JPH10175971A - 環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)の配座異性体及びそれらの製造方法 - Google Patents
環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)の配座異性体及びそれらの製造方法Info
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- JPH10175971A JPH10175971A JP35261996A JP35261996A JPH10175971A JP H10175971 A JPH10175971 A JP H10175971A JP 35261996 A JP35261996 A JP 35261996A JP 35261996 A JP35261996 A JP 35261996A JP H10175971 A JPH10175971 A JP H10175971A
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Abstract
結させ、環状結合を形成している化合物の全く新規なコ
ーン型、パーシャルコーン型、1,3−オルタネート型
及び1,2−オルタネート型環状フェノール硫化物テト
ラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)の各配座
異性体及びそれらの配座異性体を選択的に、かつ容易に
製造できる製造方法を提供する。 【解決手段】 4つのフェノール骨格を硫黄原子によっ
て連結させ、環状結合を形成している環状フェノール硫
化物とハロゲン化酢酸エチルをNa2CO3、K2CO3、
Cs2CO3などの金属試薬の存在下で反応させる。
Description
抽出に用いることのできるコーン型、パーシャルコーン
型、1,3−オルタネート型及び1,2−オルタネート
型環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニ
ルメチルエーテル)及びそれぞれの選択的製造方法に関
する。
格を4以上含む環状フェノール硫化物群を見い出し(特
願平8−70902)、さらに、これらの環状フェノー
ル硫化物群が金属捕捉剤、イオンセンサー、基質特異性
センサー、分離膜材料、触媒、あるいはその他イオンや
分子認識を利用した機能性分子の中間体などとして有用
であることを見い出した。ところで、フェノール環をメ
チレン基で結合したカリックスアレーン類に関しても、
フェノール骨格を4個含むカリックス[4]アレーンの
場合は4種類の立体配座をとることが知られており、4
個のフェノール環がすべて同一方向を向いているものは
コーン型(cone)、1個のフェノール環のみが他の
3個と逆方向を向いているものはパーシャルコーン型
(partial cone)、隣り合った2個のフェ
ノール環が逆方向を向いているものは1,3−オルタネ
ート型(1,3−alternate)、及び隣り合っ
た同じ向きの2個のフェノール環の1組と逆方向の2個
のフェノール環の1組からなるものは1,2−オルタネ
ート型(1,2−alternate)とそれぞれ呼ば
れている。従って、基本骨格にフェノール骨格を4個含
む環状フェノール硫化物の場合、フェノール環の回転に
より、4種類の立体配座をとることが予測できる。
種類の立体配座をとる配座異性体は、確認されていな
い。したがって、本発明が解決しようとする課題は、特
定の金属などのレセプターとなりうる一般式(1)、
(2)、(3)及び(4)でそれぞれ表されるコーン
型、パーシャルコーン型、1,3−オルタネート型及び
1,2−オルタネート型環状フェノール硫化物テトラキ
ス(エトキシカルボニルメチルエーテル)の配座異性体
を提供すること、及びそれらの配座異性体を選択的にし
かも容易に製造できる方法を提供することにある。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、一般式(5)で表
される環状フェノール硫化物とハロゲン化酢酸エチルと
の反応により環状フェノール硫化物のエーテルを製造す
る方法において、金属試薬の種類を変えることにより、
コーン型、パーシャルコーン型、1,3−オルタネート
型及び1,2−オルタネート型環状フェノール硫化物テ
トラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)のそれ
ぞれの選択的製造方法を見い出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、一般式(1)、(2)、
(3)及び(4)でそれぞれ表されるコーン型、パーシ
ャルコーン型、1,3−オルタネート型及び1,2−オ
ルタネート型環状フェノール硫化物テトラキス(エトキ
シカルボニルメチルエーテル)の各配座異性体を提供す
るものである。
原子、炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基であり、複
数のYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよ
い。)また、本発明は、一般式(5)
化水素基又はハロゲン化炭化水素基であり、複数のYは
それぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。)で
表される環状フェノール硫化物とハロゲン化酢酸エチル
をNa2CO3の存在下で反応させて一般式(1)で表さ
れるコーン型環状フェノール硫化物テトラキス(エトキ
シカルボニルメチルエーテル)を製造することを特徴と
するコーン型環状フェノール硫化物テトラキス(エトキ
シカルボニルメチルエーテル)の製造方法を提供するも
のである。
環状フェノール硫化物とハロゲン化酢酸エチルをK2C
O3の存在下で反応させて一般式(2)で表されるパー
シャルコーン型環状フェノール硫化物テトラキス(エト
キシカルボニルメチルエーテル)を製造することを特徴
とするパーシャルコーン型環状フェノール硫化物テトラ
キス(エトキシカルボニルメチルエーテル)の製造方法
を提供するものである。さらに、本発明は、一般式
(5)で表される環状フェノール硫化物とハロゲン化酢
酸エチルをCs2CO3の存在下で反応させて一般式
(3)で表される1,3−オルタネート型環状フェノー
ル硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメチルエーテ
ル)を製造することを特徴とする1,3−オルタネート
型環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニ
ルメチルエーテル)の製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメチ
ルエーテル)は、4個のフェノール環がすべて同一方向
を向いているコーン型の配座異性体である。一般式
(2)で表されるパーシャルコーン型環状フェノール硫
化物テトラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)
は、1個のフェノール環のみが他の3個とは逆方向を向
いているパーシャルコーン型の配座異性体である。一般
式(3)で表される1,3−オルタネート型環状フェノ
ール硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメチルエー
テル)は、隣り合った2個のフェノール環が逆方向を向
いている1,3−オルタネート型の配座異性体であり、
及び一般式(4)で表される1,2−オルタネート型環
状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメ
チルエーテル)は、隣り合った同じ向きの2個のフェノ
ール環の1組と逆方向の2個のフェノール環の1組から
なるものは1,2−オルタネート型の配座異性体であ
る。
及び(4)において、Yは水素原子、炭化水素基又はハ
ロゲン化炭化水素基である。炭化水素基の炭素数は、1
以上であれば特に制限されないが、好ましくは1〜3
0、より好ましくは1〜18である。これらの炭化水素
基としては、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和炭化水素
基、脂環式炭化水素基、脂環式−脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基、芳香族−脂肪族炭化水素基等が挙げら
れる。飽和脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペン
チル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、t
ert−オクチル、n−ノニル、イソノニル、n−ドデ
シル、及びエチレンやプロピレン、ブチレンの重合物あ
るいはそれらの共重合物からなる基などが挙げられる。
不飽和脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、例え
ばビニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、及
びアセチレンやブタジエン、イソプレンの重合物あるい
はそれらの共重合物からなる基などが挙げられる。
は、例えばシクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、エ
チルシクロヘキシルなどが挙げられる。脂環式−脂肪族
炭化水素基の適当な具体例としては、例えばシクロヘキ
シルメチル、シクロヘキシルエチルなどが挙げられる。
芳香族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばフェ
ニル、ナフチルなどのアリール基、メチルフェニル、ジ
メチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニ
ル、ブチルフェニルなどのアルキルアリール基などが挙
げられる。芳香族−脂肪族炭化水素基の適当な具体例と
しては、例えばベンジル、フェニルエチル、フェニルプ
ロピル、フェニルブチル、メチルフェニルエチルなどが
挙げられる。また、ハロゲン化炭化水素基は、前記の炭
化水素基にハロゲン原子が置換したものが挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子
のいずれでもよい。一般式(1)〜(4)において、Y
は1分子中に4個存在するが、それらのYはそれぞれ同
一であってもよいし、異なってもよい。
(3)及び(4)でそれぞれ表されるコーン型、パーシ
ャルコーン型、1,3−オルタネート型及び1,2−オ
ルタネート型環状フェノール硫化物テトラキス(エトキ
シカルボニルメチルエーテル)の配座異性体の製造方法
について説明する。本発明の製造方法において使用する
原料は、上記一般式(5)の環状フェノール硫化物であ
る。一般式(5)中のYは水素原子、炭化水素基又はハ
ロゲン化炭化水素基であり、上記一般式(1)〜(4)
におけるYと同様である。一般式(5)において、Yは
1分子中に4個存在するが、それらのYはそれぞれ同一
であってもよいし、異なってもよい。一般式(5)の環
状フェノール硫化物の製造例は、特願平8−70902
号明細書に記載されている。適当な製造例としては、先
ず一般式(6)
れる4位に炭化水素基を有するアルキルフェノール類
と、適当量の単体硫黄を、適当量のアルカリ金属試薬及
びアルカリ土類金属試薬から選ばれる少なくとも1種の
金属試薬の存在下反応させる方法である。アルキルフェ
ノール類と単体硫黄の原料仕込比は、アルキルフェノー
ル類1グラム当量に対し、単体硫黄が0.1グラム当量
以上であり、好ましくは0.35グラム当量以上であ
る。単体硫黄の原料仕込比の上限は特に限定されない
が、アルキルフェノール類1グラム当量に対し、20グ
ラム当量以下が好ましく、特に10グラム当量以下が好
ましい。
リ金属単体、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金
属、炭酸アルカリ金属、アルカリ金属アルコキシド、ハ
ロゲン化アルカリ金属などが挙げられる。また、アルカ
リ土類金属試薬としては、例えばアルカリ土類金属単
体、水素化アルカリ土類金属、水酸化アルカリ土類金
属、酸化アルカリ土類金属、炭酸アルカリ土類金属、ア
ルカリ土類金属アルコキシド、ハロゲン化アルカリ土類
金属などが挙げられる。アルカリ金属試薬またはアルカ
リ土類金属試薬の使用量は、アルキルフェノール類1グ
ラム当量に対し、0.005グラム当量以上であり、好
ましくは0.01グラム当量以上である。アルカリ金属
試薬またはアルカリ土類金属試薬の使用量の上限は特に
制限はないが、好ましくは10グラム当量以下であり、
特に好ましくは5グラム当量以下である。
能基に置換することにより、一般式(5)で表される環
状フェノール硫化物を製造することができる。Rの脱ア
ルキル化方法例は、特願平8−252240に記載され
ているように、超強酸や塩化アルミニウムなどの酸触媒
の存在下行う方法が挙げられる。
される環状フェノール硫化物を、炭酸アルカリ金属試薬
の存在下、ハロゲン化酢酸エチルと反応させることによ
り、一般式(1)で表されるコーン型の、一般式(2)
で表されるパーシャルコーン型の、一般式(3)で表さ
れる1,3−オルタネート型の、及び一般式(4)で表
される1,2−オルタネート型の環状フェノール硫化物
テトラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)をそ
れぞれ製造することができる。この反応に用いるハロゲ
ン化酢酸エチルとしては、ヨード酢酸エチル、クロロ酢
酸エチル、ブロモ酢酸エチル、フルオロ酢酸エチルが挙
げられるが、ヨード酢酸エチル、クロロ酢酸エチル、ブ
ロモ酢酸エチルが好ましい。ハロゲン化酢酸エチルの使
用量は、一般式(5)で表される環状フェノール硫化物
1分子中の水酸基に対し、1.0グラム当量以上であれ
ばよい。使用量の上限は特にないが、5.0グラム当量
以下でよく、さらには4.0グラム当量以下でもよい。
(1)で表されるコーン型の環状フェノール硫化物テト
ラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)を選択的
に製造する場合は、Na2CO3が挙げられ、一般式
(2)で表されるパーシャルコーン型の環状フェノール
硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメチルエーテ
ル)を選択的に製造する場合は、K2CO3が挙げられ、
また、一般式(3)で表される1,3−オルタネート型
の環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニ
ルメチルエーテル)を選択的に製造する場合は、Cs2
CO3が挙げられる。金属試薬の使用量には特に制限は
ないが、一般式(5)で表される環状フェノール硫化物
1分子中の水酸基に対し、1.0グラム当量以上であれ
ばよい。使用量の上限は特にないが、5.0グラム当量
以下でよく、さらには4.0グラム当量以下でもよい。
うことが好ましいが、必ずしも不活性ガス雰囲気下で行
う必要はない。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、
アルゴンなどが挙げられる。本発明の反応には、必要に
応じて溶媒を用いることが好ましい。好適な溶媒として
は、DMF、DMSO、N−メチルピロリドン、テトラ
メチルウレア、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙
げられる。ただし、溶媒を使用する場合、溶媒により反
応の選択性が異なることがあるため、注意を要する。例
えば、DMFを使用した場合、炭酸アルカリ金属試薬と
してNa2CO3を用いると、一般式(2)で表されるパ
ーシャルコーン型のエーテルが生成する。溶媒の使用量
は、特に制限ないが、通常一般式(5)で表される環状
フェノール硫化物1g当たり5〜100mlにすればよ
いが、好ましくは10〜50mlである。本発明の反応
の反応温度は、室温以上100℃以下が好ましい。本発
明の反応の反応時間は、特に制限はないが、通常1時間
から1週間にすればよい。なお、反応生成物が一般式
(1)〜(4)で表される環状フェノール硫化物テトラ
キス(エトキシカルボニルメチルエーテル)の配座異性
体混合物である場合には、通常の分離手段によって、例
えばシリカゲルクロマトグラフィーなどを用いて分離す
ることができる。
説明する。ただし、本発明はこれらの例によって何ら限
定されるものではない。 製造例 4−tert−ブチルフェノール45.2gに、単体硫
黄14.4gおよび水酸化ナトリウム3.0gを加え、
窒素気流中、撹拌しながら、4時間かけて徐々に230
℃に加熱し、さらに2時間撹拌を続けた。この間、反応
で生成する水および硫化水素を除去した。反応中に留出
した水は約0.8gであり、反応により生成した硫化水
素は約6gであった。この反応混合物を室温まで冷却
し、エーテル500mlを加え溶解させた後、1規定の
硫酸水溶液で加水分解した。分液したエーテル層からエ
ーテルを留去して得られた反応混合物を、さらにシリカ
ゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)に
より分割し、粗生成物を得、これをクロロホルム/アセ
トンから再結晶させたところ、無色透明の結晶である
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,1
4,20−テトラチア[19.3.1.13,719,131
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(2
8),9,11,13(27),15,17,19(2
6),21,23−ドデカエン(I)4.32gが得ら
れた。この生成物は、一般式(5)において、Y=t−
ブチルである環状フェノール硫化物である。
5,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボニ
ルメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[1
9.3.1.13,719,13115,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエン
(コーン型)の合成 製造例で得られた環状フェノール硫化物(I)、すなわ
ち、5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル
−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,
8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,71
9,13115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン4.98gにアセト
ン70ml、Na2CO38.34g及びブロモ酢酸エチ
ル7.0mlを順次加え、窒素雰囲気下、30時間加熱
環流した。放冷後、Na2CO3をろ過し、アセトンを留
去し、さらに減圧乾燥によりブロモ酢酸エチルを留去し
た。この反応混合物から、シリカゲルクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル/n−ヘキサン)及び再結晶(エタノー
ル)を行うことにより、白色粉状結晶の5,11,1
7,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,2
7,28−テトラキス(エトキシカルボニルメトキシ)
−2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.1
3,719,13115,19]オクタコサ−1(25),3,5,
7(28),9,11,13(27),15,17,1
9(26),21,23−ドデカエン(コーン型)(I
I)5.68gを得た。収率は約77%であった。以下
に物性を示す。 融点:180.0〜180.6℃、1H−NMR:
(δ,ppm,CDCl3)7.29(s,8H,Ar
H),5.18(s,8H,OCH2CO),4.21
(q,J=7.2Hz,8H,COOCH2),1.2
8(t,J=7.2Hz,12H,CH3),1.09
(s,36H,C(CH3)3)、IR:(cm-1,KB
r)2965(CH伸縮),1757,1732(CO
伸縮)、MS(m/z):1064(M+)、元素分析
値 % 理論値 for C56H72S4O12:C,6
3.13;H,6.81;S,12.04、測定値:
C,63.18;H,6.62;S,12.22
5,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボニ
ルメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[1
9.3.1.13,719,13115,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエン
(パーシャルコーン型)の合成 製造例で得られた環状フェノール硫化物(I)、すなわ
ち、5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル
−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,
8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,71
9,13115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン0.07gにアセト
ン2ml、K2CO30.08g及びブロモ酢酸エチル
0.9mlを順次加え、窒素雰囲気下、6時間加熱環流
した。放冷後、K2CO3をろ過し、アセトンを留去し、
さらに減圧乾燥によりブロモ酢酸エチルを留去した。こ
の反応混合物から、シリカゲルクロマトグラフィー(酢
酸エチル/n−ヘキサン)及び再結晶(エタノール)を
行うことにより、白色粉状結晶の5,11,17,23
−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28
−テトラキス(エトキシカルボニルメトキシ)−2,
8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,71
9,13115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン(パーシャルコーン
型)(III)0.63gを得た。収率は約60%であ
った。以下に物性を示す。 融点:212.0〜212.8℃、1H−NMR:
(δ,ppm,CDCl3)7.86(s,2H,Ar
H),7.54(s,2H,ArH),7.52(d,
J=2.5Hz,2H,ArH),7.01(d,J=
2.5Hz,2H,ArH),4.78(d,J=1
5.2Hz,2H,OCH2CO),4.74(s,2
H,OCH2CO),4.71(d,J=15.2H
z,2H,OCH2CO),4.65(s,2H,OC
H2CO),4.14−4.29(m,6H,COOC
H2),3.98(q,J=7.2Hz,2H,COO
CH2),1.32(t,J=7.2Hz,3H,C
H3),1.27(t,J=7.2Hz,6H,C
H3),1.13(t,J=7.2Hz,3H,C
H3),1.43(s,9H,C(CH3)3),1.3
1(s,9H,C(CH3)3),1.05(s,18
H,C(CH3)3),IR:(cm-1,KBr)296
0(CH伸縮),1761,1735(CO伸縮)、元
素分析値 % 理論値 for C56H72S4O12:
C,63.13;H,6.81;S,12.04、測定
値:C,63.00;H,6.66;S,12.21
5,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボニ
ルメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[1
9.3.1.13,719,13115,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエン
(1,3−オルタネート型)の合成 製造例で得られた環状フェノール硫化物(I)、すなわ
ち、5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル
−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,
8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,71
9,13115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン1.00gにアセト
ン30ml、Cs2CO32.77g及びブロモ酢酸エチ
ル1.3mlを順次加え、窒素雰囲気下、4時間加熱環
流した。放冷後、Cs2CO3をろ過し、アセトンを留去
し、さらに減圧乾燥によりブロモ酢酸エチルを留去し
た。この反応混合物から、シリカゲルクロマトグラフィ
ー(ベンゼン/n−ヘキサン)及び再結晶(ベンゼン)
を行うことにより、白色粉状結晶の5,11,17,2
3−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,2
8−テトラキス(エトキシカルボニルメトキシ)−2,
8,14,20−テトラチア[19.3.1.13,71
9,13115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン(1,3−オルタネ
ート型)(IV)1.01gを得た。収率は約68%で
あった。以下に物性を示す。 融点:329.5〜331.0℃(分解)、1H−NM
R:(δ,ppm,CDCl3)7.51(s,8H,
ArH),4.60(s,8H,OCH2CO),4.
22(q,J=7.2Hz,8H,COOCH2),
1.28(t,J=7.2Hz,12H,CH3),
1.25(s,36H,C(CH3)3)、IR:(cm
-1,KBr)2960(CH伸縮),1764,173
6(CO伸縮)、元素分析値 % 理論値 for C
56H72S4O12:C,63.13;H,6.81;S,
12.04、測定値:C,63.12;H,6.72;
S,12.11
−tert−ブチル−25,26,27,28−テトラ
キス(エトキシカルボニルメトキシ)−2,8,14,
20−テトラチア[19.3.1.13,71
9,13115,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエンのコーン型(I
I)、パーシャルコーン型(III)及び1,3−オル
タネート型(IV)を用いて、これらを有機溶媒に溶解
させて、アルカリ金属イオンを含む水溶液と接触させる
ことにより、アルカリ金属イオンの抽出を行った。抽出
実験は、環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカ
ルボニルメチルエーテル)のコーン型(II)、パーシ
ャルコーン型(III)及び1,3−オルタネート型
(IV)のそれぞれを塩化メチレンに溶解させ2.5x
10-3Mとした溶液10mlと、アルカリ金属水酸化物
が0.1M及びピクリン酸が2.5x10-4Mである水
溶液10mlとを30分間振とうすることにより行い、
振とうした後の塩化メチレン溶液中のピクリン酸濃度を
377nmにおける吸光度を測定し、抽出率を求めた。
アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb及びCs
をそれぞれ用いた。その結果、環状フェノール硫化物テ
トラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)のコー
ン型(II)を用いた場合は、他のアルカリ金属に比較
してNaイオンに対する親和性が高く、この場合抽出率
は53%であった。これに対して、1,3−オルタネー
ト型(III)を用いた場合は、Rbイオンに対する優
れた抽出能が認められ、抽出率は85%であった。ま
た、パーシャルコーン型(IV)はKイオンとの親和性
が高く、この場合の抽出率は21%であった。
ス(エトキシカルボニルメチルエーテル)の配座異性体
は、4つのフェノール骨格を硫黄原子によって連結さ
せ、環状結合を形成している化合物の全く新規な配座異
性体であり、特定の金属捕捉剤などとして有用である。
また、本発明の環状フェノール硫化物テトラキス(エト
キシカルボニルメチルエーテル)の配座異性体の製造方
法によると、選択的に、かつ容易に環状フェノール硫化
物テトラキス(エトキシカルボニルメチルエーテル)の
配座異性体を製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】一般式(1)、(2)、(3)及び(4)
でそれぞれ表されるコーン型、パーシャルコーン型、
1,3−オルタネート型及び1,2−オルタネート型環
状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメ
チルエーテル)の各配座異性体。 【化1】 (上記一般式(1)〜(4)中、Yは水素原子、炭化水
素基又はハロゲン化炭化水素基であり、複数のYはそれ
ぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。) - 【請求項2】一般式(5) 【化2】 (上記一般式(5)中、Yは水素原子、炭化水素基又は
ハロゲン化炭化水素基であり、複数のYはそれぞれ同一
であってもよいし、異なってもよい。)で表される環状
フェノール硫化物とハロゲン化酢酸エチルをNa2CO3
の存在下で反応させて一般式(1)で表されるコーン型
環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニル
メチルエーテル)を製造することを特徴とするコーン型
環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニル
メチルエーテル)の製造方法。 - 【請求項3】一般式(5)で表される環状フェノール硫
化物とハロゲン化酢酸エチルをK2CO3の存在下で反応
させて一般式(2)で表されるパーシャルコーン型環状
フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニルメチ
ルエーテル)を製造することを特徴とするパーシャルコ
ーン型環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカル
ボニルメチルエーテル)の製造方法。 - 【請求項4】一般式(5)で表される環状フェノール硫
化物とハロゲン化酢酸エチルをCs2CO3の存在下で反
応させて一般式(3)で表される1,3−オルタネート
型環状フェノール硫化物テトラキス(エトキシカルボニ
ルメチルエーテル)を製造することを特徴とする1,3
−オルタネート型環状フェノール硫化物テトラキス(エ
トキシカルボニルメチルエーテル)の製造方法。
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