JP3468948B2 - トンネル掘削機 - Google Patents

トンネル掘削機

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JP3468948B2
JP3468948B2 JP29079295A JP29079295A JP3468948B2 JP 3468948 B2 JP3468948 B2 JP 3468948B2 JP 29079295 A JP29079295 A JP 29079295A JP 29079295 A JP29079295 A JP 29079295A JP 3468948 B2 JP3468948 B2 JP 3468948B2
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岩盤などを掘削し
て生じた掘削物をトンネル外部に排出する掘削物の排出
装置及びこの掘削物の排出装置が適用されたトンネル掘
削機並びにトンネル掘削方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地山にトンネルを掘削するトンネル掘削
機において、特に、岩盤を掘削するものとしてトンネル
ボーリングマシン(以下、TBMと称する。)がある。
このTBMにおいて、円筒形状をなす前胴の前部に駆動
回転自在なカッタヘッドが装着されており、このカッタ
ヘッドには岩盤を破壊するディスクカッタが多数取付け
られている。また、この前胴には掘削形成したトンネル
の内壁面に圧接してこの前胴を位置保持可能なフロント
グリッパが装着されている。一方、前胴の後部には掘進
方向に沿って相対移動自在な円筒形状の後胴が連結され
ており、この後胴には掘削形成したトンネルの内壁面に
圧接して後胴を位置保持可能なリアグリッパが装着され
ている。更に、この前胴と後胴との間には両者を前進さ
せる複数のスラストジャッキが架設されている。
【0003】従って、このように構成されたTBMによ
ってトンネルを掘削形成するには、リアグリッパによっ
て後胴をトンネル内で位置保持する一方、カッタヘッド
を回転駆動させながら複数のスラストジャッキを伸長さ
せると、多数のディスクカッタが前方の岩盤を掘削しな
がら前胴が前進する。そして、スラストジャッキが所定
ストロークだけ伸長すると、このスラストジャッキの駆
動を停止し、フロントグリッパによって前胴を位置保持
する一方、リアグリッパによる後胴の位置保持を解除す
る。この状態で複数のスラストジャッキを縮小させる
と、前胴に対して後胴が引き寄せられて前進する。その
後、前述と同様に、リアグリッパによって後胴を位置保
持する一方、フロントグリッパによる前胴の位置保持を
解除し、カッタヘッドを回転駆動させながら複数のスラ
ストジャッキを伸長させることで、岩盤を掘削しながら
前胴が前進する。この繰り返しによって所定長さのトン
ネルを掘削形成していく。
【0004】上述したTBMにおいて、ディスクカッタ
によって岩盤を掘削して生じた岩塊や岩片、土砂などの
掘削物、一般的にずりと称するが、このずりはホッパに
取り込まれ、搬送管内に沿って設置されたベルトコンベ
ヤによってTBMの後方に搬送され、トンネルの外部に
排出されるようになっている。
【0005】ところが、このようなベルトコンベヤによ
るずりの搬出方法では、岩盤を掘削して生じた岩塊や岩
片などのずりはこのベルトコンベヤによって搬送するこ
とができるが、泥土や泥水などのずりは搬送することが
できず、途中で落下してベルトコンベヤの駆動部分等に
入り込み、故障の原因となってしまうという問題があ
る。また、TBMにあっては、ディスクカッタの磨耗に
よる交換作業や地質の探査作業など、作業者は前胴や後
胴内で各種の作業を行う必要がある。前述したTBMに
はずり搬出用のベルトコンベヤが設けられており、この
ベルトコンベヤや搬送管などが前胴や後胴内を専有して
しまう。そのため、小径のTBMにあっては、このベル
トコンベヤや搬送管が邪魔となり、作業者の作業空間を
十分に確保することができず、ディスクカッタの交換作
業や地質の探査作業などを効率よく行うことができない
という問題があった。
【0006】そこで、このような問題を解決するものと
して、実公平4−49274号公報に開示されたものが
ある。この公報に開示されたトンネル掘削機は、ホッパ
の底部にジェットポンプを配設し、このジェットポンプ
の水流加速用ノズルの下流側にホッパに連通するずり取
込口を形成したものである。従って、ポンプから配管を
介して供給される加圧水をジェットポンプのノズルで増
速させることで、ずり取込口の近傍のスロート部で負圧
を生じさせ、その負圧の水流によってホッパ内のずりを
空気や水と共に吸引し、このずりを水流に乗せて外部に
排出するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、この
実公平4−49274号公報に開示された従来のトンネ
ル掘削機は、ジェットポンプを用いることで、岩塊や岩
片などはもちろんのこと、泥土や泥水などのずりも落下
せずに確実に搬送することができ、また、給排の配管の
みでずりの搬出装置を構成するため、このずりの搬出装
置が小型となり、内部でディスクカッタの交換作業など
を容易に行うことができる。
【0008】ところが、この従来のトンネル掘削機にあ
っても、カッタヘッドによる岩盤の掘削で発生したずり
が貯溜されるチャンバ室内には、このずりを集積するホ
ッパやジェットポンプ、あるいは、このジェットポンプ
に水を供給する送水管及びずりを排出する排出管、更
に、各操作弁などが設けられており、チャンバ室内に作
業空間を十分に確保することができず、ディスクカッタ
の交換作業などを効率よく行うことができなかった。
【0009】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、掘削によって生じた岩塊や岩片、土砂などの掘
削物を確実に排出すると共にチャンバ室内に作業空間を
十分に確保することで、掘削作業の作業効率の向上を図
った掘削物の排出装置及びトンネル掘削機並びにトンネ
ル掘削方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の掘削物の排出機置は、カッタヘッドの回転
によって掘削された掘削物をチャンバ内に集積して外部
に排出する掘削物の排出装置において、一端部が機外に
延設された掘削物排出管の他端部を前記チャンバ内に配
設して掘削物取込開口部を形成する一方、一端部に送水
ポンプが連結された送水管の他端部を前記チャンバ内に
配設してジェットノズルを設けると共に、該ジェットノ
ズルと前記掘削物取込開口部とを所定の間隔をもって対
向させたことを特徴とするものである。
【0011】従って、カッタヘッドの回転によって掘削
された掘削物はチャンバ室内に取込まれ、一方、送水ポ
ンプによって送水管を通って供給された水がジェットノ
ズルから掘削物排出管の掘削物取込開口部に向かって噴
出されることで、そのジェット水流によってチャンバ室
内の掘削物が掘削物取込開口部から掘削物排出管内に流
動され、この掘削物排出管を通って外部に排出されるこ
ととなり、チャンバ室内には掘削物排出管と送水管のみ
を配設するだけでよく、十分な作業空間が確保される。
【0012】また、本発明の掘削物の排出装置は、前記
掘削物排出管の掘削物取込開口部と前記送水管のジェッ
トノズルは前記チャンバ内の下部に設けられたことを特
徴とするものである。
【0013】従って、掘削物排出管と送水管はチャンバ
室の下部に配設されることとなり、チャンバ室の上部に
は十分な作業空間が確保される。
【0014】また、本発明のトンネル掘削機は、筒状の
掘削機本体と、該掘削機本体の前部に駆動回転自在に装
着されたカッタヘッドと、前記掘削機本体を前進させる
推進機構と、前記カッタヘッドと前記掘削機本体に設け
られた隔壁とで区画されたチャンバ室と、前記掘削機本
体から前記チャンバ室内に延設されて端部に掘削物取込
開口部が形成された掘削物排出管と、前記掘削機本体か
ら前記チャンバ室内に延設されて端部に前記掘削物取込
開口部と所定の間隔をもって対向するジェットノズルが
設けられた送水管とを具えたことを特徴とするものであ
る。
【0015】従って、本発明のトンネル掘削機にて岩盤
等を掘削するには、掘削機本体の前部のカッタヘッドを
駆動回転すると共に推進機構によってこの掘削機本体を
前進させると、回転するカッタヘッドが岩盤を破壊し、
掘削された掘削物はチャンバ室内に取込まれ、送水ポン
プによって送水管を通って供給された水はジェットノズ
ルから掘削物排出管の掘削物取込開口部に向かって噴出
され、このジェット水流によってチャンバ室内の掘削物
が掘削物取込開口部から掘削物排出管内に流動され、こ
の掘削物排出管を通って外部に排出されることとなり、
チャンバ室内には掘削物排出管と送水管のみを配設する
だけでよく、十分な作業空間が確保される。
【0016】また、本発明のトンネル掘削方法は、前部
に装着されたカッタヘッドを駆動回転させながら筒状の
本体を前進させることで、前方の岩盤を掘削してトンネ
ルを形成するトンネル掘削方法において、前記カッタヘ
ッドによって岩盤を掘削し、この掘削によって生じた掘
削物をチャンバ室内に集積し、送水管によって供給され
た水をジェットノズルから所定間隔をもって対向する掘
削物排出管の掘削物取込開口部に向かって噴射すること
で、該チャンバ室内の掘削物を該掘削物取込開口部に流
動させ、該掘削物を水流に乗せ、前記掘削物排出管を通
って外部に排出するようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0017】従って、ジェットノズルから対向する掘削
物取込開口部に向かって水を噴射し、チャンバ室内の掘
削物をこの掘削物取込開口部に流動させ、掘削物排出管
を通して外部に排出することとし、チャンバ室内にて各
種の作業を行う場合、このチャンバ室内には掘削物排出
管と送水管だけで十分な作業空間が確保されており、各
種の作業が安全に、且つ、効率よく行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】以下の説明では、本発明の掘削物の排出装
置を岩盤掘削によって生じた岩塊や岩片などのずりを排
出する排出装置とし、本発明のトンネル掘削機を岩盤を
掘削するトンネルボーリングマシン(TBM)として説
明する。
【0020】<トンネルボーリングマシンの全体構成>
図1に本発明の第1の実施の形態に係る掘削物の排出装
置の概略、図2にこの掘削物の排出装置を表す図1のII
−II断面、図3にこの掘削物の排出装置が搭載された本
発明のトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシ
ンの断面、図4にこのトンネルボーリングマシンの正面
視、図5に図3のA−A断面、図6に図3のB−B断
面、図7に図3のC−C断面、図8に推進機構としての
パラレルリンク機構の概略、図9にこのトンネルボーリ
ングマシンに適用されるリンク式セグメントエレクタ装
置の側面視、図10にリンク式セグメントエレクタ装置
の正面視を示す。
【0021】<トンネルボーリングマシンの全体構成>
まず、TBM10の全体構成について説明する。図3及
び図4に示すように、このTBM10において、掘削機
本体は円筒形状をなす前胴11と中胴12と後胴13と
から構成されている。この前胴11の前部には軸受14
によってカッタヘッド15が回転自在に装着されてお
り、このカッタヘッド15は前面に径方向に沿って互い
に交差するスポーク16が固定され、各スポーク16に
は岩盤をせん断破壊するディスクカッタ17が多数枢着
されると共に、岩盤の掘削面を掻き取るスクレーパ18
が固定されている。このカッタヘッド15の後部には内
歯を有するリングギヤ19が一体に固定される一方、前
胴11には電動式あるいは油圧式のカッタ旋回モータ2
0が固定されており、このカッタ旋回モータ20の駆動
ギヤ21がリングギヤ19に噛み合っている。
【0022】また、前胴11には掘削して発生したずり
が内部に浸入しないように、カッタヘッド15側とカッ
タ駆動モータ20側とを仕切るバルクヘッド22が形成
されており、カッタヘッド15とこのバルクヘッド22
との間にはチャンバ室23が形成されている。そして、
このチャンバ室23にはずりを集積するホッパ24がバ
ルクヘッド22に固定されて配設され、カッタヘッド1
5の内側には破壊されて落下したずりを掻き上げてホッ
パ24に取り込む掻き上げ板25が固定されている。更
に、このホッパ24の下部にはこのホッパ24にて集積
したずりを外部に排出する排出装置26が取付けられて
いる。
【0023】従って、カッタ駆動モータ20を駆動して
駆動ギヤ21を回転駆動すると、この駆動ギヤ21が噛
み合うリングギヤ19が回転し、リングギヤ19と一体
のカッタヘッド15を旋回し、ディスクカッタ17が岩
盤をせん断破壊し、スクレーパ18が掘削面を掻き取る
ことで、岩盤を掘削することができる。そして、掘削し
て生じたずりはチャンバ室23内に落下し、掻き上げ板
25がカッタヘッド15と共に回転することで、チャン
バ室23内のずりを掻き上げてホッパ24内に落とす。
このホッパ24内に落下して集積したずりは排出装置2
6によって外部に排出される。
【0024】図3及び図6に示すように、中胴12は前
胴11の後部に球面軸受27を介して揺動自在に連結さ
れている。また、後胴13は中胴12の後部内周面にシ
ール部材28を介して掘進方向移動自在に連結されてい
る。そして、前胴11の後部に固定された前胴基板29
と中胴12との間には連結ジャッキ30が仮設されてい
る。この連結ジャッキ30は油圧の給排によって伸縮作
動するものであって、ジャッキ本体は前胴基板29に固
定された球軸受31によって揺動自在に支持され、ロッ
ド先端部は中胴12の壁面に固定された球軸受32によ
って揺動自在に支持されている。
【0025】また、前胴11の前胴基板29と後胴13
の前部に固定された後胴基板33との間には推進機構と
しての6本のスラストジャッキ34a〜34fが架設さ
れている。このスラストジャッキ34a〜34fは油圧
の給排によって伸縮作動するものであって、ジャッキ本
体は前胴基板29に固定された球軸受35によって揺動
自在に支持され、ロッド先端部は後胴基板33に固定さ
れた球軸受36によって揺動自在に支持されている。そ
して、このスラストジャッキ34a〜34fはそれぞれ
隣合って配設された関係が、例えば、スラストジャッキ
34aがカッタヘッド15の周方向一方に傾斜し、スラ
ストジャッキ34bがカッタヘッド15の周方向他方に
傾斜して全体としてトラス状に配設されることでパラレ
ルリンク機構37を構成している。
【0026】従って、このパラレルリンク機構37にお
いて、スラストジャッキ34a〜34fの各作動ストロ
ークを変えることで、カッタヘッド15を有する前胴1
1を中胴12に対して屈曲し、その掘進方向を変更する
ことができる。また、このパラレルリンク機構37のス
ラストジャッキ34a〜34fの各駆動ロッドを伸長さ
せることで、カッタヘッド15を有する前胴11及び中
胴12を後胴13に対して前進することができる。
【0027】ここで、前述した複数のスラストジャッキ
34a〜34fから構成されるパラレルリンク機構37
の制御システムの構成について説明する。
【0028】図8に示すように、スラストジャッキ34
a〜34fにおいて、例えば、スラストジャッキ34a
の図示しないピストンによって仕切られた2つの圧力室
には油圧給排管41,42が連結されており、各油圧給
排管41,42はそれぞれ非常遮断弁43,44を介し
てサーボ弁45に連結されている。このサーボ弁45は
スラストジャッキ34aの各圧力室への圧油の供給及び
排出を操作するものであって、連結管46,47を介し
て油圧給排源48に連結されている。
【0029】また、スラストジャッキ34aにはその作
動位置を検出する変位センサ49が装着されており、こ
の変位センサ49は制御部50を介してサーボアンプ5
1に接続されている。そして、前述したサーボ弁45は
このサーボアンプ51に接続されている。なお、この制
御部50には複数のジョイスティックを有する操作部5
2と非常停止ボタン53が接続されている。
【0030】従って、変位センサ49はスラストジャッ
キ34aの作動位置を検出しており、その検出信号を制
御部50に出力している。制御部50はこの検出信号に
基づいてサーボアンプ51に指令信号を出力し、サーボ
アンプ51はその指令信号に基づいてサーボ弁45を制
御し、油圧給排源48とスラストジャッキ34aとの間
で油圧の給排を行うようになっている。なお、ここでは
スラストジャッキ34aについてのみ説明したが、他の
スラストジャッキ34b〜34fについても同様の構成
となっている。
【0031】また、前胴11には、図3及び図5に示す
ように、複数のフロントグリッパ55が周方向にほぼ均
等間隔で装着されており、各フロントグリッパ55は内
蔵された油圧ジャッキ56によって径方向に駆動するこ
とができる。従って、この油圧ジャッキ56を駆動して
各フロントグリッパ55を径方向に張り出すことで、こ
のフロントグリッパ55を前胴11内に収納した位置か
ら掘削形成されたトンネル内壁面に圧接して前胴11を
保持する位置に移動させることができる。
【0032】一方、後胴13には、図3及び図7に示す
ように、2つのリアグリッパ57が周方向にほぼ均等間
隔で2つ装着されており、各リアグリッパ57は内蔵さ
れた油圧ジャッキ58によって径方向に駆動することが
できる。従って、この油圧ジャッキ58を駆動して各リ
アグリッパ57を径方向に張り出すことで、このリアグ
リッパ57を後胴13内に収納した位置から掘削形成さ
れたトンネル内壁面に圧接して後胴13を保持する位置
に移動させることができる。
【0033】なお、通常のTBM10は岩盤掘削用のト
ンネル掘削機であり、前述した後胴13のリアグリッパ
57によって掘進反力を得て前胴11を推進させるもの
であるが、トンネル掘削中の地盤が岩盤層から一般土砂
層に変化した場合には、掘削したトンネル壁面が軟弱で
あり、リアグリッパ57によって掘進反力を得ることが
できない。そのため、このTBM10にあっては、シー
ルド掘削機のように、セグメントによって掘進反力を得
て前胴11が推進できるようになっている。
【0034】即ち、図3及び図7に示すように、後胴1
3の後部には円周方向に複数のシールドジャッキ59が
並設されており、後方に伸びる駆動ロッドの先端部には
スプレッダ60が取付けられている。従って、このシー
ルドジャッキ59を作動して掘進方向後方に駆動ロッド
を伸長させると、掘削したトンネル内周面に構築された
既設のセグメントSにスプレッダ60が押しつけられ、
その反力により前胴11、中胴12及び後胴13を前進
させることができる。なお、後胴13の後部内周面には
既設のセグメントSの外周面に密着して後胴13内部へ
の土砂の浸入を防止するテールパッキン61が固着され
ている。
【0035】<セグメントエレクタ装置の構成>次に、
TBM10に適用されたセグメントエレクタ装置につい
て説明する。図3に示すように、このTBM10に装着
されたセグメントエレクタ装置62はリンク式であっ
て、後胴13の後部に固定された固定板63に設けられ
ており、このエレクタ装置62はシールドジャッキ59
によって前進した後胴13(掘削機本体)と既設のセグ
メントSとの間の空所に新しいセグメントSを装着する
ものである。
【0036】即ち、図9及び図10に示すように、固定
板63にはブラケット64によって回転自在な4つの支
持ローラ65が周方向ほぼ均等間隔で取付けられてお
り、この4つの支持ローラ65によって回転リング66
が回転自在に支持され、この回転リング66には内歯を
有するリングギヤ67が固定されている。また、固定板
63にはブラケット68によって油圧モータ69が固定
されており、この油圧モータ69の駆動ギヤ70がリン
グギヤ67の内歯に噛み合っている。従って、油圧モー
タ69を駆動して駆動ギヤ70を回転駆動すると、この
駆動ギヤ70が噛み合うリングギヤ67が回転し、リン
グギヤ67と一体の回転リング66を旋回することがで
きる。
【0037】また、回転リング66に固定された固定台
71には一対の連結リンク72及び一対の可動リンク7
3を介して移動台74が支持されており、この一対の可
動リンク73には油圧ジャッキ75の本体が枢着され、
その駆動ロッドの先端部は固定台71に連結されてい
る。そして、この移動台74のねじロッド76にはスラ
イド体77が螺合し、このねじロッド76の回転によっ
てスライド体77が移動自在となっており、このスライ
ド体77に固定された取付ブラケット78には連結ピン
79によって吊り金具80が着脱自在となっている。な
お、この吊り金具80は下部がねじ部となっており、図
示しない装置によって搬入されたセグメントSの内面に
予め螺合されるものである。
【0038】従って、セグメントSに螺合された吊り金
具80に対して、スライド体77を移動して取付ブラケ
ット78と位置合せを行い、この吊り金具80を連結ピ
ン79によって取付ブラケット78に連結することで、
セグメントSを保持することができる。そして、油圧ジ
ャッキ75を駆動して駆動ロッドを伸縮すると、可動リ
ンク73及び連結リンク72が上下に回動し、固定台7
1に対して移動台74を昇降することで、保持したセグ
メントSを昇降することができる。更に、油圧モータ6
9を駆動してリングギヤ67と共に回転リング66を旋
回することで、保持したセグメントSをトンネル内壁面
に沿って移動することができる。
【0039】<掘削物の排出装置の構成>次に、上述し
たTBM10に装着された掘削物の排出装置26につい
て詳細に説明する。図1及び図2に示すように、掘削物
の排出装置26は、前胴11のカッタヘッド15とバル
クヘッド22との間に構成されたチャンバ室23内にず
りを集積するホッパ24と共に設けられている。
【0040】即ち、この排出装置26において、掘削機
本体(前胴11)内には送水管201と掘削物排出管202が
掘進方向に沿って配設されており、この送水管201及び
掘削物排出管202の一端部は機外に延設され、それぞれ
図示しない送水ポンプ、掘削物処理装置に連結されてい
る。そして、送水管201の他端部はバルクヘッド22を
貫通してチャンバ室23内に延設され、ジェットノズル
203が設けられている。一方、掘削物排出管202の他端部
はバルクヘッド22を貫通してチャンバ室23内に延設
され、掘削物取込開口部204が形成されている。この送
水管201及び掘削物排出管202の各端部はチャンバ室23
内で屈曲されることで、ジェットノズル203と掘削物取
込開口部204とは所定の間隔をもって対向している。
【0041】<トンネルボーリングマシンの作用>ここ
で、上述したように構成されたTBM10によって岩盤
を掘削してトンネルを構築する場合について説明する。
【0042】図3に示すように、油圧ジャッキ56を駆
動(縮小)して各フロントグリッパ55を引き込んで前
胴11内に収納することで、前胴11を移動自在とする
一方、油圧ジャッキ58を駆動(伸長)して各リアグリ
ッパ57を押し出して外周面を掘削形成されたトンネル
内壁面に圧接することで、後胴13を移動不能に保持す
る。この状態で、カッタ旋回駆動モータ20を駆動して
カッタヘッド15を回転駆動させながら、パラレルリン
ク機構37の各スラストジャッキ34a〜34fを伸長
して前胴11と共にカッタヘッド15を前方へ移動させ
る。すると、旋回するカッタヘッド15のディスクカッ
タ17が岩盤をせん断破壊し、スクレーパ18が掘削面
を掻き取ることで岩盤を掘削する。そして、このときに
各スラストジャッキ34a〜34fの各作動ストローク
を変えることで、前胴11は中胴12と球面軸受27を
介して折れ曲がり、カッタヘッド15の向きを変えてト
ンネルの掘削方向を変更することができる。
【0043】また、図8に示すように、制御部50には
変位センサ49が検出したスラストジャッキ34a〜3
4fの作動位置の検出信号が入力されており、制御部5
0は予め設定された掘削条件(掘削するトンネルの計画
線形や掘削速度等)及び変位センサ49の検出信号に基
づいてサーボアンプ51に指令信号を出力してサーボ弁
45を制御し、油圧給排源48とスラストジャッキ34
a〜34fとの間で油圧の給排を行う。従って、スラス
トジャッキ34a〜34fは油圧の給排によって所定量
駆動し、X方向、Y方向、Z方向及びψ方向、θ方向、
φ方向の制御が行われながら、カッタヘッド15をこの
X方向、Y方向、Z方向及びψ方向、θ方向、φ方向の
6自由度運動させる。
【0044】そして、各スラストジャッキ34a〜34
fを所定ストローク伸長すると、このスラストジャッキ
34a〜34fの駆動を停止し、油圧ジャッキ56を駆
動(伸長)して各フロントグリッパ55を押し出して外
周面を掘削形成されたトンネル内壁面に圧接すること
で、前胴11を移動不能に保持する一方、油圧ジャッキ
58を駆動(縮小)して各リアグリッパ57を引き込ん
で後胴13内に収納することで、後胴13を移動自在と
する。この状態で、パラレルリンク機構37の各スラス
トジャッキ34a〜34fを縮小して前胴11及び中胴
12に対して後胴13を前方へ引き寄せて移動させる。
そして、前述と同様に、各フロントグリッパ55を引き
込んで前胴11内に収納し、前胴11を移動自在とする
一方、各リアグリッパ57を押し出して外周面をトンネ
ル内壁面に圧接し、後胴13を移動不能に保持する。こ
の状態で、カッタ旋回駆動モータ20を駆動してカッタ
ヘッド15を回転駆動させながら、パラレルリンク機構
37の各スラストジャッキ34a〜34fを伸長して前
胴11と共にカッタヘッド15を前方へ移動させること
で、ディスクカッタ17及びスクレーパ18によって岩
盤を掘削する。この繰り返しによってトンネルを掘削形
成していく。
【0045】このディスクカッタ17及びスクレーパ1
8の岩盤掘削によって生じたずりはカッタヘッド15の
隙間からチャンバ室23内に落下し、カッタヘッド15
と共に回転する掻き上げ板25がこのチャンバ室23内
のずりを掻き上げてホッパ24内に落とす。そして、こ
のホッパ24内に落下して集積されたずりは排出装置2
6によって外部に排出される。
【0046】一方、送水ポンプによって送水管201を通
って供給された水はジェットノズル203から掘削物排出
管202の取込開口部204に向かって噴出される。従って、
ジェットノズル203から噴射されたジェット水流によっ
てチャンバ室23内に取り込まれたずりはこの取込開口
部204から掘削物排出管202内に流動される。そして、こ
の掘削物排出管202を通って外部に排出される。
【0047】このように掘削物の排出装置26にあって
は、前胴11内に送水管201及び掘削物排出管202を配設
し、送水管201の端部がバルクヘッド22を貫通してチ
ャンバ室23内に延設され、ジェットノズル203が設け
られる一方、掘削物排出管202の端部がバルクヘッド2
2を貫通してチャンバ室23内に延設され、掘削物取込
開口部204が形成されており、ジェットノズル203から噴
射されたジェット水流によってチャンバ室23内に取り
込まれたずりがこの取込開口部204から掘削物排出管202
内に流動して外部に排出されることとなり、岩盤掘削に
よって発生したずりを確実に排出することができると共
に、チャンバ室23内には送水管201と掘削物排出管202
のみを配設するだけで、ホッパ24も配設する必要がな
く、装置自体の小型化を図ることもでき、且つ、カッタ
の交換作業などのための十分な作業空間を確保できる。
【0048】このように岩盤を掘削してトンネルを掘削
形成していく過程で、この掘削形成されたトンネルの壁
面が安定している場合は支保は不要であるが、若干不安
定であり、壁面から岩片が剥がれ落ちないようにリング
状の形成したH形綱や木製の板等を支保として用い、ト
ンネルを保護する。
【0049】そして、岩盤を掘削してトンネルを形成す
る場合には、前述したように、リアグリッパ57がトン
ネル内壁面に圧接して後胴13を移動不能に保持こと
で、パラレルリンク機構37の各スラストジャッキ34
aはこの後胴13にて掘進反力を得て前胴11を前進さ
せ、旋回するカッタヘッド15によって前方の岩盤を掘
削する。一方、トンネル掘削中の地盤が岩盤層から一般
土砂層に変化した場合には、トンネル内壁面が軟弱であ
るため、リアグリッパ57によって推進反力を得ること
ができないので、シールドジャッキ59が既設のセグメ
ントSにて掘進反力を得て前胴11及び中胴12、後胴
13を推進させる。
【0050】即ち、複数のシールドジャッキ59のスプ
レッダ60を既設のセグメントSへ押し付けた状態で、
このシールドジャッキ59を伸長することにより、その
押し付け反力によってトンネル掘削機本体、即ち、前胴
11、中胴12及び後胴13を前進させ、これと同時に
カッタ駆動モータ20を駆動してカッタヘッド15を旋
回させ、ディスクカッタ17及びスクレーパ18によっ
て一般土砂層を掘削していく。そして、前胴11、中胴
12及び後胴13からなる掘削機本体が所定量前進する
と、シールドジャッキ59の何れか一つを縮み方向に作
動し、スプレッダ60と既設のセグメントSとの間に空
所を形成し、この空所にセグメントエレクタ装置62に
よって新しいセグメントSを装着する。
【0051】図9及び図10に示すように、図示しない
台車によってトンネル内に搬入されたセグメントSに対
して、作業者はこのセグメントSに吊り金具80を螺合
する。そして、エレクタ装置62のスライド体77を移
動し、取付ブラケット78をセグメントSに固定された
吊り金具80の上方に位置させ、この吊り金具80を連
結ピン79によって取付ブラケット78に連結する。こ
のようにセグメントSを取付ブラケット78が保持した
状態で、油圧ジャッキ75を駆動して可動リンク73を
回動することで移動台74を昇降すると共に、油圧モー
タ69を駆動して回転リング66を旋回することで移動
台74を旋回し、保持したセグメントSをトンネル内で
移送してトンネル内壁面の所定の位置に組付ける。そし
て、セグメントSをトンネル内壁面に固定すると、セグ
メントSの保持を解除し、元位置に戻る。この繰り返し
によってトンネルを構築していく。
【0052】このように上述したTBM10では、トン
ネル掘削機本体(前胴11、中胴12、後胴13)をパ
ラレルリンク機構37あるいはシールドジャッキ59に
よって前進させながらカッタヘッド15を旋回させ、デ
ィスクカッタ17及びスクレーパ18によって岩盤を掘
削し、岩盤掘削によって生じたずりをホッパ24に集積
してから排出装置26によって外部に排出する一方、セ
グメントエレクタ装置62によってセグメントSをトン
ネル内壁面に装着することで、トンネルを構築してい
る。
【0053】なお、上述したTBM10において、パラ
レルリンク機構37を6本のスラストジャッキ34a〜
34fによって構成したが、スラストジャッキの数は6
本に限定されるものではなく、8本でも、10本でもよ
いものであり、いずれの場合であっても前述と同様の作
用効果を奏することができる。
【0054】また、上述したTBM10において、掘削
機本体の推進機構及び掘進方向を変更する機構としてパ
ラレルリンク機構37を用いたが、本発明のトンネル掘
削機はこれに限定されるものではない。
【0055】図11に本発明の第2の実施の形態に係る
トンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンの断
面、図12に図11のD−D断面、図13にこのトンネ
ルボーリングマシンに適用される門型セグメントエレク
タ装置の側面視、図14にこの門型セグメントエレクタ
装置の正面視を示す。
【0056】<トンネルボーリングマシンの全体構成>
まず、TBM110の全体構成について説明する。このT
BM110において、図11及び図12に示すように、掘
削機本体は円筒形状をなす前胴111と中胴112と後胴113
とから構成されている。この前胴111の前部には軸受114
によってカッタヘッド115が回転自在に装着されてお
り、このカッタヘッド115は前面にスポーク116によって
ディスクカッタ117及びスクレーパ118が装着されてい
る。そして、このカッタヘッド115の後部にはリングギ
ヤ119が一体に固定される一方、前胴111には6つのカッ
タ旋回モータ120が固定されており、このカッタ旋回モ
ータ120の駆動ギヤ121がリングギヤ119に噛み合ってい
る。また、前胴111にはバルクヘッド122が固定されるこ
とで、チャンバ室123が形成されている。そして、この
チャンバ室123にはずりを集積するホッパ124が配設さ
れ、カッタヘッド115の内側にはチャンバ室123に落下し
たずりを掻き上げてホッパ124に取り込む掻き上げ板125
が固定されている。更に、このホッパ124の下部にはこ
のホッパ124にて集積したずりを外部に排出する排出装
置126が取付けられている。
【0057】従って、カッタ駆動モータ120を駆動して
駆動ギヤ121を回転駆動すると、この駆動ギヤ121が噛み
合うリングギヤ119が回転してカッタヘッド115を旋回
し、ディスクカッタ117が岩盤をせん断破壊する一方、
スクレーパ118が掘削面を掻き取ることで、岩盤を掘削
することができる。そして、掘削して生じたずりはチャ
ンバ室123内に落下し、掻き上げ板125によってチャンバ
室123内に取り込まれ、このホッパ124内に集積したずり
は排出装置126によって外部に排出される。
【0058】また、中胴112は前胴111の後部に掘進方向
移動自在に連結され、後胴113は中胴112の後部に揺動自
在に連結されている。そして、前胴111の後部に固定さ
れた前胴基板127と後胴113の前部に固定された後胴基板
128との間には推進機構としての8本のスラストジャッ
キ129が架設され、それぞれ球軸受130,131によって揺
動自在に連結されている。また、前胴111と中胴112との
間には2本の中折ジャッキ132が架設され、更に、前胴1
11と後胴113との間にはカッタトルクを受ける反力ジャ
ッキ133が架設されている。
【0059】従って、スラストジャッキ129を駆動して
駆動ロッドを伸長させることで、カッタヘッド115を有
する前胴111を中胴112及び後胴113に対して前進するこ
とができる。また、中折ジャッキ132を駆動して駆動ロ
ッドを伸縮させることで、カッタヘッド115を有する前
胴111及び中胴112を後胴113に対して屈曲し、その掘進
方向を変更することができる。
【0060】また、前胴111にはフロントグリッパ134及
び補助グリッパ135が径方向移動自在に設けられてお
り、各グリッパ134,135は内蔵された油圧ジャッキ13
6,137によって駆動することができる。一方、後胴113
にはリアグリッパ138が径方向移動自在に設けられてお
り、リアグリッパ138は内蔵された油圧ジャッキ139によ
って駆動することができる。
【0061】更に、後胴113の後部には円周方向に複数
のシールドジャッキ140が並設されており、後方に伸び
る駆動ロッドの先端部にはスプレッダ141が取付けられ
ている。従って、このシールドジャッキ140を作動して
掘進方向後方に駆動ロッドを伸長させると、掘削したト
ンネル内周面に構築された既設のセグメントSにスプレ
ッダ141を押し付けることで、その反力により前胴111及
び中胴112、後胴113を前進することができる。
【0062】<セグメントエレクタ装置の構成>次に、
TBM10に適用されたセグメントエレクタ装置につい
て説明する。図13及び図14に示すように、このTB
M110に装着されたセグメントエレクタ装置142は門型を
なし、後胴113の後部に固定された固定板143に設けられ
ており、このエレクタ装置142はシールドジャッキ140に
よって前進した後胴113(掘削機本体)と既設のセグメ
ントSとの間の空所に新しいセグメントSを装着するも
のである。
【0063】即ち、固定板143にはブラケット144によっ
て回転自在な8つの支持ローラ145が周方向均等間隔で
取付けられており、この8つの支持ローラ145によって
回転リング146が回転自在に支持され、この回転リング1
46には内歯を有するリングギヤ147が固定されている。
また、固定板143にはブラケット148によって油圧モータ
149が固定されており、この油圧モータ149の駆動ギヤ15
0がリングギヤ147の内歯に噛み合っている。従って、油
圧モータ149を駆動して駆動ギヤ150を回転駆動すると、
この駆動ギヤ150が噛み合うリングギヤ147が回転し、リ
ングギヤ147と一体の回転リング146を旋回することがで
きる。
【0064】また、回転リング146には左右一対の固定
台151が固定されており、U字形状をなす移動枠体152の
左右端部がこの各固定台151にそれぞれガイドロッド153
によって移動自在に支持されており、それぞれ昇降ジャ
ッキ154によって昇降自在となっている。そして、この
移動枠体152の中央部には昇降台155が固定されており、
この昇降台155のスライドロッド156にはスライド体157
が移動自在に嵌合しており、このスライド体157に固定
された取付ブラケット158には連結ピン159によって吊り
金具160が着脱自在となっている。なお、この吊り金具1
60は下部がねじ部となっており、図示しない装置によっ
て搬入されたセグメントSの内面に予め螺合されるもの
である。また、取付ブラケット158には取付ブラケット1
58の両側に位置してセグメントSの内面を押える押え部
材161が取付けられている。
【0065】従って、セグメントSに螺合された吊り金
具160に対して、スライド体157を移動して取付ブラケッ
ト158と位置合せを行い、この吊り金具160を連結ピン15
9によって取付ブラケット158に連結することで、セグメ
ントSを保持することができる。そして、昇降ジャッキ
154を駆動して駆動ロッドを伸縮すると、移動枠体152を
介して昇降台155が上下に移動し、この昇降台155を昇降
することで、保持したセグメントSを昇降することがで
きる。更に、油圧モータ149を駆動してリングギヤ147と
共に回転リング146を旋回することで、保持したセグメ
ントSをトンネル内壁面に沿って移動することができ
る。
【0066】<トンネルボーリングマシンの作用>ここ
で、上述したように構成されたTBM110によって岩盤
を掘削してトンネルを構築する場合について説明する。
【0067】このように構成されたTBM110によって
岩盤を掘削してトンネルを構築するには、図11に示す
ように、油圧ジャッキ136,137を駆動(縮小)し、フロ
ントグリッパ134及び補助グリッパ135を引き込んで前胴
111を移動自在とする一方、油圧ジャッキ139を駆動(伸
長)し、各リアグリッパ138を掘削形成されたトンネル
内壁面に圧接して後胴113を移動不能に保持する。この
状態で、カッタ旋回駆動モータ120を駆動してカッタヘ
ッド115を回転駆動させながら、各スラストジャッキ129
を伸長して前胴111と共にカッタヘッド115を前方へ移動
させる。すると、旋回するカッタヘッド115のディスク
カッタ117が岩盤をせん断破壊し、スクレーパ118が掘削
面を掻き取ることで岩盤を掘削する。そして、このとき
に各中折ジャッキ132を伸縮することで、前胴111及び中
胴112は後胴113に対して折れ曲がり、カッタヘッド115
の向きを変えてトンネルの掘削方向を変更することがで
きる。
【0068】そして、各スラストジャッキ129を所定ス
トローク伸長すると、このスラストジャッキ129の駆動
を停止し、フロントグリッパ134及び補助グリッパ135を
押し出してトンネル内壁面に圧接し、前胴11を移動不
能に保持する一方、リアグリッパ138を引き込んで後胴1
13を移動自在とする。この状態で、各スラストジャッキ
129を縮少して前胴111に対して中胴112及び後胴113を前
方へ引き寄せて移動させる。そして、前述と同様に、各
フロントグリッパ134及び補助グリッパ135によって前胴
11を移動自在とする一方、各リアグリッパ138によっ
て後胴13を移動不能に保持し、カッタヘッド15を回
転駆動させながら各スラストジャッキ129を伸長して前
胴111と共にカッタヘッド115を前方へ移動させること
で、ディスクカッタ117及びスクレーパ118によって岩盤
を掘削する。この繰り返しによってトンネルを掘削形成
していく。
【0069】このディスクカッタ117及びスクレーパ118
の岩盤掘削によって生じたずりはカッタヘッド115の隙
間からチャンバ室123内に落下し、カッタヘッド115 と
共に回転する掻き上げ板125がこのチャンバ室123内のず
りを掻き上げてホッパ124内に落とす。そして、このホ
ッパ124内に落下して集積されたずりは排出装置126によ
って外部に排出される。
【0070】即ち、この排出装置126は前述したTBM
10に装着された排出装置26とほぼ同様の構成となっ
ており、図1及び図2に示すように、送水ポンプによっ
て送水管201を通って供給された水はジェットノズル203
から掘削物排出管202の取込開口部204に向かって噴出さ
れる。従って、ジェットノズル203から噴射されたジェ
ット水流によってチャンバ室23内に取り込まれたずり
はこの取込開口部204から掘削物排出管202内に流動され
る。そして、この掘削物排出管202を通って外部に排出
される。
【0071】ところで、このように岩盤を掘削してトン
ネルを掘削形成していく過程で、この掘削形成されたト
ンネルの壁面が安定している場合は支保は不要である
が、若干不安定であり、壁面から岩片が剥がれ落ちない
ようにリング状の形成したH形綱や木製の板等を支保と
して用い、トンネルを保護する。また、岩盤を掘削して
トンネルを形成する場合に、掘削地盤が岩盤層から一般
土砂層に変化した場合には、シールドジャッキ140がセ
グメントSにて掘進反力を得て前胴111及び中胴112、後
胴113を推進させる。
【0072】即ち、複数のシールドジャッキ140のスプ
レッダ141を既設のセグメントSへ押し付けた状態で、
このシールドジャッキ140を伸長することにより、その
押し付け反力によってトンネル掘削機本体、即ち、前胴
111及び中胴112、後胴113を前進させ、これと同時にカ
ッタ駆動モータ120を駆動してカッタヘッド115を旋回さ
せ、ディスクカッタ117及びスクレーパ118によって一般
土砂層を掘削していく。そして、前胴111及び中胴112、
後胴113からなる掘削機本体が所定量前進すると、シー
ルドジャッキ140の何れか一つを縮み方向に作動し、ス
プレッダ141と既設のセグメントSとの間に空所を形成
し、この空所にセグメントエレクタ装置142によって新
しいセグメントSを装着する。
【0073】図13及び図14に示すように、図示しな
い台車によってトンネル内に搬入されたセグメントSに
対して、作業者はこのセグメントSに吊り金具160を固
定する。そして、エレクタ装置142のスライド体157を移
動し、取付ブラケット158をセグメントSに固定された
吊り金具160の上方に位置させ、この吊り金具160を連結
ピン159によって取付ブラケット158に連結する。このよ
うにセグメントSを取付ブラケット158が保持した状態
で、昇降ジャッキ154を駆動して移動枠体152を介してし
昇降台155を昇降すると共に、油圧モータ149を駆動して
回転リング146を旋回することで昇降台155を旋回し、保
持したセグメントSをトンネル内で移送してトンネル内
壁面の所定の位置に組付ける。そして、セグメントSを
トンネル内壁面に固定すると、セグメントSの保持を解
除し、元位置に戻る。この繰り返しによってトンネルを
構築していく。
【0074】このように上述したTBM110では、トン
ネル掘削機本体(前胴111、中胴112、後胴113)をスラ
ストジャッキ129あるいはシールドジャッキ140によって
前進させながらカッタヘッド115を旋回させ、ディスク
カッタ117及びスクレーパ118によって岩盤を掘削し、岩
盤掘削によって生じたずりをホッパ124に集積してから
排出装置126によって外部に排出する一方、セグメント
エレクタ装置142によってセグメントSをトンネル内壁
面に装着することで、トンネルを構築している。
【0075】なお、上述した各実施の形態にあっては、
推進手段としてパラレルリンク機構37を用いたTBM
10ではリンク式セグメントエレクタ装置62を適用
し、推進手段としてシールドジャッキ129を用いたTB
M110では門型セグメントエレクタ装置142を適用した
が、TBM10とセグメントエレクタ装置との関係はこ
れらに限定されるものではなく、パラレルリンク機構3
7を用いたTBM10に門型セグメントエレクタ装置14
2を適用してもよいものである。
【0076】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明の掘
削物の排出装置によれば、一端部が機外に延設された掘
削物排出管の他端部をチャンバ内に配設して掘削物取込
開口部を形成する一方、一端部に送水ポンプが連結され
た送水管の他端部をチャンバ内に配設してジェットノズ
ルを設けると共にこのジェットノズルと掘削物取込開口
部とを所定の間隔をもって対向させたので、掘削によっ
て発生した掘削物を確実に外部に排出することができる
と共に、チャンバ室内には送水管と掘削物排出管のみを
配設するだけで、掘削物を集積するホッパを配設する必
要がなく、装置自体の小型化を図ることもでき、且つ、
カッタの交換作業などのための作業空間を十分に確保で
き、掘削作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0077】また、本発明の掘削物の排出装置によれ
ば、掘削物排出管の掘削物取込開口部と送水管のジェッ
トノズルとをチャンバ内の下部に設けたので、チャンバ
室の上部には十分な作業空間が確保され、カッタの交換
作業などの作業空間を効率良く行うことができる。
【0078】また、本発明のトンネル掘削機によれば、
掘削機本体の前部に駆動回転自在なカッタヘッドを装着
して推進機構によって前進可能とし、掘削機本体からチ
ャンバ室内に延設して端部に掘削物取込開口部が形成さ
れた掘削物排出管を設けると共に、掘削機本体からチャ
ンバ室内に延設されて端部に掘削物取込開口部と所定の
間隔をもって対向するジェットノズルを有する送水管を
設けたので、掘削物を確実に外部に排出することがで
き、また、チャンバ室内には掘削物排出管と送水管のみ
を配設するだけでよく、十分な作業空間が確保され、掘
削作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0079】また、本発明のトンネル掘削方法によれ
ば、カッタヘッドによって岩盤を掘削し、この掘削によ
って生じた掘削物をチャンバ室内に集積し、送水管によ
って供給された水をジェットノズルから対向する掘削物
排出管の掘削物取込開口部に向かって噴射することで、
掘削物をこの掘削物取込開口部に流動させ、水流に乗せ
て掘削物排出管を通って外部に排出するようにしたの
で、掘削物を確実に外部に排出することができ、また、
チャンバ室内にて各種の作業を行う場合、このチャンバ
室内には掘削物排出管と送水管だけで十分な作業空間が
確保されており、各種の作業を安全に、且つ、効率良く
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る掘削物の排出
装置の概略図である。
【図2】掘削物の排出装置を表す図1のII−II断面図で
ある。
【図3】本発明のトンネル掘削機としてのトンネルボー
リングマシンの断面図である。
【図4】トンネルボーリングマシンの正面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図3のB−B断面図である。
【図7】図3のC−C断面図である。
【図8】推進機構としてのパラレルリンク機構の概略図
である。
【図9】リンク式セグメントエレクタ装置の側面図であ
る。
【図10】リンク式セグメントエレクタ装置の正面図で
ある。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るトンネル掘
削機としてのトンネルボーリングマシンの断面図であ
る。
【図12】図11のD−D断面図である。
【図13】門型セグメントエレクタ装置の側面図であ
る。
【図14】門型セグメントエレクタ装置の正面図であ
る。
【符号の説明】
10,110 トンネルボーリングマシン 11,111 前胴(トンネル掘削機本体) 12,112 中胴(トンネル掘削機本体) 13,113 後胴(トンネル掘削機本体) 15,115 カッタヘッド 20,120 カッタ旋回油圧モータ 23,123 チャンバ室 26,126 排出装置 30 連結ジャッキ 34a〜34f スラストジャッキ 37 パラレルリンク機構 59,140 シールドジャッキ 62 リンク式セグメントエレクタ装置 129 スラストジャッキ 132 中折ジャッキ 133 反力ジャッキ 142 門型セグメントエレクタ装置 201 送水管 202 掘削物排出管 203 ジェットノズル 204 掘削物取込開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カッタヘッドの回転によって掘削された
    掘削物をチャンバ内に集積して外部に排出する掘削物の
    排出装置において、一端部が機外に延設された掘削物排
    出管の他端部を前記チャンバ内に配設して掘削物取込開
    口部を形成する一方、一端部に送水ポンプが連結された
    送水管の他端部を前記チャンバ内に配設してジェットノ
    ズルを設けると共に、該ジェットノズルと前記掘削物取
    込開口部とを所定の間隔をもって対向させたことを特徴
    とする掘削物の排出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の掘削物の排出装置におい
    て、前記掘削物排出管の掘削物取込開口部と前記送水管
    のジェットノズルは前記チャンバ内の下部に設けられた
    ことを特徴とする掘削物の排出装置。
  3. 【請求項3】 筒状の掘削機本体と、該掘削機本体の前
    部に駆動回転自在に装着されたカッタヘッドと、前記掘
    削機本体を前進させる推進機構と、前記カッタヘッドと
    前記掘削機本体に設けられた隔壁とで区画されたチャン
    バ室と、前記掘削機本体から前記チャンバ室内に延設さ
    れて端部に掘削物取込開口部が形成された掘削物排出管
    と、前記掘削機本体から前記チャンバ室内に延設されて
    端部に前記掘削物取込開口部と所定の間隔をもって対向
    するジェットノズルが設けられた送水管とを具えたこと
    を特徴とするトンネル掘削機。
  4. 【請求項4】 前部に装着されたカッタヘッドを駆動回
    転させながら筒状の本体を前進させることで、前方の岩
    盤を掘削してトンネルを形成するトンネル掘削方法にお
    いて、前記カッタヘッドによって岩盤を掘削し、この掘
    削によって生じた掘削物をチャンバ室内に集積し、送水
    管によって供給された水をジェットノズルから所定間隔
    をもって対向する掘削物排出管の掘削物取込開口部に向
    かって噴射することで、該チャンバ室内の掘削物を該掘
    削物取込開口部に流動させ、該掘削物を水流に乗せ、前
    記掘削物排出管を通って外部に排出するようにしたこと
    を特徴とするトンネル掘削方法。
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