JPH10159500A - ロックボルトカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組付けが容易で、汎用性に優れ、割れや欠け
に強く、割れたり欠けたりした状態でも防水シートを破
損することのないロックボルトカバーを提供する。 【解決手段】 壁部に埋設状に設けたロックボルト３の
壁部から突出する先端部に外嵌固定されるロックボルト
カバー１０を合成樹脂発泡体又は合成ゴム発泡体を用い
て一体成形した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、山岳トンネル工法
で使用するロックボルトのトンネル側へ突出した先端部
のカバーとして好適なロックボルトカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】山岳トンネル工法として、トンネルの内
壁が崩れないようにするため、トンネルの内側から岩盤
に対して放射状にロックボルトを打ち込むとともにコン
クリートを吹き付けて内壁を補強しつつ掘り進み、最後
にこの吹付けコンクリートの内側に覆工コンクリートを
巻く、所謂ナトム工法が広く普及している。また、この
ナトム工法において、トンネル内における漏水防止や覆
工コンクリートのクラック防止を図るため、吹付けコン
クリートの内側に防水シートを設けることが一般的に行
われている。ことろで、ロックボルトには吹付けコンク
リートの壁面からトンネル側へ突出した先端部にロック
ナットを締結して、吹付けコンクリートの剥離や破損を
防止するように構成されているが、前述のように吹付け
コンクリートの内側に防水シートを設ける場合、ロック
ボルトの先端部が防水シートに圧接されて、防水シート
が破損したりその耐久性が低下したりするという問題が
あった。そこで、特開平７−２１７３９４号公報に記載
のボルトキャップのように、半球状のキャップ主体の内
側にボルト挿入部とナット挿入部とを一体的に連設さ
せ、これらを合成樹脂材料で一体成形し、このボルトキ
ャップをロックナットの先端部に組付けるとこにより、
防水シートがキャップ主体の滑らかな外面に圧接される
ようにして、防水シートの破損や耐久性の低下を防止し
するように構成したものが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のト
ンネル工事現場は、通常比較的自然条件の厳しい所にあ
るケースが多く、現場へのボルトキャップの輸送時や現
場におけるボルトキャップの保管時にボルトキャップが
破損することも考えられる。前記公報に記載のボルトキ
ャップでは、非発泡の合成樹脂材料でボルトキャップを
構成していたので、キャップ主体に割れや欠けが発生し
易く、しかも割れや欠けが発生するとその部分が鋭く尖
った状態になるので、割れや欠けに気付かずにそれをロ
ックボルトの組付けると、防水シートが破損する言う問
題がある。

【０００４】また、現場においてはダンボール箱等の箱
体に複数のボルトキャップを収容し、必要に応じて１つ
ずつ取出して使用していたので、ボルトキャップの組付
け作業が煩雑になると言う問題があった。これを解決す
るため、複数のボルトキャップを切離し可能に連ねて設
けることも可能ではあるが、前述のように非発泡の合成
樹脂材料で構成されたボルトキャップでは、切離し作業
が煩雑になったり、切離し部分が鋭角状になって防水シ
ートの破損をまねくという問題がある。更に、ボルト挿
入部やナット挿入部における素材の伸びや曲げ変形を利
用して組付けるので、組付け可能なボルトやナットのサ
イズに対する制約が大きく、汎用性に欠けるとともに、
ボルトやナットにコンクリート等の異物が付着している
と、組付けが煩雑になったり組付け不良が発生するなど
の問題もある。

【０００５】本発明の目的は、組付けが容易で、汎用性
に優れ、割れや欠けに強く、割れたり欠けたりした状態
でも防水シートを破損することのないロックボルトカバ
ーを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係るロックボ
ルトカバーは、壁部に埋設状に設けたロックボルトのう
ちの壁部から突出する先端部に外嵌固定されるロックボ
ルトカバーであって、合成樹脂発泡体又は合成ゴム発泡
体を用いて一体成形したものである。このロックボルト
カバーにおいては、素材の圧縮弾性変形を利用して、ロ
ックボルトの先端部やそれに取付けられるロックナット
を保持することで、ロックボルトの先端部に組付けられ
ることになる。そして、このようにロックボルトの先端
部にロックボルトカバーを組付けることで、ロックボル
トの先端部が防水シートに直接的に接触することが防止
されることになる。また、素材の圧縮弾性変形を利用し
て、ロックボルトに組付けるので、ロックボルトカバー
の組付けが容易になるとともに、取付け可能なロックボ
ルトやロックナットのサイズに対する許容範囲が広くな
り、しかも異物を噛み込んだ状態での使用も可能とな
る。更に、合成樹脂発泡体や合成ゴム発泡体の素材の特
性として、割れや欠けが発生し難く、しかも割れや欠け
が発生しても、その部分が鋭く尖ることもない。

【０００７】ここで、ロックボルトカバーを構成する素
材として、請求項２記載のようにポリオレフィン系樹脂
発泡体、特に請求項３記載のように、ポリプロピレン系
樹脂発泡体を用いることが好ましく、このような素材で
ロックボルトカバーを構成することで、材料コストを低
減できるとともに、その重量を軽減することが可能とな
る。ことに、型内ビーズ発泡成形法を採用することで、
複雑な形状のものであっても、安価に大量生産できる。

【０００８】また、ロックボルトカバーの具体的な構成
としては、請求項４記載のように、外縁が壁部外面付近
まで延びてロックボルトの先端部全体を覆うドーム状の
傘部と、傘部の内側に配置され、ロックボルトの先端部
又はロックボルトに取付けたロックナットの少なくとも
一方を外嵌保持可能な嵌合部とを有するものが考えられ
る。このように構成すると、嵌合部をロックボルトの先
端部とロックナットの少なくとも一方に嵌合させてロッ
クボルトカバーをロックボルトに組付けることになり、
組付けた状態でドーム状の傘部の外面に防水シートが圧
接されることで、防水シートの破損等が防止されること
になる。

【０００９】請求項４記載のように構成する場合には、
請求項５記載のように、傘部の内側に傘部及び嵌合部を
補強するためのリブ部を一体成形することが好ましい。
また、請求項６記載のように、ロックボルトの先端部を
外嵌保持する嵌合部を設け、嵌合部の内径をボルト径よ
りも０．１〜３ｍｍ小さく設定したり、請求項７記載の
ように、ロックナットを外嵌保持する嵌合部を設け、嵌
合部の内径をロックナットの外径よりも０．１〜３ｍｍ
小さく設定してもよい。このように設定すると、嵌合部
を０．１〜３ｍｍ圧縮弾性変形させながら、ロックボル
トカバーをロックボルトに組付けることになり、ロック
ボルトに対する組付け作業の作業性を十分に確保しつ
つ、ロックボルトに対する組付け強度を十分に確保する
ことが可能となる。

【００１０】また、請求項８記載のように、嵌合部の内
周面にロックボルトの装着方向に延びる複数の溝部を形
成してもよく、この場合には、ロックボルトやロックナ
ットに対する嵌合部の組付けが容易になるとともに、適
用可能なボルトサイズやナットサイズの許容範囲を拡大
することが可能となる。更に、請求項９記載のように、
嵌合部の開口縁にロックボルト又はロックナット案内用
のテーパ面を形成して、ロックボルトカバーを組付ける
ときに、テーパ面によりロックボルトやロックナットを
嵌合部内へ案内させてもよい。更にまた、請求項１０記
載のように、嵌合部の内部空間の奥部に傘部を貫通する
エア抜き孔を形成することが好ましい。このように構成
すると、嵌合部に対してロックボルトやロックナットを
嵌合させたときに、嵌合部の開口が完全に閉鎖されて
も、エア抜き孔から嵌合部の内部空気が抜けるので、嵌
合部の内圧が高くなってロックボルトカバーの組付けに
支障を来すと言う不具合が防止されることになる。

【００１１】請求項１１記載のように、請求項１〜１０
のいずれか１項記載のロックボルトカバーを切離し用の
弱部を介して複数連結してもよい。このように構成する
と、ロックボルトカバーの管理が容易になるとともに、
複数連なったロックボルトカバーを一端側から順次切り
取りながらロックボルトに組付けることが可能となり、
ロックボルトカバーの組付け作業性を改善できる。しか
も、合成樹脂発泡体又は合成ゴム発泡体でロックボルト
カバーを構成してあるので、切離したロックボルトカバ
ーの切り口で防水シートが破損することもない。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。先ず、ナトム工法により構
築したトンネルの内壁構造について簡単に説明する。図
１に示すように、トンネル１周辺の岩盤２には岩盤２の
崩れを防止するために複数のロックボルト３が放射状に
打ち込まれ、岩盤２に形成した開口の内壁面には吹付け
コンクリート層４が形成されている。ロックボルト３の
トンネル１側の先端部はコンクリート層４から内側へ突
出されており、このロックボルト３の先端部に座金５を
装着した状態でロックナット６を締結することで、コン
クリート層４の剥離や破損を防止するように構成されて
いる。コンクリート層４の内面には、トンネル１内にお
ける漏水防止やコンクリート層４の内側に配置される図
示外の覆工コンクリートのクラック防止を図るため、コ
ンクリート層４の内面全体に防水シート７が設けられ、
ロックボルト３の先端部はコンクリート層４の内面と防
水シート７間に配置されることになる。

【００１３】本発明に係るロックボルトカバー１０は、
このように構成されるトンネル内壁において、防水シー
ト７がロックボルト３の先端部で傷付いたりしないよう
に、ロックボルト３の先端部に組付けるものであり、ロ
ックボルト３への組付性を考慮して、柔軟性に優れ、割
れや欠けの発生し難い、合成樹脂発泡体又は合成ゴム発
泡体を用いて一体成形されている。具体的な素材として
は、重量が軽くしかも安価に製作可能で、発泡ポリスチ
レンやスチレン共重合体よりも粘りのある、ポリエチレ
ン系樹脂発泡体やポリプロピレン系樹脂発泡体などのポ
リオレフィン系樹脂発泡体を用いることが好ましい。

【００１４】ロックボルトカバー１０の具体的構成につ
いて説明すると、図２〜図５に示すように、外縁がコン
クリート層４の外面付近まで延びてコンクリート層４の
外面から突出するロックボルト３の先端部全体を覆うド
ーム状の傘部１１が設けられている。図例の傘部１１は
平面視略６角形状に形成されているが、６角形以外の多
角形状や略円形等の任意の形状に形成することも可能で
ある。

【００１５】傘部１１の中央部には内側へ突出状に延び
る略筒状の嵌合部１２が形成され、嵌合部１２の内側に
はロックナット６に外嵌可能な嵌合孔１３が形成され、
嵌合部１２の内壁の先端部にはロックナット６を嵌合孔
１３へ案内するためのテーパ面１４が形成されている。
嵌合部１２の先端部側の内壁面には、嵌合部１２の長さ
方向に延びる６つの溝部１５が円周一定間隔おきに形成
され、ロックナット６の各角部が対応する溝部１５に嵌
合し得るように構成され、溝部１５の先端部にはロック
ナット６の角部を溝部１５の奥部側へ案内するためのテ
ーパ面１６が形成されている。但し、溝部１５を設ける
ことにより嵌合部１２の内壁面の圧縮変形が促進され
て、ロックナット６の組付性が向上するので、溝部１５
は必ずしもロックナット６の角部に嵌合するように形成
しなくてもよく、その形成位置や本数、深さや長さは夫
々任意に設定することが可能である。また、溝部１５に
代えて、適宜の大きさ深さの凹凸を形成することでも略
同じ作用効果が得られる。嵌合孔１３に対するロックナ
ット６の装着を円滑に行え得るように構成するため、嵌
合孔１３の直径ｄ（図５参照）はロックナット６の外径
Ｄ（図３参照）よりも０．１〜３ｍｍ、好ましくは０．
５〜２ｍｍ小さく設定されている。例えば、ロックナッ
ト６の外径Ｄが４０ｍｍの場合には、嵌合孔１３の直径
ｄを３８ｍｍに設定することで、ロックナット６に対す
る嵌合部１２の組付性を向上しつつ、ロックナット６か
らの脱落を防止できるように構成されている。

【００１６】嵌合部１２と傘部１１間には嵌合部１２を
補強するための６枚のリブ部１７が形成されている。
尚、リブ部１７の枚数は任意に設定することが可能であ
るが、図例のように、リブ部１７と溝部１５とを周方向
の同じ位置に形成することで、溝部１５を設けることに
よる嵌合部１２の強度低下を防止することが可能とな
る。嵌合孔１３の奥部には傘部１１を貫通するエア抜き
孔１８が形成され、嵌合孔１３に対してロックナット６
が密に装着されたときにおいても、このエア抜き孔１８
から嵌合孔１３内の空気が抜けることで、嵌合孔１３の
内圧上昇が防止され、ロックナット６の組付性を常時良
好に維持できる。また、エア抜き孔１８の口径を極力大
きく設定して、エア抜き孔１８を通してロックボルト３
の先端部を目視できるように構成し、ロックボルト３に
対するロックボルトカバー１０の組付性を向上させても
よい。勿論、エア抜き孔１８は無くても充分に実用に耐
えられるものである。

【００１７】ロックボルトカバー１０は、図５に示すよ
うに、複数連ねて一体成形されており、隣接するロック
ボルトカバー１０を連結する連結部１９には切離し用の
弱部２０が形成され、現場等において弱部２０を順次切
離しながらロックボルトカバー１０をロックボルト３に
組付けれるように構成されている。

【００１８】次に、ロックボルトカバー１０の作用、効
果について説明する。ロックボルトカバー１０の素材と
して、ポリエチレン系樹脂発泡体やポリプロピレン系樹
脂発泡体などのポリオレフィン系樹脂発泡体を用いてい
るので、インジェクション等により成形した樹脂成形品
と比較して、割れや欠けが発生し難く、しかも割れや欠
けが発生した場合でも、その箇所が鋭角状になることは
ないので、割れや欠けが発生した状態で万一組付けた場
合でも、防水シート７が破損することはない。

【００１９】また、ロックボルトカバー１０をロックボ
ルト３に対して組付けるときには、先ず嵌合孔１３にロ
ックボルト３の端部を装着させ、嵌合部１２の端面をロ
ックナット６に当接させながらゆっくり回転させて、ロ
ックナット６の角部がテーパ面１６を介して溝部１５内
に案内されたときに、ロックボルトカバー１０を壁面側
へ押し込んで、嵌合部１２内にロックナット６を嵌合さ
せる。このように、ロックナット６の角部をテーパ面１
６及び溝部１５で案内しながら嵌合部１２にロックナッ
ト６を嵌合させるので、ロックナット６に対するロック
ボルトカバー１０の組付けを円滑に行うことが可能とな
る。また、嵌合部１２の圧縮変形を利用して嵌合部１２
をロックナット６に嵌合保持させるので、嵌合部１２を
厚肉に構成するなどして、嵌合部１２の変形量を多めに
設定することで、１サイズ上のロックナット６に対して
も設計変更することなく組付けることが可能となる。

【００２０】そして、このようにロックボルト３の先端
部にロックボルトカバー１０を組付けると、ロックボル
ト３の先端部に対する防水シート７の接触が防止され、
防水シート７の破損等を確実に防止できることになる。
また、連結部１９を介して連なった複数のロックボルト
カバー１０を弱部２０を折り曲げるなどして順次切離
し、ロックボルト３に組付けることが可能なので、ロッ
クボルトカバー１０の組付け作業性を向上できるととも
にその管理を簡素化することが可能となる。

【００２１】次に、ロックボルトカバー１０の構成を部
分的に変更した他の実施例について説明する。尚、前記
実施例と同一部材には同一符号を付してその説明を省略
する。 （１） 図６に示すロックボルトカバー１０Ａのよう
に、嵌合部１２の基部にロックボルト３の先端部を保持
する嵌合孔１３Ａを形成してもよい。この場合において
も、嵌合孔１３Ａを構成する嵌合部１２の内壁に軸方向
に延びる複数の溝部１５Ａを形成し、この溝部１５Ａに
よりロックボルト３装着時における嵌合部１２の圧縮変
形を促進させてもよい。このように構成すると、ロック
ボルト３とロックナット６が嵌合部１２により保持さ
れ、ロックボルトカバー１０の取付け強度を一層高める
ことが可能となる。 （２） 図７に示すロックボルトカバー１０Ｂのよう
に、短尺の嵌合部１２Ｂを設けて、この嵌合部１２Ｂを
ロックボルト３の先端部にのみ嵌合させるように構成し
てもよい。この場合においても、嵌合部１２Ｂの内壁に
軸方向に延びる複数の溝部１５Ｂを形成し、この溝部１
５Ｂによりロックボルト３装着時における嵌合部１２Ｂ
の圧縮変形を促進させてもよい。また、溝部１５Ａ、１
５Ｂに代わりに、図示しないがロックボルトカバー１０
Ａ、１０Ｂにおける嵌合部１２、１２Ｂの内壁面に適宜
のサイズの凹凸を設けて、ロックボルト３やロックナッ
ト６の装着時における嵌合部１２、１２Ｂの圧縮変形を
促進させてもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明に係るロックボルトカバーによれ
ば、合成樹脂発泡体又は合成ゴム発泡体を用いて一体成
形したロックボルトカバーを用いて、防水シートの破損
を防止するので、素材の圧縮弾性変形を利用してロック
ボルトカバーをロックボルトに組付けることが可能とな
り、ロックボルトカバーの組付けが容易になるととも
に、取付け可能なロックボルトやロックナットのサイズ
に対する許容範囲が広くなって、複数サイズのロックボ
ルトやロックナットに対して共通のロックボルトカバー
を用いることが可能となる。しかも、ロックボルトやロ
ックナットにコンクリートなどの異物が付着している場
合でも、変形量を大きく設定できるので、これらの異物
を噛み込んだ状態での使用も可能となる。更に、合成樹
脂発泡体や合成ゴム発泡体の素材の特性として、割れや
欠けが発生し難く、しかも割れや欠けが発生しても、そ
の部分が鋭く尖ることもないので、万一割れや欠けを有
する状態で使用しても、防水シートを破損することはな
い。

【００２３】ロックボルトカバーを構成する素材として
は、ポリオレフィン系樹脂発泡体、特にポリプロピレン
系樹脂発泡体を用いることが好ましく、このような素材
でロックボルトカバーを構成すると、材料コストを低減
できるとともに、その重量を軽減することが可能とな
る。

【００２４】請求項４記載のカバーによれば、ドーム状
の傘部とその内側に配置される嵌合部とを合成樹脂発泡
体又は合成ゴム発泡体を用いて一体成形してあるので、
ロックボルトカバーの製作が複雑になることはない。ま
た、ドーム状の傘部の外面に防水シートが圧接されるこ
とで、防水シートの破損が防止されることになる。

【００２５】請求項５記載のように構成すると、リブ部
により傘部及び嵌合部が補強され、ロックボルトカバー
の割れや欠けを効果的に防止することが可能となる。請
求項６や請求項７記載のように構成すると、ロックボル
トに対するロックボルトカバーの組付け作業の作業性を
良好にしつつ、ロックボルトに対する組付け強度を十分
に確保することが可能となる。

【００２６】請求項８記載のように構成すると、適用可
能なボルトサイズやナットサイズの許容範囲を拡大する
ことが可能となり、ロックボルトカバーの汎用性を向上
することが可能となる。請求項９記載のように構成する
と、ロックボルト又はロックナットに対するロックボル
トカバーの組付性を一層向上することが可能となる。請
求項１０記載のように構成すると、嵌合部の内部空気が
エア抜き孔から抜けるので、嵌合部の内圧が高くなって
ロックボルトカバーの組付けに支障を来すと言う不具合
を防止することが可能となる。

【００２７】請求項１１記載のように構成すると、ロッ
クボルトカバーの管理が容易になるとともに、複数連な
ったロックボルトカバーを一端側から順次切り取りなが
らロックボルトに組付けることが可能となり、ロックボ
ルトカバーの組付けの作業能率を格段に向上できる。し
かも、合成樹脂発泡体又は合成ゴム発泡体でロックボル
トカバーを構成してあるので、切離したロックボルトカ
バーの切り口で防水シートが破損することもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 トンネル内壁部の要部縦断面図

【図２】 ロックボルトの先端部及びそれに嵌合させた
ロックボルトカバーの縦断面図（図３のII−II線断面
図）

【図３】 図２のIII-III 線断面図

【図４】 嵌合部に形成した溝部付近の要部斜視図

【図５】 複数連設させたロックボルトカバーの、
（ａ）は底面図、（ｂ）は要部切欠正面図

【図６】 他の構成のロックボルトカバーの縦断面図

【図７】 他の構成のロックボルトカバーの縦断面図

【符号の説明】

１ トンネル ２ 岩盤 ３ ロックボルト ４ コンクリ
ート層 ５ 座金 ６ ロックナ
ット ７ 防水シート １０ ロックボルトカバー １１ 傘部 １２ 嵌合部 １３ 嵌合孔 １４ テーパ面 １５ 溝部 １６ テーパ面 １７ リブ部 １８ エア抜き孔 １９ 連結部 ２０ 弱部 １０Ａ ロックボルトカバー １３Ａ 嵌合孔 １５Ａ 溝部 １０Ｂ ロックボルトカバー １２Ｂ 嵌合部 １５Ｂ 溝部

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁部に埋設状に設けたロックボルトのう
   ちの壁部から突出する先端部に外嵌固定されるロックボ
   ルトカバーであって、合成樹脂発泡体又は合成ゴム発泡
   体を用いて一体成形したロックボルトカバー。
2. 【請求項２】 ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いて一
   体成形した請求項１記載のロックボルトカバー。
3. 【請求項３】 ポリプロピレン系樹脂発泡体を用いて一
   体成形した請求項１記載のロックボルトカバー。
4. 【請求項４】 外縁が壁部外面付近まで延びてロックボ
   ルトの先端部全体を覆うドーム状の傘部と、傘部の内側
   に配置され、ロックボルトの先端部とロックボルトに取
   付けたロックナットの少なくとも一方を外嵌保持可能な
   嵌合部とを有する請求項１〜３のいずれか１項記載のロ
   ックボルトカバー。
5. 【請求項５】 傘部の内側に傘部及び嵌合部を補強する
   ためのリブ部を一体成形した請求項４記載のロックボル
   トカバー。
6. 【請求項６】 ロックボルトの先端部を外嵌保持する嵌
   合部を設け、嵌合部の内径をボルト径よりも０．１〜３
   ｍｍ小さく設定した請求項４又は５記載のロックボルト
   カバー。
7. 【請求項７】 ロックナットを外嵌保持する嵌合部を設
   け、嵌合部の内径をロックナットの外径よりも０．１〜
   ３ｍｍ小さく設定した請求項４〜６のいずれか１項記載
   のロックボルトカバー。
8. 【請求項８】 嵌合部の内周面にロックボルトの装着方
   向に延びる複数の溝部を形成した請求項４〜７のいずれ
   か１項記載のロックボルトカバー。
9. 【請求項９】 嵌合部の開口縁にロックボルト又はロッ
   クナット案内用のテーパ面を形成した請求項４〜８のい
   ずれか１項記載のロックボルトカバー。
10. 【請求項１０】 嵌合部の内部空間の奥部に傘部を貫通
    するエア抜き孔を形成した請求項４〜９のいずれか１項
    記載のロックボルトカバー。
11. 【請求項１１】 請求項１〜１０のいずれか１項記載の
    ロックボルトカバーを切離し用の弱部を介して複数連結
    したロックボルトカバー。