JPH10161151A - アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその製造方法

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JPH10161151A
JPH10161151A JP8318402A JP31840296A JPH10161151A JP H10161151 A JPH10161151 A JP H10161151A JP 8318402 A JP8318402 A JP 8318402A JP 31840296 A JP31840296 A JP 31840296A JP H10161151 A JPH10161151 A JP H10161151A
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JP
Japan
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light
liquid crystal
silicon layer
crystal display
display device
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JP8318402A
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English (en)
Inventor
Hisafumi Saito
尚史 斉藤
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクティブマトリクス型液晶表示装置におい
て、外部から入射する光が液晶表示装置の内部で反射を
繰り返し、薄膜トランジスタ等のスイッチング素子に入
射することにより、スイッチング素子の特性ならびに液
晶表示装置の表示品位を劣化させることを防止する。 【解決手段】 アクティブ基板に設けられたスイッチン
グ素子を遮光するための遮光膜5および対向基板に設け
られたブラックマトリクス22をシリコン層20および
シリサイド層21で形成する。シリサイド層21はシリ
コン層20上に金属膜を堆積させた後、加熱することに
より形成し、シリコン層20あるいは金属膜の全てがシ
リサイド化する前に金属膜のみを除去してシリサイド層
21の表面を露出させる。シリサイド層21の表面に
は、シリサイド化が不均一に進行したことによる多数の
凹凸が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜トランジスタ等
のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス型液
晶表示装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型で軽量、かつ低消費電力であ
る利点を有するディスプレイとして液晶表示装置が注目
を集めている。中でも各画素毎に薄膜トランジスタ(以
下TFTと称する。)等のアクティブ素子を設け、各画
素を制御するようにしたアクティブマトリクス型液晶表
示装置が解像度に優れ、鮮明な画像が得られる等の理由
から特に注目されている。従来のアクティブ素子として
は非晶質シリコン層を用いたTFTが知られており、こ
のTFTを搭載したアクティブマトリクス型液晶表示装
置が数多く商品化されている。
【0003】そして現在、この非晶質シリコン層を用い
たTFTに代わるアクティブ素子として、画素電極を駆
動させるための画素用TFTとその画素用TFTを駆動
させるための駆動回路とを一つの基板上に一体形成する
ことが可能とされている多結晶シリコン層を用いたTF
T(以下、多結晶シリコンTFTと称する)を形成する
技術に大きな期待が寄せられている。さらに、多結晶シ
リコン層は従来のTFTに用いられている非晶質シリコ
ン層に比べて高移動度を有しており、高性能のTFTを
形成することが可能である。画素用TFTを駆動させる
ための駆動回路を一つの安価なガラス基板上に一体形成
することが実現されると、従来に比べ製造コストが大幅
に低減できることになる。
【0004】このような多結晶シリコンTFTの活性層
となる多結晶シリコン層をガラス基板上に作成する技術
としては、ガラス基板上に非晶質シリコン層を堆積した
後に600℃程度の温度で数時間〜数十時間熱処理して
結晶化させる固相成長法や、エキシマレーザー等のパル
スレーザー光を照射してその部分の非晶質シリコン層を
瞬時に熔融させ再結晶化させるレーザー結晶化法等の方
法が提案されている。
【0005】ところで、前述のアクティブマトリクス型
液晶表示装置には画素電極にITO等の透明導電性薄膜
を用いた透過型液晶表示装置と、画素電極に金属等から
なる反射電極を用いた反射型液晶表示装置とが有る。本
来、液晶表示装置は自発光型のディスプレイではないた
め、透過型液晶表示装置の場合には液晶表示装置の背後
に照明装置、所謂バックライトを配置してそこから入射
される光によって表示を行っている。また、反射型液晶
表示装置の場合には外部からの入射光を反射電極によっ
て反射させることによって表示を行っている。
【0006】反射型液晶表示装置はバックライトを使用
しないため消費電力は極めて小さいが、使用環境あるい
は使用条件、即ち周囲の明るさ等によって表示の明るさ
やコントラストが左右されてしまうという問題を有して
いる。一方、透過型液晶表示装置の場合は上述のように
バックライトを用いて表示を行うため消費電力は大きく
なるものの、周囲の明るさ等にさほど影響されることな
く、明るく、高いコントラストを有する表示を行えると
いう利点がある。
【0007】上述のようにTFTの活性層となる半導体
薄膜には非晶質シリコン層や多結晶シリコン層が用いら
れるが、これらの半導体薄膜に強い光が照射されると光
電流が発生し、TFTのオフ時のリーク電流が増加し、
表示のコントラスト等を劣化させるという問題点があ
る。反射型液晶表示装置の場合は、TFTに接続される
主に金属膜等からなる反射電極がTFT上を覆うように
配置されるため、外部からの入射光が直接TFTに到達
することがない。そのため、リーク電流が増大する等、
TFTの特性が劣化することが少ない。しかし透過型の
アクティブマトリクス型液晶表示装置に用いられるTF
Tは常にバックライトからの強い光に晒されることは言
うまでもなく、バックライト以外の外部からの入射光も
TFTに到達することがある。
【0008】そこで従来は、例えば特開平6−3499
7号公報に示されるように、TFTの下方に光を透過し
ない金属等からなる遮光膜を設けることが一般的となっ
ている。尚、この例はゲート電極が半導体膜の上方に配
置されたコプラナー型TFTの場合を示しており、ゲー
ト電極が半導体膜の下方に配置される逆スタガ型TFT
等の場合はTFTの上方に設けられる。また、何れのT
FTの場合であってもTFTの形成された基板に対向す
る基板、即ちカラーフィルタ及び対向電極が形成された
対向基板側に赤、青、緑の各カラーフィルタ層の境を形
成するために遮光膜が設けられる。所謂ブラックマトリ
クスである。上述のようにバックライト等、液晶表示装
置の外部から入射した光が直接TFTに到達する以外に
も、図7に示すように、一旦液晶表示装置に入射した光
が液晶セルの内部で反射を繰り返してTFTに到達する
場合がある。尚、図7において、1、19は絶縁性基
板、30はTFT、31は遮光膜、32はブラックマト
リクスであり、また、二枚の基板の間には液晶層が挟持
されている。このような液晶セル内部での反射に対して
はTFT30の下方あるいは上方に遮光膜31を設けて
もTFT30に到達する光を完全に遮断することが困難
である。図7の例の場合、(イ)および(ロ)で示され
た光は遮光膜31およびブラックマトリクス32によっ
て遮断され、TFT30には到達していない。しかし
(ハ)および(ニ)で示された対向基板側から入射して
いる光は一旦遮光膜31によって反射され、(ニ)に至
ってはさらにブラックマトリクス32で再反射されてT
FT30に到達している。また、(ホ)および(ヘ)で
示された光も(ハ)および(ニ)と同様にブラックマト
リクス32またはブラックマトリクス32で反射された
後に遮光膜31で再反射されてTFT30に到達してい
る。このように液晶表示装置の内部で反射した光が遮光
膜31あるいはブラックマトリクス32で反射してTF
T30に到達してしまう場合も十分に考えられることで
ある。遮光膜31あるいはブラックマトリクス32も液
晶表示装置内部での反射に対してはそれを助長してしま
う結果となることもある。
【0009】このような液晶セル内部での反射を低減す
るために、従来、例えば、特開平4−1728号公報ま
たは特開平6−331975号公報に示されるように、
対向基板側に設けられた遮光膜上に光吸収膜を設ける、
あるいは遮光膜上に赤、青、緑のカラーフィルターを積
層し、光吸収率の増大を図り反射光を低減することが提
案されている。また、この遮光膜としては、金属以外に
も黒色樹脂が用いられる場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
公報の方法では、遮光膜上に光吸収膜あるいは遮光膜上
に赤、青、緑のカラーフィルターを積層する構成とする
ために、遮光膜部分の膜厚が増大し、他の部分との段差
が顕著となる。因に赤、青、緑のカラーフィルター層は
各々1〜2μm程度の膜厚を有しており、これらを積層
すると、所によっては優に5μm程度の段差が生じるこ
とになる。
【0011】遮光膜部分は表示に直接寄与しない領域で
あるが、上述のような段差の影響により、遮光膜近傍の
ラビング処理が十分に行えず、液晶分子の配向乱れを引
き起こし、その影響が画素領域の液晶分子の配向にまで
及ぶ可能性がある。また、仮に絶縁膜等を堆積させて段
差を平坦化することにより配向乱れを防止したとして
も、上述のように最大5μm程度の段差を平坦にするた
めには少なくとも段差以上の厚い絶縁膜を形成する必要
があり、そのため、画素領域の透過率の低下、膜剥がれ
等を引き起こす虞れがある。また、カラーフィルタを積
層させるためにはパターニング工程を複数回、経なけれ
ばならないので、位置ずれが発生しやすい。
【0012】さらに、カラーフィルター層を積層する方
法や、黒色樹脂により遮光膜を形成する方法によると、
プロジェクション用のハライドランプのように強力な光
を発するランプを用いた場合には、入射光が遮光膜を透
過してTFTにまで及んでしまうため、上述のようなT
FT特性の劣化を引き起こすことになる。また、黒色樹
脂の場合には、ハライドランプやバックライトの光を吸
収して発熱するため、点灯中には液晶表示装置全体が常
時、高温となるため、液晶層やTFT特性の劣化を招く
ことになる。
【0013】本発明は上述の問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的とするところは、明るく、
かつ、高いコントラストを有するアクティブマトリクス
型液晶表示装置およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のアクティブマト
リクス型液晶表示装置は、絶縁性基板上にスイッチング
素子をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス基
板およびこれに対向する対向基板を有し、前記二枚の基
板間に液晶を封入したアクティブマトリクス型液晶表示
装置において、シリコン層とシリサイド層により構成さ
れたスイッチング素子の遮光手段を備え、該シリコン層
とシリサイド層との界面および該シリサイド層の表面
が、光反射を抑制するための機能を備えていることを特
徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】具体的には、前記遮光手段は、アクティブ
マトリクス基板側に設けられた前記スイッチング素子の
遮光膜、または、前記対向基板側に設けられたブラック
マトリクスである。
【0016】また、前記シリサイド層は、前記シリコン
層が金属と反応することによって形成されたものであ
る。
【0017】また、前記界面には、多数の起伏が形成さ
れている。
【0018】さらに、前記遮光手段は、前記アクティブ
マトリクス基板あるいは前記対向基板側の、前記アクテ
ィブマトリクス基板あるいは前記対向基板の対向面とは
別の表面に設けられている。
【0019】本発明のアクティブマトリクス型液晶表示
装置の製造方法は、スイッチング素子の遮光手段を有す
るアクティブマトリクス型液晶表示装置の製造方法にお
いて、少なくとも絶縁性基板上に所定の形状にシリコン
層を形成する工程と、前記シリコン層上に金属膜を堆積
する工程と、加熱して前記シリコン層と前記金属膜の界
面付近にシリサイドを形成する工程と、残存している前
記金属膜を除去する工程と、を有することを特徴とし、
そのことにより上記目的が達成される。
【0020】または、本発明の液晶表示装置のアクティ
ブマトリクス型製造方法は、スイッチング素子の遮光手
段を有するアクティブマトリクス型液晶表示装置の製造
方法において、少なくとも、絶縁性基板上に所定の形状
にシリコン層を形成する工程と、前記シリコン層に対し
てレーザー光を照射して、前記シリコン層を結晶化させ
る工程と、前記シリコン層上に金属膜を堆積する工程
と、加熱することにより前記シリコン層と前記金属膜の
界面付近にシリサイドを形成する工程と、残存している
前記金属膜を除去する工程と、を有することを特徴と
し、そのことにより上記目的が達成されるものでもよ
い。
【0021】具体的には、前記金属膜は、Ta、Ti、
W、Mo、Cr、Niのうちの一つからなる。
【0022】以下、上記構成による作用を説明する。
【0023】請求項1の発明によれば、遮光手段がシリ
コン層とシリサイド層により形成され、かつ、シリコン
層とシリサイド層の界面および表面には光反射を抑制す
るための機能が備えられているので、液晶表示装置外部
からTFTへ直接入射する光を十分に遮蔽することがで
きると共に、液晶表示装置内部での光反射を抑制するこ
とができる。すなわち、TFTの遮光を十分に行うこと
ができるため、TFT特性の劣化が生じることがない。
【0024】また、シリコン層の融点は約1400℃、
シリサイド層の融点は約1300℃〜1500℃または
それ以上であるため、通常のバックライトのみならず、
プロジェクション用のハライドランプのように強力な光
を発するランプを用いても、シリコン層およびシリサイ
ド層が各々、十分な耐熱性を有するので、上記遮光手段
における遮光効果や反射抑制効果を損なうことがない。
また、ハライドランプやバックライトの光を吸収して発
熱することもない。
【0025】さらに、本発明の遮光手段の厚みは、従来
のような遮光膜上に光吸収膜あるいはカラーフィルタを
積層させた構成に比べて十分に薄く、段差の影響なくラ
ビング処理を良好に行うことができるので、液晶の配向
乱れを低減させることが可能となる。
【0026】請求項2の発明によれば、遮光手段が少な
くともアクティブマトリクス基板の遮光膜、または、対
向基板側のブラックマトリクスであるので、TFTを効
果的に遮光することができ、また、高いコントラストを
得ることが可能となる。また、遮光手段が同時に遮光膜
およびブラックマトリクスとして両基板に設けられる
と、TFTの遮光効果およびコントラストをさらに向上
することが可能となる。
【0027】請求項3の発明によればシリサイド層は、
シリコン層と金属膜とが反応することによって形成され
ており、シリコン層または金属膜の全てがシリサイド化
されるのではなく、一部のみがシリサイド化されること
により、シリコン層とシリサイド層との界面およびシリ
サイド層の表面が光反射を抑制するための機能を有する
ようになり、入射光を散乱させるために有効となる多数
の微細な凹凸を効果的に作成することができる。また、
全体を完全にシリサイド化するよりも加熱時間も短時間
で済む。さらに、シリサイド化は金属膜とシリコン層と
が接している部分にのみ起こるものであるため、フォト
リソによるパターニング工程が不要である。これによ
り、パターニング工程におけるマスクパターンの配置ず
れや露光精度等に起因した遮光手段の位置ずれが生じる
ことがない。
【0028】請求項4の発明によれば、シリサイド層の
表面には多数の微細な起伏が形成されているので、遮光
手段に入射した光を散乱させ、液晶表示装置内部での光
反射を効果的に低減することが可能となる。
【0029】請求項5の発明によれば、遮光手段が基板
外部の表面上に形成されているので、液晶表示装置内部
を通過した光が遮光手段に入射すると、シリコン層を経
てシリコン層とシリサイド層の界面付近の凹凸により散
乱するので、内部反射をより効果的に抑制することが可
能となる。すなわち、シリコン層が入射光を吸収する効
果、特に、紫外線等の短波長域、例えば波長100nm
〜400nm付近の光の吸収効果が高いので、TFTに
光電流を発生させる波長の光を効率的に吸収することが
可能となる。また、シリコン層を通過した光をシリコン
層とシリサイド層の界面付近に形成された凹凸によって
散乱させるので、TFTへの光の入射を効果的に抑制す
ることができる。
【0030】請求項6の発明によれば、シリコン層ある
いは金属膜を完全にシリサイド化せずに金属膜を残存さ
せ、加熱後除去し、不均一にシリサイド化が進行したこ
とによって生じた多数の微細な凹凸をシリサイド層の表
面に露出させたものであるので、液晶表示装置内部での
光反射率を低減させるために有効な、微細な凹凸を効果
的に作成することができる。また、全体を完全にシリサ
イド化するよりも加熱時間も短時間で済む。さらに、シ
リサイド化は金属膜とシリコン層とが接している部分に
のみ起こるものであるため、フォトリソによるパターニ
ング工程が不要である。よって、パターニング工程にお
けるマスクパターンの配置ずれや露光精度等に起因する
遮光手段の位置ずれが生じることがない。
【0031】請求項7の発明によれば、遮光手段を構成
するシリコン層を結晶化させておくことにより、シリコ
ン層の表面にはリッジが発生し、シリコン層表面には不
均一な自然酸化膜が発生する。この結果、シリサイド化
も不均一に進行するため、遮光手段表面の凹凸の隆起を
より顕著なものとすることができる。
【0032】請求項8の発明によれば、遮光手段を構成
するシリサイド層の形成が600℃程度の比較的低温の
プロセスで可能となるので、絶縁性基板に対して悪影響
を及ぼすことがない。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明のアクティブマトリクス型
液晶表示装置を示す断面図である。図1において、アク
ティブ素子としてTFTを形成した液晶表示装置は概ね
次のような構成からなる。
【0034】アクティブマトリクス基板は、ガラス等の
絶縁性基板1上にシリコン層2およびシリサイド層4か
らなる遮光膜5が形成される。その上にSiO2等の絶
縁膜が堆積されベースコート膜6が形成される。遮光膜
5の上方にはベースコート膜6を介してシリコン層から
なるTFTの活性層7が所定の形状に形成され、活性層
7上にはSiO2等の絶縁膜が堆積されゲート絶縁膜8
が形成される。活性層7上にはAl等の金属材料からな
るゲート電極9が所定の形状に形成される。活性層7に
は不純物イオンが注入されたソース領域およびドレイン
領域10とゲート電極9の下方の領域に不純物イオンが
注入されていないチャネル領域11が形成される。その
後全面に絶縁膜が堆積され層間絶縁膜12が形成され
る。ソース領域およびドレイン領域10の上方の層間絶
縁膜12およびゲート絶縁膜8にはコンタクトホール1
3が開口され、Al等の金属材料からなるソース電極1
4およびドレイン電極15が形成されソース領域および
ドレイン領域10に接続される。この後全面にSiNx
等からなる絶縁膜を堆積してパッシベーション膜16を
形成する。パッシベーション膜16にコンタクトホール
17を開口してドレイン電極15にITO等の透明導電
性薄膜からなる画素電極18を電気的に接続される。
【0035】このアクティブマトリクス基板に対向する
対向基板は概ね次のような構成である。ガラス等の絶縁
性基板19上にシリコン層20およびシリサイド層21
からなるブラックマトリクス22が形成される。画素領
域に対応するように赤、青、緑のカラーフィルタ層23
が設けられる。カラーフィルタ層23の上には保護膜2
4、ITO等の透明導電性薄膜からなる対向電極25が
形成される。このようにして作成された対向基板との間
に液晶層26が挾持される。
【0036】本発明によると、TFTの下方に設けられ
た遮光膜および対向基板側に設けられたブラックマトリ
クスをシリコン層およびシリサイド層によって形成し、
これらの界面およびシリサイド層の表面に多数の微細な
凹凸を形成することにより、反射率の低減および光の散
乱という両方の効果が得られるので、液晶表示装置の内
部での反射を効果的に抑制することができる。このた
め、TFTの遮光を十分に行うことが可能となり、TF
T特性の劣化が生じることがない。
【0037】また、本発明の遮光手段はシリコン層およ
びシリサイド層で構成されており、シリコン層の融点は
約1400℃、シリサイド層の融点は約1300℃〜1
500℃またはそれ以上である。そのため、通常のバッ
クライトは勿論、プロジェクション用のハライドランプ
のような強力な光を発するランプを用いても、シリコン
層およびシリサイド層が共に十分な耐熱性を有している
ので変質することがなく、また、光を吸収して発熱する
こともない。
【0038】さらに、本発明の遮光手段はシリコン層お
よびシリサイド層で構成されているため、十分な遮光性
も有している。
【0039】(実施形態1)本発明の実施形態1におけ
る液晶表示装置の製造方法の詳細を図面に基づき以下に
説明する。
【0040】図2(a)〜(d)は本実施形態1の液晶
表示装置の製造工程を示す断面図である。図2(a)に
示すように、ガラス等の絶縁性基板1にプラズマCVD
によりシリコン層2を例えば100〜200nm程度の
膜厚に堆積させ、所定の形状にパターニングする。この
とき基板を大気中に取り出すと、シリコン層2の表面に
自然酸化膜が形成される。場合によっては酸化雰囲気中
にシリコン層2を晒して、表面に酸化膜を形成するよう
にしてもよい。この酸化膜の作用に関しては後述する。
次いで全面にスパッタリング等によりTi、Mo等の金
属膜3を100〜200nm程度の膜厚に堆積させる。
【0041】次に図2(b)に示すように、不活性ガス
雰囲気中または真空中で、300℃〜600℃の温度に
加熱してシリコン層2とTi、Mo等の金属膜3の界面
付近にシリサイド層4を形成する。反応開始温度は金属
膜によって異なり、概ね融点の3分の1程度の温度であ
る。例えば金属膜がNiの場合には、300℃程度に加
熱することでシリサイド層を形成することができる。C
rの場合は450℃程度、Moの場合は500℃程度に
加熱することでシリサイド層を形成することができる。
また、Ti、Ta、W等も同様に加熱することでシリサ
イド層4を形成することが可能である。尚、上述の加熱
温度は一例であり、シリコン層と金属膜との界面の状態
等によって多少変動する。加熱温度は上述の温度よりも
低温であっても可能な場合もある。
【0042】本発明においては、シリコン層全体あるい
は金属膜全体をシリサイド層にする必要はなく、シリコ
ン層あるいは金属膜の一部をシリサイド化するものであ
るため、全体を完全にシリサイド化するよりも加熱時間
も短時間で済む。
【0043】また、シリサイド化は、金属膜がシリコン
層と接している部分にのみ起こるものであるため、フォ
トリソによるパターニング工程が不要である。このこと
により、位置ずれが生じることがない。
【0044】尚、絶縁性基板がガラス基板の場合は、加
熱温度が600℃前後になると基板への悪影響が懸念さ
れるため、加熱温度および加熱時間の設定に注意する必
要がある。
【0045】次に、図2(c)に示すようにして残存し
た金属膜3のみを選択的に取り除き、シリコン層2とシ
リサイド層4からなる遮光膜5を形成する。
【0046】このとき、シリサイド層は、本発明で用い
た金属膜をエッチングする際に使用する通常のエッチン
グ液に対して耐性があるため、エッチング工程において
金属膜のみを選択的に除去することが容易に行える。
【0047】このように、金属膜のみを選択的に除去す
ることによりシリサイド層4の表面には多数の微細な凹
凸が形成される。ここで言う凹凸とは、大きさ、高さ、
形状が不均一な起伏のことである。シリサイド層4の表
面の微細な凹凸はシリコン層2の表面の平坦性や表面に
形成された自然酸化膜によって左右され、例えばシリコ
ン層2の表面に形成された自然酸化膜の膜厚が厚い部分
と薄い部分とではシリサイド化が進行する速度が異な
る。本発明ではシリコン層あるいは金属膜を全てシリサ
イド化せずに金属膜を残存させ、加熱後除去することに
より、不均一にシリサイド化が進行したことによって生
じた微細な凹凸をシリサイド層の表面に露出させた。
【0048】次いで、全面にSiO2等の絶縁膜を堆積
させ、ベースコート膜6を形成する。
【0049】次に図2(d)に示すように、TFTを周
知の方法によって作成する。作成方法は概ね以下の通り
である。先ず、遮光膜5の上方にはベースコート膜6を
介して非晶質シリコン膜等からなるシリコン層が例えば
50nm〜100nm程度の膜厚に堆積され、上方から
レーザー光が照射されシリコン層は多結晶化される。多
結晶化されたシリコン層を所定の形状にパターニングし
てTFTの活性層7を形成する。
【0050】次いで、活性層7上にSiO2等の絶縁膜
が堆積されゲート絶縁膜8が形成され、活性層7上には
ゲート絶縁膜8を介してAl等の金属材料からなるゲー
ト電極9が所定の形状に形成される。続いて、活性層7
にはゲート電極9をマスクとして不純物イオンが注入さ
れ、その後注入した不純物イオンを活性化すうるための
加熱処理を施されソース領域およびドレイン領域10が
形成される。この結果、ゲート電極9の下方の領域には
不純物イオンが注入されていないチャネル領域11が形
成される。
【0051】その後、全面に絶縁膜が堆積され層間絶縁
膜12が形成される。ソース領域およびドレイン領域1
0の上方の層間絶縁膜12およびゲート絶縁膜8にはコ
ンタクトホール13が開口され、Al等の金属材料から
なるソース電極14およびドレイン電極15が形成され
ソース領域およびドレイン領域10に接続される。続い
て、全面にSiNx等からなる絶縁膜を堆積してパッシ
ベーション膜16を形成する。液晶が接する面を平坦に
するためにパッシベーション膜16にはアクリル樹脂等
が用いられる場合もある。さらに、パッシベーション膜
16にコンタクトホール17を開口してドレイン電極1
5にITO等の透明導電性薄膜からなる画素電極18を
電気的に接続する。
【0052】図示していないが、この後全面に配向膜を
形成し、配向処理を施した後、カラーフィルターや対向
電極等を形成した対向基板を貼り合わせ、基板間に液晶
を注入して液晶表示装置を完成させる。本実施形態にお
けるTFTの製造方法はその一例を示したものであり、
これに限定されるものではない。また、本実施形態では
TFTの活性層に多結晶シリコン層を用いて説明した
が、微結晶シリコン層あるいは非晶質シリコン層であっ
ても差し支えない。
【0053】(実施形態2)実施形態2における液晶表
示装置の対向基板の製造方法の詳細を図面に基づき以下
に説明する。
【0054】図3(a)〜(d)は本実施形態2の対向
基板の製造工程を示す断面図である。図3(a)に示す
ように、ガラス等の絶縁性基板10にシリコン層20を
例えば100nm程度の膜厚に堆積させ、所定の形状に
パターニングする。次いで全面にTi、Mo等の金属膜
3を100nm程度の膜厚に堆積させる。
【0055】次に図3(b)に示すように、300℃〜
600℃の温度に加熱してシリコン層20とTi、Mo
等の金属膜3の界面付近にシリサイド層21を形成す
る。
【0056】加熱温度は金属膜によって異なり、例えば
金属膜がNiの場合には、300℃程度に加熱すること
でシリサイド層を形成することができる。Crの場合は
450℃程度、Moの場合は500℃程度に加熱するこ
とでシリサイド層を形成することができる。また、T
i、Ta、W等も同様に加熱することでシリサイド層2
1を形成することが可能である。加熱温度に関しては上
述の実施形態1の記載と同様である。
【0057】次に、図3(c)に示すように、残存した
金属膜3を取り除き、シリコン層20とシリサイド層2
1からなるブラックマトリクス22を形成する。次いで
カラーフィルタ層23を形成する。
【0058】次に、図3(d)に示すように、全面に保
護膜24及びITO等の透明導電性薄膜からなる対向電
極25を形成する。
【0059】続いて、図示していないが、アクティブマ
トリクス基板と貼り合わせ、基板間に液晶を注入して液
晶表示装置を完成させる。このとき、図1に示したよう
にしてシリコン層とシリサイド層からなる遮光層をアク
ティブマトリクス基板側にも設けることにより、一層、
内部反射を抑えることができるので、TFTの遮光をよ
り効果的に行うことが可能となる。
【0060】(実施形態3)実施形態3における液晶表
示装置の製造方法の詳細を図面に基づき以下に説明す
る。
【0061】図4(a)〜(d)は本実施形態3の製造
工程を示す断面図である。図4(a)に示すように、ガ
ラス等の絶縁性基板1にプラズマCVDによりシリコン
層2として例えば非晶質シリコン層を100nm程度の
膜厚に堆積させ、所定の形状にパターニングする。この
後、上方からレーザー光を照射して非晶質シリコン層を
結晶化させる。本実施形態ではエキシマレーザー等の短
波長パルスレーザー、ここではXeClレーザーを用
い、200〜300mJ/cm2程度のエネルギー密度
で照射した。後述するが、この工程で結晶化される膜の
表面は平坦である必要はない。そのため、TFTの活性
層に用いる場合と違い、レーザー光の照射条件はそれほ
ど厳密なものではない。
【0062】次いで、図4(b)に示すように、全面に
スパッタリング等によりTi、Mo等の金属膜3を10
0nm程度の膜厚に堆積させる。尚、本実施形態ではシ
リコン層2を所定の形状にパターニングした後にレーザ
ー光を照射して結晶化させたが、結晶化させた後に所定
の形状にパターニングしても差し支えない。
【0063】次に、図4(c)に示すように、300℃
〜600℃の温度に加熱してシリコン層2とTi、Mo
等の金属膜3の界面付近にシリサイド層4を形成する。
反応開始温度は金属膜によって異なり、概ね融点の3分
の1程度の温度である。例えば金属膜がNiの場合に
は、300℃程度に加熱することでシリサイド層を形成
することができる。Crの場合は450℃程度、Moの
場合は500℃程度に加熱することでシリサイド層を形
成することができる。また、Ti、Ta、W等も同様に
加熱することでシリサイド層4を形成することが可能で
ある。加熱温度に関しては上述の実施形態1の記載と同
様である。
【0064】次に、残存した金属膜3を取り除き、シリ
コン層2とシリサイド層4からなる遮光膜5を形成す
る。シリサイド層4の表面には微細な凹凸が形成され
る。
【0065】このとき、シリサイド層4の表面の微細な
凹凸の形成状態はシリコン層2の表面の平坦性や表面に
形成された自然酸化膜によって左右される。例えば、シ
リコン層2の表面に形成された自然酸化膜の膜厚が厚い
部分と薄い部分とではシリサイド化が進行する速度が異
なる。本発明はシリコン層あるいは金属膜を全てシリサ
イド化せずに金属膜を残存させ、加熱後除去することに
より、不均一にシリサイド化が進行したことによって生
じた微細な凹凸をシリサイド層の表面に露出させたもの
である。
【0066】特に、本実施形態3では非晶質シリコン膜
にレーザー光を照射して結晶化させた膜をシリコン層2
として用いているので、シリサイド層4の表面の微細な
凹凸をより顕著なものとすることができる。
【0067】ここで、遮光膜5に関して説明すれば、図
5に示したように、本実施形態3で用いたシリコン層2
の表面にはレーザー光を照射して結晶化する際に生じた
多数のリッジ27と呼ばれる凹凸が形成されている。リ
ッジは結晶粒界28がぶつかり合うことによって出来る
隆起であり、この隆起は例えばシリコン層2の膜厚が5
0nm程度の場合、最大でこの膜厚と同程度の隆起が発
生する場合もある。このリッジ部分はすなわち結晶粒界
であり、結晶粒界は結晶部分に比べ酸化されやすい特徴
を有している。そのため、シリコン層2の表面でより不
均一に自然酸化膜が形成されることになり、これに伴
い、シリサイド化も不均一に進行することになる。ま
た、上述のリッジ27によりシリコン層2の表面には当
初から多数の凹凸が生じており、これも最終的にはシリ
サイド層4の表面の凹凸の形成に効果的に作用すること
になる。
【0068】次に、全面にSiO2等の絶縁膜を堆積さ
せ、ベースコート膜6を形成した後、図4(d)に示す
ようにTFTを周知の方法によって作成する。製造方法
は上述の実施形態1と同様であるため省略する。
【0069】(実施形態4)実施形態4における液晶表
示装置の製造方法の詳細を図面に基づき以下に説明す
る。
【0070】図6は本実施形態4のアクティブマトリク
ス型液晶表示装置を示す断面図である。本実施形態4で
は、TFTを遮光する遮光膜をTFTを形成したアクテ
ィブマトリクス基板のTFTを形成した表面の反対の表
面側に設けている。また、遮光膜は上述の実施形態に示
した方法で作成した。シリサイド層4の表面に多数の凹
凸が形成されていることは上述の通りであるが、シリサ
イド化はシリコン層2側にも進行するため、シリコン層
2とシリサイド層4の界面付近も同様に多数の凹凸が形
成されている。従って、入射光(C)はシリコン層2と
シリサイド層4の界面付近の凹凸によって散乱されるこ
とになり、上述の実施形態で説明した内容と同様の効果
が得られる。
【0071】また、本実施形態では上述の入射光を散乱
させる以外にも、シリコン層2が入射光(C)を吸収す
る効果を有している。シリコン層は紫外線等の短波長
域、例えば波長100nm〜400nm付近の光に対す
る吸収が良好である。言い換えればTFTの活性層を構
成しているシリコン層にこの波長の光が入射するとTF
T特性の劣化等を引き起こすということである。シリコ
ン層2が入射光(C)の短波長域、例えば波長100n
m〜400nm付近の光を吸収し、かつシリコン層2と
シリサイド層4の界面付近の凹凸によって光を散乱させ
ることにより、液晶表示装置の内部での入射光の反射に
よる影響を一層効果的に抑制することができる。
【0072】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、遮光手段がシ
リコン層とシリサイド層により形成され、かつ、シリコ
ン層とシリサイド層の界面および表面には光反射を抑制
するための機能が備えられているので、液晶表示装置外
部からTFTへ直接入射する光を十分に遮蔽することが
できると共に、液晶表示装置内部での光反射を抑制する
ことができる。この結果、液晶表示装置の内部での反射
によってTFTへ入射する光量を低減することができ、
TFT特性の劣化を防止することができる。また、液晶
表示装置に強い光が入射するような条件下であっても、
コントラスト等の表示品位を低下させることなく、良好
な表示を得ることができる。
【0073】また、シリコン層の融点は約1400℃、
シリサイド層の融点は約1300℃〜1500℃または
それ以上であるため、通常のバックライトのみならず、
プロジェクション用のハライドランプのように強力な光
を発するランプを用いても、シリコン層およびシリサイ
ド層が各々、十分な耐熱性を有するので、上記遮光手段
における遮光効果や反射抑制効果を損なうことがない。
また、ハライドランプやバックライトの光を吸収して発
熱することもない。
【0074】さらに、本発明の遮光手段の厚みは、従来
のような遮光膜上に光吸収膜あるいはカラーフィルタを
積層させた構成に比べて十分に薄く、段差の影響なくラ
ビング処理を良好に行うことができるので、液晶の配向
乱れを低減させることが可能となる。
【0075】請求項2の発明によれば、遮光手段が少な
くともアクティブマトリクス基板の遮光膜、または、対
向基板側のブラックマトリクスであるので、TFTを効
果的に遮光することができ、また、高いコントラストを
得ることが可能となる。また、遮光手段が同時に遮光膜
およびブラックマトリクスとして両基板に設けられる
と、TFTの遮光効果およびコントラストをさらに向上
することが可能となる。
【0076】請求項3の発明によれば、シリコン層また
は金属膜の全てをシリサイド化させず、一部のみをシリ
サイド化することにより、入射光を散乱させるために有
効となる、多数の微細な凹凸を効果的に作成することが
できる。また、全体を完全にシリサイド化するよりも加
熱時間も短時間で済む。さらに、シリサイド化は金属膜
とシリコン層とが接している部分にのみ起こるものであ
るため、フォトリソによるパターニング工程が不要であ
る。これにより、パターニング工程におけるマスクパタ
ーンの配置ずれや露光精度等に起因した遮光手段の位置
ずれが生じることがない。
【0077】請求項4の発明によれば、シリサイド層の
表面には微細な起伏が形成されているので、遮光手段に
入射した光を散乱させ、液晶表示装置内部での光反射を
効果的に低減することが可能となる。
【0078】請求項5の発明によれば、遮光手段が基板
外部の表面上に形成されているので、液晶表示装置内部
を通過した光が遮光手段に入射すると、シリコン層を経
てシリコン層とシリサイド層の界面付近の凹凸により散
乱するので、内部反射をより効果的に抑制することが可
能となる。すなわち、シリコン層が入射光を吸収する効
果、特に、紫外線等の短波長域、例えば波長100nm
〜400nm付近の光を吸収効果が高いので、TFTに
光電流を発生させる波長の光を効率的に吸収することが
可能となる。また、シリコン層を通過した光をシリコン
層とシリサイド層の界面付近に形成された凹凸によって
散乱させるので、TFTへの光の入射を効果的に抑制す
ることができる。
【0079】請求項6の発明によれば、シリコン層ある
いは金属膜を完全にシリサイド化せずに金属膜を残存さ
せ、加熱後除去し、不均一にシリサイド化が進行したこ
とによって生じた多数の微細な凹凸をシリサイド層の表
面に露出させたものであるので、液晶表示装置内部での
光反射率を低減させるために有効な、微細な凹凸を効果
的に作成することができる。また、全体を完全にシリサ
イド化するよりも加熱時間も短時間で済む。さらに、シ
リサイド化は金属膜とシリコン層とが接している部分に
のみ起こるものであるため、フォトリソによるパターニ
ング工程が不要である。よって、パターニング工程にお
けるマスクパターンの配置ずれや露光精度等に起因する
遮光手段の位置ずれが生じることがない。以上の結果、
製造工程数をそれほど増やすことなく、良好な表示特性
を有するアクティブマトリクス型液晶表示装置を効率良
く製造することができる。
【0080】請求項7の発明によれば、遮光手段を構成
するシリコン層を結晶化させておくことにより、シリコ
ン層の表面にはリッジが発生し、シリコン層表面には不
均一な自然酸化膜が発生する。この結果、シリサイド化
も不均一に進行するため、遮光手段表面の凹凸の隆起を
より顕著なものとすることができる。
【0081】請求項8の発明によれば、遮光手段を構成
するシリサイド層の形成が600℃程度の比較的低温の
プロセスで可能となるので、絶縁性基板に対して悪影響
を及ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブマトリクス型液晶表示装置
を示す断面図である。
【図2】本発明のアクティブマトリクス基板の製造工程
を示す断面図である。
【図3】本発明の対向基板の製造工程を示す断面図であ
る。
【図4】本発明のアクティブマトリクス基板の他の製造
工程を示す断面図である。
【図5】本発明の主要部を示す拡大図である。
【図6】本発明のアクティブマトリクス型液晶表示装置
の他の構成を示す断面図である。
【図7】液晶表示装置の内部での入射光の反射の様子を
示した図である。
【符号の説明】
1、19 絶縁性基板 2、20 シリコン層 3 金属膜 4、21 シリサイド層 5、31 遮光膜 6 ベースコート膜 7 活性層 8 ゲート絶縁膜 9 ゲート電極 10 ソース領域およびドレイン領域 11 チャネル領域 12 層間絶縁膜 13、17 コンタクトホール 14 ソース電極 15 ドレイン電極 16 パッシベーション膜 18 画素電極 22、32 ブラックマトリクス 23 カラーフィルタ層 24 保護膜 25 対向電極 26 液晶層 27 リッジ 28 結晶粒界 30 TFT

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上にスイッチング素子をマト
    リクス状に配置したアクティブマトリクス基板およびこ
    れに対向する対向基板を有し、前記二枚の基板間に液晶
    を封入したアクティブマトリクス型液晶表示装置におい
    て、 シリコン層とシリサイド層により構成されたスイッチン
    グ素子の遮光手段を備え、 該シリコン層とシリサイド層との界面および該シリサイ
    ド層の表面が、光反射を抑制するための機能を備えてい
    ることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記遮光手段は、少なくともアクティブ
    マトリクス基板側に設けられた前記スイッチング素子の
    遮光膜、または、前記対向基板側に設けられたブラック
    マトリクスであることを特徴とする請求項1記載のアク
    ティブマトリクス型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記シリサイド層は、前記シリコン層が
    金属と反応することによって形成されたものであること
    を特徴とする請求項1記載のアクティブマトリクス型液
    晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記界面には、多数の起伏が形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリ
    クス型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記遮光手段は、前記アクティブマトリ
    クス基板あるいは前記対向基板側の、前記アクティブマ
    トリクス基板あるいは前記対向基板の対向面とは別の表
    面に設けられていることを特徴とする請求項1記載のア
    クティブマトリクス型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 スイッチング素子の遮光手段を有するア
    クティブマトリクス型液晶表示装置の製造方法におい
    て、 少なくとも絶縁性基板上に所定の形状にシリコン層を形
    成する工程と、 前記シリコン層上に金属膜を堆積する工程と、 加熱して前記シリコン層と前記金属膜の界面付近にシリ
    サイドを形成する工程と、 残存している前記金属膜を除去する工程と、 を有することを特徴とするアクティブマトリクス型液晶
    表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 スイッチング素子の遮光手段を有するア
    クティブマトリクス型液晶表示装置の製造方法におい
    て、 少なくとも、絶縁性基板上に所定の形状にシリコン層を
    形成する工程と、 前記シリコン層に対してレーザー光を照射して、前記シ
    リコン層を結晶化させる工程と、 前記シリコン層上に金属膜を堆積する工程と、 加熱することにより前記シリコン層と前記金属膜の界面
    付近にシリサイドを形成する工程と、 残存している前記金属膜を除去する工程と、 を有することを特徴とするアクティブマトリクス型液晶
    表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記金属膜は、Ta、Ti、W、Mo、
    Cr、Niのうちの一つからなることを特徴とする請求
    項6または7記載のアクティブマトリクス型液晶表示装
    置の製造方法。
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