JPH10174331A - 電動モータの巻線構造及び巻線形成方法 - Google Patents

電動モータの巻線構造及び巻線形成方法

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JPH10174331A
JPH10174331A JP33100796A JP33100796A JPH10174331A JP H10174331 A JPH10174331 A JP H10174331A JP 33100796 A JP33100796 A JP 33100796A JP 33100796 A JP33100796 A JP 33100796A JP H10174331 A JPH10174331 A JP H10174331A
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雅裕 塚本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動モータの小型化を図る。 【解決手段】 内周方向に複数の突極1a〜1fが略等
間隔に形成されたステータ1と、ステータ1の夫々の突
極に巻き回される巻線2a〜2fと、ステータ1の内周
部でかつ同軸上に配設される外周方向の突極3a〜3d
が形成されたロータ3と、を含んで構成され、ステータ
1の対向する突極に巻き回される巻線が直列に接続され
て1つの相が形成される電動モータにおいて、突極1a
〜1fへの取付時に、隣接する突極に干渉しない形状に
巻き形成された第1形状の巻線2a,2c,2e、及
び、隣接する突極及び第1形状の巻線に干渉しない形状
に巻き形成された第2形状の巻線2b,2d,2fによ
って相を構成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータの巻線
構造及び巻線形成方法に関し、特に、巻線の空間占有率
を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動モータの一例として、例え
ば、SRモータがある。SRモータとは、図7に示すよ
うに、内向きの突極10a〜10fを有するステータ
(固定子)10と外向きの突極11a〜11dを有する
ロータ(回転子)11とが同軸上に配置され、ステータ
10の突極10a〜10fに巻線12a〜12fが巻き
回されたものである。ここで、ステータ10の対向する
2つの突極に巻き回された巻線を「相」と呼び、一般的
には、相の巻線は直列に接続されている。また、ロータ
11の突極とステータ10の突極の数は、相互に倍数関
係になっていない偶数個に設定される。即ち、図7のS
Rモータでは、ロータ11の突極の数が4つ、ステータ
10の突極の数が6つとなっている。
【0003】そして、ステータ10の相に電流を流して
磁束を発生させ、その近傍のロータ11の突極を引き付
けることで、トルクが発生する。この際、ステータ10
とロータ11のある突極同士が対向すると、他の突極同
士にずれが生じており、逐次ずれた突極を選んでその相
に通電すればロータ11の突極が連続的に引き付けら
れ、ロータ11を回転させることができる。SRモータ
に発生するトルクは、ロータ11とステータ10との相
対位置、及び、相に供給される電流値と突極に巻き回さ
れる巻線の巻数とに応じて変化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SRモ
ータが小型の場合には、ステータ10の内向きの突極1
0a〜10fに、例えば、巻線機等を使用して巻線を直
接巻くことは困難であるため、実際の製造工程において
は、予め突極形状に合わせて巻線を巻いておき、これを
突極に嵌合している。この場合、図7に示すように、ス
テータ10の突極の先端部は基端部に比べて隣接する突
極との間隔が小さいため、巻線を嵌合するための入口部
が狭くなっており、ステータ10の基端部の突極同士の
間隔が広いにも関わらず、製造工程を考慮すると、突極
に巻き回す巻線の巻数を多くできないという問題が生じ
る。
【0005】従って、従来型のSRモータを、例えば、
電動ブレーキアクチュエータ等を制御するモータとして
用いる場合、使用されていない内部空間が多く存在する
ので、電動ブレーキアクチュエータ等の制御のために必
要なトルクを得るためには、外形の大きなモータを用い
ることになる。即ち、電動ブレーキアクチュエータの場
合にはSRモータは4個必要となり、1個のモータが小
型化できないことから、電動ブレーキアクチュエータ全
体の小型化・軽量化ができないという問題点があった。
【0006】そこで、本発明は以上のような従来の問題
点に鑑み、電動モータにおける巻線の空間占有率を向上
させることにより、小型化を図った電動モータの巻線構
造及び巻線形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、内周方向に複数の突極が略等間隔に形成され
たステータと、該ステータの夫々の突極に巻き回される
巻線と、前記ステータの内周部でかつ同軸上に配設され
る外周方向の突極が形成されたロータと、を含んで構成
され、前記ステータの対向する突極に巻き回される巻線
が直列に接続されて1つの相が形成される電動モータに
おいて、前記相を形成する巻線を、巻き形状の異なる複
数の巻線から構成した。
【0008】このような構成の電動モータにすれば、ス
テータの対向する突極に巻き回される巻線からなる相に
電流を流すため、双方の巻線で生じる磁束が相において
一体となり、この磁束によってロータの突極を引き付け
てトルクを発生させる。従って、ステータの各突極に巻
き回される巻線の巻き形状を最適化することによって、
従来構成の電動モータと比べて各相における巻線の巻数
が増加し、一定の電流を相に流した場合、従来と比べ
て、相として発生する磁束が増大することとなる。
【0009】請求項2記載の発明は、前記相の数が奇数
個の電動モータにあっては、前記相は巻数が異なる2種
類の巻線から構成され、前記ステータに形成される隣接
する突極には、夫々巻数の異なる巻線が巻き回される構
成とした。このようにすれば、相の数が奇数個の場合に
は、隣接する突極に夫々巻数の異なる巻線を巻き回す構
成とすることで、各相の巻線の合計巻数が等しくなり、
電動モータの出力特性が滑らかになる。
【0010】請求項3記載の発明は、前記巻数が異なる
2種類の巻線を、前記ステータに形成された突極への取
付時に、隣接する突極と非干渉形状に巻き形成された第
1形状の巻線と、該第1形状の巻線及び第1形状の巻線
が取り付けられる突極と非干渉形状に巻き形成された第
2形状の巻線と、から構成した。このようにすれば、隣
接する突極及び巻線との干渉を防止しつつ、突極の基端
部間の空間により多くの巻線が巻き回されることとな
る。
【0011】請求項4記載の発明は、前記第1形状の巻
線を、該第1形状の巻線が取り付けられる自突極の一側
面を表わす第1の直線と、前記ステータの内周面を表わ
す第1の円弧と、前記第1の直線と平行で、かつ、隣接
するステータの突極の先端部の角と所定のクリアランス
を設けた第2の直線と、前記第1の直線と垂直で、か
つ、前記自突極の先端部の角よりステータ外周方向の点
を通る第3の直線と、で構成される略長方形形状の領域
内に形成し、前記第2形状の巻線を、該第2形状の巻線
が取り付けられる自突極の一側面を表わす第4の直線
と、前記ステータの内周面を表わす第2の円弧と、前記
第4の直線と平行で、かつ、隣接するステータの突極の
先端部の角と所定のクリアランスを設けた第5の直線
と、ステータに形成された隣接する突極の一側面と平行
で、かつ、自突極の先端部の角よりステータ外周方向の
点を通る第6の直線と、で構成される略台形形状の領域
内に形成する構成とした。
【0012】このようにすれば、第1形状及び第2形状
の巻線は、巻線を突極に取り付ける際に、隣接する巻線
及び突極と相互干渉がない形状となる。請求項5記載の
発明は、前記相の数を3相とした。このようにすれば、
ステータの突極が6つとなるので、実用的なトルクを発
生しつつ、構造が簡単になる。
【0013】請求項6記載の発明は、前記相を巻数が異
なる3種類以上の巻線から構成し、前記ステータの夫々
の突極に巻き回される巻線の巻数が同一となるように、
前記巻線を組み合わせて構成した。このようにすれば、
3種類以上の巻線を組み合わせることで、ステータの夫
々の突極に巻き回される巻線の巻数が同一になる。
【0014】請求項7記載の発明は、前記相が巻数が異
なる4種類の巻線から構成される電動モータにあって
は、前記4種類の巻線を、前記ステータに形成された突
極への取付時に、隣接する突極と非干渉形状に巻き形成
された第1形状の巻線と、該第1形状の巻線及び第1形
状の巻線が取り付けられる突極と非干渉形状に巻き形成
された第2形状の巻線と、前記第1形状の巻線の周囲に
巻き回され、その取付時に隣接する突極の先端部の角と
非干渉形状に巻き形成された第3形状の巻線と、前記第
2形状の巻線の周囲に巻き回され、その取付時に隣接す
る突極の先端部の角と非干渉形状に巻き形成された第4
形状の巻線と、から構成した。
【0015】このようにすれば、突極の基端部間の空間
により多くの巻線が巻き回されることとなる。請求項8
記載の発明は、内周方向に複数の突極が略等間隔に形成
されたステータと、該ステータの夫々の突極に巻き回さ
れる巻線と、前記ステータの内周部でかつ同軸上に配設
される外周方向の突極が形成されたロータと、を含んで
構成され、前記ステータの対向する突極に巻き回される
巻線が直列に接続されて1つの相が形成されると共に、
前記相の数が奇数個の場合には、該相を形成する巻線を
巻形状及び巻数の異なる第1形状の巻線及び第2形状の
巻線から構成する電動モータにおいて、前記第1形状の
巻線を、該第1形状の巻線が取り付けられる自突極の一
側面を表わす第1の直線と、前記ステータの内周面を表
わす第1の円弧と、前記第1の直線と平行で、かつ、隣
接するステータの突極の先端部の角と所定のクリアラン
スを設けた第2の直線と、前記第1の直線と垂直で、か
つ、前記自突極の先端部の角よりステータ外周方向の点
を通る第3の直線と、で構成される略長方形形状の領域
内に巻き形成し、前記第2形状の巻線を、該第2形状の
巻線が取り付けられる自突極の一側面を表わす第4の直
線と、前記ステータの内周面を表わす第2の円弧と、前
記第4の直線と平行で、かつ、隣接するステータの突極
の先端部の角と所定のクリアランスを設けた第5の直線
と、ステータに形成された隣接する突極の一側面と平行
で、かつ、自突極の先端部の角よりステータ外周方向の
点を通る第6の直線と、で構成される略台形形状の領域
内に巻き形成した。
【0016】このような巻線の形成方法にすれば、第2
形状の巻線を突極に取り付けた後、第1形状の巻線を突
極に取り付けることで、隣接する巻線及び突極との相互
干渉を防止しつつ、従来型の電動モータと比べて巻線の
巻数が増大し、一定の電流を相に流した場合、相として
発生する磁束が増大する。請求項9記載の発明は、前記
第1形状の巻線を、前記第1の直線、第1の円弧及び第
3の直線を規定した巻線型を用い、前記第2の直線で規
定される高さまで前記巻線型の最下層から順次線を巻き
回して第1形状を形成した後、該第1形状を固定し前記
巻線型を取り外して形成した。
【0017】このようにすれば、簡単な形状の巻線型を
用いて第1形状の巻線が容易に形成される。請求項10
記載の発明は、前記第1形状の巻線型を、該巻線型に巻
き回された巻線と共に前記ステータの突極に嵌合した。
このようにすれば、巻線型によって第1形状の巻線の形
崩れが防止される。
【0018】請求項11記載の発明は、前記第2形状の
巻線を、前記第4の直線、第2の円弧及び第4の直線と
第6の直線との交点を規定した巻線型を用い、前記第5
の直線で規定される高さまで前記第6の直線に巻端を合
わせつつ、前記巻線型の最下層から順次線を巻き回して
第2形状を形成した後、該第2形状を固定し前記巻線型
を取り外して形成した。
【0019】このようにすれば、簡単な形状の巻線型を
用いて第2形状の巻線が容易に形成される。請求項12
記載の発明は、前記第2形状の巻線型を、該巻線型に巻
き回された巻線と共に前記ステータの突極に嵌合した。
このようにすれば、巻線型によって第2形状の巻線の形
崩れが防止される。
【0020】請求項13記載の発明は、内周方向に複数
の突極が略等間隔に形成されたステータの対向する突極
に巻き回される巻線が直列に接続されて1つの相が形成
される電動モータにおいて、前記相を形成する巻線を2
以上の異なる巻線に分割すると共に、夫々の巻線の形状
を最適化して巻線の巻数を増やす構成とした。このよう
な構成の電動モータにすれば、相を形成する2以上の巻
線の合計巻数が増大し、相に発生する磁束が増大するの
で、電動モータの出力トルクを一定とした場合には、電
動モータが小型化される一方、電動モータの外寸を一定
とした場合には、増大した磁束により電動モータの出力
トルクが増大する。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は請求
項13に記載の発明によれば、相を形成する巻線を巻き
形状の異なる複数の巻線から構成したので、夫々の巻線
の巻き形状を最適化することによって、ステータに形成
された突極の基端部間の空間における巻線の占める割合
(空間占有率)が高くなり、相としての巻線数が増大す
る。従って、一定の電流を相に流した場合、相に発生す
る磁束が大きくなるので、ロータの突極を引き付ける
力、即ちトルクが大きくなり、同一外寸の電動モータの
場合には出力トルクの増大、或いは、一定出力の電動モ
ータの場合には小型化を図ることができる。例えば、電
動モータをアクチュエータの制御に使用する場合には、
アクチュエータの小型化及び軽量化を促進することがで
きる。
【0022】請求項2記載の発明によれば、相が奇数個
の場合には、隣接する突極に夫々巻数の異なる巻線を巻
き回すことで、各相の巻線の合計巻数が等しくなるの
で、電動モータの出力特性を滑らかにすることができ
る。請求項3記載の発明によれば、ステータの突極の基
端部間の空間により多くの巻線を巻き回すことが可能と
なる。
【0023】請求項4記載の発明によれば、各相におけ
る巻線の巻数を効率的に増大しつつ、隣接する突極及び
巻線との干渉がない簡単な第1形状及び第2形状を規定
することができる。従って、第1形状及び第2形状の巻
線を容易に形成することができるので、電動モータの性
能とコストとのバランスを高い次元で両立させることが
できる。
【0024】請求項5記載の発明によれば、相の数を3
相としステータの突極の数を6とすれば、実用的なトル
クを発生しつつ、電動モータの構造を簡単にすることが
できる。従って、電動モータの性能とコストとのバラン
スを向上を図ることができる。請求項6記載の発明によ
れば、3種類以上の巻線を組み合わせることで、ステー
タの夫々の突極に巻き回される巻線の巻数が同一になる
ので、如何なる相の数を有する電動モータにも本発明を
適用することができる。即ち、相の数が奇数個のものに
限らず、相の数が偶数個のものでも適用可能となる。
【0025】請求項7記載の発明によれば、相を巻数の
異なる4種類の巻線から構成したので、第1形状及び第
2形状の巻線から構成される電動モータに比べて、突極
の基端部間の空間により多くの巻線が巻き回されること
となる。従って、電動モータの外寸を同一とした場合に
は出力トルクをより増大させることができ、また、電動
モータの出力トルクを同一とした場合にはその外寸をよ
り小型化することができる。
【0026】請求項8記載の発明によれば、第1形状及
び第2形状の巻線を容易に形成することができ、第2形
状の巻線を突極に取り付けた後、第1形状の巻線を突極
に取り付けることで、隣接する巻線及び突極との相互干
渉を防止しつつ、従来型の電動モータと比べて巻線の巻
数を効率的に増大することができる。請求項9記載の発
明によれば、簡単な巻線型を用いて第1形状の巻線が形
成されるので、巻線の製造を自動化することができ、コ
スト低減を図ることができる。
【0027】請求項10記載の発明によれば、第1形状
の巻線型に巻き回された巻線を巻線型と共にステータの
突極に嵌合するので、巻線型によって第1形状の巻線の
形崩れが防止される。また、第1形状の巻線とステータ
の突極との絶縁を考慮する必要もなくなる。請求項11
記載の発明によれば、簡単な巻線型を用いて第2形状の
巻線が形成されるので、巻線の製造を自動化することが
でき、コスト低減を図ることができる。
【0028】請求項12記載の発明によれば、第2形状
の巻線型に巻き回された巻線を巻線型と共にステータの
突極に嵌合するので、巻線型によって第2形状の巻線の
形崩れが防止される。また、第2形状の巻線とステータ
の突極との絶縁を考慮する必要もなくなる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して
本発明を詳述する。先ず、本発明の原理を説明する。S
Rモータ等の電動モータは、ステータの対向する突極に
巻き回される巻線からなる相に電流を流すため、双方の
巻線で生じる磁束が相において一体となり、この磁束に
よってロータの突極を引き付けてトルクを発生させる。
【0030】即ち、ステータの各突極に巻き回された巻
線で発生する磁束が必ずしも同一である必要はなく、各
相として発生する磁束が夫々同一であれば良いこととな
る。従って、本発明は、各相の巻線を2以上の異なる形
状(巻数)の巻線に分割し、夫々の巻線をその取付時に
他と干渉のない形状に最適化することで、従来型の電動
モータと比べて各相における巻線の巻数を増加させ、電
動モータの出力トルクの増大、或いは、電動モータの小
型化を促進するようにした。
【0031】このような技術的思想を実現した本発明の
具体的実施例として、以下に述べる第1実施例及び第2
実施例を説明する。図1は、本発明に係る電動モータの
巻線構造の第1実施例を示し、相数を3(ステータの突
極数を6)、ロータの突極数を4とした場合のSRモー
タの回転軸に垂直な平面での断面図を表わす。
【0032】ステータ(固定子)1には、その中心軸に
対して略60°毎に内向きの6つの突極1a〜1fが形
成されている。この突極1a〜1fは、ステータ1の軸
方向(即ち、紙面に対して垂直方向)に所定の長さを持
った略長方形形状となっており、突極1a〜1fの夫々
に対して、巻線2a〜2fが巻き回されている。ここ
で、巻線2a,2c,2eは断面形状が略長方形形状と
なっており(以下、この形状を「第1形状」という)、
巻線2b,2d,2fは断面形状が略台形形状となって
いる(以下、この形状を「第2形状」という)。なお、
第1形状及び第2形状の詳細は、後述する。そして、図
中の小丸が巻線の断面を表わし、各巻線を形成する小丸
の数の半分が巻線の巻数となる。
【0033】また、対向する2つの巻線、具体的には、
2aと2d、2bと2e、2cと2fとが夫々直列に接
続され、相を形成している。ここで、相の数が奇数
(3)であるため、形状の異なる第1形状と第2形状の
巻線とが対となり相を形成する。この相を形成する巻線
は、共に同方向に磁束を発生するように直列に接続され
ており、例えば、巻線2aと2dとからなる相に電流を
流した場合に、巻線2aがステータ1の外周方向(矢印
A)に向かって磁束が発生したとすると、巻線2dはス
テータ1の中心方向(矢印B)に向かって磁束を発生す
る。換言すると、突極1a及び1dの左側で電流が紙面
の手前側に向かって流れ、突極1a及び1dの右側で電
流が紙面の向こう側に向かって流れるように、巻線2a
及び2dが直列に接続されている。
【0034】ステータ1の内部には、ロータ(回転子)
3が同軸上に配設されており、ロータ3には、その中心
軸に対して略90°毎に外向きの4つの突極3a〜3d
が形成されている。そして、ロータ3の中心軸には、ロ
ータ3の回転を介してトルクを取り出すための軸4が設
けられている。図2は、巻線2a〜2fの断面形状の詳
細を表わす説明図である。
【0035】巻線の形状としては第1形状(巻線2a,
2c,2e)と第2形状(巻線2b,2d,2f)とが
あるが、その代表として巻線2aと2bとを説明し、他
の巻線2c〜2fはこれと同様であるので、その説明は
省略する。先ず、第1形状の巻線2aについて説明する
と、第1形状は、突極1aの一側面を表わす直線a(第
1の直線)と、ステータ1の内周面を表わす円弧b(第
1の円弧)と、直線aと平行で、かつ、隣接する突極1
bの先端部の角を通る直線に対し所定のクリアランスΔ
1を有する直線c(第2の直線)と、直線cに垂直で、
かつ、突極1aの先端部の角或いは巻線2aの取付先端
部を通る直線d(第3の直線)と、で囲まれる領域内に
形成される。ここで、クリアランスΔ1は、巻線2aの
形成時の膨らみやばらつきを考慮して決定し、後述する
巻線2bと干渉が生じないようにする。
【0036】次に、第2形状の巻線2bについて説明す
ると、第2形状は、突極1bの一側面を表わす直線e
(第4の直線)と、ステータ1の内周面を表わす円弧f
(第2の円弧)と、直線eと平行で、かつ、隣接する突
極1aの先端部の角を通る直線に対し所定のクリアラン
スΔ2を有する直線g(第5の直線)と、前記直線cと
平行で、かつ、突極1bの先端部の角或いは巻線2bの
取付先端部を通る直線h(第6の直線)と、で囲まれる
領域内に形成される。なお、クリアランスΔ2の設け方
は、第1形状のクリアランスΔ1と同様である。
【0037】図3は、第1形状の巻線(2a,2c,2
e)の形成方法を表わす模式図である。ここでは、説明
の便宜上、巻線2aの形成方法についてのみ説明する。
即ち、巻線2aは、図3(a) に示すような巻線型5を用
いて形成する。この巻線型5は、4分割された巻線型5
a〜5dにより構成されており、その断面形状は、コの
字形状(いわゆるチャンネル形状)の断面を有してい
る。巻線型5の断面形状は、図3(b) に示すように、基
部6aが前記直線aに、一端面6bが前記直線d(又
は、円弧b)に、他端面6cが前記円弧b(又は、直線
d)に相当し、前記直線cに相当する部分は巻き重ねる
巻線2aの層数で調整する(図2参照)。
【0038】一般的に、巻線2aを巻き重ねるときに
は、図3(b) のように、下の2本の巻線の中央に次の巻
線を巻き重ねていくと最も安定し、かつ、空間に対する
線の占める割合(空間占有率)も高くなる。そこで、巻
線型5の端面6bと6cとがなす間隔(幅)は、最下層
の巻数×線の太さに合わせ、最下層にはこの巻数、2層
目には1層目より1回少ない巻数、3層目は再び最下層
と同じ巻数、というように巻き重ねる。この作業によっ
て第1形状の略長方形断面を持つ巻線2aが完成する。
巻き終わったらワニスなどで巻線2aを固め、その後、
巻線型5a〜5dを分割して外す。なお、巻線2aを巻
き重ねる際、例えば、3層目の端の線は、巻線型5の端
面6b若しくは6cが逃げてしまうと2層目に落ちてし
まうので、巻線型5(5a〜5d)はそれに耐えるだけ
の剛性を持ったものとする必要がある。
【0039】なお、ここで用いる巻線型5は、図のよう
に分割可能な構成で巻線作業終了後に外せる単なる型の
役割のものでも良いし、巻線型5a〜5dを一体的に形
成し、巻線2aと共にステータ1に取り付けるボビンの
役割のものでも良い。型の役割だけの場合には、SRモ
ータのコストが安くなる他(型の必要個数が少ない)、
ボビンのスペースが不要なため巻線2aをたくさん巻け
るなどのメリットがある。一方、ボビンの場合には、ボ
ビンの外寸を前記直線a,c,d及び円弧d(図2参
照)に合わせて作成する必要があるが、ボビン取付時
に、巻線2aが形崩れを起こしにくい、ステータ1と巻
線2aとの間の絶縁を別途考える必要がないなどのメリ
ットがある。従って、どちらを採用するかは、SRモー
タの要求性能(出力トルク、外寸等)を考慮して選択す
れば良い。
【0040】図4は、第2形状の巻線(2b,2d,2
f)の形成方法を表わす模式図である。ここでは、説明
の便宜上、巻線2bの形成方法についてのみ説明する。
即ち、巻線2bは、図4(a) に示すような巻線型7を用
いて形成する。この巻線型7も第1形状の巻線型5(図
3参照)と同様に、4分割された巻線型7a〜7dによ
り構成されており、その断面形状は、一側面が短いコの
字形状(いわゆるアングル形状に近い)の断面を有して
いる。巻線型7の断面形状は、図7(b)に示すように、
基部8aが前記直線eに、高さが短い一端面8bが前記
直線eと直線hとの交点に、他端面8cが前記円弧fに
相当し、前記直線gに相当する部分は巻き重ねる巻線2
bの層数で調整する(図2参照)。
【0041】ところで、第2形状の巻線2bは、第1形
状の巻線2aと異なり、前記直線hと直線eとが略直角
となっていない(即ち、直線hが傾いている)ので、巻
線2bの巻数は上層になるほど減らしながら巻いていか
なければならない。この場合にも、第1形状の巻線2a
と同様に下の2本の巻線の中央に次の巻線を巻き重ねる
が、図4(b) のように、最下層と2層目は第1形状の巻
線2aと同じで、3層目は2層目と同じ巻数で1列ずら
して巻き、4層目は3層目より1回少ない巻数を巻く。
このように2層毎に1巻きずつ巻数を減らしていくと、
図4(b) のような傾斜面が形成され、その傾斜角が略6
0°となる。本実施例では、相が3つ(ステータ1の突
極数が6)であるので、上記のように第2形状の巻線2
bを巻けば必要な傾斜角60°を容易に形成することが
できる。
【0042】また、2層目で2回減らして巻くと、傾斜
角は略30°となる。そこで、図4(c) のように、2層
目2回減(30°)、3層目1回減(30°)、4層目
2回減(30°)、5層目1回減(30°)とし、6層
目だけは1回減(60°)という減らし方を採用すれ
ば、平均的に略36°の角度にできる。この角度は、5
相(ステータ1の突極数が10)のSRモータの斜面形
成に使うことができる(30°ずつのものは、相が6相
で偶数となるため使えない)。
【0043】なお、ここで説明した一側面が短いコの字
断面形状の巻線型7(7a〜7d)は、型にもボビンに
も使えるものであるが、型に使う場合は第1形状と同じ
ようなコの字の長さが同じものであっても差し支えな
い。また、ここで示した2つの形状(第1形状及び第2
形状)は、巻線作業の容易さを考慮して略長方形・略台
形に形成してあるが、ステータ1の突極1a〜1fの基
端部(前記円弧b、fの近傍)には、さらに巻線を巻い
ても構わない。
【0044】さらに、図3(b) の一側面6b(又は6
c)を外側に湾曲させ、逆反り形状に巻けば、図2にお
ける前記直線dは、突極1aの内周面1a’を延長した
円弧d’とすることも可能である。この場合、より多く
の巻線を巻くことができる。SRモータの組み立ては、
巻線の組み付け・結線、ロータの取り付け、両端のキャ
ップ取り付けの順で行われるが、ここでは巻線の組み付
けのみ図1を参照しつつ説明する。
【0045】先ず、第2形状の巻線2b,2d,2fを
ステータ1の突極1b,1d,1fに組み付ける。巻線
2bをステータ1の内側へ差し込み、突極1bに嵌合す
る。このとき、巻線2bの外周面は、前述したように直
線g(図2参照)によって隣接する突極1a及び1cの
先端部の角と干渉しないように形成されているので、何
の障害もなく突極1bに嵌合することができる。同様に
して、巻線2d及び2fも組み付ける。
【0046】次に、第1形状の巻線2a,2c,2eを
ステータ1の突極1a,1c,1eに組み付ける。第2
形状の巻線2b,2d,2fと同様に、巻線2aをステ
ータ1の内側に差し込み、突極1aに嵌合する。このと
き、巻線1aの外周面は、前述したように直線c(図2
参照)に合わせて形成されており、また、隣接する巻線
2b及び2fの直線h部分が、直線cと所定のクリアラ
ンスΔ1を隔てて形成されているので、何の障害もなく
突極1aに嵌合することができる。同様にして、巻線2
c及び2eも組み付ける。
【0047】すべての巻線2a〜2fを組み付けたら、
巻線2a〜2fを固定する。巻線の固定方法には各種の
方法があるが、前記直線d及びhを突極の先端部の角で
規定したならば接着、また、巻線先端位置で規定したな
らば先端部に板を挟み込む方法などが使用できる。以上
説明した構成からなるSRモータの動作は、従来型のS
Rモータと同様である。但し、各突極の巻線を同じ形状
として巻いた場合、図7のように、ステータ10に形成
した突極10a〜10fの基端部近傍には、使用されて
いない空間がたくさん存在し、巻線の巻数が少ない。実
際、この図で1相の巻数(断面図の小丸の数)は107
(回/巻線)×2=214回である。一方、本発明のS
Rモータにおける1相の巻数は、129回+115回=
244回であり(図1参照)、図7より明らかに巻線の
巻数が多い。従って、同一電流値を相に流した場合に発
生する磁束量、即ち、トルクを増加することができるた
め、より小さなサイズのモータとしても同じトルクを発
生させることが可能となる。
【0048】図5は、本発明に係る電動モータの巻線構
造の第2実施例を示したもので、第1実施例において使
用されていない空間にさらに巻線を追加したものであ
る。巻線は、1相当たり4つの巻線で構成される。即
ち、突極1a,1c,1eに対して第3形状の巻線9
a,9c,9e、突極1b,1d,1fに対して巻線9
b,9d,9fが追加され、例えば、突極1a及び1d
からなる相は、巻線2a,9a(突極1a)、巻線2
d,9d(突極1d)から構成される。なお、突極1b
及び1e、突極1c及び1fからなる相も同様である。
【0049】図6は、巻線9a〜9fの断面形状の詳細
を表わす説明図である。巻線の形状としては第3形状
(巻線9a,9c,9e)と第4形状(巻線9b,9
d,9f)とがあるが、その代表として巻線9aと9b
を説明し、他の巻線9c〜9fはこれと同様であるの
で、その説明は省略する。ここで、第3形状及び第4形
状は、嵌合される突極の中心線に対して対称形状となる
ので、説明の便宜上、突極の一方側の線・点に符号を付
し、突極の反対側の線・点については同一符号に「’」
を付して表わすこととする。
【0050】先ず、第3形状の巻線9aについて説明す
る。突極1aの中心線と突極1bの中心線との2等分線
と、ステータ1の内壁との交点を仮の原点Cとする。こ
の仮原点Cから、突極1aを挟んで隣接する突極1fの
先端部の角までの距離Dと、突極1aを挟んだ対称位置
にある仮原点C’までの距離Eとを測定し、距離Eが距
離D及びEのうち短い方に一致するように、仮原点C及
びC’をステータ1の内壁面上で移動し、ここを本原点
C及びC’とする。次に、この本原点Cから、巻線9a
が嵌合する突極1aの先端部の角(遠い方の角)までの
距離Fと、巻線2aを形成する前記直線c(図2参照)
に平行で所定のクリアランスΔ3を設けた直線i’とス
テータ1の内壁との交点までの距離Gとを測定し、距離
Gが距離F及びGのうち長い方に一致するように、クリ
アランスΔ3を調整する。このようにして決定された直
線i’と、ステータ1の内壁の円弧j’と、本原点C’
を通り巻線2fを構成する前記直線g(図2参照)と平
行な直線k’と、によって囲まれる略三角形状の領域が
第3形状となる。
【0051】次に、第4形状の巻線9bについて説明す
る。まず、第3形状を構成する前記直線kに所定のクリ
アランスΔ4を設けた直線l’とステータ1の内壁との
交点を仮原点H’とする(突極1bの反対側には仮原点
Hがある)。この仮原点H’から、突極1bを挟んで隣
接する突極1cの先端部の角までの距離Iと、前記直線
lと第1形状を構成する前記直線cと所定のクリアラン
スΔ5を設けた直線mとの交点までの距離Jとを測定
し、距離Jが距離I及びJのうち短い方に一致するよう
に、クリアランスΔ4或いはΔ5を調整する。そして、
調整後の仮原点H及びH’を本原点とする。次に、本原
点H’から、巻線9bが嵌合する突極1bの先端部の角
(遠い方の角)までの距離Kと、第2形状を構成する前
記直線gに所定のクリアランスΔ6を設けた直線nとス
テータ1の内壁面との交点までの距離Lを測定し、距離
Lが距離K及びLのうち長い方に一致するように、クリ
アランスΔ6を調整する。このようにして決定された直
線n,m,lとステータ1の内面の円弧oとによって囲
まれる略台形形状の領域が第4形状となる。
【0052】第3形状及び第4形状の巻線9a〜9fの
形成方法は、第2形状の巻線2b,2d,2fと略同様
であるのでその説明は省略する。但し、図4(a) におけ
る型7の上下方向は突極の長さに合わせるのではなく、
第1形状或いは第2形状の巻線の厚み分だけ長く設定し
ておく必要がある。
【0053】ここで、第2実施例における巻線の組み付
け方法を図5及び図6を参照しつつ説明する。先ず、第
3形状の巻線9aをステータ1の内部に差し込み、図5
で左上がりになるように、巻線9aの原点C側を突極1
aと1bとの間に挿入する。そして、原点Cが所定の位
置となるように巻線9aを奥まで差し込み、この原点C
を回転中心として巻線9aの右側を持ち上げるように回
転させて、巻線9aの原点C’側を突極1aと1fとの
間に挿入する。このとき、巻線9aが図6で説明した第
3形状になっていれば、隣接する突極1b及び1fの先
端部の角と干渉せずに容易に挿入することができる。同
様にして、巻線9c及び9eも挿入する。
【0054】次に、第4形状の巻線9bを取り付ける。
巻線9bを取り付ける前に、既に取り付けた第3形状の
巻線9cとの干渉を避けるべく、巻線9cを一旦突極1
d側にずらす。ずらす幅は、巻線9bを構成する直線l
の長さ程度であれば足りる。巻線9cをずらしたら巻線
9bを図で水平の向きにし、突極1bと1cとの間に挿
入して、原点Hの位置を合わせる。そして、巻線9bの
右側を持ち上げるように回転させて突極1aと1bの間
にH’側を入れる。このときも、巻線9bが図6の説明
の通りの第4形状となっていれば、隣接する突極1a及
び1cの先端部の角に当たらずに挿入が可能である。次
に、挿入した巻線9bを当初ずらしておいた巻線9cの
位置に合わせてずらし、同時に先に挿入してある巻線9
aも巻線9bに合わせて突極1bの方向にずらす。次
に、巻線9fを巻線9bと同様の手順で挿入し、巻線9
eを突極1fの方向にずらす。最後に、巻線9dを取り
付ける。まず、原点Hを合わせ、回転させるまでは巻線
9b及び9fと同様であるが、そのまま回転させていっ
てもずらしてある巻線9cがあるため入らない。そこ
で、巻線9dは途中まで回転させたら一旦ステータ1内
壁面から浮かせ、突極1c及び1eに当たらない範囲で
水平にする。その状態で、巻線9c〜9eまでの既に挿
入してある巻線の位置を本来の位置に戻し、最後に巻線
9dを突極1dと平行に下げて巻線9cと9eの間に挿
入する。以上の操作で第3及び第4形状の巻線を取り付
ける。
【0055】次に、第2形状の巻線を取り付け、最後
に、第1形状の巻線を取り付けるが、第3及び第4形状
の巻線は第1及び第2形状の巻線と干渉しない形状にし
てあるので、第1実施例と同様に取り付ければよい。動
作は、従来例及び第1実施例のSRモータと同様であ
る。但し、1相の巻き回数は、図7の従来例が214
回、図1の第1実施例が244回であったが、本実施例
では、129回(巻線2a)+5回(巻線9a)+11
5回(巻線2d)+19回(巻線9d)=268回とな
り、第1実施例に対して10%、従来例に対して25%
の巻き回数増加が図られている。従って、同じ電流を相
に流した場合に発生する磁束量、即ち、トルクを増加す
ることができるため、より小さなサイズのモータとして
も同じトルクを発生させることが可能となる。
【0056】また、第1実施例では、巻数の異なる2個
の巻線で相を形成していたので、巻線作業及び取り付け
作業は容易であるが、相数が偶数の場合は同じ形状の巻
線が組になってしまうため、奇数個の相の場合しか適用
できなかった。ところが、第2実施例では、巻線の数が
4個であり、多少の調整で各突極の巻数を同じにするこ
とが可能であり、本実施例でも突極1aに設けた巻線は
前記の通り134回、1dに設けた巻線も134回で一
致している。従って、偶数個の相の場合でもよく、どの
ようなSRモータにも適用可能である。
【0057】以上説明したように、本発明では、SRモ
ータの各相の巻線を2以上の複数の異なる巻線に分割
し、その代わりに夫々の巻線の形状を最適化して順々に
組み付け、最後にそれらを接続することで相としての巻
数を増やす、という構成としたことにより、実際に組み
立てが可能で、各相の発生するトルクは一定でありなが
ら、突極間のスペースにおける線の占める割合を高くす
ることができる。従って、ステータ形状を小さくしても
多くの巻線を巻くことができるため、モータの小型化、
即ち、アクチュエータの小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電動モータの巻線構造の第1実
施例を示す断面図
【図2】 同上の第1形状及び第2形状の巻線の形状を
説明する詳細図
【図3】 同上の第1形状の巻線の形成方法の一例を示
し、(a) は第1形状の巻線型を示す斜視図、(b) は第1
形状の巻線の断面形状を示す断面図
【図4】 同上の第2形状の巻線の形成方法の一例を示
し、(a) は第2形状の巻線型を示す斜視図、(b) は第2
形状の巻線の断面形状の一例を示す断面図、(c) は第2
形状の巻線の断面形状の他の一例を示す断面図
【図5】 本発明に係る電動モータの巻線構造の第2実
施例を示す断面図
【図6】 同上の第3形状及び第4形状の巻線の形状を
説明する詳細図
【図7】 従来の電動モータの巻線構造を示す断面図
【符号の説明】
1 ステータ 1a〜1f 突極 2a,2c,2e 第1形状の巻線 2b,2d,2f 第2形状の巻線 3 ロータ 3a〜3d 突極 5 巻線型 5a〜5d 巻線型 7 巻線型 7a〜7d 巻線型 9a,9c,9e 第3形状の巻線 9b,9d,9f 第4形状の巻線

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周方向に複数の突極が略等間隔に形成さ
    れたステータと、該ステータの夫々の突極に巻き回され
    る巻線と、前記ステータの内周部でかつ同軸上に配設さ
    れる外周方向の突極が形成されたロータと、を含んで構
    成され、前記ステータの対向する突極に巻き回される巻
    線が直列に接続されて1つの相が形成される電動モータ
    において、 前記相を形成する巻線を、巻き形状の異なる複数の巻線
    から構成したことを特徴とする電動モータの巻線構造。
  2. 【請求項2】前記相の数が奇数個の電動モータにあって
    は、 前記相は巻数が異なる2種類の巻線から構成され、前記
    ステータに形成される隣接する突極には、夫々巻数の異
    なる巻線が巻き回される構成であることを特徴とする請
    求項1記載の電動モータの巻線構造。
  3. 【請求項3】前記巻数が異なる2種類の巻線は、前記ス
    テータに形成された突極への取付時に、隣接する突極と
    非干渉形状に巻き形成された第1形状の巻線と、該第1
    形状の巻線及び第1形状の巻線が取り付けられる突極と
    非干渉形状に巻き形成された第2形状の巻線と、から構
    成されることを特徴とする請求項2記載の電動モータの
    巻線構造。
  4. 【請求項4】前記第1形状の巻線は、該第1形状の巻線
    が取り付けられる自突極の一側面を表わす第1の直線
    と、前記ステータの内周面を表わす第1の円弧と、前記
    第1の直線と平行で、かつ、隣接するステータの突極の
    先端部の角と所定のクリアランスを設けた第2の直線
    と、前記第1の直線と垂直で、かつ、前記自突極の先端
    部の角よりステータ外周方向の点を通る第3の直線と、
    で構成される略長方形形状の領域内に形成され、 前記第2形状の巻線は、該第2形状の巻線が取り付けら
    れる自突極の一側面を表わす第4の直線と、前記ステー
    タの内周面を表わす第2の円弧と、前記第4の直線と平
    行で、かつ、隣接するステータの突極の先端部の角と所
    定のクリアランスを設けた第5の直線と、ステータに形
    成された隣接する突極の一側面と平行で、かつ、自突極
    の先端部の角よりステータ外周方向の点を通る第6の直
    線と、で構成される略台形形状の領域内に形成されるこ
    とを特徴とする請求項3記載の電動モータの巻線構造。
  5. 【請求項5】前記相の数は3相であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の電動モータの巻線
    構造。
  6. 【請求項6】前記相は巻数が異なる3種類以上の巻線か
    ら構成され、前記ステータの夫々の突極に巻き回される
    巻線の巻数が同一となるように、前記巻線を組み合わせ
    て構成されることを特徴とする請求項1記載の電動モー
    タの巻線構造。
  7. 【請求項7】前記相が巻数が異なる4種類の巻線から構
    成される電動モータにあっては、 前記4種類の巻線は、前記ステータに形成された突極へ
    の取付時に、隣接する突極と非干渉形状に巻き形成され
    た第1形状の巻線と、該第1形状の巻線及び第1形状の
    巻線が取り付けられる突極と非干渉形状に巻き形成され
    た第2形状の巻線と、前記第1形状の巻線の周囲に巻き
    回され、その取付時に隣接する突極の先端部の角と非干
    渉形状に巻き形成された第3形状の巻線と、前記第2形
    状の巻線の周囲に巻き回され、その取付時に隣接する突
    極の先端部の角と非干渉形状に巻き形成された第4形状
    の巻線と、から構成されることを特徴とする請求項6記
    載の電動モータの巻線構造。
  8. 【請求項8】内周方向に複数の突極が略等間隔に形成さ
    れたステータと、該ステータの夫々の突極に巻き回され
    る巻線と、前記ステータの内周部でかつ同軸上に配設さ
    れる外周方向の突極が形成されたロータと、を含んで構
    成され、前記ステータの対向する突極に巻き回される巻
    線が直列に接続されて1つの相が形成されると共に、前
    記相の数が奇数個の場合には、該相を形成する巻線を巻
    形状及び巻数の異なる第1形状の巻線及び第2形状の巻
    線から構成する電動モータにおいて、 前記第1形状の巻線を、該第1形状の巻線が取り付けら
    れる自突極の一側面を表わす第1の直線と、前記ステー
    タの内周面を表わす第1の円弧と、前記第1の直線と平
    行で、かつ、隣接するステータの突極の先端部の角と所
    定のクリアランスを設けた第2の直線と、前記第1の直
    線と垂直で、かつ、前記自突極の先端部の角よりステー
    タ外周方向の点を通る第3の直線と、で構成される略長
    方形形状の領域内に巻き形成し、 前記第2形状の巻線を、該第2形状の巻線が取り付けら
    れる自突極の一側面を表わす第4の直線と、前記ステー
    タの内周面を表わす第2の円弧と、前記第4の直線と平
    行で、かつ、隣接するステータの突極の先端部の角と所
    定のクリアランスを設けた第5の直線と、ステータに形
    成された隣接する突極の一側面と平行で、かつ、自突極
    の先端部の角よりステータ外周方向の点を通る第6の直
    線と、で構成される略台形形状の領域内に巻き形成する
    ことを特徴とする電動モータの巻線形成方法。
  9. 【請求項9】前記第1形状の巻線を、前記第1の直線、
    第1の円弧及び第3の直線を規定した巻線型を用い、前
    記第2の直線で規定される高さまで前記巻線型の最下層
    から順次線を巻き回して第1形状を形成した後、該第1
    形状を固定し前記巻線型を取り外して形成することを特
    徴とする請求項8記載の電動モータの巻線形成方法。
  10. 【請求項10】前記第1形状の巻線型を、該巻線型に巻
    き回された巻線と共に前記ステータの突極に嵌合するこ
    とを特徴とする請求項9記載の電動モータの巻線形成方
    法。
  11. 【請求項11】前記第2形状の巻線を、前記第4の直
    線、第2の円弧及び第4の直線と第6の直線との交点を
    規定した巻線型を用い、前記第5の直線で規定される高
    さまで前記第6の直線に巻端を合わせつつ、前記巻線型
    の最下層から順次線を巻き回して第2形状を形成した
    後、該第2形状を固定し前記巻線型を取り外して形成す
    ることを特徴とする請求項8記載の電動モータの巻線形
    成方法。
  12. 【請求項12】前記第2形状の巻線型を、該巻線型に巻
    き回された巻線と共に前記ステータの突極に嵌合するこ
    とを特徴とする請求項11記載の電動モータの巻線形成
    方法。
  13. 【請求項13】内周方向に複数の突極が略等間隔に形成
    されたステータの対向する突極に巻き回される巻線が直
    列に接続されて1つの相が形成される電動モータにおい
    て、 前記相を形成する巻線を2以上の異なる巻線に分割する
    と共に、夫々の巻線の形状を最適化して巻線の巻数を増
    やす構成としたことを特徴とする電動モータの巻線構
    造。
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