JPH1016528A - 車高調節装置 - Google Patents

車高調節装置

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JPH1016528A
JPH1016528A JP17512596A JP17512596A JPH1016528A JP H1016528 A JPH1016528 A JP H1016528A JP 17512596 A JP17512596 A JP 17512596A JP 17512596 A JP17512596 A JP 17512596A JP H1016528 A JPH1016528 A JP H1016528A
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JP
Japan
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vehicle height
vehicle
adjustment
cycle
air
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JP17512596A
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English (en)
Inventor
Yasumitsu Sasaki
康充 佐々木
Takanori Endo
隆典 遠藤
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Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な車高調節を合理的に行うとともに、不
必要な車高調節を行わないようにする。 【解決手段】 車台に対する車体の高さを検出する車高
センサの検出出力を周期T毎に取込みその周期の複数n
回にわたり連続して調節閾値を越えるときに限りエアス
プリングの空気圧力を調節する調節弁手段に制御出力を
周期Tより十分に短い時間tだけ送出する。 【効果】 不必要な調節が行われることにより消費され
る圧縮空気を小さくすることができ、これにより圧縮空
気放出時に生じる騒音を少なくすることができるととも
に、高速道路の緩やかなカーブなどにおける自動車の走
行バランスを改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車その他走行
車両に利用する。本発明は、エアスプリングの空気圧力
を調節することにより車体の高さを調節する装置の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】大型自動車、特に大型バスに、車台と車
体との間に車体の高さを調節するエアスプリングを設
け、このエアスプリングの空気圧力を車高に応じて自動
的に調節する装置が広く利用されている。旧い装置で
は、車高の検出および空気圧力を調節する調節系はいず
れも機械系によっていたが、車高(車台と車体との間の
長さ)を電気的に検出する車高センサおよびこの電気的
な検出出力を利用してプログラム制御回路により調節弁
を制御する装置が開発された(特願平7−169875
号、本願出願時において未公開)。この装置は、長距離
バスや観光バスに利用され、乗客の乗り心地がよいこと
から好評を得ている。
【0003】この装置は、車高センサとしてリアクトル
回路を用いて(特開昭63−225102号公報参照)
高い精度で検出し、その検出出力の所定時間にわたる平
均値を演算して、車高が一定に維持されるように制御す
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この装置は、細かいし
かも滑らかな制御が行われることから乗り心地はよい
が、圧縮空気の消耗が大きくなる。また、エアスプリン
グから空気圧を放出するときに短い空気音(シュ)がす
るので、夜間の長距離バスなどでは乗客の眠りを妨げる
ことになる。
【0005】本願発明者は、大型バスの実際の走行状態
をさまざまな状況のもとで計測し、圧縮空気の消耗状況
について検討した。その結果、従来装置で行われている
平均値の演算はさらに改良することができることを発見
した。特に、高速道路を走行中に、一時的に緩いしかも
長いカーブがあるような状況下で、本来エアスプリング
の圧力調節が不要であるにもかかわらず、演算により調
節が行われることがあることがわかった。このような状
況の下では、カーブに入ると圧力調節が行われ、カーブ
が終わると再度圧力調節が逆方向に行われることにな
る。これは圧縮空気のむだになる。また、車両の走行速
度が大きいときには、緩いカーブを走行中も遠心力の作
用により全部の車輪に均等な力が加わることが適当であ
るにもかかわらず、カーブに入ったときに圧力調節が行
われると、その後のカーブの走行は各車輪の加重分担が
不適当な圧力状態になることがあることなどがわかっ
た。
【0006】本発明はこのような背景に行われたもので
あり、制御論理の演算を改良するものである。
【0007】本発明は、必要な調節を合理的に行うとと
もに、不必要な調節が行われることにより失われる圧縮
空気を小さくすることを目的とする。本発明は、騒音を
小さくすることができる装置を提供することを目的とす
る。本発明は、自動車の走行バランスを改善することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、車台と車体と
の間の高さを調節するエアスプリングの空気圧力を段階
的に制御し合理的な調節を行うことを特徴とする。
【0009】すなわち、本発明は、車台と車体との間に
設けられたエアスプリングの空気圧力を調節する調節弁
手段と、車台に対する車体の高さを検出する車高センサ
と、この車高センサの検出出力を取込み前記調節弁手段
を制御するプログラム制御回路とを備えた車高調節装置
において、前記プログラム制御回路は、前記車高センサ
の検出出力を繰り返し取込み周期T毎にその検出出力の
平均値を演算しその周期の複数n回にわたり連続して調
節閾値を越えるときに限り前記調節弁手段に制御出力を
時間t(前記周期Tより十分に短い時間)だけ送出する
手段を備えたことを特徴とする。
【0010】前記プログラム制御回路は、車両の乗降扉
が開いている状態では前記Tおよびまたはnを自動的に
小さく設定する手段と、車両の速度情報を取込む手段
と、車両の速度が小さいときには前記Tおよびまたはn
を自動的に小さく設定する手段とを含み、前記周期Tは
3秒ないし120秒の範囲に設定され、前記回数nは3
ないし9の範囲に設定されることが望ましい。
【0011】プログラム制御回路は、車高センサの検出
出力を例えば30msec毎に繰り返し取込み周期T
(例えば15秒)毎にその平均値を算出しその周期にお
ける平均車高を演算し調節閾値と比較する。周期Tの複
数n回(例えば4回)にわたり連続してその調節閾値か
らはずれたとき、すなわち車高が調節閾値よりも高くな
ったか、あるいは低くなったときに限り周期Tより十分
に短い時間t(例えば0.3秒)だけ制御出力を送出し
エアスプリングの空気圧力を調節して車高を所定の値に
維持する。
【0012】このように本発明は、演算を実行してから
「時間t」という短い時間だけ少量の圧力調節を行い、
その後にまた状態の検出を行う、という段階的かつ間欠
的な制御に一つの特徴がある。すなわち、車高センサの
検出出力に応じて連続的に制御を実行するのではなく、
車高センサの検出出力を取込み、演算を実行し、その演
算の結果調節(圧力増大、または圧力減少)が必要とな
ったときに、少量一段階の圧力調節を行い、さらにまた
車高センサの検出監視を続ける。つまり、圧力調節は車
高センサが反応するまで連続的に実行してしまうのでは
なく、段階的に調節してまた様子を見るという間欠的な
制御である。
【0013】この時間tは、一段階の大きさを決める要
素であって、t≪T である。この時間tは、エアスプ
リングに圧力を供給するとき、あるいはエアスプリング
の圧力を放出するときとで異なる時間を設定することが
できる。
【0014】車両の乗降扉が開いている状態のときは、
乗客の移動が頻繁に行われる。例えば、大型バスがサー
ビスエリアで休憩をとっている状態の場合には、乗客の
乗降が不規則に行われて車体にかかる重量が小刻みに変
動する。このように車高の変動がはげしいときには車高
センサの検出出力を取込む周期Tを小さく設定するとと
もに、調節閾値と比較する判定回数nを小さく設定す
る。周期Tおよび判定回数nを小さくすれば調節閾値と
の比較演算は短い周期で行われ、小刻みな車高の変動に
対応した調節を行うことができ、車高をほぼ一定に保つ
ことによって乗客の乗降時に不便さを感じさせないよう
にすることができる。
【0015】一般に走行速度が大きい場合は車高の変動
は小さく、走行速度が小さい場合は車高の変動は大きく
なる。そこで速度センサから速度情報を取込み、車高の
速度が小さいときには車高センサの検出出力を取込む周
期Tを小さく設定するとともに、演算する周期Tの回数
を小さく設定する。これにより必要とされる車高調節を
合理的に行い、ローリングあるいはピッチングなどによ
る不必要な車高調節は行わないようにすることができ
る。本発明では、高速道路上ではカーブが緩やかであれ
ば大きい速度で走行が行われるが、高速走行の場合には
車高検出の検出出力を取込む周期Tおよび演算する回数
nが大きく設定されるので、車高調節は頻繁に行われ
ず、したがって遠心力の作用を受けてもすべての車輪に
均等に力が配分され走行バランスが改善される。
【0016】車高センサの検出出力を取込む周期Tおよ
びその演算回数nは3秒ないし120秒および3ないし
9の範囲で適宜選択することができる。
【0017】このような段階的かつ間欠的な制御を行う
ことによって、合理的な車高調節を行うことができ、こ
れにより圧縮空気がむだに使われることが避けられ、圧
縮空気放出時に生じる騒音発生を減らすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
【0019】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0020】(第一実施例)図1は本発明第一実施例の
要部の構成を示すブロック図である。ここではフロント
系の車高調節装置についてのみ図示されているが、リヤ
系についても同様の調節をすることができ、この図面か
らは詳しい記載は省略されている。
【0021】本発明第一実施例は、車台と車体との間に
設けられたエアスプリング1の空気圧力を調節する調節
弁手段2と、車台に対する車体の高さを検出する車高セ
ンサ3と、この車高センサ3の検出出力を取込み調節弁
手段2を制御するプログラム制御回路4とが備えられ、
プログラム制御回路4には、車高センサ3の検出出力を
繰り返し取込み周期T毎にその検出出力の平均値を演算
しその周期の複数n回にわたり連続して調節閾値を越え
るときに限り調節弁手段2に制御出力を時間t(前記周
期Tより十分に短い時間)だけ送出する手段と、車両の
乗降扉が開いていることを示すドアスイッチ5からの出
力がある状態では周期Tおよび回数nを自動的に小さく
設定する手段と、車速センサ6から車両の速度情報を取
込む手段と、車両の速度が小さいときには周期Tおよび
回数nを自動的に小さく設定する手段とが含まれる。周
期Tは3秒ないし120秒の範囲に設定され、回数nは
3ないし9の範囲に設定される。
【0022】エアスプリング1は本第一実施例の場合2
系統設けられ、調節弁手段2には、その2系統にそれぞ
れ設けられた開閉バルブ21および22と、エアタンク
7の空気圧力をこの開閉バルブ21および22に連通さ
せる給気状態とこの開閉バルブ21および22の圧力を
大気圧に放出させる排気状態とを切替える給排気バルブ
20とが備えられ、開閉バルブ21、22および給排気
バルブ20は、いずれも制御空気圧により制御される圧
力制御形である。この制御空気圧は前記2系統のオンオ
フ信号により制御される。
【0023】給排気バルブ20および開閉バルブ21の
空気通路には、プログラム制御回路4からの制御信号に
したがって制御空気圧を開閉する制御空気圧バルブ23
および24が配置され、エアタンク7と給排気バルブ2
0とを接続する空気圧通路にはエアスプリング1側の空
気圧が減圧してエアタンク7側の空気圧が規定値より下
がるのを防ぐためのエア圧保護用のプロテクション・バ
ルブ11が配置される。
【0024】プログラム制御回路4には、車高センサ3
および車速センサ6のほかに、キー・スイッチ12と、
フロント系およびリヤ系の車高を下げるための操作入力
を行うフェリー・スイッチ13と、フロント系の車高を
下げるための操作入力を行うクラウチング・スイッチ1
4と、異常発生時に警報音を発生する警報ブザー15
と、異常発生時に点灯する警報ランプ16とが入力信号
として接続される。
【0025】次に、このように構成された本発明第一実
施例の車高調節制御動作について説明する。図2は本発
明第一実施例におけるプログラム制御回路による車高調
節制御動作の流れを示すフローチャートである。
【0026】プログラム制御回路は計時開始後に車高セ
ンサ3の検出出力を例えば30msec毎に取込む。こ
の取込んだ車高値をあらかじめ定められた周期T(例え
ば15秒)の間で平均値をとり、その周期Tが経過した
か否かを判定する。周期T(15秒)が経過していれば
計時をリセットし、車高センサ3の検出出力の平均値を
あらかじめ定められた回数n(例えば4回)取込んだか
否かを判定する。回数がn(4回)に達していなけれ
ば、n(4回)に達するまで車高センサ3の出力の取込
みを継続する。n(4回)に達していればその検出値の
平均値が調節閾値を連続してはずれたか否かを判定す
る。
【0027】ここで、車高が調節閾値よりも高すぎる場
合を「H」とし、低すぎる場合を「L」とし、かつ調節
の必要がない閾値の範囲内にある場合を「E」としたと
きに、図3に示すように、最初の周期で「H」が検出さ
れてもただちに車高調節を行わずに次の周期での検出出
力を取込む。車高は調節閾値の範囲内である「E」が示
されているので、さらに次の周期での検出出力を取込
む。
【0028】判定回数が3回から5回までは連続して
「L」が示されたが6回目に「H」が示されているの
で、順次周期T毎に車高センサ3の検出出力を取込む。
6回目から9回目までに「H」が連続して4回検出され
たので、車高が異常に高くなったとして9回目の判定直
後に時間t(例えば0.3秒)だけ調節弁手段2に制御
出力を送出し車高を調節する。
【0029】また、車高が調節閾値を下回った場合も同
様に連続して4回検出されたときに、プログラム制御回
路4は4回検出された直後に時間t=0.3秒だけ調節
弁手段2に制御出力を送出し車高を調節する。図4はそ
の例を示したもので、この例の場合は判定回数5回から
8回までに4回連続して「L」が示されている。
【0030】図5は調節閾値内の車高値が調節閾値を越
えた車高値で挟まれた状態を示したものである。この例
では判定回数3回目および4回目で「H」が示され、5
回目で「E」が示され、続いて6回目および7回目で
「H」が示されている。この場合は「E」が一つだけ挟
まれているので、この「E」は無視して「H」の状態が
4回連続したとみなし、4回連続したという判定の直後
に調節弁手段2に制御出力を送出して車高を調節する。
8回目および9回目では「E」の状態が連続して示され
ているが、「E」が二つ以上連続して挟まれた場合は無
視せずに調節閾値を越えていなかったものとして車高を
調節しない。「E」が二つ以上「L」の間に挟まれた場
合も同様に判定する。
【0031】図6は車高が調節閾値の範囲内にある状態
「E」が5回連続した例を示したものである。このよう
な状態のときは車高は調節閾値内にあり安定しているの
で車高調節の制御は停止する。
【0032】このように、本発明は、車高センサ3の検
出出力に応じて連続的に制御を行わずに、取込んだ車高
センサの検出出力が調節閾値を所定回数連続してはずれ
たときに、時間t=0.3秒という短い時間だけ段階的
に車高を調節し、ローリングあるいはピッチングによる
瞬間的な車高の変化は制御の対象にしないところに特徴
がある。これによりエアスプリング1への空気圧の供給
およびエアスプリング1からの空気圧の放出が頻繁に行
われることがなくなり、圧縮空気の使用を合理的に行う
ことができる。なお、エアスプリング1に空気圧力を供
給するとき、あるいはエアスプリング1の空気圧力を放
出するときの時間tはそれぞれ異なる時間を設定するこ
とができる。
【0033】図7は本発明第一実施例におけるプログラ
ム制御回路による車速に応じた車高調節制御動作の流れ
を示すフローチャートである。
【0034】プログラム制御回路4は、前述した通常時
における車高調節制御に加えて、車速センサ6の検出出
力を取込み、その車速が所定値以下であるか否かを判定
する。通常、路面が良好で車体が安定した状態にあれば
車速は大きくなる。そこであらかじめ車高調節を必要と
する車速を定めておき、この車速以下の範囲で車高制御
を小刻みに行う。所定値以下の車速は複数の段階v1
n に区分しておき、車速が所定値以下の場合に、取込
んだ車速がどの区分に属するかを識別し、その車速に応
じて周期Tおよび判定回数nを設定すれば合理的な制御
を行うことができる。
【0035】図8はその一例を示したものである。路面
の状態が悪い場合、あるいは発進および停止を繰返すよ
うな場合は低速走行となり車高の変動は大きくなる。こ
れに対応するように低速v1 では周期Tを3秒とし、判
定を1回で行うように設定する。車速がv2 、v3 、…
n のように大きくなるにともなって周期Tを5秒、1
0秒、15秒のように大きくし、その判定回数も2回連
続、3回連続、4回連続のように大きくする。このよう
に車速を加味した制御を行うことによって車高調節をさ
らに合理的にすることができる。
【0036】図9は本発明第一実施例における乗降扉の
開閉にともなった車高調節制御動作の流れを示すフロー
チャートである。
【0037】プログラム制御回路4は、ドアスイッチ5
の出力を取込み、乗降扉が開放されているか否かを判定
する。乗降扉が閉じていれば通常の車高調節制御を行
い、乗降扉が開放されていれば、車高の変動の頻度が大
きいので、周期Tを3秒、判定回数を1回のように設定
し、この設定値にしたがった車高調節制御を実行する。
【0038】ここで、本発明第一実施例における車高調
節動作について説明する。
【0039】プログラム制御回路4は、車高センサ3か
らの検出出力を取込み、車高が走行に支障のない正常な
値を示す維持モード時には、給排気バルブ20を排気状
態にしてエアタンク7からの空気圧を遮断し、調節弁手
段2の開閉バルブ21および22を断状態にしてエアタ
ンク7からエアスプリング1への空気圧の供給を停止す
るとともに、エアスプリング1からの空気圧の放出を遮
断し、正常な車高を維持する。
【0040】車高センサ3により車高が正常な範囲の下
限値以下になったことが検出されると、プログラム制御
回路4は供給モードを設定し、その検出出力により、制
御空気圧バルブ23に制御信号を送出し開閉バルブ21
および22を導通状態にするとともに、制御空気圧バル
ブ24にも制御信号を送出し給排気バルブ20を給気状
態にする。
【0041】これにより、エアタンク7からの空気圧は
給排気バルブ20を経て開閉バルブ21および22から
エアスプリング1に供給され、車高を上昇させる。車高
センサ3が正常位置に戻されたことを検出すると、プロ
グラム制御回路4は制御空気圧バルブ23、24に制御
信号を送出して開閉バルブ21および22を断状態にす
るとともに、給排気バルブ20を排気状態にしエアタン
ク7からの空気圧供給を停止する。これにより、エアス
プリング1への空気圧供給は停止し正常な車高が維持さ
れる。
【0042】車高センサ3の検出値が正常な範囲の上限
値を越えたことを検出したときには、プログラム制御回
路4は放出モードを設定し、その検出出力により、制御
空気圧バルブ23に制御信号を送出し開閉バルブ21、
22を導通状態にするとともに、制御空気圧バルブ24
に制御信号を送出し給排気バルブ20を排気状態にす
る。これによりエアスプリング1内の空気圧は開閉バル
ブ21および22を通って給排気バルブ20に送られ大
気圧に放出される。
【0043】車高センサ3により車高が正常な位置に戻
されたことが検出されると、プログラム制御回路4は、
制御空気圧バルブ23および24に制御信号を送出して
開閉バルブ21および22を断状態にするとともに、給
排気バルブ20を排気状態に維持する。これにより正常
な車高が維持される。
【0044】エアタンク7からエアスプリング1への空
気圧の供給はプロテクション・バルブ11を介して行わ
れるが、このプロテクション・バルブ11は、車両が走
行中に何らかの原因でエアスプリング1側に異常が発生
し、エアタンク7内の空気圧が所定値以下になったとき
に、エアスプリング1側への空気圧の供給を停止し、ブ
レーキ系統に影響がおよばないようにして安全を維持す
る。
【0045】なお、パーキング・レバー(図示せず)が
引かれた状態で、クラウチング・スイッチ14が操作さ
れると、作動ランプが点灯し、プログラム制御回路4が
その操作出力を受けて、制御空気圧バルブ23および2
4を動作させ、開閉バルブ21および22が接続して導
通状態になるようにするとともに、給排気バルブ20を
排気状態にして、エアスプリング1内の空気圧を大気圧
に放出し車高を下降させる。フェリー・スイッチ13が
操作された場合にはリヤ系車高調節手段も同時に動作さ
せて全体の車高を下降させる。誤操作が行われた場合に
は警報ブザー15から警報音が発せられるとともに、警
報ランプ16が点灯しその事態が通報される。
【0046】(第二実施例)図10は本発明第二実施例
の要部の構成を示すブロック図である。本第二実施例の
場合もフロント系の車高調節装置についてのみ図示され
リヤ系については省略されている。
【0047】本発明第二実施例は、異常発生時の安全性
をさらに高めるために、第一実施例の構成に加えて、エ
アスプリング1の少なくとも一つの空気圧に非常用調節
弁8が接続され、この非常用調節弁8は、プログラム制
御回路4とは独立の機械的調節系を備え、この機械的調
節系は車軸と車体との間の距離が正常制御範囲ではあり
得ない第一の設定値を越えたときに接続されたエアスプ
リング1の空気圧を自動的に大気圧に放出させるように
設定される。非常用調節弁8には、レバー80と、圧力
入力端子81と、圧力出力端子82と、信号圧力端子8
3と、大気圧に連通する放出端子84とが備えられる。
【0048】信号圧力端子83には、手動操作により所
定値を越える空気圧を印加させる非常モード設定手段が
備えられ、この非常モード設定手段は、正常時にその出
力端子に空気圧が現れ非常時にその空気圧が遮断される
非常切替バルブ9と、この非常切替バルブ9の出力端子
に空気圧がないときに信号圧力端子83に空気圧を供給
するインバージョンバルブ10とが含まれる。信号圧力
端子83に所定値を越える空気圧が印加されたときには
機械的に非常モードが設定され、この非常モードでは、
車軸と車体との間の距離が正常制御範囲外の大きい値で
ある第二の設定値を越えて大きくなるときに当該エアス
プリング1の空気圧を自動的に大気圧に放出させ、同じ
く制御範囲外の小さい値である第三の設定値を越えて小
さくなるときに圧力入力端子81の圧力を当該エアスプ
リング1に供給する構造に構成される。
【0049】すなわち、信号圧力端子83に印加されて
いる空気圧が所定値以下であるときには正常モードが機
械的に設定され、その空気圧がその所定値を越えるとき
には非常モードが機械的に設定される。正常モードで
は、レバー80に与えられる変位が第一の設定値より小
さいときに圧力出力端子82を閉塞させ、レバー80に
与えられる変位が第一の設定値より大きいときに圧力出
力端子82の圧力を放出端子84に連通させる。また、
非常モードでは、レバー80に与えられる変位が第二の
設定値より小さいときに圧力入力端子81の圧力を圧力
出力端子82に連接させ、レバー80に与えられる変位
が第三の設定値より大きいときに圧力出力端子82の圧
力を放出端子84に連通させ、レバー80に与えられる
変位が第二の設定値および第三の設定値の間にあるとき
には、圧力出力端子82を閉塞させる。
【0050】本第二実施例の場合もプログラム制御回路
4による車高調節制御動作は第一実施例同様に行われ
る。
【0051】ここで、非常用調節弁8による異常発生時
の動作について説明する。車高調節制御が正常に行われ
ているときは非常切替バルブ9は操作されない。このと
き非常切替バルブ9は接状態にあってエアタンク7から
の空気圧がインバージョンバルブ10に印加されている
ので、インバージョンバルブ10は排気状態にある。し
たがって非常用調節弁8の圧力入力端子81および信号
圧力端子83には空気圧は印加されず非常用調節弁8の
レバー80は水平の位置(正常な車高)にある。
【0052】図11は本発明第二実施例における非常用
調節弁のレバー位置と各設定値の関係を説明する図であ
る。調節弁手段2などの故障によりエアスプリング1へ
の空気圧供給の停止が不能となり、車軸と車体との間の
距離が正常制御範囲にない車高を示す第一の設定値を越
えた状態になると、非常用調節弁8は圧力出力端子82
と放出端子84とを連接してエアスプリング1の空気圧
を排出し車高が所定値以上にならないようにする。この
ときプログラム制御回路4は異常発生を警報ブザー15
および警報ランプ16から通報する。
【0053】運転者がこの通報にしたがって非常切替バ
ルブ9を操作すると、非常切替バルブ9は排気状態とな
り、その出力端子からインバージョンバルブ10に加わ
っていた制御空気圧がなくなる。これにともなってイン
バージョンバルブ10は接続されて導通状態となり、非
常用調節弁8の圧力入力端子81および信号圧力端子8
3にエアタンク7からの空気圧が供給される。信号圧力
端子83に空気圧を受けた非常用調節弁8の機械的調節
系は、車軸と車体との間の距離が正常状態の上限および
下限で制御される第二の設定値を設定しその値にしたが
って車高制御を行う。
【0054】このように、非常用調節弁8を設けること
により、制御系が何らかの原因で故障したときに制御不
能にならないように二重に安全を確保することができ
る。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、必
要な車高調節を合理的に行うとともに、不必要な車高調
節、例えば車両のローリングあるいはピッチングなどに
よる車高の変化の調節を行わないようにすることができ
る。これにより不必要な車高調節によって失われる圧縮
空気量を少なくすることができ、圧縮空気放出時に生じ
る騒音を減らすことができる。さらに、大きい走行速度
で緩やかなカーブを走行しているときには圧力調節が行
われないので、各車輪への加重分担が均等になり走行バ
ランスを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の要部の構成を示すブロック
図。
【図2】本発明第一実施例におけるプログラム制御回路
による車高調節制御動作の流れを示すフローチャート。
【図3】本発明第一実施例における車高値が所定回数に
わたり連続して調節閾値を越えた状態を説明する図。
【図4】本発明第一実施例における車高値が所定回数に
わたり連続して調節閾値を下回った状態を説明する図。
【図5】本発明第一実施例における調節閾値内の車高が
調節閾値を越えた車高で挟まれた状態を説明する図。
【図6】本発明第一実施例における車高値が連続して調
節閾値内にある状態を説明する図。
【図7】本発明第一実施例におけるプログラム制御回路
による車速に応じた車高調節制御動作の流れを示すフロ
ーチャート。
【図8】本発明第一実施例における車速に応じた周期T
および判定回数nの設定を説明する図。
【図9】本発明第一実施例におけるプログラム制御回路
による乗降扉開閉にともなった車高調節制御動作の流れ
を示すフローチャート。
【図10】本発明第二実施例の要部の構成を示すブロッ
ク図。
【図11】本発明第二実施例における非常用調節弁のレ
バー位置と各設定値の関係を説明する図。
【符号の説明】
1 エアスプリング 2 調節弁手段 3 車高センサ 4 プログラム制御回路 5 ドアスイッチ 6 車速センサ 7 エアタンク 8 非常用調節弁 9 非常切替バルブ 10 インバージョンバルブ 11 プロテクション・バルブ 12 キー・スイッチ 13 フェリー・スイッチ 14 クラウチング・スイッチ 15 警報ブザー 16 警報ランプ 20 給排気バルブ 21、22 開閉バルブ 23、24 制御空気圧バルブ 80 レバー 81 圧力入力端子 82 圧力出力端子 83 信号圧力端子 84 放出端子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車台と車体との間に設けられたエアスプ
    リングの空気圧力を調節する調節弁手段と、車台に対す
    る車体の高さを検出する車高センサと、この車高センサ
    の検出出力を取込み前記調節弁手段を制御するプログラ
    ム制御回路とを備えた車高調節装置において、 前記プログラム制御回路は、前記車高センサの検出出力
    を繰り返し取込み周期T毎にその検出出力の平均値を演
    算しその周期の複数n回にわたり連続して調節閾値を越
    えるときに限り前記調節弁手段に制御出力を時間t(前
    記周期Tより十分に短い時間)だけ送出する手段を備え
    たことを特徴とする車高調節装置。
  2. 【請求項2】 前記プログラム制御回路は、車両の乗降
    扉が開いている状態では前記Tおよびまたはnを自動的
    に小さく設定する手段を含む請求項1記載の車高調節装
    置。
  3. 【請求項3】 前記プログラム制御回路は、車両の速度
    情報を取込む手段と、車両の速度が小さいときには前記
    Tおよびまたはnを自動的に小さく設定する手段とを含
    む請求項1記載の車高調節装置。
  4. 【請求項4】 前記周期Tは3秒ないし120秒の範囲
    に設定された請求項1ないし3記載の車高調節装置。
  5. 【請求項5】 前記回数nは3ないし9の範囲に設定さ
    れた請求項1ないし3記載の車高調節装置。
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