JPH10168345A - 低汚染型熱硬化性粉体塗料 - Google Patents

低汚染型熱硬化性粉体塗料

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Publication number
JPH10168345A
JPH10168345A JP32939396A JP32939396A JPH10168345A JP H10168345 A JPH10168345 A JP H10168345A JP 32939396 A JP32939396 A JP 32939396A JP 32939396 A JP32939396 A JP 32939396A JP H10168345 A JPH10168345 A JP H10168345A
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JP
Japan
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acid
powder coating
thermosetting powder
resin
weight
Prior art date
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Application number
JP32939396A
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English (en)
Inventor
Isamu Takabayashi
勇 高林
Kazuhiko Onishi
和彦 大西
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐汚染性に優れた熱硬化性粉体塗料。 【解決手段】熱硬化性粉体塗料に、ポリエステル樹脂で
変性されたアルコ−ル性水酸基含有ジメチルポリシロキ
サン化合物を配合してなることを特徴とする低汚染型熱
硬化性粉体塗料。 【効果】得られた塗膜は耐汚染性に優れた効果を発揮す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性粉体塗料に関
し、詳しくは耐汚れ性に優れた硬化性塗膜を提供し得る
低汚染型熱硬化性粉体塗料に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、電気製品(冷蔵庫、電子レン
ジ、配電盤等)、食品関連製品(加工装置、容器等)、
住宅関連製品(ロッカ−、キャビネット等)、輸送関係
(自動車、自転車、コンテナー等)、道路関係(ガ−ド
フェンス、道路標識等)等には熱硬化性粉体塗料が塗装
されているが、これらの塗装面には汚れ物質が付着して
塗膜にシミ、斑点等を発生し塗膜美観を損ねるといった
欠点がある。
【0003】塗膜の汚染源物質として、屋外において
は、工場煤煙、自動車の排気ガスによるカ−ボン油滴
等、また、屋内においては、厨房(台所)において調理
時に発生する油塵等の親油性汚染物質が大きな因子とし
て挙げられる。
【0004】親油性汚染物質に対する低汚染型塗料とし
て、界面活性剤やシラノールを生成するアルキルシリケ
−トオリゴマ−等を添加配合することにより塗膜表面を
親水性にするものと、フッ素オイル、ジメチルポリシロ
キサンシリコ−ンオイル等の疎水性化合物を添加配合す
るか、もしくはフッ素樹脂を基体樹脂とする塗料を使用
して塗膜表面を疎水性にするものとがある。
【0005】前者の塗料によって形成された親水性塗膜
は、該塗膜表面に付着した親油性汚染物質が雨、水等に
より洗い流されることにより汚染を防止するものであ
る。しかしながらこの塗膜では、本質的に添加する親水
性物質の耐水性が劣るので、その効果を持続させること
は難しく、また、水により塗膜も一部洗い流され塗膜厚
が薄くなるので塗膜性能が悪くなったり、塗膜外観が低
下したりするといった問題点がある。
【0006】また、後者の塗料によって形成された疎水
性塗膜において、その塗膜表面に付着した親油性汚染物
質は、雨、水等により洗い流されないので、通常、布、
紙等により物理的に拭き取られるが、その汚染物質を拭
き取るための時間や手間が非常に掛かかるためその拭き
取りの能率が悪く、更に、その拭き取り作業を繰り返し
ている間に親油性汚染物質を除去することが出来なくな
るといった問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、疎水性塗膜
で低汚染型熱硬化塗膜を形成する粉体塗料であって、汚
染物質を容易に拭き取ることができると共に、長期間に
わたって汚染物質の除去性が優れる塗膜が提供できる低
汚染型熱硬化性粉体塗料の開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、熱硬化性粉体塗料
に特定のポリシロキサン化合物を配合することが極めて
有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、 1.熱硬化性粉体塗料に、ポリエステル樹脂で変性され
たアルコ−ル性水酸基含有ジメチルポリシロキサン化合
物を配合してなることを特徴とする低汚染型熱硬化性粉
体塗料、 2.熱硬化性粉体塗料が、ポリエステル系樹脂及びアク
リル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を主な樹
脂成分とする上記した低汚染型熱硬化性粉体塗料に関す
る。
【0010】本発明で使用される熱硬化性粉体塗料は、
焼き付けによって硬化する従来から公知のものが使用で
きる。該粉体塗料としては、好ましくは官能基を有する
粉体塗料用基体樹脂に該官能基と硬化反応する基を有す
る硬化剤とを組合わせて配合してなるものが使用でき
る。
【0011】基体樹脂と硬化剤との組合わせの代表例と
しては、水酸基含有基体樹脂にブロックポリイソシアネ
−ト化合物等の硬化剤を配合したもの、カルボキシル基
含有基体樹脂にポリエポキシド等の硬化剤を配合したも
の、エポキシ基含有基体樹脂にポリカルボン酸、エポキ
シカチオン重合触媒(硬化剤)等を配合したものなどを
配合したものが挙げられる。上記組み合わせにおいて、
ポリシロキサン化合物のアルコ−ル性水酸基と反応する
官能基を有する基体樹脂及び/又は硬化剤を使用したも
のは、該ポリシロキサン化合物と基体樹脂及び/又は硬
化剤との反応により該ポリシロキサン化合物成分が硬化
塗膜中に固定化されるので耐汚染性の持続性が優れると
いった利点がある。
【0012】上記した基体樹脂と硬化剤との組み合わせ
の好ましい具体例としては、水酸基を含有するポリエス
テル系及び/又はアクリル系樹脂の基体樹脂にブロック
ポリイソシアネ−ト硬化剤を配合してなるもの、グリシ
ジル基含有アクリル系樹脂にポリカルボン酸及び/又は
エポキシカチオン重合触媒(硬化剤)を配合してなるも
のが好ましく、特に、ポリエステル系樹脂の基体樹脂に
ブロックポリイソシアネ−ト硬化剤を配合してなるもの
が好ましい。
【0013】基体樹脂としては、重量平均分子量が約2
000〜100000、好ましくは4000〜8000
0の範囲の軟化点約30〜140℃、好ましくは約40
〜120℃の範囲のものが好適である。重量平均分子量
が約2000を下回ると汚染物質を布等で拭き取る際に
塗膜表面に傷がつきやすくなり、そのために耐汚染性が
低下し、一方、約100000を上回ると塗膜表面の平
滑性が低下するため、その凹凸に付着した汚染物質を拭
き取ることが困難となるので好ましくない。また、軟化
点が30℃を下回ると塗料のブロッキング性が低下し、
一方、140℃を上回ると塗膜の平滑性等が低下するの
で好ましくない。
【0014】基体樹脂中の官能基は、例えば水酸基を含
有する基体樹脂においては水酸基価が約10〜300m
gKOH/g、好ましくは約30〜200mgKOH/
gの範囲、カルボキシル基を含有する基体樹脂において
は酸価が約10〜300mgKOH/g、好ましくは約
20〜200mgKOH/gの範囲、エポキシ基を含有
する基体樹脂においては0.5〜5.0ミリモル/g、
好ましくは0.8〜2.5ミリモル/gの範囲が良い。
上記した官能基の範囲を下回ると塗膜の硬化性が低下
し、耐汚染性の耐久性が低下するので好ましくない。ま
た、上記した官能基の範囲を上回ると未反応の官能基が
塗膜中に残り耐候性、耐水性等の塗膜性能が低下するの
で好ましくない。
【0015】基体樹脂として水酸基やカルボキシル基を
含有するポリエステル系樹脂としては、下記の多塩基酸
成分と多価アルコール成分とを水酸基やカルボキシル基
を所望の範囲になるように配合し、これらのものを従来
から公知の製造方法であるエステル化反応(カルボキシ
ル基と水酸基の反応)、エステル交換反応(低級エステ
ル基と水酸基との反応)や付加反応(酸無水基と水酸基
との反応)によって水酸基やカルボキシル基が所望の範
囲になるように製造したものを使用することができる。
【0016】多塩基酸成分:例えば、テレフタル酸、
(無水)フタル酸、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチ
ル、テレフタル酸ジメチル、フタル酸ジメチル等の芳香
族(無水)カルボン酸(低級エステル)類等の芳香族2
塩基酸成分を必須成分とし、更に必要に応じて、ヘキサ
ヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキ
サヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタ
ル酸等の脂環族ジカルボン酸成分、アジピン酸、セバシ
ン酸、スベリン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン
酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメ
リン酸、アゼライン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダ
イマー酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、(無水)トリメ
リット酸、(無水)ピロメリット酸、トリメシン酸、メ
チルシクロヘキセントリカルボン酸、テトラクロロヘキ
セントリカルボン酸等の3価以上の多塩基酸成分を組み
合わせてなるもの。上記芳香族2塩基酸成分(好ましく
は酸成分として60重量%以上、特に80重量%以上が
好ましい)を含む塗膜は表面の硬度が高くなりポリシロ
キサン化合物との相乗効果により耐汚染性に優れた効果
を発揮する。
【0017】多価アルコール成分:例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペ
ンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−
ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3
−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3
−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキ
サンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールな
どの脂肪族グリコール類を主成分とし、必要に応じて、
上記のグリコール類にε−カプロラクトンなどのラクト
ン類を付加したポリラクトンジオール類、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレン
グリコールなどのポリエーテルジオール類、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサン
トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール等の3価以上のアルコール類、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、
水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビ
スフェノールA及び水添ビスフェノールFのアルキレン
オキサイド付加物などの脂環族多価アルコール類、パラ
オキシ安息香酸、ジメチロールプロピオン酸、オキシピ
バリン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン
酸などのオキシ酸類を組み合わせて使用することができ
る。
【0018】基体樹脂として水酸基やカルボキシル基を
含有するアクリル系樹脂としては、下記の水酸基含有ビ
ニ不飽和モノマー及び/又はカルボキシル基含有不飽和
モノマーとメチルメタクリレートモノマー及び必要に応
じてその他のビニルモノマーをラジカル共重合反応させ
たものを使用することができる。
【0019】また、基体樹脂としてエポキシ基を含有す
るアクリル系樹脂としては、下記のグリシジル基含有ビ
ニルモノマー、メチルメタクリレート及び必要に応じて
その他の不飽和モノマーや水酸基含有不飽和モノマーを
ラジカル共重合反応させたものを使用することができ
る。
【0020】水酸基含有不飽和モノマ−としては、例え
ばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキ
シアルキルエステル類、(ポリ)アルキレングリコール
モノアクリレート、エチレングリコールモノアクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノアクリレート等のポリ
アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキル
ビニルエーテル類、(メタ)アリルアルコール類、上記
の水酸基含有モノマーとラクトン類(例えばε−カプロ
ラクトン、γ−バレロラクトン)との付加物等、(例え
ばプラクセルFM−1、同左FM−2、同左FM−3、
同左FA−1、同左FA−2、同左FA−3等、以上ダ
イセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチル類)等を挙げることができ
る。
【0021】カルボキシル基含有不飽和モノマーとして
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシ
エチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができる。
【0022】エポキシ基含有不飽和モノマーとしては、
例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシ
ジルエーテルなどを挙げることができる。
【0023】その他の不飽和モノマーとしては、例えば
メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト等の如き(メタ)アクリル酸のC1-24個のアルキル又
はシクロアルキルエステル類、スチレンなどの芳香族ビ
ニルモノマー類を挙げることができる 硬化剤としては、重量平均分子量約98〜10000、
好ましくは約100〜5000の範囲のものが良い。重
量平均分子量約98を下回るものは入手し難く、一方、
約10000を上回ると耐汚染性、平滑性等が低下する
ので好ましくない。
【0024】硬化剤としては、例えば、ε−カプロラク
タムブロックイソホロンジイソシアネ−ト等のブロック
ポリイソシアネ−ト化合物、アジピン酸、アゼライン
酸、ドデカン二酸、無水アジピン酸、無水トリメリット
酸等のポリカルボン酸化合物、ベンジル−4−ヒドロキ
シフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモ
ネ−ト等の芳香族スルホニウム塩のカチオン重合触媒、
トリグリシジルイソシアヌレ−ト等のポリエポキシド等
が代表例として挙げられる。
【0025】基体樹脂と硬化剤との配合割合は、基体樹
脂100重量部当たりカチオン重合触媒の場合には約
0.01〜10重量部、好ましくは、カチオン重合触媒
以外の場合には約10〜100重量部、約15〜50重
量部が好ましい。
【0026】本発明で使用するポリエステル樹脂により
変性されたアルコール性水酸基含有ジメチルポリシロキ
サン化合物は、シロキサン結合を主鎖としその分子の両
末端はトリメチルシリル基を有するシリコーン系化合物
であって、その主鎖を構成する珪素の一部に直鎖状のポ
リエステル樹脂がペンダントとして結合しているもので
あり、そしてそのポリエステル樹脂の片末端はアルコー
ル性水酸基を含有する常温で液状のものである。
【0027】該ポリシロキサン化合物は、例えば分子中
に珪素に直接結合する水酸基やアルコキシル基等の加水
分解性シリル基を一部含有するジメチルポリシロキサン
化合物(重量平均分子量約300〜10000、好まし
くは約500〜6000)と両末端に水酸基を含有する
直鎖状ポリエステル樹脂とを反応させることにより得ら
れたものを使用することができる。該分子量が約300
を下回ると粘度(焼き付け時)が低下し過ぎるため塗膜
表面に多く浮き出すので塗膜表面がべと付き手触り感が
悪くなったり、一方、分子量が約10000を上回ると
逆に粘度が高くなり過ぎるのでこのものが硬化塗膜表面
に浮き出し難くなり、耐汚染性が低下するので好ましく
ない。
【0028】該ポリエステル樹脂としては、例えばヘキ
サヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘ
キサヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フ
タル酸等の脂環族ジカルボン酸成分、アジピン酸、セバ
シン酸、スベリン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン
酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメ
リン酸、アゼライン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダ
イマー酸等の脂肪族ジカルボン酸成分などの脂環族や脂
肪族の多塩基酸成分と前記ポリエステル樹脂成分の多価
アルコール成分の脂肪族グリコール類、ポリラクトンジ
オール類、ポリエーテルジオール類、脂環族多価アルコ
ール類等の多価アルコール成分とのエステル化物や上記
ポリラクトンジオール類などを使用することができる。
【0029】ポリエステル樹脂の重量平均分子量は約1
00〜10000、好ましくは200〜5000の範囲
が好ましい。該分子量が約100を下回ると基体樹脂と
の相溶性が低下するために焼き付け硬化時にこのものが
塗膜表面に余りにも多く浮き出すので塗膜表面がべと付
き手触り感が悪くなったり、また、ジメチルポリシロキ
サンによって立体障害を受け易くなるので反応する確率
が低下するので硬化塗膜に固定化出来なくなり耐汚染性
の持続性が劣るので好ましくない、一方、分子量が約1
0000を上回るとこのものが硬化塗膜表面に浮き出し
難くなるため汚染性が低下するので好ましくない。
【0030】上記ポリシロキサン化合物の構造は、例え
ば、式(CH3 )3Si−O−〔Si(−CH3 )
(−PE)−O−〕x−〔Si(CH3 )2−O−〕
y−Si(CH3 )3 (該式において、PEは上記
のポリエステル樹脂残基であって分子の片末端は酸素原
子を介してSiに結合し、もう一方の片末端は水酸基を
有するものであり、また、xは1〜100、yは2〜1
00が好ましい。)で表される。該ポリシロキサン化合
物の具体例としては、例えばBYK−370(BYK−
GULDEN Lomberg GmbH社製造、商品
名)を挙げることができる。
【0031】上記ポリシロキサン化合物の配合割合(固
形分換算)は、上記した粉体塗料用基体樹脂及び硬化剤
の合計量100重量部に対して約0.1〜10重量部、
好ましくは約0.2〜8重量部の範囲が良い。配合割合
が約0.1を下回ると耐汚染性が低下し、一方、約10
重量部を上回っても耐汚染性の向上が余り認められな
い。
【0032】本発明において、上記した成分以外に必要
に応じて着色剤、充填剤、防錆剤、紫外線安定剤、上記
以外の硬化触媒、流動性調整剤、ハジキ防止剤等の塗料
用添加剤を配合することができる。
【0033】本発明塗料は、上記した基体樹脂、硬化
剤、ポリシロキサン化合物及び必要に応じて上記その他
の塗料用添加剤の全成分を乾式混合したのち、このもの
を2軸エクストル−ダ−等で溶融混合した後、冷却、粉
砕、濾過することにより製造することができる。粉体塗
料の製造方法として、ポリシロキサン化合物を除く成分
を上記の方法で粉体塗料を製造したのち、ポリシロキサ
ン化合物を乾式混合により分散混合して製造する方法が
あるが、この方法では粉体塗料の耐ブロッキング性や耐
汚染性の耐久性が低下するので好ましくない。
【0034】得られた粉体塗料は平均粒子径約5〜10
0μmが好ましく、更に約10〜80μmの範囲が好ま
しい。平均粒子径が約5μmを下回ると静電粉体塗装作
業性が低下し、一方、約100μmを上回ると静電粉体
塗装による付着効率が低下したり塗膜平滑性が低下する
ので好ましくない。
【0035】本発明塗料は、被塗物に粉体塗装し、焼付
け(例えば、約180℃以上の温度で約20分間)によ
って硬化塗膜を形成することができる。
【0036】粉体塗装は、それ自体公知の方法、例え
ば、静電粉体塗装、摩擦帯電粉体塗装、流動浸漬等の塗
装方法によって行うことができる。
【0037】塗装膜厚は、特に制限されないが、約10
μm〜500μm、好ましくは約30μm〜100μm
の範囲が好適である。
【0038】本発明塗料は、耐汚染性に優れた塗膜を提
供できることから、例えば、電気関係、食品関係、住宅
関係、輸送関係、道路関係、厨房関係などの幅広い用途
に適用性を有する。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、特定のポリオルガノシ
ロキサン化合物と熱硬化性粉体塗料とを組み合わせるこ
とにより、耐汚染性及びその持続性に優れた塗膜を形成
するものである。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0041】実施例1 GV−710(日本ユピカ社製、商品名、水酸基含有ポ
リエステル樹脂、エチレングリコール/テレフタル酸=
50/50重量比、軟化点114℃、水酸基価43mg
KOH/g)1000重量部、ε−カプロラクタムブロ
ックイソホロンジイソシアネ−ト105重量部、TK−
1(武田薬品工業株式会社製、商品名、錫系触媒)10
重量部、BYK−370(BYK−GULDEN Lo
mberg GmbH社製造、商品名、ポリエステル変
性水酸基末端ジメチルポリシロキサン化合物、固形分2
5重量%、以下同様の意味を示す)11重量部(固形
分)の配合物及びチタン白JR−701(テイカ(株)
社製、商品名、二酸化チタン顔料、以下同様の意味を示
す)を500重量部を配合したものを2軸エクストル−
ダ−で溶融混練した後、冷却、粉砕、濾過して平均粒子
径約40μmの白色の熱硬化性粉体樹脂を製造した。
【0042】実施例2 グリシジル基含有アクリル系樹脂(グリシジルメタクリ
レ−ト/スチレン/メチルメタクリレ−ト/n−ブチル
アクリレ−ト=40/10/20/30“重量比”平均
分子量8000、軟化点85℃)1000重量部、ドデ
カン二酸290重量部、チタン白JR−701を500
重量部、BYK−370を13重量部(固形分)を配合
したものを2軸エクストル−ダ−で溶融混練した後、冷
却、粉砕、濾過して平均粒子径約35μmの白色の熱硬
化性粉体樹脂を製造した。
【0043】比較例1 実施例1においてBYK−370を使用しない以外は実
施例1と同様にして比較例1のポリエステル粉体塗料を
製造した。
【0044】比較例2 実施例1においてBYK−370に変えてBYKー30
7(BYK−GULDEN Lomberg GmbH
社製造、商品名、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキ
サン化合物)を同重量部(固形分)使用した以外は実施
例1と同様にして比較例2のポリエステル粉体塗料を製
造した。
【0045】比較例3 実施例1においてBYK−370に変えてBYKー32
3(BYK−GULDEN Lomberg GmbH
社製造、商品名、ポリメチルアルキル・メチルアラルキ
ルジメチルポリシロキサン)を同重量部(固形分)使用
した以外は実施例1と同様にして比較例3のポリエステ
ル粉体塗料を製造した。
【0046】比較例4 実施例2においてBYK−370を使用しない以外は実
施例2と同様にして比較例4のアクリル系粉体塗料を製
造した。
【0047】比較例5 実施例2においてBYK−370に変えてBYKー30
7(上記と同様のもの)を同重量部(固形分)使用した
以外は実施例2と同様にして比較例5のアクリル系粉体
塗料を製造した。
【0048】実施例1〜2及び比較例1〜5の粉体塗料
の塗膜性能試験結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1において試験は次の様にして行った。
【0051】塗膜性能試験 塗装板の調整:燐酸亜鉛処理した鋼板に乾燥膜厚が約6
0μmになるように静電粉体塗装し、180℃で30分
間焼付けを行ったものを試験として使用した。表1にお
いて試験及び評価は下記の方法で行った。
【0052】塗膜外観:塗膜表面を目視で観察し評価し
た。◎は平滑性、チヂミ等の異常がないもの、○は平滑
性、チヂミ等があるが実用上問題がないもの、△は平滑
性、チヂミ等の異常が認められるもの、×は平滑性、チ
ヂミ等の異常が著しく認められるもの。
【0053】鏡面反射率:JIS K−5400の60
度鏡面光沢度を測定した。
【0054】加工性:JIS Bー7729にもとずい
て試験をおこなった。ワレが認められない押し出しのm
mを示す。
【0055】耐沸騰水性:98度以上の沸騰水に4時間
浸漬したのち、塗膜表面外観(上記と同様の方法で評
価)及び碁盤目付着性(カッターナイフで2mm升目5
0個を作りその表面にセロファンテープを強く押しつけ
たのち短時間でテープを塗膜から剥離した。◎は全く剥
がれないないもの、○は剥離面積が1〜2%剥がれたも
の、△は3〜5%、×は6%以上のもの)調べた。
【0056】耐食性:塗板を150×70mmに切断し、
塗膜を素地に達するようにクロスカットした後、JIS
Z−2371に準じて240時間塩水噴霧試験を塩水
噴霧試験装置に入れる。カット部からの片側の錆発生巾
を測定した。◎ 0〜1mm未満、○ 1〜2mm未満、△
2〜6mm未満、× 6mm以上 水接触角:塗面に対する水の接触角を測定した数値で示
す。測定数値は協和化学(株)製、接触角計を用いて、
蒸留水、0.03ml滴下3分後(at20℃)の接触
角を測定した。数字が大きいほど疎水性で親油性汚染物
質に対する耐汚染性に優れる。
【0057】パラフィン初期接触角:塗面に対するパラ
フィン(油)の接触角を測定した数値で示す。測定数値
は協和化学(株)製、接触角計を用いて、パラフィン
0.03ml滴下3分後(at20℃)の接触角を測定
した。。数字が大きいほど親油性汚染物質に対する耐汚
染性に優れる。
【0058】パラフィン進行接触角:上記と同様にして
パラフィンを塗面に滴下した後、20℃で3日間静置し
た後、上記と同様にしてパラフィン接触角を測定した。
数字が大きいほど親油性汚染物質に対する耐汚染性の耐
久性が優れる。
【0059】耐カーボン汚染性:カーボンブラック/水
=2/98(重量比)の割合の分散液1ccを塗面上に
のせ、70℃の恒温室内で2時間放置後、水洗を行な
い、分散液を載せた部分の塗面の変色程度を目視にて判
定した。◎跡が認められない○跡がわずかに認められる
△+ 跡が残る △かなり跡が残る ×跡が濃く残
る。
【0060】耐油性インキ汚染性:20℃の室内におい
て、マジックインキ(寺西(株)社、商品名、油性イン
キ)で塗面に線を引き、1時間放置後、n−ブタノ−ル
をしみこませたガ−ゼにて拭き取った。拭き取ったあと
のマジックインキ赤の跡の外観を評価した。外観の評価
は目視にて下記基準に従った。◎跡が認められない○跡
がわずかに認められる △+ 跡が残る △かなり跡が
残る ×跡が濃く残る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C09D 167/02 183:10)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性粉体塗料に、ポリエステル樹脂で
    変性されたアルコ−ル性水酸基含有ジメチルポリシロキ
    サン化合物を配合してなることを特徴とする低汚染型熱
    硬化性粉体塗料。
  2. 【請求項2】熱硬化性粉体塗料が、ポリエステル系樹脂
    及びアクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂
    を主な樹脂成分とする請求項1記載の低汚染型熱硬化性
    粉体塗料。
JP32939396A 1996-12-10 1996-12-10 低汚染型熱硬化性粉体塗料 Pending JPH10168345A (ja)

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