JPH10163391A - 半導体装置 - Google Patents
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- JPH10163391A JPH10163391A JP31770896A JP31770896A JPH10163391A JP H10163391 A JPH10163391 A JP H10163391A JP 31770896 A JP31770896 A JP 31770896A JP 31770896 A JP31770896 A JP 31770896A JP H10163391 A JPH10163391 A JP H10163391A
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Abstract
スプレッダーを接着フィルムを用いて取り付ける。 【解決手段】(1)エポキシ樹脂及びその硬化剤100
重量部に対し、(2)グリシジル(メタ)アクリレート
2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−10℃
以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ
基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならび
に(3)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤、ま
たは、(2)項に代えてエポキシ樹脂と相溶性がありか
つ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂10〜40
重量部を含む接着剤をベースフィルム上に形成して得ら
れる接着フィルムを用いて半導体チップとヒートスプレ
ッダーを接着させる。
Description
いて半導体チップとヒートスプレッダーを接着させた半
導体装置に関する。
搭載密度が高くなり、半導体装置の小型化が進められ、
半導体チップとほぼ同等な大きさであるチップサイズパ
ッケージまたはチップスケールパッケージ(CSP、以
下CSPと称することがある)が用いられている。
と呼ばれる半導体チップと外部端子をつなぐ基板に実装
して成形されたもので、半導体ベアチップと異なり、良
品検査を終えた信頼性のある電子部品である。これらの
CSPに使われるインターポーザーとしては、半導体チ
ップの熱膨張係数約4ppm/℃に近い熱膨張係数を有
するアルミナ等のセラミック基板や柔軟性のあるポリイ
ミドテープまたは厚いポリイミド基板などが用いられて
いることが日経エレクトロニクス1996年No.66
8号に記載されている。また、CSPでは、半導体チッ
プをインタポーザーに固定する際に接着剤を用いてお
り、セラミック基板をインターポーザーに用いた場合
は、銀ペーストに代表される液状の接着剤が使われてい
る。
プリント配線板等で用いられ、アクリロニトリルブタジ
エンゴムを主成分とする系が多い。特開昭60−243
180号公報には、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リイソシアネート及び無機フィラーを含む接着剤が記載
され、特開昭61ー138680号公報には、アクリル
系樹脂、エポキシ樹脂、分子中にウレタン結合を有する
両末端が第1級アミン化合物及び無機フィラーを含む接
着剤が記載されている。
時の発熱量が多くなってきており、半導体装置の発熱を
抑制するために、動作電圧の低減やロスの少ない設計等
の本質的な改善とともに、ファンを設置した強制冷却や
放熱のためのヒートスプレッダー及び放熱フィンの設置
等の対策が取られている。
ーポーザーへの半導体チップ実装に銀ペースト接着剤を
使用すると、銀フィラーの沈降があるため分散が均一で
はないこと、ペーストの保存安定性に留意しなければな
らないこと、半導体チップ実装の作業性がLOC等に比
較して劣ることなどの問題があった。 また、フィルム
状接着剤は、アクリロニトリルブタジエンゴムを主成分
とする系が多く用いられているものの、高温で長時間処
理した後の接着力の低下が大きいことや、耐電食性に劣
ることなどの欠点があった。特に、半導体関連部品の信
頼性評価で用いられるPCT(プレッシャークッカーテ
スト)処理等の厳しい条件下で耐湿性試験を行った場合
の劣化が大きかった。特開昭60ー243180号公
報、特開昭61ー138680号公報に示されるもので
は、PCT処理等の厳しい条件下での耐湿性試験を行っ
た場合には、劣化が大きく不十分であった。
着剤を用いて半導体チップをインターポーザーに実装す
る場合には、半導体チップとインターポーザーの熱膨張
係数の差が大きくリフロー時にクラックが発生したり、
温度サイクルテストやPCT処理等の厳しい条件下での
耐湿性試験を行った場合の劣化が大きいため使用できな
かった。
ルミニウムや銅と半導体チップの接着剤にプリント配線
板関連材料としての接着剤を用いた場合には、部品間の
熱膨張係数が大きく、リフロー時や温度サイクルテスト
の際に発生するクラックおよび剥離が発生したり、PC
T処理等の厳しい条件下での耐湿性試験を行った場合の
劣化が大きく、使用できなかった。
有するCSPにおいて、ヒートスプレッダーとの熱膨張
係数の差が大きい半導体チップを接着する場合に必要な
耐熱性、耐電食性、耐湿性を有し、特に、PCT処理
等、厳しい条件下での耐湿性試験を行った場合の劣化が
小さくなる接着フィルムを用いて構成した半導体装置の
提供を課題とした。
させるためのヒートスプレッダーを有するチップサイズ
パッケージ(チップスケールパッケージ)において、半
導体チップとヒートスプレッダーを接着フィルムで接着
させた半導体装置であり、接着フィルムが、(1)エポ
キシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、(2)グ
リシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTg
(ガラス転移温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子
量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合
体100〜300重量部ならびに(3)硬化促進剤0.
1〜5重量部を含む接着剤で、具体的にはエポキシ樹脂
の硬化剤がフェノール樹脂である(1)エポキシ樹脂及
びフェノール樹脂100重量部に対し、(2)グリシジ
ル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTgが−1
0℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポ
キシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部な
らびに(3)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤
をベースフィルム上に形成して得られる接着フィルムを
ヒートスプレッダーとCSPの接着に使用した半導体装
置である。また本発明は、(1)エポキシ樹脂及びその
硬化剤100重量部に対し、(2)エポキシ樹脂と相溶
性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂
10〜40重量部、(3)グリシジル(メタ)アクリレ
ート2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−1
0℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポ
キシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部な
らびに(4)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤
で、具体的にはエポキシ樹脂の硬化剤がフェノール樹脂
で、エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が
3万以上の高分子量樹脂であるフェノキシ樹脂を用い
た、(1)エポキシ樹脂及びフェノール樹脂100重量
部に対し、(2)フェノキシ樹脂10〜40重量部、
(3)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を
含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万
以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜
3000重量部ならびに(4)硬化促進剤0.1〜5重
量部を含む接着剤をベースフィルム上に形成して得られ
る接着フィルムをヒートスプレッダーと半導体チップの
接着に使用した半導体装置に関するものである。本発明
は、好ましくは、上記接着フィルムを、DSC(示差走
査熱分析)を用いて測定した場合の全硬化発熱量の10
〜40%の発熱を終えた状態とする接着フィルムをヒー
トスプレッダーと半導体チップの接着に使用した半導体
装置に関するものである。また、接着剤硬化物の動的粘
弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率が、25℃で20〜
2,000MPaであり、260℃で3〜50MPaで
ある接着剤をベースフィルム上に形成して得られる接着
フィルムを用いてヒートスプレッダーと半導体チップの
接着に使用した半導体装置に関するものである。さら
に、本発明は、好ましくは、無機フィラーを接着剤10
0体積部に対し、1体積部以上で60体積部を超えない
範囲で含む接着剤であり、無機フィラーがアルミナ、シ
リカ、炭化ケイ素、窒化ホウ素や窒化アルミニウムであ
ると好ましいものである。そして、本発明は、ヒートス
プレッダーとしてアルミニウム、銅、アルミニウム合金
または銅合金のいずれかを用い、少なくとも接着フィル
ムと接触する部分にカップリング剤による表面処理が施
されているものを用いた半導体装置に関するものであ
る。
樹脂は、硬化して接着作用を呈するものであればよい。
二官能以上で、好ましくは分子量が5000未満、より
好ましくは3000未満のエポキシ樹脂が使用される。
特に、分子量が500以下のビスフェノールA型または
ビスフェノールF型液状樹脂を用いると積層時の流動性
を向上することができて好ましい。分子量が500以下
のビスフェノールA型またはビスフェノールF型液状樹
脂は、油化シェルエポキシ株式会社から、エピコート8
07、エピコート827、エピコート828という商品
名で市販されている。また、ダウケミカル日本株式会社
からは、D.E.R.330、D.E.R.331、
D.E.R.361という商品名で市販されている。さ
らに、東都化成株式会社から、YD128、YDF17
0という商品名で市販されている。
多官能エポキシ樹脂を加えてもよく、多官能エポキシ樹
脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂は、日本化薬株式会
社から、EPPN−201という商品名で市販されてい
る。また、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、住
友化学工業株式会社から、ESCN−001、ESCN
−195という商品名で、また、前記日本化薬株式会社
から、EOCN1012、EOCN1025、EOCN
1027という商品名で市販されている。
硬化剤として通常用いられているものを使用でき、アミ
ン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィッド、三弗化
硼素及びフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有す
る化合物であるビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビスフェノールS等が挙げられる。特に吸湿時の耐電食
性に優れるためフェノール樹脂であるフェノールノボラ
ック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂またはクレゾ
ールノボラック樹脂等を用いるのが好ましい。
本インキ化学工業株式会社から、フェノライトLF28
82、フェノライトLF2822、フェノライトTD−
2090、フェノライトTD−2149、フェノライト
VH4150、フェノライトVH4170という商品名
で市販されている。
進剤としては、各種イミダゾール類を用いるのが好まし
い。イミダゾールとしては、2−メチルイミダゾール、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2
−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられ
る。イミダゾール類は、四国化成工業株式会社から、2
E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名
で市販されている。
分子量が3万以上の高分子量樹脂としては、フェノキシ
樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹
脂、極性の大きい官能基含有ゴム、極性の大きい官能基
含有反応性ゴムなどが挙げられる。Bステージにおける
接着剤のタック性の低減や硬化時の可撓性を向上させる
ため重量平均分子量が3万以上とされる。前記極性の大
きい官能基含有反応性ゴムは、アクリルゴムにカルボキ
シル基のような極性が大きい官能基を付加したゴムが挙
げられる。ここで、エポキシ樹脂と相溶性があるとは、
硬化後にエポキシ樹脂と分離して二つ以上の相に分かれ
ることなく、均質混和物を形成する性質を言う。
ら、フェノトートYP−40、フェノトートYP−5
0、フェノトートYP−60等の商品名で市販されてい
る。高分子量エポキシ樹脂は、分子量が3万〜8万の高
分子量エポキシ樹脂、さらには、分子量が8万を超える
超高分子量エポキシ樹脂(特公平7−59617号、特
公平7−59618号、特公平7−59619号、特公
平7−59620号、特公平7−64911号、特公平
7−68327号公報参照)があり、何れも日立化成工
業株式会社で製造している。極性の大きい官能基含有反
応性ゴムとして、カルボキシル基含有アクリルゴムは、
帝国化学産業株式会社から、HTR−860Pという商
品名で市販されている。上記エポキシ樹脂と相溶性があ
りかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂の添加
量は、エポキシ樹脂を主成分とする相(以下エポキシ樹
脂相という)の可撓性の不足、タック性の低減やクラッ
ク等による絶縁性の低下を防止するため10重量部以
上、エポキシ樹脂相のTgの低下を防止するため40重
量部以下とされる。
量%を含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が
80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体
は、帝国化学産業株式会社から市販されている商品名H
TR−860P−3を使用することができる。官能基モ
ノマーが、カルボン酸タイプのアクリル酸や、水酸基タ
イプのヒドロキシメチル(メタ)アクリレートを用いる
と、架橋反応が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、
Bステージ状態での硬化度の上昇による接着力の低下等
の問題があるため好ましくない。また、官能基モノマー
として用いるグリシジル(メタ)アクリレートの量は、
2〜6重量%の共重合体比とする。接着力を得るため、
2重量%以上とし、ゴムのゲル化を防止するために6重
量%以下とされる。残部はエチル(メタ)アクリレート
やブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物を用
いることができるが、混合比率は、共重合体のTgを考
慮して決定する。Tgが−10℃未満であるとBステー
ジ状態での接着フィルムのタック性が大きくなり取扱性
が悪化するので、−10℃以上とされる。重合方法はパ
ール重合、溶液重合等が挙げられ、これらにより得るこ
とができる。
平均分子量は、80万以上とされ、この範囲では、シー
ト状、フィルム状での強度や可撓性の低下やタック性の
増大が少ないからである。
添加量は、フィルムの強度の低下やタック性が大きくな
るのを防止するため100重量部以上とされ、エポキシ
基含有アクリルゴムの添加量が増えると、ゴム成分の相
が多くなり、エポキシ樹脂相が少なくなるため、高温で
の取扱い性の低下が起こるため、300重量部以下とさ
れる。
するために、カップリング剤を配合することもできる。
カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ま
しい。 シランカップリング剤としては、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン等が挙げられる。
リシドキシプロピルトリメトキシシランがNUC A−
187、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが
NUC A−189、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランがNUC A−1100、γ−ウレイドプロピル
トリエトキシシランがNUC A−1160、N−β−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
がNUC A−1120という商品名で、いずれも日本
ユニカ−株式会社から市販されており、好適に使用する
ことができる。
果や耐熱性およびコストから、樹脂100重量部に対し
0.1〜10重量部を添加するのが好ましい。
時の絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を配合
することができる。イオン捕捉剤の配合量は、添加によ
る効果や耐熱性、コストより、5〜10重量部が好まし
い。イオン捕捉剤としては、銅がイオン化して溶け出す
のを防止するため銅害防止剤として知られる化合物例え
ば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元
剤を配合することもできる。ビスフェノール系還元剤と
しては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6
−第3−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−
(3−メチル−6−第3−ブチルフェノール)等が挙げ
られる。トリアジンチオール化合物を成分とする銅害防
止剤は、三協製薬株式会社から、ジスネットDBという
商品名で市販されている。またビスフェノール系還元剤
を成分とする銅害防止剤は、吉富製薬株式会社から、ヨ
シノックスBBという商品名で市販されている。
くすること、難燃性を与えること、溶融粘度を調整する
こと、チクソトロピック性を付与すること、表面硬度の
向上などを目的として、無機フィラーを接着剤100体
積部に対して1体積部以上で60体積部を超えない範囲
で配合することが好ましい。配合量が少ないと配合効果
に乏しく、配合量が多くなると、接着剤の貯蔵弾性率の
上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下
等の問題を起こすので60体積部以下とされる。
ム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミ
ニウム、ほう酸アルミニウムウイスカ、窒化ホウ素、結
晶性シリカ、非晶性シリカ、炭化ケイ素などが挙げられ
る。
化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シ
リカ、炭化ケイ素等が特に好ましい。この内、アルミナ
は、放熱性が良く、耐熱性、絶縁性が良好な点で好適で
ある。また、結晶性シリカまたは非晶性シリカは、放熱
性の点ではアルミナより劣るが、イオン性不純物が少な
いため、PCT処理時の絶縁性が高く、銅箔、アルミ
線、アルミ板等の腐食が少ない点で好適である。難燃性
を与えるためには、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム等が好ましい。溶融粘度の調整やチクソトロピッ
ク性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ
酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化マグネシウム、アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シ
リカ等が好ましい。表面硬度の向上に関しては、短繊維
アルミナ、ほう酸アルミニウムウイスカ等が好ましい。
各成分を溶剤に溶解ないし分散してワニスとし、ベース
フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することにより、
接着剤層をベースフィルム上に形成して得られる。ベー
スフィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィ
ルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離型処理
したポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレ
ンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペン
テンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチック
フィルムが使用できる。ベースフィルムは、使用時に剥
離して接着フィルムのみを使用することもできるし、ベ
ースフィルムとともに使用し、後で除去することもでき
る。本発明で用いるプラスチックフィルムとしては、例
えば、カプトン(東レ、デュポン株式会社製商品名)、
アピカル(鐘淵化学工業株式会社製商品名)等のポリイ
ミドフィルム、ルミラー(東レ、デュポン株式会社製商
品名)、ピューレックス(帝人株式会社製商品名)等の
ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを使用するこ
とができる。
ルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、
2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセルソル
ブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール
などを用いるのが好ましい。また、塗膜性を向上するな
どの目的で、高沸点溶剤を加えても良い。高沸点溶剤と
しては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミ
ド、メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどが挙げら
れる。ワニスの製造は、無機フィラーの分散を考慮した
場合には、らいかい機、3本ロール及びビーズミル等に
より、またこれらを組み合わせて行なうことができる。
フィラーと低分子量物をあらかじめ混合した後、高分子
量物を配合することにより、混合に要する時間を短縮す
ることも可能となる。また、ワニスとした後、真空脱気
によりワニス中の気泡を除去することが好ましい。
ルム上に接着剤ワニスを塗布し、加熱乾燥して溶剤を除
去するが、これにより得られる接着剤は、DSCを用い
て測定した全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた
状態とされる。溶剤を除去する際に加熱するが、この
時、接着剤組成物の硬化反応が進行しゲル化してくる。
その際の硬化状態が接着剤の流動性に影響し、接着性や
取扱い性を適正化する。DSC(示差走査熱分析)は、
測定温度範囲内で、発熱、吸熱の無い標準試料との温度
差をたえず打ち消すように熱量を供給または除去するゼ
ロ位法を測定原理とするものであり、測定装置が市販さ
れておりそれを用いて測定できる。樹脂組成物の反応
は、発熱反応であり、一定の昇温速度で試料を昇温して
いくと、試料が反応し熱量が発生する。その発熱量をチ
ャートに出力し、ベースラインを基準として発熱曲線と
ベースラインで囲まれた面積を求め、これを発熱量とす
る。室温から250℃まで5〜10℃/分の昇温速度で
測定し、上記した発熱量を求める。これらは、全自動で
行なうものもあり、それを使用すると容易に行なうこと
ができる。 上記ベースフィルムに塗布し、乾燥して得
た接着剤の発熱量は、つぎのようにして求める。まず、
25℃で真空乾燥器を用いて溶剤を乾燥させた未硬化試
料の全発熱量を測定し、これをA(J/g)とする。つ
ぎに、塗工、乾燥した試料の発熱量を測定し、これをB
とする。試料の硬化度C(%)(加熱乾燥により発熱を
終えた状態)は、つぎの数1で与えられる。
測定装置で測定した貯蔵弾性率は、25℃で20〜2,
000MPaで、260℃で3〜50MPaという低弾
性率であることが好ましい。貯蔵弾性率の測定は、接着
剤硬化物に引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温
速度5〜10℃/分で−50℃から300℃まで測定す
る温度依存性測定モードで行った。25℃での貯蔵弾性
率が2,000MPaを超えるものでは、半導体チップ
とヒートスプレッダーの熱膨張係数の差によってリフロ
ー時に発生する応力を緩和させる効果が小さくなるため
クラックを発生させてしまう。一方、貯蔵弾性率が20
MPa未満では、接着フィルムの取扱性が悪くなる。
ダーを接着させる際の接着フィルムが、エポキシ基含有
アクリル系共重合体とエポキシ樹脂系接着剤を用いてい
るため接着フィルムの室温付近での弾性率が低いことに
より、エポキシ基含有アクリル系共重合体の混合比を大
きくすることで、半導体チップとヒートスプレッダーの
熱膨張係数の差に起因してリフロー時の加熱冷却過程で
発生する応力を緩和する効果によりクラックや剥離を抑
制することができ、優れた信頼性を示す半導体パッケー
ジを得るものである。また、エポキシ基含有アクリル系
共重合体はエポキシ樹脂との反応性に優れるため、接着
剤硬化物が化学的、物理的に安定するためPCT処理に
代表される耐湿性試験に優れた性能を示す。また、下記
の方法により、従来の接着フィルムの強度の低下、可撓
性の低下、タック性の増大等取り扱い性の点での問題を
解決し、半導体装置の信頼性を高くすることができた。 1)本発明で規定したエポキシ基含有アクリル系共重合
体を使用することにより、リフロー時のクラック発生を
抑制できる。 2)分子量の大きいアクリル系共重合体を使用すること
で共重合体の添加量が少ない場合でも、接着フィルムの
フィルム強度、可撓性を確保できる。 3)エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量3
万以上の高分子量樹脂を加えることで、タック性を低減
することができる。
エポキシ樹脂と高分子量樹脂とが相溶性が良く均一にな
る接着剤を用いており、エポキシ基含有アクリル系共重
合体に含まれるエポキシ基がそれらと部分的に反応し、
未反応のエポキシ樹脂を含んで全体が架橋してゲル化す
るために、それが流動性を抑制し、エポキシ樹脂等を多
く含む場合においても取扱い性を損なうことがない。ま
た、未反応のエポキシ樹脂がゲル中に多数残存している
ため、圧力がかかった場合、ゲル中より未反応成分がし
みだすため、全体がゲル化した場合でも、接着性の低下
が少なくなる。接着剤の乾燥時には、エポキシ基含有ア
クリル系共重合体に含まれるエポキシ基やエポキシ樹脂
がともに反応するが、エポキシ基含有アクリル系共重合
体は分子量が大きく、1分子鎖中にエポキシ基が多く含
まれるため、反応が若干進んだ場合でもゲル化する。通
常、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10
から40%の発熱を終えた状態、すなわちAまたはBス
テージ前半の段階でゲル化がおこる。そのため、エポキ
シ樹脂等の未反応成分を多く含んだ状態でゲル化してお
り、溶融粘度がゲル化していない場合に比べて、大幅に
増大しており、取扱性を損なうことがない。また圧力が
かかった場合、ゲル中より未反応成分がしみだすため、
ゲル化した場合でも、接着性の低下が少ない。さらに、
接着剤がエポキシ樹脂等の未反応成分を多く含んだ状態
でフィルム化できるため、接着フィルムのライフ(有効
使用期間)が長くなるという利点がある。
ジの後半から、Cステージ状態で初めてゲル化が起こ
り、ゲル化が起こった段階でのエポキシ樹脂等の未反応
成分が少ないため、流動性が低く、圧力がかかった場合
でも、ゲル中よりしみだす未反応成分が少ないため、接
着性が低下する。なお、エポキシ基含有アクリル系共重
合体に含まれるエポキシ基と低分子量のエポキシ樹脂の
エポキシ基の反応しやすさについては明らかではない
が、少なくとも同程度の反応性を有していればよく、ア
クリル系共重合体に含まれるエポキシ基のみが選択的に
反応するものである必要はない。なおこの場合、A、
B、Cステージは、接着剤の硬化の程度を示す。Aステ
ージはほぼ未硬化でゲル化していない状態であり、DS
Cを用いて測定した場合の全硬化発熱量の0〜20%の
発熱を終えた状態である。Bステージは若干硬化、ゲル
化が進んだ状態であり全硬化発熱量の20〜60%の発
熱を終えた状態である。Cステージはかなり硬化が進
み、ゲル化した状態であり、全硬化発熱量の60〜10
0%の発熱を終えた状態である。ゲル化の判定について
は、THF(テトラヒドロフラン)等の浸透性の大きい
溶剤中に接着剤を浸し、25℃で20時間放置した後、
接着剤が完全に溶解しないで膨潤した状態にあるものを
ゲル化したと判定した。なお、実験的には、以下のよう
に判定した。THF中に接着剤(重量W1)を浸し、2
5℃で20時間放置した後、非溶解分を200メッシュ
のナイロン布で濾過し、これを乾燥した後の重量を測定
(重量W2)した。THF抽出率(%)をつぎの数2の
ように算出した。THF抽出率が80重量%を越えるも
のをゲル化していないとし、80重量%以下のものをゲ
ル化していると判定した。
は、アルミニウム、銅、アルミニウム合金及び銅合金な
どが用いられるが、熱伝導性に優れるものであれば特に
制限されるものではない。また、接着フィルムとの密着
性を良好にするために、ヒートスプレッダーの接着フィ
ルムに接する表面を改質することが好ましい。アルミニ
ウムの場合は、表面粗化やカップリング剤等の表面処理
が特に好ましい。また、銅または銅合金の場合は、配線
板の内層回路表面処理として一般的な黒化処理すること
が好適である。また、酸化処理または酸化還元処理など
や、サンドブラストによる表面粗化処理なども好まし
い。
フィラーを添加することにより、溶融粘度が大きくで
き、さらにチクソトロピック性を発現できるために、上
記効果をさらに大きくすることが可能となる。さらに、
上記の効果に加えて、接着剤の放熱性向上、接着剤に難
燃性を付与、接着時の温度において適正な粘度をもたせ
ること、表面硬度の向上等の特性も付与できる。本発明
の半導体装置は、接着フィルムを用いて半導体チップと
表面処理が施されたヒートスプレッダーを接着させてお
り、耐リフロー性、温度サイクルテスト、耐電食性、耐
湿性(耐PCT性)等に優れる。以下実施例により本発
明をさらに具体的に説明する。
ポキシ樹脂(エポキシ当量200、油化シェルエポキシ
株式会社製商品名のエピコート828を使用)45重量
部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当
量220、住友化学工業株式会社製商品名のESCN0
01を使用)15重量部、エポキシ樹脂の硬化剤として
フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式
会社製商品名のフェノライトLF2882を使用)40
重量部、エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子
量が3万以上の高分子量樹脂としてフェノキシ樹脂(分
子量5万、東都化成株式会社製商品名のフェノトートY
P−50を使用)15重量部、エポキシ基含有アクリル
共重合体としてエポキシ基含有アクリルゴム(分子量1
00万、帝国化学産業株式会社製商品名のHTR−86
0P−3を使用)150重量部、硬化促進剤として硬化
促進剤1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール
(四国化成工業株式会社製商品名のキュアゾール2PZ
−CN)0.5重量部、シランカップリング剤としてγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニ
カー株式会社製商品名のNUC A−187を使用)
0.7重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを
加えて撹拌混合し、真空脱気した。得られたワニスを、
厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥し
て、膜厚が50μmのBステージ状態の塗膜を形成し接
着フィルムを作製した。なおこの状態での接着剤の硬化
度は、DSC(デュポン社製商品名、912型DSC)
を用いて測定(昇温速度、10℃/分)した結果、全硬
化発熱量の15%の発熱を終えた状態であった。また、
THF中に接着剤(重量W1)を浸し、25℃で20時
間放置した後、非溶解分を200メッシュのナイロン布
で濾過し、これを乾燥した後の重量を測定(重量W2)
し、THF抽出率(=(W1−W2)×100/W1)
を求めたところ、THF抽出率は35重量%であった。
さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装
置(レオロジ社製商品名、DVE−V4)を用いて測定
(サンプルサイズ 長さ20mm、幅4mm、膜厚50
μm、昇温速度5℃/分、引張りモード 自動静荷重)
した結果、25℃で360MPa、260℃で4MPa
であった。また、ヒートスプレッダーとして、厚さ1.
5mmのアルミニウム板の接着フィルムに接する表面を
#600番手のブラシで研磨し、清浄化した後γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株
式会社製のNUC A−187を使用)のメチルエチル
ケトン溶液で表面処理したものを作製した。 半導体装
置は、厚み25μmのポリイミドフィルムを基材に用い
たフレキシブルプリント配線板をインターポーザーに用
い、これと半導体チップを一体化させた12mm角のC
SPを用い、半導体チップと接する部分に接着フィルム
を介してヒートスプレッダーを貼り合せることにより作
製した。、150℃、0.5MPaで30秒間加熱圧着
した。これを170℃で60分間乾燥機中で後硬化させ
た。
ム板を、配線板の内層回路表面処理として一般的な酸化
処理を施し引き続き還元処理を施した銅板に変更したヒ
ートスプレッダーを作製したほかは、実施例1と同様に
して材料を作製した。 (実施例3)実施例1で用いたフェノキシ樹脂を、カル
ボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(分子
量40万、日本合成ゴム株式会社製商品名のPNR−1
を使用)に変更したほか、実施例1と同様にして接着フ
ィルムを作製した。なお、この状態での接着剤の硬化度
は、DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の20
%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、35
重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を
動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で3
00MPa、260℃で3MPaであった。
着剤固形分100体積部に対してアルミナを10体積部
添加し、ビーズミルで60分間混練したワニスを用いて
実施例1と同様にして接着フィルムを作製した。DSC
を用いて測定した結果、全硬化発熱量の15%の発熱を
終えた状態であった。THF抽出率は、30重量%であ
った。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性
測定装置を用いて測定した結果、25℃で1,800M
Pa、260℃で10MPaであった。
樹脂を用いないこと以外実施例1と同様にして接着フィ
ルムを作製した。DSCを用いて測定した結果、全硬化
発熱量の15%の発熱を終えた状態であった。THF抽
出率は、35重量%であった。さらに、接着剤硬化物の
貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した結
果、25℃で350MPa、260℃で4MPaであっ
た。
クリルゴムの量を150重量部から50重量部にしたこ
と以外は実施例1と同様にして接着フィルムを作製し
た。DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の20
%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、40
重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を
動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で
3,000MPa、260℃で5MPaであった。
クリルゴムの量を150重量部から400重量部にした
こと以外は実施例1と同様にして接着フィルムを作製し
た。DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の20
%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、30
重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を
動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で2
00MPa、260℃で1MPaであった。
クリルゴムの150重量部をフェノキシ樹脂に変更(フ
ェノキシ樹脂165重量部)した他、実施例1と同様に
して接着フィルムを作製した。この接着フィルムの全硬
化発熱量は20%であり、THF抽出率は、90重量%
であった。また、貯蔵弾性率は、25℃で3,400M
Pa、260℃で3MPaであった。
プにヒートスプレッダーを接着することにより作製した
半導体装置の耐熱性および耐湿性を調べた。耐熱性の評
価方法には、耐リフロークラック性と温度サイクル試験
を適用した。半導体装置サンプルの耐リフロー性の評価
は、サンプル表面の最高温度が240℃でこの温度を2
0秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉にサ
ンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処理
を2回繰り返したサンプル中の半導体チップとヒートス
プレッダーの間の剥離の観察で行った。剥離の発生して
いないものを良好とし、発生していたものを不良とし
た。
雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に3
0分間放置する工程を1サイクルとして、耐リフロー性
評価と同様な半導体チップとヒートスプレッダーの間の
剥離が起きるまでのサイクル数を測定し、そのサイクル
数が2000回以上のものを良好とし、2000回未満
のものを不良とした。また、耐湿性評価は、半導体装置
サンプルをプレッシャークッカーテスター中で96時間
処理(PCT処理)後半導体チップとヒートスプレッダ
ーの間の剥離及び接着フィルムの変色を観察することに
より行った。半導体チップとヒートスプレッダーの間の
剥離及び接着フィルムの変色の認められなかったものを
良好とし、剥離のあったもの又は変色のあったものを不
良とした。その結果を表1に示した。
キシ樹脂及びその硬化剤、エポキシ樹脂と相溶性の高分
子量樹脂、エポキシ基含有アクリル系共重合体、硬化促
進剤をともに含む接着剤であり、実施例5は、エポキシ
樹脂及びその硬化剤、エポキシ基含有アクリル系共重合
体、硬化促進剤をともに含む接着剤であり、本発明で規
定した25℃及び260℃での貯蔵弾性率を示す接着フ
ィルムを用いて半導体チップと本発明で規定したヒート
スプレッダーを貼り合せた半導体装置である。これら
は、耐リフロー性、温度サイクル試験、耐PCT性が良
好であった。比較例1は、本発明で規定した接着フィル
ム中のエポキシ基含有アクリル系共重合体の量が少ない
ため貯蔵弾性率が高く応力を緩和できずに耐リフロー
性、温度サイクル試験での結果が悪く信頼性に劣る。ま
た、比較例2は、本発明で規定した接着フィルム中のエ
ポキシ基含有アクリル系共重合体の量が多すぎるため貯
蔵弾性率が低く良好であるが、接着フィルムの取扱性が
悪い。比較例3は、本発明で規定したエポキシ基含有ア
クリル系共重合体を含まない接着フィルム組成であるた
め貯蔵弾性率が高く比較例1と同様、応力を緩和できず
に耐リフロー性、温度サイクル試験での結果が悪い。
ルムを用いて半導体チップとヒートスプレッダーを貼り
合せた半導体装置は、接着フィルムの室温付近での弾性
率が低いために、半導体チップとヒートスプレッダーの
間の熱膨張係数の差がもとで起きる加熱冷却時の熱応力
を緩和させることができる。そのため、リフロー時の半
導体チップとヒートスプレッダーの間の剥離の発生が認
められず、耐熱性に優れている。また、エポキシ基含有
アクリル系共重合体を低弾性率成分として含んでおり、
耐湿性、特にPCT処理等厳しい条件下で耐湿試験を行
なった場合の劣化が少なく優れた特徴を有する放熱性に
優れた半導体装置を提供することができる。
Claims (12)
- 【請求項1】放熱性を向上させるためのヒートスプレッ
ダーを有するチップサイズパッケージにおいて、半導体
チップとヒートスプレッダーを接着フィルムで接着させ
たことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】接着フィルムが、(1)エポキシ樹脂及び
その硬化剤100重量部に対し、(2)グリシジル(メ
タ)アクリレート2〜6重量%を含むTg(ガラス転移
温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以
上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜3
00重量部ならびに(3)硬化促進剤0.1〜5重量部
を含む接着剤をベースフィルム上に形成して得られる接
着フィルムを使用した請求項1に記載の半導体装置。 - 【請求項3】接着フィルムが、(1)エポキシ樹脂及び
その硬化剤100重量部に対し、(2)エポキシ樹脂と
相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量
樹脂10〜40重量部、(3)グリシジル(メタ)アク
リレート2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が
−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上である
エポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量
部ならびに(4)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接
着剤をベースフィルム上に形成して得られる接着フィル
ムを使用した請求項1に記載の半導体装置。 - 【請求項4】接着フィルムが、(1)エポキシ樹脂及び
フェノール樹脂100重量部に対し、(2)グリシジル
(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTgが−10
℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキ
シ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部なら
びに(3)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤を
ベースフィルム上に形成して得られる接着フィルムを使
用した請求項1に記載の半導体装置。 - 【請求項5】接着フィルムが、(1)エポキシ樹脂及び
フェノール樹脂100重量部に対し、(2)フェノキシ
樹脂10〜40重量部、(3)グリシジル(メタ)アク
リレート2〜6重量%を含むTgが−10℃以上でかつ
重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アク
リル系共重合体100〜300重量部ならびに(4)硬
化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤をベースフィル
ム上に形成して得られる接着フィルムを使用した請求項
1に記載の半導体装置。 - 【請求項6】接着剤を、DSCを用いて測定した場合の
全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた状態にした
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに
記載の接着剤をベースフィルム上に形成して得られる接
着フィルムを使用した請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項7】動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合
の接着剤硬化物の貯蔵弾性率が25℃で20〜2,00
0MPaであり、260℃で3〜50MPaであること
を特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載
の接着剤をベースフィルム上に形成して得られる接着フ
ィルムを使用した請求項1に記載の半導体装置。 - 【請求項8】無機フィラーを、接着剤100体積部に対
して1〜60体積部含むことを特徴とする請求項2ない
し請求項7のいずれかに記載の接着剤をベースフィルム
上に形成して得られる接着フィルムを使用した請求項1
に記載の半導体装置。 - 【請求項9】無機フィラーがアルミナ、シリカ、炭化ケ
イ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムから選ばれる少な
くとも1以上である請求項8に記載の接着剤をベースフ
ィルム上に形成して得られる接着フィルムを使用した請
求項1に記載の半導体装置。 - 【請求項10】ヒートスプレッダーがアルミニウム、
銅、アルミニウム合金または銅合金のいずれかである請
求項1ないし請求項9のいずれかに記載の半導体装置。 - 【請求項11】ヒートスプレッダーの少なくとも接着フ
ィルムと接触する部分にカップリング剤による表面処理
が施されている請求項1または請求項10のいずれかに
記載の半導体装置。 - 【請求項12】銅または銅合金が用いられたヒートスプ
レッダーの少なくとも接着フィルムと接触する部分に黒
化処理が施されている請求項1または請求項9のいずれ
かに記載の半導体装置。
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-
1996
- 1996-11-28 JP JP31770896A patent/JP3675072B2/ja not_active Expired - Fee Related
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