JPH1016245A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH1016245A
JPH1016245A JP8191419A JP19141996A JPH1016245A JP H1016245 A JPH1016245 A JP H1016245A JP 8191419 A JP8191419 A JP 8191419A JP 19141996 A JP19141996 A JP 19141996A JP H1016245 A JPH1016245 A JP H1016245A
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JP
Japan
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ink
block
recording head
ink flow
jet recording
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JP8191419A
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English (en)
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Masaaki Furukawa
雅朗 古川
Junji Tatsumi
純二 巽
Masaki Inaba
正樹 稲葉
Noriyuki Ono
敬之 小野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺化された液体噴射記録ヘッドの天板にお
いて、予じめ加工された複数のインク流路溝に対して複
数のインク吐出口を精度良く規定位置に加工することが
できる記録ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 インク流路溝2を複数のブロックに分割
してブロック毎に一度にレーザ加工して全本数のインク
流路溝2を形成した長尺化された記録ヘッドの天板1に
おいて、インク流路溝2の隣接したブロック(n、n+
1ブロック)のそれぞれの略中央に位置するインク流路
溝を対物レンズ10,10によって観察して基準位置を
検出し、この検出結果に基づいて天板1の傾きを調整
し、インク流路溝の隣接したブロックにまたがって複数
のインク吐出口を1つのブロックとして一度にレーザ加
工し、この基準位置の検出、調整およびブロック毎のイ
ンク吐出口の加工を繰り返して全てのインク吐出口を加
工して、天板1を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録装置
等に使用される長尺化された液体噴射記録ヘッドにおい
て、インク吐出口を精度良く規定位置に加工することが
できる液体噴射記録ヘッドの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置等に使用される液体噴
射記録ヘッドは、半導体製造技術を用いて形成された複
数の吐出エネルギー発生素子を所定の間隔をおいて配設
した素子基板と、インクを吐出する複数のインク吐出口
を形成した吐出口プレートを一体的に有し、インク吐出
口にそれぞれ連通する複数のインク流路溝が形成された
天板とからなり、吐出エネルギー発生素子とインク吐出
口およびインク流路溝とを正確に位置合わせした状態
で、素子基板と天板を組み合わせ接合されており、吐出
エネルギー発生素子によりインク流路溝内のインクに吐
出エネルギーを付与することによってインク吐出口から
インクを噴射させて印字記録を行なうように構成されて
いる。そして印字精度として約360dpi(dotts p
er inch)の高精度を達成するために、約4.5mmの
範囲に64個のインク吐出口を等間隔に配列しなければ
ならず、この際の配設ピッチは約70μmと微細な値に
なる。そこで、このような微小間隔のインク吐出口の形
成には、レーザ加工装置等の超精密加工装置が用いら
れ、吐出口プレートに所定の高精度で加工されている。
レーザ加工装置において、インク吐出口を加工形成する
天板を位置決めステージに取り付け、レーザ発振器から
発生されたレーザ光をレーザマスクを介して天板に照射
することによって、インク吐出口を加工することがで
き、その際インク吐出口の加工位置は予め形成されてい
るインク流路溝を基準として位置決めしている。
【0003】ところで、液体噴射記録ヘッドにおいて
は、128ノズル、256ノズル、1404ノズル、あ
るいはA4幅に対応するもの等の長尺化に進む傾向にあ
り、ある程度長尺化された液体噴射記録ヘッドを構成す
る天板においては、レーザ加工装置を用いて複数のイン
ク流路溝を一度に加工し、この一度に加工された複数の
インク流路溝のうち両端に位置するインク流路溝を観察
して基準位置を検出して位置決めした後に、複数のイン
ク吐出口をレーザ加工している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
1404ノズルあるいはA4幅に対応するもの等のよう
に特に長尺化された液体噴射記録ヘッドにおいては、図
4に示すように、吐出エネルギー発生素子31が360
dpiの密度にて128個設けられている素子基板30
が11個並列されて基台32の表面上に接着固定され、
これに対応すべく、インク吐出口7の密度が同じく36
0dpiで吐出口数1404を有する天板1を、インク
流路溝およびインク吐出口7が吐出エネルギー発生素子
31に対応するように組み合わせて液体噴射記録ヘッド
を構成しており、このように長尺化された液体噴射記録
ヘッドの製造に上記のような記録ヘッドの製造方法を採
用して、複数のインク流路溝を全て一度に加工すること
は問題があるために、インク流路溝を複数のブロックに
分割してブロック毎にインク流路溝を一度に加工してい
る。
【0005】ところで、これらの複数のブロックに分割
して加工されたインク流路溝は、加工精度や誤差等の問
題から、ブロック毎に吐出口プレートからの位置に差が
生じ、その結果インク吐出口の加工の基準とする基準位
置にも差が生じることとなり、この状態で、インク流路
溝の各ブロック毎に基準位置を観察し、検出して、その
検出結果に基づいて各ブロック毎にインク吐出口を加工
すると、インク吐出口の縦方向の加工位置においてブロ
ック毎に段差が付いてしまい、特にインク流路溝のブロ
ックの継ぎ目にはインク吐出口の縦方向の大きな段差が
生じてしまうという未解決な課題があった。
【0006】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決な課題に鑑みてなされたものであって、吐出口プ
レートからインク流路溝までの距離がブロック毎にばら
ついていたとしても、インク吐出口の位置を常に正確な
規定位置に加工することができる液体噴射記録ヘッドの
製造方法を実現することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、複数の
吐出エネルギー発生素子が形成されている素子基板上
に、各吐出エネルギー発生素子に対応する複数のインク
流路溝およびインク吐出口をレーザ加工装置を用いて加
工した天板を取り付けて、液体噴射記録ヘッドを組み立
てる液体噴射記録ヘッドの製造方法において、複数本の
インク流路溝を1つのブロックとして一度にレーザ加工
する工程を複数回繰り返して全本数のインク流路溝を形
成し、複数のブロックに分割して加工されたインク流路
溝の隣接したブロックにまたがって1つのブロックとし
て複数のインク吐出口を一度にレーザ加工し、このブロ
ック毎のインク吐出口の加工を複数回繰り返して全ての
インク吐出口を加工し、前記天板を形成することを特徴
とする。
【0008】また、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法は、複数の吐出エネルギー発生素子が形成されてい
る基板上に、各吐出エネルギー発生素子に対応する複数
のインク流路溝およびインク吐出口をレーザ加工装置を
用いて加工した天板を取り付けて、液体噴射記録ヘッド
を組み立てる液体噴射記録ヘッドの製造方法において、
複数本のインク流路溝を1つのブロックとして一度にレ
ーザ加工する工程を複数回繰り返して全本数のインク流
路溝を形成し、複数のブロックに分割して加工されたイ
ンク流路溝の隣接したブロックのそれぞれ略中央に位置
するインク流路溝を観察して基準位置を検出し、基準位
置の検出結果に基づいて高さ方向の傾きを調整し、前記
隣接したインク流路溝のブロックにまたがって複数のイ
ンク吐出口を1つのブロックとして一度にレーザ加工
し、基準位置の検出、調整およびブロック毎のインク吐
出口の加工を複数回繰り返して全てのインク吐出口を加
工し、前記天板を形成することを特徴とする。
【0009】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法は、1つのブロックとして一度に加工するインク
吐出口の数は、1つのブロックとして一度に加工するイ
ンク流路溝の本数と同数であることが望ましく、さらに
隣接したインク流路溝のブロックにまたがって複数個の
インク吐出口を一度に加工する際に、それぞれのブロッ
クに加工するインク吐出口の個数は同数であることが望
ましい。
【0010】
【作用】長尺化された液体噴射記録ヘッドにおいて、そ
の天板のインク流路溝およびインク吐出口の加工に際し
て、インク流路溝を複数のブロックに分割してブロック
毎に加工したインク流路溝における隣接したブロックに
またがって1つのブロックとして複数のインク吐出口を
一度に加工し、このブロック毎のインク吐出口の加工を
繰り返して全てのインク吐出口を加工するようになした
ことにより、加工されたインク流路溝に加工上の精度や
誤差等の関係でブロック毎にばらつきがあったとして
も、インク吐出口の縦方向の加工位置がばらつくことな
く、さらにインク流路溝のブロックの継ぎ目にインク吐
出口の縦方向の段差が生じることなく、インク吐出口を
正確な規定位置に加工形成することができる。
【0011】そして、ブロック毎に分割されて加工され
た複数のインク流路溝における隣接したブロックのそれ
ぞれの略中央に位置するインク流路溝を観察して基準位
置を検出して、その検出結果に基づいて天板の傾きを調
整し、隣接するブロックにまたがって、1ブロック内の
インク流路溝の数と同数の複数のインク吐出口を1ブロ
ックとして加工し、この1ブロック毎のインク吐出口の
加工を繰り返して全てのインク吐出口を加工するように
なしたことにより、インク流路溝のブロックの継ぎ目に
インク吐出口の縦方向の段差が生じることなく、さらに
インク吐出口をばらつくことなく規定位置に正確に加工
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、液体噴射記録ヘッドの天板1に
加工されたインク流路溝2に合わせてインク吐出口を形
成するための位置決めをする際の模式図であり、図2は
図1で示した天板1を右方向から見た図であり、インク
流路溝2およびその基準線5がばらついている状態を示
す。
【0013】インク吐出口をレーザ加工するに際して、
天板1は、図1に示すように、水平面に対して10度の
角度をなすように固定され、予め加工されたインク流路
溝2は吐出口プレート4を透して対物レンズ10で観察
される。インク吐出口の加工位置を決めるz軸方向の基
準は、インク流路溝2の先端部3を吐出口プレート4上
へx軸方向に投影した位置が基準位置20として検出さ
れる。
【0014】本実施例においては、液体噴射記録ヘッド
の天板1は、インク吐出口の密度が360dpi(吐出
口ピッチ70.5μm)で、そして吐出口数1404を
有する長尺なものとし、インク流路溝2は128本を1
ブロックとしてレーザ加工装置を用いて一度に加工し、
全部で11ブロック加工する。この加工の際の加工精度
や誤差等の関係により図2に示すようにブロック毎のイ
ンク流路溝の基準線5に段差等のばらつきが生じてい
る。
【0015】次に、本発明の製造方法に基づくインク吐
出口の加工について説明するに、図3は、一度に128
個のインク吐出口を加工する際の位置決め時の模式図で
あり(なお、図3におけるインク流路溝2に付した数字
は説明の便宜上付したものである。)、一対の対物レン
ズ10,10の一方の対物レンズ10にて、nブロック
の65本目のインク流路溝2の基準線5を観察し、他方
の対物レンズ10でn+1ブロックの64本目のインク
流路溝2の基準線5を観察する。2つの対物レンズ10
で観察したそれぞれの基準線5が、同じ高さ(z軸方
向)になるように天板1の傾きを調整して、nブロック
の65本目のインク流路溝2からn+1ブロックの64
本目のインク流路溝2までの128本のインク流路溝に
対応した128個のインク吐出口をレーザ加工する。こ
の操作を繰り返すことによって天板1に各インク流路溝
2に対応した全てのインク吐出口を形成する。したがっ
て、インク流路溝2の加工に際しての加工精度や誤差等
の関係によって、インク流路溝の先端部から吐出口プレ
ートまでの距離が各ブロック毎にばらつきがあり、基準
線に各ブロック毎の段差やばらつきがあったとしても、
インク吐出口の位置は、インク流路溝のブロックの継ぎ
目にインク吐出口の縦方向の段差が生じることがなく、
さらにインク吐出口の位置がばらつくことなく、規定位
置に正確にインク吐出口を加工することができる。
【0016】そして前記のように加工形成された天板1
は、図4に示すように、素子基板に対して位置合わせさ
れて液体噴射記録ヘッドを形成する。素子基板30には
吐出エネルギー発生素子31が所定の位置に360dp
iの密度にて128個設けられており、この素子基板3
0には外部からの電気信号により任意のタイミングで吐
出エネルギー発生素子31を駆動させる信号パッドおよ
びその駆動のための電力等を供給するための電力パッド
等が設けられている。この素子基板30は基台32の表
面上に11個並列されて接着固定されている。そして天
板1は、そのインク流路溝2およびインク吐出口が基台
32上に並べられた素子基板30の吐出エネルギー発生
素子31と所定の位置関係になるように位置合わせされ
て基台に結合され、長尺の液体噴射記録ヘッドを製造す
る。
【0017】次に、本発明の製造方法により製造された
液体噴射記録ヘッドを適用した液体噴射記録装置につい
て図5を参照して説明する。
【0018】図5において、101a〜101dはそれ
ぞれ、ライン型の液体噴射記録ヘッド(以下、「ヘッ
ド」ともいう。)であり、これらはホルダ102により
矢印X方向(図5)に所定の間隔を持って互いに平行に
固定支持されている。各ヘッド101a〜101dの下
面には矢印Y方向(図5)に沿って、1列に16吐出口
/mmの間隔で3456個の吐出口が下向きに設けられ
ており、これにより216mm幅の記録が可能となって
いる。
【0019】これらのヘッド101a〜101dは熱エ
ネルギーを用いて記録液を吐出する方式のものであり、
ヘッドドライバー120によって吐出制御されている。
【0020】なお、前記ヘッド101a〜101dおよ
びホルダ102を含めてヘッドユニットが構成され、該
ヘッドユニットはヘッド移動手段124により、上下方
向に移動されるようになっている。
【0021】また、前記ヘッド101a〜101dに対
応してその下部に隣接して配置されたキャップ103a
〜103dはそれぞれ内部にスポンジ等のインク吸収部
材を有する。
【0022】前記キャップ103a〜103dは不図示
のホルダにより固定支持されており、該ホルダおよびキ
ャップ103a〜103dを含んでキャップユニットが
構成され、該キャップユニットはキャップ移動手段12
5により矢印X方向(図5)に移動されるようになって
いる。
【0023】各ヘッド101a〜101dにはそれぞ
れ、インクタンク104a〜104dからインク供給チ
ューブ105a〜105dを通じてシアン、マゼンタ、
イエロー、ブラックの各色のインクが供給され、カラー
記録を可能としている。
【0024】また、このインク供給はヘッド吐出口の毛
細管現象を利用しており、各インクタンク104a〜1
04dの液面は吐出口位置より一定距離だけ低く設定さ
れている。
【0025】ベルト106は被記録材である記録紙12
7を搬送するためのものであって帯電可能なシームレス
ベルトからなる。
【0026】ベルト106は駆動ローラ107、アイド
ルローラ109,109aおよびテンションローラ11
0により所定の経路に引きまわされており、前記駆動ロ
ーラ107に接続され、モータードライバー121によ
り駆動されるベルト駆動モーター108により、走行さ
れる。
【0027】また、ベルト106はヘッド101a〜1
01dの吐出口の直下において矢印X方向(図5)に走
行し、ここでは固定支持部材126により、下側のブレ
を抑制されている。
【0028】ベルト106の図示下方には、ベルト10
6の表面に付着している紙粉等を除去するクリーニング
ユニット117が配設されている。
【0029】前記ベルト106を帯電させる帯電器11
2は、帯電器ドライバー122により、ON、OFFさ
れ、この帯電による静電的吸着力により、記録紙127
をベルト106に吸着する。
【0030】帯電器112の前後には前記アイドルロー
ラ109,109aと共同して搬送記録紙127をベル
ト106に押し付けるためのピンチローラ111,11
1aが配置されている。
【0031】給紙カセット113内の記録紙127は給
紙ローラ116の回転により1枚ずつ送り出され、モー
タードライバー123により駆動される搬送ローラ11
4およびピンチローラ115により矢印X方向(図5)
に山形ガイド113へと搬送される。該山形ガイド11
3は記録紙127のたわみを許容する山形のスペースを
有する。
【0032】記録の終了した記録紙127は排紙トレイ
118に排出される。
【0033】前記ヘッドドライバー120、ヘッド移動
手段124、キャップ移動手段125、モータードライ
バー121,223および帯電器ドライバー122はす
べて制御回路119により制御される。
【0034】本発明は、特に液体噴射記録方式の中で熱
エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行な
う、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッド、記
録装置において、優れた効果をもたらすものである。
【0035】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0036】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0037】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0038】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0039】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。
【0040】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0041】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体或はこれとは別の加熱素子、あるいはこれらの組
み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行な
う予備吐出モード手段を付加することも安定した記録を
行なうために有効である。
【0042】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0043】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0044】さらに加えて、本発明のインクジェット記
録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器
の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と
組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0045】以上説明した本発明の実施例においては、
インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で
固化するインクであって、室温で軟化もしくは液体とな
るもの、或いは、インクジェットにおいて一般的に行な
われている温度調整の温度範囲である30℃以上70℃
以下の温度範囲で軟化もしくは液体となるものでもよ
い。すなわち、使用記録信号付与時にインクが液状をな
すものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーに
よる昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化の
エネルギーとして使用せしめることで防止するか、また
は、インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの
記録信号に応じた付与によってインクが液化してインク
液状として吐出するものや記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによ
って初めて液化する性質のインク使用も本発明には適用
可能である。このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0046】
【発明の効果】本発明は、前述のように構成されている
ので、インク流路溝の加工に際しての加工精度や誤差等
の関係によって、インク流路溝から吐出口プレートまで
の距離が各ブロック毎にばらつきがあり、基準線に各ブ
ロック毎の段差やばらつきがあったとしても、インク流
路溝のブロックの継ぎ目にインク吐出口の縦方向段差が
生じることがなく、複数のインク吐出口はばらつくこと
なく、常に正確な規定位置に加工することができ、歩留
りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体噴射記録ヘッドの天板に加工されたインク
流路溝に合わせてインク吐出口を形成するための位置決
めをする際の、天板と対物レンズの配置を示す断面的模
式図である。
【図2】インク流路溝の基準線のばらつきを説明するた
めの、図1で示した天板を右方向から見た図である。
【図3】対物レンズによりインク流路溝について基準位
置を観察する態様を示す模式的斜視図である。
【図4】長尺化された液体噴射記録ヘッドの構成を示す
模式的斜視図である。
【図5】本発明の製造方法により製造された液体噴射記
録ヘッドを適用した液体噴射記録装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 天板 2 インク流路溝 4 吐出口プレート 5 基準線 10 対物レンズ 20 基準位置 30 素子基板 31 吐出エネルギー発生素子 32 基台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 敬之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出エネルギー発生素子が形成さ
    れている素子基板上に、各吐出エネルギー発生素子に対
    応する複数のインク流路溝およびインク吐出口をレーザ
    加工装置を用いて加工した天板を取り付けて、液体噴射
    記録ヘッドを組み立てる液体噴射記録ヘッドの製造方法
    において、 複数本のインク流路溝を1つのブロックとして一度にレ
    ーザ加工する工程を複数回繰り返して全本数のインク流
    路溝を形成し、 複数のブロックに分割して加工されたインク流路溝の隣
    接したブロックにまたがって1つのブロックとして複数
    のインク吐出口を一度にレーザ加工し、 このブロック毎のインク吐出口の加工を複数回繰り返し
    て全てのインク吐出口を加工し、前記天板を形成するこ
    とを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の吐出エネルギー発生素子が形成さ
    れている素子基板上に、各吐出エネルギー発生素子に対
    応する複数のインク流路溝およびインク吐出口をレーザ
    加工装置を用いて加工した天板を取り付けて、液体噴射
    記録ヘッドを組み立てる液体噴射記録ヘッドの製造方法
    において、 複数本のインク流路溝を1つのブロックとして一度にレ
    ーザ加工する工程を複数回繰り返して全本数のインク流
    路溝を形成し、 複数のブロックに分割して加工されたインク流路溝の隣
    接したブロックのそれぞれ略中央に位置するインク流路
    溝を観察して基準位置を検出し、 基準位置の検出結果に基づいて高さ方向の傾きを調整
    し、 前記隣接したインク流路溝のブロックにまたがって複数
    のインク吐出口を1つのブロックとして一度にレーザ加
    工し、 基準位置の検出、調整およびブロック毎のインク吐出口
    の加工を複数回繰り返して全てのインク吐出口を加工
    し、前記天板を形成することを特徴とする液体噴射記録
    ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 1つのブロックとして一度に加工するイ
    ンク吐出口の数は、1つのブロックとして一度に加工す
    るインク流路溝の本数と同数であることを特徴とする請
    求項1または2記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 隣接したインク流路溝のブロックにまた
    がって複数個のインク吐出口を一度に加工する際に、そ
    れぞれのブロックに加工するインク吐出口の個数は同数
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    項記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006076190A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド
JP4580203B2 (ja) * 2004-09-10 2010-11-10 東芝テック株式会社 インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド

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