JP3316373B2 - トンネル掘削機及び掘削方法 - Google Patents

トンネル掘削機及び掘削方法

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JP3316373B2
JP3316373B2 JP8625996A JP8625996A JP3316373B2 JP 3316373 B2 JP3316373 B2 JP 3316373B2 JP 8625996 A JP8625996 A JP 8625996A JP 8625996 A JP8625996 A JP 8625996A JP 3316373 B2 JP3316373 B2 JP 3316373B2
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tunnel
support
cutter head
gripper
propulsion means
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和之 岡本
昭夫 田中
道彦 渡辺
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Kajima Corp
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Kajima Corp
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤を掘削してト
ンネルを構築するトンネルボーリングマシンやシールド
掘削機などのトンネル掘削機及びトンネル掘削方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図13に従来のトンネルボーリングマシ
ンの断面概略を示す。
【0003】従来のトンネルボーリングマシン(以下、
TBMと称する。)において、図13に示すように、掘
削機本体は円筒形状をなす前胴001と後胴002とから構成
されており、この前胴001の前部にはカッタヘッド003が
回転自在に装着されており、このカッタヘッド003は前
面部に岩盤をせん断破壊するローラカッタ004が多数枢
着されている。このカッタヘッド003の後部には内歯を
有するリングギヤ005が一体に固定される一方、前胴001
にはカッタ旋回モータ006が固定されており、このカッ
タ旋回モータ006の駆動ギヤ007がリングギヤ005に噛み
合っている。また、前胴001には掘削して発生したずり
が内部に浸入しないように、バルクヘッド008が形成さ
れており、カッタヘッド003とこのバルクヘッド008との
間にはチャンバ室009が形成されている。そして、この
チャンバ室009にはずりを集積するホッパ010が配設さ
れ、このホッパ010の下部にはこのホッパ010にて集積し
たずりを外部に排出するベルトコンベヤ011が取付けら
れている。
【0004】従って、カッタ旋回モータ006を駆動して
駆動ギヤ007を回転駆動すると、この駆動ギヤ007が噛み
合うリングギヤ005が回転し、リングギヤ005と一体のカ
ッタヘッド003を旋回し、ローラカッタ004が岩盤をせん
断破壊して掘削することができる。そして、カッタヘッ
ド003の開口部からチャンバ室009に取り込まれたずりは
ホッパ010内に落下し、このホッパ010内に集積されたず
りはベルトコンベヤ011によって外部に排出される。
【0005】前胴001と後胴002とは互いにシール部材01
2を介して揺動自在に嵌合しており、両者の間には12
本のスラストジャッキ013が架設されている。このスラ
ストジャッキ013は油圧の給排によって伸縮作動するも
のであって、全体としてトラス状に配設されることでパ
ラレルリンク機構014を構成している。従って、このパ
ラレルリンク機構014において、各スラストジャッキ013
の各駆動ロッドを伸縮することで、前胴001と後胴002と
の相対位置を変更することができ、また、各スラストジ
ャッキ013の各作動ストロークを変えることで、後胴002
に対してカッタヘッド003を有する前胴001を屈曲し、そ
の掘進方向を変更することができる。
【0006】また、前胴001には複数のフロントグリッ
パ015が周方向にほぼ均等間隔で装着されており、各フ
ロントグリッパ015は内蔵された図示しない油圧ジャッ
キによってグリッパシュー016 を径方向に張り出すこと
ができる。従って、この油圧ジャッキを駆動して各グリ
ッパシュー016を径方向に張り出すと、このグリッパシ
ュー016を前胴001内に収納した位置から、掘削形成され
たトンネル内壁面に圧接して前胴001を保持する位置に
移動させることができる。一方、後胴002には複数のリ
ヤグリッパ017が周方向にほぼ均等間隔で装着されてお
り、各リヤグリッパ017は内蔵された図示しない油圧ジ
ャッキによってグリッパシュー018 を径方向に張り出す
ことができる。従って、この油圧ジャッキを駆動して各
グリッパシュー018を径方向に張り出すと、このグリッ
パシュー018を後胴002内に収納した位置から、掘削形成
されたトンネル内壁面に圧接して後胴002を保持する位
置に移動させることができる。
【0007】なお、通常のTBMは岩盤掘削用のトンネ
ル掘削機であり、前述したリヤグリッパ017による掘進
反力を得て前胴001を推進させるものであるが、トンネ
ル掘削中の地盤が岩盤層から一般土砂層に変化した場合
には、掘削したトンネル壁面が軟弱であり、リアグリッ
パ017によって掘進反力を得ることができない。そのた
め、シールド掘削機のようにセグメントSによって掘進
反力を得て前胴001が推進できるようになっている。即
ち、後胴002の後部には円周方向に複数のシールドジャ
ッキ019が並設されており、このシールドジャッキ019を
作動して掘進方向後方に駆動ロッドを伸長させると、掘
削したトンネル内周面に構築された既設のセグメントS
に押し付けられ、その反力により前胴001を前進させる
ことができる。そして、このシールドジャッキ019と共
に後胴002の後部にはトンネル内壁面にセグメントSを
組付けるエレクタ装置020が装着されている。
【0008】従って、リアグリッパ017の各グリッパシ
ュー018を掘削形成されたトンネル内壁面に圧接するこ
とで、後胴002を移動不能に保持し、この状態で、カッ
タ旋回モータ006を駆動してカッタヘッド003を回転駆動
させながら、パラレルリンク機構014の各スラストジャ
ッキ013を伸長して前胴001と共にカッタヘッド003を前
方へ移動させる。すると、旋回するカッタヘッド003の
ローラカッタ004が岩盤をせん断破壊し、この岩盤を掘
削する。そして、各スラストジャッキ013を所定ストロ
ーク伸長すると、このスラストジャッキ013 の駆動を停
止し、フロントグリッパ015の各グリッパシュー016を押
し出して掘削形成されたトンネル内壁面に圧接すること
で、後前001を移動不能に保持する一方、リアグリッパ0
17を後胴002内に収納することでこの後胴002を移動自在
とする。この状態で、パラレルリンク機構014の各スラ
ストジャッキ013を収縮することで前胴201に対して後胴
002を引き寄せる。そして、再び、リアグリッパ017の各
グリッパシュー018を既設トンネル内壁面に圧接するこ
とで後胴002を移動不能に保持する一方、フロントグリ
ッパ015を前胴001内に収納することでこの前胴001を移
動自在とする。この状態で、カッタ旋回モータ006によ
ってカッタヘッド003を回転駆動させながら、各スラス
トジャッキ013を伸長して前胴001と共にカッタヘッド00
3を前方へ移動させると、旋回するカッタヘッド003のロ
ーラカッタ004が岩盤をせん断破壊し、この岩盤を掘削
する。
【0009】この作動の繰り返しによって連続してトン
ネルを掘削していく。そして、このローラカッタ004の
岩盤掘削によって生じたずりはチャンバ室009内に取り
込まれてホッパ010内に落下し、ホッパ010内に集積され
たずりはベルトコンベヤ011によって外部に排出され
る。また、岩盤を掘削してトンネルを掘削形成していく
過程で、この掘削形成されたトンネルの壁面が安定して
いる場合は支保は不要であるが、若干不安定であり、壁
面から岩片が剥がれ落ちないようにリング状の形成した
H形綱や木製の板等を支保として用い、トンネルを保護
する。また、岩盤を掘削してトンネルを形成する場合
に、掘削地盤が岩盤層から一般土砂層に変化した場合に
は、シールドジャッキ019がセグメントSにて掘進反力
を得て前胴001を推進させる。そして、エレクタ装置020
によって新しいセグメントSを組み付けていく。この繰
り返しによってトンネルを構築していく。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のTBM
にあっては、リアグリッパ017の各グリッパシュー018を
既設トンネルの内壁面に圧接して後胴002を位置保持し
た状態で、パラレルリンク機構014の各スラストジャッ
キ013を伸長し、前胴001と共に回転駆動するカッタヘッ
ド003を前進させて前方の岩盤を掘削している。即ち、
カッタヘッド003の岩盤掘削によって発生する掘削反力
はリアグリッパ017による既設トンネルの内壁面への圧
接力によって受け止められており、カッタヘッド003が
十分な掘進力を得るためには、リアグリッパ017による
大きな圧接力が必要となり、リアグリッパ017のグリッ
パシュー018は大きな圧接面積を有している。
【0011】ところが、TBMの保守や運搬、組立及び
解体などを考慮すると、TBM自体は大きさの制約を受
け、グリッパシュー018は大きな圧接面積を確保するこ
とが出ず、その分、圧接力を増大させることで対応せざ
るを得ない。しかし、グリッパシュー018による既設ト
ンネルの内壁面への圧接力を大きくすると、TBMによ
って軟弱な地盤を掘削するときに、周辺地盤が崩壊を誘
発したり、グリッパシュー018が軟弱地盤の食い込んで
ストロークが不足し、十分な位置保持が得られないこと
がある。一方で、このような軟弱な地盤を掘削するとき
には、セグメントを組み立て、この既設のセグメントに
よって掘削反力を得る方法もあるが、セグメントの組立
初期は全長が短く、十分な受力を確保することができ
ず、アンカーボルトの併用や裏込め注入などの補助工事
が必要となってしまう。
【0012】また、崩落性の高い地盤を掘削する場合に
は、TBMの切羽から極力誓い箇所で山留補助工事(強
化薬注入、コンクリート吹き付け、支保組立、セグメン
ト組立)を施工するのが、有効的であるが、TBM内に
作業を行う空間がなく、各種の補助工事の施工が遅れて
しまうという問題がある。
【0013】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、装置の小型化を図ると共に掘削作業の信頼性の
向上を図ったトンネル掘削機及びトンネル掘削方法を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明のトンネル掘削機は、筒状の前胴と、該前胴
の前部に回転自在に装着されたカッタヘッドと、該カッ
タヘッドを駆動回転するカッタヘッド駆動手段と、前記
前胴の後方に配設された後胴と、前記前胴と該後胴との
間に架設された胴体推進手段と、前記後胴の後方に別体
に配設されて既設トンネルの内壁面に圧接して位置保持
することで掘削反力を受け止める前後一対の支持体と、
該前後一対の支持体の間に架設された支持体推進手段と
を具えたことを特徴とするものである。
【0015】従って、このトンネル掘削機によって地盤
を掘削する場合、カッタヘッド駆動手段によってカッタ
ヘッドを駆動回転させながら、まず、前支持体を既設ト
ンネルの内壁面に圧接して位置保持した状態で、胴体推
進手段を駆動して前胴を前進させることで、カッタヘッ
ドが前方の地盤を掘削し、このとき、カッタヘッドの掘
削反力は後胴を介して前支持体が受け止める。次に、前
支持体の位置保持を解除して胴体推進手段を逆に駆動し
て前胴に対して後胴を引き寄せると共に、後支持体を既
設トンネルの内壁面に圧接して位置保持した状態で、支
持体推進手段を駆動して前支持体を前進させる。そし
て、再び、前支持体を既設トンネルの内壁面に圧接して
位置保持した状態で、胴体推進手段を駆動して前胴を前
進させることで、カッタヘッドが前方の地盤を掘削し、
このとき、カッタヘッドの掘削反力は後胴を介して前支
持体が受け止める。一方、後支持体の位置保持を解除し
て支持体推進手段を逆に駆動し、前支持体に対して後支
持体を引き寄せる。この繰り返しによって掘削作業が連
続して行われる。
【0016】また、本発明のトンネル掘削方法は、胴体
を胴体推進手段によって連結された前胴及び後胴によっ
て構成する一方、前記胴体の後方に別体に配設されて既
設トンネルの内壁面に圧接して位置保持する支持体を支
持体推進手段によって連結された前後一対の支持体によ
って構成し、前記前胴の前部に装着されたカッタヘッド
を駆動回転させながら、まず、胴体推進手段を駆動して
前記前胴を前進させると、前支持体が掘削反力を受け止
めることで前記カッタヘッドによって前方の地盤を掘削
し、次に、前記前胴に対して前記後胴を引き寄せる一
方、支持体推進手段を駆動して前記前支持体を前進させ
て前記後胴に追従させ、再び、前記胴体推進手段を駆動
して前記前胴を前進させると、前支持体が掘削反力を受
け止めることで前記カッタヘッドによって前方の地盤を
掘削し、このとき、前記前支持体に対して前記後支持体
を引き寄せるようにしたことを特徴とするものである。
【0017】従って、このトンネル掘削方法を用いて地
盤を掘削することで、胴体の小型化が可能となる一方、
胴体と別体に設けた各支持体を十分な大きさに設定する
ことができ、確実にカッタヘッドを前進して掘削作業を
行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図12に本発明の実施の形態を表す概略を示す。
【0019】本発明のトンネル掘削機は、地盤を掘削し
てトンネルを形成するトンネルボーリングマシンやシー
ルド掘削機に適用されるものである。即ち、図12に示
すように、胴体は前胴Aと後胴Bとより構成され、筒状
の前胴Aの前部には回転自在なカッタヘッドCが装着さ
れており、このカッタヘッドCはカッタヘッド駆動手段
としての駆動モータDなどによって駆動回転可能となっ
ている。そして、この前胴Aと後胴Bとの間には胴体推
進手段としての複数の油圧ジャッキEが架設されいる。
一方、後胴Bの後方には胴体とは別体に前後一対の支持
体F,Gが配設され、支持筒Hによって連結されてお
り、この支持体F,Gは油圧ジャッキI,Jによって既
設トンネルの内壁面に圧接して位置保持することで、掘
削反力を受け止めることができる。そして、この前後一
対の支持体I,Jの間には支持体推進手段としての油圧
ジャッキKが架設されている。
【0020】従って、このトンネル掘削機によって地盤
を掘削する場合、駆動モータDによってカッタヘッドC
を駆動回転させながら、前支持体Fを油圧ジャッキIに
よって既設トンネルの内壁面に圧接して位置保持した状
態で、複数の油圧ジャッキEを伸長して後胴Bに対して
前胴Aを前進させることで、カッタヘッドCが前方の地
盤を破砕して前進する。このとき、カッタヘッドCの掘
削反力は後胴Bを介して前支持体Fが受け止めることと
なり、カッタヘッドCは確実に地盤を掘削できる。油圧
ジャッキEが所定ストローク伸長してカッタヘッドCが
所定長さトンネルを掘削すると、この油圧ジャッキEを
収縮して前胴Aに対して後胴Bを引き寄せると共に、前
支持体Fの位置保持を解除する一方、後支持体Gを油圧
ジャッキJによって既設トンネルの内壁面に圧接して位
置保持した状態で、油圧ジャッキKを伸長して前支持体
Fを前進させる。そして、再び、前支持体Fを既設トン
ネルの内壁面に圧接して位置保持した状態で、複数の油
圧ジャッキEを伸長して前胴Aを前進させることで、カ
ッタヘッドCが前方の地盤を掘削し、このとき、カッタ
ヘッドCの掘削反力は後胴Bを介して前支持体Fが受け
止める。一方、後支持体Gの位置保持を解除して油圧ジ
ャッキKを収縮し、前支持体Fに対して後支持体Gを引
き寄せる。この繰り返しによって掘削作業が連続して行
われる。
【0021】このように本発明のトンネル掘削機にあっ
ては、胴体A,Bと支持体F,Gを別に構成しており、
胴体A,Bの小型化が可能となる一方、支持体F,Gを
大きな保持力が得られるように十分な大きさに設定する
ことができ、確実にカッタヘッドCを前進して掘削作業
を行うことができる。
【0022】また、本発明のトンネル掘削機において、
前後一対の支持体F,Gの間に架設された支持体推進手
段としての油圧ジャッキKの作動ストロークを胴体推進
手段としての複数の油圧ジャッキEの作動ストロークよ
り大きく設定してもよい。
【0023】すると、胴体推進手段としての複数の油圧
ジャッキEを収縮して前胴Aに対して後胴Bを引き寄せ
たときに、前支持体Fの位置保持を解除する一方、後支
持体Gを既設トンネルの内壁面に圧接して位置保持した
状態で、支持体推進手段としての油圧ジャッキKを伸長
して前支持体Fを前進させると、支持体推進手段として
の油圧ジャッキKの作動ストロークが胴体推進手段とし
ての複数の油圧ジャッキEの作動ストロークよりも大き
く設定されているので、そのストローク差だけ前胴A及
び後胴Bが前進することとなり、前胴Aと共にカッタヘ
ッドCが前進して前方の地盤を連続して掘削できる。
【0024】また、本発明のトンネル掘削方法は、胴体
が胴体推進手段によって連結された前胴及び後胴によっ
て構成される一方、この胴体の後方に別体に配設されて
既設トンネルの内壁面に圧接して位置保持する支持体推
進手段によって連結された前後一対の支持体によって構
成された掘削機を用いて行う。即ち、前胴の前部に装着
されたカッタヘッドを駆動回転させながら、まず、胴体
推進手段を駆動して前胴を前進させると、前支持体が掘
削反力を受け止めることでカッタヘッドによって前方の
地盤を掘削し、次に、前胴に対して後胴を引き寄せる一
方、支持体推進手段を駆動して前支持体を前進させて後
胴に追従させ、再び、胴体推進手段を駆動して前胴を前
進させと、前支持体が掘削反力を受け止めることでカッ
タヘッドによって前方の地盤を掘削し、このとき、前支
持体に対して後支持体を引き寄せる。
【0025】従って、このトンネル掘削方法を用いて地
盤を掘削することで、胴体の小型化が可能となる一方、
胴体と別体に設けた各支持体を十分な大きさに設定する
ことができ、確実にカッタヘッドを前進して掘削作業を
行うことができる。
【0026】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0027】<第1実施例>図1に本発明の第1実施例
に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシ
ンの断面概略、図2乃至図5は本実施例のトンネルボー
リングマシンの要部を表すものであって、図2にトンネ
ルボーリングマシン正面視、図3に図1のIII−III断
面、図4に図1のIV−IV断面、図5に図1のV−V断
面、図6にグリッパ装置の要部断面、図7にセグメント
によって掘削反力を得るときの胴体後部の断面、図8に
本実施例のトンネルボーリングマシンの掘削作動を表す
概略を示す。
【0028】本実施例のトンネルボーリングマシン(T
BM)において、図1及び図2に示すように、胴体11
は前胴12と後胴13から構成され、円筒形状をなす前
胴12の前部には軸受14によってカッタヘッド15が
回転自在に装着されており、このカッタヘッド15は前
面部に岩盤をせん断破壊するローラカッタ16が多数枢
着されると共に、掘削面を掻き取るスクレーパ17が取
付けられ、また、スクレーパ17に隣接して破砕した岩
片や土砂などのずりを取り込む開口18が形成されてい
る。そして、このカッタヘッド15の後部には内歯を有
するリングギヤ19が一体に固定される一方、前胴12
には電動式あるいは油圧式のカッタ旋回モータ20が固
定されており、このカッタ旋回モータ20の駆動ギヤ2
1がリングギヤ19に噛み合っている。
【0029】従って、カッタ旋回モータ20を駆動して
駆動ギヤ21を回転駆動すると、この駆動ギヤ21が噛
み合うリングギヤ19が回転し、リングギヤ19と一体
のカッタヘッド15を旋回し、ローラカッタ16が岩盤
をせん断破壊して掘削する一方、スクレーパ17が掘削
面を掻き取ってずりを開口18から前胴12の内部に取
り込むことができる。
【0030】また、図1及び図3に示すように、前胴1
2の後方に位置する後胴13はリング形状をなしてお
り、前胴12とこの後胴13との間には胴体推進手段と
しての12本のスラストジャッキ22が架設されてい
る。このスラストジャッキ22は油圧の給排によって伸
縮作動するものであって、ジャッキ本体は前胴12に固
定された球軸受23によって揺動自在に支持され、ロッ
ド先端部は後胴13に固定された球軸受24によって揺
動自在に支持されている。そして、このスラストジャッ
キ22はそれぞれ隣合って配設された関係が、例えば、
互いに隣接する一方のスラストジャッキがカッタヘッド
15の周方向一方に傾斜し、他方のスラストジャッキが
周方向他方に傾斜して全体としてトラス状に配設される
ことでパラレルリンク機構25を構成している。
【0031】従って、このパラレルリンク機構23にお
いて、各スラストジャッキ22の各駆動ロッドを伸縮す
ることで、前胴12と後胴13との相対位置を変更する
ことができる。また、このパラレルリンク機構25にお
いて、各スラストジャッキ22の各作動ストロークを変
えることで、カッタヘッド15を有する前胴12が後胴
13に対して屈曲し、その掘進方向を変更することがで
きる。
【0032】一方、図1及び図4に示すように、後胴1
3には周方向に沿って多数のセグメント組立補助ジャッ
キ26が配設されており、後方に伸縮自在な駆動ロッド
の先端部にはスプレッダ27が固定されている。また、
後胴13の内周側には既設トンネルの内壁面にセグメン
トSを組付けるリンク式のセグメントエレクタ装置28
が設けられている。即ち、後胴13にはブラケット29
によって回転自在な複数の支持ローラ30が周方向ほぼ
均等間隔で取付けられており、この各支持ローラ30に
よって旋回リング31が回転自在に支持され、この旋回
リング31は図示しない油圧モータによって旋回できる
ようになっている。そして、旋回リング31には一対の
回動リンク32を介して移動台33が支持されており、
この移動台33には吊り金具34が装着され、図示しな
い装置によって既設トンネル内に搬入されたセグメント
Sをこの吊り金具34によって吊り上げて保持すること
ができる。更に、後胴13の後部にはプレスリング35
が図示しないボルトによって着脱自在に締結されてい
る。
【0033】なお、図1に示すように、前胴12にはバ
ルクヘッド36が固定されることで、チャンバ室37が
形成されている。そして、このチャンバ室37内にはロ
ーラカッタ16が破砕したずりを集積するホッパ38が
固定されると共に、胴体11内には掘削したずりを搬出
するベルトコンベヤ39が配設されており、ベルトコン
ベヤ39の一端部はホッパ38の下部に連結され、他端
部はトンネル後方に延設されている。
【0034】このように構成された胴体11の後方に
は、図1及び図5、図6に示すように、既設トンネルの
内壁面に圧接して位置保持することで掘削反力を受け止
める支持体としてのグリッパ装置41が配設されてい
る。即ち、後胴13の後方には四角筒形状をなすガイド
筒42がトンネルの長手方向に沿って配設されており、
このガイド筒42の外周部には5つのリヤグリッパ43
a,43b,43c,43d,43eが装着されてい
る。そして、第1リアグリッパ43aはガイド筒42の
先端部に固定され、一対のグリッパジャッキ44aの各
端部にはトンネル内壁面に圧接する円弧状のグリッパシ
ュー45bが装着されている。従って、第1リアグリッ
パ43aのグリッパジャッキ44aを駆動し、駆動ロッ
ドを伸長して各グリッパシュー45aをトンネル内壁面
に圧接することで、第1リアグリッパ43aを介してガ
イド筒42をトンネル内で移動不能に保持することがで
きる。
【0035】また、第2、第3、第4、第5リヤグリッ
パ43b,43c,43d,43eはそれぞれ独立して
ガイド筒42に長手方向移動自在に装着され、一対のグ
リッパジャッキ44b,44c,44d,44eの各端
部にはトンネル内壁面に圧接する円弧状のグリッパシュ
ー45b,45c,45d,45eが装着されている。
従って、各リアグリッパ43b,43c,43d,43
eのグリッパジャッキ44b,44c,44d,44e
を駆動し、駆動ロッドを伸長して各グリッパシュー45
b,45c,45d,45eをトンネル内壁面に圧接す
ることで、各リアグリッパ43b,43c,43d,4
3eをトンネル内で移動不能に保持することができる。
【0036】そして、第2リアグリッパ43bとガイド
筒42との間には支持体推進手段としての第1推進ジャ
ッキ46が架設され、第4リアグリッパ43dと第5リ
アグリッパ43eとの間には第2推進ジャッキ47が架
設されている。従って、第1推進ジャッキ46を伸縮す
ることで、第2〜第5リヤグリッパ43b〜43eとガ
イド筒42を介して第1リアグリッパ43aとを接近離
反させ、両者の相対位置を変えることができる。また、
第2推進ジャッキ47を伸縮することで、第1〜第4リ
ヤグリッパ43a〜43dと第5リアグリッパ43eと
を接近離反させ、両者の相対位置を変えることができ
る。
【0037】なお、ガイド筒42の内周面の上部にはト
ンネルの長手方向に沿ってレール48が固定されてお
り、このレール48にはセグメントSや支保工Hを搬入
するホイスト49が移動自在に取付けられている。
【0038】ここで、上述した本実施例のトンネルボー
リングマシンを用いたトンネル掘削方法について図8に
基づいて説明する。
【0039】図8(a)に示すように、当初、パラレルリ
ンク機構23の各スラストジャッキ22は収縮状態にあ
って前胴12と後胴13は接近した位置にある。一方、
グリッパ装置41の各グリッパジャッキ44a〜44e
は伸長状態にあって各グリッパシュー45a〜45eは
既設トンネルの内壁面に圧接してその位置が保持され、
且つ、第1推進ジャッキ46は伸長し、第2推進ジャッ
キ47は収縮して各グリッパシュー45a〜45eは接
近している。この状態で、図8(b)に示すように、カッ
タ旋回モータ20を駆動してカッタヘッド15を回転駆
動させながら、パラレルリンク機構23の各スラストジ
ャッキ22を伸長する。すると、後胴13に対して前胴
12と共にカッタヘッド15が前方へ移動し、旋回する
カッタヘッド15のローラカッタ16が岩盤をせん断破
壊し、この岩盤を掘削する。そして、各スラストジャッ
キ22の各作動ストロークを変えることで前胴11が折
れ曲がり、カッタヘッド15の向きを変えてトンネルの
掘削方向を変更することができる。
【0040】このとき、カッタヘッド15が前方の岩盤
を掘削する際に発生する掘削反力は、このカッタヘッド
15からパラレルリンク機構23(スラストジャッキ2
2)を介して後胴13に伝達されるが、この後胴13は
グリッパ装置41が接触しており、カッタヘッド15の
掘削反力はこのグリッパ装置41が受け止めることとな
り、カッタヘッド15は確実に地盤を掘削できる。
【0041】そして、各スラストジャッキ22を所定ス
トローク伸長すると、このスラストジャッキ22の駆動
を停止し、図8(c)に示すように、パラレルリンク機構
23のスラストジャッキ22を収縮することで前胴12
に対して後胴13を接近させる。この作動と同時に、グ
リッパ装置41のグリッパジャッキ44aのみを収縮し
て第1グリッパシュー45aを既設トンネルの内壁面か
ら離間することで、第1リアグリッパ43a及びガイド
筒42を移動可能とし、第1推進ジャッキ46を収縮し
て第2〜第5リヤグリッパ43b〜43eに対してこの
第1リアグリッパ43a及びガイド筒42を前進させ
る。即ち、後胴13と第1リアグリッパ43aとが同時
に前進することとなる。
【0042】その後、図8(d)に示すように、グリッパ
装置41のグリッパジャッキ44aを伸長して第1グリ
ッパシュー45aを既設トンネルの内壁面に圧接するこ
とで、この第1リアグリッパ43a及びガイド筒42を
移動不能に保持する。そして、グリッパ装置41のグリ
ッパジャッキ44b,44c,44dを収縮して各グリ
ッパシュー45b,45c,45dを既設トンネルの内
壁面から離間することで、第2〜第4リアグリッパ43
b,43c,43dを移動可能とし、第2推進ジャッキ
47を伸長して第1リアグリッパ43a及びガイド筒4
2に対して第2〜第4リヤグリッパ43b〜43dを前
進させる。
【0043】そして、図8(e)に示すように、グリッパ
装置41のグリッパジャッキ44b,44c,44dを
伸長して各グリッパシュー45b,45c,45dを既
設トンネルの内壁面に圧接することで、第2〜第4リア
グリッパ43b,43c,43dを移動可能とする。更
に、グリッパジャッキ44eを収縮して第5グリッパシ
ュー45eを既設トンネルの内壁面から離間してから、
第2推進ジャッキ47を収縮して第1〜第4リヤグリッ
パ43a〜43dに対して第5リアグリッパ43eを前
進させ、再び、グリッパジャッキ44eを伸長して第5
グリッパシュー45eを既設トンネルの内壁面に圧接す
ることで第5リアグリッパ43eを移動不能とする。こ
の繰返によってトンネルを構築していく。
【0044】ところで、このように岩盤を掘削してトン
ネルを掘削形成していく過程で、この掘削形成されたト
ンネルの壁面が安定している場合は不要であるが、若干
不安定である場合には、トンネル内壁面から岩片が剥が
れ落ちないように支保工Hを用いてトンネルを保護す
る。また、掘削地盤が軟弱になったときには、セグメン
トエレクタ装置28によってセグメントSを組み付け
る。即ち、図1及び図7に示すように、後胴13に対し
てプロレスリング35を取り外し、このプロレスリング
35をグリッパ装置41の第1リヤグリッパ43aに密
着させる。この状態で、ホイスト49によって既設トン
ネル内にセグメントSを搬入し、旋回リング31を回転
すると共に回動リンク32を回動して移動台33の吊り
金具34を移動し、この吊り金具34によってセグメン
トSを吊り上げる。そして、この吊り上げたセグメント
Sを所定の位置に移送し、セグメント組立補助ジャッキ
26を伸長してスプレッダ27がセグメントSをプロレ
スリング35に押付け、図示しないボルトによって固定
することで既設トンネルの内壁面にセグメントSが組付
けられる。従って、少ないセグメントSの組立長さで十
分な掘削反力を得ることができる。
【0045】なお、軟弱地盤から、再び、岩盤になった
ときには、各推進ジャッキ46,47によってグリッパ
装置41を前進させ、組み立てられたセグメントSの内
部を通って後胴13に接近させることで、前述と同様
に、グリッパ装置41によって掘削反力を得て胴体11
のカッタヘッド15によって掘削を開始する。
【0046】<第2実施例>図9に本発明の第2実施例
に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシ
ンの断面概略、図10にグリッパ装置の要部断面、図1
1に本実施例のトンネルボーリングマシンの掘削作動を
表す概略を示す。
【0047】本実施例のトンネルボーリングマシン(T
BM)において、図9に示すように、胴体101は前胴102
と後胴103から構成され、円筒形状をなす前胴102の前部
には軸受104によってカッタヘッド105が回転自在に装着
されており、このカッタヘッド105は多数のローラカッ
タ106、スクレーパ107が、開口108が設けられている。
そして、このカッタヘッド105の後部にはリングギヤ109
が一体に固定される一方、前胴102にはカッタ旋回モー
タ110が固定されており、このカッタ旋回モータ110の駆
動ギヤ111がリングギヤ109に噛み合っている。リング形
状をなす後胴103は12本の第1スラストジャッキ112が
架設されており、このスラストジャッキ112は全体とし
てトラス状に配設されることで第1パラレルリンク機構
113を構成している。
【0048】また、後胴103には周方向に沿って多数の
セグメント組立補助ジャッキ114が配設されると共に、
この後胴103の内周側には既設トンネルの内壁面にセグ
メントを組付ける図示しないセグメントエレクタ装置が
設けられている。更に、後胴103の後部にはプレスリン
グ115が図示しないボルトによって着脱自在に締結され
ている。
【0049】なお、前胴102にはバルクヘッド116が固定
されることで、チャンバ室117が形成されている。そし
て、このチャンバ室117内にはローラカッタ106が破砕し
たずりを集積するホッパ118が固定されると共に、胴体1
01内には掘削したずりを搬出するベルトコンベヤ119が
配設されており、ベルトコンベヤ119の一端部はホッパ1
18の下部に連結され、他端部はトンネル後方に延設され
ている。
【0050】このように構成された胴体101 の後方に
は、図1及び図2に示すように、既設トンネルの内壁面
に圧接して位置保持することで掘削反力を受け止める前
後一対のグリッパ装置121,122が配設されている。即
ち、後胴103の後方にはガイド筒103がトンネルの長手方
向に沿って配設されており、このガイド筒103の外周部
には前部グリッパ装置121として第1リヤグリッパ124
a、第2リヤグリッパ124bbと、後部グリッパ装置122と
して第3リヤグリッパ124c、第4リヤグリッパ124d、第
5リヤグリッパ124eが装着されている。そして、第1リ
アグリッパ124aはガイド筒123の先端部に固定され、一
対のグリッパジャッキ125aの各端部にはトンネル内壁面
に圧接する円弧状のグリッパシュー126aが装着されてい
る。従って、また、第2〜第5リヤグリッパ124b〜124e
はそれぞれ独立してガイド筒123に長手方向移動自在に
装着され、一対のグリッパジャッキ125b,125c,125d,
125eの各端部にはトンネル内壁面に圧接する円弧状のグ
リッパシュー126b,126c,126d,126eが装着されてい
る。
【0051】また、第2リヤグリッパ124bの後部には第
1ベースリング127が装着されると共に、第3リヤグリ
ッパ124bの前部には第2ベースリング128が装着されて
いる。そして、第1ベースリング127と第2ベースリン
グ128との間には12本の第2スラストジャッキ129が架
設されており、このスラストジャッキ129は全体として
トラス状に配設されることで第2パラレルリンク機構13
0を構成している。更に、第2リアグリッパ124bとガイ
ド筒123との間には第1推進ジャッキ131が架設され、第
4リアグリッパ124dと第5リアグリッパ124eとの間には
第2推進ジャッキ132が架設されている。従って、第2
パラレルリンク機構130の第2スラストジャッキ129を伸
縮することで、第1ベースリング127及び第2ベースリ
ング128を介して前部グリッパ装置121と後部グリッパ装
置122とを接近離反させることができる。また、第1推
進ジャッキ131を伸縮することで、第2〜第5リヤグリ
ッパ124b〜124eとガイド筒123を介して第1リアグリッ
パ124aとを接近離反させ、両者の相対位置を変えること
ができる。更に、第2推進ジャッキ132を伸縮すること
で、第1〜第4リヤグリッパ124b〜124dと第5リアグリ
ッパ124eとを接近離反させ、両者の相対位置を変えるこ
とができる。
【0052】ここで、上述した本実施例のトンネルボー
リングマシンを用いたトンネル掘削方法について図11
に基づいて説明する。
【0053】図11(a)に示すように、当初、第1パラ
レルリンク機構113の各スラストジャッキ112は収縮状態
にあって前胴102と後胴103は接近した位置にある。一
方、第2パラレルリンク機構130の各スラストジャッキ1
29も収縮状態にあって前部グリッパ装置121と後部グリ
ッパ装置122は接近した位置にある。また、各グリッパ
装置121,122の各グリッパジャッキ125a〜125eは伸長状
態にあって各グリッパシュー126a〜126eは既設トンネル
の内壁面に圧接してその位置が保持され、且つ、第1推
進ジャッキ131及び第2推進ジャッキ132は収縮して各グ
リッパシュー126a〜126eは接近している。この状態で、
図11(b)に示すように、カッタ旋回モータ110を駆動
してカッタヘッド105を回転駆動させながら、第1パラ
レルリンク機構113の各スラストジャッキ112を伸長す
る。すると、後胴103に対して前胴102と共にカッタヘッ
ド105が前方へ移動し、旋回するカッタヘッド105のロー
ラカッタ106が岩盤をせん断破壊し、この岩盤を掘削す
る。
【0054】このとき、カッタヘッド105が前方の岩盤
を掘削する際に発生する掘削反力は、このカッタヘッド
105から第1パラレルリンク機構113(スラストジャッキ
112)を介して後胴103に伝達されるが、この後胴103は
第1グリッパ装置121が接触しており、カッタヘッド105
の掘削反力はこのグリッパ装置121が受け止めることと
なり、カッタヘッド105は確実に地盤を掘削できる。
【0055】そして、各スラストジャッキ112を所定ス
トローク伸長すると、このスラストジャッキ112の駆動
を停止し、図11(c)に示すように、パラレルリンク機
構113のスラストジャッキ112を収縮することで前胴102
に対して後胴103を接近させる。この作動と同時に、第
1グリッパ装置121による保持を解除し、第2パラレル
リンク機構130の各スラストジャッキ129を伸長して第2
グリッパ装置122に対してこの第1グリッパ装置121を前
進させる。即ち、後胴103と第1リアグリッパ装置121と
が同時に前進することとなるが、第1スラストジャッキ
112の作動ストロークよりも第2スラストジャッキ129の
作動ストロークの方が大きく設定されているので、その
ストローク差だけ前胴102及び後胴103が前進することと
なり、前胴102と共にカッタヘッド105が前進して前方の
地盤を連続して掘削できる。
【0056】その後、図11(d)に示すように、第1グ
リッパ装置121によって位置保持して、前述と同様に、
第1パラレルリンク機構113の各スラストジャッキ112を
伸長し、後胴103に対して前胴102及びカッタヘッド105
を前方へ移動し、カッタヘッド105によって岩盤をせん
断破壊し、この岩盤を掘削する。一方、第2パラレルリ
ンク機構130の各スラストジャッキ129を収縮して第1グ
リッパ装置122に対してこの第2グリッパ装置121を引き
寄せる。この繰返によってトンネルを構築していく。
【0057】なお、上述の実施例において、第1パラレ
ルリンク機構113のスラストジャッキ112のストロークに
対して第2パラレルリンク機構130のスラストジャッキ1
29のストロークを2倍としたが、本発明のトンネル掘削
機はこれに限定されるものではなく、第2パラレルリン
ク機構130(スラストジャッキ129)の推進ストロークが
第1パラレルリンク機構113(スラストジャッキ112)の
ストロークよりも大きければよいものである。即ち、第
1スラストジャッキ112の推進ストロークをL1 とし、
第2スラストジャッキ129の推進ストロークをL2 とす
ると、L1 <L2 であればよく、この場合、第1スラス
トジャッキ112による掘進長さはL1、第2スラストジャ
ッキ129による掘進長さはL2 −L1 となる。胴体101
(カッタヘッド105)の掘進速度がV1 のとき、第2ス
ラストジャッキ129の伸び速度V 2Eと縮み速度V2Rは下
記に示す条件を満足することで連続掘進が可能となる。 V2E≧{L2 /(L2 −L1 )}V12R≧(L2 /L1 )V1
【0058】なお、上述して各実施例において、前胴の
推進手段として多数のスラストジャッキをトラス状に配
設したパラレルリンク機構を用いたが、多数の平行なス
ラストジャッキでもよい。また、既設トンネルの内壁面
に圧接して位置保持することで掘削反力を受け止める前
後一対の支持体としてリヤグリッパを5つ設けたが、少
なくとも2つあればよく、多数設けることで大きな掘削
反力わ受け止めることができる。
【0059】更に、上述した各実施例にあっては、岩盤
を破砕してトンネルを掘削するトンネルボーリングマシ
ンを用いて説明したが、本発明のトンネル掘削機及びト
ンネル掘削方法はこのタイプの掘削機に限定されるもの
ではなく、軟弱で水分の多い地盤を掘削するシールド掘
削機に適用することも可能であり、同然の如く、前述と
同様の作用効果を奏することができる。
【0060】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明のトンネル掘削機によれば、筒状の前胴の前
部に回転自在なカッタヘッドを装着してカッタヘッド駆
動手段によって駆動回転可能とすると共に、前胴の後方
に後胴を配設してこの前胴と後胴との間に胴体推進手段
を架設し、既設トンネルの内壁面に圧接して位置保持す
ることで掘削反力を受け止める前後一対の支持体を後胴
の後方に別体に配設し、この前後一対の支持体の間に支
持体推進手段を架設したので、胴体と支持体とが別体と
なることから、胴体を小型化することができ、保守や運
搬、組立及び解体が容易となる一方、支持体による既設
トンネルの内壁面への接地面積を大きくと共に接地圧力
を軽減できることとなり、周辺地盤の崩壊を防止して確
実に位置保持することができ、掘削作業の信頼性の向上
を図ることができる。また、胴体と支持体との間に十分
なスペースを取れることから、補助工事などを容易に行
うことができ、掘削作業効率の向上を図ることができ
る。
【0061】また、本発明のトンネル掘削機によれば、
前後一対の支持体の間に架設された支持体推進手段の作
動ストロークを胴体推進手段の作動ストロークよりも大
きく設定したので、胴体推進手段による後胴のみの前進
時にも支持体推進手段による前支持体の前進によって前
胴及び後胴と共にカッタヘッドを前進させることで、胴
体を停止することなく継続して前進させてカッタヘッド
による地盤の掘削を連続して行い、掘削作業効率の向上
を図ることができる。
【0062】また、本発明のトンネル掘削方法によれ
ば、前胴のカッタヘッドを駆動回転させながら前胴を前
進させると、前支持体が掘削反力を受け止めることでカ
ッタヘッドによって前方の地盤を掘削し、前胴に対して
後胴を引き寄せる一方、前支持体を前進させて後胴に追
従させ、再び、前胴を前進させると、前支持体が掘削反
力を受け止めることでカッタヘッドによって前方の地盤
を掘削し、このとき、前支持体に対して後支持体を引き
寄せるようにしたので、胴体が小型化されて保守や運
搬、組立及び解体が容易となる一方、支持体による既設
トンネルの内壁面への接地面積を大きくと共に接地圧力
を軽減できることとなり、周辺地盤の崩壊を防止して確
実に位置保持することができ、掘削作業の信頼性の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るトンネル掘削機とし
てのトンネルボーリングマシンの断面概略図である。
【図2】トンネルボーリングマシン正面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】グリッパ装置の要部断面図である。
【図7】セグメントによって掘削反力を得るときの胴体
後部の断面図である。
【図8】本実施例のトンネルボーリングマシンの掘削作
動を表す概略図である。
【図9】本発明の第2実施例に係るトンネル掘削機とし
てのトンネルボーリングマシンの断面概略図である。
【図10】グリッパ装置の要部断面図である。
【図11】本実施例のトンネルボーリングマシンの掘削
作動を表す概略図である。
【図12】本発明のトンネル掘削機の掘削原理を表す概
略図である。
【図13】従来のトンネルボーリングマシンの断面概略
図である。
【符号の説明】
11 胴体 12 前胴 13 後胴 15 カッタヘッド 20 カッタ旋回モータ 41 グリッパ装置(支持体) 42 ガイド筒 43a,43b,43c,43d,43e リアグリッ
パ 46,47 推進ジャッキ(支持体推進手段)
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 道彦 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−158597(JP,A) 特開 平7−91180(JP,A) 特開 平4−153498(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/10 E21D 9/06 301 - 302 E21D 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の前胴と、該前胴の前部に回転自在
    に装着されたカッタヘッドと、該カッタヘッドを駆動回
    転するカッタヘッド駆動手段と、前記前胴の後方に配設
    された後胴と、前記前胴と該後胴との間に架設された胴
    体推進手段と、前記後胴の後方に別体に配設されて既設
    トンネルの内壁面に圧接して位置保持することで掘削反
    力を受け止める前後一対の支持体と、該前後一対の支持
    体の間に架設された支持体推進手段とを具えたことを特
    徴とするトンネル掘削機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトンネル掘削機におい
    て、前記前後一対の支持体の間に架設された支持体推進
    手段の作動ストロークを前記胴体推進手段の作動ストロ
    ークよりも大きく設定したことを特徴とするトンネル掘
    削機。
  3. 【請求項3】 胴体を胴体推進手段によって連結された
    前胴及び後胴によって構成する一方、前記胴体の後方に
    別体に配設されて既設トンネルの内壁面に圧接して位置
    保持する支持体を支持体推進手段によって連結された前
    後一対の支持体によって構成し、前記前胴の前部に装着
    されたカッタヘッドを駆動回転させながら、まず、胴体
    推進手段を駆動して前記前胴を前進させると、前支持体
    が掘削反力を受け止めることで前記カッタヘッドによっ
    て前方の地盤を掘削し、次に、前記前胴に対して前記後
    胴を引き寄せる一方、支持体推進手段を駆動して前記前
    支持体を前進させて前記後胴に追従させ、再び、前記胴
    体推進手段を駆動して前記前胴を前進させると、前支持
    体が掘削反力を受け止めることで前記カッタヘッドによ
    って前方の地盤を掘削し、このとき、前記前支持体に対
    して前記後支持体を引き寄せるようにしたことを特徴と
    するトンネル掘削方法。
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