JP2004068377A - トンネル掘削機並びにトンネル施工方法 - Google Patents

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Kiyoaki Nishimura
西村 清亮
Takashi Okada
岡田 喬
Shuji Han
繁 修二
Masahiko Sugiyama
杉山 雅彦
Takashi Azuma
東 隆史
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

【課題】トンネル掘削機並びにトンネル施工方法において、掘削後のトンネル壁面を直ちに覆工することで地盤の崩落や締まりなどを防止して安全性の向上並びに掘削作業性の向上を図る。
【解決手段】掘削機本体11の前部に、掘削機本体11と掘削壁面Gとの空間部Sにモルタルを注入するモルタル注入装置31を設けると共に、この空間部Sに注入されたモルタルを掘削壁面G側に押圧して締め固めるモルタル押圧装置32を設け、また、この空間部Sの前後に遮蔽板33,34を設けている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネルボーリングマシンやシールド掘削機などのトンネル掘削機、並びにトンネル施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なトンネルボーリングマシンは、円筒形状をなす前胴及び後胴から胴体が形成され、前胴の前部にローラカッタを有するカッタヘッドが駆動回転可能に装着される一方、後胴に油圧ジャッキによりトンネル内壁面に圧接するリヤグリッパが装着され、この前胴と後胴との間に複数のスラストジャッキが架設されて構成されている。従って、リヤグリッパにより後胴を保持した状態で、カッタヘッドを回転しながら各スラストジャッキを伸長すると、後胴から推進力を得て前胴が前進し、回転するカッタヘッドが前方の岩盤をせん断破壊してトンネルを掘削することができる。
【0003】
そして、このトンネルボーリングマシンにより岩盤を掘削してトンネルを形成していく過程で、この掘削形成されたトンネルの壁面が不安定である場合には、リング状に形成したH形鋼や木製の板等を支保として用い、この支保をエレクタ装置によりトンネル内壁面に組み付けて壁面から岩片が剥がれ落ちないようにトンネルを保護している。また、掘削地盤が軟弱である場合には、エレクタ装置によりトンネル内壁面にセグメントをリング状に組み付けてトンネルを保護している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のトンネルボーリングマシンにて、前胴内にはカッタヘッドの駆動装置や掘削土砂の排出装置などが装着されており、配置スペースの関係でエレクタ装置は前胴の後方に設けられている。そのため、カッタヘッドにより掘削した壁面に対して直ちに支保やセグメントを組み付けることはできず、掘削機本体と共にエレクタ装置が所定距離前進してから覆工作業を行うこととなる。すると、トンネル壁面が不安定である場合には、掘削壁面から地盤が剥離したり崩落したりする虞がある。また、大深度の地盤や硬質の岩盤などを掘削した場合、地盤が締まって掘削トンネル径がカッタヘッドによる掘削径よりも小径となり、掘削機本体が推進不能となってしまうことがある。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するものであって、掘削後のトンネル壁面を直ちに覆工することで地盤の崩落や締まりなどを防止して安全性の向上並びに掘削作業性の向上を図ったトンネル掘削機並びにトンネル施工工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のトンネル掘削機は、筒形状をなす掘削機本体と、該掘削機本体の前部に装着されて該掘削機本体の外径より若干大きい掘削範囲を有するカッタと、前記掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、前記掘削機本体と前記カッタが掘削した掘削壁面との空間部にモルタルを注入するモルタル注入手段と、該空間部に注入されたモルタルを前記掘削壁面側に押圧して締め固めるモルタル押圧手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0007】
この場合、カッタにより地盤を掘削した直後に、掘削機本体と掘削壁面との空間部にモルタルを注入し、このモルタルを押圧して締め固めることが地盤の崩落や締まりなどを考慮すると望ましく、カッタの後方に接近してモルタル注入手段及びモルタル押圧手段を配設すると良い。そして、この作業時には、掘削機本体と掘削壁面との空間部の前後を仕切って遮蔽空間部としてからモルタルの注入及び押圧を行うことで、確実に掘削壁面の覆工が可能となり、カッタ側へのモルタルの流動も防止できる。
【0008】
請求項2の発明のトンネル掘削機では、前記モルタル押圧手段は前記カッタの後方に近接して設けられたことを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明のトンネル掘削機では、前記モルタル押圧手段は、前記掘削機本体の外周部に周方向に複数分割されて配設された可動プレートと、該各可動プレートを前記掘削壁面側に移動する移動ジャッキとを有することを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明のトンネル掘削機では、前記各可動プレートの外側に弾性リングが装着されたことを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明のトンネル掘削機では、前記各可動プレートの外側に互いに重合する押圧プレートが装着されたことを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明のトンネル掘削機では、前記掘削機本体の前端部に、前記空間部に注入されたモルタルの前記カッタ側への漏洩を防止する遮蔽板が設けられたことを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明のトンネル施工方法は、掘削機本体を前進しながらカッタを回転することで、該掘削機本体の外径より若干大きい掘削断面を有するトンネルを掘削し、前記カッタが掘削した直後の前記掘削機本体の外周側空間部にモルタルを注入し、該空間部のモルタルを押圧して締め固めることで覆工を行うと共に、前記掘削機本体との間に該掘削機本体を前進するための微小隙間を形成することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1に本発明の第1実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンの概略断面、図2に図1のII−II断面、図3に図1のIII−III断面、図4にモルタル注入装置及び押圧装置を表す要部断面、図5にトンネル壁面の覆工方法を表す概略を示す。
【0016】
本実施形態のトンネルボーリングマシン(以下、TBMと称する。)10において、図1に示すように、円筒形状をなす掘削機本体11の前部にバルクヘッド12が設けられ、バルクヘッド12には支持部材13により回転体14が回転自在に支持されている。この回転体14には複数の連結ビーム15によりカッタヘッド16が連結されており、カッタヘッド16は掘削機本体11の外径より若干大きく形成され、前面部に岩盤をせん断破壊するディスクカッタ17やカッタビット18が多数装着されている。一方、回転体14の後部に内歯を有するリングギア19が一体に固定される一方、支持部材13に複数のカッタ旋回モータ20が固定されており、このカッタ旋回モータ20の駆動ギヤ21がリングギヤ19に噛み合っている。
【0017】
従って、カッタ旋回モータ20を駆動して駆動ギヤ21を回転駆動すると、この駆動ギヤ21が噛み合うリングギヤ19が回転し、このリングギヤ19と連結ビーム15を介して連結されたカッタヘッド16を旋回し、ディスクカッタ17やカッタビット18が地盤を掘削し、発生したずりを開口(図示略)から掘削機本体11の内部に取り込むことができる。
【0018】
また、掘削機本体11の後部には支持フレーム22が固定されており、この支持フレーム22は既設トンネルのほぼ中心部を後方に延出され、後端部にこの支持フレーム22を水平状態に維持する図示しないシュージャッキが装着されている。そして、掘削機本体11の後方にて、リヤグリッパ23が支持フレーム22に対して前後移動自在に設けられており、このリヤグリッパ23は、図示しないが、グリッパジャッキによって既設トンネルの壁面に圧接して位置保持する一対のグリッパシューを有している。
【0019】
そして、掘削機本体11とこのリヤグリッパ23との間には推進ジャッキとしての油圧の給排によって伸縮作動する複数本のスラストジャッキ24が架設されている。従って、各スラストジャッキ24を伸縮駆動することで、掘削機本体11とリヤグリッパ23との相対位置を変更することができ、また、左右のスラストジャッキ24の各作動ストロークを変えることで、カッタヘッド16を有する掘削機本体11を左右に屈曲してその掘進方向を変更することができる。
【0020】
なお、カッタヘッド16と掘削機本体11で形成されるチャンバ25にはずりを集積するホッパ26が固定され、支持フレーム22の内部には掘削したずりを搬出するベルトコンベヤ27が配設されており、このベルトコンベヤ27の前端部がホッパ26の下部に連結されている。
【0021】
また、図1乃至図4に示すように、掘削機本体11の前端部にはカッタヘッド16の後方に近接して、掘削機本体11と掘削壁面Gとの空間部Sにモルタルを注入するモルタル注入装置31と、この空間部Sに注入されたモルタルを掘削壁面G側に押圧して締め固めるモルタル押圧装置32とが設けられている。また、この空間部Sに注入されたモルタルが前方のカッタヘッド16側へ漏洩しないように防止する前部遮蔽板33が設けらると共に、空間部Sに注入されたモルタルが後方へ漏洩しないように防止する後部遮蔽板34が設けられている。
【0022】
即ち、掘削機本体11の前外周部には周方向に沿って凹部41が形成されており、この凹部41内には周方向に均等間隔で三角形断面の仕切り壁42が形成されている。そして、各仕切り壁42で区画された凹部41には箱型形状をなす可動プレート43が掘削機本体11の径方向に沿って移動自在に装着されている。そして、凹部41には複数の移動ジャッキ44が装着されており、各移動ジャッキ44の駆動ロッド45の先端部が可動プレート43に連結されている。この場合、可動プレート43及び移動ジャッキ44等によりモルタル押圧装置32が構成される。
【0023】
また、この複数の可動プレート43のうちのいくつかにモルタル注入管46が装着されており、このモルタル注入管46は基端部に注入ホース47を介して掘削機本体11に搭載された図示しないモルタル供給装置が連結される一方、先端部が前述した空間部Sに開口している。この場合、モルタル注入管46、注入ホース47、モルタル供給装置等によりモルタル注入装置31が構成される。
【0024】
更に、凹部41の前端部にはエアチューブ式の前部遮蔽板33が周方向に沿って配設されると共に、この前部遮蔽板33にエア給排管48を介して図示しないコンプレッサが連結されている。一方、凹部41の後端部には平板形状をなす複数の後部遮蔽板34が互いに重なり合って周方向に沿って配設されると共に、複数の油圧ジャッキ49により空間部Sに移動可能となっている。
【0025】
従って、コンプレッサによりエア給排管48を通して前部遮蔽板33にエアを供給すると、この前部遮蔽板33が外方に広がって外周部が掘削壁面Gに当接することで、空間部Sの前方を遮断することができる。また、複数の油圧ジャッキ49を伸長駆動すると、各後部遮蔽板34が互いに重なり合ったまま外方に移動し、外周部が掘削壁面Gに当接することで、空間部Sの後方を遮断することができる。この状態でモルタル注入装置31によりモルタルを注入ホース47を通して供給することで、各モルタル注入管46から空間部Sにモルタルを注入することができる。そして、空間部Sに所定量のモルタルが注入されると、モルタル押圧装置32によりび移動ジャッキ44を伸長駆動して可動プレート43を外方に移動すると、各可動プレート43の外周面で空間部Sのモルタルを掘削壁面G側に押圧することで、モルタルを締め固めることができると共に、掘削機本体11とモルタルとの間に推進のための隙間を形成することができる。
【0026】
また、図1に示すように、掘削機本体11の後端部には旋回リング51が駆動旋回自在に支持され、この旋回リング51にモルタルの打設によって形成された覆工の内壁面にセメントを吹き付けて塗装する吹付装置52が装着されると共に、このモルタル覆工の外周面にH形鋼等を支保(またはセグメント)を組立てるエレクタ装置53が装着されている。
【0027】
ここで、上述した本実施形態のTBM10を用いたトンネル掘削作業について説明する。
【0028】
図1に示すように、リヤグリッパ23を既設トンネルの内壁面に圧接して位置保持した状態で、カッタ旋回モータ20によってカッタヘッド16を回転駆動しながら、各スラストジャッキ24を伸長し、リヤグリッパ23を介して既設トンネルの内壁面から掘削反力を得て掘削機本体11を前進させる。すると、カッタヘッド16が前方の地盤を掘削し、掘削機本体11よりも若干大きい径のトンネルを形成する。
【0029】
そして、各スラストジャッキ24が所定のストローク伸長してカッタヘッド16が所定長さのトンネルを掘削すると、リヤグリッパ23による位置保持を解除して各スラストジャッキ24を収縮し、掘削機本体11に対してリヤグリッパ23を前方に引き寄せる。そして、前述と同様に、リヤグリッパ23を既設トンネルの内壁面に位置保持し、カッタヘッド16を回転駆動しながらスラストジャッキ24を伸長し、掘削機本体11を前進してカッタヘッド16が前方の地盤を掘削する。一方、カッタヘッド16によって掘削されたずりはチャンバ25内に取り込まれ、ホッパ26に集積されてベルトコンベヤ27によって外部に排出される。
【0030】
このカッタヘッド16による地盤掘削時に、その直後では、掘削機本体11の外周側空間部Sにモルタルを注入して締め固めることで、モルタルの覆工を行っている。即ち、図5(a)に示すように、エア給排管48を通して前部遮蔽板33にエアを供給し、外周部を掘削壁面Gに当接することで、空間部Sの前方を遮断する。また、複数の油圧ジャッキ49を伸長駆動し、後部遮蔽板34を外方に移動して外周部を掘削壁面Gに当接することで、空間部Sの後方を遮断する。そして、まず、モルタル注入装置31によりモルタル注入管46の先端部から空間部Sにモルタルを所定量注入して停止する。次に、図5(b)に示すように、モルタル押圧装置32の移動ジャッキ44を伸長駆動して各可動プレート43を外方に移動し、可動プレート43の外周面で空間部Sのモルタルを掘削壁面G側に押圧する。すると、このモルタルは掘削壁面G側で早期に締め固められ、モルタル覆工が形成される。
【0031】
そして、空間部Sでモルタルが固化して掘削壁面G側にリング形状のモルタル覆工が形成されると、各移動ジャッキ44を収縮駆動して可動プレート43を凹部41内に戻す。また、各油圧ジャッキ49を収縮駆動して後部遮蔽板34を掘削機本体11側に戻すと共に、前部遮蔽板33内のエアを排出して掘削機本体11側に戻す。すると、可動プレート43がモルタルを押して外方に移動した分だけ、掘削機本体11とモルタルとの間に隙間が形成される。そのため、掘削機本体11は固化したモルタルと接触することなくスムースに推進することができる。
【0032】
その後、掘削機本体11が所定距離掘進したら、前述と同様に、前部遮蔽板33により空間部Sの前方を遮断した状態で、モルタル注入管46から空間部Sにモルタルを所定量注入し、可動プレート43を外方に移動してモルタルを掘削壁面G側に押圧することで、掘削壁面G側にモルタルを締め固めて覆工を形成する。この場合、空間部Sの後方は、既にモルタル覆工が形成されているため、後部遮蔽板34により空間部Sの後方を遮断する必要はない。
【0033】
このように本実施形態のTBMにあっては、掘削機本体11の前部に、掘削機本体11と掘削壁面Gとの空間部Sにモルタルを注入するモルタル注入装置31を設けると共に、この空間部Sに注入されたモルタルを掘削壁面G側に押圧して締め固めるモルタル押圧装置32を設けている。
【0034】
従って、カッタヘッド16が地盤を掘削すると、その直後の空間部Sにモルタル注入装置31によりモルタルを所定量注入し、モルタル押圧装置32の可動プレート43によりこのモルタルを掘削壁面G側に押圧するため、このモルタルが掘削壁面G側で早期に締め固められてモルタル覆工が実施されることとなり、トンネルの掘削壁面Gが不安定であっても、掘削直後にモルタル覆工するため、この掘削壁面から地盤が剥離したり崩落したりすることはなく、トンネル施工工事の安全性を向上することができる。
【0035】
また、掘削直後に空間部Sにモルタルを注入して可動プレート43を外方に移動して締め固めるため、可動プレート43がモルタルを押して外方に移動した分だけ、掘削機本体11とモルタルとの間に隙間が形成されることとなり、大深度の地盤や硬質の岩盤などを掘削後に地盤が締まることはなく、掘削機本体11を固化したモルタルと接触することなくスムースに推進させることができ、トンネル施工作業の作業性を向上することができる。
【0036】
更に、掘削機本体11と掘削壁面Gとの空間部Sの前後に遮蔽板33,34を設けており、空間部Sへ注入したモルタルがカッタヘッド16や掘削機本体11内に流動することはなく、モルタルの漏洩により掘削作業が支障を来すことはなく、適正に掘削直後の掘削壁面Gにモルタル覆工を施工することができる。
【0037】
更に、モルタル押圧装置32を可動プレート43と移動ジャッキ44により構成しており、所定の押圧力でモルタルを周方向均等に締め固めることができ、覆工作業精度を向上することができる。
【0038】
なお、上述の実施形態では、モルタル押圧装置32を複数分割した可動プレート43と移動ジャッキ44等により構成したが、この構造に限定されるものではない。図6及び図7に本発明の第2、第3実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンに装着されたモルタル押圧装置を表す要部断面を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0039】
図6に示すように、第2実施形態のTBMに適用されたモルタル押圧装置61において、掘削機本体11の前外周部には周方向に沿って凹部41が形成され、この凹部41内には可動プレート43が掘削機本体11の径方向に沿って移動自在に装着されており、複数の移動ジャッキ44により移動可能となっている。そして、各可動プレート43の外周面には弾性を有するゴムリング52が装着されている。
【0040】
従って、空間部Sの前後が遮断された状態で、掘削機本体11と掘削壁面との空間部にモルタルを所定量注入した後、モルタル押圧装置61の移動ジャッキ44を伸長駆動して各可動プレート43を外方に移動すると、可動プレート43の外周面に装着されたゴムリング52が延びて空間部Sのモルタルを周方向隙間なく掘削壁面G側に押圧することとなり、モルタルは掘削壁面G側で早期に締め固められ、モルタル覆工することができる。
【0041】
このように本実施形態のTBMにあっては、複数に分割された可動プレート43の外周面に弾性を有するゴムリング52を装着しており、可動プレート43と共にゴムリング52が延びて外方に移動し、空間部Sのモルタルを周方向隙間なく掘削壁面G側に押圧することができ、高精度のモルタル覆工を可能とすることができる。
【0042】
図7に示すように、第3実施形態のTBMに適用されたモルタル押圧装置71において、掘削機本体11の前外周部には周方向に沿って凹部41が形成され、この凹部41内には可動プレート43が掘削機本体11の径方向に沿って移動自在に装着されており、複数の移動ジャッキ44により移動可能となっている。そして、各可動プレート43の外周面には硬質な押圧プレート72,73が互いに重合して装着されている。
【0043】
従って、空間部Sの前後が遮断された状態で、掘削機本体11と掘削壁面との空間部にモルタルを所定量注入した後、モルタル押圧装置71の移動ジャッキ44を伸長駆動して各可動プレート43を外方に移動すると、可動プレート43の外周面に装着された各押圧プレート72,73が摺接したまま移動して空間部Sのモルタルを周方向隙間なく掘削壁面G側に押圧することとなり、モルタルは掘削壁面G側で早期に締め固められ、モルタル覆工することができる。
【0044】
このように本実施形態のTBMにあっては、複数に分割された可動プレート43の外周面に硬質な押圧プレート72,73を互いに重合して装着しており、可動プレート43と共に押圧プレート72,73が摺接しながら外方に移動し、空間部Sのモルタルを周方向隙間なく確実に掘削壁面G側に押圧することができ、高精度のモルタル覆工を可能とすることができる。
【0045】
なお、上述した各実施形態にて、モルタル押圧手段を複数の可動プレート43及び移動ジャッキ44に加え、ゴムリング52や押圧プレート72,73を適用して構成したが、これらの構造に限定されるものではなく、ゴムリング52や押圧プレート72,73だけで構成してもよい。
【0046】
また、本発明のトンネル掘削機をオープンタイプのTBMとしたが、フルシールドタイプの掘削機でもよく、泥水式や土圧式のシールド掘削機に適用することもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明のトンネル掘削機によれば、掘削機本体の前部にこの外径より若干大きい掘削範囲を有するカッタを装着して推進ジャッキにより前進可能とし、掘削機本体とカッタが掘削した掘削壁面との空間部にモルタルを注入するモルタル注入手段を設けると共に、空間部に注入されたモルタルを掘削壁面側に押圧して締め固めるモルタル押圧手段を設けたので、カッタによる地盤の掘削直後の空間部にモルタルを注入して掘削壁面側に押圧することで、モルタルが掘削壁面側で早期に締め固められることとなり、掘削壁面から地盤が剥離したり崩落したりすることはなく、トンネル施工工事の安全性を向上することができ、また、モルタルを掘削壁面側に押圧して締め固めた分だけ、掘削機本体とモルタルとの間に隙間が形成されることとなり、大深度の地盤や硬質の岩盤などを掘削後に地盤が締まることはなく、掘削機本体を固化したモルタルと接触することなくスムースに推進させることができ、トンネル施工作業の作業性を向上することができる。
【0048】
請求項2の発明のトンネル掘削機によれば、モルタル押圧手段をカッタの後方に近接して設けたので、カッタによる地盤の掘削直後の掘削壁面にモルタル施工を実施することで、トンネル施工工事の安全性を向上することができる。
【0049】
請求項3の発明のトンネル掘削機によれば、モルタル押圧手段を、掘削機本体の外周部に周方向に複数分割されて配設された可動プレートと、各可動プレートを掘削壁面側に移動する移動ジャッキとで構成したので、所定の押圧力でモルタルを周方向均等に締め固めることができ、覆工作業精度を向上することができる。
【0050】
請求項4の発明のトンネル掘削機によれば、各可動プレートの外側に弾性リングを装着したので、可動プレートと共に弾性リングが延びて外方に移動し、空間部のモルタルを周方向隙間なく掘削壁面側に押圧することができ、高精度のモルタル覆工を可能とすることができる。
【0051】
請求項5の発明のトンネル掘削機によれば、各可動プレートの外側に互いに重合する押圧プレートを装着したので、可動プレートと共に押圧プレートが摺接しながら外方に移動し、空間部のモルタルを周方向隙間なく確実に掘削壁面側に押圧することができ、高精度のモルタル覆工を可能とすることができる。
【0052】
請求項6の発明のトンネル掘削機によれば、掘削機本体の前端部に空間部に注入されたモルタルのカッタ側への漏洩を防止する遮蔽板を設けたので、空間部へ注入したモルタルがカッタや掘削機本体内に流動することはなく、モルタルの漏洩により掘削作業が支障を来すことはなく、適正に掘削直後の掘削壁面にモルタル覆工を施工することができる。
【0053】
請求項7の発明のトンネル施工方法によれば、掘削機本体を前進しながらカッタを回転することで、掘削機本体の外径より若干大きい掘削断面を有するトンネルを掘削し、カッタが掘削した直後の掘削機本体の外周側空間部にモルタルを注入し、空間部のモルタルを押圧して締め固めることで覆工を行うと共に、掘削機本体との間に掘削機本体を前進するための微小隙間を形成するようにしたので、モルタルが掘削壁面側で早期に締め固められて掘削壁面から地盤の剥離や崩落を防止してトンネル施工工事の安全性を向上することができ、また、微小隙間により掘削機本体を固化したモルタルと接触することなくスムースに推進させることができ、トンネル施工作業の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンの概略断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】モルタル注入装置及び押圧装置を表す要部断面図である。
【図5】トンネル壁面の覆工方法を表す概略図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンに装着されたモルタル押圧装置を表す要部断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンに装着されたモルタル押圧装置を表す要部断面図である。
【符号の説明】
10 トンネルボーリングマシン、TBM(トンネル掘削機)
11 掘削機本体
16 カッタヘッド
20 カッタ旋回モータ
22 支持フレーム
23 リヤグリッパ
24 スラストジャッキ(推進ジャッキ)
31 モルタル注入装置
32,61,71 モルタル押圧装置
33 前部遮蔽板
34 後部遮蔽板
41 凹部
43 可動プレート
44 移動ジャッキ
46 モルタル注入管
48 エア給排管
49 油圧ジャッキ
52 吹付装置
53 エレクタ装置
62 ゴムリング(弾性リング)
72,73 押圧プレート
S 空間部
G 掘削壁面

Claims (7)

  1. 筒形状をなす掘削機本体と、該掘削機本体の前部に装着されて該掘削機本体の外径より若干大きい掘削範囲を有するカッタと、前記掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、前記掘削機本体と前記カッタが掘削した掘削壁面との空間部にモルタルを注入するモルタル注入手段と、該空間部に注入されたモルタルを前記掘削壁面側に押圧して締め固めるモルタル押圧手段とを具えたことを特徴とするトンネル掘削機。
  2. 請求項1において、前記モルタル押圧手段は前記カッタの後方に近接して設けられたことを特徴とするトンネル掘削機。
  3. 請求項1において、前記モルタル押圧手段は、前記掘削機本体の外周部に周方向に複数分割されて配設された可動プレートと、該各可動プレートを前記掘削壁面側に移動する移動ジャッキとを有することを特徴とするトンネル掘削機。
  4. 請求項3において、前記各可動プレートの外側に弾性リングが装着されたことを特徴とするトンネル掘削機。
  5. 請求項3において、前記各可動プレートの外側に互いに重合する押圧プレートが装着されたことを特徴とするトンネル掘削機。
  6. 請求項1において、前記掘削機本体の前端部に、前記空間部に注入されたモルタルの前記カッタ側への漏洩を防止する遮蔽板が設けられたことを特徴とするトンネル掘削機。
  7. 掘削機本体を前進しながらカッタを回転することで、該掘削機本体の外径より若干大きい掘削断面を有するトンネルを掘削し、前記カッタが掘削した直後の前記掘削機本体の外周側空間部にモルタルを注入し、該空間部のモルタルを押圧して締め固めることで覆工を行うと共に、前記掘削機本体との間に該掘削機本体を前進するための微小隙間を形成することを特徴とするトンネル施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101230847B1 (ko) 2010-11-08 2013-02-21 주식회사경도 지반 안정 굴진 설비와 이를 이용한 쉴드터널 잼 해소 방법
CN108756910A (zh) * 2018-05-13 2018-11-06 中铁十六局集团北京轨道交通工程建设有限公司 一种智能预警式土压平衡盾构超前注浆装置和施工方法
JP2023174120A (ja) * 2022-05-27 2023-12-07 誠 植村 地下構造物の構築法およびそれに使用するコンクリート函体

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