JPH10174596A - ε−ポリ−L−リジンの製造法 - Google Patents
ε−ポリ−L−リジンの製造法Info
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- JPH10174596A JPH10174596A JP35401596A JP35401596A JPH10174596A JP H10174596 A JPH10174596 A JP H10174596A JP 35401596 A JP35401596 A JP 35401596A JP 35401596 A JP35401596 A JP 35401596A JP H10174596 A JPH10174596 A JP H10174596A
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- lysine
- poly
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- εpl
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ε−ポリ−L−リジンの生産性を向上させる
製造法。 【解決手段】 ε−ポリ−L−リジンを発酵生産するス
トレプトマイセス属微生物を用いて、ε−ポリ−L−リ
ジンを発酵生産する際に、ε−ポリ−L−リジン生産期
における培養液中の残存炭素源濃度を50g/l以下の
低濃度に制限して培養するε−ポリ−L−リジンの製造
法。 【効果】 公知方法と比較して対炭素源収率が1.7〜
1.9倍に向上した。
製造法。 【解決手段】 ε−ポリ−L−リジンを発酵生産するス
トレプトマイセス属微生物を用いて、ε−ポリ−L−リ
ジンを発酵生産する際に、ε−ポリ−L−リジン生産期
における培養液中の残存炭素源濃度を50g/l以下の
低濃度に制限して培養するε−ポリ−L−リジンの製造
法。 【効果】 公知方法と比較して対炭素源収率が1.7〜
1.9倍に向上した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ε−ポリ−L−リ
ジン(以下εPLという)の製造法に関する。当該物質
は、必須アミノ酸であるL−リジンのポリマーであるた
め安全性が高くかつカチオン含量が高いので、特異な物
性を有する。したがってトイレタリー用品、化粧品、飼
料添加物、医薬、農薬、食品添加物、電子材料等の用途
が期待できる。特に食品添加物の分野では、天然系の添
加物として大きく注目されている。
ジン(以下εPLという)の製造法に関する。当該物質
は、必須アミノ酸であるL−リジンのポリマーであるた
め安全性が高くかつカチオン含量が高いので、特異な物
性を有する。したがってトイレタリー用品、化粧品、飼
料添加物、医薬、農薬、食品添加物、電子材料等の用途
が期待できる。特に食品添加物の分野では、天然系の添
加物として大きく注目されている。
【0002】
【従来の技術とその問題点】ストレプトマイセス・アル
ブラス(Streptomyces albulus)
種微生物を用いたεPLの製造法が特公昭59−203
59号公報に、ストレプトマイセス・アルブラス・サブ
スピーシズ・リジノポリメラス(Streputomy
ces albulus subsp.lysinop
olymerus)菌株をL−リジンのアナログ物質に
耐性を有する変異株に変異処理して得られた該変異株を
培地に培養し、培養液中にεPLを生成蓄積せしめ、こ
れを採取することを特徴とするεPLの製造法が特公平
3−78998号公報に、またストレプトマイセス・ア
ルブラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス菌株のε
PLの生産に関与する遺伝子を含むプラスミドをクロラ
ムフェニコールを用いて増幅させ、得られた菌株をL−
リジンを添加した培地にて培養し、培養液中に生成蓄積
したεPLを採取することを特徴とするεPLの製造法
が特公平3−42075号公報にそれぞれ記載されてい
る。しかし、これらのεPL製造法は、菌株を特徴とし
たものである。ただしεPL製造の際の培地中の炭素源
(グルコース)濃度は50g/lと記載されており、ま
た培養中に添加する炭素源(グルコース)濃度も50g
/lと記載されている。したがって、従来の培養法は、
炭素源(グルコース)の残存濃度が低下したら、50g
/lの炭素源(グルコース)を添加する方法で行ってお
り、特に炭素源を低濃度にした検討は行われていない。
これらの方法ではεPL製造の際の対炭素源収率(対炭
素源収率=εPL生産量/炭素源使用量×100で表さ
れる)が低いため原料使用量が多くなり、工業的に安価
なεPLの製造が困難であるという問題点があった。ま
た、培地中のリン酸濃度を制限し、かつ培地中にL−リ
ジン及び硫酸アンモニウムを含有させることを特徴とす
るεPLの製造法が特開平8−163992号公報に記
載されている。ただし、ここで記載の方法はεPLのモ
ノマーであるL−リジンを主原料としてεPLを生産す
る方法であり(L−リジンは炭素源としてεPL生産菌
には資化されない)、グルコース等の炭素源及び硫酸ア
ンモニウム等の窒素源のみを原料としてεPLを発酵生
産する方法とは根本的に異なるものである。また、ここ
に記載の方法では、L−リジンを原料として収率を向上
させているが、εPLの生産量が少ないため、未だ安価
なεPLの製造が困難であるという問題点があった。
ブラス(Streptomyces albulus)
種微生物を用いたεPLの製造法が特公昭59−203
59号公報に、ストレプトマイセス・アルブラス・サブ
スピーシズ・リジノポリメラス(Streputomy
ces albulus subsp.lysinop
olymerus)菌株をL−リジンのアナログ物質に
耐性を有する変異株に変異処理して得られた該変異株を
培地に培養し、培養液中にεPLを生成蓄積せしめ、こ
れを採取することを特徴とするεPLの製造法が特公平
3−78998号公報に、またストレプトマイセス・ア
ルブラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス菌株のε
PLの生産に関与する遺伝子を含むプラスミドをクロラ
ムフェニコールを用いて増幅させ、得られた菌株をL−
リジンを添加した培地にて培養し、培養液中に生成蓄積
したεPLを採取することを特徴とするεPLの製造法
が特公平3−42075号公報にそれぞれ記載されてい
る。しかし、これらのεPL製造法は、菌株を特徴とし
たものである。ただしεPL製造の際の培地中の炭素源
(グルコース)濃度は50g/lと記載されており、ま
た培養中に添加する炭素源(グルコース)濃度も50g
/lと記載されている。したがって、従来の培養法は、
炭素源(グルコース)の残存濃度が低下したら、50g
/lの炭素源(グルコース)を添加する方法で行ってお
り、特に炭素源を低濃度にした検討は行われていない。
これらの方法ではεPL製造の際の対炭素源収率(対炭
素源収率=εPL生産量/炭素源使用量×100で表さ
れる)が低いため原料使用量が多くなり、工業的に安価
なεPLの製造が困難であるという問題点があった。ま
た、培地中のリン酸濃度を制限し、かつ培地中にL−リ
ジン及び硫酸アンモニウムを含有させることを特徴とす
るεPLの製造法が特開平8−163992号公報に記
載されている。ただし、ここで記載の方法はεPLのモ
ノマーであるL−リジンを主原料としてεPLを生産す
る方法であり(L−リジンは炭素源としてεPL生産菌
には資化されない)、グルコース等の炭素源及び硫酸ア
ンモニウム等の窒素源のみを原料としてεPLを発酵生
産する方法とは根本的に異なるものである。また、ここ
に記載の方法では、L−リジンを原料として収率を向上
させているが、εPLの生産量が少ないため、未だ安価
なεPLの製造が困難であるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、εPL
の製造法について鋭意検討を重ねた結果、εPL生産能
を有するストレプトマイセス属微生物を培養する際に、
培養液中の残存炭素源濃度をεPL生産期には50g/
l未満、特に20g/l未満に維持することにより、ε
PL生産の際の対炭素源収率が増大することを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。以
上の記述から明らかなように、本発明の目的は、εPL
の生産における対炭素源収率を増大させ、安価で有利な
εPL製造法を提供することである。
の製造法について鋭意検討を重ねた結果、εPL生産能
を有するストレプトマイセス属微生物を培養する際に、
培養液中の残存炭素源濃度をεPL生産期には50g/
l未満、特に20g/l未満に維持することにより、ε
PL生産の際の対炭素源収率が増大することを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。以
上の記述から明らかなように、本発明の目的は、εPL
の生産における対炭素源収率を増大させ、安価で有利な
εPL製造法を提供することである。
【0004】本発明は下記の構成を有する。 (1)ε−ポリ−L−リジンを発酵生産するストレプト
マイセス(Streptomyces)属微生物を好気
的に培地で培養し、得られた培養液からε−ポリ−L−
リジンを採取する方法において、ε−ポリ−L−リジン
生産期における培養液中の残存炭素源濃度50g/l未
満1g/l以上で培養することを特徴とするε−ポリ−
L−リジンの製造法。
マイセス(Streptomyces)属微生物を好気
的に培地で培養し、得られた培養液からε−ポリ−L−
リジンを採取する方法において、ε−ポリ−L−リジン
生産期における培養液中の残存炭素源濃度50g/l未
満1g/l以上で培養することを特徴とするε−ポリ−
L−リジンの製造法。
【0005】(2)残存炭素源濃度20〜1g/lで培
養することを特徴とする前記(1)に記載の製造法。
養することを特徴とする前記(1)に記載の製造法。
【0006】(3)残存炭素源濃度10〜1g/lで培
養することを特徴とする前記(1)に記載の製造法。
養することを特徴とする前記(1)に記載の製造法。
【0007】本発明の構成と効果につき以下に詳述す
る。本発明に使用できる微生物は、εPLを生産する能
力のあるストレプトマイセス属微生物であればいずれで
も使用可能であるが、特にストレプトマイセス・アルブ
ラス種微生物が望ましい。かかるストレプトマイセス・
アルブラス種微生物の具体的な例としては、ストレプト
マイセス・アルブラス・リジノポリメラス(Strep
tomyces albulus subsp.lys
inopolymerus)B21021株(FERM
P−15193)があげられる。
る。本発明に使用できる微生物は、εPLを生産する能
力のあるストレプトマイセス属微生物であればいずれで
も使用可能であるが、特にストレプトマイセス・アルブ
ラス種微生物が望ましい。かかるストレプトマイセス・
アルブラス種微生物の具体的な例としては、ストレプト
マイセス・アルブラス・リジノポリメラス(Strep
tomyces albulus subsp.lys
inopolymerus)B21021株(FERM
P−15193)があげられる。
【0008】本発明において、εPL生産期に維持する
培養液中の残存炭素源濃度は50g/l未満であるが、
好ましくは20g/l〜1g/lであり、さらに好まし
くは10g/l〜1g/lである。培養開始時の培地中
の炭素源濃度は通常50g/lであるが、培養開始後菌
体の増殖と共に残存炭素源濃度は比較的急速に低下す
る。残存炭素源濃度が低下しεPL生産期に入った後
に、残存炭素源濃度濃度が50g/lを超えないように
炭素源を連続にあるいは逐次添加する。ただし、炭素源
が完全に消費つくされてしまうとεPLの生産も停止し
てしまうため、常に炭素源が培養液中に残存するように
維持する。炭素源としては、グルコース、フラクトー
ス、グリセリン、スターチ、ガラクトース、マンニトー
ル、イノシトール、サリシン等のεPL生産菌が資化可
能なものならいずれも使用できる。
培養液中の残存炭素源濃度は50g/l未満であるが、
好ましくは20g/l〜1g/lであり、さらに好まし
くは10g/l〜1g/lである。培養開始時の培地中
の炭素源濃度は通常50g/lであるが、培養開始後菌
体の増殖と共に残存炭素源濃度は比較的急速に低下す
る。残存炭素源濃度が低下しεPL生産期に入った後
に、残存炭素源濃度濃度が50g/lを超えないように
炭素源を連続にあるいは逐次添加する。ただし、炭素源
が完全に消費つくされてしまうとεPLの生産も停止し
てしまうため、常に炭素源が培養液中に残存するように
維持する。炭素源としては、グルコース、フラクトー
ス、グリセリン、スターチ、ガラクトース、マンニトー
ル、イノシトール、サリシン等のεPL生産菌が資化可
能なものならいずれも使用できる。
【0009】本発明に使用する培地としては、炭素源の
他に窒素源、無機物及びその他栄養物を所要量含有する
培地ならばいずれも使用できる。窒素源としては、ペプ
トン、カゼイン加水分解物、無機アンモニウム塩等いず
れでもかまわないが、好ましくは硫酸アンモニウムであ
る。窒素源の含有量は、2〜20g/lが好ましい。窒
素源濃度もεPLの生産とともに低下するため、窒素源
物質を連続添加あるいは逐次添加する。無機物としては
リン酸イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、
亜鉛イオン、鉄イオン、マンガンイオン、ナトリウムイ
オン等が挙げられる。これらの各イオンの濃度は限定さ
れないが、通常0.01〜1g/1である。また酵母エ
キスを1〜5g/l含有させることは、菌の生育を良く
し、εPLの生産においても好ましい結果を与える。
他に窒素源、無機物及びその他栄養物を所要量含有する
培地ならばいずれも使用できる。窒素源としては、ペプ
トン、カゼイン加水分解物、無機アンモニウム塩等いず
れでもかまわないが、好ましくは硫酸アンモニウムであ
る。窒素源の含有量は、2〜20g/lが好ましい。窒
素源濃度もεPLの生産とともに低下するため、窒素源
物質を連続添加あるいは逐次添加する。無機物としては
リン酸イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、
亜鉛イオン、鉄イオン、マンガンイオン、ナトリウムイ
オン等が挙げられる。これらの各イオンの濃度は限定さ
れないが、通常0.01〜1g/1である。また酵母エ
キスを1〜5g/l含有させることは、菌の生育を良く
し、εPLの生産においても好ましい結果を与える。
【0010】本発明の培養は、好気的条件下で振とう培
養、撹拌培養等で行う。培養温度は25〜30℃が好ま
しい。培地のpHは中性付近(pH6〜8)が好ましい
が、培養開始後菌の生育とともにpHは低下する。pH
が4まで低下した時点で、アルカリを添加してpHを4
に維持させる。添加するアルカリはアンモニア水が好ま
しいが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等でも差し
支えない。通常1〜7日間でεPLは培養液中に蓄積さ
れる。
養、撹拌培養等で行う。培養温度は25〜30℃が好ま
しい。培地のpHは中性付近(pH6〜8)が好ましい
が、培養開始後菌の生育とともにpHは低下する。pH
が4まで低下した時点で、アルカリを添加してpHを4
に維持させる。添加するアルカリはアンモニア水が好ま
しいが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等でも差し
支えない。通常1〜7日間でεPLは培養液中に蓄積さ
れる。
【0011】本発明に係る目的物の収得は、上記培養液
から遠心分離あるいはフィルターで菌体を除いた後、菌
体除去液を精製、脱色し、これを濃縮する。濃縮液から
アセトン、エタノール等の有機溶媒で晶析することによ
り、目的のεPLが得られる。
から遠心分離あるいはフィルターで菌体を除いた後、菌
体除去液を精製、脱色し、これを濃縮する。濃縮液から
アセトン、エタノール等の有機溶媒で晶析することによ
り、目的のεPLが得られる。
【0012】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
なお、培養液中のεPL濃度は、イツアキ(Itzha
ki):アナリティカルバイオケミストリー(Anal
ytical Biochemistry),50,5
69,1972の方法により測定した。すなわち、培養
液を遠心分離して菌体を除いた後、上澄液(εPL: 0
〜200μg)2mlと1mMメチルオレンジ水溶液2
mlとを混合し、室温で30分放置後、生じたεPL−
メチルオレンジコンプレックスを遠心分離で除き、その
上澄水の465nmにおける吸光度を測定し、εPL量
を求めた。また、実施例中の%は特に断らない限り、重
量(g)/容量(dl)%である。
なお、培養液中のεPL濃度は、イツアキ(Itzha
ki):アナリティカルバイオケミストリー(Anal
ytical Biochemistry),50,5
69,1972の方法により測定した。すなわち、培養
液を遠心分離して菌体を除いた後、上澄液(εPL: 0
〜200μg)2mlと1mMメチルオレンジ水溶液2
mlとを混合し、室温で30分放置後、生じたεPL−
メチルオレンジコンプレックスを遠心分離で除き、その
上澄水の465nmにおける吸光度を測定し、εPL量
を求めた。また、実施例中の%は特に断らない限り、重
量(g)/容量(dl)%である。
【0013】実施例1 グルコ−ス5%(50g/l)、酵母エキス0.5%、
硫酸アンモニウム1%、K2 HPO4 0.08%、KH
2 PO4 0.136%、MgSO4 ・7H2 O0.05
%、ZnSO4 ・7H2 O0.004%、FeSO4 ・
7H2 O0.003%、pH6.8に調製した2lの培
地を3l容ジャーに入れ、ストレプトマイセス・アルブ
ラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス(Strep
tomyces albulus subsp.lys
inopolymerus)B21021株(FERM
P−15193号)の前培養液100mlを接種し、
30℃、700rpm、通気量3l/min.で168時間
好気培養を行った。ただし、グルコース濃度については
50g/lで培養を開始し、培養開始後残存グルコース
濃度が10g/l以下に低下しεPL生産期に入ったと
解された時点から、残存グルコース濃度が常に10g/
lを超えないようにグルコースを逐次添加した。また、
硫酸アンモニウムについても、残存濃度が低下後逐次添
加を行った。pHの調整については、10%アンモニア
水を用いてpH4に維持した。168時間培養後のεP
L生産量及び対炭素源収率を表1に示した。
硫酸アンモニウム1%、K2 HPO4 0.08%、KH
2 PO4 0.136%、MgSO4 ・7H2 O0.05
%、ZnSO4 ・7H2 O0.004%、FeSO4 ・
7H2 O0.003%、pH6.8に調製した2lの培
地を3l容ジャーに入れ、ストレプトマイセス・アルブ
ラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス(Strep
tomyces albulus subsp.lys
inopolymerus)B21021株(FERM
P−15193号)の前培養液100mlを接種し、
30℃、700rpm、通気量3l/min.で168時間
好気培養を行った。ただし、グルコース濃度については
50g/lで培養を開始し、培養開始後残存グルコース
濃度が10g/l以下に低下しεPL生産期に入ったと
解された時点から、残存グルコース濃度が常に10g/
lを超えないようにグルコースを逐次添加した。また、
硫酸アンモニウムについても、残存濃度が低下後逐次添
加を行った。pHの調整については、10%アンモニア
水を用いてpH4に維持した。168時間培養後のεP
L生産量及び対炭素源収率を表1に示した。
【0014】実施例2 グルコ−ス5%(50g/l)、酵母エキス0.5%、
硫酸アンモニウム1%、K2 HPO4 0.08%、KH
2 PO4 0.136%、MgSO4 ・7H2 O0.05
%、ZnSO4 ・7H2 O0.004%、FeSO4 ・
7H2 O0.003%、pH6.8に調製した2lの培
地を3l容ジャーに入れ、ストレプトマイセス・アルブ
ラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス(Strep
tomyces albulus subsp.lys
inopolymerus)B21021株(FERM
P−15193号)の前培養液100mlを接種し、
30℃、700rpm、通気量3l/min.で168時間
好気培養を行った。ただし、グルコース濃度については
50g/lで培養を開始し、培養開始後残存グルコース
濃度が20g/l以下に低下しεPL生産期に入ったと
解された時点から、残存グルコース濃度が常に20g/
lを超えないようにグルコースを逐次添加した。また、
硫酸アンモニウムについても、残存濃度が低下後逐次添
加を行った。pHの調整については、10%アンモニア
水を用いてpH4に維持した。168時間培養後のεP
L生産量及び対炭素源収率を表1に示した。
硫酸アンモニウム1%、K2 HPO4 0.08%、KH
2 PO4 0.136%、MgSO4 ・7H2 O0.05
%、ZnSO4 ・7H2 O0.004%、FeSO4 ・
7H2 O0.003%、pH6.8に調製した2lの培
地を3l容ジャーに入れ、ストレプトマイセス・アルブ
ラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス(Strep
tomyces albulus subsp.lys
inopolymerus)B21021株(FERM
P−15193号)の前培養液100mlを接種し、
30℃、700rpm、通気量3l/min.で168時間
好気培養を行った。ただし、グルコース濃度については
50g/lで培養を開始し、培養開始後残存グルコース
濃度が20g/l以下に低下しεPL生産期に入ったと
解された時点から、残存グルコース濃度が常に20g/
lを超えないようにグルコースを逐次添加した。また、
硫酸アンモニウムについても、残存濃度が低下後逐次添
加を行った。pHの調整については、10%アンモニア
水を用いてpH4に維持した。168時間培養後のεP
L生産量及び対炭素源収率を表1に示した。
【0015】比較例1 グルコ−ス5%(50g/l)、酵母エキス0.5%、
硫酸アンモニウム1%、K2 HPO4 0.08%、KH
2 PO4 0.136%、MgSO4 ・7H2 O0.05
%、ZnSO4 ・7H2 O0.004%、FeSO4 ・
7H2 O0.003%、pH6.8に調製した2lの培
地を3l容ジャーに入れ、ストレプトマイセス・アルブ
ラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス(Strep
tomyces albulus subsp.lys
inopolymerus)B21021株(FERM
P−15193号)の前培養液100mlを接種し、
30℃、700rpm、通気量3l/min.で168時間
好気培養を行った。ただし、グルコース濃度について
は、50g/lで培養を開始し、残存グルコース濃度が
低下した後に、残存グルコース濃度が常時ほぼ50g/
lになるようにグルコースを逐次添加した。また、硫酸
アンモニウムについても、残存濃度が低下後逐次添加を
行った。pHの調整については、10%アンモニア水を
用いてpH4に維持した。168時間培養後のεPL生
産量及び対炭素源収率を表1に示した。
硫酸アンモニウム1%、K2 HPO4 0.08%、KH
2 PO4 0.136%、MgSO4 ・7H2 O0.05
%、ZnSO4 ・7H2 O0.004%、FeSO4 ・
7H2 O0.003%、pH6.8に調製した2lの培
地を3l容ジャーに入れ、ストレプトマイセス・アルブ
ラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス(Strep
tomyces albulus subsp.lys
inopolymerus)B21021株(FERM
P−15193号)の前培養液100mlを接種し、
30℃、700rpm、通気量3l/min.で168時間
好気培養を行った。ただし、グルコース濃度について
は、50g/lで培養を開始し、残存グルコース濃度が
低下した後に、残存グルコース濃度が常時ほぼ50g/
lになるようにグルコースを逐次添加した。また、硫酸
アンモニウムについても、残存濃度が低下後逐次添加を
行った。pHの調整については、10%アンモニア水を
用いてpH4に維持した。168時間培養後のεPL生
産量及び対炭素源収率を表1に示した。
【0016】
【表1】
【0017】表1の結果から明らかなように、培養液中
の残存炭素源(グルコース)濃度をより低濃度に制限す
るほどその効果は顕著に現れ、εPL生産量及び対炭素
源収率が増大することがわかる。
の残存炭素源(グルコース)濃度をより低濃度に制限す
るほどその効果は顕著に現れ、εPL生産量及び対炭素
源収率が増大することがわかる。
【0018】
【発明の効果】本発明の製造法により、εPLを高収率
で製造することが可能となるため、安価なεPLを提供
することができる。
で製造することが可能となるため、安価なεPLを提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:465)
Claims (3)
- 【請求項1】 ε−ポリ−L−リジンを発酵生産するス
トレプトマイセス(Streptomyces)属微生
物を好気的に培地で培養し、得られた培養液からε−ポ
リ−L−リジンを採取する方法において、ε−ポリ−L
−リジン生産期における培養液中の残存炭素源濃度50
g/l未満1g/l以上で培養することを特徴とするε
−ポリ−L−リジンの製造法。 - 【請求項2】 残存炭素源濃度20〜1g/lで培養す
ることを特徴とする請求項1に記載の製造法。 - 【請求項3】 残存炭素源濃度10〜1g/lで培養す
ることを特徴とする請求項1に記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35401596A JPH10174596A (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | ε−ポリ−L−リジンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35401596A JPH10174596A (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | ε−ポリ−L−リジンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10174596A true JPH10174596A (ja) | 1998-06-30 |
Family
ID=18434745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35401596A Pending JPH10174596A (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | ε−ポリ−L−リジンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10174596A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112322567A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-02-05 | 江南大学 | 一株耐酸高产ε-聚赖氨酸的突变菌株及其应用 |
-
1996
- 1996-12-18 JP JP35401596A patent/JPH10174596A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112322567A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-02-05 | 江南大学 | 一株耐酸高产ε-聚赖氨酸的突变菌株及其应用 |
CN112322567B (zh) * | 2020-11-27 | 2022-08-09 | 江南大学 | 一株耐酸高产ε-聚赖氨酸的突变菌株及其应用 |
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