JP3170213B2 - トンネル築造方法及びトンネル掘削機 - Google Patents

トンネル築造方法及びトンネル掘削機

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JP3170213B2
JP3170213B2 JP35362496A JP35362496A JP3170213B2 JP 3170213 B2 JP3170213 B2 JP 3170213B2 JP 35362496 A JP35362496 A JP 35362496A JP 35362496 A JP35362496 A JP 35362496A JP 3170213 B2 JP3170213 B2 JP 3170213B2
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亨介 三島
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は掘削した周壁面に吹
付けコンクリートによる覆工を施しながらトンネルを築
造する方法とそのトンネル掘削機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】岩盤を全断面で掘削するTBM(トンネ
ルボーリングマシン)は、シールド掘削機のようにスキ
ンプレートを有しない場合でも推進用のスラストジャッ
キや掘削壁面に反力をとるグリッパジャッキなどのジャ
ッキ装置やチャンバーから機内後方に掘削ずりを排出す
るベルトコンベア等を装備している関係上、機内が狭く
なっているために、吹付けコンクリートによる掘削壁面
を支保するための覆工作業は、一般に作業空間の広いT
BM後方空間部において行っている。
【0003】一方、薄い粘土層や破砕帯が存在したり亀
裂が発達した地山は外圧に対して脆く、このような地山
をTBMで掘削すると、TBMの後方での支保作業時に
おいて掘削壁面の緩みによる肌落ち(崩落)が発生し、
その肌落ちした土砂の撤去作業や壁面の修復作業を必要
とするばかりでなく、修復するための材料のロスが生じ
て不経済であり、その上、リバンウドする吹付けコンク
リートによる作業環境の悪化やそのリバウンド材の撤去
作業を必要とする等の問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような肌落ちの
原因としては、カッター板により掘削された周壁面がT
BMの後方に露出するまでに弛緩することや、TBMの
フロントグリッパーおよびメイングリッパーによる押圧
力、さらには、急激な方向制御によるTBMの胴部と掘
削壁面との摺接や、剥離状態の岩塊がカッター板に設け
ているスクレーパに取り込まれなく掘削壁面に残存する
ことなどがあげられる。大規模な肌落ちが予想される地
山を掘削するには、カッター板の前方地盤を事前に改良
することが行われているが、上記のような比較的小規模
な肌落ちが発生し易い地山にこのような前方地盤の改良
を施すことは不経済であるばかりでなく、作業能率が著
しく低下するという問題点がある。
【0005】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところはカッター板により掘
削された直後の周壁面に該周壁面を支保するためのコン
クリート吹付けによる覆工を施して掘削壁面の緩みによ
る肌落ちを生じさせることなく円滑且つ精度よく施工し
得るトンネル築造方法とこの方法に使用するトンネル掘
削機を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のトンネル築造方法は、前端に回転カッター
板を配設してなる掘削部に対してトンネル長さ方向に伸
縮自在に連結している推進部をトンネル周壁面に施工し
ている既に硬化したコンクリート覆工層の内周面に支持
させた状態で掘削部を前進させながら上記回転カッター
板の前面に突設している掘削刃と外周縁部に径方向に伸
縮自在に突設している掘削刃とにより掘削部よりも大径
のトンネルを掘削する工程と、所定長さのトンネルの掘
削後、掘削部を上記推進部側に後退させてその後退中又
は後退後に掘削部内から上記カッター板に設けている開
口部を通じてコンクリート吹付けノズルを突出させてト
ンネル掘削周壁面にコンクリート吹付けることによりコ
ンクリート覆工層を形成する工程と、この工程後、上記
トンネル径方向に伸縮自在な掘削刃を収縮させた状態で
上記掘削部を前進させる工程と、該掘削部の前進後、掘
削部を既に硬化したコンクリート覆工層に支持させる一
方、トンネル周壁面からの推進部の支持を解いて該推進
部を掘削部側に引き寄せる工程とを繰り返し行うことを
特徴とするものである。
【0007】また、請求項2に係る発明は、上記トンネ
ル築造方法において、コンクリート吹付けノズルを突出
させてトンネル掘削周壁面にコンクリート吹付ける際
に、少なくともトンネル上周部が肉厚部となったコンク
リート覆工層を形成するものであり、この工程後、カッ
ター板を回転させながら前進させて該カッター板に装着
したトンネル径方向に伸縮自在な掘削刃により上記コン
クリート覆工層の肉厚部を切削して掘削部が通過可能な
内径のコンクリート覆工層に整形することを特徴とする
ものである。
【0008】上記のトンネル築造方法を実施するための
トンネル掘削機は、請求項3に記載したように、掘削す
べきトンネルの径方向に伸縮自在なフロントグリッパを
備えた掘削部と、該掘削部の後方にスラストジャッキを
介してトンネル長さ方向に伸縮自在に連結され且つトン
ネル径方向に伸縮自在なリアグリッパを備えた推進部
と、上記掘削部の開口前端に回転自在に装着され且つト
ンネル進行方向の掘削刃とトンネル径方向の掘削刃とを
備えたカッター板と、上記掘削部内に配設された上記カ
ッター板の回転駆動手段とからなるトンネル掘削機であ
って、上記カッター板に開口部を設け、この開口部より
出没自在で且つその先端がトンネル周壁面に向いている
コンクリート吹付けノズルを掘削部内に回転自在に配設
すると共に上記カッター板の装着されたトンネル径方向
の掘削刃を進退自在に構成しているものである。
【0009】
【作用】リアグリッパを伸長させて掘削壁面に既に施工
しているコンクリート覆工層の内面に圧着させることに
より推進部を該コンクリート覆工層に支持させたのち、
その支持部に反力をとってスラストジャッキを伸長させ
ることにより掘削部を前進させ、該掘削部の前端に装着
した回転カッター板に突設しているトンネル長さ方向の
掘削刃により前方地盤を掘削すると共にカッター板の外
周縁部に配設しているトンネル径方向の掘削刃を突出さ
せてトンネル全周または少なくともトンネル上半部を予
定径よりも大径に掘削する。一定長のトンネルの掘削
後、上記スラストジャッキを収縮させることにより掘削
部を掘削開始位置まで推進部側に引き戻す。この際、ト
ンネル径方向の掘削刃を一定長、トンネル内径方向に収
縮させて後述するコンクリート覆工層を所定厚みに切削
し得る突出長に調整しておく。
【0010】次いで、カッター板の回転を停止させた状
態で掘削部内から該カッター板に設けている開口部を通
じてコンクリート吹付けノズルを前方に突出させてカッ
ター板により掘削された直後のトンネル周壁面にその開
口端を向けた状態で該ノズルを前後方向に移動させると
共に回転させながらコンクリートの吹付けを行うことに
より、一定長の上記掘削壁面の全周又は少なくとも上半
部に全長に亘って所定厚みよりも肉厚のコンクリート覆
工層を形成する。なお、このコンクリートの吹付けは、
掘削部の上記引き戻し途上において行ってもよく、又、
引き戻し時と共に引き戻し後に行ってもよい。
【0011】掘削壁面に上記コンクリート覆工を施こし
たのちノズルを掘削部内に収納し、しかるのち、カッタ
ー板を回転させながらスラストジャッキを伸長させるこ
とにより掘削部を前進させ、上記のようにトンネル径方
向の突出長を調整された掘削刃によって肉厚のコンクリ
ート覆工層を所定厚みのコンクリート覆工層に切削、整
形し、このコンクリート覆工層の内周面と掘削部間に該
掘削部と推進部とが通過可能な隙間を確保する。なお、
トンネル径方向に伸縮自在な上記掘削刃の掘削部からの
突出長の調整は、掘削部を前進させる直前に行ってもよ
い。
【0012】しかるのち、掘削部のフロントグリッパを
径方向に伸長させて掘削壁面の既に硬化しているコンク
リート覆工層に圧着させることにより、該掘削部を支持
させる一方、推進部のリアグリッパを収縮させて掘削壁
面に施工しているコンクリート覆工層に対する該推進部
の支持を解き、次いで、スラストジャッキを収縮させる
ことにより推進部を掘削部側に一定長、引き寄せる。し
かるのち、再び、リアグリッパを伸長させて推進部を該
コンクリート覆工層に支持させる工程と、フロントグリ
ッパを収縮させると共にスラストジャッキを伸長させる
ことにより掘削部を前進させながらカッター板によって
一定長のトンネルを掘削する工程と、掘削後、上述した
ように掘削部を後退させてその掘削壁面にコンクリート
吹付けノズルによりコンクリート覆工を施す工程と、掘
削部を前進させてカッター板から突設している径方向の
掘削刃によりコンクリート覆工層を一定厚みに整形する
工程とを順次繰り返し行ってトンネルを築造するもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態を図
面について説明すると、図1はトンネル掘削機(TB
M)の縦断側面図であって、このトンネル掘削機は、前
端開口部にカッター板3を回転自在に装着した掘削部で
ある断面円形状の前胴部1と、該前胴部1の後端部にト
ンネル長さ方向に伸縮自在に連結している推進部である
断面円形状の後胴部2と、前後胴部1、2間を連結した
スラストジャッキ4と、前後胴部1、2に夫々設けたフ
ロントグリッパ5及びリアグリッパ6と、上記カッター
板3から出没自在に設けられてトンネル掘削壁面Tにコ
ンクリートを吹付けるコンクリート吹付けノズル7を有
するコンクリート供給管8と、カッター板3の回転駆動
手段9と、掘削ずり排出手段であるベルトコンベア10と
から主要部が構成されている。
【0014】上記前胴部1にはその前部内に円環状の前
後隔壁板11、12を張設してあり、この前後隔壁板11、12
間の前胴部1の周壁部数個所にジャッキ13によりトンネ
ル径方向に伸縮する上記フロントグリッパ5を前胴部1
から掘削壁面Tに向かって出没自在に装着している。こ
の前胴部1の前端開口部に配設した上記カッター板3の
前面には、中央部と該中央部から外周方向に所定間隔毎
に前方地盤を掘削する複数個のローラカッタからなる掘
削刃14を装着していると共に該カッター板3の外周縁部
に周方向に一定間隔毎(図においては四方)にトンネル
径方向に向かって斜め前方に開口した凹所15を設けてあ
り、各凹所15内にジャッキ16によって該凹所15からトン
ネル径方向に出没する掘削刃17を配設している。
【0015】さらに、上記カッター板3には、図2に示
すように径方向に装着した掘削刃14に沿って該カッター
板3の前後面間に貫通した土砂取込口18を設けていると
共に各土砂取込口18の1側縁にスクレーパ19を形成して
いる。また、カッター板3の中央部に突設している掘削
刃14の近傍部にカッター板3を貫通した開口部20を設け
てあり、この開口部20の後方に前胴部1内に配設した上
記コンクリート供給管8を臨ませてその先端のコンクリ
ート吹付けノズル7を開口部20から前方に向かって出没
させるように構成している。なお、このカッター板3は
その背面に一体に固着したリング状部材3aを前胴部1の
前側隔壁板11に突設した内外円環部材21、22間に回転自
在に支持させていると共にリング状部材3aの後端面に内
歯車23を固着している。
【0016】上記コンクリート吹付けノズル7は前胴部
1の長さ方向に平行なコンクリート供給管8の管軸に対
してトンネル掘削壁面Tに向かって屈曲してあり、コン
クリート供給管8の前端部は前胴部1の後側隔壁12に固
定したノズル伸縮用ジャッキ24のロッド先端に固着して
いる軸受部材25に挿通状態で且つ回転自在に支持されて
いる。この軸受部材25内にモータ(図示せず)が内装さ
れていると共に該モータの回転軸に固着した小歯車(図
示せず)を軸受部材25内におけるコンクリート供給管8
の前端部に固着して歯車(図示せず)に噛合させてモー
タの駆動によりコンクリート供給管8をその管軸回りに
回転させるように構成している。また、軸受部材25の後
方側において、コンクリート供給管8に自在継手26を設
けることにより該コンクリート供給管8の後部側に対し
て該自在継手26を介して前端部を回転可能に構成してい
る。
【0017】一方、上記後胴部2はその前部外周面を前
胴部1の後端部内周面に前後摺動自在に挿嵌していると
共に内部に円環状の前後隔壁板27、28を張設してあり、
この前側隔壁板27と上記前胴部1の後側隔壁板12との対
向面間に周方向に一定間隔毎に上記スラストジャッキ4
を配設し、これらのスラストジャッキ4の両端を上記隔
壁板12、27の対向面に連結している。さらに、後胴部2
の前後隔壁板27、28間にはジャッキ(図示せず)により
トンネル径方向に伸縮する上記リアグリッパ6を後胴部
2から掘削壁面7に向かって出没自在に装着している。
なお、このリアグリッパ6は後胴部2の両側部又は上下
部に設けられている。
【0018】カッター板3の回転駆動手段9は、前胴部
1の前後隔壁板11、12間に固着したカッター板回転駆動
用モータ9aと、このモータ9aの回転軸に固着した小歯車
9bとからなり、該小歯車9bを上記カッター板3の背面に
固着している内歯車23に噛合させているもので、モータ
9aの駆動により小歯車9bと内歯車23を介してカッター板
3を回転させるように構成している。また、掘削ずり排
出手段であるベルトコンベア10は、その前端部を上記カ
ッター板3の背面側空間部に形成した掘削ずり取込室29
の下部内に突出させてあり、その前端部から後胴部2に
向かって斜め上方に傾斜させた状態で配設している。
【0019】以上のように構成したトンネル掘削機によ
ってトンネルを築造する方法を説明すると、前胴部1の
フロントグリッパ5を、後述する掘削壁面Tに既に施工
しているコンクリート層C'に圧着させた状態でスラスト
ジャッキ4を収縮させて後胴部2を前胴部1側に引き寄
せたのち、該後胴部2のリアグリッパ6をジャッキの伸
長によってトンネル径方向に押し出すことにより掘削壁
面Tに既に施工しているコンクリート覆工層C'に圧着さ
せる。このように、リアグリッパ6を介して後胴部2を
コンクタート覆工層C'の内周面に支持させたのち、フロ
ントグリッパ5を収縮させてコンクリート層C'に対する
圧着を解き、カッター板回転駆動用モータ9aを駆動して
カッター板3を回転させると共にスラストジャッキ4を
伸長させることによりコンクリート覆工層C'側に前胴部
1の推進反力を支持させて該前胴部1を前進させながら
カッター板3にトンネル長さ方向に突設している掘削刃
14とトンネル径方向に突設している掘削刃17とによっ
て、図3に示すように一定長のトンネルを掘削する。
【0020】この際、トンネル径方向の掘削刃17の突出
長をジャッキ16によって調整し、該掘削刃17によって掘
削されるトンネル掘削壁面Tの外径を全周に亘って或い
は少なくとも上半周部を予定径よりも大径となるように
しておく。掘削されたずりはカッター板3の土砂取込口
18から土砂取込室29内に取り込まれると共にスクレーパ
19により攪拌されながら上方に持ち上げられたのち、ベ
ルトコンベア10の前端部上に落下し、該ベルトコンベア
10によって後方に搬出される。
【0021】一定長のトンネルの掘削後、カッター板3
の回転を停止させると共に上記スラストジャッキ4を収
縮させることにより、図4に示すように前胴部1を掘削
開始位置まで後退させる。その際、トンネル径方向に突
出する掘削刃17を一定長さだけ凹所15内に没入させ、該
掘削刃17の突出長を後述するコンクリート覆工層Cを所
定径に切削し得る突出長に調整しておく。
【0022】次いで、ノズル伸縮用ジャッキ24を作動さ
せてそのロッド先端に固着している軸受部材25を前進さ
せることにより該軸受部材25に挿通、支持されたコンク
リート供給管8のノズル7を前胴部1の開口部20から上
記掘削直後の一定長のトンネル内に突出させ、上記ジャ
ッキ24を伸縮させることによりこのノズル7を掘削壁面
Tの長さ方向に前後移動させると共に軸受部材25内に配
設したモータを駆動させることにより噛合歯車を介して
コンクリート供給管8の前端部を回転させ、ノズル7の
開口端を掘削壁面Tの周方向に回動させながらコンクリ
ート供給管8にコンクリートを供給してノズル7から掘
削壁面Tにコンクリートを吹付けることにより掘削壁面
Tの全周或いは少なくとも上半周部に前胴部1よりも小
径となるまで肉厚のコンクリート覆工層Cを形成する
(図5図参照)。
【0023】なお、前胴部1内に収納されている上記ノ
ズル7を掘削壁面T内に突出させるには、カッター板3
を回動させてその開口部20をノズル7の前方位置に合わ
せることによって行われる。また、掘削壁面Tに対する
コンクリート吹付け作業は、上記ノズル伸縮ジャッキ24
によるノズル7の前後動と軸受部材25内のモータによる
ノズル7の回動動作とを遠隔操作することにより行う。
このような掘削壁面Tに対するコンクリートの吹付け作
業は、カッター板3による上記一定長のトンネルの掘削
後、該カッター板3を前胴部1と一体的に後胴部2側に
後退させる途中においても行うことができる。
【0024】掘削壁面Tに上記コンクリート覆工層Cを
施工したのち、ノズル伸縮用ジャッキ24を収縮させるこ
とによりノズル7を前胴部1内に収納する。次いで、後
胴部2側に前胴部1の推進反力を支持させた状態でカッ
ター板3を回転させながらスラストジャッキ4を伸長さ
せることにより前胴部1を前進させ、上記のようにトン
ネル径方向の突出長を調整された掘削刃17によって肉厚
のコンクリート覆工層Cを所定厚みのコンクリート覆工
層C'に切削、整形し、このコンクリート覆工層C'の内周
面と前胴部間に前後胴部が通過可能な隙間を確保する
(図6参照)。なお、トンネル径方向に伸縮自在な上記
掘削刃17の前胴部1からの突出長の調整は上記肉厚のコ
ンクリート覆工層Cを掘削するために前胴部1を前進さ
せる直前に行ってもよい。
【0025】上記掘削刃17によりコンクリート覆工層の
切削、整形後、前胴部1のフロントグリッパ5をトンネ
ル径方向に突出させて掘削壁面Tに施工された硬化した
コンクリート覆工層C'に圧着させることにより、該前胴
部1を該コンクリート覆工層C'の内面に支持させる一
方、後胴部2のリアグリッパ6を収縮させてコンクリー
ト覆工層C'に対する支持を解き、スラストジャッキ4を
収縮させて図7に示すように後胴部2を一定長、前胴部
1側に引き寄せる。
【0026】しかるのち、再び、上記のように後胴部2
をトンネル掘削壁面Tに既に施工しているコンクリート
覆工層C'にリアグリッパ6を圧着させることにより支持
させると共に、前胴部1のフロントグリッパ5を収縮さ
せてコンクリート層C'に対する圧着を解き、カッター板
3を回転させながらスラストジャッキ4を伸長させるこ
とにより前胴部1を前進させてそのカッター板3の掘削
刃14、17で前胴部1よりも大径のトンネルを掘削する工
程と、所定長さのトンネルの掘削後、スラストジャッキ
4を収縮させて前胴部1を掘削開始位置まで後退させ、
その後退中又は後退後に前胴部1内から上記カッター板
3に設けている開口部20を通じてコンクリート吹付けノ
ズル7を突出させてトンネル掘削壁面に肉厚のコンクリ
ート覆工層Cを吹付け施工する工程と、この工程後、上
記カッター板3を回転させながら前進させて該カッター
板3に装着した上記トンネル径方向に伸縮自在な掘削刃
17により上記コンクリート覆工層Cの肉厚部を切削して
一定厚みのコンクリート覆工層C'に切削、整形する工程
と、該コンクリート覆工層C'の整形後、前胴部1を既に
硬化したコンクタート覆工層C'に支持させる一方、後胴
部2側のリアグリッパ6による支持を解いて該後胴部2
を前胴部1側に一定長、引き寄せる工程とを順次繰り返
し行うことによりトンネルを築造するものである。
【0027】なお、コンクリート吹付けノズル7によっ
て掘削壁面Tに吹付けた際に発生するリバウンドしたコ
ンクリート材やカッター板3の外周縁から突出したトン
ネル径方向の掘削刃17によって削り取られたコンクリー
ト材の切削くずは、カッター板3の回転によってスクレ
ーパ19でズリ取込室29内に取り込まれ、掘削ずりと共に
スクリューコンベア12によって後方に排出されるもので
ある。また、以上の説明においてはトンネル掘削機の掘
削部と推進部として外周をスキンプレートで覆われた前
胴部と後胴部とを示したが、スキンプレートをもたない
掘削部と推進部とを有するトンネル掘削機(TBM)に
おいても適用できることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、トンネル
掘削機の掘削部の前端に装着した回転カッター板の前面
に突出している掘削刃と外周縁部にトンネル径方向に伸
縮自在に突設している掘削刃とによって大径のトンネル
を掘削するので、該カッター板の外周縁部に突設した掘
削刃の突出長を調整することによって所望径のトンネル
を掘削し得ると共に、一定長のトンネルを掘削したのち
掘削部を推進部側に後退させ、しかるのち、上記カッタ
ー板に設けている開口部からコンクリート吹付けノズル
を突出させてトンネル掘削壁面に該壁面を支保するため
のコンクリート吹付けによる覆工層を形成するものであ
るから、トンネル掘削機の前方で掘削直後の周壁面にコ
ンクリートの吹付けを行うので、肌落ちの生じない品質
の良好な所望厚みのコンクリート覆工が可能となると共
にそのコンクリート吹付け時に発生する粉塵が拡散する
のをカッター板によって阻止し得るので、作業環境が良
好となるものである。
【0029】さらに、トンネル掘削機の前方の掘削壁面
に上記コンクリート覆工層を施工したのち、上記カッタ
ー板を回転させながら前進させて該カッター板に装着し
た上記トンネル径方向に伸縮自在な掘削刃により上記コ
ンクリート覆工層の肉厚部を切削するので、内面が平坦
で且つ一定厚みの均質なコンクリート覆工層に整形する
ことができ、この際、発生するコンクリート切削くずや
上記コンクリート吹付け時に発生するリバウンドしたコ
ンクリート材、さらには肌落ちした岩盤の小塊をカッタ
ー板の回転によってスクレーパで前胴部内に取り込み、
掘削ずりと共に後方に搬出することができる。
【0030】また、トンネル掘削機の後方側では上記ト
ンネル径方向に伸縮自在な切削刃により整形された一定
厚みの硬化したコンクリート覆工層が存在するので、ト
ンネル掘削機の後方側での作業が安全に且つ能率よく行
えると共にこのコンクリート覆工層の平坦な内周面に推
進部のリアグリッパを確実に圧着、支持させることがで
き、トンネルの掘進作業も円滑に行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネル掘削機の縦断側面図、
【図2】そのカッター板の正面図、
【図3】一定長のトンネルを掘削した状態の簡略縦断側
面図、
【図4】カッター板を後退させた状態の簡略縦断側面
図、
【図5】掘削壁面にコンクリート覆工層を施工した状態
の簡略縦断側面図、
【図6】カッター板を前進させて一定厚みのコンクリー
ト覆工層に整形している状態の簡略縦断側面図、
【図7】整形後に後胴部を前方に引き寄せた状態の簡略
縦断側面図。
【符号の説明】
1 前胴部 2 後胴部 3 カッター板 4 スラストジャッキ 5 フロントグリッパ 6 リアグリッパ 7 吹付けノズル 8 コンクリート供給管 9 回転駆動手段 10 ベルトコンベア 14 トンネル方向掘削刃 17 トンネル径方向掘削刃 24 ノズル伸縮用ジャッキ C、C' コンクリート覆工層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−239000(JP,A) 特開 昭57−123397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/10 E21D 11/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端に回転カッター板を配設してなる掘
    削部に対してトンネル長さ方向に伸縮自在に連結してい
    る推進部をトンネル周壁面に施工している既に硬化した
    コンクリート覆工層の内周面に支持させた状態で掘削部
    を前進させながら上記回転カッター板の前面に突設して
    いる掘削刃と外周縁部に径方向に伸縮自在に突設してい
    る掘削刃とにより掘削部よりも大径のトンネルを掘削す
    る工程と、所定長さのトンネルの掘削後、掘削部を上記
    推進部側に後退させてその後退中又は後退後に掘削部内
    から上記カッター板に設けている開口部を通じてコンク
    リート吹付けノズルを突出させてトンネル掘削周壁面に
    コンクリート吹付けることによりコンクリート覆工層を
    形成する工程と、この工程後、上記トンネル径方向に伸
    縮自在な掘削刃を収縮させた状態で上記掘削部を前進さ
    せる工程と、該掘削部の前進後、掘削部を既に硬化した
    コンクリート覆工層に支持させる一方、トンネル周壁面
    からの推進部の支持を解いて該推進部を掘削部側に引き
    寄せる工程とを繰り返し行うことを特徴とするトンネル
    築造方法。
  2. 【請求項2】 前端に回転カッター板を配設してなる掘
    削部に対してトンネル長さ方向に伸縮自在に連結してい
    る推進部をトンネル周壁面に施工している既に硬化した
    コンクリート覆工層の内周面に支持させた状態で掘削部
    を前進させながら上記回転カッター板の前面に突設して
    いる掘削刃と外周縁部に径方向に伸縮自在に突設してい
    る掘削刃とにより掘削部よりも大径のトンネルを掘削す
    る工程と、所定長さのトンネルの掘削後、掘削部を上記
    推進部側に後退させてその後退中又は後退後に掘削部内
    から上記カッター板に設けている開口部を通じてコンク
    リート吹付けノズルを突出させてトンネル掘削周壁面に
    コンクリート吹付けることにより少なくとも上周部が肉
    厚部となったコンクリート覆工層を形成する工程と、こ
    の工程後、上記カッター板を回転させながら前進させて
    該カッター板に装着した上記トンネル径方向に伸縮自在
    な掘削刃により上記コンクリート覆工層の肉厚部を切削
    して掘削部が通過可能な内径のコンクリート覆工層に整
    形する工程と、該コンクリート覆工層の整形後、掘削部
    を既に硬化したコンクリート覆工層に支持させる一方、
    トンネル周壁面からの推進部の支持を解いて該推進部を
    掘削部側に引き寄せる工程とを繰り返し行うことを特徴
    とするトンネル築造方法。
  3. 【請求項3】 掘削すべきトンネルの径方向に伸縮自在
    なフロントグリッパを備えた掘削部と、該掘削部の後方
    にスラストジャッキを介してトンネル長さ方向に伸縮自
    在に連結され且つトンネル径方向に伸縮自在なリアグリ
    ッパを備えた推進部と、上記掘削部の開口前端に回転自
    在に装着され且つトンネル進行方向の掘削刃とトンネル
    径方向の掘削刃とを備えたカッター板と、上記掘削部内
    に配設された上記カッター板の回転駆動手段とからなる
    トンネル掘削機であって、上記カッター板に開口部を設
    け、この開口部より出没自在で且つその先端がトンネル
    周壁面に向いているコンクリート吹付けノズルを掘削部
    内に回転自在に配設すると共に上記カッター板の装着さ
    れたトンネル径方向の掘削刃を進退自在に構成している
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
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