JPH1016138A - ゴム・樹脂積層体及びガス不透過性補強ホース - Google Patents

ゴム・樹脂積層体及びガス不透過性補強ホース

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JPH1016138A
JPH1016138A JP17003296A JP17003296A JPH1016138A JP H1016138 A JPH1016138 A JP H1016138A JP 17003296 A JP17003296 A JP 17003296A JP 17003296 A JP17003296 A JP 17003296A JP H1016138 A JPH1016138 A JP H1016138A
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Daisuke Tsutsumi
大輔 堤
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Katsumasa Takeuchi
勝政 竹内
Masayoshi Ichikawa
昌好 市川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫時間を長くしなくても、十分な接着性を
ゴム・樹脂間との間に安定して得られ、生産性の向上が
期待できるゴム・樹脂積層体を提供すること。 【解決手段】 変性PA樹脂からなるPA樹脂層とエチ
レン・αオレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム(EO
R)層との間に、下記ゴム配合物からなるハロゲン化I
IR層が介在されて相互に加硫接着されてなることを特
徴とするゴム・樹脂積層体。ハロゲン化IIR100重
量部に対してカルボキシル基または水酸基を導入した変
性液状IR1〜10重量部を添加したものに、加硫剤と
して臭素化アルキルフェノールホルムアルヒデド樹脂
が、加硫促進剤として、亜鉛華及びチウラム系加硫促進
剤が添加されてなるゴム配合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム・樹脂積層体
及びそれを適用したガス不透過性補強ホースに関する。
特に、冷媒ホース(エアコンホース)等に好適な発明で
ある。
【0002】ここでは、エアコンホースを例にとり説明
するが、これに限られるものではない。
【0003】
【従来の技術】従来、エアコンホースの構成は、例え
ば、下記のような構成であった。
【0004】繊維補強層の内側に形成される内管におい
て、内側層がポリアミド(PA)樹脂で形成され、繊維
補強層に接触する外側層が、エチレン・αオレフィン・
非共役ジエン共重合体ゴム配合物(EPR配合物)で形
成されている積層体が用いられていた。内管内側層をP
A系樹脂で形成するのは、ガス不透過性を担保するため
であり、内管外側層をEPR配合物で形成するのは、繊
維補強層(通常、レゾルシンホルマリンラテックス(R
FL)処理されている。)との加硫接着性、及び、繊維
補強層の外側に形成される外管(通常、耐候性の良好な
EPR配合物で形成される。)との接着性を担保するた
めである。
【0005】ここで、上記内管内側層と外管内側層と
は、前者が極性材料であり後者が非極性材料であるた
め、接着性があまり良好でない。接着性が良好でない
と、負圧等により、内管閉塞が発生するおそれがある。
【0006】このため、通常、内管内側層と内管外側層
との間に、接着剤を使用して対処していた。
【0007】しかし、内管内側層押出し後、接着剤の塗
布作業を必要とし、生産性が良好でない。
【0008】この問題点を解決するために、例えば、下
記内容のゴム積層体が開示されている(特開平8−34
886号)。
【0009】下記変性PA樹脂からなるPA樹脂層と
下記ゴム配合物からなるハロゲン化ブチルゴム層とが
加硫接着されてなるゴム・樹脂積層体。
【0010】PA樹脂90〜50容量%と、不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体モノマーのグラフト重合によ
り変性したエチレン・αオレフィン・非共役ジエンゴム
(EOR)10〜50容量%とからなる変性PA樹脂。
【0011】ハロゲン化ブチルゴム100重量部に対
して、不飽和カルボン酸またはその誘導体モノマーのグ
ラフト重合により変性したポリイソプレン0.1〜35
重量部を添加したものに、加硫剤として臭素化アルキル
フェノールホルムアルヒデド樹脂3〜15重量部添加さ
れてなるゴム配合物。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記内容のゴ
ム・樹脂積層体の場合、本発明者らが、追跡試験をした
結果、十分な接着性をゴム・樹脂間との間に安定して得
ようとすると、加硫時間が長くする必要があり、生産性
に問題が発生することが分かった。
【0013】本発明は、上記にかんがみて、加硫時間を
長くしなくても、十分な接着性をゴム・樹脂間との間に
安定して得られ、生産性の向上が期待できるゴム・樹脂
積層体及びガス不透過性補強ホースを提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明のゴム・樹脂積層体は、上記課題を下記構成
により解決するものである。
【0015】下記変性PAからなるPA系樹脂層とE
OR層との間に、下記ゴム配合物からなるハロゲン化
ブチル系ゴム層が介在されて相互に加硫接着されてなる
ことを特徴とするゴム・樹脂積層体。
【0016】PA樹脂90〜50容量%と、不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体モノマーのグラフト重合によ
り変性したEOR10〜50容量%とからなる変性PA
樹脂。
【0017】ハロゲン化ブチルゴム100重量部に対
してカルボキシル基または水酸基を導入した変性液状ポ
リイソプレン(変性液状IR)1〜10重量部を添加し
たものに、加硫剤として臭素化アルキルフェノールホル
ムアルヒデド樹脂が、加硫促進剤として、亜鉛華及びチ
ウラム系加硫促進剤が添加されてなるゴム配合物。
【0018】(2) 本発明のガス不透過性補強ホースは、
上記課題を下記構成により解決するものである。
【0019】繊維補強層の内側に形成される内管とし
て、上記(1) のゴム・樹脂積層体を、樹脂層が内管内側
層となるように適用したものである。
【0020】
【構成の詳細な説明】以下の説明で、配合単位は、特に
断らない限り、重量単位である。
【0021】(1) 図1は、本発明の樹脂・ゴム積層体
を、適用したガス不透過性補強ホースの一例である。
【0022】当該ホースは、外管12と、繊維補強層1
4と、内管16とを備えている。
【0023】ここで、外管12は、通常、耐候性の良好
なエチレン・αオレフィン・非共役ジエンゴム(EO
R)配合物で形成されている。
【0024】ここで、EORとしては、上市されている
汎用のものを使用できる。通常、エチレン含量50〜7
5%のものを使用する。EORのαオレフィンとして
は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のうちか
ら1種または複数種を選択して使用するが、通常、プロ
ピレンを使用する。また、非共役ジエン(第3成分)と
しては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン等を挙げることができる、その含量は、通常、0.5
〜5%とする。
【0025】繊維補強層14は、スパイラル、ニッティ
ング、編組等に任意であるが、通常、編組補強層とす
る。該補強層に使用する繊維としては、ポリエステル
(PET)・ポバール・ナイロン(PA)等任意であ
る。
【0026】(2) 上記内管16において、内側層18、
介在層20及び外側層22の3層構造となっている。
【0027】そして外側層22は、前述の如く、外管1
2と同様の材料であるEOR配合物で形成されている。
この外側層22の厚みは、1〜4mm(好ましくは、1.
5〜3.0mm)とする。薄過ぎると、補強糸との接着性
に劣り、厚過ぎると、介在層(IIR)の相対的厚みが
薄くなり、ガス不透過性及び水分不透過性を担保し難く
なる。である。
【0028】(3) 内側層18は、前述の公報に記載の変
性PA樹脂を使用できる。すなわち、PA樹脂90〜5
0容量%と不飽和カルボン酸またはその誘導体モノマー
のグラフト重合により変性したエチレン・αオレフィン
・非共役ジエンゴム(EOR)10〜50容量%とから
なる。
【0029】PA樹脂が50容量%未満になると樹脂材
料のガス不透過性が低下し、EORが10容量%未満で
は、後述のIIR層(ハロゲン化ブチル系ゴム層)との
接着性に問題が発生し易くなる。
【0030】PA樹脂としては、ナイロン6、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン66、ナイロン6/66、ナイロン6/6
6/610、またはこれらのブレンド物等を挙げること
ができる。また、変性EORのグラフト重合成分である
不飽和カルボン酸としては、及び、マレイン酸、フマル
酸等の不飽和ジカルボン酸を挙げることができる。その
誘導体としては、酸無水物・アミド・エステル及び酸ハ
ライド等を挙げることができる。これらグラフト重合成
分は、変性エチレン・αオレフィン・ジエン三元共重合
体中において、0.1〜20モル%の範囲とすることが
望ましい。
【0031】内側層18の厚みは、0.05〜0.2mm
とする。薄過ぎると、ガス不透過性を担保しがたく、厚
過ぎると、補強ホースの可撓性が阻害されるおそれがあ
る。
【0032】(4) 介在層20は、ハロゲン化ブチルゴム
(ハロゲン化IIR)100部に対してカルボキシル基
または水酸基を導入した変性液状IR1〜10重量部を
添加したものに、加硫剤として臭素化アルキルフェノー
ルホルムアルヒデド樹脂が、加硫促進剤として、亜鉛華
及びチウラム系加硫促進剤が添加されてなるゴム配合物
で形成されている。
【0033】上記介在層20の厚みは、0.05〜1.
0mm(好ましくは0.1〜0.5mm)とする。薄過ぎる
と、ガス不透過性及び水分不透過性を担保し難くなると
ともに接着性が低下し、厚過ぎると、外側層の厚みが相
対的に薄くなり、補強糸との接着性が低下するためであ
る。
【0034】ここで、加硫促進剤として、亜鉛華及びチ
ウラム系のどちらか一方でも、本発明の効果、加硫時間
の短縮は期待できない。
【0035】そして、カルボキシル基及び水酸基の導入
量は、それぞれ1分子当り、3〜10個、3〜6個とす
る。
【0036】上記臭素化アルキルフェノールホルムアル
ヒデド樹脂の配合量は、2〜10部、望ましくは、3〜
6部とする。過多では、スコーチが速く、過少では、加
硫が甘く、夫々、十分な物性が安定して得難い。
【0037】また、亜鉛華及びチウラム系加硫促進剤の
配合量は、前記ハロゲン化IIR100部に対して、そ
れぞれ、3〜8部(望ましくは4〜6部)、及び、0.
1〜1.0部(望ましくは0.2〜0.8部)とする。
【0038】なお、チウラム系加硫促進剤としては、汎
用のものを使用でき、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチル
チウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテ
トラスルフィド等を挙げることができる。
【0039】
【試験例】
A.表1・2に示す各配合処方の塩素化IIR配合物及
びエチレンプロピレン非共役ジエン三元共重合体(EP
DM)配合物を使用して、下記各試験を行った。なお、
変性PA樹脂は、「ザイテルST811HS」(デュポ
ン社製)を使用した。
【0040】(1) スコーチ特性:各配合物を125℃に
おいて、ムーニー粘度計で粘度を測定し、最低値から5
単位上昇するまでの最初からの時間とスコーチタイム
(t5)とし、同様にさらに35単位上昇するまでの時
間をt△30とした。
【0041】(2) 常態物性:引張破断強度・伸び、10
0%モジュラス、硬度(JIS A)、圧縮永久歪みについ
ては、JIS K 6301 に準じて行った。
【0042】(3) 変性PA樹脂層と塩素化IIR層との
接着試験:マンドレルに変成PA樹脂層を薄層コーティ
ングし、冷却後、その上に塩素化IIR層をコーティン
グした。続いて、160℃×60分のスチーム加硫によ
り試験片を得た。接着性は手で剥したときの界面状態で
評価した。
【0043】(4) EPDM層と塩素化IIR層との接着
試験 EPDM、IIRをそれぞれロールによりシート状に成
形したものを貼り合わせ、80℃、20Kgf/cm2
で10秒間圧着し、160℃×60分のスチーム加硫に
より試験片を得た。接着性は、巾1cmの短冊ピースに
切り出し、180°ピーリング試験(50mm/分)を実
施した。
【0044】B.各試験結果を表3・4に示す。各試験
結果から、本発明の各実施例は、加硫時間が短くても、
接着性が良好であることが分かる。また、EPDMの加
硫時間も塩素化IIRのそれと近似し、望まし処方であ
ることがわかる。
【0045】
【発明の作用・効果】本発明のゴム・樹脂積層体及びガ
ス不透過性補強ホースは、上記のような構成により、加
硫時間が短くても、十分な接着性を、変性PA樹脂層と
ハロゲン化IIR層、及び、ハロゲン化IIR層とEO
R層との間に得られる。
【0046】従って、加硫時間を長くしなくても、十分
な接着性をゴム・樹脂間との間に安定して得られ、生産
性の向上が期待できる。特に、ガス不透過性補強ホース
に適用した場合、その効果は大きい。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム・樹脂積層体を適用したガス不透
過性補強ホースの一例を示す斜視図。
【符号の説明】
12 外管 14 繊維補強層 16 内管 18 内管の内側層 20 内管の介在層 22 内管の外側層
フロントページの続き (72)発明者 竹内 勝政 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 市川 昌好 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記変性ポリアミド樹脂からなるポリ
    アミド樹脂層とエチレン・αオレフィン・非共役ジエン
    共重合体ゴム層との間に、下記ゴム配合物からなるハ
    ロゲン化ブチルゴム層が介在されて相互に加硫接着され
    てなることを特徴とするゴム・樹脂積層体。 ポリアミド樹脂90〜50容量%と、不飽和カルボン
    酸またはその誘導体モノマーのグラフト重合により変性
    したエチレン・αオレフィン・非共役ジエンゴム10〜
    50容量%とからなる変性ポリアミド樹脂。 ハロゲン化ブチルゴム100重量部に対してカルボキ
    シル基または水酸基を導入した変性液状ポリイソプレン
    1〜10重量部を添加したものに、加硫剤として臭素化
    アルキルフェノールホルムアルヒデド樹脂が、加硫促進
    剤として、亜鉛華及びチウラム系加硫促進剤が添加され
    てなるゴム配合物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ハロゲン化ブチ
    ルゴム配合物が、ハロゲン化ブチルゴム100重量部に
    対して前記亜鉛華が3〜8重量部、前記チウラム系加硫
    促進剤が0.1〜1.0重量部配合されたものであるこ
    とを特徴とするゴム・樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 繊維補強層の内側に形成される内管にお
    いて、内側層が、下記変性ポリアミド樹脂で形成さ
    れ、前記繊維補強層に接触する外側層が、エチレン・α
    オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム配合物で形成さ
    れている補強ホースにおいて、前記内側層と外側層との
    間に下記ゴム配合物からなる介在層が介在されて相互
    に加硫接着されてなることを特徴とするガス不透過性補
    強ホース。 ポリアミド樹脂90〜50容量%とエチレン・αオレ
    フィン・非共役ジエンゴム10〜50容量%とからなる
    変性ポリアミド樹脂。 ハロゲン化ブチルゴム100重量部に対してカルボキ
    シル基または水酸基を導入した変性液状ポリイソプレン
    1〜10重量部を添加したものに、加硫剤として臭素化
    アルキルフェノールホルムアルヒデド樹脂が、加硫促進
    剤として、亜鉛華及びチウラム系加硫促進剤が添加され
    てなるゴム配合物。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ハロゲン化ブチ
    ルゴム配合物が、ハロゲン化ブチルゴム100重量部に
    対して前記亜鉛華が3〜8重量部、前記チウラム系加硫
    促進剤が0.1〜1.0重量部配合されたものであるこ
    とを特徴とするガス不透過性ホース。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6534578B1 (en) 1999-08-06 2003-03-18 Tokai Rubber Industries, Ltd. Rubber compositions, rubber-resin laminates and fluid-impermeable hoses

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6534578B1 (en) 1999-08-06 2003-03-18 Tokai Rubber Industries, Ltd. Rubber compositions, rubber-resin laminates and fluid-impermeable hoses

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