JPH10168131A - 熱安定性の良好な共重合体の製造方法 - Google Patents

熱安定性の良好な共重合体の製造方法

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JPH10168131A
JPH10168131A JP34445496A JP34445496A JPH10168131A JP H10168131 A JPH10168131 A JP H10168131A JP 34445496 A JP34445496 A JP 34445496A JP 34445496 A JP34445496 A JP 34445496A JP H10168131 A JPH10168131 A JP H10168131A
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昌則 鈴木
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    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量が大きく、かつ他の重合体の改質剤と
して好適な、熱安定性の良好な共重合体の製造方法を提
供すること。 【解決手段】 (A)芳香族ビニル単量体90〜65重
量%、(B)シアン化ビニル単量体10〜32重量%、
および(C)その他の共重合可能な単量体0〜20重量
%〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%〕
を共重合し、得られる共重合体の、シアン化ビニル連鎖
のうちシアン化ビニル単量体の2連鎖以上の割合を15
モル%以下、かつ極限粘度を2dl/g以上とする熱安
定性の良好な共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子量が大きく、
かつ他の重合体の改質剤として好適な、熱安定性の良好
な共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を、ブロー成形用途、発泡
押し出し成形用途などに使用すると、溶融時の粘度の低
下が著しく、ブロー成形時のドローダウンの悪化、発泡
押し出し成形時の発泡ガスの保持率の低下などの問題点
を生じている。このため、溶融時の粘度の低下の少ない
樹脂改質剤として、極性の強い成分を多量に共重合し
て、粘度の低下を抑制した場合には、これら極性の強い
成分の架橋などにより、熱安定性が低下するなどの問題
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、極限粘度が高く、か
つ他の重合体の改質剤として好適な、熱安定性の良好な
共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)芳香族
ビニル単量体90〜65重量%、(B)シアン化ビニル
単量体10〜32重量%、および(C)その他の共重合
可能な単量体0〜20重量%〔ただし、(A)+(B)
+(C)=100重量%〕を共重合し、得られる共重合
体の、シアン化ビニル連鎖のうちシアン化ビニル単量体
の2連鎖以上の割合を15モル%以下、かつ極限粘度を
2dl/g以上となすことを特徴とする熱安定性の良好
な共重合体の製造方法を提供するものである。なお、
(C)その他の共重合可能な単量体は、25℃における
水への溶解性が2重量%以上の親水性単量体0.001
〜20重量%からなることが好ましい。また、この際の
製造方法は、乳化剤として脂肪酸のアルカリ金属塩、重
合開始剤として過硫酸塩を用い、かつ重合系内に存在す
る(A)芳香族ビニル単量体/(B)シアン化ビニル単
量体の重量比を70/30〜80/20に保持し、乳化
重合することが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体、その他の共重合可能な単量
体からなる共重合体であって、共重合体の極限粘度が2
dl/g以上、かつシアン化ビニル単量体の2連鎖以上
の割合が15モル%以下である共重合体、または、上記
単量体のうち、その他の共重合可能な単量体が、25℃
における水への溶解性が2重量%以上の親水性単量体で
ある場合、熱安定性の改良された共重合体が得られる。
【0006】本発明に使用される(A)芳香族ビニル単
量体としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチ
ル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p
−アミノメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルキシ
レン、モノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブ
ロモスチレン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビ
ニルナフタレンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メ
チルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル単量体
は、1種単独であるいは2種以上混合して用いられる。
また、(B)シアン化ビニル単量体としては、例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられ、これ
らは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を
混合して用いることもできる。
【0007】さらに、(C)その他の共重合可能な単量
体としては、アルキル(メタ)アクリレート、マレイミ
ド系単量体、不飽和酸、酸無水物含有不飽和単量体、エ
ポキシ基含有不飽和単量体、ヒドロキシル基含有不飽和
単量体、アミド基含有不飽和単量体、アミノ基含有不飽
和単量体、オキサゾリン基含有不飽和単量体などが挙げ
られる。
【0008】このうち、アルキル(メタ)アクリレート
としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ア
ミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタ
デシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジル
アクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、
ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメ
タクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレートなどのメタクリル酸エステルが挙げられ、好
ましくはメチルメタクリレート、ブチルアクリレートで
ある。
【0009】マレイミド系単量体としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N
−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げら
れ、好ましくはN−フェニルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミドである。不飽和酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸などが挙げられる。酸無水物基含有不
飽和単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸などが挙げられ、好ましくは無水
マレイン酸である。エポキシ基含有不飽和単量体として
は、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テルなどが挙げられ、好ましくはグリシジルメタクリレ
ートである。
【0010】ヒドロキシル基含有不飽和単量体として
は、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−
1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トラ
ンス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−
2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが
挙げられ、好ましくは2−ヒドロキシルエチルメタクリ
レートである。アミド基含有不飽和単量体としては、ア
クリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられ、好ま
しくはアクリルアミドである。アミノ基含有不飽和単量
体としては、アクリルアミン、ジメチルアミノメタクリ
レート、ジエチルアミノメタクリレート、ジメチルアミ
ノアクリレートなどが挙げられる。オキサゾリン基含有
不飽和単量体としては、ビニルオキサゾリンなどが挙げ
られる。以上の(C)その他の共重合可能な単量体は、
1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合し
て用いることもできる。
【0011】(C)その他の共重合可能な単量体は、好
ましくは25℃における水への溶解性が2重量%以上、
さらに好ましくは3重量%以上の親水性単量体である。
この親水性単量体としては、上記の不飽和酸、酸無水物
含有不飽和単量体、ヒドロキシル基含有不飽和単量体、
アミド基含有不飽和単量体、アミノ基含有不飽和単量体
などである。親水性単量体のうち、特に好ましくは、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、
アクリル酸、メタクリル酸などである。
【0012】次に、本発明で使用される単量体の使用割
合について述べる。 (A)芳香族ビニル単量体の使用割合は、90〜65重
量%、好ましくは77〜70重量%である。また、
(B)シアン化ビニル単量体は、10〜32重量%、好
ましくは23〜30重量%である。(B)シアン化ビニ
ル単量体の使用割合が32重量%を超えると、シアン化
ビニル単量体の2連鎖以上の割合が15モル%を超える
ため好ましくない。一方、(B)シアン化ビニル単量体
の使用割合が10重量%未満では、延性の低下を招き好
ましくない。さらに、(C)その他の共重合可能な単量
体の使用割合は、0〜20重量%、好ましくは0.01
〜20重量%、さらに好ましくは0.01〜10重量%
である。20重量%を超えると、得られる共重合体の熱
安定性が低下し好ましくない。特に、(C)その他の共
重合可能な単量体が上記親水性単量体の場合、その使用
割合は、熱変色の防止および重合安定性の面から、0.
001〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0.
01〜10重量%である。
【0013】本発明により得られる共重合体は、シアン
化ビニル連鎖のうち、シアン化ビニル単量体の2連鎖以
上の割合が15モル%以下、好ましくは12モル%以下
である。15モル%を超えると、シアン化ビニル単量体
のシアノ基に由来する環化反応のため、着色を生じ、熱
安定性が悪化するので好ましくない。
【0014】また、本発明により得られる共重合体の極
限粘度は、2dl/g以上、好ましくは3dl/g以
上、さらに好ましくは3.5dl/g以上、特に好まし
くは4dl/g以上である。この極限粘度が2dl/g
未満では、本発明の共重合体の改質効果が無くなるため
好ましくない。ここで、極限粘度〔η〕は、共重合体
0.1gをジメチルホルムアミド100mlに溶解し、
30℃の温度条件下で、ウベローデ型粘度計で測定した
値である。なお、本発明により得られる共重合体の分子
量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)によるMw/Mn(ここで、Mwは重量平均
分子量、Mnは数平均分子量を示す)が3.0以下が好
ましい。Mw/Mnが3.0を超えると、低分子量成分
の生成が多くなり、本発明の共重合体の改質効果がなく
なるため好ましくない。
【0015】本発明の共重合体の製造には、通常、懸濁
重合、乳化重合が挙げられ、好ましくは乳化重合により
製造される。上記乳化重合に使用される乳化剤として
は、ロジン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸のアルカリ金属
塩、脂肪族アルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩、
アルキルアリルスルホン酸のアルカリ金属塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸エステルのアルカリ金属塩、ポリオキ
シエチレンアルキル(フェニル)エーテルの硫酸エステ
ルアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキル(エー
テル)のリン酸エステルアルカリ金属塩などが挙げられ
るが、好ましくは脂肪酸のアルカリ金属塩である。乳化
剤の使用量は、上記(A)〜(C)成分の合計量100
重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.3
〜5重量部である。
【0016】また、重合開始剤としては、過硫酸塩、有
機ハイドロパーオキサイド類などが使用できる。好まし
くは、過硫酸塩である。この際、硫酸鉄、亜硫酸水素ナ
トリウムなどの還元剤を併用してもよい。なお、重合開
始剤として、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハ
イドロパーオキサイドなどと、還元剤の組み合わせによ
るレドックス触媒は、分解反応が早すぎるため、得られ
る共重合体の分子量を大きくできず、好ましくない。重
合開始剤の使用量は、(A)〜(C)成分の合計量10
0重量部に対し、0.01〜1重量部、好ましくは0.
03〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜0.
3重量部である。なお、乳化重合の際の水の使用量は、
(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対し、通
常、180〜350重量部、好ましくは200〜320
重量部である。
【0017】重合温度は、高くすると、単量体への連鎖
移動定数が大きくなり、分子量を大きくできず好ましく
ない。好ましい重合温度は、50〜75℃、さらに好ま
しい重合温度は、55〜70℃である。重合の際には、
この重合温度範囲で、内温を一定にすることが好まし
い。重合温度が50℃未満では、重合開始剤の分解が起
こりにくいため、重合開始が不安定になり、一方75℃
を超えると、ラジカルの生成速度が速くなりすぎるため
に、分子量を大きくできず、好ましくない。また、重合
時間は、3時間以上とすることが好ましい。3時間未満
の重合時間では、重合熱による発熱が大きいため、重合
温度の制御が困難になり、結果的に共重合体の分子量の
低下を招くので好ましくない。
【0018】共重合体製造時の単量体の添加方法として
は、一括添加、連続的添加、各段の組成を変えた多段階
添加などの一般に広く知られている方法を採用すること
ができる。これらのうち、一括添加、多段階添加などの
方法が好ましい。特に、シアン化ビニル単量体の2連鎖
以上の割合が15モル%以下である本発明の共重合体を
重合するには、単量体の添加方法は、多段階添加方法に
より、重合系内に存在する芳香族ビニル単量体/シアン
化ビニル単量体の重量比を、好ましくは70/30〜8
0/20、さらに好ましくは72/28〜78/22に
保持することが望ましい。さらに、重合系内のシアン化
ビニル単量体の割合が、32重量%を超えないようにす
ることが好ましい。
【0019】また、本発明の共重合体の極限粘度の調整
は、連鎖移動剤の添加などによっても行うことができる
が、重合開始剤の使用量により調整するのが好ましい。
【0020】本発明の共重合体を重合する際には、ラテ
ックス中の溶存酸素の影響で、重合活性が低下するの
で、チッ素置換を充分にすることが必要である。重合前
の酸素濃度は、3,000ppm以下、好ましくは1,
000ppm以下である。さらに好ましくは、ハイドロ
サルファイトなどの酸素除去剤により、溶存酸素を除去
することである。
【0021】共重合体は、得られる共重合体ラテックス
を、凝固、洗浄などの回収工程を経て、乾燥後、粉体と
する。凝固工程で使用される凝固剤としては、硫酸、硫
酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムな
どが水溶液にして用いられる。
【0022】本発明の製造方法により得られる共重合体
は、他の公知の重合体に配合することができる。この他
の重合体としては、例えばエチレン−プロピレン共重合
体、EPDM、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−ブタジエン−スチレンラジアルテレブロ
ック共重合体およびこれらの水素添加物、ポリプロピレ
ン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポ
リアミド、ポリアミドエラストマー、エポキシ樹脂、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリスルホン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリイソプレン、天然ゴム、塩素化ブチ
ルゴム、塩素化ポリエチレン、PPE樹脂、PPS樹
脂、ポリエーテルエーテルケトン、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体などを適宜ブレンドして用いてもよい。
上記他の重合体に配合する場合は、他の重合体100重
量部に対し、本発明の共重合体を20重量部以下、好ま
しくは0.5〜10重量部配合する。
【0023】本発明の製造方法により得られる共重合体
には、必要に応じて次のような添加剤も配合することが
できる。酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシ
ル)−4、6−ジメチルフェノール、2,2′−メチレ
ン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メ
チルフェノール)、ジラウリンチオジプロピオネート、
トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト;紫外線吸
収剤、例えばp−t−ブチルフェニルサクシレート、
2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール;滑剤、例えばワックス、
パラフィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアリ
ルアミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビ
スステアリルアミド、n−ブチルステアレート、ケトン
ワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、
ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド;難燃剤、例え
ば三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜
鉛、トリクレジルホスフェート、トリス(ジクロロプロ
ピル)ホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブロモ
ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンの縮合物;帯電防止剤、例えばステア
リルアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチルア
ンモニウムナイトレート;着色剤、例えば酸化チタン、
カーボンブラック;充填剤、例えば炭酸カルシウム、ク
レー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維;
そのほか、顔料などを必要に応じて添加することができ
る。
【0024】本発明の製造方法により得られる共重合体
やこれを用いた組成物は、各種押し出し機、バンバリー
ミキサー、ニーダー、ロールなどを用い、各成分を混練
りすることによって得られる。好ましい製造方法は、二
軸押し出し機を用いる方法である。また、各成分を混練
りするに際しては、各成分を一括して混練りしてもよ
く、多段添加方法で混練りしてもよい。本発明の共重合
体を用いて得られる樹脂組成物は、射出成形、シート成
形、真空成形、異形成形、発泡成形、ブロー成形などに
よって各種成形品に成形することができる。上記成形法
によって得られる各種成形品は、その優れた性質を利用
して、家電製品、自動車部品などの各パーツなどに使用
することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断わ
らない限り重量基準である。また、実施例中の各物性
は、下記のようにして測定した。
【0026】シアン化ビニル単量体の連鎖割合 13 C−NMR測定により、シアン化ビニル単量体のCN
結合の炭素の化学シフトの強度の比率により、シアン化
ビニル単量体の連鎖の割合を測定した。熱安定性 180℃、ギアオーブン中で、プレス成形により作製し
た2.4mm厚の試験片を90分間加熱し、加熱前の試
験片の色調の差を、須賀試験機(株)製、分光測色計を
用いて、ΔEにより評価した。
【0027】ドローダウン性の評価 下記の配合で、混合し、これを二軸押し出し機により2
20℃で混練りし、ペレットを得た。 ABS樹脂 45部 AS樹脂 55部 下記共重合体(I)〜(VIII) のいずれか 3部 このペレットを、下記に示す方法により、250℃に
て、ドローダウン時間を測定した。すなわち、得られた
ペレット2gを計りとり、高架式フローテスターのシリ
ンダーに詰め、10分間加熱したのち、荷重を50kg
かけ、0.5cc押し出し、荷重を取り去り、スタート
時刻とした。フローテスターの下部から押し出される樹
脂棒の直径を計測しながら、温度を一定に保ち、スター
ト時刻の樹脂棒の直径の80%になるまでの時間を測定
した。
【0028】実施例1〔共重合体(I)の製造〕 スチレン 75部 アクリロニトリル 25部 ラウリン酸カリウム 3部 脱イオン水 250部 ハイドロサルファイト 0.1部 以上の成分をフラスコに仕込み、チッ素気流下で攪拌し
ながら昇温し、内温が50℃に達したときに、開始剤と
して、過硫酸カリウム0.1部を1%水溶液として添加
し、重合を開始した。内温55℃に保ったまま、上記の
単量体混合物を4時間反応させた。得られたラテックス
の最終重合転化率は、98%であった。このラテックス
を硫酸2部を用いて凝固させ、次いで、水洗、乾燥して
粉末重合体〔共重合体(I)〕を得た。
【0029】実施例2〜3〔共重合体(II) 〜(III)の
製造〕 表1のように、水、乳化剤、単量体、重合開始剤などを
フラスコに仕込み、実施例1と同様にして重合を行い、
ラテックスを得て、次いで凝固剤を用いて凝固を行い、
水洗、乾燥して粉末重合体〔共重合体(II) 〜(III)〕
を得た。
【0030】実施例4〔共重合体(IV) の製造〕 下記のバッチ1に示す割合で、水、乳化剤、単量体をフ
ラスコに仕込み、チッ素気流下で攪拌しながら昇温し、
内温が50℃になったときに、重合開始剤として、過硫
酸カリウム0.1部を1%水溶液として添加し、重合を
開始した。2時間反応させたのち、フラスコ内に、バッ
チ2に示す割合で、水、単量体、重合開始剤などを添加
し、さらに2時間反応させ、その後、バッチ3に示す割
合で、さらに水、単量体、重合開始剤を添加し、2時間
反応させた。単量体の重合転化率は、96.5%であっ
た。このラテックスを、実施例1と同様にして、粉末重
合体〔共重合体(IV) 〕を得た。
【0031】(バッチ1) スチレン 25部 アクリロニトリル 8部 ステアリン酸カリウム 0.5部 脱イオン水 180部 ハイドロサルファイト 0.1部 昇温後 過硫酸カリウム 0.1部
【0032】(バッチ2) スチレン 25部 アクリロニトリル 8部 脱イオン水 50部 過硫酸カリウム 0.05部 ハイドロサルファイト 0.1部
【0033】(バッチ3) スチレン 25部 アクリロニトリル 9部 脱イオン水 50部 過硫酸カリウム 0.05部 ハイドロサルファイト 0.1部
【0034】比較例1〔共重合体(V)〕の製造 スチレン 66部 アクリロニトリル 34部 ラウリン酸カリウム 2.5部 脱イオン水 250部 ハイドロサルファイト 0.1部 以上の成分をフラスコに仕込み、実施例1と同様にし
て、粉末重合体〔共重合体(V)〕を得た。
【0035】比較例2〔共重合体(VI)の製造〕 スチレン 70部 アクリロニトリル 30部 ロジン酸カリウム 2.5部 脱イオン水 250部 ハイドロサルファイト 0.1部 以上の成分をフラスコに仕込み、実施例1と同様にし
て、粉末重合体〔共重合体(VI)〕を得た。
【0036】比較例3〔共重合体(VII) の製造〕 スチレン 50部 アクリロニトリル 25部 メタクリル酸 25部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.5部 脱イオン水 250部 ハイドロサルファイト 0.1部 以上の成分をフラスコに仕込み、実施例1と同様にし
て、粉末重合体〔共重合体(VII) 〕を得た。
【0037】比較例4〔共重合体(VIII) の製造〕 スチレン 75部 アクリロニトリル 25部 ラウリル酸カリウム 3部 ハイドロサルファイト 0.1部 脱イオン水 250部 以上の成分をフラスコに仕込み、昇温を開始し、内温が
50℃になったときに、クメンハイドロパーオキサイド
0.05部、硫酸第1鉄0.001部、テトラエチレン
ジアミン四酢酸ナトリウム0.4部およびホルムアルデ
ヒドスルホキシレート0.5部を添加し、1時間重合さ
せた。このとき、内温は95℃まで上がった。重合転化
率は、99%であった。このようにして得られたラテッ
クスを、塩化カルシウム水溶液を2部添加して、凝固、
水洗、乾燥後、粉末重合体〔共重合体(VIII) 〕を得
た。これらの共重合体(I)〜(VIII) の結果を、表1
〜2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】*1)ABS樹脂;ゴム量40%、グラフ
ト率=60%、〔η〕(メチルエチルケトン、30℃)
=0.5 ここで、グラフト率(Gf)は、アセトン不溶分〔ゲル
分(g)〕とゴム量(b)より、下記式により算出した
値である。 Gf=〔(g−b)/b〕×100(%) *2)AS樹脂;〔η〕(メチルエチルケトン、30
℃)=0.7、AN含量=29%
【0041】表1〜2から明らかなように、本発明の共
重合体(実施例1〜4)は、いずれも 熱安定性に優
れ、耐ドローダウン性に優れていることが分かる。これ
に対し、比較例1では、使用するシアン化ビニル単量体
の使用量が本発明の範囲を外れるため、シアン化ビニル
単量体の2連鎖以上の割合が15モル%を超えてしま
い、良好な熱安定性が得られていない。比較例2および
比較例4では、共重合体の極限粘度が本発明の範囲を外
れるため、熱安定性は優れるが、良好な耐ドローダウン
性が得られていない。比較例3は、その他の共重合可能
な単量体を本発明の範囲を超えて使用したため、本発明
の特徴とする熱安定性が得られていない。
【0042】
【発明の効果】本発明の共重合体の製造方法によれば、
極限粘度が高く、かつ他の重合体の改質剤として好適
な、熱安定性の良好な共重合体が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ビニル単量体90〜65重
    量%、(B)シアン化ビニル単量体10〜32重量%、
    および(C)その他の共重合可能な単量体0〜20重量
    %〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%〕
    を共重合し、得られる共重合体の、シアン化ビニル連鎖
    のうちシアン化ビニル単量体の2連鎖以上の割合を15
    モル%以下、かつ極限粘度を2dl/g以上となすこと
    を特徴とする熱安定性の良好な共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 (C)その他の共重合可能な単量体が、
    25℃における水への溶解性が2重量%以上の親水性単
    量体である請求項1記載の熱安定性の良好な共重合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 親水性単量体の使用割合が0.001〜
    20重量%である請求項2記載の熱安定性の良好な共重
    合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 乳化剤として脂肪酸のアルカリ金属塩、
    重合開始剤として過硫酸塩を用い、かつ重合系内に存在
    する(A)芳香族ビニル単量体/(B)シアン化ビニル
    単量体の重量比を70/30〜80/20に保持し、乳
    化重合する請求項1〜3いずれか1項記載の熱安定性の
    良好な共重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012036173A1 (ja) * 2010-09-15 2012-03-22 日本エイアンドエル株式会社 熱可塑性樹脂用加工助剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物
JP2017516871A (ja) * 2015-04-27 2017-06-22 エルジー・ケム・リミテッド 耐熱san樹脂、その製造方法及びそれを含む耐熱san樹脂組成物

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WO2012036173A1 (ja) * 2010-09-15 2012-03-22 日本エイアンドエル株式会社 熱可塑性樹脂用加工助剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物
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