JPH10172061A - カップ式飲料自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各ノズルの取り付けを容易に能率よく行なう
ことができるとともに、各ノズルを所定の位置に的確に
位置決めしてその先端部とカップとの位置的関係を常に
適正に保つことができるカップ式飲料自動販売機を提供
する。 【解決手段】 搬送装置１４を介してカップ保持ユニッ
ト１３を駆動させ、このカップ保持ユニットで機体１内
の所定のポジションからカップを受け取り、このカップ
をベンドステージ１１に搬送移動し、このベンドステー
ジに搬送したカップ内に、複数のノズル７７，７９，８
１，８３を用いて所定の液体を注入する自動販売機にお
いて、ベンドステージの上方に、カップ内の内容物を撹
拌するための上下動自在のインペラ６６を有した撹拌装
置６０を配設し、この撹拌装置６０の下部側外周にノズ
ル取付板６９を一体的に設け、この取付板６９を介して
インペラを中心とする外周に前記複数のノズルを集約し
て配置させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、コーヒー、ココ
ア、紅茶あるいはシロップ等の各種の粉末原料や液体原
料と熱湯、冷水等とをカップ内で撹拌混合して所定の飲
料を調合し、この調合した飲料をカップを介して販売す
るカップ式飲料自動販売機に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の飲料自動販売機においては、前
面が開放する箱形状の機体内に、カップを保持するカッ
プ保持ユニットおよびこのカップ保持ユニットを所定の
各ポジションに巡回搬送する搬送装置、前記カップ保持
ユニットに各種のサイズのカップを供給するカップ供給
装置、そのカップ内に各種の粉末の原料を供給する原料
供給装置、カップ内に希釈用の湯や水を供給する湯水供
給装置、カップ内に氷粒を供給する氷粒供給装置、カッ
プ内の内容物を撹拌する撹拌装置等が設けられている。

【０００３】そして機体の前面の開放部にベンドステー
ジが設けられ、また機体の前面の一側縁に横開き式の開
閉扉が取り付けられ、この開閉扉に前記ベンドステージ
に対向して合致する商品取出口が形成されている。

【０００４】飲料の販売時には、まず搬送装置を介して
カップ保持ユニットがカップ供給装置の下方に搬送さ
れ、このポジションでカップ供給装置から所定のサイズ
のカップがカップ保持ユニットに排出される。

【０００５】次に、カップを保持したカップ保持ユニッ
トが原料供給装置の下方に搬送され、このポジションで
前記カップ内に所定の原料が供給される。この後、カッ
プ保持ユニットがベンドステージの内側に搬送され、こ
のポジションにおいてカップ内に熱湯、冷水等が供給さ
れ、さらに撹拌装置により撹拌混合され、これにより所
定の飲料が調合される。そしてこのカップを自動販売機
の利用者が開閉扉の商品取出口を通して取り出すもので
ある。

【０００６】ベンドステージには、カップ内に熱湯を注
入するノズル、冷水を注入するノズル、シロップを注入
するノズル、氷粒を投入するノズル等の各種のノズルが
配設され、これらノズルを通してベンドステージに配置
するカップ内に熱湯、冷水、シロップ等の液体や氷粒等
が供給される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来におい
ては、自動販売機の製造組立時に、液体を注入したり氷
粒を投入するための各ノズルをベンドステージに個々別
々に取り付けており、このためその取り付けに手間がか
かり、作業能率が低下し、また取り付けた各ノズルの位
置がばらつき、ノズルの先端部とカップとの位置的関係
にずれが生じてしまう恐れがある。

【０００８】この発明はこのような点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、各ノズルの取り付
けを容易に能率よく行なうことができるとともに、各ノ
ズルを所定の位置に的確に位置決めしてその先端部とカ
ップとの位置的関係を常に適正に保つことができるカッ
プ式飲料自動販売機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明はこのような目
的を達成するために、自動販売機の機体内にベンドステ
ージが設けられ、選択信号に基づき搬送装置を介してカ
ップ保持ユニットを駆動させ、このカップ保持ユニット
で機体内の所定のポジションから少なくともカップを受
け取り、このカップを前記ベンドステージに搬送移動
し、このベンドステージに搬送したカップ内に、複数の
ノズルを用いて熱湯や冷水等の所定の液体を注入して所
定の飲料を調合するカップ式飲料自動販売機において、
前記ベンドステージの上方に、カップ内の内容物を撹拌
するための上下動自在のインペラを有した撹拌装置を配
設し、この撹拌装置の下部側外周にノズル取付板を一体
的に設け、この取付板を介して前記インペラを中心とす
る外周に前記複数のノズルを集約して配置させたもので
ある。

【００１０】そして請求項２に記載の発明では、ベンド
ステージの上方に配置する撹拌装置と、ノズル取付板
と、各ノズルを一体的なユニット品として組立てあり、
また請求項３に記載の発明では、ノズル取付板には、氷
粒をカップ内に案内投入させる下方が開口した氷ホッパ
ーを、上昇待機位置にあるインペラを包囲した状態で取
着し、この氷ホッパーとともに複数のノズルをノズル取
付板に取着配置させてある。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図１は自動販売機の外観
を示す正面図、図２は自動販売機の機体内の構成を示す
正面図、図３は自動販売機の機体内の構成を示す平面図
である。

【００１２】この自動販売機の機体１は前面が開放する
箱形状をなし、この機体１の例えば向かって左側の一側
縁にヒンジ２を介して開閉扉３が回動自在に枢着され、
この開閉扉３により機体１の前面の開放部が開閉される
ようになっている。

【００１３】開閉扉３の前面には、購入用のコインを投
入する投入口４、その釣り銭を返却する返却口５、購入
する飲料の種類や内容を選択する複数のセレクションボ
タン６…、購入したカップ入りの飲料を取り出す商品取
出口７等が設けられている。

【００１４】機体１の前面の開放部には、その右側から
中央寄りに位置した部分において、ほぼ垂直に延びる支
柱１０が機体１の天井部から底板部に渡って架設されて
いる。そしてこの支柱１０の上下のほぼ中間部にベンド
ステージ１１が取り付けられている。このベンドステー
ジ１１は支柱１０の左側に取り付けられていて、このベ
ンドステージ１１の前端部に、開閉扉３の閉扉状態にお
いて、商品取出口７が対向して配置している。

【００１５】機体１の内部には、前記支柱１０を境とす
る左側における奥方の上部に、原料供給装置としての複
数のキャニスタ１２…が横に並列して設けられている。
そして各キャニスタ１２…内にコーヒー、ココア、紅
茶、砂糖、クリーム等の各種の粉末原料がそれぞれ収容
されている。

【００１６】また、各キャニスタ１２…の前方側の下方
の空間部には、カップ保持ユニット１３およびこのカッ
プ保持ユニット１３を水平なＸＹ方向に移動させて所定
の各ポジションに巡回搬送する搬送装置１４が設けられ
ている。

【００１７】この搬送装置１４は、図５に示すように、
機体１の左右方向に沿う一対の固定レール１５，１５
と、これら固定レール１５，１５間に掛け渡され、固定
レール１５，１５の長手方向（Ｘ方向）に沿って移動す
る可動レール１６とを備え、前記可動レール１６の上に
カップ保持ユニット１３が設けられ、このカップ保持ユ
ニット１３が可動レール１６の長手方向（Ｙ方向）に沿
って移動するようになっている。

【００１８】カップ保持ユニット１３は、駆動機器（図
示せず）を収納したケース３０を備え、このケース３０
の前面から一対のハンドアーム３１，３１とカップステ
ージ３２とが突出し、ハンドアーム３１，３１の上方か
らカップが供給されたときに、そのカップの底部が前記
カップステージ３２で支持されるとともに、前記一対の
ハンドアーム３１，３１が前記駆動機器による駆動で左
右に開閉してそのカップの上部の両側を挟んで保持する
ようになっている。

【００１９】前記支柱１０の上部にはヒンジ３５を介し
てカップ供給装置３６が取り付けられ、このカップ供給
装置３６内に各種のサイズの多数のカップが収納されて
いる。このカップ供給装置３６はヒンジ３５を支点にし
て垂直軸回り方向に回動可能に支持され、この回動動作
でカップ供給装置３６が機体１内における各キャニスタ
１２…の前方で、かつ搬送装置１４の上方となる空間部
に配置する図３に示す格納状態と、この格納状態からカ
ップ供給装置３６を機体１の前方側に引き出して配置さ
せる図４に示す引き出し状態とに変位させることができ
るようになっている。なお、カップ供給装置３６の背部
には複数のキャニスタ３７…が取り付けられ、これらキ
ャニスタ３７…内に粉末原料が収容されている。

【００２０】前記搬送装置１４の下方には、図２に示す
ように水平にドレンパン３８が設けられ、さらにこのド
レンパン３８の下方には冷却水槽３９が設けられ、この
冷却水槽３９内にシロップタンク４０が設けられ、この
シロップタンク４０内にシロップ原液が収容されてい
る。また機体１の前面の開放部に炭酸ボンベ４１が配設
されている。

【００２１】機体１内の奥方上部のほぼ中央部には氷粒
を製造する製氷器４２が、また機体１の奥方上部の右端
部には温水タンク４３がそれぞれ設けられている。さら
に、機体１内における支柱１０を境とする右側のスペー
スには、レギュラーコーヒーの製造装置４８が設けられ
ている。

【００２２】このレギュラーコーヒーの製造装置４８
は、一対のキャニスタ４９，４９と、これらキャニスタ
４９，４９の下方に配置したコーヒーミル５０と、この
コーヒーミル５０の下方に配置したブルワー５１とで構
成され、前記各キャニスタ４９，４９内に品種の異なる
コーヒー豆が収容されている。そして所定の信号に基づ
いてそのいずれか一方のキャニスタ４９内のコーヒー豆
がシュート５２を介してコーヒーミル５０内に供給さ
れ、このコーヒーミル５０によりコーヒー豆が挽かれて
挽き粉となり、この挽き粉がブルワー５１内に供給され
る。

【００２３】さらにブルワー５１内には前記温水タンク
４３から熱湯が供給され、この熱湯により挽き粉が煎じ
られてコーヒー液となり、このコーヒー液がペーパーフ
ィルタ５３を通して抽出されるものである。

【００２４】なお、前記ペーパーフィルタ５３は、ロー
ル状に巻かれていて、その必要な長さだけ順次引き出さ
れて使用され、使用済の部分がブルワー５１の下方に配
置したカスバケツ５４内に順次廃棄されるようになって
いる。

【００２５】支柱１０に取り付けられた前記ベンドステ
ージ１１は、図６および図７に示すように、前後面が開
放するボックス状をなし、このベンドステージ１１にお
ける底板５８の後縁部には前記カップ保持ユニット１３
におけるカップステージ３２に対応するほぼＵ字形の切
欠部５９が形成されている。

【００２６】そして、搬送装置１４によりカップ保持ユ
ニット１３がベンドステージ１１の背部のベンドポジシ
ョンに搬送されたときに、カップ保持ユニット１３のカ
ップステージ３２が前記切欠部５９内に進入して合致
し、そのカップステージ３２の上のカップがベンドステ
ージ１１の内部に配置するようになっている。

【００２７】支柱１０には、ベンドステージ１１の上方
部に位置するように撹拌装置６０が取り付けられてい
る。この撹拌装置６０は、下端が開口したケース６１
と、このケース６１内に設けられた第１のモータ６２
と、この第１のモータ６２に駆動されて回転するエンド
レスベルト６３と、このエンドレスベルト６３に連動し
て上下に昇降する第２のモータ６４と、この第２のモー
タ６４に取り付けられた上下に長いインペラシャフト６
５と、このインペラシャフト６５の下端に一体的に設け
られたインペラ６６とで構成されている。そして前記ケ
ース６１が複数のねじ６７…を介して支柱１０の側面に
取り付けられている。

【００２８】撹拌装置６０の下端部にはノズル取付板６
９および氷ホッパー７０が取り付けられている。ノズル
取付板６９は撹拌装置６０の下部側外周に取り付けられ
ている。氷ホッパー７０は、図７ないし図９に示すよう
に、ほぼロート状をなし、その下端の開口が排出口７１
となっている。そして氷ホッパー７０の上部の一側部に
前記排出口７１に向かって斜め下方に傾斜するシュート
部７２が形成され、また前記シュート部７２の傾斜先端
側に面する氷ホッパー７０の内壁面に、上下方向に沿っ
て連続するリブ７３が一体に突出形成されている。そし
て前記製氷器４２から導出されたホース７４が前記シュ
ート部７２に接続されている。

【００２９】前記氷ホッパー７０の下端部は、ベンドス
テージ１１の上面からその内側に突出していて、ベンド
ステージ１１内にカップが配置したときにそのカップの
開口部が前記排出口７１に対向するようになっている。
そして前記撹拌装置６０のインペラシャフト６５が第２
のモータ６４と一体に下降したときに、その下端のイン
ペラ６６が前記氷ホッパー７０の内部を通過してベンド
ステージ１１に配置しているカップ内に進入するととも
に、このインペラ６６が第２のモータ６４に駆動されて
回転し、この回転でカップ内の内容物が撹拌されるよう
になっている。

【００３０】前記ノズル取付板６９には、前記温水タン
ク４３にホース７６を介して連通した熱湯ノズル７７
と、水源（図示せず）にホース７８を介して連通した冷
水ノズル７９と、前記シロップタンク４０にホース８０
を介して連通したシロップノズル８１と、前記ブルワー
５１にホース８２を介して連通したコーヒーノズル８３
とが、前記撹拌装置６０におけるインペラ６６を中心と
する外周に配置するようにそれぞれ取り付けられてい
る。

【００３１】これらノズル７７，７９，８１，８３の先
端部はベンドステージ１１の内部に向かって斜めに突出
し、その向きがベンドステージ１１内のカップの開口部
に向くように支持されている。

【００３２】各ノズル７７，７９，８１，８３は、図１
０および図１１（Ａ）に示すように、断面円形の丸パイ
プの先端部をその軸方向に対して斜めにカットし、かつ
その先端部を偏平状に潰してカット面８４の開口が先細
の細長状となるように加工してなる。そしてこれらノズ
ル７７，７９，８１，８３は、図７に示すように、それ
ぞれその先端部のカット面８４が下側を向くように共通
のノズル取付板６９に集約して取り付けられている。な
お、これらノズル７７，７９，８１，８３はそれぞれノ
ズル取付板６９に対してその位置や姿勢を微調整するこ
とができるようになっている。

【００３３】前記撹拌装置６０と、ノズル取付板６９
と、氷ホッパー７０と、各ノズル７７，７９，８１，８
３は、予め一体的なユニット品として組み立てられてい
て、このユニット品が所定の位置に位置決めされてねじ
６７…を介して支柱１０に取り付けられ、この取り付け
後に、氷ホッパー７０のシュート部７２および各ノズル
７７，７９，８１，８３の後端部にそれぞれホース７
２，７３，７５，７７，７９が接続されるものである。

【００３４】前記温水器４３からは、図３および図４に
示すように洗浄用ホース８６が導出され、この洗浄用ホ
ース８６の先端部にシャワーノズル８７が取り付けら
れ、このシャワーノズル８７が機体１内の奥方部に着脱
可能に掛け止められている。また、前記開閉扉３の内面
の上部には操作パネル８８が設けられ、この操作パネル
８８内にマイクロコンピュータ（図示せず）を内蔵した
制御部８９が設けられている。さらに機体１の前面部に
は、開閉扉３の開閉動作を検出する扉スイッチ９０が設
けられている。

【００３５】次に、このカップ式飲料自動販売機の作用
について説明する。飲料の販売待機時においては、図２
および図３に示すように、カップ保持ユニット１３がベ
ンドステージ１１の背部のベンドポジションに配置して
いる。したがってベンドステージ１１の背部側の開口が
カップ保持ユニット１３のケース３０により閉じられ、
このため商品取出口７から機体１の内部に通じる通路が
遮断され、これにより機体１の内部に対する自動販売機
の外部からのいたずらが防止される。

【００３６】自動販売機の利用者が所望の飲料に対応す
るセレクションボタン６を選択して操作すると、その選
択信号に基づいて搬送装置１４を介してカップ保持ユニ
ット１３がカップ供給装置３６の下方のカップ受け入れ
ポジションに搬送される。そしてカップ供給装置３６内
の所定のサイズのカップがカップ保持ユニット１３に供
給され、このカップがカップステージ３２の上に支持さ
れるとともに、一対のハンドアーム３１，３１でその上
部両側が挟着保持される。

【００３７】次に、カップ保持ユニット１３が所定の飲
料の原料が収容されているキャニスタ１２…の下方のポ
ジションに搬送され、このポジションにおいてカップ内
に所定の飲料の粉末原料が供給される。

【００３８】例えば飲料としてホットコーヒーが選択さ
れた場合においては、カップ内にコーヒーの粉末原料が
供給される。そしてこの後、カップ保持ユニット１３が
ベンドステージ１１の背部のベンドポジションに搬送さ
れ、カップ保持ユニット１３のカップステージ３２がベ
ンドステージ１１の切欠部５９内に嵌合し、カップがベ
ンドステージ１１の内部に配置する。

【００３９】ついで、ベンドステージ１１に配置してい
るカップ内に温水タンク４３から熱湯ノズル７７を通し
て所定量の熱湯が注入され、これに引き続いて撹拌装置
６０の第１のモータ６２が駆動されてインペラシャフト
６５が下降し、その下端のインペラ６６がカップ内に進
入するとともに、第２のモータ６４の駆動でインペラ６
６が回転し、この回転でカップ内の内容物が撹拌され、
ホットコーヒーが調合され、この後、インペラシャフト
６５が上昇して当初の位置に戻る。

【００４０】また、飲料としてアイスコーヒーが選択さ
れた場合においては、カップ内にコーヒーの粉末原料が
供給され、このカップがベンドポジションに搬送されて
ベンドステージ１１内に配置した後に、まずカップ内に
温水タンク４３から熱湯ノズル７７を通して粉末原料の
溶解に必要な少量の熱湯が注入される。これに引き続い
て、撹拌装置６０のインペラシャフト６５が下降し、そ
の下端のインペラ６６がカップ内に進入し、このインペ
ラ６６の回転でカップ内の内容物が撹拌される。

【００４１】さらにこの撹拌中において、カップ内に水
源からの冷水が冷水ノズル７６を通して注入されるとと
もに、製氷器４２から氷ホッパー７０を通して氷粒が投
入される。そしてこれらの内容物がインペラ６６で撹拌
され、この撹拌でアイスコーヒーが調合され、この後、
インペラシャフト６５が上昇して当初の位置に戻る。

【００４２】飲料としてシロップが選択された場合に
は、カップ保持ユニット１３がカップの受け入れポジシ
ョンにおいてカップを保持した後に、このカップ保持ユ
ニット１３がカップと共にベンドポジションに戻り、カ
ップがベンドステージ１１内に配置する。そしてこのカ
ップ内にシロップタンク４０からシロップノズル８１を
通してシロップ原液が所定量注入されるとともに、水源
から冷水ノズル７６を通して冷水が注入され、あるいは
炭酸ボンベ４１内の炭酸ガスに基づいて生成された炭酸
入りの冷水が冷水ノズル７６を通して注入される。

【００４３】このようにして各種の飲料がカップ内で調
合された後に、自動販売機の利用者が開閉扉３の商品取
出口７内に手を差し込んで前記カップを取り出すもので
ある。

【００４４】なお、レギュラーコーヒーが選択された場
合には、カップ保持ユニット１３がカップの受け入れポ
ジションにおいてカップを保持した後に、このカップ保
持ユニット１３がベンドポジションに戻ってカップがベ
ンドステージ１１内に配置し、またブルワー５１により
レギュラーコーヒーが抽出され、このレギュラーコーヒ
ーがコーヒーノズル８３を通してベンドステージ１１の
カップ内に注入される。

【００４５】製氷器４２による氷粒の供給時には、まず
製氷器４２からホース７６を通して氷ホッパー７０のシ
ュート部７２に所定量の氷粒が送り出される。この送り
出された氷粒は、シュート部７２から氷ホッパー７０の
排出口７１に向かって勢いよく滑り落ち、排出口７１か
らその下方のカップ内に進入する。

【００４６】氷粒がシュート部７２から排出口７１に移
動するときには、その氷粒が排出口７１の上部側におけ
る氷ホッパー７０の内壁面に沿って旋回しながら移動す
る場合があり、この場合にはその旋回の勢いで氷粒が排
出口７１からその外周側に向かって飛び散るように落下
してその一部がカップの外周囲側に散らばり、カップ内
に的確に進入しないような不都合が生じる。

【００４７】しかしながら、本実施形態においては、シ
ュート部７２の傾斜先端側に面する氷ホッパー７０の内
壁面に、上下方向に沿って連続するリブ７３が突出形成
されており、このため氷粒がシュート部７２から排出口
７１に向かって旋回しながら移動しようとしても、その
旋回が前記リブ７３により抑制され、したがって氷粒は
排出口７１からその下方にほぼ垂直に落下して全量がカ
ップ内に的確に進入する。

【００４８】カップ内に熱湯や冷水等の液体を注入する
各ノズル７７，７９，８１，８３は、その先端のカット
面８４が下側を向き、かつそのカット面８４の開口が先
細の細長状に加工されているから次のような利点があ
る。

【００４９】各ノズル７７，７９，８１，８３から液体
が流出するときには、最初は速い流速で勢いよく流出す
るが、その流出の終了の間際においては流出量がごく僅
かとなる。

【００５０】ここで、図１１（Ｂ）に示すように、断面
円形の丸パイプの先端部をその軸方向に対して斜めにカ
ットしただけのノズルａを、そのカット面ｂが下側を向
くように配置した場合においては、このノズルａの先端
のカット面ｂの開口から少量の液体が流出するときに、
その液体がノズルａの開口の縁を伝わってその縁の各部
に不規則に動き回り、このためその縁の種々の位置から
液体が滴下する。

【００５１】これに対し、本実施形態の各ノズル７７，
７９，８１，８３においては、断面円形の丸パイプの先
端部をその軸方向に対して斜めにカットし、かつこの先
端部を偏平状に潰してカット面８４の開口が先細の細長
状となるように加工してあり、したがって少量の液体が
カット面８４の先細状の開口から流出する際に、その開
口の縁を伝わってカット面８４の先端側に流動し、その
先端部の一点から順次下方に滴下する。

【００５２】各ノズル７７，７９，８１，８３の先端部
はなるべくカップの中心部寄りに配置させることが好ま
しいが、しかしカップの中心部の直上には比較的外径の
大きい氷ホッパー７０が配置しているから、この氷ホッ
パー７０により各ノズル７７，７９，８１，８３の配置
の位置が制約される。

【００５３】ここで、図１２に示すように、カット面８
４が下側を向くように設けられた本実施形態におけるノ
ズル７７，７９，８１，８３の先端部の位置Ｐと、図に
鎖線で示すように、カット面Ｃが上側を向くように設け
られたノズルＮとを比較すると、前記ノズルＮはその一
部が氷ホッパー７０に接触して実際にはその配置が困難
となり、したがって前記ノズルＮの場合にはカップの中
心部から遠ざかる方向に離さなければならず、結果とし
て本実施形態におけるノズル７７，７９，８１，８３は
前記ノズルＮよりもカップの中心部側に配置させること
ができる。そしてノズル７７，７９，８１，８３から流
出する液体の量が減少したときには、その液体がノズル
７７，７９，８１，８３のカット面８４の先端部から滴
下し、このため液体を常に的確にカップ内に進入させる
ことができる。

【００５４】一方、各キャニスタ１２…に対する粉末原
料の補給やカップ供給装置３６に対するカップの補給、
あるいは機体１内に対する清掃やメンテナンスの場合に
は、図４に示すように、まず開閉扉３をヒンジ２を支点
にして機体１の前方左側に回動して開く。

【００５５】次に、各キャニスタ１２…の前方の空間部
に配置しているカップ供給装置３６を、支柱１０に取り
付けられたヒンジ３５を支点にして機体１の前方右側に
回動して引き出す。この引き出しにより各キャニスタ１
２…の前方の空間部およびカップ供給装置３６の周囲が
開放され、したがってこの状態において、各キャニスタ
１２…に対する粉末原料の補給やカップ供給装置３６に
対するカップの補給、あるいは機体１内に対する清掃や
メンテナンスを容易に能率よく行なうことができる。

【００５６】開閉扉３が閉じられているときには、カッ
プ保持ユニット１３はベンドステージ１１の背部に配置
しているが、開閉扉３が開いたときには、これに連動し
て扉スイッチ８９が動作し、この扉スイッチ８９の動作
の信号により搬送装置１４を介してカップ保持ユニット
１３がその搬送エリアの中央部、つまり各キャニスタ１
２…の前方側空間部の中央部分に搬送される。

【００５７】カップ保持ユニット１３を洗浄する場合に
は、洗浄用ホース８６を引き出し、バルブ（図示せず）
を開いてシャワノズル８７から熱湯を噴射させ、この熱
湯でカップ保持ユニット１３を洗浄する。この際、カッ
プ保持ユニット１３は各キャニスタ１２…の前方側空間
部の中央部分に配置しているから、このカップ保持ユニ
ット１３の周囲を容易に的確に洗浄することができる。
なお、洗浄による廃液は、ドレンパン３８で受け止めら
れ、このドレンパン３８から所定の廃棄部に排出され
る。

【００５８】カップ内に熱湯や冷水等の液体を注入する
各ノズル７７，７９，８１，８３は、撹拌装置６０のケ
ース６１に設けられた共通のノズル取付板６９に集約し
て取り付けられている。そしてこれら撹拌装置６０とノ
ズル取付板６９と各ノズル７７７９，８１，８３とが予
め一体的なユニット品として組み立てられていて、この
ユニット品がねじ６７…を介して支柱１０に取り付けら
れており、このため各ノズルをベンドステージ１１に個
々別々に取り付けている従来の手段に比べ、その取り付
けを容易に能率よく行なえるとともに、各ノズル７７，
７９，８１，８３を所定の位置に的確に位置決めするこ
とができる。なお、この際、各ノズル７７，７９，８
１，８３はそれぞれノズル取付板６９に対してその位置
や姿勢を微調整することができるように取り付けられて
おり、したがってその微調整でより的確な位置決めの調
整を図ることもできる。

【００５９】このように、各ノズル７７，７９，８１，
８３はその位置を常に適正に規制でき、したがってその
先端部とカップとの位置的関係を適正に保ち、常に的確
に液体をカップ内に注入させることができる。

【００６０】

【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
液体注入用の複数のノズルを共通のノズル取付板に集約
して取り付けるようにしたから、その取り付けを容易に
能率よく行なえるとともに、各ノズルを所定の位置に的
確に位置決めしてその先端部とカップとの位置的関係を
適正に保ち、常に的確に液体をカップ内に注入させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態に係る自動販売機の外観
を示す正面図。

【図２】その自動販売機の機体内の構成を示す正面図。

【図３】その自動販売機の機体内の構成を示す平面図。

【図４】その自動販売機における開閉扉を開き、かつカ
ップ供給装置を引き出した状態を示す平面図。

【図５】その自動販売機におけるカップ保持ユニットの
搬送装置を示す斜視図。

【図６】その自動販売機におけるベンドステージにカッ
プ保持ユニットが接続した状態を示す平面図。

【図７】その自動販売機におけるベンドステージと撹拌
装置とを示す正面図。

【図８】その自動販売機における氷ホッパーを示す断面
図。

【図９】その自動販売機における氷ホッパーを示す平面
図。

【図１０】その自動販売機における液体注入用のノズル
を示す側面図。

【図１１】その自動販売機における液体注入用のノズル
と、他のノズルとを比較して示す下面図。

【図１２】その自動販売機における液体注入用のノズル
における配置上の作用を説明する説明図。

【符号の説明】

１…機体 ３…開閉扉 １１…ベンドステージ １３…カップ保持ユニット １４…搬送装置 ３６…カップ供給装置 ６０…撹拌装置 ６６…インペラ ６９…ノズル取付板 ７７，７９，８１，８３…ノズル

フロントページの続き (72)発明者 中林 孝夫 群馬県前橋市古市町180番地 東芝機器株 式会社内 (72)発明者 鈴木 光雄 群馬県前橋市古市町180番地 東芝機器株 式会社内 (72)発明者 右山 巌 群馬県前橋市古市町180番地 東芝機器株 式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動販売機の機体内にベンドステージが設
   けられ、選択信号に基づき搬送装置を介してカップ保持
   ユニットを駆動させ、このカップ保持ユニットで機体内
   の所定のポジションから少なくともカップを受け取り、
   このカップを前記ベンドステージに搬送移動し、このベ
   ンドステージに搬送したカップ内に、複数のノズルを用
   いて熱湯や冷水等の所定の液体を注入して所定の飲料を
   調合するカップ式飲料自動販売機において、 前記ベンドステージの上方に、カップ内の内容物を撹拌
   するための上下動自在のインペラを有した撹拌装置を配
   設し、この撹拌装置の下部側外周にノズル取付板を一体
   的に設け、この取付板を介して前記インペラを中心とす
   る外周に前記複数のノズルを集約して配置させたことを
   特徴とするカップ式飲料自動販売機。
2. 【請求項２】ベンドステージの上方に配置する撹拌装置
   と、ノズル取付板と、各ノズルは一体的なユニット品と
   して組立てられていることを特徴とする請求項１に記載
   のカップ式飲料自動販売機。
3. 【請求項３】ノズル取付板には、氷粒をカップ内に案内
   投入させる下方が開口した氷ホッパーが、上昇待機位置
   にあるインペラを包囲した状態で取着され、この氷ホッ
   パーとともに複数のノズルがノズル取付板に取着配置さ
   れていることを特徴とする請求項１または２に記載のカ
   ップ式飲料自動販売機。