JPH10168665A - 酸化スズファイバーの製造方法 - Google Patents

酸化スズファイバーの製造方法

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JPH10168665A
JPH10168665A JP32517896A JP32517896A JPH10168665A JP H10168665 A JPH10168665 A JP H10168665A JP 32517896 A JP32517896 A JP 32517896A JP 32517896 A JP32517896 A JP 32517896A JP H10168665 A JPH10168665 A JP H10168665A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱電気炉等の損傷がなく、工業化に適した
酸化スズファイバーの製造方法を確立する。 【解決手段】 ハロゲンを含む酸化スズファイバー用紡
糸液から紡糸した酸化スズゲルファイバーを、水蒸気を
含む雰囲気中で、500℃以下の温度で加熱処理して酸
化スズゲルファイバー中のハロゲン量を低減させた後、
次いで500℃を越える温度で加熱処理を行って酸化ス
ズファイバーとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、酸化スズファイバ
ーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化スズは、耐薬品性、耐熱性に優れ、
しかも導電性を広範囲において制御できる優れた材料で
あり種々の用途に用いられている。最近では、3次の非
線形光学材料としても研究が進められている。
【0003】ガスセンサにおいては感度及び応答速度の
改善の観点から酸化スズのファイバ−形状での提供が強
く望まれてきた。また、高分子材料に導電性を付与する
目的でカ−ボンファイバ−等の添加が行われているが、
カ−ボンを用いた場合、それ自体黒色のため材料の明彩
色化が図れない、また非常に軽いため飛散し易い等の問
題点があった。このため、金属繊維や金属酸化物の粉末
を添加することが行なわれている。金属繊維は高い導電
性を有するものの長時間経過すると表面が酸化あるいは
腐食して導電性が低下するという欠点がある。また従来
の金属酸化物粉末は導電性が金属繊維ほど高くないので
高分子材料に導電性を付与するためにはどうしても比較
的多量に添加せざるを得ず、高分子材料が本来有する物
性を低下させる欠点があった。耐薬品性、耐熱性に優れ
る酸化スズにおいても導電性を付与した粉末形状での添
加が試みられている。ところで、導電性付与の効果は導
電性付与材料のアスペクト比が大きいほど、高くなるこ
とが知られている。このため、導電性を有する酸化スズ
のファイバ−化が求められていた。
【0004】しかしながら、従来の固相反応法ではファ
イバ−を製造することは困難であった。このため、特開
昭60−5997号、特開昭60−161337号、特
開昭60ー158199号において、溶融析出法によっ
て酸化スズファイバーを製造する方法が提案されてい
る。しかしながら、これらの方法では1000℃以上の
高温且つ何日にもわたる反応時間を必要とするため、実
験室規模で極少量作製することは可能ではあるが、工業
的に製造できるまでには至っていない。しかも得られる
酸化スズファイバーの形状は直径1μm以下、長さが3
mm以下でアスペクト比も小さく、更に断面も矩形であ
ることが多いため複合材料として用いる場合、その機能
を充分に発揮させることができずその用途が限られてし
まうという問題があった。更に、長径が小さすぎるため
不織布、ペーパー状材料等を作製することが困難であっ
た。また、得られる複合材料の導電性等の物性値の再現
性を高めようとすれば、添加する酸化スズウィスカーの
形状および大きさを再現性よく制御することが重要であ
る。しかしながら、酸化スズウィスカーの形状を制御す
ることは実際困難であるので、酸化スズの繊維径および
長さを揃えようとすれば、偶然できたものを分級するし
かなかった。それ故、このような非効率的な方法で作製
したウィスカーはコストが極めて高く、実際に使用でき
なかった。
【0005】本発明者らは、スズ化合物及びアルコ−ル
を主成分とする溶媒を用いると驚くべき事に曳糸性が現
れ、これを紡糸、加熱することにより、容易にしかもき
わめて安価に酸化スズファイバ−が得られることを見い
出し、既に提案した(特開平4ー35287、特開平5
ー117906、特開平5ー179512)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このなかでスズ化合物
としてハロゲン化スズを採用した紡糸液から紡糸したゲ
ルファイバーを加熱処理する場合に、高温下でハロゲン
あるいはハロゲン化水素が発生して加熱処理炉を傷める
という問題があり、工業化にあたってこの問題を解決す
ることが求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は鋭
意検討した結果、500℃以下の温度でも水蒸気雰囲気
中で一定時間保持すると酸化スズファイバー中のハロゲ
ン量が低減し、続いて高温で加熱処理しても発生するハ
ロゲン量が少なくなるので、加熱処理炉の損傷が小さく
なり加熱処理炉の材質選択に幅ができることを見い出
し、ここに本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、ハロゲンを含む酸化スズ
ファイバー用紡糸液から、紡糸した酸化スズゲルファイ
バーを、水蒸気を含む雰囲気中で500℃以下で加熱処
理し、次いで500℃を越える温度で加熱処理すること
を特徴とする酸化スズファイバーの製造方法である。
【0009】次に本発明を更に具体的に説明する。
【0010】本発明に用いる酸化スズファイバー用紡糸
液に用いれる溶媒は、後述するスズ化合物及び金属スズ
を溶解させるものであれば特に制限されないが、一般に
アルコール、アセトン等の有機溶媒あるいはアルコール
等の有機溶媒と水の混合溶液等が挙げられる。アルコー
ルを一般式ROHで表わすと、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等の非置換アル
キル基、2ーメトキシエチル基、2ーエトキシエチル
基、2ーヒドロキシエチル基、1ーメトキシー2ープロ
ピル基、メトキシエトキシエチル基、2ーフェニルエチ
ル基、フェニルメチル基等の置換アルキル基、アリル基
等の非置換アルケニル基、2ーメチルー2ープロペニル
基、3ーメチルー3ーブテニル基等の置換アルケニル基
等が挙げられる。
【0011】上記の置換アルキル基、置換アルケニル基
または置換アリール基における置換基の具体例として
は、上記したRの具体例に見られるメトキシ基、エトキ
シ基等のアルコキシル基、ヒドロキシル基、フェニル基
等のアリール基、メチル基、エチル基等のアルキル基の
他に、アミノ基、シアノ基、Cl原子、Br原子、I原
子、F原子等のハロゲン等が挙げられる。
【0012】これらアルコ−ルの具体例として、メチル
アルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、
ブチルアルコ−ル、オクチルアルコール、2ーメトキシ
エタノール、2ーエトキシエタノール、エチレングリコ
ール、1ーメトキシー2ープロピルアルコール、メトキ
シエトキシエタノール、2ーフェニルエチルアルコー
ル、ベンジルアルコ−ル、アリルアルコール、2ーメチ
ルー2ープロペンー1ーオール、3ーメチルー3ーブテ
ンー1ーオール等を挙げることができる。特に、メチル
アルコール、エチルアルコールは溶解度が高く好まし
い。上記アルコールは通常単独で用いられるが、金属ス
ズとの反応性、あるいは溶解性等を制御するために2種
類以上のアルコールの混合物を用いることもできる。
【0013】本発明に用いる可溶性スズ化合物(以下、
スズ化合物という)としては、ハロゲン化スズが挙げら
れる。特に、併用する金属スズを溶解させる観点から、
ハロゲン化スズが好ましい。ハロゲン化スズのハロゲン
は、Cl、Br、I、F原子である。このハロゲン化ス
ズ化合物のなかでも、塩化スズ、臭化スズが価格、安定
性の点から好ましい。具体的には、SnCl2、SnC
2・2H20、SnBr2、SnI2、SnF2等がハロ
ゲン含有量の少なさから好ましく挙げられ、特に、Sn
Cl2、SnBr2、SnCl2・2H2Oが好ましく用い
られる。また該ハロゲン化スズ化合物において有機化合
物で修飾したもの、例えばSn(CH3)2Cl2等も使用
できる。有機スズ化合物としては、(CH32Sn、
(C252Sn、(C374Sn等が溶解する範囲で
使用または添加することができる。
【0014】本発明において、酸化スズファイバー用紡
糸液中のハロゲン量を低減させるために、また曳糸性を
向上させ、更に紡糸した酸化スズゲルファイバーの耐湿
性を向上させるために金属スズを併用することができ
る。
【0015】上記ハロゲン化スズ化合物と金属スズの配
合割合は、原子比〔X/Sn〕が、0.6〜2.0にな
るようにするのが好ましく、更に好ましくは0.6〜
1.5である。X、Snはそれぞれハロゲン、スズの原
子数を表す。原子比〔X/Sn〕が大きいほど金属スズ
は溶解しやすいが、あまりに大きくなると得られる紡糸
液を紡糸して得られたゲルファイバーの吸湿性が高くて
乾燥し難くなる。また、上記範囲より小さいと金属スズ
の溶解に長時間を要したり、スズ化合物及び金属スズと
溶液の配合割合にも依存するが、沈澱が生じる場合もあ
る。
【0016】上記スズ化合物と金属スズおよび溶媒の配
合割合は、スズ化合物および金属スズが溶媒に均一に溶
解する範囲であれば、特に制限されない。ただし、あま
りにスズ化合物と金属スズの割合が低い場合は曳糸性を
示さないのでかなり濃縮する必要があり、溶媒が無駄に
なる。また、スズ化合物と金属スズの濃度があまりにも
高いと完全に溶解せずに不溶物が残り均一な紡糸液が得
られない。従って、使用するスズ化合物、金属スズおよ
び溶媒の種類によってその配合割合は異なるが、一般的
には溶媒に対するスズ化合物および金属スズの使用割合
はモル比で0.01〜0.5が好ましい。この割合で配
合して透明で均一な溶液とした後、更に溶媒を蒸発させ
て濃縮し所望の粘度を有する紡糸液とする。
【0017】本発明に用いる金属スズの形状は特に限定
されず、板状、棒状、シート状、粒状、粉末状、砂状、
花状のものなどが挙げられ、溶解のしやすさの点からは
粒状、粉末状、砂状のものが好ましい。純度は高い方が
好ましいが、酸化スズファイバーが用いられる用途によ
って適宜決定すればよい。一般には、作製方法に影響を
与えず、後述する比抵抗および機械的強度や化学的安定
性に影響しない範囲であれば特に制限されないが、得ら
れる酸化スズファイバーが電池用材料として使用される
際には、電池反応以外の副反応を起こす元素を含まない
方がよい。例えば、電池が鉛蓄電池の場合、鉄、ニッケ
ル等の水素あるいは酸素過電圧等が低い元素を含まない
金属スズが好ましい。
【0018】本発明において、上記金属スズを溶解させ
る際に、酸素または空気を溶媒中に存在させておくこと
が溶解時間を短縮する観点から好ましい。
【0019】酸素または空気を溶媒中に吸収させる方法
は特に制限されないが溶媒を液滴または液膜状にして酸
素または空気中に分散させて吸収させる方法や、酸素ま
たは空気を溶媒からなる液相中に吹き込んで分散させて
吸収させる方法を用いることができるが、溶媒中に金属
スズが含有されていることから後者の方法が好ましい。
酸素または空気を溶媒からなる液相中に吹き込む方法や
装置は特に制限されず公知のものが採用できるが、細か
い気泡状にして溶媒と接触する面積を大きくし且つ容器
内の液相底部に吹き込んで接触時間を長くする方が溶解
操作時間を短縮できるので好ましい。これらの方法を具
体的に例示すると実験室的にはボンベに充填された酸素
または空気を先端にガラスフィルター等がついた管を通
して小さな気泡状にして溶媒中に吹き込む方法を用いる
事ができる。工業的には気泡塔、気泡攪拌槽等を用いる
事ができる。
【0020】酸素又は空気の吹き込む量は、溶解させる
金属スズの量や溶媒の量によって大幅に変動するので一
義的には決められないが、通常溶媒に対する体積比で1
分間に1/2〜1/200の量を流すのが目安となる。
また吹き込み操作は、金属スズを溶媒中に投入する前後
から該金属スズが完全に溶解するまで連続的に実施する
のが一般的ではあるが、溶解状態を見ながら断続的に実
施しても良い。
【0021】本発明において、紡糸を安定的に行うため
に、且つ得られるファイバーの機械的強度や安定性を高
めるために、シリコン、アルミニウム、ゲルマニウム、
チタン、ジルコニウム、マグネシウム、ホウ素(以下、
総称して第二元素と言う場合もある)のアルコキシド、
ハロゲン化物、オキシ塩化物、硝酸塩、硫酸塩、あるい
はリン酸塩等の可溶性の金属化合物(以下、可溶性金属
化合物と言う場合もある)を酸化スズファイバー用紡糸
液中に添加することもできる。酢酸塩も可溶性であれば
用いることもできる。
【0022】上記可溶性金属化合物の添加量は、紡糸、
加熱処理によって生じる最終形態の第二元素の酸化物が
前記範囲内の構成比率になるように予め算定して決定す
ればよい。通常、使用原料モル比からの計算値が酸化ス
ズファイバー中の第二元素の酸化物のモル比と一致す
る。
【0023】シリコンの可溶性金属化合物としては、シ
リコンアルコキシド、ハロゲン化ケイ素等が挙げられ
る。シリコンアルコキシドとしては、一般式Si(OR
A4、RBSi(ORA3、RBCSi(ORA2で表
されるシリコンアルコキシドが用いられる。ここで、R
A、RB、RCは、各々、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状または分岐状アル
キル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペン
テニル基等の直鎖状または分岐状アルケニル基;フェニ
ル基等のアリール基を示す。シリコンアルコキシドを具
体的に例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、プロピルトリ
メトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソ
ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシ
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、アミ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルト
リエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、
メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラ
ン、エチルトリプロポキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、アリルトリエトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルメチル
ジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、エチル
メチルジエトキシシラン等が挙げられる。ハロゲン化珪
素としては、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2
が挙げられる。
【0024】アルミニウムの可溶性金属化合物の一例を
例示すると、AlCl3、AlCl3・6H2O、AlB
3、AlBr3・6H2O、AlI3、AlI3・6H
2O、Al(NO33・9H2O、Al(NO33・6H
2O、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウム
のアルコキシド等が挙げられる。
【0025】ゲルマニウムの可溶性金属化合物として
は、GeCl4、GeBr2、GeBr4、テトラエトキ
シゲルマニウム等のゲルマニウムアルコキシド等が挙げ
られ、チタンの可溶性金属化合物としては、TiC
4、TiCl3、TiCl2、TiBr4、TiBr4
6H2O、TiF4、テトライソプロポキシチタン等のチ
タンアルコキシド等が挙げられる。ジルコニムの可溶性
金属化合物としては、ZrCl4、Zr(NO34・5
2O、ZrOCl2・8H2O、ZrOI2・8H2O、
テトラブトキシジルコニウム等のジルコニウムアルコキ
シドが挙げられ、マグネシウムの可溶性金属化合物とし
ては、MgCl2・6H2O、MgBr2・6H2O、Mg
(NO32・nH2O、マグネシウムアルコキシド等が
挙げられる。ほう素の可溶性(金属)化合物としては、
247、H3BO3、HBF4、BBr2、トリメトキ
シボロン等のほう素アルコキシド等が挙げられる。
【0026】また、上記可溶性金属化合物は最初から当
該化合物である必要はなく、溶液中で初期に当該化合物
となるようにしてもよい。例えば、ハロゲン化アルミニ
ウムの場合には、金属アルミニウムを溶液に添加してハ
ロゲン化スズを溶液に吹き込んで一部ハロゲン化しても
よい。
【0027】可溶性金属化合物がジルコニウム化合物の
場合、酸化スズファイバー中に生成する酸化ジルコニウ
ムの正方晶、あるいは立方晶を安定化、あるいは準安定
化させて強度を高くしたり、酸素イオン導電性を高める
ために含有させる酸化カルシウム、酸化マグネシム等の
アルカリ土類酸化物、酸化イットリウム、酸化セリウ
ム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ガドリニウ
ム、酸化ユーロピウム、酸化スカンジウム等の希土類酸
化物の原料としては、これら各元素のアルコキシド、塩
化物、オキシ塩化物、硝酸塩、硫酸塩、あるいは酢酸塩
等の可溶性の原料を用いることができる。
【0028】上記可溶性金属化合物を酸化スズファイバ
ー用紡糸液に添加することにより、高い湿度雰囲気下に
おいても比較的安定的にしかも長径の大きなファイバー
を紡糸することができる。又、紡糸直後のゲルファイバ
ーは軟化して崩れやすくなることが少なくなるため取扱
いが非常に容易になる。更に最終的に得られるファイバ
ーの機械的強度や耐食性等の化学的安定性が向上する。
【0029】酸化スズは加熱処理温度により、非晶質あ
るいは結晶質のどちらの形態でも存在するが、導電性の
高いものを得たい場合には結晶質の方が好ましい。ま
た、アルコール可溶性金属化合物は後述する加熱処理に
より、第二元素の酸化物となる。酸化スズは第二元素の
酸化物を一部固溶、大部分を混合物の形態で含有して存
在しているものと推定される。固溶する場合には、第二
元素は酸化スズ中のスズ原子に置換し、あるいは酸化ス
ズの結晶構造中に侵入し存在するが、この場合も単に酸
化物の形態で含有するとここでは表現することもある。
また、固溶しないで混合物の形態で存在する場合も、第
二元素は、酸素が存在する雰囲気下で加熱処理を行った
ものは大部分酸化物となるが、一部酸化しないで含有さ
れる場合もある。
【0030】第二元素の酸化物であるシリカ、酸化アル
ミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化
ホウ素等の成分は、酸化スズに固溶するごく少量を除い
て、大部分酸化スズ中に混合物の形態で分散して存在す
るものと推定される。酸化ゲルマニウムおよび酸化チタ
ンの場合には、固溶する範囲が更に広くなる。また、約
16〜約82モル%、あるいは約12〜約86モル%
(該範囲は報告者によって多少異なる)の酸化チタンを
添加した場合には、スピノーダル分解によって酸化スズ
がリッチな固溶体と酸化チタンリッチな固溶体に分離
し、両相がミクロな構造で複合化されて存在していると
考えられる。その結果、機械的強度が向上する以外に、
新規な繊維状のコンデンサ材料、ガスセンサ素子のよう
な半導体材料として有望なものとなる。
【0031】上記第二元素の酸化物は、それぞれ単独で
含有されてもよく、あるいは複数が同時に含有されてい
てもよい。該成分の含有量は、特に制限されず目的に応
じて適宜決定すればよい。特に引っ張り強度等を高めた
い場合には、該成分が多めに含有されていることが有効
となる。通常、酸化スズ20〜98モル%、第二元素の
酸化物は2〜80モル%である。酸化スズファイバー中
の第二元素の酸化物の構成比率は、化学分析や蛍光X線
分析によって確認できるが、通常は原料比から理論的な
計算で算出されたものと大差を生じないので、製造原料
比が明かな場合は該原料比から算出することもできる。
【0032】また、本発明において、高速での紡糸を可
能にするために可溶性高分子化合物を酸化スズファイバ
ー用紡糸液中に添加することもできる。このような高分
子化合物としては可溶な高分子化合物であれば何等制限
なく使用することができる。具体的に例示すれば、エチ
ルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、プロ
ピオン酸セルロース、三酢酸セルロース、アセチルブチ
ルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース等のセ
ルロース類、ポリビニルブチラール、ポリメチレンオキ
シド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。これらの可溶性高
分子化合物の添加量は、上記金属スズに対して、0.0
1〜20重量%が好ましい。上記可溶性高分子化合物の
添加量が0.01重量%よりも少ないと充分な効果が得
られない。一方、20重量%を越えてもその効果は飽和
するだけでなく、紡糸したゲルファイバーを加熱処理す
る時に、カーボンや炭酸ガスの発生量が増加して除去し
難くなったり、得られるファイバー中に気孔が生成した
りするので好ましくない。
【0033】本発明において、導電性の高い酸化スズフ
ァイバーを得るためには、酸化スズファイバー用紡糸液
中に可溶性周期律表第V族化合物(以下第V族化合物と
いう)を必要に応じて含有させることができる。この第
V族化合物は、後述する加熱処理によって最終的には酸
化物となって酸化スズ中に固溶するか或は混合物となっ
て存在する。
【0034】第V族化合物としては、バナジウム化合
物、ニオブ化合物、タンタル化合物、アンチモン化合
物、あるいはビスマス化合物等の第V族元素の化合物が
挙げられる。これらの化合物は可溶性であることが必要
であるが、溶液に前述のハロゲン化水素が溶解している
場合には、例えばアンチモンのような単体でも溶解する
場合があるので、このような単体も用いることができ
る。
【0035】具体的には、バナジウム化合物として、V
Br3、VCl2、VCl3、VCl4、VOBr2、VO
Br3、VOCl3、VF3、VF4、VF5、VI36H2
O、バナジウムのアルコキシドが挙げられ、ニオブ化合
物として、NbCl5、NbBr5、NbF5、NbOC
3、ニオブのアルコキシドが挙げられ、タンタル化合
物として、TaBr5、TaCl5、タンタルのアルコキ
シドが、アンチモン化合物として、SbCl3、SbC
5、SbBr3、オキシ塩化アンチモン、あるいはアン
チモンのアルコキシドが、また、ビスマス化合物として
は、BiCl3、BiI3、ビスマスのアルコキシド等が
挙げられる。
【0036】上記第V族化合物の配合割合は、目的とす
る導電性を勘案して酸化スズファイバー中の第V族元素
の酸化物量を算出し、それに基づいて決定される。
【0037】金属スズ、可溶性金属化合物、可溶性高分
子化合物、および可溶性第V族化合物とアルコール等の
溶媒の溶解方法は、特に限定されない。例えば、攪拌
下、アルコール等の溶媒に金属スズ、可溶性金属化合
物、可溶性高分子化合物、および可溶性第V族化合物を
同時に、または順次溶解させる方法等を用いることがで
きる。溶解時の温度条件も特に限定されず、通常室温〜
溶媒の沸点温度範囲で実施するが、溶解を促進するため
に、溶媒をリフラックスさせることも効果的である。
更に本発明の紡糸液の安定性を向上させるために、更に
アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチ
ル等のカルボキシル基を2個以上有する化合物等、ある
いは酒石酸、コハク酸、乳酸等の有機酸をスズの錯化剤
として適宜含有させてもよく、更に曳糸性を増すための
化合物を添加することも可能である。
【0038】紡糸方法は特に制限はなく、従来の紡糸方
法を用いることができる。例えば、紡糸ノズルから紡糸
液を押し出す方法等が挙げられる。得られるファイバー
の長径、及び直径等は前記紡糸液の粘度、ノズル径ある
いは紡糸ノズルから紡糸液を押し出す速度等を調整する
ことによって任意に制御することができる。
【0039】ゲルファイバー中に存在する水、アルコー
ル等の揮発成分を、乾燥によって除去することが良好な
酸化スズファイバーを得るために望ましい。かかる乾燥
は、後述する加熱処理と同時に行っても良いが、加熱処
理前に予め行う方が良好なファイバーを得るためには好
ましい。これらの場合、乾燥温度は得られるファイバー
にクラックが発生することを防止するために、出来るだ
け低い温度で行うことが好ましいが、溶媒に沸点の高い
アルコールを用いた場合には、余り低すぎると乾燥に長
時間を要し、効果的でない。一般的な乾燥温度は室温〜
200℃の範囲とすることが好ましい。
【0040】ゲルファイバーの加熱処理は、ゲルファイ
バーからアルコールなどの有機溶媒、あるいは水、ハロ
ゲンなどを除去してSn−O−Sn結合等を形成してフ
ァイバーの骨格を強くし、更に結晶化させる温度で行わ
れる。紡糸液から紡糸したままのゲルファイバーはその
ままではSn−O−Sn結合が充分に形成されておら
ず、充分な機械的強度や耐食性等の化学的安定性を示さ
ない。また、第V族化合物を添加して、得られるファイ
バーの導電性を向上させる場合も加熱処理が必要であ
る。紡糸液から紡糸したままのゲルファイバーはそのま
までは充分な導電性を示さない。導電性はゲルファイバ
ーを加熱処理して、ゲルファイバーからアルコールなど
の有機溶媒、水、あるいはハロゲンなどを除去してSn
−O−Sn結合等を形成し、更に第V族元素を酸化スズ
中に固溶させることで発現する。このような観点から、
加熱処理は、500℃を越える温度で行うことが望まし
い。300℃の加熱処理でも、X線回折で結晶化が始ま
っていることが確認できるが、結晶化は充分ではなく、
また酸、アルカリ等に対する耐食性等の化学的安定性も
まだ充分でない。一方、加熱処理温度があまりに高すぎ
ると、酸化スズの分解が進行したり、ファイバー中の結
晶粒が成長し過ぎてファイバー強度が低下したり、ある
いはエネルギーが無駄になるなどの問題が生じる。上記
理由により、加熱処理温度は500℃を越えて1550
℃以下の範囲が好ましい。更に好適には600〜120
0℃の温度で加熱処理することが好ましい。
【0041】本発明において重要なことは、予め500
℃以下の温度で加熱処理してゲルファイバー中のハロゲ
ン化水素あるいはゲルファイバーを構成する元素と結合
しているハロゲンを除去しておくことである。ハロゲン
を除去するために直接500℃を越える温度で加熱処理
を行うと、多量のハロゲン化水素やハロゲンが500℃
を越える温度で直接電気炉の構成材料と接触して電気炉
が短時間で損傷を受ける。500℃を越える高温下でハ
ロゲン化水素やハロゲンに対して耐食性の高い材料とし
てはセラミックスや石英ガラス等以外になかなか見つか
らないのが現状である。石英ガラス等は高価で、また、
大型のものを製造することはできないため、酸化スズフ
ァイバーを工業的に大量に生産することができない。
【0042】上記問題を解決するために種々検討したと
ころ、加熱処理温度を高温にするほどハロゲン化水素や
ハロゲンは除去し易くなるが、500℃以下の低い温度
でも水蒸気雰囲気中である一定時間保持するとゲルファ
イバー中のハロゲンが低減することを見い出した。この
場合、続いて500℃を越える温度で加熱処理しても発
生するハロゲン化水素やハロゲン量が少なくなるので、
電気炉の構成材料の損傷が少なくなり、工業化に適した
方法となる。
【0043】本発明において、加熱処理雰囲気として
は、ゲルファイバー中に存在するカーボン成分を除去し
たり、スズや第V族元素を酸化物にするために、空気あ
るいは酸素雰囲気を採用することが好ましい。
【0044】更に、500℃以下の温度で加熱処理を行
う場合、水蒸気を含む雰囲気を採用することが、ゲルフ
ァイバー中のハロゲン化水素やゲルファイバーを構成す
る元素と結合したハロゲンを除去するために必要であ
る。水蒸気を含む雰囲気にしないと、ハロゲン化水素や
ハロゲンの除去に長時間を要するので、効率が非常に悪
くなる。加熱処理雰囲気中に水蒸気を導入すれば、ファ
イバー中のハロゲン量が低減する。また、ファイバー中
のハロゲン量を低減させる観点から硫黄含有化合物を加
熱処理雰囲気中に導入したり、あるいは予め該化合物を
酸化スズファイバー用紡糸液中に含有させておくことも
できる。
【0045】雰囲気を水蒸気雰囲気にする方法は何ら限
定されず公知の方法が採用できる。例えば、大気下ある
いは加圧下で水をボイラー等で加熱し蒸気化して得られ
る水蒸気を加熱処理雰囲気に導入する。導入後は加熱処
理雰囲気を密封系にして水蒸気雰囲気に保っても良い
が、ハロゲンの除去効率を高めるためには水蒸気を含む
空気等のガスを加熱処理雰囲気内に流し続けることが好
ましい。通常の空気又は酸素雰囲気で加熱処理すると雰
囲気中に存在する水蒸気の量は少ない。本発明において
は、積極的に水蒸気雰囲気を採用することが重要であ
り、雰囲気中の水蒸気量は、少なくとも10体積%あれ
ば良い。
【0046】また、500℃を越える温度での加熱処理
においても水蒸気雰囲気を採用することが好ましいが、
特に500℃以下の温度で水蒸気を含む雰囲気で処理す
ると、ゲルファイバー中で重縮合が促進され結合が強く
なるという利点もある。しかし、あまりに低い温度で水
蒸気を含む雰囲気中でゲルファイバーを処理するとゲル
ファイバーの形状が崩れる場合があるので、水蒸気を含
む雰囲気で処理する温度は150℃以上が好ましく、更
に好ましくは200℃以上である。しかしながら、一旦
150℃あるいは200℃以上の温度で処理したファイ
バーは骨格がある程度形成されているので、室温から水
蒸気を含む雰囲気中で処理してもファイバー形状は崩れ
ない。
【0047】500℃以下の加熱処理温度で保持する時
間は、用いる紡糸液中のハロゲン量や添加剤の種類、及
び電気炉の昇温速度、保持温度、水蒸気分圧や酸素分圧
あるいは流速等に依存するので一義的には決められな
い。予め、500℃以下のある温度で保持時間を変え
て、ファイバー中のハロゲン量を測定して適宜最適条件
を決めておけばよい。重要な点は、500℃以下の低い
温度でファイバー中のハロゲン量を低減させておいてか
ら、続いて500℃を越える温度で加熱処理することで
ある。
【0048】本発明の、第V族化合物を含有する酸化ス
ズファイバー用紡糸液から得られる酸化スズファイバー
の比抵抗値は、第V族化合物の種類、添加量、焼成雰囲
気及び焼成温度等によって大きく変わるが、通常、10
3〜10ー1Ω・cmの値をとることができる。還元雰囲
気で焼成すると10-4Ω・cmの値も得ることができ
る。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法により、電気炉の損傷が少
なく工業的化に適した酸化スズファイバーの製造方法が
確立できた。
【0050】
【実施例】本発明を以下実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0051】実施例1 塩化第一スズ(SnCl2)318.71g(1.68
モル)および金属スズ(Sn)275.41g(2.3
2モル)をメタノール1,920gに加えて攪拌しなが
ら溶解させた。溶解後、三塩化アンチモン(SbC
3)48.1g(0.211モル)とテトラエトキシ
シラン92.5g(0.444モル)を添加溶解させ
た。この溶液を濃縮して高粘性の紡糸液を調製した。こ
の紡糸液を圧力を加えてノズルから押し出し、ドラムに
連続的に巻き取った。得られたゲルファイバーを室温で
1日放置後、1℃/minの速度で400℃まで昇温
し、その温度で4時間保持した。また、温度が200℃
に達してから50vol%の水蒸気濃度の水蒸気と空気
の混合ガスを加熱容器に導入した。尚、別途降温後に取
り出したファイバー中の残留塩素量は0.6重量%であ
った。このファイバーを2℃/minの速度で800℃
まで昇温させ、その温度で2時間保持して加熱処理を行
なった。得られたファイバーは平均30μmの直径を有
し、ケイ光X線分析により、アンチモン、シリカが仕込
組成通りファイバー中に存在していることが確認され、
塩素は検出されなかった。また、X線回折の結果、酸化
スズのピークを有すること、アンチモンはその酸化物な
どのピークはみられず酸化スズ中に固溶していることが
確認された。得られたファイバ−の比抵抗は平均1Ω・
cmであった。また、ファイバーの引っ張り強度は平均
40MPaであった。
【0052】実施例2 実施例1と同様にしてゲルファイバーを紡糸した。得ら
れたゲルファイバーを室温で1日放置後、1℃/min
の速度で300℃まで昇温しその温度で7時間保持し
た。また、温度が200℃に達してから50vol%の
水蒸気濃度の水蒸気と空気の混合ガスを加熱容器に導入
した。尚、別途降温後取り出したファイバー中の残留塩
素量は1.0重量%であった。このファイバーを2℃/
minの速度で800℃まで昇温しその温度で2時間保
持して加熱処理を行なった。得られたファイバーは平均
30μmの直径を有し、ケイ光X線分析により、アンチ
モン、シリカが仕込組成通りファイバー中に存在してい
ることが確認され、塩素は検出されなかった。また、X
線回折の結果、酸化スズのピークを有すること、アンチ
モンはその酸化物などのピークはみられず酸化スズ中に
固溶していることが確認された。得られたファイバ−の
比抵抗は平均1Ω・cmであった。また、ファイバーの
引っ張り強度は平均40MPaであった。
【0053】実施例3 実施例1と同様にしてゲルファイバーを紡糸した。得ら
れたゲルファイバーを室温で1日放置後、1℃/min
の速度で500℃まで昇温しその温度で1時間保持し
た。この時、温度が200℃に達してから50vol%
の水蒸気濃度の水蒸気と空気の混合ガスを加熱容器に導
入した。尚、別途降温後取り出した試料の残留塩素量は
0.03重量%であった。このファイバーを2℃/mi
nの速度で800℃まで昇温しその温度で2時間保持し
て加熱処理を行なった。得られたファイバーは平均30
μmの直径を有し、ケイ光X線分析により、アンチモ
ン、シリカが仕込組成通りファイバー中に存在している
ことが確認され、塩素は検出されなかった。また、X線
回折の結果、酸化スズのピークを有すること、アンチモ
ンはその酸化物などのピークはみられず酸化スズ中に固
溶していることが確認された。得られたファイバ−の比
抵抗は平均1Ω・cmであった。また、ファイバーの引
っ張り強度は平均40MPaであった。
【0054】比較例1 実施例1と同様にして作製したゲルファイバーを、水蒸
気を導入せずに空気中(水蒸気濃度1.2vol%)で
1℃/minの速度で400℃まで昇温させ、その温度
で保持せず降温した。降温後取り出したファイバー中の
残留塩素量は4.6重量%であった。
【0055】比較例2 実施例1と同様にして作製したゲルファイバーを、水蒸
気を導入せずに空気中(水蒸気濃度1.2vol%)で
1℃/minの速度で300℃まで昇温させ、その温度
で保持させずに降温した。降温後取り出した試料の残留
塩素量は8.8重量%であった。
【0056】比較例3 実施例1と同様にして作製したゲルファイバーを、水蒸
気を導入せずに空気中(水蒸気濃度1.2vol%)で
1℃/minの速度で800℃まで昇温させたが、50
0℃を越える温度でハロゲン化水素やハロゲンが多量に
発生し、電気炉を損傷させた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲンを含む酸化スズファイバー用紡
    糸液から紡糸した酸化スズゲルファイバーを、水蒸気を
    含む雰囲気中で500℃以下で加熱処理し、次いで50
    0℃を越える温度で加熱処理することを特徴とする酸化
    スズファイバーの製造方法。
  2. 【請求項2】 水蒸気を含む雰囲気中の水蒸気濃度が1
    0体積%以上である請求項1記載の酸化スズファイバー
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008303509A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Japan Vilene Co Ltd 極細繊維不織布及びその製造方法

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