JPH1016723A - 車両用ウォッシャタンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンルームに配置される部品数の削減が
図れる車両用ウォッシャタンクを提供する。 【解決手段】 バッテリーを囲う平面視略コ字形の囲い
部１３を設け、囲い部１３の外面壁に、バッテリーケー
ブル１９を配置する凹溝１８を形成し、凹溝１８を形成
した部分にバッテリーケーブル１９を保持するクランプ
部材２０を設け、かつ囲い部１３に、バッテリーバンド
２３の一端側を支持する突起部２１を設けた。囲い部１
３がラジエター及びエンジンからの熱を遮断するので、
別個に断熱材を設けなくて済んで部品数を削減でき、か
つウォッシャタンク６を大きくすることができる。囲い
部１３が熱を吸収してウォッシャ液の温度が上昇するの
で、凍結防止が図れる。凹溝１８に配置したバッテリー
ケーブル１９をクランプ部材２０が固定するので、専用
のバッテリーケーブル用固定部材を別個に設けなくて済
む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いられる
ウォッシャタンクに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のウォッシャタンクの一例を配置し
た車両のエンジンルームを図８に示す。図８において、
車両１のエンジンルーム２には、エンジン３及びラジエ
ター４が配置されている。ラジエター４の略後方部分に
はバッテリー５が、また、バッテリー５の側方には車両
用ウォッシャタンク（以下、ウォッシャタンクとい
う。）６が配置されている。なお、バッテリー５がラジ
エター４の後方に配置されることは、種々のタイプの車
両のうちでも軽自動車等では多く行われることである。

【０００３】ラジエター４は、走行風及びファンの回転
によりエンジン冷却水の熱交換を行ってエンジン冷却水
の温度を下げるようにしている。この際、ラジエター４
の熱交換により暖められた風（熱風）がファン７の回転
等により下流側（後方）に案内される。図中、８はヘッ
ドランプ、９はサスペンションストラットである。

【０００４】バッテリー５は断熱のために樹脂材料製の
トレー１０に載置されていると共に、平面視略コ字形の
断熱材１１で囲われている。そして、断熱材１１が、ラ
ジエター４からの熱風及びエンジン３からの熱を遮蔽
し、バッテリー５の液温が上昇することを防止するよう
にしている。

【０００５】近時、居住性向上のための車室の拡大化等
に伴い、エンジンルームは狭小化されてきている。この
場合、例えば図９に示すように、バッテリー５、トレー
１０、断熱材１１をエンジンルーム２に対して斜めに配
置する等の工夫をしてエンジンルーム２の狭小化に対処
するようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンル
ーム２を狭くすると、その分、バッテリー５の周囲の温
度が上昇しやすくなり、上述した従来技術においては断
熱材が不可欠となり、断熱材を設ける分、部品数が多く
なると共に、断熱材を配置するために大きなスペースを
確保する必要がある。

【０００７】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、エンジンルームに配置される部品数の削減が図れる
車両用ウォッシャタンクを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、ラジエターの後部に配置される車両用ウ
ォッシャタンクであって、バッテリーの前記ラジエター
及びエンジンに対面する側面部を含むようにしてバッテ
リーを囲う平面視略コ字形の囲い部を設け、該囲い部の
外面壁に、前記バッテリーに接続されるバッテリーケー
ブルを配置する凹溝を形成し、該凹溝を形成した部分に
バッテリーケーブルを保持する保持部を形成し、かつ前
記囲い部に、前記バッテリーを固定するバッテリーバン
ドの一端側を支持する支持部を設けたことを特徴とす
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態の車
両用ウォッシャタンク６を図１ないし図７に基づいて説
明する。なお、図８及び図９に示す部材、部分と同等の
部材、部分についての説明、図示は、適宜、省略する。

【００１０】図１において、バッテリー５はラジエター
４の後方において、車両１に対して斜めに配置されてい
る。ウォッシャタンク６は、ウォッシャ液を貯留する、
略矩形で中空のトレー部１２と、図１及び図２に示すよ
うにトレー部１２から立ち上がるようにしてこのトレー
部１２に連通してウォッシャ液を貯留する、平面視略コ
字形の囲い部１３と、から大略構成されている。囲い部
１３は、中央部分の囲い部本体１４と、この囲い部本体
１４にほぼ直交するようにして連通された第１、第２の
肩部１５，１６とから大略構成されている。第１の肩部
１５の上面部の図示しない開口部にキャップ１７が着脱
可能に取付けられている。

【００１１】前記バッテリー５は、図４及び図７に示す
ように、トレー部１２に載置され、かつ囲い部１３に囲
まれて配置されている。すなわち、バッテリー５のラジ
エター４及びエンジン３に対面する側面部（以下、便宜
上、第１側面部という。）５ａが囲い部本体１４で、第
１側面部５ａに直交する両側面部（以下、便宜上、第
２、第３側面部５ｂ，５ｃという。）がそれぞれ第１、
第２の肩部１５，１６に対面するように、バッテリー５
がウォッシャタンク６に載置されている。

【００１２】囲い部本体１４及び第２の肩部１６の外面
壁には、図２、図３、図６に示すように、２条の凹溝１
８が形成されており、バッテリー５に接続されるバッテ
リーケーブル１９が収納して配置されるようになってい
る。囲い部本体１４における凹溝１８を形成した部分に
は、図２及び図５に示すように、凹溝１８上に延びるよ
うに２枚の板状のクランプ部材（保持部）２０が相対向
して設けられており、凹溝１８に配置されたバッテリー
ケーブル１９を押えるようにしている。

【００１３】囲い部本体１４の上面部におけるバッテリ
ー５側には、図２に示すように、外方に突出する突起部
（支持部）２１が形成されている。突起部２１の略中央
部分には、孔２２が形成されており、この孔２２に、バ
ッテリー５を固定するバッテリーバンド２３の一端側が
挿入されて突起部２１に支持されるようになっている。
バッテリーバンド２３の他端側は、バッテリー５の上方
から車体のサスペンションストラット９の設置部分２４
に延び、ボルト２５によりサスペンションストラットの
設置部分２４に固定される。

【００１４】なお、図２及び図３中、２６は第１、第２
の肩部１５，１６に取付けたブラケットであり、このブ
ラケット２６を図示しない車体にボルト２７で結合する
ことにより、ウォッシャタンク６を車体に支持するよう
にしている。

【００１５】上述したように構成したウォッシャタンク
６では、囲い部１３がラジエター４及びエンジン３から
の熱を遮断してバッテリー５の液温の上昇を防止する。
このため、上述した従来技術で必要とされた断熱材を別
個に設けなくて済み、断熱材を省略する分、部品点数を
削減できる。また、従来技術で断熱材を配置するために
必要とされたスペースが不要となるので、この省略され
る断熱材の配置スペース分だけ、ウォッシャタンク６を
大きくしたり、エンジンルーム２の狭小化を図ったりす
ることが可能となる。

【００１６】一方、囲い部１３はラジエター４及びエン
ジン３からの熱を吸収し、これによりウォッシャタンク
６内のウォッシャ液の温度が上昇する。このため、ウォ
ッシャ液の凍結防止を図ることができる。

【００１７】また、凹溝１８及びクランプ部材２０を設
けているので、バッテリーケーブル１９をガイドして固
定することが可能となり、別個に専用のバッテリーケー
ブル用固定部材を設けなくて済む。バッテリーバンド２
３の一端側を突起部２１が支持するので、専用のバッテ
リーバンド用支持部材を別個に設けなくて済む。専用の
バッテリーケーブル用固定部材及び専用のバッテリーバ
ンド用支持部材を別個に設けなくて済むことにより、そ
の分、更に部品点数が削減される。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
た車両用ウォッシャタンクであるから、囲い部がラジエ
ター及びエンジンからの熱を遮断するので、別個に断熱
材を設けなくて済み、その分、ウォッシャタンクを大き
くでき、かつ部品点数が削減される。ラジエター及びエ
ンジンからの熱を囲い部が吸収して、タンク内のウォッ
シャ液の温度が上昇するので、ウォッシャ液の凍結防止
を図ることができる。凹溝及び保持部を設けているの
で、バッテリーケーブルをガイドして固定することが可
能となり、別個に専用のバッテリーケーブル用固定部材
を設けなくて済む。バッテリーバンドの一端側を支持す
る専用のバッテリーバンド用支持部材を別個に設けなく
て済む。専用のバッテリーケーブル用固定部材及びバッ
テリーバンド用支持部材を別個に設けないことにより、
その分、更に部品点数が削減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の車両用ウォッシャタン
ク及びエンジンルームを示す平面図である。

【図２】同車両用ウォッシャタンクを示す斜視図であ
る。

【図３】同車両用ウォッシャタンクを示す正面図であ
る。

【図４】同車両用ウォッシャタンクを示す下面図であ
る。

【図５】図２のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図６】図２のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図７】図２のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。

【図８】エンジンルーム及び車両用ウォッシャタンクの
一例を示す平面図である。

【図９】バッテリーを斜めにおいたエンジンルームの一
例を示す平面図である。

【符号の説明】

４ ラジエター ５ バッテリー ６ ウォッシャタンク １８ 凹溝 １９ バッテリーケーブル ２０ クランプ部材（保持部） ２１ 突起部（支持部） ２３ バッテリーバンド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ラジエターの後部に配置される車両用ウ
   ォッシャタンクであって、バッテリーの前記ラジエター
   及びエンジンに対面する側面部を含むようにしてバッテ
   リーを囲う平面視略コ字形の囲い部を設け、該囲い部の
   外面壁に、前記バッテリーに接続されるバッテリーケー
   ブルを配置する凹溝を形成し、該凹溝を形成した部分に
   バッテリーケーブルを保持する保持部を形成し、かつ前
   記囲い部に、前記バッテリーを固定するバッテリーバン
   ドの一端側を支持する支持部を設けたことを特徴とする
   車両用ウォッシャタンク。