JP2648849B2 - トンネル掘削工法及びその装置 - Google Patents

トンネル掘削工法及びその装置

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JP2648849B2
JP2648849B2 JP63225458A JP22545888A JP2648849B2 JP 2648849 B2 JP2648849 B2 JP 2648849B2 JP 63225458 A JP63225458 A JP 63225458A JP 22545888 A JP22545888 A JP 22545888A JP 2648849 B2 JP2648849 B2 JP 2648849B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、トンネル掘削工法であるNATM(New Aust
rian Tunnelling Method)に用いて好適なトンネル掘削
工法、及び、その実施に用いて好適なトンネル掘削装置
に関する。
[従来の技術] 周知のように、NATMは地山の持つ強度を有効に利用し
てトンネルの安定を保つという考えの基に、吹付けコン
クリート、ロックボルト、鋼製支保工などの支保材を適
宜に用いて、掘削面を緩ませてしまうことなくトンネル
を掘削する工法である。
しかしながら従来のNATMでは、切羽を解放した瞬間に
地山全変位の30〜50%が進行してしまうことが近年の計
測結果から明らかになり、したがって、掘削後直ちに吹
付けコンクリートを施工したとしても地山の緩みを必ず
しも充分に防止できないことがあることがわかってき
た。
このため、切羽を解放する以前に一次覆工としてのラ
イニングを施工する、換言すれば、ライニングを先行し
て施工した後にその内側を掘削する、というプレライニ
ングが検討されており、現在までのところ、たとえば第
8図に示すような工法が提案されている。
これは、切羽の掘削に先立ち、まず、チェーン式のス
リットカッタaによって坑の内側から一定の仰角をもっ
て地山を斜めに掘削し、そのスリットカッタaをトンネ
ル断面のアーチ状に合わせた形状のガントリーフレーム
bに沿って円周方向に移動させることにより、掘削する
べき坑の内周面の位置に所定深さ(たとえば2.5m程度)
のスリットcを形成するとともに、スリットc内に吹付
機dからコンクリートを注入することで一次覆工として
のライニングeを形成するものである。そして、その後
にライニングeの内側を掘削し、続いて上記と同様のラ
イニングeを先に形成されたライニングeと一部を重ね
合わせた状態で形成することにより、掘進を行うもので
ある。
上記の工法によれば、切羽が解放される以前にライニ
ングeが施工されるので、地山の緩みを最小限にとどめ
ることができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら上記の工法では、各ライニングeが不連
続となるので強度や止水性の点で難があるし、また、ラ
イニングeを一間づつ重ね合わせる分、コンクリート量
が増大したり、支保材料の量も増大するという欠点があ
り、必ずしも合理的な方法とはいえないものであった。
また、上記の方法に使用される切羽掘削機とライニン
グ施工機とはそれぞれ別装置として独立しているため、
上記方法によってトンネルを掘進するには各装置の頻繁
な入れ換えが必要となって施工能率が損なわれ、また、
特に小断面のトンネルでは各装置の入れ換えができない
ことから施工できないという問題もあった。
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、プレ
ライニングをより合理的に実施することができる掘削工
法、およびその実施に用いて好適な掘削装置を提供する
ことを目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために、この発明のトンネル掘削
工法は、以下の手順に従ってライニングを順次施工する
ものである。
(イ)まず、既に形成されたライニングの内側から切羽
の掘削方向に沿ってその前方に向かってスクリューカッ
タを前進させて切羽を穿孔する。
(ロ)次いで、スクリューカッタを既に形成済みのライ
ニングの半径方向外側に向かって平行移動させて、スク
リューカッタを地山内の形成済みライニング前端と連続
する位置に埋没させる。
(ハ)次いで、スクリューカッタを切羽の周囲に沿って
周方向に移動させて、既に形成済みのライニングの前端
と連続する位置にライニング溝を掘削する。
(ニ)そして、掘削されたライニング溝にコンクリート
を注入して、切羽周囲の形成済みライニング前端と連続
する位置に新たなライニングを形成する。
上記手順に従ってライニングを施工する場合、ライニ
ング溝へのコンクリート注入作業はライニング溝の掘削
作業と並行して行っても良く、ライニング溝の掘削終了
後に行っても良い。またライニング溝の掘削は、スクリ
ューカッタを適宜切羽から取り出し、埋没させることに
よって数回に分割して行うこともできる。
さらに、形成されるライニングの強度をより向上させ
るには、スクリューカッタと、該スクリューカッタの基
端側に切羽の半径方向外側に突出するよう設けられて、
周面にビットを備えたワイドチェーンとを切羽の周囲に
沿って周方向に移動させることにより、掘削されるライ
ニング溝の口元を既に形成済みのライニングの外周面よ
り切羽の半径方向外側に向かって膨出させることが好ま
しい。
また、上記掘削工法に用いて好適なトンネル掘削装置
は、自身の軸方向に移動可能に設けられた掘削機本体
と、該掘削機本体の移動方向前端側に設けられて切羽を
掘削する第1の掘削機と、上記掘削機本体の移動方向前
端側に設けられて切羽の周囲にライニング溝を形成する
第2の掘削機と、この第2の掘削機で掘削されたライニ
ング溝内にコンクリートを注入するコンクリート注入手
段とを具備してなり、上記第2の掘削機は、構築すべき
トンネルの半径方向に伸縮自在に設けられると共に上記
掘削機本体の軸回りに回転自在に設けられたアームと、
該アームの先端に回転自在に支持されてトンネルの長さ
方向に沿って前方に延び、その先端から基端にかけての
外表面にビットが形成されたスクリューカッタと、該ス
クリューカッタの基端側に、切羽の半径方向外側に突出
するように設けられて、その周面にビットが形成された
循環自在なワイドチェーンとを有してなるものである。
[実施例] 以下、第1図ないし第7図を参照して本発明の実施例
のトンネル掘削装置及びトンネル掘削工法を、装置、工
法の順に説明する。
第1図は本実施例のトンネル掘削装置(以下、掘削装
置と略称する)の概略構成を示すもので、この掘削装置
は、その外周に等間隔で拡径部L1が設けられたライニン
グLを切羽の周囲に形成しつつ、該ライニングLの内部
を掘削することによりトンネルTを逐次構築していくも
のである。
第1図において符号1は掘削機本体であり、この掘削
機本体1は、その下部に前後方向(図において左右方
向)に移動自在に設けられたフレーム2と、ピン3を中
心に回動自在に設けられた駆動板4とから概略構成され
る走行機構5を備えており、該走行機構5は、上記フレ
ーム2を油圧シリンダ6で前後方向に往復移動させると
共に上記駆動板4を油圧シリンダ7で逐次揺動させるこ
とによって、掘削機本体1を、既に構築されたトンネル
Tの長さ方向前方側(矢印Y1方向)に向かって、一工程
で形成するライニングLの幅(以下、単位ライニング幅
と略称する)Wづつ断続的に移動させるようになってい
る。
また、上記走行機構5の上方には当該掘削装置の動力
源となる油圧を発生させる油圧パワーユニット8が配設
されており、この油圧パワーユニット8の前方には、切
羽掘削機(第1の掘削機)9及びライニング溝掘削機
(第2の掘削機)10が配設されている。上記切羽掘削機
9は、トンネルTの軸線上を単位ライニング幅Wに等し
い範囲で伸縮可能に設けられた伸縮軸11と、この伸縮軸
11の軸線回りに360゜旋回可能に設けられた主アーム12
と、該主アーム12に沿って移動自在に設けられ、自身の
軸線回りの回転運動により切羽を掘削する掘削ドラム13
とから概略構成されている。
また上記ライニング溝掘削機10は、上記切羽掘削機9
の伸縮軸11の軸線回りに旋回可能に設けられると共に油
圧シリンダ14によってトンネルTの半径方向に伸縮させ
られる副アーム(アーム)15と、該副アーム15の先端に
取り付けられて図示せぬ移動機構により掘削機本体1の
移動方向に単位ライニング幅Wだけ伸縮自在に設けられ
た溝掘削機構16とを備えている。上記溝掘削機構16は、
上記伸縮軸11と平行を保った上で掘削機本体1の移動方
向前方側に突出されたスクリューカッタ16aと、その一
方の側が上記スクリューカッタ16aの基端に巻回されて
当該溝掘削機構16の基端側を拡径させるワイドチェーン
17とから概略構成されており、上記カッター部16aはそ
の先端及び周面に図示せぬビットが設けられると共に、
その全長は単位ライニング幅Wと同一に定められ、また
その直径はライニングLの肉厚のtLと同一に定められて
いる。一方、上記ワイドチェーン17はその周面に図示せ
ぬビットが設けられると共に、そのスクリューカッタ16
a周面からの突出量はライニングLの肉厚tLとライニン
グ拡径部L1の肉厚t1との差に等しく定められている。そ
して、ワイドチェーン17は、その他方の側が上記スクリ
ューカッタ16aよりもトンネルTの半径方向内側に配設
された図示せぬ駆動モータに巻回されて上記スクリュー
カッタ16aに回転を伝達するようになっており、これに
より溝掘削機構16は駆動モータに回転駆動されてスクリ
ューカッタ16aの先端及び周面とワイドチェーン17の周
面に設けられたビットにより地山を掘削可能である。ま
た、第2図により詳細に示すように溝掘削機構16のスク
リューカッタ16a外周には略半円筒状をなすダクト18が
配設されており、該ダクト18は、上記副アーム16が伸縮
軸11の回りに正逆いずれの方向へ旋回する場合でも、常
に溝掘削機構16の移動方向(図中矢印Y2方向)後方側に
位置するようにその取り付け位置が調整できるようにな
っている。
また、第1図では省略したが上記溝掘削機構16の側方
には、第3図ないし第4図により詳細に示すコンクリー
ト注入機(コンクリート注入手段)19が配設されてい
る。このコンクリート注入機19は、上記溝掘削機構16と
平行に配置された高速オーガ20と、この高速オーガ20の
基端側に配設された型枠21と、この型枠21設けられた供
給口22と連結されて、型枠21の内部にコンクリート及び
急結剤を供給するコンクリート供給ホース23及び急結剤
供給ホース24とから概略構成され、上記副アーム15に設
けられた図示せぬ移動機構に支持されて上記掘削機本体
1の移動方向及びトンネルTの半径方向に移動可能とさ
れると共に、トンネルTの周方向に上記溝掘削機構16の
取り付け位置をまたいで移動可能とされている。上記高
速オーガ20は、その全長及び直径が上記溝掘削機構16
(第1図参照)の全長及び直径よりもそれぞれ幾らか小
さく定められると共に、その基端が上記型枠21を挟んで
対向する駆動モータ25とチェーン26を介して連結されて
自身の軸線回りに回転自在とされ、上記溝掘削機構16に
よって掘削されるライニング溝27内に挿入された際に、
上記型枠21内に供給されるコンクリート及び急結剤を撹
拌しつつライニング溝27の孔奥まで搬送できるようにな
っている。また、上記型枠21は、第4図ないし第5図に
より詳細に示すように円弧状をなす型板28の両端に可動
板29を配してなるもので、型板28はライニングLの周方
向に沿って配設され、また、各可動板29は蝶番30を介し
て型板28と連結されて型板28に対して折り畳み自在とさ
れている。そして、型板28及び各可動板29の幅は、上記
スクリューカッタ16aの基端に巻回されたワイドチェー
ン17の幅と同一に定められ、また、型板28の曲率は上記
溝掘削機構16が切羽周囲に沿って移動させられる際にそ
の周面が描く円弧状の軌跡の内周側の曲率と同一に定め
られ、さらに、可動板29の長さはライニングLの拡径部
L1の肉厚t1と同一に定められている。
第1図に示すように上記掘削機本体1の上記油圧パワ
ーユニット8後端側から上記切羽掘削機9下方にかけて
の位置にはずり出し機31が配設されている。このずり出
し機31は、上記油圧パワーユニット8の後端近傍から切
羽掘削機9の下方に向かうに従って次第に傾斜するスク
リューオーガ33をモータ34で回転させることにより、こ
のスクリューオーガ33を覆うオーガケース35の先端付近
に堆積する土砂を掻き上げて後方に搬送し、オーガケー
ス35後端の開口部35aから図示せぬベルトコンベヤ等の
搬出手段に逐次排出するようになっている。なお、図中
符号36、37は上記主アーム12及び副アーム15を旋回させ
るためのモータである。
次に以上のような構成の掘削装置を用いたトンネルT
の掘削工法について、第1図に示すように既に幾らかの
ライニングLが形成されてある程度のトンネルTが掘削
された状態からさらに切羽を掘進する場合の掘削手順に
従って説明する。
既に構築されたトンネルTに続いてさらに切羽を掘削
するには、まず、副アーム15を適宜伸縮かつ旋回させ
て、溝掘削機構16を第6図に示すカッタ挿入位置P1に移
動させる。ついで第7図(A)に示すように、溝掘削機
構16を回転させると共に切羽掘進方向に沿って前進させ
ることによってスクリューカッタ16aの先端で地山を穿
孔していき、スクリューカッタ16aを第7図(B)に示
すようにワイドチェーン17の後端面と既に形成済みのラ
イニングLの前端面とが略面一をなす位置まで地山内に
埋没させる。なお、この際ワイドチェーン17の前端面に
は掘削機能がないため、カッタ挿入位置P1にはあらかじ
めワイドチェーン17が十分に収まる程度の大きさの掘削
開始穴38を形成しておく必要がある。また、この時、第
2図に示すダクト18は、後述する理由により第6図にお
ける溝掘削機構16周面の左側にその取付け位置が定めら
れる。
スクリューカッタ16aが所定の深さまで埋没された
ら、副アーム15を伸長させて溝掘削機構16を掘削開始位
置P2に向けて径方向外側に平行移動させることにより、
地山をスクリューカッタ16a周面とワイドチェーン17周
面とで掘削していき、第7図(C)に示すように溝掘削
機構16を地山内の既に形成済みのライニングLと連続す
る位置に埋没させる。なお、この時ワイドチェン17の周
面にはスクリューカッタ16aの周面より半径方向外側に
膨出しているため、既に形成済みのライニングLの前端
に連続する部分はワイドチェーン17の幅だけ深く掘削さ
れることとなる。
続いて、溝掘削機構16の回転を継続させつつ、副アー
ム15を反時計方向に旋回させ、かつトンネルTの径方向
に適宜伸縮させて溝掘削機構16を第6図に示すように曲
率変更位置P3、P4を経て掘削反転位置P5まで切羽の周囲
に沿って周方向に移動させることにより、切羽周囲を溝
掘削機構16の周面で掘削していき、この後副アーム15を
縮退させて溝掘削機構16をカッタ取出位置P6に移動させ
ると共に、溝掘削機構16自身を切羽から後退させる。こ
れにより切羽周囲の右半分の位置には、その口元がトン
ネルTの半径方向内外に膨出し、かつ単位ライニング幅
Wに相当する深さを持つ略半円弧状のライニング溝が形
成される。なお、この時溝掘削機構16によって地山より
切り崩された土砂は、ダクト18(第2図参照)が溝掘削
機構16の移動方向後方側に配置されているため逐次後方
に排出される。
次に、副アーム15を適宜伸縮及び旋回させて溝掘削機
構16をカッタ挿入位置P1に復帰させ、さらに再度地山内
に挿入して掘削開始位置P2に移動させる。そして溝掘削
機構16を自身の軸線回りに回転させつつ、副アーム15を
第6図における時計方向に旋回させると共に適宜伸縮さ
せることにより、溝掘削機構16を曲率変更位置P7、P8を
経て掘削終了位置P9まで切羽周囲に沿って移動させ、こ
の後溝掘削機構16自身を後退させて切羽から取り出す。
これにより切羽周囲の左半分も単位ライニング幅Wの深
さを持つ略半円弧状のライニング溝が掘削され、この結
果切羽の周囲には、第1図に示すようにその口元27aが
既に形成済みのライニングLの内外周面よりトンネルT
の径方向内外にそれぞれ膨出する略円弧状のライニング
溝27が形成される。なお、この時計方向への掘削時には
溝掘削機構16の移動方向は先の掘削時に対して逆向きと
なるため、ダクト18の取り付け位置を掘削再開の以前に
180゜変更しておく必要がある。
そして、以上のライニング溝掘削作業と並行して、上
記コンクリート注入機19は掘削されるライニング溝27に
逐次コンクリートを注入して行く。すなわち、上記溝掘
削機構16が第6図に示す掘削開始位置P2より反時計方向
に移動を開始したら、まず第3図により詳細に示すよう
に高速オーガ20をワイドチェーン17周面が掘削するライ
ニング溝27口元の妻側内面と、既に形成済みのライニン
グLの内周面との隙間よりライニング溝内に挿入させ
る。そして、コンクリート供給ホース23及び急結剤供給
ホース24からコンクリート及び急結剤を逐次供給しつつ
高速オーガ20を回転させることにより、コンクリート及
び急結剤を撹拌しつつライニング溝27の奥へ搬送すると
共に、高速オーガ20及び型枠21を溝掘削機構16の移動を
追うようにして第6図に示す掘削反転位置P5まで移動さ
せ、この後高速オーガ20をライニング溝27から取り出
す。これにより、半円弧状に形成されたライニング溝
は、急結剤と混合されて急速に硬化するコンクリートで
埋められて半円筒状のライニングLを形成される。そし
て、溝掘削機構16が切羽より取り出された後、残りのラ
イニング溝(第6図における左半分の部分)を掘削する
際には、まず、高速オーガ20及び型枠21をトンネルTの
周方向に移動させて溝掘削機構16の新たな移動方向(第
6図において時計方向)の後方側に位置させ、この後上
述と同様に高速オーガ20をライニング溝27内に挿入し、
コンクリート及び急結剤を供給しつつ高速オーガ20を空
枠21を溝掘削機構16の移動を追うようにして第6図に示
す掘削終了位置P9まで移動させ、この後高速オーガ20を
ライニング溝27から取り出す。これにより新たに形成さ
れた略円弧状のライニング溝27は総てコンクリートで埋
められ、この結果、切羽周囲の既に形成済みのライニン
グL前端と連続する位置にはその後端に拡径部L1を有す
る略円弧状の新たなライニングLが連接される。なお、
このコンクリート注入作業の際、第5図に示すように高
速オーガ20の基端近傍は既に形成されたライニングLの
内周面に連続して配置される型枠21で常に覆われるの
で、ライニング溝27口元の妻側内面に既に形成済みのラ
イニングL内周面との隙間からのコンクリートの漏れは
発生せず、また、溝掘削機構16から排出される土砂の型
枠21内部への混入は溝掘削機構16側の可動板29が型板28
に対して広げられて防止される。また、ライニング溝27
形成時、既に形成済みのライニングLの前端面はワイド
チェーン17の後端面で目荒らしされるので、既に形成済
みのライニングLと新たに形成されるライニングLとは
十分に一体化し、それぞれの連続性が確保される。
以上のようにしてライニングLが形成されたならば、
第1図に示すように掘削ドラム13を自身の軸線回りに回
転させた状態で、伸縮軸11を単位ライニング幅Wだけ伸
長させると共に主アーム12を旋回させ、さらには掘削ド
ラム13を主アーム12に沿って移動させることにより、新
たに形成されたライニングLの内部の切羽を掘削する。
そして、走行機構5によって掘削機本体1を単位ライニ
ング幅Wだけ前進させると同時に伸縮軸11を縮退させる
ことにより一工程のトンネル掘削作業は終了し、以下、
同様手順が繰り返されて切羽が掘進される。なお、これ
ら掘削時に切羽から切り崩される土砂はずり出し機31に
より適宜排出される。
以上説明したように、本実施例の掘削装置を用いて上
記手順に従い切羽を掘進することにより、切羽を掘削し
て解放する以前に、切羽の周囲にライニング溝27が形成
されると共にその内部にコンクリートが注入されて速や
かにライニングLが形成されるので、地山が緩むことが
殆ど無い。
そして、新たなライニングLを形成する際に、まず、
既に形成されたライニングLの内側より切羽掘削方向に
向かって溝掘削機構16を前進させて切羽を穿孔し、次い
で溝掘削機構16を切羽の半径方向外側に移動させて地山
内の形成済みライニングL前端と連続する位置に埋没さ
せ、この後、溝掘削機構16を切羽周囲に沿って移動させ
てライニング溝27を形成するようにしたため、既に形成
されたライニングLに連続して新たなライニングLを形
成することができ、従って、第8図に示したようなライ
ニングeをトンネル軸線に対して傾斜状態で設ける従来
の工法のようにライニング相互間に隙間が空いたり、ラ
イニング同士を重ね合わせる必要が無く、このため強
度、止水性に優れ、かつ合理的なプレライニングが実現
できる。
さらに、スクリューカッタ16aの基端側にワイドチェ
ーン17を巻回させて溝掘削機構16の基端部を拡径させて
おくことにより、形成されるライニング溝27の口元27a
を既に形成されたライニングLの外周面よりも切羽の半
径方向外側に膨出させるようにしたため、各ライニング
Lの外周に拡径部L1が形成されてその構造上の強度が増
大し、また各ライニングLが拡径部L1を打継部としてよ
り強固に連接されることとなり、結果としてライニング
L全体の強度がより一層向上する。
また、本実施例の掘削装置によればライニングLの施
工と切羽の掘削が独立して行われるので、一々装置の入
れ換えを行う必要は無く、従って作業能率が大幅に改善
されると共に、小断面のトンネルであっても何等問題な
く施工することが可能である。
なお、上記実施例では、特にライニングLの一端に拡
径部L1を設ける例について説明しているが、均一な厚さ
のプレライニングを要求される場合にはワイドチェーン
17をスクリューカッタ16aの基端に埋め込むようにすれ
ば良い。また、上記実施例においては、一工程分のライ
ニングLを形成した後に、切羽を掘削するようにした
が、切羽の中心部分についてはライニングLの施工と同
時に、あるいはそれに先立って掘削しても良く、この場
合には作業能率のより一層の改善が期待される。さら
に、ライニング溝27の掘削とコンクリートの注入は必ず
しも並行して行う必要は無く、地山の状態によってはラ
イニング溝の形成を終了した後、コンクリートを注入し
ても良い。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明のトンネル掘削工法に
よれば、既に形成済みのライニングの前端と連続して新
たなライニングが形成されるので、各ライニングの連接
部分に隙間が空くこともなく、またライニングの重ね合
わせも不要となり、強度や止水性に優れた合理的なプレ
ライニングを実現できる。しかもこの際に、スクリュー
カッタを、まず切羽の掘進方向に沿って前進させ、続い
て半径方向外側に平行移動させ、この後周方向に移動さ
せることによって、切羽の周囲にライニング溝を掘削す
るようにした、このようにしてライニング溝を周方向に
連続させて形成することによって、切羽の全周にわたる
ライニング溝を、1回あるいは最小限の回数の掘削で形
成することができるので、施工を容易かつ迅速に行うこ
とが可能となる。さらに、切羽を開放する以前に、切羽
の周囲にライニング溝が形成されると共に、何らの手間
をかけることなくその内部にコンクリートを打設するこ
とができるので、速やかにライニングを形成することが
でき、地山が緩むことが殆ど無い。そして、スクリュー
カッタと、該スクリューカッタの基端側に切羽の半径方
向外側に突出するよう設けられて、周面にビットを備え
たワイドチェーンとを切羽の周囲に沿って移動させてラ
イニング溝の口元を既に形成されたライニングの外周面
よりも切羽の半径方向外側に膨出させることにより、各
ライニングの一端に拡径部が形成されてその構造上の強
度が増大し、また各ライニングが拡径部を打継部として
連接されて接合強度が増大するので、より強度に優れた
プレライニングが実現できる。
また、この発明の掘削装置によれば、スクリューカッ
タを回転させつつアームを適宜旋回かつ伸縮させること
により、切羽周囲の既に形成済みのライニングの前端と
連続する位置に、その口元が既に形成されたライニング
の外周面よりも切羽の半径方向外側に向かって膨出する
新たなライニング溝を形成でき、また、そのライニング
溝にコンクリート注入手段によりコンクリートを注入す
ることで直ちにライニングを形成することができるの
で、上記掘削工法に用いて有効であり、また、ライニン
グの施工と切羽の掘削を装置の入れ換え無しで行えるの
で、作業能率が改善され、また小断面のトンネルでも何
等支障なく上記掘削工法を実現することができるという
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明の一実施例を示すもので、
第1図はトンネル掘削装置の断面図、第2図はスクリュ
ーカッタの周面近傍を示す斜視図、第3図はコンクリー
ト注入機の側面図、第4図はコンクリート注入機の背面
図、第5図はスクリューカッタとコンクリート注入機の
位置関係を示す図、第6図はライニング溝の掘削手順を
示す図、第7図(A)ないし(C)はスクリューカッタ
によるライニング溝の掘削開始手順を示す図で(A)は
穿没開始時の状態を示す図、(B)はスクリューカッタ
が地山内に所定深さまで埋設された状態を示す図、
(C)はスクリューカッタを切羽の周囲まで移動させた
状態を示す図、そして第8図は従来のトンネル掘削工法
を示す図である。 1……掘削機本体、9……切羽掘削機(第1の掘削
機)、10……ライニング溝掘削機(第2の掘削機)、15
……副アーム(アーム)、16a……スクリューカッタ、1
7……ワイドチェーン、18……ダクト、19……コンクリ
ート注入機、27……ライニング溝、L……ライニング、
T……トンネル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 和夫 千葉県八千代市八千代台東4丁目11番11 号 (56)参考文献 特開 昭58−110797(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】掘削しようとする切羽の周囲にスクリュー
    カッタによって所定深さのライニング溝を掘削すると共
    に、該ライニング溝にコンクリートを注入することによ
    って前記切羽の周囲にライニングを形成し、続いて前記
    ライニングの内側を掘削して切羽を掘進するトンネル掘
    削工法であって、既に形成済みのライニングの前方に新
    たなライニングを形成する際に、まず、前記スクリュー
    カッタを前記切羽の掘進方向に沿って前進させて前記切
    羽を穿孔し、続いて前記スクリューカッタを前記形成済
    みライニングの径方向外側に向かって平行移動させるこ
    とによって前記スクリューカッタを地山内の形成済みラ
    イニング前端と連続する位置に埋没させ、この後前記ス
    クリューカッタを切羽の周囲に沿って周方向に移動させ
    て前記形成済みライニングの前端と連続する位置に前記
    ライニング溝を掘削すると共に、該ライニング溝にコン
    クリートを注入して、形成済みのライニングに連続して
    新たなライニングを形成することを特徴とするトンネル
    掘削工法。
  2. 【請求項2】前記スクリューカッタと、該スクリューカ
    ッタの基端側に切羽の半径方向外側に突出するよう設け
    られて、周面にビットを備えたワイドチェーンとを切羽
    の周囲に沿って周方向に移動させることにより、該ワイ
    ドチェーンで掘削されるライニング溝の前記形成済みの
    ライニング前端と連続する口元を、形成済みライニング
    の外周面よりも切羽の半径方向外側に向かって膨出させ
    ることを特徴とする請求項1記載のトンネル掘削工法。
  3. 【請求項3】自身の軸方向に移動可能に設けられた掘削
    機本体と、該掘削機本体の移動方向前端側に設けられて
    切羽を掘削する第1の掘削機と、前記掘削機本体の移動
    方向前端側に設けられて切羽の周囲にライニング溝を形
    成する第2の掘削機と、この第2の掘削機で掘削された
    ライニング溝内にコンクリートを注入するコンクリート
    注入手段とを具備してなり、前記第2の掘削機は、構築
    すべきトンネルの半径方向に伸縮自在に設けられると共
    に前記掘削機本体の軸回りに回転自在に設けられたアー
    ムと、該アームの先端に回転自在に支持されてトンネル
    の長さ方向に沿って前方に延び、その先端から基端にか
    けての外表面にビットが形成されたスクリューカッタ
    と、該スクリューカッタの基端側に、切羽の半径方向外
    側に突出するよう設けられて、その周面にビットが形成
    された循環自在なワイドチェーンとを有してなることを
    特徴とするトンネル掘削装置。
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