JPH10159028A - 支承の据付方法 - Google Patents

支承の据付方法

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JPH10159028A
JPH10159028A JP31641296A JP31641296A JPH10159028A JP H10159028 A JPH10159028 A JP H10159028A JP 31641296 A JP31641296 A JP 31641296A JP 31641296 A JP31641296 A JP 31641296A JP H10159028 A JPH10159028 A JP H10159028A
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JP
Japan
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bridge girder
bearing
pier
bridge
shoe
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JP31641296A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamaya
弘行 山家
Chiaki Sudo
千秋 須藤
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 あらかじめ支承をせん断変形させたり、せん
断変形を維持するための治具を必要としたりすることな
く、橋脚上で支承をせん断変形させながら橋桁を架設で
きる支承の据付方法を得る。 【解決手段】 支承22を橋脚12の沓座14上で傾倒
させ、下沓28の一端28A側の固定孔30に、橋脚1
2の沓座14から突設したアンカーボルト16を挿通す
る。橋脚12上に橋桁20を吊り下げ、上沓26の一端
26Aを橋桁20の底面とストッパ32の端面とで構成
される角部34に付き当てて固定する。この状態で、橋
桁20を略鉛直方向に下ろし、支承22を傾倒状態で上
下から挟んで、支承22の変形部24を側面視にて菱形
状にせん断変形させる。上沓26が橋桁20に、下沓2
8が沓座14にそれぞれ面接触した状態で、下沓28を
沓座14に固定し、上沓26を橋桁20に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支承の据付方法に
関し、さらに詳しくは、コンクリート製橋桁のコンクリ
ートの硬化及びクリープ変形による収縮を考慮してあら
かじめ収縮方向と反対方向に支承をせん断変形させて橋
脚上に据え付ける支承の据付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】橋脚上にゴム支承を介して架設されるコ
ンクリート製橋桁は、施工後のコンクリートの硬化やク
リープ変形によって収縮する。この収縮を考慮して、ゴ
ム支承をあらかじめ収縮方向と反対方向にせん断変形さ
せた上で、ゴム支承上に橋桁を架設している。そして、
コンクリートが硬化収縮することによって、せん断変形
したゴム支承の形状が復元して、防振機能を発揮できる
ようになる。
【0003】図12に示すように、ゴム支承102は、
ゴム等の弾性変形可能な材料で成形された変形部104
を有しており、この変形部104の上端及び下端に、変
形部104よりも側方へ張り出した上沓106及び上沓
108が固着されている。
【0004】このゴム支承102を、油圧ジャッキ等を
使用して、図13に示すように弾性力に抗して必要量だ
けせん断変形させ、さらに、上沓106と上沓108と
に、略X字状の治具110を掛け渡して、せん断変形を
維持している。
【0005】この状態でゴム支承102を施工現場まで
輸送し、図14に示すように、治具110を取り付けた
ままで、橋脚112の沓座114上に据え付ける。複数
の沓座114上へ全てのゴム支承102を据え付けた
後、図15に示すように、ゴム支承102上に橋桁11
6を架設し、最後に治具110を取り外す。この工程に
よって、ゴム支承102はせん断変形した状態で橋桁1
16を支持する。
【0006】しかし、上記した方法では、ゴム支承10
2をせん断変形させるための油圧ジャッキが必要とな
る。また、ゴム支承102のせん断変形を維持するため
に、治具110が必要となる。さらに、この治具110
の取り付けによって体積及び重量が増加した状態でゴム
支承102を工場から施工現場まで輸送するので、ゴム
支承102のみを輸送する場合と比較して、輸送コスト
が高くなる。
【0007】また、施工現場では、ゴム支承102を据
え付けた後、治具110を1つづつ取り外さなければな
らず、この作業に多くの時間と労力を要する。特に、施
工現場が狭い等の制約があるときには、治具110の取
り外しが一層困難になる。加えて、治具110はゴム支
承102の大きさや形状等に合わせて一品生産されるた
め、他のゴム支承に再利用することができず、無駄が生
じている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、あらかじめ支承をせん断変形させたり、せん断変
形を維持するための治具を必要としたりすることなく、
橋脚上で支承をせん断変形させながら橋桁を架設できる
支承の据付方法を得ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、コンクリート製橋桁のコンクリートの硬化及びクリ
ープ変形による収縮を考慮してあらかじめ収縮方向と反
対方向へ支承をせん断変形させて橋脚上に据え付ける支
承の据付方法であって、前記支承を前記せん断変形の方
向へ傾倒させながらこの傾倒方向側の下側一端部を前記
橋脚に固定する第1の固定工程と、前記橋桁を前記橋脚
の上方に保持して前記下側一端部と対角をなす前記支承
の上側一端部を橋桁に固定する第2の固定工程と、前記
橋桁を略鉛直下方に移動させて前記橋脚との間で前記支
承を挟んでせん断変形させながら、支承上に橋桁を架設
する架設工程と、を有することを特徴とする。
【0010】すなわち、まず、第1の固定工程におい
て、支承をせん断変形の方向へ傾倒させながら、この傾
倒方向側の下側一端部を橋脚に固定する。傾倒状態を維
持するために、支承の下側他端部と橋脚との間に台を挿
入して、この台に支承を一時的に支持させてもよい。下
側一端部を橋脚に固定する方法としては、例えば、橋脚
の上面からアンカーボルトを突設させ、支承の下沓に形
成した固定孔にこのアンカーボルトを挿通する方法があ
る。この場合には、さらにナットで仮止めしてもよい。
また、橋脚上にブロックを設け、このブロックの端面と
橋脚の上面とで構成される角部に支承の下側一端部を付
き当てて固定してもよい。これによって、支承の下側一
端部は水平方向に移動不能となり、橋脚上で横滑りしな
くなる。
【0011】次に、第2の固定工程で、橋桁を橋脚の上
方に保持する。保持する方法としては、クレーン等で橋
桁をつり下げたままでもよいし、橋脚上に油圧ジャッキ
を設置してこの油圧ジャッキ上に橋桁を載置してもよ
い。また、この状態において、支承の下側一端部と対角
をなす上側一端部を橋桁の下面に固定する。上側一端部
を橋桁に固定する方法としては、第1の固定工程と同様
に、例えば、橋桁の下面からアンカーボルトを突設さ
せ、支承の上面に形成した固定孔にこのアンカーボルト
を挿通する方法や、橋桁の下面に直方体状のブロックを
突設しておき、このブロックの端面と橋桁の下面とで構
成される角部に支承の上側一端部を突き当てて固定する
方法がある。
【0012】次に、架設工程において、橋桁を略鉛直下
方に移動させて、支承を、橋桁と橋脚との間に挟む。橋
桁を略鉛直下方に移動させる方法としては、クレーンで
吊り落としてもよく、橋桁の自重で移動させてもよい。
【0013】支承は、下側一端部を橋脚に固定され、上
側一端部を橋桁に固定されて傾倒しているので、この状
態のまま、略鉛直下方に向かって橋桁に押し挟まれる
と、支承の上側一端部の橋桁に対する位置、及び支承の
下側一端部の橋脚に対する位置がそれぞれ保持され、支
承の側部の傾倒角度がほぼ一定に維持されたまま、支承
の上面及び下面が略水平になるため、せん断変形する。
そして、支承の上面及び下面がそれぞれ橋脚の上面及び
橋桁の下面に面接触すると、橋桁は支承に支持され下方
に移動しなくなる。最後に、支承の上面を橋桁に、下面
を橋脚にそれぞれ固定する。
【0014】このように、請求項1に係る支承の据付方
法では、施工現場で橋桁を略鉛直下方に移動させること
によって支承をせん断変形させるので、あらかじめ工場
等で油圧ジャッキを用いて支承をせん断変形させておく
必要がない。また、支承のせん断変形を維持するための
治具が不要で、治具を取り外す必要もない。従って、施
工現場が狭い等、スペース的に制約を受ける場所であっ
ても、支承をせん断変形させることができる。工場から
施工現場に支承を輸送する際にも、治具が不要なので、
治具によって体積増、重量増を招くことがなく、輸送コ
ストが少なくなる。
【0015】また、複数の支承によって橋桁を支持する
場合であっても、これら複数の支承上に橋桁を載置し
て、支承をせん断変形させて据え付けることができる。
【0016】請求項2に記載の発明では、前記第1の固
定工程が、前記橋脚上にストッパを設置しこのストッパ
に前記下側一端部を当接させて下側一端部の横滑りを防
止し前記支承を傾倒状態に維持する当接工程であること
を特徴とする。
【0017】従って、橋脚に、支承の下側一端部を固定
するためのアンカーボルト等を設けることなく、当接工
程において、ストッパを設置してこのストッパに下側一
端部を当接させるだけの簡単な方法で、支承の下側一端
部の横滑りを防止し、傾倒状態を維持することができ
る。
【0018】請求項3に記載の発明では、1つの橋桁に
対してこの橋桁を支持する支承が橋桁の長手方向に複数
据え付けられ、前記橋桁の任意の点を境として前記架設
工程で生じる前記複数の支承のせん断変形反力の水平方
向成分が互いに相殺されるように、前記第1の固定工程
において支承を傾倒させ、前記架設工程において、前記
橋桁を略鉛直下方に移動させて前記複数の支承を前記橋
脚との間で同時に挟んでせん断変形させることを特徴と
する。
【0019】すなわち、第1の固定工程で、橋桁の任意
の点を境として架設工程での支承のせん断変形反力の水
平方向成分が互いに相殺されるように支承を傾倒させ
る。より具体的には、例えば、橋桁の長手方向中間部を
中心として、支承のせん断方向及びせん断変形の変形量
が対称になるように傾倒させる。このように支承を傾倒
させることにより、架設工程で、1つの橋桁を略鉛直下
方に移動させて複数の橋脚に同時に載置すると、橋桁の
任意の点(上述の例では、長手方向中間部)を境とし
て、せん断変形の反力の水平方向成分が橋桁の長手方向
で相殺されるので、橋桁の収縮によって、全ての支承が
最適の状態で据え付けられることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図7には、本発明の第1の
実施の形態に係る支承の据付方法を適用し、橋梁の橋桁
20を、支承22を介して橋脚12上に架設する過程が
示されている。
【0021】この橋梁は、地面から立設された橋脚12
を有している。橋脚12は、橋梁の長手方向(図1左右
方向)に複数立設されているが、ここでは、そのうちの
1つの橋脚12を例として、本発明の第1の実施の形態
に係る支承の据付方法を説明する。
【0022】まず、橋脚12の上面に、側面視にて等脚
台形状で、且つ平板状に盛り上がった沓座14を形成す
る。最初に橋脚12のみを形成し、後でこの沓座14を
形成してもよいが、例えばコンクリート製の橋桁の場合
は、沓座14を橋脚12の打設時に同時に形成してもよ
い。
【0023】また、沓座14を形成する際に、上方に突
出するアンカーボルト16を複数本埋め込む。このアン
カーボルト16は、橋脚12の内部まで埋め込んで、強
固に固定する。
【0024】次に、仮支持台18を沓座14上に設置す
る。このとき、後の工程で橋脚12に架設するコンクリ
ート製の橋桁20がコンクリートの硬化によって収縮す
る方向を考慮して、この収縮方向と反対方向に支承22
を傾倒させることができるように、仮支持台18を設置
する。すなわち、図6に示すように、例えば橋桁20が
矢印A方向に収縮する場合には、この矢印A方向と反対
方向である図2右側に支承22を傾倒して支持できるよ
うに、仮支持台18を左側に設置する。なお、この仮支
持台18は、支承22を支持できるものであれば、材質
は特に限定されず、例えば、鋼材、木材あるいはゴム等
であってもよい。
【0025】次に、第1の固定工程として、図2に示す
ように、支承22を、沓座14と仮支持台18とに載置
する。支承22は、ゴム等の弾性変形可能な材料で成形
された変形部24と、この変形部24の上端及び下端に
ボルトで固着された上沓26及び下沓28とで構成され
ている。また、上沓26及び下沓28は変形部24から
側方に張り出しており、この張出部分に複数の固定孔3
0が形成されている。支承22を沓座14と仮支持台1
8とに載置するときに、下沓28の一端28A側の固定
孔30にアンカーボルト16を挿通させてこの一端28
A側を沓座14上に載せ、且つ、下沓28の他端28B
側は仮支持台18に載せる。これによって、支承22は
図2右側に傾倒し、且つ、この傾倒状態が維持される。
下沓28の一端28A側の固定孔30に挿通されたアン
カーボルト16には、ナット(図示省略)を仮締めして
おいてもよい。
【0026】また、このとき、クレーン(図示省略)を
用いて、橋脚12の上方に、コンクリート製の橋桁20
を吊り下げておく。この橋桁20の下面には、金属等で
成形された固定プレート38が埋め込まれて橋桁20の
底面と固定プレート38の下面とが面一になっており、
固定プレート38から上方に突設されたアンカー38A
によって、強固に固定されている。また、固定プレート
38には、内側に雌ねじが切られた複数の固定孔40が
形成されている。
【0027】次に、第2の固定工程として、図3に示す
ように、橋桁20を鉛直方向に下ろし、所定位置で、橋
桁20を保持する。保持の方法としては、クレーンで吊
り下げたままでもよいが、橋脚12上に油圧ジャッキを
設置し、この油圧ジャッキ上に葉してた20を載置して
保持してもよい。また、橋桁20の底面には直方体状の
ストッパ32の上部を埋め込んで固定し、このストッパ
32の端面と橋桁20の底面とで角部34を構成してお
く。側面視にて下沓28の一端26Aと対角をなす上沓
26の一端26Aをこの角部34に付き当てて固定した
後、図4に示すように、仮支持台18を取り去る。この
とき、支承22には、自重で下沓28の一端28Aを中
心として矢印B方向への回転モーメントが生じるが、ス
トッパ32の側面に上沓26の一端26Aが当たって回
転の抵抗になり、支承22は回転しない。
【0028】次に、図5に示すように、架設工程とし
て、橋桁20を少しずつ下ろす。このとき、下沓28の
一端28A側は、固定孔30にアンカーボルト16が挿
通されて動かないので、支承22が矢印B方向(図4参
照)に回転しようとし、橋桁20は矢印A方向(図6参
照)への力を受ける。この力に抗して、橋桁20を略鉛
直方向に下ろす。このように橋桁20を略鉛直方向に下
ろす方法としては、クレーンで吊り落として自重で略鉛
直方向に下ろしてもよいが、油圧ジャッキで橋桁20を
保持している場合には、この油圧ジャッキを下げてもよ
い。また、橋桁20の側方に鉛直方向のガイドを立設す
ると共に、このガイドに沿って昇降可能な受け具を設
け、橋桁20をこの受け具に仮固定してガイドと共に下
ろしてもよい。
【0029】このように橋桁20を略鉛直方向に下ろす
と、支承22の変形部24に、橋桁20の荷重が鉛直方
向に作用する。支承22は、上沓26の一端26Aを橋
桁20に固定され、下沓28の一端28Aを沓座14に
固定されて傾倒状態となっているので、この傾倒状態の
まま上下から挟まれることになる。これによって、変形
部24の端面24Aの傾倒角度がほぼ一定に維持された
まま、上沓26が一端26Aを中心にして矢印C方向
(図4参照)に回転し、同様に下沓28は一端28Aを
中心にして矢印B方向(図4参照)に回転し、図6に示
すように、変形部24が側面視にて菱形状にせん断変形
する。
【0030】そして、上沓26が橋桁20に、下沓28
が沓座14にそれぞれ面接触すると、橋桁20は支承2
2に支持されて、それ以上下りなくなる。このとき、下
沓28の他端28B側に形成された固定孔30に、アン
カーボルト16を挿通させる。この状態で、橋桁20を
吊り下げていたクレーン等を外す。
【0031】最後に、アンカーボルト16にナット36
を螺合して、下沓28を沓座14に固定する。さらに、
上沓26の固定孔30にボルト39を挿通して、固定プ
レート38の固定孔40に螺合させ、上沓26を橋桁2
0に固定する。
【0032】このようにして、支承22の変形部24を
せん断変形させ、この状態で支承22が橋桁20を支持
しているので、橋桁20のコンクリートが硬化して矢印
A方向に収縮すると、橋桁20に固定された上沓26も
矢印A方向に移動する。図7に示すように、変形部24
のせん断変形が解消されて形状が復元し、変形部24は
側面視にて長方形状になる。これにより、支承22が防
振機能を発揮できるようになる。
【0033】このように、第1の実施の形態に係る橋桁
の据付方法によれば、施工現場で橋桁20を略鉛直方向
に下ろすことで、支承22をせん断変形させることがで
きるので、従来のように、支承22をあらかじめ工場等
で製造する際に、油圧ジャッキを用いてせん断変形させ
ておく必要がない。また、支承22のせん断変形を維持
するための治具も不要となり、施工現場で治具を取り外
す必要もない。このため、施工現場が狭い等、従来であ
れば治具の取り外しに制約を受けるような場所であって
も、支承22をせん断変形させることができる。また、
工場から施工現場に支承22を輸送する際にも、治具が
取り付けられていないため体積及び重量が増加せず、支
承22に治具を取り付けた状態で輸送していた従来と比
較して、輸送コストを少なくすることができる。
【0034】なお、上記説明では、1つの橋脚12と、
この橋脚12上に据え付られる支承22について説明し
たが、1つの橋桁20を支持する複数の橋脚12のそれ
ぞれに支承22を据え付ける場合や、1つの橋脚12に
複数の支承22が据え付けられる場合であっても、本実
施の形態に係る支承の据付方法を適用することができ
る。この場合には、複数の支承22を全て傾倒状態で橋
脚12の沓座14上に載せた後、これら複数の支承22
に対して橋桁20を同時に下ろして、橋桁20の荷重を
支承22に作用させ、支承22をせん断変形させればよ
い。
【0035】図8には、本発明の第2の実施の形態に係
る支承の据付方法を適用した場合が示されている。
【0036】この第2の実施の形態に係る支承の据付方
法では、まず、橋脚12の上面に沓座14を形成する
が、第1の実施の形態の場合と異なり、沓座14にアン
カーボルトを突設しない。また、沓座14上には、後の
工程で架設される橋桁20が収縮する方向を考慮して、
ストッパ42を載置して固定する。このストッパ42の
端面と、沓座14の上面とで角部44を構成している。
【0037】次に、第1の実施の形態の場合と同様に、
橋桁20が収縮する方向を考慮して、仮支持台18を設
置しておく。
【0038】次に、支承22を、沓座14と仮支持台1
8とに設置する。ここで、下沓28の一端28Aを角部
34に付き当て、下沓28の他端を仮支持台18上に載
せて、傾倒状態を維持する。
【0039】次に、橋桁20を略鉛直方向に下ろし、角
部34に上沓26の一端26Aを付き当てたのち、仮支
持台18を取り去る。このとき支承22には、自重によ
り下沓28の一端28Aを中心として矢印D方向の回転
モーメントが生じるが、上沓26の一端26Aが角部3
4に付き当てられているので支承22は回転しない。
【0040】さらに橋桁20を少しずつ略鉛直方向に下
ろすと、支承22の変形部24に橋桁20の荷重が鉛直
方向に作用して、側面視にて菱形状にせん断変形する。
このとき、下沓28の一端28Aが角部44に突き当た
っているので、支承22の変形部24のせん断変形の反
力で、下沓28の一端が沓座14上を図8右方向へ横滑
りしてしまうことがなく、支承22の傾倒状態を維持で
きる。上沓26が橋桁20に、下沓28が沓座14にそ
れぞれ面接触したのち、上沓26を橋桁20に、下沓2
8を沓座14に固定する。
【0041】このように、第2の実施の形態に係る支承
の据付方法では、沓座14上にストッパ42を固定した
ので、沓座14にアンカーボルトを突設しなくても、支
承22が据付作業の途中で回転したり横滑りしたりせ
ず、傾倒状態を維持できる。
【0042】図9〜図11には、本発明の第3の実施の
形態に係る支承の据付方法が示されている。
【0043】この第3の実施の形態に係る支承の据付方
法は、1つの橋桁60を、この橋桁60の長手方向に所
定間隔で立設された複数の(図9では4本の)橋脚5
2、54、56、58で支持する場合に用いられる。
【0044】橋脚52、54、56、58に据え付けら
れる支承62、64、66、68は、それぞれ、コンク
リート製の橋桁60のコンクリートの硬化による収縮を
考慮して設置されている。すなわち、橋桁60は、長手
方向の中心線70に向かう方向に(中心線70より右側
の部分は左側に、中心線70より左側の部分は右側に)
収縮し、且つ、収縮による橋桁60の各部分の中心線7
0方向への移動量は、中心線70からの距離に比例して
大きくなる。従って、支承62、64、66、68も、
中心線70を中心として、右側の支承66、68は右側
に、左側の支承62、64は左側に傾倒しており、傾倒
角度は中心線70からの距離に比例して支承64、66
よりも支承62、68の方が傾倒角度が大きくなってい
る。すなわち、支承62、64、66、68の傾倒は、
中心線70を中心として左右対称になっている。
【0045】このように、左右対称に傾倒された支承6
2、64、66、68に対して橋桁60が同時に載置さ
れるように下ろし、橋桁60の荷重を支承62、64、
66、68に同時に作用させて、図10に示すように、
支承62、64、66、68をせん断変形させる。この
とき、支承62、64、66、68は左右対称に傾倒さ
れているので、それぞれの支承62、64、66、68
のせん断変形の反力の水平方向成分が、全体として相殺
される。具体的には、支承62のせん断変形の反力の水
平方向成分は矢印E方向となり、一方、支承68のせん
断変形の反力の水平方向成分は矢印F方向となるが、こ
れらの反力の水平方向成分は大きさが等しく向きが逆な
ので、互いに相殺される。同様に、支承64のせん断変
形の反力の水平方向成分は矢印E方向となり、一方、支
承66のせん断変形の反力の水平方向成分は矢印F方向
となるが、これらの反力の水平方向成分は大きさが等し
く向きが逆なので、互いに相殺される。このように、支
承62、64、66、68のせん断変形反力の水平方向
成分が全体として相殺されながら、支承62、64、6
6、68がせん断変形される。すなわち、1つの橋桁6
0を略鉛直方向に下ろすだけで、橋桁60の中心を境と
して支承62、64、66、68のせん断変形反力の水
平方向成分が全体として相殺されるため、図11に示す
ように、橋桁60の収縮によって、全ての支承62、6
4、66、68が、最適な状態で据え付けられて、防振
機能を発揮できるようになる。
【0046】なお、第3の実施の形態の上記説明では、
支承62、64、66、68を、橋桁60の長手方向の
中心線70に向かう方向に傾倒させたが、支承62、6
4、66、68のせん断変形の反力が相殺されれば、傾
倒させる方向はこれに限られない。例えば、橋脚52と
橋脚54との中間位置に向かって、すなわち、支承62
は左側に、支承64、66、68は右側に傾倒させて
も、支承62のせん断変形の反力と、支承64、66、
68のせん断変形の反力が相殺されるように、支承6
2、64、66、68の傾倒角度を設定すればよい。
【0047】また、上記各実施の形態においては、橋脚
上に沓座を形成しているが、この沓座は必ずしも形成す
る必要はなく、橋脚上に直接支承を固定してもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、あらかじ
め支承をせん断変形させたり、せん断変形を維持するた
めの治具を必要としたりすることなく、橋脚上でせん断
変形させながら橋桁を支持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁の
側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁の
側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁の
側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁の
側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁の
側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁の
側面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設しコンクリートが収縮
した状態を示す橋梁の側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁の
側面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る支承の据付方
法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁の
側面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る支承の据付
方法を適用して橋桁を橋脚上に架設する過程を示す橋梁
の側面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る支承の据付
方法を適用して橋桁を橋脚上に架設しコンクリートが収
縮した状態を示す橋梁の側面図である。
【図12】従来の支承の側面図である。
【図13】従来の支承のせん断変形を治具を用いて維持
すた状態を示す側面図である。
【図14】従来の支承の据付方法を適用して橋桁を橋脚
上に架設する過程を示す橋梁の側面図である。
【図15】従来の支承の据付方法を適用して橋桁を橋脚
上に架設する過程を示す橋梁の側面図である。
【符号の説明】
12 橋脚 20 橋桁 22 支承 42 ストッパ 52 橋脚 54 橋脚 56 橋脚 58 橋脚 60 橋桁 62 支承 64 支承 66 支承 68 支承

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製橋桁のコンクリートの硬
    化及びクリープ変形による収縮を考慮してあらかじめ収
    縮方向と反対方向へ支承をせん断変形させて橋脚上に据
    え付ける支承の据付方法であって、 前記支承を前記せん断変形の方向へ傾倒させながらこの
    傾倒方向側の下側一端部を前記橋脚に固定する第1の固
    定工程と、 前記橋桁を前記橋脚の上方に保持して前記下側一端部と
    対角をなす前記支承の上側一端部を橋桁に固定する第2
    の固定工程と、 前記橋桁を略鉛直下方に移動させて前記橋脚との間で前
    記支承を挟んでせん断変形させながら、支承上に橋桁を
    架設する架設工程と、 を有することを特徴とする支承の据付方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の固定工程が、前記橋脚上にス
    トッパを設置しこのストッパに前記下側一端部を当接さ
    せて下側一端部の横滑りを防止し前記支承を傾倒状態に
    維持する当接工程であることを特徴とする請求項1に記
    載の支承の据付方法。
  3. 【請求項3】 1つの橋桁に対してこの橋桁を支持する
    支承が橋桁の長手方向に複数据え付けられ、 前記橋桁の任意の点を境として前記架設工程で生じる前
    記複数の支承のせん断変形反力の水平方向成分が互いに
    相殺されるように、前記第1の固定工程において支承を
    傾倒させ、 前記架設工程において、前記橋桁を略鉛直下方に移動さ
    せて前記複数の支承を前記橋脚との間で同時に挟んでせ
    ん断変形させることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の支承の据付方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046285A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Kawaguchi Metal Industries Co Ltd 仮設拘束装置
CN102094390A (zh) * 2010-11-12 2011-06-15 无锡国电华新起重运输设备有限公司 一种港口装卸桥梁的小车轨道
CN104457716A (zh) * 2014-11-28 2015-03-25 中铁建生态环境设计研究有限公司 用于桥梁施工的测量控制方法
CN110983995A (zh) * 2019-12-06 2020-04-10 中铁四院集团岩土工程有限责任公司 用于高速铁路桥梁的梁体顶升方法

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