JPH10169377A - トンネル築造方法及びトンネル掘削機 - Google Patents

トンネル築造方法及びトンネル掘削機

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JPH10169377A
JPH10169377A JP8353623A JP35362396A JPH10169377A JP H10169377 A JPH10169377 A JP H10169377A JP 8353623 A JP8353623 A JP 8353623A JP 35362396 A JP35362396 A JP 35362396A JP H10169377 A JPH10169377 A JP H10169377A
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tunnel
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concrete
excavating
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亨介 三島
Hayatoshi Fujita
早利 藤田
Masahiko Tanaka
雅彦 田中
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  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル掘削機の前方側において掘削された
直後の壁面に該壁面の支保である吹付けコンクリートに
よる一定厚みの覆工層を能率よく施工し、トンネル掘削
機の後方側において行われていた吹付けコンクリートに
よる種々の弊害をなくする。 【解決手段】 トンネル掘削機の後胴部2を既に施工し
たコンクリート覆工層C'にリアグリッパ6を介して支持
させたのち、前胴部1を前進させてその回転カッター板
3の前面に突出している掘削刃14と外周縁部に径方向に
伸縮自在に突出している掘削刃17とによって一定長の大
径のトンネルを掘削し、次いで、前胴部1を後退させた
のち、カッター板3の開口部20から吹付けノズル7を突
出させてカッター板3を回転させながら上記トンネルの
掘削壁面Tに肉厚のコンクリート覆工層Cを吹付け施工
し、この施工と同時に、前胴部1を前進させて上記掘削
刃17を一定長さだけ縮径する方向に調整したカッター板
3の該掘削刃17によりコンクリート覆工層Cを一定厚み
の内周面が平坦なコンクリート覆工層C'に整形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は掘削した周壁面に吹
付けコンクリートによる覆工を施しながらトンネルを築
造する方法とそのトンネル掘削機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】岩盤を全断面で掘削するTBM(トンネ
ルボーリングマシン)は、シールド掘削機のようにスキ
ンプレートを有しない場合でも推進用のスラストジャッ
キや掘削壁面に反力をとるグリッパジャッキなどのジャ
ッキ装置やチャンバーから機内後方に掘削ずりを排出す
るベルトコンベア等を装備している関係上、機内が狭く
なっているために、吹付けコンクリートによる掘削壁面
を支保するための覆工作業は、一般に作業空間の広いT
BM後方空間部において行っている。
【0003】一方、薄い粘土層や破砕帯が存在したり亀
裂が発達した地山は外圧に対して脆く、このような地山
をTBMで掘削すると、TBMの後方での支保作業時に
おいて掘削壁面の緩みによる肌落ち(崩落)が発生し、
その肌落ちした土砂の撤去作業や壁面の修復作業を必要
とするばかりでなく、修復するための材料のロスが生じ
て不経済であり、その上、リバンウドする吹付けコンク
リートによる作業環境の悪化やそのリバウンド材の撤去
作業を必要とする等の問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような肌落ちの
原因としては、カッター板により掘削された周壁面がT
BMの後方に露出するまでに弛緩することや、TBMの
フロントグリッパーおよびメイングリッパーによる押圧
力、さらには、急激な方向制御によるTBMの胴部と掘
削壁面との摺接や、剥離状態の岩塊がカッター板に設け
ているスクレーパに取り込まれなく掘削壁面に残存する
ことなどがあげられる。大規模な肌落ちが予想される地
山を掘削するには、カッター板の前方地盤を事前に改良
することが行われているが、上記のような比較的小規模
な肌落ちが発生し易い地山にこのような前方地盤の改良
を施すことは不経済であるばかりでなく、作業能率が著
しく低下するという問題点がある。
【0005】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところはカッター板により掘
削された直後の周壁面に該周壁面を支保するためのコン
クリート吹付けによる覆工を施して掘削壁面の緩みによ
る肌落ちを生じさせることなく円滑且つ精度よく施工し
得るトンネル築造方法とこの方法に使用するトンネル掘
削機を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るトンネル築造方法は、前端
に回転カッター板を配設してなる掘削部に対してトンネ
ル長さ方向に伸縮自在に連結している推進部をトンネル
周壁面に施工している既に硬化したコンクリート覆工層
の内周面に支持させた状態で掘削部を前進させながら上
記回転カッター板の前面に突設している掘削刃と外周縁
部に径方向に伸縮自在に突設している掘削刃とにより掘
削部よりも大径のトンネルを掘削する工程と、所定長さ
のトンネルの掘削後、掘削部を上記推進部側に後退させ
る工程と、掘削部の後退後に上記回転カッター板に装着
した上記トンネル径方向に伸縮自在な掘削刃を収縮させ
た状態で掘削部内から上記カッター板に設けている開口
部を通じてコンクリート吹付けノズルを突出させて上記
カッター板を回転させることにより吹付けノズルを回転
させてトンネル掘削周壁面にコンクリート吹付けること
によりコンクリート覆工層を形成すると共に掘削部を前
進させる工程と、掘削の前進後、掘削部を既に硬化した
コンクリート覆工層に支持させる一方、トンネル周壁面
からの推進部の支持を解いて該推進部を掘削部側に引き
寄せる工程とを繰り返し行うことを特徴とするものであ
る。
【0007】また、請求項2に係るトンネル築造方法
は、前端に回転カッター板を配設してなる掘削部に対し
てトンネル長さ方向に伸縮自在に連結している推進部を
トンネル周壁面に施工している既に硬化したコンクリー
ト覆工層の内周面に支持させた状態で掘削部を前進させ
ながら上記回転カッター板の前面に突設している掘削刃
と外周縁部に径方向に伸縮自在に突設している掘削刃と
により掘削部よりも大径のトンネルを掘削する工程と、
所定長さのトンネルの掘削後、掘削部を上記推進部側に
後退させる工程と、掘削部の後退後に掘削部内から上記
カッター板に設けている開口部を通じてコンクリート吹
付けノズルを突出させて上記カッター板を回転させなが
らトンネル掘削周壁面にコンクリートを吹付けることに
より少なくともトンネル上周部が肉厚部のコンクリート
覆工層を形成する工程と、このコンクリート吹付け工程
と同時に上記カッター板を回転させながら掘削部を前進
させて該カッター板に装着した上記トンネル径方向に伸
縮自在な掘削刃により上記コンクリート覆工層の肉厚部
を切削して上記掘削部が通過可能な内径のコンクリート
覆工層に整形する工程と、該コンクリート覆工層の整形
後、掘削部を既に硬化したコンクリート覆工層に支持さ
せる一方、トンネル周壁面からの推進部の支持を解いて
該推進部を掘削部側に引き寄せる工程とを繰り返し行う
ことを特徴とするものである。
【0008】上記のトンネル築造方法を実施するための
トンネル掘削機は、請求項3に記載したように、掘削す
べきトンネルの径方向に伸縮自在なフロントグリッパを
備えた掘削部と、該掘削部の後方にスラストジャッキを
介してトンネル長さ方向に伸縮自在に連結され且つトン
ネル径方向に伸縮自在なリアグリッパを備えた推進部
と、上記掘削部の前端に回転自在に装着され且つトンネ
ル進行方向の掘削刃とトンネル径方向の掘削刃とを備え
たカッター板と、上記掘削部内に配設された上記カッタ
ー板の回転駆動手段と掘削ずりの搬出手段とを備えてな
るトンネル掘削機であって、上記カッター板に開口部を
設け、この開口部より出没自在で且つその先端がトンネ
ル周壁面に向かって開口したコンクリート吹付けノズル
を掘削部内におけるカッター板の回転中心線上に回転自
在に配設すると共に上記カッター板の装着されたトンネ
ル径方向の掘削刃を進退自在に構成している。
【0009】
【作用】リアグリッパを伸長させて掘削壁面に既に施工
しているコンクリート覆工層の内面に圧着させることに
より推進部を該コンクリート覆工層に支持させたのち、
その支持部に反力をとってスラストジャッキを伸長させ
ることにより掘削部を前進させ、該掘削部の開口前端に
装着した回転カッター板に突設しているトンネル長さ方
向の掘削刃により前方地盤を掘削すると共にカッター板
の外周縁部に配設しているトンネル径方向の掘削刃を突
出させてトンネル全周または少なくともトンネル上半部
を予定径よりも大径に掘削する。一定長のトンネルの掘
削後、上記スラストジャッキを収縮させることにより掘
削部を掘削開始位置まで推進部側に引き戻す。この際、
トンネル径方向の掘削刃を一定長、トンネル内径方向に
収縮させて後述するコンクリート覆工層を所定厚みに切
削し得る突出長に調整しておく。
【0010】次いで、掘削部内から該カッター板に設け
ている開口部を通じてコンクリート吹付けノズルを前方
に突出させてカッター板により掘削された直後のトンネ
ル周壁面にその開口端を向けた状態で該ノズルを前後方
向に移動させると共に回転させながらコンクリートの吹
付けを行うことにより、一定長の上記掘削壁面の全周又
は少なくとも上半部に全長に亘って所定厚みよりも肉厚
のコンクリート覆工層を形成する。
【0011】このコンクリート吹付け工程時に、カッタ
ー板を回転させながらスラストジャッキを伸長させるこ
とにより掘削部を前進させ、カッター板の回転に同調さ
せて該カッター板に設けている開口部から突出した上記
コンクリート吹付けノズルをカッター板の回転中心線上
で一体的に回転させながら上記コンクリートの吹付けを
行わせると共に掘削部の前進によって上記のようにトン
ネル径方向の突出長を調整された掘削刃によって肉厚の
コンクリート覆工層を所定厚みのコンクリート覆工層に
切削、整形し、このコンクリート覆工層の内周面と掘削
部間にこの掘削部と推進部とが通過可能な隙間を確保す
る。なお、トンネル径方向に伸縮自在な上記掘削刃の掘
削部からの突出長の調整は、掘削部を前進させる直前に
行ってもよい。
【0012】しかるのち、掘削部のフロントグリッパを
径方向に伸長させて掘削壁面の既に硬化しているコンク
リート覆工層に圧着させることにより、該掘削部を支持
させる一方、推進部のリアグリッパを収縮させて掘削壁
面に施工しているコンクリート覆工層に対する該推進部
の支持を解き、次いで、スラストジャッキを収縮させる
ことにより推進部を掘削部側に一定長、引き寄せる。し
かるのち、再び、リアグリッパを伸長させて推進部を該
コンクリート覆工層に支持させる工程と、フロントグリ
ッパを収縮させると共にスラストジャッキを伸長させる
ことにより掘削部を前進させながらカッター板によって
一定長のトンネルを掘削する工程と、掘削後、上述した
ように掘削部を後退させる工程と、後退後、カッター板
を回転させながら該カッター板から突出させたコンクリ
ート吹付けノズルにより掘削壁面にコンクリート覆工を
施す工程と、この工程と同時に掘削部を前進させてカッ
ター板から突設している径方向の掘削刃によりコンクリ
ート覆工層を一定厚みに整形する工程とを順次繰り返し
行ってトンネルを築造するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態を図
面について説明すると、図1はトンネル掘削機(TB
M)の縦断側面図であって、このトンネル掘削機は、前
端開口部にカッター板3を回転自在に装着した掘削部で
ある断面円形状の前胴部1と、該前胴部1の後端部にト
ンネル長さ方向に伸縮自在に連結している推進部である
断面円形状の後胴部2と、前後胴部1、2間を連結した
スラストジャッキ4と、前後胴部1、2に夫々設けたフ
ロントグリッパ5及びリアグリッパ6と、上記カッター
板3から出没自在に設けられてトンネル掘削壁面Tにコ
ンクリートを吹付けるコンクリート吹付けノズル7を有
するコンクリート供給管8と、カッター板3の回転駆動
手段9と、掘削ずり排出手段であるベルトコンベア10と
から主要部が構成されている。
【0014】上記前胴部1にはその前部内に円環状の前
後隔壁板11、12を張設してあり、この前後隔壁板11、12
間の前胴部1の周壁部数個所にジャッキ13によりトンネ
ル径方向に伸縮する上記フロントグリッパ5を前胴部1
から掘削壁面Tに向かって出没自在に装着している。こ
の前胴部1の前端開口部に配設した上記カッター板3の
前面には、中央部と該中央部から外周方向に所定間隔毎
に前方地盤を掘削する複数個のローラカッタからなる掘
削刃14を装着していると共に該カッター板3の外周縁部
に周方向に一定間隔毎(図においては四方)にトンネル
径方向に向かって斜め前方に開口した凹所15を設けてあ
り、各凹所15内にジャッキ16によって該凹所15からトン
ネル径方向に出没する掘削刃17を配設している。
【0015】さらに、上記カッター板3には、図2に示
すように径方向に装着した掘削刃14に沿って該カッター
板3の前後面間に貫通した土砂取込口18を設けていると
共に各土砂取込口18の1側縁にスクレーパ19を形成して
いる。また、カッター板3の中央部に突設している掘削
刃14の近傍部にカッター板3を貫通した開口部20を設け
てあり、この開口部20の後方に前胴部1内に配設した上
記コンクリート供給管8を臨ませてその先端のコンクリ
ート吹付けノズル7を開口部20から前方に向かって出没
させるように構成している。なお、このカッター板3は
その背面に一体に固着したリング状部材3aを前胴部1の
前側隔壁板11に突設した内外円環部材21、22間に回転自
在に支持させていると共にリング状部材3aの後端面に内
歯車23を固着している。
【0016】上記コンクリート吹付けノズル7はカッタ
ー板3の回転中心線上に管軸を一致させて配設したコン
クリート供給管8の先端に一体に設けられてあり、該コ
ンクリート供給管8の先端から前方に向かって斜めに傾
斜して上記開口部20から出没させるように構成している
と共にノズル先端をトンネル掘削壁面Tに向かって屈曲
させている。コンクリート供給管8は、その前端部を前
胴部1の後側隔壁12にカッター板3の回転中心軸と平行
にして固定したノズル伸縮用ジャッキ24のロッド先端に
固着している軸受部材25に挿通状態で且つ回転自在に支
持されている。この軸受部材25内にモータ(図示せず)
が内装されていると共に該モータの回転軸に固着した小
歯車(図示せず)を軸受部材25内におけるコンクリート
供給管8の前端部に固着して歯車(図示せず)に噛合さ
せてモータの駆動によりコンクリート供給管8をその管
軸回りに回転させるように構成している。また、軸受部
材25の後方側において、コンクリート供給管8に自在継
手26を設けることにより該コンクリート供給管8の後部
側に対して該自在継手26を介して前端部を回転可能に構
成している。
【0017】一方、上記後胴部2はその前部外周面を前
胴部1の後端部内周面に前後摺動自在に挿嵌していると
共に内部に円環状の前後隔壁板27、28を張設してあり、
この前側隔壁板27と上記前胴部1の後側隔壁板12との対
向面間に周方向に一定間隔毎に上記スラストジャッキ4
を配設し、これらのスラストジャッキ4の両端を上記隔
壁板12、27の対向面に連結している。さらに、後胴部2
の前後隔壁板27、28間にはジャッキ(図示せず)により
トンネル径方向に伸縮する上記リアグリッパ6を後胴部
2から掘削壁面Tに向かって出没自在に装着している。
なお、このリアグリッパ6は後胴部2の両側部又は上下
部に設けられている。
【0018】カッター板3の回転駆動手段9は、前胴部
1の前後隔壁板11、12間に固着したカッター板回転駆動
用モータ9aと、このモータ9aの回転軸に固着した小歯車
9bとからなり、該小歯車9bを上記カッター板3の背面に
固着している内歯車23に噛合させているもので、モータ
9aの駆動により小歯車9bと内歯車23を介してカッター板
3を回転させるように構成している。また、掘削ずり排
出手段であるベルトコンベア10は、その前端部を上記カ
ッター板3の背面側空間部に形成した掘削ずり取込室29
の後方部に配設し、該前端部から後胴部2に向かって斜
め上方に傾斜させた状態で配設していると共に、上記取
込室29内にずりの排出シュート30を配設して該排出シュ
ート30の傾斜下端をこのベルトコンベア10の前端部上面
に開口させている。
【0019】以上のように構成したトンネル掘削機によ
ってトンネルを築造する方法を説明すると、前胴部1の
フロントグリッパ5を後述する掘削壁面Tに既に施工し
ているコンクリート覆工層C'に圧着させた状態でスラス
トジャッキ4を収縮させて後胴部2を前胴部1側に引き
寄せたのち、該後胴部2のリアグリッパ6をジャッキの
伸長によってトンネル径方向に押し出すことにより掘削
壁面Tに既に施工しているコンクリート覆工層C'に圧着
させる。このように、リアグリッパ6を介して後胴部2
をコンクタート覆工層C'の内周面に支持させたのち、フ
ロントグリッパ5を収縮させてコンクリート覆工層C'に
対する圧着を解き、カッター板回転駆動用モータ9aを駆
動してカッター板3を回転させると共にスラストジャッ
キ4を伸長させることによりコンクリート覆工層C'側に
前胴部1の推進反力を支持させて該前胴部1を前進させ
ながらカッター板3にトンネル長さ方向に突設している
掘削刃14とトンネル径方向に突設している掘削刃17とに
よって、図3に示すように一定長のトンネルを掘削す
る。
【0020】この際、トンネル径方向の掘削刃17の突出
長をジャッキ16によって調整し、該掘削刃17によって掘
削されるトンネル掘削壁面Tの外径を全周に亘って或い
は少なくとも上半周部を予定径よりも大径となるように
しておく。掘削されたずりはカッター板3の土砂取込口
18から土砂取込室29内に取り込まれると共にスクレーパ
19により攪拌されながら上方に持ち上げられたのち、排
出シュート30を通じてベルトコンベア10の前端部上に落
下し、該ベルトコンベア10によって後方に搬出される。
【0021】一定長のトンネルの掘削後、カッター板3
の回転を停止させると共に上記スラストジャッキ4を収
縮させることにより、図4に示すように前胴部1を掘削
開始位置まで後退させる。その際、トンネル径方向に突
出する掘削刃17を一定長さだけ凹所15内に没入させ、該
掘削刃17の突出長を後述するコンクリート覆工層Cを所
定径に切削し得る突出長に調整しておく。
【0022】次いで、ノズル伸縮用ジャッキ24を作動さ
せてそのロッド先端に固着している軸受部材25を前進さ
せることにより該軸受部材25に挿通、支持されたコンク
リート供給管8のノズル7を前胴部1の開口部20から上
記掘削直後の一定長のトンネル内に突出させ、この状態
で上記ジャッキ24を伸縮させることによりこのノズル7
を掘削壁面Tの長さ方向に前後移動させることによって
上記掘削壁面Tの長さ方向にコンクリートの吹き付けを
行うと共にこの吹き付け作業時にカッター板3を回転さ
せることによりこのカッター板3の回転中心線上に配設
したコンクリート供給管8をその管軸回りに回転させな
がらカッター板3の開口部20から前方に突設した上記ノ
ズル7をカッター板3の回転に同調してコンクリート供
給管8を回転中心として一体的に旋回、回転させ、掘削
壁面Tに対しての周方向のコンクリートの吹付けを行
う。
【0023】このように、吹付けノズル7を前後動及び
トンネル周方向に回転させながらコンクリート供給管8
にコンクリートを供給して掘削壁面Tに掘削壁面Tの全
周或いは少なくとも上半周部に前胴部1よりも小径とな
るまで肉厚のコンクリート覆工層Cを形成すると共に、
このコンクリート覆工層Cを形成しながら後胴部2側に
前胴部1の推進反力を支持させた状態でスラストジャッ
キ4を徐々に伸長させて前胴部1を前進させ、カッター
板3を回転させながら上記のようにトンネル径方向の突
出長を調整された掘削刃17によって肉厚のコンクリート
覆工層Cを所定厚みのコンクリート覆工層C'に切削、整
形し、このコンクリート覆工層C'の内周面と前胴部間に
前後胴部が通過可能な隙間を確保する(図5参照)。
【0024】上記吹付けノズル7のトンネル周方向の回
転は、軸受部材25内に配設したモータを上記カッター板
3の回転量に同調させて駆動させることにより噛合歯車
を介して回転させられるものであるが、軸受部材25内に
モータや噛合歯車を配設することなく、該吹付けノズル
7をカッター板3の回転によってこのカッター板3の開
口部20の側端面に当接させた状態にしてコンクリート供
給管8を中心としてカッター板3と一体的に回転させる
ようにしてもよい。なお、上記のように軸受部材25内に
モータと噛合歯車を配設しておくと、モータを往復回転
させることによって吹付けノズル7を開口部20の開口幅
内でトンネル周方向に往復回動させながら掘削壁面Tに
周方向のコンクリートの吹付けが行えるものである。
【0025】また、このような掘削壁面Tに対するコン
クリートの吹付け作業は、カッター板3による上記一定
長のトンネルの掘削後、該カッター板3を前胴部1と一
体的に後胴部2側に後退させる途中においても行うこと
ができる。この場合、上記のような肉厚のコンクリート
覆工層Cを形成するものではなく、薄肉状態の吹付け層
を施工しておき、カッター板3の後退後において該吹付
け層上に上記のように吹付けノズル7からのコンクリー
トの吹付けにより肉厚のコンクリート覆工層Cを形成し
ながら該コンクリート覆工層Cを掘削刃17によって所定
厚みのコンクリート覆工層C'に切削、整形するものであ
る。
【0026】上記掘削刃14によりコンクリート覆工層の
切削、整形後、前胴部1のフロントグリッパ5をトンネ
ル径方向に突出させて掘削壁面Tに施工された硬化した
コンクリート覆工層C'に圧着させることにより、該前胴
部1を該コンクリート覆工層C'の内面に支持させる一
方、後胴部2のリアグリッパ6を収縮させてコンクリー
ト覆工層C'に対する支持を解き、スラストジャッキ4を
収縮させて図6に示すように後胴部2を一定長、前胴部
1側に引き寄せる。
【0027】しかるのち、再び、上記のように後胴部2
をトンネル掘削壁面Tに既に施工しているコンクリート
覆工層C'にリアグリッパ6を圧着させることにより支持
させた状態でフロントグリッパ5を収縮させたコンクリ
ート覆工層C'に対する圧着を解き、カッター板3を回転
させながらスラストジャッキ4を伸長させることにより
前胴部1を前進させてそのカッター板3の掘削刃14、17
で前胴部1よりも大径のトンネルを掘削する工程と、所
定長さのトンネルの掘削後、スラストジャッキ4を収縮
させて前胴部1を掘削開始位置まで後退させる工程と、
前胴部1の後退後、カッター板3を回転させながら該カ
ッター板3の開口部20から突出させたコンクリート吹付
けノズル7により掘削壁面Tにコンクリート覆工Cを施
す工程と、この工程と同時に前胴部1を前進させてカッ
ター板3から突設している径方向の掘削刃17によりコン
クリート覆工層Cを切削して一定厚みのコンクリート覆
工層C'に整形する工程と、該コンクリート覆工層C'の整
形後、前胴部1をフロントグリッパ5の突出により既に
硬化したコンクタート覆工層C'に支持させる一方、後胴
部2側のリアグリッパ6による支持を解いて該後胴部2
を前胴部1側に一定長、引き寄せる工程とを順次繰り返
し行うことによりトンネルを築造するものである。
【0028 】なお、コンクリート吹付けノズル7によっ
て掘削壁面Tに吹付けた際に発生するリバウンドしたコ
ンクリート材やカッター板3の外周縁から突出したトン
ネル径方向の掘削刃17によって削り取られたコンクリー
ト材の切削くずは、カッター板3の回転によってスクレ
ーパ19でズリ取込室29内に取り込まれ、掘削ずりと共に
スクリューコンベア12によって後方に排出されるもので
ある。また、以上の説明においては、トンネル掘削機の
掘削部と推進部として外周をスキンプレートで覆われた
前胴部と後胴部とを示したが、スキンプレートをもたな
い掘削部と推進部とを有するトンネル掘削機(TBM)
にも適用できることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、トンネル
掘削機の掘削部の開口前端に装着した回転カッター板の
前面に突出している掘削刃と外周縁部にトンネル径方向
に伸縮自在に突設している掘削刃とによって大径のトン
ネルを掘削するので、該カッター板の外周縁部に突設し
た掘削刃の突出長を調整することによって所望径のトン
ネルを掘削し得ると共に、一定長のトンネルを掘削した
のち掘削部を推進部側に後退させ、しかるのち、上記カ
ッター板に設けている開口部からコンクリート吹付けノ
ズルを突出させてカッター板を回転と共に該吹付けノズ
ルをトンネル周方向に旋回動させかつトンネル長さ方向
に進退させながらこの吹付けノズルからのコンクリート
の吹付けによってトンネル掘削壁面にコンクリート覆工
層を形成するものであるから、トンネル掘削機の前方で
掘削直後の周壁面にコンクリートの吹付けを行うので、
肌落ちの生じない品質の良好な所望厚みのコンクリート
覆工が可能となると共にそのコンクリート吹付け時に発
生する粉塵が拡散するのをカッター板によって阻止し得
るので、作業環境が良好となるものである。
【0030】さらに、トンネル掘削機の前方の掘削壁面
に上記コンクリート覆工層を施工しながら掘削部を前進
させると共にカッター板を回転させ、このカッター板の
外周縁部に装着したトンネル径方向に伸縮自在な掘削刃
により上記コンクリート覆工層の肉厚部を切削するの
で、内面が平坦で且つ一定厚みの均質なコンクリート覆
工層に能率よく整形することができ、その上、この際発
生するコンクリート切削くずや上記コンクリート吹付け
時に発生するリバウンドしたコンクリート材、さらには
肌落ちした岩盤の小塊をカッター板の回転によってスク
レーパで掘削部内に取り込み、掘削ずりと共に後方に搬
出することができる。
【0031】また、トンネル掘削機の後方側では上記ト
ンネル径方向に伸縮自在な切削刃により整形された一定
厚みの硬化したコンクリート覆工層が存在するので、ト
ンネル掘削機の後方側での作業が安全に且つ能率よく行
えると共にこのコンクリート覆工層の平坦な内周面に推
進部のリアグリッパを確実に圧着、支持させることがで
き、トンネルの掘進作業も円滑に行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネル掘削機の縦断側面図、
【図2】そのカッター板の正面図、
【図3】一定長のトンネルを掘削した状態の簡略縦断側
面図、
【図4】カッター板を後退させた状態の簡略縦断側面
図、
【図5】掘削壁面にコンクリート覆工層を施工しながら
一定厚みのコンクリート覆工層に整形している状態の簡
略縦断側面図、
【図6】整形後、後胴部を前方に引き寄せた状態の簡略
縦断側面図。
【符号の説明】
1 前胴部 2 後胴部 3 カッター板 4 スラストジャッキ 5 フロントグリッパ 6 リアグリッパ 7 吹付けノズル 8 コンクリート供給管 9 回転駆動手段 10 ベルトコンベア 14 トンネル方向掘削刃 17 トンネル径方向掘削刃 20 開口部 24 ノズル伸縮用ジャッキ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端に回転カッター板を配設してなる掘
    削部に対してトンネル長さ方向に伸縮自在に連結してい
    る推進部をトンネル周壁面に施工している既に硬化した
    コンクリート覆工層の内周面に支持させた状態で掘削部
    を前進させながら上記回転カッター板の前面に突設して
    いる掘削刃と外周縁部に径方向に伸縮自在に突設してい
    る掘削刃とにより掘削部よりも大径のトンネルを掘削す
    る工程と、所定長さのトンネルの掘削後、掘削部を上記
    推進部側に後退させる工程と、掘削部の後退後に上記回
    転カッター板に装着した上記トンネル径方向に伸縮自在
    な掘削刃を収縮させた状態で掘削部内から上記カッター
    板に設けている開口部を通じてコンクリート吹付けノズ
    ルを突出させて上記カッター板を回転させることにより
    吹付けノズルを回転させてトンネル掘削周壁面にコンク
    リート吹付けることによりコンクリート覆工層を形成す
    ると共に掘削部を前進させる工程と、掘削の前進後、掘
    削部を既に硬化したコンクリート覆工層に支持させる一
    方、トンネル周壁面からの推進部の支持を解いて該推進
    部を掘削部側に引き寄せる工程とを繰り返し行うことを
    特徴とするトンネル築造方法。
  2. 【請求項2】 前端に回転カッター板を配設してなる掘
    削部に対してトンネル長さ方向に伸縮自在に連結してい
    る推進部をトンネル周壁面に施工している既に硬化した
    コンクリート覆工層の内周面に支持させた状態で掘削部
    を前進させながら上記回転カッター板の前面に突設して
    いる掘削刃と外周縁部に径方向に伸縮自在に突設してい
    る掘削刃とにより掘削部よりも大径のトンネルを掘削す
    る工程と、所定長さのトンネルの掘削後、掘削部を上記
    推進部側に後退させる工程と、掘削部の後退後に掘削部
    内から上記カッター板に設けている開口部を通じてコン
    クリート吹付けノズルを突出させて上記カッター板を回
    転させながらトンネル掘削周壁面にコンクリートを吹付
    けることにより少なくともトンネル上周部が肉厚部のコ
    ンクリート覆工層を形成する工程と、このコンクリート
    吹付け工程と同時に上記カッター板を回転させながら掘
    削部を前進させて該カッター板に装着した上記トンネル
    径方向に伸縮自在な掘削刃により上記コンクリート覆工
    層の肉厚部を切削して上記掘削部が通過可能な内径のコ
    ンクリート覆工層に整形する工程と、該コンクリート覆
    工層の整形後、掘削部を既に硬化したコンクリート覆工
    層に支持させる一方、トンネル周壁面からの推進部の支
    持を解いて該推進部を掘削部側に引き寄せる工程とを繰
    り返し行うことを特徴とするトンネル築造方法。
  3. 【請求項3】 掘削すべきトンネルの径方向に伸縮自在
    なフロントグリッパを備えた掘削部と、該掘削部の後方
    にスラストジャッキを介してトンネル長さ方向に伸縮自
    在に連結され且つトンネル径方向に伸縮自在なリアグリ
    ッパを備えた推進部と、上記掘削部の前端に回転自在に
    装着され且つトンネル進行方向の掘削刃とトンネル径方
    向の掘削刃とを備えたカッター板と、上記掘削部内に配
    設された上記カッター板の回転駆動手段と掘削ずりの搬
    出手段とを備えてなるトンネル掘削機であって、上記カ
    ッター板に開口部を設け、この開口部より出没自在で且
    つその先端がトンネル周壁面に向かって開口したコンク
    リート吹付けノズルを掘削部内におけるカッター板の回
    転中心線上に回転自在に配設すると共に上記カッター板
    の装着されたトンネル径方向の掘削刃を進退自在に構成
    していることを特徴とするトンネル掘削機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018053594A (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 鹿島建設株式会社 トンネル掘削方法及びトンネル掘削機
CN117287225A (zh) * 2023-11-23 2023-12-26 中国矿业大学(北京) 磁悬浮轨道和管片一体化衬砌拼装的tbm施工设备及方法

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CN117287225B (zh) * 2023-11-23 2024-02-27 中国矿业大学(北京) 磁悬浮轨道和管片一体化衬砌拼装的tbm施工设备及方法

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