(ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ、第一工業製薬社製、商品名)20部を
仕込み、さらに重合器内を減圧にして塩化ビニル 350部
を仕込み、窒素ガス雰囲気下に攪拌しながら60℃に昇温
させた。次に、過硫酸アンモニウム1部を脱イオン水 1
00部に溶解した水溶液を圧入して反応を開始させ、器内
温を60℃に保持しながら20時間反応を行い、30℃まで冷
却して重合を終了し、その後25%アンモニア水でpHを7
〜8に調整した。得られたエマルジョンの固形分濃度は
50.2%、粘度 450cP、pH7.6 であり、共重合体のガラス
転移温度は81℃であった。得られたエマルジョンについ
て、平均粒子径及び粒子径分布(P.I.)、印刷適性、光
沢を測定したところ、結果は表3に示すとおりであっ
た。
【0029】実施例3〜5 実施例2と同様にして表1に示される単量体、乳化剤の
種類、量で共重合を行いエマルジョンを製造した。得ら
れたエマルジョンの特性についても同様にして評価し結
果を表1、表3に示した。
【0030】実施例6〜9、比較例1〜5 実施例1と同様にして表1あるいは表2に示される単量
体、乳化剤の種類、量で共重合を行いエマルジョンを製
造した。得られたエマルジョンの特性についても同様に
して評価し結果を表1、表2、表3に示した。 比較例6 実施例1と同様にして表2に示される単量体、乳化剤の
種類、量で共重合を行いエマルジョンを製造しようとし
たが、重合中にゲル化しエマルジョンが得られなかっ
た。
【0031】
【表1】 単量体のTgは℃表示、表2も同じ。 ノニポール400:ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、他の乳化剤は前出、( )は製造業者名。
【0032】
【表2】 SP-550:ヒドロキシエチルセルロース、アロンA-30:ポ
リアクリル酸ソーダ、( )は製造業者名。乳化剤は前
出。
【0033】
【表3】
【0034】実施例10、比較例7、8 実施例10として前記実施例3で得られたエマルジョ
ン、比較例7として水溶性樹脂ゴーセノールGH−17
(PVA、日本合成化学社製、商品名)、比較例8とし
てアルカリ可溶性樹脂クラプレンLIR−845(カル
ボキシル化ポリイソブチレン、クラレ社製、商品名)を
用い、それぞれについてエマルジョンまたは溶液をガラ
ス板上に膜厚が 0.2mmになるように塗布し、 130℃で30
分間乾燥してフィルムを作製した。このフィルムの耐水
性、耐アルカリ性を下記のようにして測定し、結果を表
4に示した。
【0035】d.耐水性 作製したフィルムを20℃の水に24時間浸漬し、その後の
フィルム状態を観察し、下記の基準に従って評価した。 ○:フィルムが溶解しなかった。 △:フィルムが一部溶解した。 ×:フィルムがほとんど溶解した。 e.耐アルカリ性 作製したフィルムを20℃の5%苛性ソーダ水溶液に24時
間浸漬し、その後のフィルム状態を観察し、下記の基準
に従って評価した。 ○:フィルムが溶解しなかった。 △:フィルムが一部溶解した。 ×:フィルムがほとんど溶解した。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明の水性インキ用バインダーはアク
リル系、塩化ビニル系あるいはモノアルケニルベンゼン
系エマルジョン(水分散型樹脂)からなるにもかかわら
ず、これを使用した印刷インキは印刷機上で溶剤型、ア
ルカリ可溶型および水溶性バインダーと同様に一旦乾燥
しても再溶解性を有するため印刷適性が良好であり、か
つ従来品に比べ耐アルカリ性や耐水性に優れるため、実
用的に極めて有利である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)塩化ビニル、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキル エステル類及びモノアルケニルベンゼン類から選択される単量体 60〜99重量% (ロ)官能基を有するエチレン性不飽和単量体から選択される単量体 1〜20重量% (ハ)上記(イ)及び(ロ)以外のエチレン性不飽和単量体 残部 からなる単量体混合物[(イ)〜(ハ)の合計 100重量
    %]を乳化重合させて得られ、その乳化重合体のガラス
    転移温度が30〜 130℃であって、平均粒子径が 200〜1,
    000nm 、粒子径分布を示す多分散指標(P.I.)の値が0.
    01〜0.35であるエマルジョンからなることを特徴とする
    水性インキ用バインダー。
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