JPH09154593A - ε−ポリ−L−リジンの製造法 - Google Patents

ε−ポリ−L−リジンの製造法

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JPH09154593A
JPH09154593A JP33817095A JP33817095A JPH09154593A JP H09154593 A JPH09154593 A JP H09154593A JP 33817095 A JP33817095 A JP 33817095A JP 33817095 A JP33817095 A JP 33817095A JP H09154593 A JPH09154593 A JP H09154593A
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JP
Japan
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lysine
poly
ion
producing
medium
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JP33817095A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Iwata
敏治 岩田
Shinji Shiraishi
慎治 白石
Yumiko Iwazawa
由美子 岩澤
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ε−ポリ−L−リジンの生産性を向上させる製
造法。 【解決手段】ε−ポリ−L−リジンを発酵生産するスト
レプトマイセス属微生物を用いて、ε−ポリ−L−リジ
ンを発酵生産する際に、培地中にマグネシウムイオン、
亜鉛イオン、鉄イオン、ナトリウムイオン及びニッケル
イオンを含有させることにより、生産性を向上させたε
−ポリ−L−リジンの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ε−ポリ−L−リ
ジン(以下εPLという)の製造法に関する。当該物質
は、必須アミノ酸であるL−リジンのポリマ−であるた
め安全性が高く、かつカチオン含量が高いので、特異な
物性を有する。したがってトイレタリ−用品、化粧品、
飼料添加物、医薬、農薬、食品添加物、電子材料等の用
途が期待できる。特に食品添加物の分野では、天然系の
添加物として大きく注目されている。
【0002】
【従来の技術】ストレプトマイセス・アルブラス(Stre
ptomyces albulus)種微生物を用いたεPLの製造法が
特公昭59−20359号公報に、ストレプトマイセス・アル
ブラス・サブスピ−シズ・リジノポリメラス(Streptom
yces albulus subsp.lysinopolymerus)菌株をL−リシ
ンのアナログ物質に耐性を有する変異株に変異処理し、
得られた該変異株を培地に培養し、培養液中にεPLを
生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするεP
Lの製造法が特公平3-78998号公報に、またストレプト
マイセス・アルブラス・サブスピ−シズ・リジノポリメ
ラス菌株のεPLの生産に関与する遺伝子を含むプラス
ミドをクロラムフェニコ−ルを用いて増幅させ、得られ
た菌株をL−リシンを添加した培地にて培養し、培養液
中に生成蓄積したεPLを採取することを特徴とするε
PLの製造法が特公平3-42075号公報にそれぞれ記載さ
れている。しかしながら、これら従来のεPL製造法
は、菌株を特徴としたもので、培地成分特にミネラルに
着目したものではなく、また、εPLの生産量が少な
く、工業的に安価なεPLの製造が困難であるという問
題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、εPL
の生産性を改良した製造法について鋭意検討を重ねた。
その結果、εPL生産能を有するストレプトマイセス属
微生物を培養する際に、マグネシウムイオン、亜鉛イオ
ン、鉄イオン、ナトリウムイオン及びニッケルイオンの
5種類のミネラルを含有させた培地中で培養することに
より、εPLの生産量が増大することを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成した。以上の記述から明ら
かなように、本発明の目的は、εPLの生産性を増大さ
せ、安価で有利なεPL製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の発明から
構成される。 (1)ε−ポリ−L−リジンを発酵生産するストレプト
マイセス(Streptomyces)属微生物を好気的に培地で培
養し、得られた培養液からε−ポリ−L−リジンを採取
する方法において、該培地がマグネシウムイオン、亜鉛
イオン、鉄イオン、ナトリウムイオン及びニッケルイオ
ンの5種類のミネラルを含有していることを特徴とする
ε−ポリ−L−リジンの製造法。 (2)マグネシウムイオン、亜鉛イオン、鉄イオン、ナ
トリウムイオン及びニッケルイオンの培地中の含有量が
それぞれ、0.4 〜4mM、0.05〜0.2 mM、0.1〜1.5
mM、1〜10mM、0.02〜0.1 mMであることを特徴
とする前記(1)記載のε−ポリ−L−リジンの製造
法。 (3)ε−ポリ−L−リジンを生産する微生物がストレ
プトマイセス・アルブラス(Streptomyces albulus )種
微生物である前記(1)もしくは(2)記載のε−ポリ
−L−リジンの製造法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用する微生物は、εP
Lを生産する能力のあるストレプトマイセス属微生物で
あればいずれのものでもよいが、特にストレプトマイセ
ス・アルブラス種微生物が望ましい。かかるストレプト
マイセス・アルブラス種微生物の具体的な例としては、
ストレプトマイセス・アルブラス・リジノポリメラス(S
treptomyces albulus subsp.lysinopolymerus)11011A-1
株(微工研条寄第1109号)があげられる。
【0006】本発明で使用するマグネシウムイオン、亜
鉛イオン、鉄イオン、ナトリウムイオンおよびニッケル
イオンの培地中の含有量は特に限定されないが、好まし
くはマグネシウムイオンの含有量は0.4 〜4mM、亜鉛
イオンの含有量は0.05〜0.2mM、鉄イオンの含有量は
0.1〜1.5mM、ナトリウムイオンの含有量は1〜10m
M、ニッケルイオンの含有量は0.02〜0.1mMである。
これらのイオンを培地に添加する場合、硫酸塩、硝酸
塩、塩化物等どのような形態でもかまわないが、硫酸塩
が最も好ましい。
【0007】本発明に使用する培地には上記5種類の必
須添加ミネラルのほかに、炭素源、窒素源、無機物及び
その他栄養物を適当に含有する培地ならばいずれも使用
できる。炭素源としては、グルコ−ス、フラクト−ス、
グリセリン、スタ−チ等のεPL生産菌株が資化可能な
ものなら制限されず、炭素源の含有量は1〜5%(g/dl)
が好ましい。窒素源としては、ペプトン、カゼイン加水
分解物、無機アンモニウム塩等いずれでもかまわない
が、好ましくは硫酸アンモニウムである。窒素源の含有
量は、0.2 〜2%(g/dl)が好ましい。無機物としては上
記5種類の必須添加ミネラルのほかにリン酸塩、カリウ
ムイオン、マンガンイオン等が挙げられる。また酵母エ
キスを0.1 〜0.5 %(g/dl)含有させると、菌の生育を良
くし、εPLの生産においても好ましい結果を与える。
【0008】ストレプトマイセス属の微生物の培養は、
好気的条件下で振とう培養、撹拌培養等で行う。培養温
度は25〜30℃が好ましい。培地のpHは中性付近
(pH6〜8)が好ましいが、培養開始後、菌の生育と
ともにpHは低下する。pHが4まで低下した時点で、
アルカリを培養液中に添加してpHを4に維持する。添
加するアルカリはアンモニア水が好ましいが、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等でも差し支えない。通常1
〜5日間でεPLが培養液中に蓄積される。
【0009】ついで、遠心分離もしくはフィルタ−等で
培養液から菌体を除いたのち、菌体除去液を精製、脱色
し、これを濃縮し、該濃縮液をアセトン、エタノ−ル等
の有機溶媒を用いて晶析することにより、目的のεPL
が得られる。
【0010】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
なお、培養液中のεPL濃度は、イツアキ(Itzhaki)がア
ナリティカルハ゛イオケミストリ-(Analytical Biochemistry),50,569,
(1972)に報告した方法により測定した。すなわち、培養
液を遠心分離して菌体を除いたのち、上澄液(εPL:
0 〜200 μg )2mlと1mMメチルオレンジ水溶液2ml
とを混合し、室温で30分間放置したのち、生成したε
PL−メチルオレンジコンプレックスを遠心分離で除
き、その上澄水の465nmにおける吸光度を測定し、
濃度既知の標準サンプルの吸光度との対比からεPL量
を求めた。また、実施例中の%は特に断らない限り、重
量(g)/容量(dl)%である。
【0011】実施例1 グルコ−ス5%、酵母エキス 0.5%、硫酸アンモニウム
1%、K2HPO4 0.08%、KH2PO4 0.136%、MgSO4・7H2O 0.
05%(Mg:2mM)、ZnSO4・7H2O 0.004 %(Zn:0.1mM)、 FeSO4・7H2O 0.003%(Fe:0.15mM)、Na2SO40.05 %(Na:7m
M)およびNiSO4・6H2O 0.001%(Ni:0.04mM)を添加したpH
6.8の培地2リットルを3リットル容のジャ−に入れ、
ストレプトマイセス・アルブラス・サブスピ−シズ・リ
ジノポリメラス(Streptomyces albulus subsp.lysinop
olymerus)11011A-1株(微工研条寄第1109号)の前培養
液100mlを接種し、温度30℃、攪拌速度700rpm 、
通気量3 l/min.で96時間好気培養を行った。ただし、
pHの調整は、10%アンモニア水を用いてpH4に維
持した。また、グルコ−ス及び硫酸アンモニウムについ
ては、残存濃度が低下した時点で逐次添加を行った。そ
の結果を表1に示した。ここで、対糖収率(%)とは
(εPL生産量/グルコ−ス消費量)×100で表され
る値のことである。
【0012】
【表1】
【0013】比較例1 グルコ−ス5%、酵母エキス 0.5%、硫酸アンモニウム
1%、K2HPO4 0.08%、KH2PO4 0.136%、pH6.8 からな
る基礎培地に、MgSO4・7H2O 0.05 %(Mg:2mM) ZnSO4・7H2O 0.004%(Zn:0.1mM)、 FeSO4・7H2O 0.003%(F
e:0.15mM) をそれぞれ単独でもしくは複数組み合わせて
調製した2リットルの培地を3リットル容のジャ−に入
れ、ストレプトマイセス・アルブラス・サブスピ−シズ
・リジノポリメラス(Streptomyces albulus subsp. ly
sinopolymerus)11011A-1株(微工研条寄第1109号)の前
培養液100mlを接種し、温度30℃、攪拌速度700rpm
、通気量3l/min.で96時間好気培養を行った。ただ
し、pHの調整は、10%アンモニア水を用いてpH4
に維持した。また、グルコ−ス及び硫酸アンモニウムに
ついては、残存濃度が低下した時点で逐次添加した。そ
の結果を表2に示した。
【0014】
【表2】
【0015】表1および表2の記載から明らかなよう
に、ストレプトマイセス・アルブラス種微生物を、マグ
ネシウムイオン、亜鉛イオン、鉄イオン、ナトリウムイ
オンおよびニッケルイオンの5種類のミネラルイオンを
含有する培地で培養すると、εPLの生産性が大幅に向
上することが分かる。
【0016】
【発明の効果】本発明の製造法は、εPLの生産性を大
幅に改良することができ、安価にεPLを製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:465)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ε−ポリ−L−リジンを発酵生産するスト
    レプトマイセス(Streptomyces)属微生物を好気的に培
    地で培養し、得られた培養液からε−ポリ−L−リジン
    を採取する方法において、該培地がマグネシウムイオ
    ン、亜鉛イオン、鉄イオン、ナトリウムイオンおよびニ
    ッケルイオンの5種類のミネラルを含有していることを
    特徴とするε−ポリ−L−リジンの製造法。
  2. 【請求項2】マグネシウムイオン、亜鉛イオン、鉄イオ
    ン、ナトリウムイオン 及びニッケルイオンの培地中の
    含有量がそれぞれ、0.4 〜4mM、0.05〜0.2mM、0.1
    〜1.5 mM、1〜10mM及び0.02〜0.1 mMである
    ことを特徴とする請求項1記載のε−ポリ−L−リジン
    の製造法。
  3. 【請求項3】ε−ポリ−L−リジンを生産する微生物が
    ストレプトマイセス・アルブラス(Streptomyces albulu
    s )種微生物である請求項1もしくは請求項2のいずれ
    か1項記載のε−ポリ−L−リジンの製造法。
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