JPH09195683A - ローラカッタの摩耗検出装置 - Google Patents

ローラカッタの摩耗検出装置

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JPH09195683A
JPH09195683A JP8007994A JP799496A JPH09195683A JP H09195683 A JPH09195683 A JP H09195683A JP 8007994 A JP8007994 A JP 8007994A JP 799496 A JP799496 A JP 799496A JP H09195683 A JPH09195683 A JP H09195683A
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JP
Japan
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roller cutter
cutter
roller
wear
potential difference
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Withdrawn
Application number
JP8007994A
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English (en)
Inventor
Sei Matsunaga
聖 松永
Hiroshi Matsubayashi
博 松林
Kazuya Hyodo
和也 兵頭
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラカッタの磨耗検出装置において、ロー
ラカッタの磨耗を的確に検出してローラカッタの交換を
効率よく行う。 【解決手段】 駆動回転自在なカッタヘッド15の前面
部に固定された主軸203に多数のローラカッタ17を
回転自在に装着し、この主軸203におけるローラカッ
タ17の両側に一対の電流印加用電極205と一対の電
位差検出用電極206,207を装着し、電流印加用電
極205に定電流発生器213を接続する一方、電位差
検出用電極206,207に電位差計214を接続し、
定電流発生器213が印加した定電流電圧を電位差計2
14が検出し、その電位差に基づいてローラカッタ17
の摩耗状態を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッタヘッドの前
面部に設けられたローラカッタの摩耗を検出するローラ
カッタの摩耗検出装置及びこのローラカッタの摩耗検出
装置装置が適用されたトンネル掘削機並びにトンネル掘
削方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地山にトンネルを掘削するトンネル掘削
機において、特に、岩盤を掘削するものとしてトンネル
ボーリングマシン(以下、TBMと称する。)がある。
このTBMにおいて、円筒形状をなす前胴の前部に駆動
回転自在なカッタヘッドが装着されており、このカッタ
ヘッドには岩盤を破壊するローラカッタが多数取付けら
れている。また、この前胴には掘削形成したトンネルの
内壁面に圧接してこの前胴を位置保持可能なフロントグ
リッパが装着されている。一方、前胴の後部には掘進方
向に沿って相対移動自在な円筒形状の後胴が連結されて
おり、この後胴には掘削形成したトンネルの内壁面に圧
接して後胴を位置保持可能なリアグリッパが装着されて
いる。更に、この前胴と後胴との間には両者を前進させ
る複数のスラストジャッキが架設されている。
【0003】従って、このように構成されたTBMによ
ってトンネルを掘削形成するには、リアグリッパによっ
て後胴をトンネル内で位置保持する一方、カッタヘッド
を回転駆動させながら複数のスラストジャッキを伸長さ
せると、多数のローラカッタが前方の岩盤を掘削しなが
ら前胴が前進する。そして、スラストジャッキが所定ス
トロークだけ伸長すると、このスラストジャッキの駆動
を停止し、フロントグリッパによって前胴を位置保持す
る一方、リアグリッパによる後胴の位置保持を解除す
る。この状態で複数のスラストジャッキを縮小させる
と、前胴に対して後胴が引き寄せられて前進する。その
後、前述と同様に、リアグリッパによって後胴を位置保
持する一方、フロントグリッパによる前胴の位置保持を
解除し、カッタヘッドを回転駆動させながら複数のスラ
ストジャッキを伸長させることで、岩盤を掘削しながら
前胴が前進する。この繰り返しによって所定長さのトン
ネルを掘削形成していく。
【0004】上述したTBMにおいて、トンネルを掘削
形成するとき、前述したように、カッタヘッドを回転駆
動させながら多数のローラカッタを前方の岩盤に押しつ
けることで、このローラカッタが岩盤に圧接しながら転
動し、この岩盤を破砕していく。そのため、このローラ
カッタは長期の使用によって摩耗してしまい、従来はロ
ーラカッタの摩耗量を常時検出し、このローラカッタの
磨耗量が設定値を越えた場合には交換していた。
【0005】図20に従来のローラカッタの支持構造を
表す要部断面、図21に図20のX−X断面を示す。
【0006】図20及び図21に示すように、図示しな
いカッタヘッドに固定されたリテーナ001には固定軸
002が固定されており、この固定軸002にはローラ
カッタ003が固定されたハブ004が軸受005を介
して回転自在に支持されている。そして、リテーナ00
1とハブ004との間には土砂の浸入を防止するシール
006が介装されている。また、ハブ004の内周面に
はその周方向に沿って磁気スチール007が取付けられ
る一方、固定軸002の外周面には磁気検出器008が
取付けられており、この磁気検出器008には演算処理
装置009が接続されている。
【0007】従って、TBMによるトンネルを掘削作業
時に、カッタヘッドの回転に伴って多数のローラカッタ
003が前方の岩盤に接触しながら転動するとき、この
ローラカッタ003はハブ004と共に固定軸002を
支点として回転する。このとき、固定軸002に取付け
られた磁気検出器008はハブ004の内周面に取付け
られた磁気スチール007を検出することでパルス数を
カウントする。演算処理装置009はこのパルスカウン
トとカッタヘッドの回転速度からローラカッタ003の
磨耗量を検出する。即ち、ローラカッタ003が磨耗す
ると、直径が小さくなることで円周の長さが減少し、時
間当たりの回転量が増加する。演算処理装置009は磨
耗していない時間当たりのローラカッタ003の回転量
を記憶しており、この設定値と磁気検出器008が検出
したカウント数から演算した回転量とを比較してローラ
カッタ003の使用限界を判断している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のローラ
カッタ003にあっては、演算処理装置009がローラ
カッタ003の回転量から磨耗量を推定していた。とこ
ろで、このローラカッタ003は破砕する岩盤との接触
状態によってその回動量が変化してしまう。特に、カッ
タヘッドの中央部に位置するローラカッタ003は掘削
トルクが大きくために転動不良となりやすく、偏磨耗が
発生する。従来の演算処理装置009によるローラカッ
タ003の摩耗検出方法にあっては、ローラカッタ00
3に転動不良が発生した場合、磁気検出器008が検出
するカウント数が減少し、偏磨耗が進行しているにも拘
らずローラカッタ003の回転量は増加しない。そのた
め、ローラカッタ003の磨耗を検出することができ
ず、その交換時期を的確に判断することができなかっ
た。
【0009】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、ローラカッタの磨耗を的確に検出してローラカ
ッタの交換を効率よく行うことで掘削効率の向上を図っ
たローラカッタの磨耗検出装置、及び、トンネル掘削
機、トンネル掘削方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明のローラカッタの磨耗検出装置は、回転駆動
するカッタヘッドの前面部に設けられた多数のローラカ
ッタの摩耗を検出するローラカッタの摩耗検出装置にお
いて、前記ローラカッタを前記カッタヘッドに固定され
た主軸に回転自在に装着し、該主軸における前記ローラ
カッタの両側に一対の電流印加用電極及び一対の電位差
検出用電極を装着し、ローラカッタ摩耗検出手段が前記
一対の電位差検出用電極が検出した検出電位差に基づい
て前記ローラカッタの摩耗状態を検出することを特徴と
するものである。
【0011】従って、カッタヘッドが回転駆動するのに
伴って多数のローラカッタが地盤に押し付けられること
で、このローラカッタは転動しながらこの地盤を掘削
し、このとき、一対の電流印加用電極から主軸及びロー
ラカッタに電流が印加され、一対の電位差検出用電極は
この印加された電圧を検出している。ローラカッタの長
期使用によって磨耗が進行すると、抵抗値が変化するこ
とで検出電圧が低下し、磨耗の前後で電位差が生じるこ
ととなり、ローラカッタ摩耗検出手段はこの検出電位差
に基づいてローラカッタの摩耗状態を判定する。
【0012】また、本発明のトンネル掘削機は、筒状の
掘削機本体と、該掘削機本体を前進させる推進機構と、
前記掘削機本体の前部に回転自在に装着されたカッタヘ
ッドと、該カッタヘッドを駆動回転するカッタヘッド駆
動機構と、前記カッタヘッドの前面部に主軸によって回
転自在に支持された多数のローラカッタと、前記主軸に
おける前記ローラカッタの両側に装着された一対の電流
印加用電極と、前記主軸における前記ローラカッタの両
側に装着された一対の電位差検出用電極と、前記一対の
電位差検出用電極が検出した検出電位差に基づいて前記
ローラカッタの摩耗状態を検出するローラカッタ摩耗検
出手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0013】従って、推進機構によって掘削機本体を前
進させると共にカッタヘッド駆動機構によってカッタヘ
ッドを駆動回転すると、多数のローラカッタが前方の地
盤に押し付けられることで、このローラカッタは転動し
ながらこの地盤を掘削し、トンネルを掘削する。このと
き、一対の電流印加用電極から主軸及びローラカッタに
電流が印加され、一対の電位差検出用電極はこの印加さ
れた電圧を検出しており、ローラカッタの長期使用によ
って磨耗が進行すると、抵抗値が変化することで検出電
圧が低下し、磨耗の前後で電位差が生じることとなり、
ローラカッタ摩耗検出手段はこの検出電位差に基づいて
ローラカッタの摩耗状態を判定する。
【0014】また、本発明のトンネル掘削方法は、前部
に装着されたカッタヘッドを駆動回転させながら筒状の
本体を前進させることで、該カッタヘッドに装着された
多数のローラカッタによって前方の岩盤を掘削してトン
ネルを形成するトンネル掘削方法において、前記ローラ
カッタを回転自在に支持する主軸の両側に電流を印加
し、ローラカッタによる岩盤掘削に並行して該主軸に印
加された電流の電位差を検出し、この検出した検出電位
差に基づいて前記ローラカッタの摩耗状態を検出するよ
うにしたことを特徴とするものである。
【0015】従って、掘削作業中に、主軸及びローラカ
ッタに電流を印加し、ローラカッタによる岩盤掘削に並
行してこの印加された電圧を検出しており、ローラカッ
タの磨耗が進行すると、抵抗値が変化することで検出し
た電位差が低下することとなり、この電位差の低下に基
づいてローラカッタの摩耗状態を検出する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0017】本発明のローラカッタの磨耗検出装置は、
駆動回転自在に支持されたカッタヘッドの前面部に設け
られた多数のローラカッタの摩耗を検出するものであ
る。即ち、このローラカッタをカッタヘッドに固定され
た主軸に回転自在に装着し、この主軸におけるローラカ
ッタの両側に少なくとも一対の電流印加用電極と一対の
電位差検出用電極を装着し、電流印加用電極に、例え
ば、定電流発生器を接続する一方、電位差検出用電極に
電位差計を接続する。そして、ローラカッタ摩耗検出手
段にはこの定電流発生器と電位差計がそれぞれ接続され
ており、この電位差計が検出した検出電位差に基づいて
ローラカッタの摩耗状態を検出する。
【0018】従って、カッタヘッドが回転駆動するのに
伴って多数のローラカッタが地盤に押し付けられること
で、このローラカッタは転動しながらこの地盤を掘削す
る。このとき、定電流発生器によって電流印加用電極か
ら主軸に電流を印加し、電位差計は電位差検出用電極を
通してローラカッタを含む主軸の両側に流れる電圧を検
出している。ローラカッタの長期使用によって磨耗が進
行すると、ローラカッタの直径が小さくなることで抵抗
値が変化して検出電圧が低下し、磨耗の前後で電位差が
生じる。そのため、ローラカッタ摩耗検出手段は磨耗し
ていないときのローラカッタの設定電圧を予め記憶して
おり、この設定電圧に応じた検出電圧の低下量によって
ローラカッタの摩耗量を検出し、このローラカッタの交
換時期を判断することができる。
【0019】また、本発明のローラカッタの磨耗検出装
置において、ローラカッタの外周部に周方向均等な凹凸
部を設ける一方、カッタヘッドにこの凹凸部に弾性接触
する板ばねなどの検出片を設け、ローラカッタ転動状態
検出手段として、例えば、加速度計をこの板ばねに取付
けてある。
【0020】従って、掘削作業時に、ローラカッタが回
転すると、板ばねが凹凸部に接触して打撃音が発生し、
加速度計がこの打撃音の周期を検出しており、この周期
に基づいてローラカッタ転動状態、即ち、正しく回転し
ているかどうかを検出する。一方、前述したように、ロ
ーラカッタ摩耗検出手段は検出電圧の低下量によってロ
ーラカッタの摩耗量を検出しており、加速度計が検出す
るローラカッタ転動状態を考慮することで、ローラカッ
タの転動不良による偏摩耗も検出し、ローラカッタの交
換時期を判断することができる。
【0021】更に、本発明のトンネル掘削機は、筒状の
掘削機本体を推進機構によって前進可能とし、この掘削
機本体の前部に回転自在なカッタヘッドを装着すると共
にこのカッタヘッドの前面部に主軸をもって多数のロー
ラカッタを回転自在に支持し、カッタヘッドをカッタヘ
ッド駆動機構によって駆動回転可能となっている。そし
て、カッタヘッドの主軸におけるローラカッタの両側に
少なくとも一対の電流印加用電極を装着すると共に一対
の電位差検出用電極を装着し、電流印加用電極に、例え
ば、定電流発生器を接続する一方、電位差検出用電極に
電位差計を接続する。そして、ローラカッタ摩耗検出手
段にはこの定電流発生器と電位差計がそれぞれ接続され
ており、この電位差計が検出した検出電位差に基づいて
ローラカッタの摩耗状態を検出する。
【0022】従って、推進機構によって掘削機本体を前
進させると共にカッタヘッド駆動機構によってカッタヘ
ッドを駆動回転すると、多数のローラカッタが前方の地
盤に押し付けられることで、このローラカッタは転動し
ながらこの地盤を掘削し、トンネルを掘削する。このと
き、定電流発生器によって電流印加用電極から主軸に電
流を印加し、電位差計は電位差検出用電極を通してロー
ラカッタを含む主軸の両側に流れる電圧を検出してい
る。ローラカッタの長期使用によって磨耗が進行する
と、ローラカッタの直径が小さくなることで抵抗値が変
化して検出電圧が低下し、磨耗の前後で電位差が生じ
る。そのため、ローラカッタ摩耗検出手段は磨耗してい
ないときのローラカッタの設定電圧を予め記憶してお
り、この設定電圧に応じた検出電圧の低下量によってロ
ーラカッタの摩耗量を検出し、このローラカッタの交換
時期を判断することができる。
【0023】そして、このようなトンネル掘削機を用い
た本発明のトンネル掘削方法は、カッタヘッドを駆動回
転させながら本体を前進させることで、カッタヘッドに
装着された多数のローラカッタが前方の岩盤を掘削して
トンネルを形成するときに、ローラカッタを回転自在に
支持する主軸の両側に電流を印加し、この印加された電
流の電位差を検出し、検出した検出電位差に基づいてロ
ーラカッタの摩耗状態を検出するようにしている。
【0024】従って、ローラカッタの磨耗が進行する
と、ローラカッタの直径が小さくなることで抵抗値が変
化し、検出した電位差が低下することとなり、この電位
差の低下に基づいてローラカッタの摩耗状態を検出する
ことができる。
【0025】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0026】なお、以下に説明する実施例では、本発明
のトンネル掘削機を岩盤を掘削するトンネルボーリング
マシン(TBM)として説明する。
【0027】<第1実施例>図1に本発明の第1実施例
に係るローラカッタの磨耗検出装置の概略構成、図2に
本実施例のローラカッタの磨耗検出装置における各電極
の取付状態を表すローラカッタの正面視、図3に各電極
の取付状態を表すローラカッタの側面視、図4にローラ
カッタ転動状態検出装置を表すローラカッタの正面視、
図5にローラカッタ転動状態検出装置を表すローラカッ
タの側面視、図6にローラカッタの直径に対する設定電
圧を表すグラフ、図7にローラカッタの転動周期を説明
するためのグラフ、図8に本実施例に係るトンネル掘削
機としてのトンネルボーリングマシンの断面、図9にこ
のトンネルボーリングマシンの正面視、図10に図8の
A−A断面、図11に図8のB−B断面、図12に図8
のC−C断面、図13に推進機構としてのパラレルリン
ク機構の概略、図14にこのトンネルボーリングマシン
に適用されるリンク式セグメントエレクタ装置の側面
視、図15にリンク式セグメントエレクタ装置の正面視
を示す。
【0028】<トンネルボーリングマシンの全体構成>
まず、トンネルボーリングマシン(TBM)10の全体
構成について説明する。図8及び図9に示すように、T
BM10において、掘削機本体は円筒形状をなす前胴1
1と中胴12と後胴13とから構成されている。この前
胴11の前部には軸受14によってカッタヘッド15が
回転自在に装着されており、このカッタヘッド15は前
面に径方向に沿って互いに交差するスポーク16が固定
され、各スポーク16には岩盤をせん断破壊するローラ
カッタ17が多数枢着されると共に、岩盤の掘削面を掻
き取るスクレーパ18が固定されている。このカッタヘ
ッド15の後部には内歯を有するリングギヤ19が一体
に固定される一方、前胴11には電動式あるいは油圧式
のカッタ旋回モータ20が固定されており、このカッタ
旋回モータ20の駆動ギヤ21がリングギヤ19に噛み
合っている。
【0029】また、前胴11には掘削して発生したずり
が内部に浸入しないように、カッタヘッド15側とカッ
タ駆動モータ20側とを仕切るバルクヘッド22が形成
されており、カッタヘッド15とこのバルクヘッド22
との間にはチャンバ室23が形成されている。そして、
このチャンバ室23にはずりを集積するホッパ24がバ
ルクヘッド22に固定されて配設され、カッタヘッド1
5の内側には破壊されて落下したずりを掻き上げてホッ
パ24に取り込む掻き上げ板25が固定されている。更
に、このホッパ24の下部にはこのホッパ24にて集積
したずりを外部に排出する排出装置26が取付けられて
いる。
【0030】なお、この排出装置26は図示しないジェ
ットポンプによってずりを外部に排出するものであり、
掘削機本体内には、このジェットポンプに給水する給水
管と給水された水及びずりを排出する排出管が配設され
ている。従って、ホッパ24にて集積されたずりはジェ
ットポンプからの噴射水によって排出管に吸引され、こ
の排出管を通って排出することができる。
【0031】従って、カッタ駆動モータ20を駆動して
駆動ギヤ21を回転駆動すると、この駆動ギヤ21が噛
み合うリングギヤ19が回転し、リングギヤ19と一体
のカッタヘッド15を旋回し、ローラカッタ17が岩盤
をせん断破壊し、スクレーパ18が掘削面を掻き取るこ
とで、岩盤を掘削することができる。そして、掘削して
生じたずりはチャンバ室23内に落下し、掻き上げ板2
5がカッタヘッド15と共に回転することで、チャンバ
室23内のずりを掻き上げてホッパ24内に落とす。こ
のホッパ24内に落下して集積したずりは排出装置26
のジェットポンプによって外部に排出される。
【0032】図8及び図11に示すように、中胴12は
前胴11の後部に球面軸受27を介して揺動自在に連結
されている。また、後胴13は中胴12の後部内周面に
シール部材28を介して掘進方向移動自在に連結されて
いる。そして、前胴11の後部に固定された前胴基板2
9と中胴12との間には連結ジャッキ30が仮設されて
いる。この連結ジャッキ30は油圧の給排によって伸縮
作動するものであって、ジャッキ本体は前胴基板29に
固定された球軸受31によって揺動自在に支持され、ロ
ッド先端部は中胴12の壁面に固定された球軸受32に
よって揺動自在に支持されている。
【0033】また、前胴11の前胴基板29と後胴13
の前部に固定された後胴基板33との間には推進機構と
しての6本のスラストジャッキ34a〜34fが架設さ
れている。このスラストジャッキ34a〜34fは油圧
の給排によって伸縮作動するものであって、ジャッキ本
体は前胴基板29に固定された球軸受35によって揺動
自在に支持され、ロッド先端部は後胴基板33に固定さ
れた球軸受36によって揺動自在に支持されている。そ
して、このスラストジャッキ34a〜34fはそれぞれ
隣合って配設された関係が、例えば、スラストジャッキ
34aがカッタヘッド15の周方向一方に傾斜し、スラ
ストジャッキ34bがカッタヘッド15の周方向他方に
傾斜して全体としてトラス状に配設されることでパラレ
ルリンク機構37を構成している。
【0034】従って、このパラレルリンク機構37にお
いて、スラストジャッキ34a〜34fの各作動ストロ
ークを変えることで、カッタヘッド15を有する前胴1
1を中胴12に対して屈曲し、その掘進方向を変更する
ことができる。また、このパラレルリンク機構37のス
ラストジャッキ34a〜34fの各駆動ロッドを伸長さ
せることで、カッタヘッド15を有する前胴11及び中
胴12を後胴13に対して前進することができる。
【0035】ここで、前述した複数のスラストジャッキ
34a〜34fから構成されるパラレルリンク機構37
の制御システムの構成について説明する。
【0036】図13に示すように、スラストジャッキ3
4a〜34fにおいて、例えば、スラストジャッキ34
aの図示しないピストンによって仕切られた2つの圧力
室には油圧給排管41,42が連結されており、各油圧
給排管41,42はそれぞれ非常遮断弁43,44を介
してサーボ弁45に連結されている。このサーボ弁45
はスラストジャッキ34aの各圧力室への圧油の供給及
び排出を操作するものであって、連結管46,47を介
して油圧給排源48に連結されている。
【0037】また、スラストジャッキ34aにはその作
動位置を検出する変位センサ49が装着されており、こ
の変位センサ49は制御部50を介してサーボアンプ5
1に接続されている。そして、前述したサーボ弁45は
このサーボアンプ51に接続されている。なお、この制
御部50には複数のジョイスティックを有する操作部5
2と非常停止ボタン53が接続されている。
【0038】従って、変位センサ49はスラストジャッ
キ34aの作動位置を検出しており、その検出信号を制
御部50に出力している。制御部50はこの検出信号に
基づいてサーボアンプ51に指令信号を出力し、サーボ
アンプ51はその指令信号に基づいてサーボ弁45を制
御し、油圧給排源48とスラストジャッキ34aとの間
で油圧の給排を行うようになっている。なお、ここでは
スラストジャッキ34aについてのみ説明したが、他の
スラストジャッキ34b〜34fについても同様の構成
となっている。
【0039】また、前胴11には、図8及び図10に示
すように、複数のフロントグリッパ55が周方向にほぼ
均等間隔で装着されており、各フロントグリッパ55は
内蔵された油圧ジャッキ56によって径方向に駆動する
ことができる。従って、この油圧ジャッキ56を駆動し
て各フロントグリッパ55を径方向に張り出すことで、
このフロントグリッパ55を前胴11内に収納した位置
から掘削形成されたトンネル内壁面に圧接して前胴11
を保持する位置に移動させることができる。
【0040】一方、後胴13には、図8及び図12に示
すように、2つのリアグリッパ57が周方向にほぼ均等
間隔で2つ装着されており、各リアグリッパ57は内蔵
された油圧ジャッキ58によって径方向に駆動すること
ができる。従って、この油圧ジャッキ58を駆動して各
リアグリッパ57を径方向に張り出すことで、このリア
グリッパ57を後胴13内に収納した位置から掘削形成
されたトンネル内壁面に圧接して後胴13を保持する位
置に移動させることができる。
【0041】なお、通常のTBM10は岩盤掘削用のト
ンネル掘削機であり、前述した後胴13のリアグリッパ
57によって掘進反力を得て前胴11を推進させるもの
であるが、トンネル掘削中の地盤が岩盤層から一般土砂
層に変化した場合には、掘削したトンネル壁面が軟弱で
あり、リアグリッパ57によって掘進反力を得ることが
できない。そのため、このTBM10にあっては、シー
ルド掘削機のように、セグメントによって掘進反力を得
て前胴11が推進できるようになっている。
【0042】即ち、図8及び図12に示すように、後胴
13の後部には円周方向に複数のシールドジャッキ59
が並設されており、後方に伸びる駆動ロッドの先端部に
はスプレッダ60が取付けられている。従って、このシ
ールドジャッキ59を作動して掘進方向後方に駆動ロッ
ドを伸長させると、掘削したトンネル内周面に構築され
た既設のセグメントSにスプレッダ60が押しつけら
れ、その反力により前胴11、中胴12及び後胴13を
前進させることができる。なお、後胴13の後部内周面
には既設のセグメントSの外周面に密着して後胴13内
部への土砂の浸入を防止するテールパッキン61が固着
されている。
【0043】<セグメントエレクタ装置の構成>次に、
上述したTBM10に適用されるセグメントエレクタ装
置について説明する。図8に示すように、このTBM1
0に装着されたセグメントエレクタ装置62はリンク式
であって、後胴13の後部に固定された固定板63に設
けられており、このエレクタ装置62はシールドジャッ
キ59によって前進した後胴13(掘削機本体)と既設
のセグメントSとの間の空所に新しいセグメントSを装
着するものである。
【0044】即ち、図14及び図15に示すように、固
定板63にはブラケット64によって回転自在な4つの
支持ローラ65が周方向ほぼ均等間隔で取付けられてお
り、この4つの支持ローラ65によって回転リング66
が回転自在に支持され、この回転リング66には内歯を
有するリングギヤ67が固定されている。また、固定板
63にはブラケット68によって油圧モータ69が固定
されており、この油圧モータ69の駆動ギヤ70がリン
グギヤ67の内歯に噛み合っている。従って、油圧モー
タ69を駆動して駆動ギヤ70を回転駆動すると、この
駆動ギヤ70が噛み合うリングギヤ67が回転し、リン
グギヤ67と一体の回転リング66を旋回することがで
きる。
【0045】また、回転リング66に固定された固定台
71には一対の連結リンク72及び一対の可動リンク7
3を介して移動台74が支持されており、この一対の可
動リンク73には油圧ジャッキ75の本体が枢着され、
その駆動ロッドの先端部は固定台71に連結されてい
る。そして、この移動台74のねじロッド76にはスラ
イド体77が螺合し、このねじロッド76の回転によっ
てスライド体77が移動自在となっており、このスライ
ド体77に固定された取付ブラケット78には連結ピン
79によって吊り金具80が着脱自在となっている。な
お、この吊り金具80は下部がねじ部となっており、図
示しない装置によって搬入されたセグメントSの内面に
予め螺合されるものである。
【0046】従って、セグメントSに螺合された吊り金
具80に対して、スライド体77を移動して取付ブラケ
ット78と位置合せを行い、この吊り金具80を連結ピ
ン79によって取付ブラケット78に連結することで、
セグメントSを保持することができる。そして、油圧ジ
ャッキ75を駆動して駆動ロッドを伸縮すると、可動リ
ンク73及び連結リンク72が上下に回動し、固定台7
1に対して移動台74を昇降することで、保持したセグ
メントSを昇降することができる。更に、油圧モータ6
9を駆動してリングギヤ67と共に回転リング66を旋
回することで、保持したセグメントSをトンネル内壁面
に沿って移動することができる。
【0047】<ローラカッタの磨耗検出装置の構成>次
に、上述したTBM10に搭載されたローラカッタの磨
耗検出装置について詳細に説明する。図1乃至図3に示
すように、このローラカッタの磨耗検出装置は、駆動回
転自在に支持されたカッタヘッド22の前面部に設けら
れた多数のローラカッタ17の摩耗を検出するものであ
る。即ち、このローラカッタ17はディスク形状をなし
てハブ201と一体に形成されており、スポーク16と一
体のサドル202に固定された主軸203に軸受204を介して
回転自在に支持されている。そして、主軸203における
ローラカッタ17の両側には2つで一対をなす電流印加
用電極205が取付けられている。また、この主軸203にお
けるローラカッタ17の両側には2つで一対をなす2組
の電位差検出用電極206,207が取付けられており、各電
位差検出用電極206,207は主軸203の周方向にて電流印
加用電極205の両側に位置し、且つ、周方向にて互いに
等間隔をもって位置している。
【0048】一方、前胴11のバルクヘッド22には筒
状の回転シャフト208が回転自在に装着されており、こ
の回転シャフト208の前端部はカッタヘッド17に連結
され、後端部は前胴11側に装着されたスリップリング
209に回転自在に連結されている。そして、一端が前述
した電流印加用電極205に接続されたケーブル210がこの
回転シャフト208内を通ってその他端がスリップリング2
09に接続されている。また、一端が前述した電位差検出
用電極206,207に接続されたケーブル211,212も回転シ
ャフト208内を通ってその他端がスリップリング209に接
続されている。前胴11内には、ローラカッタ摩耗検出
手段としての定電流発生器213及び電位差計214が搭載さ
れており、定電流発生器213はケーブル215を介してスリ
ップリング209に接続され、電位差計214はケーブル216
を介してスリップリング209に接続されている。即ち、
定電流発生器213はケーブル215及びスリップリング20
9、ケーブル210を介して電流印加用電極205に接続さ
れ、電位差計214はケーブル216及びスリップリング20
9、ケーブル211,212を介して電位差検出用電極206,20
7に接続されている。
【0049】また、図1及び図4、図5に示すように、
ローラカッタ17と一体のハブ201には、その外周部に
周方向に沿って均等間隔で凹凸部217が形成されてい
る。一方、サドル202に検出片としての板ばね218の基端
部が固定され、この板ばね218の先端部がこの凹凸部217
に弾性接触するようになっている。そして、この板ばね
218にはローラカッタ転動状態検出手段としての加速度
計219が装着されており、一端がこの加速度計219に接続
されたケーブル220が回転シャフト208内を通ってその他
端がスリップリング209に接続されている。また、前胴
11内には互いに接続されたチャージアンプ221及び記
録計222が搭載されており、チャージアンプ221はケーブ
ル223を介してスリップリング209に接続されている。即
ち、チャージアンプ221及び記録計222はケーブル223及
びスリップリング209、ケーブル220を介して加速度計21
9に接続されている。
【0050】そして、前述した定電流発生器213及び電
位差計214、記録計222には制御部224が接続されてお
り、各機器を制御可能となっている。なお、前胴11に
はカッタヘッド15の回転位置を検出する回転検出器22
5が装着されており、この回転検出器225はケーブル226
によって制御部224が接続されている。
【0051】<トンネルボーリングマシンの作用>ここ
で、上述したように構成されたTBM10によって岩盤
を掘削してトンネルを構築する場合について説明する。
【0052】図8に示すように、油圧ジャッキ56を駆
動(縮小)して各フロントグリッパ55を引き込んで前
胴11内に収納することで、前胴11を移動自在とする
一方、油圧ジャッキ58を駆動(伸長)して各リアグリ
ッパ57を押し出して外周面を掘削形成されたトンネル
内壁面に圧接することで、後胴13を移動不能に保持す
る。この状態で、カッタ旋回駆動モータ20を駆動して
カッタヘッド15を回転駆動させながら、パラレルリン
ク機構37の各スラストジャッキ34a〜34fを伸長
して前胴11と共にカッタヘッド15を前方へ移動させ
る。すると、旋回するカッタヘッド15のローラカッタ
17が岩盤をせん断破壊し、スクレーパ18が掘削面を
掻き取ることで岩盤を掘削する。そして、このときに各
スラストジャッキ34a〜34fの各作動ストロークを
変えることで、前胴11は中胴12と球面軸受27を介
して折れ曲がり、カッタヘッド15の向きを変えてトン
ネルの掘削方向を変更することができる。
【0053】また、図13に示すように、制御部50に
は変位センサ49が検出したスラストジャッキ34a〜
34fの作動位置の検出信号が入力されており、制御部
50は予め設定された掘削条件(掘削するトンネルの計
画線形や掘削速度等)及び変位センサ49の検出信号に
基づいてサーボアンプ51に指令信号を出力してサーボ
弁45を制御し、油圧給排源48とスラストジャッキ3
4a〜34fとの間で油圧の給排を行う。従って、スラ
ストジャッキ34a〜34fは油圧の給排によって所定
量駆動し、X方向、Y方向、Z方向及びψ方向、θ方
向、φ方向の制御が行われながら、カッタヘッド15を
このX方向、Y方向、Z方向及びψ方向、θ方向、φ方
向の6自由度運動させる。
【0054】そして、各スラストジャッキ34a〜34
fを所定ストローク伸長すると、このスラストジャッキ
34a〜34fの駆動を停止し、油圧ジャッキ56を駆
動(伸長)して各フロントグリッパ55を押し出して外
周面を掘削形成されたトンネル内壁面に圧接すること
で、前胴11を移動不能に保持する一方、油圧ジャッキ
58を駆動(縮小)して各リアグリッパ57を引き込ん
で後胴13内に収納することで、後胴13を移動自在と
する。この状態で、パラレルリンク機構37の各スラス
トジャッキ34a〜34fを縮小して前胴11及び中胴
12に対して後胴13を前方へ引き寄せて移動させる。
そして、前述と同様に、各フロントグリッパ55を引き
込んで前胴11内に収納し、前胴11を移動自在とする
一方、各リアグリッパ57を押し出して外周面をトンネ
ル内壁面に圧接し、後胴13を移動不能に保持する。こ
の状態で、カッタ旋回駆動モータ20を駆動してカッタ
ヘッド15を回転駆動させながら、パラレルリンク機構
37の各スラストジャッキ34a〜34fを伸長して前
胴11と共にカッタヘッド15を前方へ移動させること
で、ローラカッタ17及びスクレーパ18によって岩盤
を掘削する。この繰り返しによってトンネルを掘削形成
していく。
【0055】このローラカッタ17及びスクレーパ18
の岩盤掘削によって生じたずりはカッタヘッド15の隙
間からチャンバ室23内に落下し、カッタヘッド15と
共に回転する掻き上げ板25がこのチャンバ室23内の
ずりを掻き上げてホッパ24内に落とす。そして、この
ホッパ24内に落下して集積されたずりは排出装置26
によって外部に排出される。即ち、給水管から排出装置
26のジェットポンプに給水されると、ジェットポンプ
は加圧水を噴射して発生した負圧によってホッパ24に
集積されたずりが排出管に吸引され、この排出管を通っ
て外部に排出される。
【0056】このように岩盤を掘削してトンネルを掘削
形成していく過程で、この掘削形成されたトンネルの壁
面が安定している場合は支保は不要であるが、若干不安
定であり、壁面から岩片が剥がれ落ちないようにリング
状の形成したH形綱や木製の板等を支保として用い、ト
ンネルを保護する。
【0057】そして、岩盤を掘削してトンネルを形成す
る場合には、前述したように、リアグリッパ57がトン
ネル内壁面に圧接して後胴13を移動不能に保持こと
で、パラレルリンク機構37の各スラストジャッキ34
aはこの後胴13にて掘進反力を得て前胴11を前進さ
せ、旋回するカッタヘッド15によって前方の岩盤を掘
削する。一方、トンネル掘削中の地盤が岩盤層から一般
土砂層に変化した場合には、トンネル内壁面が軟弱であ
るため、リアグリッパ57によって推進反力を得ること
ができないので、シールドジャッキ59が既設のセグメ
ントSにて掘進反力を得て前胴11及び中胴12、後胴
13を推進させる。
【0058】即ち、複数のシールドジャッキ59のスプ
レッダ60を既設のセグメントSへ押し付けた状態で、
このシールドジャッキ59を伸長することにより、その
押し付け反力によってトンネル掘削機本体、即ち、前胴
11、中胴12及び後胴13を前進させ、これと同時に
カッタ駆動モータ20を駆動してカッタヘッド15を旋
回させ、ローラカッタ17及びスクレーパ18によって
一般土砂層を掘削していく。そして、前胴11、中胴1
2及び後胴13からなる掘削機本体が所定量前進する
と、シールドジャッキ59の何れか一つを縮み方向に作
動し、スプレッダ60と既設のセグメントSとの間に空
所を形成し、この空所にセグメントエレクタ装置62に
よって新しいセグメントSを装着する。
【0059】図14及び図15に示すように、図示しな
い台車によってトンネル内に搬入されたセグメントSに
対して、作業者はこのセグメントSに吊り金具80を螺
合する。そして、エレクタ装置62のスライド体77を
移動し、取付ブラケット78をセグメントSに固定され
た吊り金具80の上方に位置させ、この吊り金具80を
連結ピン79によって取付ブラケット78に連結する。
このようにセグメントSを取付ブラケット78が保持し
た状態で、油圧ジャッキ75を駆動して可動リンク73
を回動することで移動台74を昇降すると共に、油圧モ
ータ69を駆動して回転リング66を旋回することで移
動台74を旋回し、保持したセグメントSをトンネル内
で移送してトンネル内壁面の所定の位置に組付ける。そ
して、セグメントSをトンネル内壁面に固定すると、セ
グメントSの保持を解除し、元位置に戻る。この繰り返
しによってトンネルを構築していく。
【0060】このように上述したTBM10では、トン
ネル掘削機本体(前胴11、中胴12、後胴13)をパ
ラレルリンク機構37あるいはシールドジャッキ59に
よって前進させながらカッタヘッド15を旋回させ、ロ
ーラカッタ17及びスクレーパ18によって岩盤を掘削
し、岩盤掘削によって生じたずりをホッパ24に集積し
てから排出装置26によって外部に排出する一方、セグ
メントエレクタ装置62によってセグメントSをトンネ
ル内壁面に装着することで、トンネルを構築している。
【0061】このようなTBM10を用いたトンネル構
築の過程で、カッタヘッド15の長期使用していると、
各ローラカッタ17が磨耗して掘削能力が低下してしま
うため、その磨耗量を検出した磨耗が激しい場合には、
ローラカッタ17を交換する必要がある。
【0062】即ち、図1に示すように、前胴11の前進
及びカッタヘッド15の回転に伴って多数のローラカッ
タ17が前方の地盤に押し付けられることで、各ローラ
カッタ17は転動しながらこの地盤を掘削する。このと
き、定電流発生器213によって電流印加用電極205から主
軸203に電流を印加し、電位差計214は電位差検出用電極
206,207を通してローラカッタ17を含む主軸203に流
れる電流の電圧を検出している。なお、この場合、電位
差計214は2組の電位差検出用電極206,207に入力され
る電圧の平均値を検出値としている。
【0063】そして、ローラカッタ17の長期使用によ
って磨耗が進行すると、この磨耗が進行したローラカッ
タ17はその直径が小さくなることで抵抗値が変化し、
検出電圧が低下する。そのため、ローラカッタ17の磨
耗の前後で電位差が生じる。制御部224は磨耗していな
いときのローラカッタ17の設定電圧を予め記憶してお
り、この設定電圧に応じた電位差計214の検出電圧の低
下量によってローラカッタ17の摩耗量を検出する。な
お、カッタヘッド15に装着された多数のローラカッタ
17はその装着位置によって直径が相違しており、図6
に示すように、ローラカッタ17の異なる直径a,b,
c,d(a<b<c<d)に対する設定電圧が設定され
ている。
【0064】また、岩盤の掘削時に、このローラカッタ
17が回転すると、板ばね218が凹凸部217に接触して打
撃音が発生する。加速度計219はこの打撃音の周期を検
出しており、チャージアンプ221を介して記録計222に送
られ、記録される。制御部224は、図7に示すように、
回転検出器215から出力されたカッタヘッド15の回転
周期と、このローラカッタ17の回転周期に基づいてロ
ーラカッタの転動状態を検出している。即ち、ローラカ
ッタ17が1回転するときに、一定の周期で所定回数の
パルス数(打撃音)があれば正しく回転しており、周期
不定で所定回数のパルス数(打撃音)がなければ転動不
良であると判断している。
【0065】従って、制御部214は電位差計214が検出す
る検出電圧の低下量によってローラカッタ17の摩耗量
を検出しており、また、加速度計219が検出するローラ
カッタ17の回転周期によってローラカッタ17の転動
不良による偏摩耗を検出しており、検出された磨耗量に
基づいてローラカッタ17の交換時期を的確に判断する
ことができる。
【0066】なお、上述したTBM10において、パラ
レルリンク機構37を6本のスラストジャッキ34a〜
34fによって構成したが、スラストジャッキの数は6
本に限定されるものではなく、8本でも、10本でもよ
いものであり、いずれの場合であっても前述と同様の作
用効果を奏することができる。そして、このTBM10
において、掘削機本体の推進機構及び掘進方向を変更す
る機構としてパラレルリンク機構37を用いたが、本発
明のトンネル掘削機はこれに限定されるものではない。
【0067】<第2実施例>図16に本発明の第2実施
例に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマ
シンの断面、図17に図16のD−D断面、図18にこ
のトンネルボーリングマシンに適用される門型セグメン
トエレクタ装置の側面視、図19に門型セグメントエレ
クタ装置の正面視を示す。
【0068】<トンネルボーリングマシンの全体構成>
まず、TBMの全体構成について説明する。図16及び
図17に示すように、TBM110において、掘削機本体
は円筒形状をなす前胴111と中胴112と後胴113とから構
成されている。この前胴111の前部には軸受114によって
カッタヘッド115が回転自在に装着されており、このカ
ッタヘッド115は前面にスポーク116によってローラカッ
タ117及びスクレーパ118が装着されている。そして、こ
のカッタヘッド115の後部にはリングギヤ119が一体に固
定される一方、前胴111には6つのカッタ旋回モータ120
が固定されており、このカッタ旋回モータ120の駆動ギ
ヤ121がリングギヤ119に噛み合っている。
【0069】また、前胴111にはバルクヘッド122が固定
されることで、チャンバ室123が形成されている。そし
て、このチャンバ室123にはずりを集積するホッパ124が
配設され、カッタヘッド115の内側にはチャンバ室123に
落下したずりを掻き上げてホッパ124に取り込む掻き上
げ板125が固定されている。更に、このホッパ124の下部
にはこのホッパ124にて集積したずりを外部に排出する
排出装置126が取付けられている。なお、この排出装置1
26は掘削機本体内に配設されたベルトコンベヤによって
ずりを外部に搬送するものである。
【0070】従って、カッタ駆動モータ120を駆動して
駆動ギヤ121を回転駆動すると、この駆動ギヤ121が噛み
合うリングギヤ119が回転してカッタヘッド115を旋回
し、ローラカッタ117が岩盤をせん断破壊する一方、ス
クレーパ118が掘削面を掻き取ることで、岩盤を掘削す
ることができる。そして、掘削して生じたずりはチャン
バ室123内に落下し、掻き上げ板125によってチャンバ室
123内に取り込まれ、このホッパ124内に集積したずりは
排出装置126によって外部に排出される。
【0071】また、中胴112は前胴111の後部に掘進方向
移動自在に連結され、後胴113は中胴112の後部に揺動自
在に連結されている。そして、前胴111の後部に固定さ
れた前胴基板127と後胴113の前部に固定された後胴基板
128との間には推進機構としての8本のスラストジャッ
キ129が架設され、それぞれ球軸受130,131によって揺
動自在に連結されている。また、前胴111と中胴112との
間には2本の中折ジャッキ132が架設され、更に、前胴1
11と後胴113との間にはカッタトルクを受ける反力ジャ
ッキ133が架設されている。
【0072】従って、スラストジャッキ129を駆動して
駆動ロッドを伸長させることで、カッタヘッド115を有
する前胴111を中胴112及び後胴113に対して前進するこ
とができる。また、中折ジャッキ132を駆動して駆動ロ
ッドを伸縮させることで、カッタヘッド115を有する前
胴111及び中胴112を後胴113に対して屈曲し、その掘進
方向を変更することができる。
【0073】また、前胴111にはフロントグリッパ134及
び補助グリッパ135が径方向移動自在に設けられてお
り、各グリッパ134,135は内蔵された油圧ジャッキ13
6,137によって駆動することができる。一方、後胴113
にはリアグリッパ138が径方向移動自在に設けられてお
り、リアグリッパ138は内蔵された油圧ジャッキ139によ
って駆動することができる。
【0074】更に、後胴113の後部には円周方向に複数
のシールドジャッキ140が並設されており、後方に伸び
る駆動ロッドの先端部にはスプレッダ141が取付けられ
ている。従って、このシールドジャッキ140を作動して
掘進方向後方に駆動ロッドを伸長させると、掘削したト
ンネル内周面に構築された既設のセグメントSにスプレ
ッダ141を押し付けることで、その反力により前胴111及
び中胴112、後胴113を前進することができる。
【0075】<セグメントエレクタ装置の構成>次に、
上述したTBM110に適用されたセグメントエレクタ装
置について説明する。図18及び図19に示すように、
このTBM110に装着されたセグメントエレクタ装置142
は門型をなし、後胴113の後部に固定された固定板143に
設けられており、このエレクタ装置142はシールドジャ
ッキ140によって前進した後胴113(掘削機本体)と既設
のセグメントSとの間の空所に新しいセグメントSを装
着するものである。
【0076】即ち、固定板143にはブラケット144によっ
て回転自在な8つの支持ローラ145が周方向均等間隔で
取付けられており、この8つの支持ローラ145によって
回転リング146が回転自在に支持され、この回転リング1
46には内歯を有するリングギヤ147が固定されている。
また、固定板143にはブラケット148によって油圧モータ
149が固定されており、この油圧モータ149の駆動ギヤ15
0がリングギヤ147の内歯に噛み合っている。従って、油
圧モータ149を駆動して駆動ギヤ150を回転駆動すると、
この駆動ギヤ150が噛み合うリングギヤ147が回転し、リ
ングギヤ147と一体の回転リング146を旋回することがで
きる。
【0077】また、回転リング146には左右一対の固定
台151が固定されており、U字形状をなす移動枠体152の
左右端部がこの各固定台151にそれぞれガイドロッド153
によって移動自在に支持されており、それぞれ昇降ジャ
ッキ154によって昇降自在となっている。そして、この
移動枠体152の中央部には昇降台155が固定されており、
この昇降台155のスライドロッド156にはスライド体157
が移動自在に嵌合しており、このスライド体157に固定
された取付ブラケット158には連結ピン159によって吊り
金具160が着脱自在となっている。なお、この吊り金具1
60は下部がねじ部となっており、図示しない装置によっ
て搬入されたセグメントSの内面に予め螺合されるもの
である。また、取付ブラケット158には取付ブラケット1
58の両側に位置してセグメントSの内面を押える押え部
材161が取付けられている。
【0078】従って、セグメントSに螺合された吊り金
具160に対して、スライド体157を移動して取付ブラケッ
ト158と位置合せを行い、この吊り金具160を連結ピン15
9によって取付ブラケット158に連結することで、セグメ
ントSを保持することができる。そして、昇降ジャッキ
154を駆動して駆動ロッドを伸縮すると、移動枠体152を
介して昇降台155が上下に移動し、この昇降台155を昇降
することで、保持したセグメントSを昇降することがで
きる。更に、油圧モータ149を駆動してリングギヤ147と
共に回転リング146を旋回することで、保持したセグメ
ントSをトンネル内壁面に沿って移動することができ
る。
【0079】<トンネルボーリングマシンの作用>ここ
で、上述したように構成されたTBM110によって岩盤
を掘削してトンネルを構築する場合について説明する。
【0080】このように構成されたTBM110によって
岩盤を掘削してトンネルを構築するには、図16に示す
ように、油圧ジャッキ136,137を駆動(縮小)し、フロ
ントグリッパ134及び補助グリッパ135を引き込んで前胴
111を移動自在とする一方、油圧ジャッキ139を駆動(伸
長)し、各リアグリッパ138を掘削形成されたトンネル
内壁面に圧接して後胴113を移動不能に保持する。この
状態で、カッタ旋回駆動モータ120を駆動してカッタヘ
ッド115を回転駆動させながら、各スラストジャッキ129
を伸長して前胴111と共にカッタヘッド115を前方へ移動
させる。すると、旋回するカッタヘッド115のローラカ
ッタ117が岩盤をせん断破壊し、スクレーパ118が掘削面
を掻き取ることで岩盤を掘削する。そして、このときに
各中折ジャッキ132を伸縮することで、前胴111及び中胴
112は後胴113に対して折れ曲がり、カッタヘッド115の
向きを変えてトンネルの掘削方向を変更することができ
る。
【0081】そして、各スラストジャッキ129を所定ス
トローク伸長すると、このスラストジャッキ129の駆動
を停止し、フロントグリッパ134及び補助グリッパ135を
押し出してトンネル内壁面に圧接し、前胴11を移動不
能に保持する一方、リアグリッパ138を引き込んで後胴1
13を移動自在とする。この状態で、各スラストジャッキ
129を縮少して前胴111に対して中胴112及び後胴113を前
方へ引き寄せて移動させる。そして、前述と同様に、各
フロントグリッパ134及び補助グリッパ135によって前胴
11を移動自在とする一方、各リアグリッパ138によっ
て後胴13を移動不能に保持し、カッタヘッド15を回
転駆動させながら各スラストジャッキ129を伸長して前
胴111と共にカッタヘッド115を前方へ移動させること
で、ローラカッタ117及びスクレーパ118によって岩盤を
掘削する。この繰り返しによってトンネルを掘削形成し
ていく。
【0082】このローラカッタ117及びスクレーパ118の
岩盤掘削によって生じたずりはカッタヘッド115の隙間
からチャンバ室123内に落下し、カッタヘッド115 と共
に回転する掻き上げ板125がこのチャンバ室123内のずり
を掻き上げてホッパ124内に落とす。そして、このホッ
パ124内に落下して集積されたずりは排出装置126として
のベルトコンベヤによって外部に排出される。
【0083】ところで、このように岩盤を掘削してトン
ネルを掘削形成していく過程で、この掘削形成されたト
ンネルの壁面が安定している場合は支保は不要である
が、若干不安定であり、壁面から岩片が剥がれ落ちない
ようにリング状の形成したH形綱や木製の板等を支保と
して用い、トンネルを保護する。また、岩盤を掘削して
トンネルを形成する場合に、掘削地盤が岩盤層から一般
土砂層に変化した場合には、シールドジャッキ140がセ
グメントSにて掘進反力を得て前胴111及び中胴112、後
胴113を推進させる。
【0084】即ち、複数のシールドジャッキ140のスプ
レッダ141を既設のセグメントSへ押し付けた状態で、
このシールドジャッキ140を伸長することにより、その
押し付け反力によってトンネル掘削機本体、即ち、前胴
111及び中胴112、後胴113を前進させ、これと同時にカ
ッタ駆動モータ120を駆動してカッタヘッド115を旋回さ
せ、ローラカッタ117及びスクレーパ118によって一般土
砂層を掘削していく。そして、前胴111及び中胴112、後
胴113からなる掘削機本体が所定量前進すると、シール
ドジャッキ140の何れか一つを縮み方向に作動し、スプ
レッダ141と既設のセグメントSとの間に空所を形成
し、この空所にセグメントエレクタ装置142によって新
しいセグメントSを装着する。
【0085】図18及び図19に示すように、図示しな
い台車によってトンネル内に搬入されたセグメントSに
対して、作業者はこのセグメントSに吊り金具160を固
定する。そして、エレクタ装置142のスライド体157を移
動し、取付ブラケット158をセグメントSに固定された
吊り金具160の上方に位置させ、この吊り金具160を連結
ピン159によって取付ブラケット158に連結する。このよ
うにセグメントSを取付ブラケット158が保持した状態
で、昇降ジャッキ154を駆動して移動枠体152を介してし
昇降台155を昇降すると共に、油圧モータ149を駆動して
回転リング146を旋回することで昇降台155を旋回し、保
持したセグメントSをトンネル内で移送してトンネル内
壁面の所定の位置に組付ける。そして、セグメントSを
トンネル内壁面に固定すると、セグメントSの保持を解
除し、元位置に戻る。この繰り返しによってトンネルを
構築していく。
【0086】このように上述したTBM110では、トン
ネル掘削機本体(前胴111、中胴112、後胴113)をスラ
ストジャッキ129あるいはシールドジャッキ140によって
前進させながらカッタヘッド115を旋回させ、ローラカ
ッタ117及びスクレーパ118によって岩盤を掘削し、岩盤
掘削によって生じたずりをホッパ124に集積してから排
出装置126によって外部に排出する一方、セグメントエ
レクタ装置142によってセグメントSをトンネル内壁面
に装着することで、トンネルを構築している。
【0087】このようなTBM110を用いたトンネル構
築の過程で、カッタヘッド115の長期使用していると、
各ローラカッタ117が磨耗して掘削能力が低下してしま
うため、その磨耗量を検出した磨耗が激しい場合には、
ローラカッタ117を交換する必要がある。即ち、本実施
例のTBM110にあっても、前述した第1実施例のロー
ラカッタの摩耗検出装置が装着されている。
【0088】前述したように、前胴111の前進及びカッ
タヘッド115の回転に伴って多数のローラカッタ117が前
方の地盤に押し付けられることで、各ローラカッタ117
は転動しながらこの地盤を掘削する。このとき、図1に
示すように、定電流発生器213によって電流印加用電極2
05から主軸203に電流を印加し、電位差計214は電位差検
出用電極206,207を通してローラカッタ117を含む主軸2
03に流れる電流の電圧を検出する。そして、ローラカッ
タ117の長期使用によって磨耗が進行すると、この磨耗
が進行したローラカッタ117はその直径が小さくなるこ
とで抵抗値が変化し、検出電圧が低下するため、ローラ
カッタ117の磨耗の前後で電位差が生じる。制御部224は
予め記憶された設定電圧に対して電位差計214の検出電
圧の低下量によってローラカッタ17の摩耗量を検出す
る。
【0089】また、このローラカッタ117が回転する
と、板ばね218が凹凸部217に接触して打撃音が発生す
る。加速度計219はこの打撃音の周期を検出しており、
チャージアンプ221を介して記録計222に送られ、記録さ
れる。制御部224は回転検出器215から出力されたカッタ
ヘッド115の回転周期と、このローラカッタ117の回転周
期に基づいてローラカッタの転動状態を検出する。
【0090】従って、制御部214は電位差計214が検出す
る検出電圧の低下量によってローラカッタ117の摩耗量
を検出しており、また、加速度計219が検出するローラ
カッタ117の回転周期によってローラカッタ117の転動不
良による偏摩耗を検出しており、検出された磨耗量に基
づいてローラカッタ117の交換時期を的確に判断するこ
とができる。
【0091】なお、上述した各実施例のローラカッタの
摩耗検出装置において、電流印加用電極205及び電位差
検出用電極206,207、あるいは凹凸部217及び板ばね21
8、加速度計219等はローラカッタ17,117の全てに設
けてもよく、あるいは、一部に設けても良いものであ
る。
【0092】また、上述した各実施例にあって、推進手
段としてパラレルリンク機構37を用いたTBM10で
はリンク式セグメントエレクタ装置62を適用し、推進
手段としてシールドジャッキ129を用いたTBM110では
門型セグメントエレクタ装置142を適用したが、TBM
とセグメントエレクタ装置との関係はこれらに限定され
るものではなく、例えば、パラレルリンク機構37を用
いたTBM10に門型セグメントエレクタ装置142を適
用しても良いものである。
【0093】更に、上述した各TBM10,110にあっ
ては、ずりの排出装置26,126としてジェットポンプ
やベルトコンベヤを適用して説明したが、排出装置はこ
れらに限定されるものではなく、スクリューコンベヤな
どを適用しても良い。
【0094】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに、本発明のローラカッタの磨耗検出装置によれば、
ローラカッタをカッタヘッドに固定された主軸に回転自
在に装着し、この主軸におけるローラカッタの両側に一
対の電流印加用電極及び一対の電位差検出用電極を装着
し、ローラカッタ摩耗検出手段が一対の電位差検出用電
極が検出した検出電位差に基づいてローラカッタの摩耗
状態を検出するようにしたので、ローラカッタの摩耗を
電位差の変化で確実に検出することができ、その結果、
ローラカッタの交換時期を的確に判断することができ
る。
【0095】また、本発明のローラカッタの磨耗検出装
置によれば、ローラカッタの外周部に凹凸部を設ける一
方、カッタヘッドにこの凹凸部に弾性接触する検出片を
設け、ローラカッタ転動状態検出手段がローラカッタの
回転に伴って発生する凹凸部と検出片との接触周期を検
出し、ローラカッタ摩耗検出手段は検出電位差及び接触
周期に基づいてローラカッタの摩耗状態を検出するよう
にしたので、ローラカッタの回転周期によってこのロー
ラカッタの転動不良による偏摩耗を検出することがで
き、電位差の変化によるローラカッタの摩耗量の検出と
合わせてローラカッタの摩耗を確実に検出することがで
きる。
【0096】また、本発明のトンネル掘削機によれば、
筒状の掘削機本体を推進機構によって前進可能とし、こ
の掘削機本体の前部にカッタヘッドを装着すると共にこ
のカッタヘッドの前面部に主軸によって回転自在な多数
のローラカッタを設け、カッタヘッドをカッタヘッド駆
動機構によって駆動回転可能とし、主軸におけるローラ
カッタの両側に一対の電流印加用電極及び一対の電位差
検出用電極を装着すると共に、この一対の電位差検出用
電極が検出した検出電位差に基づいてローラカッタの摩
耗状態を検出するローラカッタ摩耗検出手段を設けたの
で、トンネル掘削作業に並行してローラカッタの摩耗を
電位差の変化で確実に検出することができ、その結果、
ローラカッタの交換時期を的確に判断してトンネル掘削
効率の向上を図ることができる。
【0097】また、本発明のトンネル掘削方法によれ
ば、ローラカッタを回転自在に支持する主軸の両側に電
流を印加し、ローラカッタによる岩盤掘削に並行してこ
の主軸に印加された電流の電位差を検出し、この検出し
た検出電位差に基づいてローラカッタの摩耗状態を検出
するようにしたので、トンネル掘削作業に並行してロー
ラカッタの摩耗を電位差の変化で確実に検出することが
でき、その結果、ローラカッタの交換時期を的確に判断
してトンネル掘削効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るローラカッタの磨耗
検出装置の概略構成図である。
【図2】本実施例のローラカッタの磨耗検出装置におけ
る各電極の取付状態を表すローラカッタの正面図であ
る。
【図3】各電極の取付状態を表すローラカッタの側面図
である。
【図4】ローラカッタ転動状態検出装置を表すローラカ
ッタの正面図である。
【図5】ローラカッタ転動状態検出装置を表すローラカ
ッタの側面図である。
【図6】ローラカッタの直径に対する設定電圧を表すグ
ラフである。
【図7】ローラカッタの転動周期を説明するためのグラ
フである。
【図8】本発明の第1実施例に係るトンネル掘削機とし
てのトンネルボーリングマシンの断面図である。
【図9】トンネルボーリングマシンの正面図である。
【図10】図8のA−A断面図である。
【図11】図8のB−B断面図である。
【図12】図8のC−C断面図である。
【図13】推進機構としてのパラレルリンク機構の概略
図である。
【図14】リンク式セグメントエレクタ装置の側面図で
ある。
【図15】リンク式セグメントエレクタ装置の正面図で
ある。
【図16】本発明の第2の実施例に係るトンネル掘削機
としてのトンネルボーリングマシンの断面図である。
【図17】図16のD−D断面図である。
【図18】門型セグメントエレクタ装置の側面図であ
る。
【図19】門型セグメントエレクタ装置の正面図であ
る。
【図20】従来のローラカッタの支持構造を表す要部断
面図である。
【図21】図20のX−X断面図である。
【符号の説明】
10,110 トンネルボーリングマシン 11,111 前胴(トンネル掘削機本体) 12,112 中胴(トンネル掘削機本体) 13,113 後胴(トンネル掘削機本体) 15,115 カッタヘッド 17,117 ローラカッタ 20,120 カッタ旋回モータ 26,126 排出装置 30 連結ジャッキ 34a〜34f スラストジャッキ 37 パラレルリンク機構 59,140 シールドジャッキ 62 リンク式セグメントエレクタ装置 129 スラストジャッキ 132 中折ジャッキ 133 反力ジャッキ 142 門型セグメントエレクタ装置 203 主軸 205 電流印加用電極 206,207 電位差検出用電極 208 回転シャフト 209 スリップリング 213 定電流発生器 214 電位差計(ローラカッタ摩耗検出手段) 217 凹凸部 218 板ばね(検出片) 219 加速度計(ローラカッタ転動状態検出手段) 221 チャージアンプ 222 記録計 224 制御部 225 回転検出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動するカッタヘッドの前面部に設
    けられた多数のローラカッタの摩耗を検出するローラカ
    ッタの摩耗検出装置において、前記ローラカッタを前記
    カッタヘッドに固定された主軸に回転自在に装着し、該
    主軸における前記ローラカッタの両側に一対の電流印加
    用電極及び一対の電位差検出用電極を装着し、ローラカ
    ッタ摩耗検出手段が前記一対の電位差検出用電極が検出
    した検出電位差に基づいて前記ローラカッタの摩耗状態
    を検出することを特徴とするローラカッタの摩耗検出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のローラカッタの摩耗検出
    装置において、前記ローラカッタの外周部に凹凸部を設
    ける一方、前記カッタヘッドに該凹凸部に弾性接触する
    検出片を設け、ローラカッタ転動状態検出手段が前記ロ
    ーラカッタの回転に伴って発生する前記凹凸部と検出片
    との接触周期を検出し、前記ローラカッタ摩耗検出手段
    は検出電位差及び前記ローラカッタ転動状態検出手段が
    検出した接触周期に基づいて前記ローラカッタの摩耗状
    態を検出することを特徴とするローラカッタの摩耗検出
    装置。
  3. 【請求項3】 筒状の掘削機本体と、該掘削機本体を前
    進させる推進機構と、前記掘削機本体の前部に回転自在
    に装着されたカッタヘッドと、該カッタヘッドを駆動回
    転するカッタヘッド駆動機構と、前記カッタヘッドの前
    面部に主軸によって回転自在に支持された多数のローラ
    カッタと、前記主軸における前記ローラカッタの両側に
    装着された一対の電流印加用電極と、前記主軸における
    前記ローラカッタの両側に装着された一対の電位差検出
    用電極と、前記一対の電位差検出用電極が検出した検出
    電位差に基づいて前記ローラカッタの摩耗状態を検出す
    るローラカッタ摩耗検出手段とを具えたことを特徴とす
    るトンネル掘削機。
  4. 【請求項4】 前部に装着されたカッタヘッドを駆動回
    転させながら筒状の本体を前進させることで、該カッタ
    ヘッドに装着された多数のローラカッタによって前方の
    岩盤を掘削してトンネルを形成するトンネル掘削方法に
    おいて、前記ローラカッタを回転自在に支持する主軸の
    両側に電流を印加し、ローラカッタによる岩盤掘削に並
    行して該主軸に印加された電流の電位差を検出し、この
    検出した検出電位差に基づいて前記ローラカッタの摩耗
    状態を検出するようにしたことを特徴とするトンネル掘
    削方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN103148771A (zh) * 2013-02-27 2013-06-12 中南大学 一种tbm滚刀磨损实时监测装置
JP2015124466A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 川崎重工業株式会社 ローラーカッターの摩耗検知装置
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