JP2007070858A - 建造物の免震構造および免震施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基礎構造による地盤への建造物の支持機能と、免震滑り面による免震機能との両方を適切に発揮でき、施工も容易な免震構造を提供する。
【解決手段】 地盤Eにコンクリート基礎構造10を介して構築される建造物の免震構造であって、基礎構造10が、互いに独立した基礎下半部14と基礎上半部12とからなり、基礎下半部14は、その底面が地盤Eに支持され、基礎上半部12は、その底面が基礎下半部14の底面よりも狭く基礎下半部14に支持され、その上部に建造物の上部構造90が支持され、基礎下半部14と基礎上半部12との間に一対の免震滑り面22、24を有する滑り免震部を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 地盤Eにコンクリート基礎構造10を介して構築される建造物の免震構造であって、基礎構造10が、互いに独立した基礎下半部14と基礎上半部12とからなり、基礎下半部14は、その底面が地盤Eに支持され、基礎上半部12は、その底面が基礎下半部14の底面よりも狭く基礎下半部14に支持され、その上部に建造物の上部構造90が支持され、基礎下半部14と基礎上半部12との間に一対の免震滑り面22、24を有する滑り免震部を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建造物の免震構造および免震施工方法に関し、詳しくは、住宅などの建造物に地震の破壊的な震動が伝達されないようにして、建造物を地震の被害から免れさせる免震構造と、このような免震構造の施工方法とを対象にしている。
建造物の免震技術が種々提案されている。
そのうち、基礎構造を含む家屋の全体を、地盤に対して水平方向に滑ることができるようにしておく「滑り免震」と呼ばれる技術が知られている。基礎構造の下部に、上下一対で互いに水平方向に移動自在な滑り部材を配置しておく。通常の状態では、家屋の重量が十分に大きく慣性があるので、風などの外力で家屋がみだりに移動したり揺れたりすることはない。地震が発生すると、地盤および下側の滑り部材は激しく震動するが、上側の滑り部材および家屋はその慣性力によって静止状態を維持し、上下の滑り部材の当接面が互いに滑る。その結果、家屋の構造や居住者、家具などに破壊的な力や震動が伝わり難くなる。
そのうち、基礎構造を含む家屋の全体を、地盤に対して水平方向に滑ることができるようにしておく「滑り免震」と呼ばれる技術が知られている。基礎構造の下部に、上下一対で互いに水平方向に移動自在な滑り部材を配置しておく。通常の状態では、家屋の重量が十分に大きく慣性があるので、風などの外力で家屋がみだりに移動したり揺れたりすることはない。地震が発生すると、地盤および下側の滑り部材は激しく震動するが、上側の滑り部材および家屋はその慣性力によって静止状態を維持し、上下の滑り部材の当接面が互いに滑る。その結果、家屋の構造や居住者、家具などに破壊的な力や震動が伝わり難くなる。
特許文献1には、住宅を構築する地盤を掘削して、その底面の全体に平滑な水平面を有するコンクリート盤を打設し、その上に、硬質で摩擦係数の小さな摺接材を備えた布基礎を載置し、布基礎の上に住宅を構築する技術が示されている。
特許文献2には、基礎本体の下面に設けた第1の滑り面と、地面側に設置された受け部の第2の滑り面とをフッ素樹脂で形成しておく免震技術が示されている。
特開2001−336160号公報
特開2000−356049号公報
特許文献2には、基礎本体の下面に設けた第1の滑り面と、地面側に設置された受け部の第2の滑り面とをフッ素樹脂で形成しておく免震技術が示されている。
前記した従来における滑り免震技術では、基礎構造に要求される本来の機能が十分に発揮し難いという問題がある。
建造物の基礎構造は、建造物全体の荷重を受けて地盤に安定的に支持させる機能を果たさなければならない。経時的に建造物の全体あるいは一部が地盤に沈下したり、建造物が傾いてしまったりすることを防がなければならない。そのためには、基礎構造の底面が地盤に対して広い面積で安定的に支持されることや、基礎構造の底面と地盤との間に生じる単位面積あたりの荷重が過大にならないことなどが必要になる。
これとは別に、滑り免震技術では、地震のときには、地震の震動による力で上下の免震滑り面が滑るが、地震がない通常時には、風などの外力で免震滑り面が滑ってはならない。免震滑り面は、滑りを開始する臨界的な外力の条件設定を適切に行わなければならない。免震滑り面の材質的な滑り易さや摩擦係数は一定であるから、免震滑り面に加わる建造物の単位面積当たりの荷重によって、前記した滑りを開始する臨界的な外力の大きさが決まってくる。
建造物の基礎構造は、建造物全体の荷重を受けて地盤に安定的に支持させる機能を果たさなければならない。経時的に建造物の全体あるいは一部が地盤に沈下したり、建造物が傾いてしまったりすることを防がなければならない。そのためには、基礎構造の底面が地盤に対して広い面積で安定的に支持されることや、基礎構造の底面と地盤との間に生じる単位面積あたりの荷重が過大にならないことなどが必要になる。
これとは別に、滑り免震技術では、地震のときには、地震の震動による力で上下の免震滑り面が滑るが、地震がない通常時には、風などの外力で免震滑り面が滑ってはならない。免震滑り面は、滑りを開始する臨界的な外力の条件設定を適切に行わなければならない。免震滑り面の材質的な滑り易さや摩擦係数は一定であるから、免震滑り面に加わる建造物の単位面積当たりの荷重によって、前記した滑りを開始する臨界的な外力の大きさが決まってくる。
ところが、前記した基礎構造の底面と地盤との間の単位面積当たり荷重は、建造物を地盤に安定的に支持させるのに適切な値と、滑り免震機能にとって適切な値との間には違いがある。前記単位面積当たり荷重が大きいと、地震のないときに風などで建造物が動くことは抑制し易いが、地盤で基礎構造および建造物を十分に支持することができず、前記した基礎構造の沈下や傾きなどが発生し易くなる。逆に、前記単位面積当たり荷重が小さいと、地盤による基礎構造および建造物の支持は十分にできるが、風で建造物が動いたり、小さな地震でも建造物を大きく震動したりして、居住者に不快感を与え易い。
特許文献1の技術では、断面逆T字形をなす布基礎の底面と地盤との間に免震滑り面を設ける技術が示されている。布基礎の底面は広いため、基礎構造の底面と地盤との間の単位面積当たり荷重は小さく、地盤による布基礎の支持は良好に行えるが、風などの外力で建造物が動く易い。断面I字形の基礎ばり構造も示されている。この場合は、地盤への当接面積が小さくなるので、基礎構造の底面と地盤との間の単位面積当たり荷重は大きくなる。大きな地震でなければ動くことは少ないが、地盤による支持が十分に行い難く、沈下や傾きが発生し易い。
特許文献1の技術では、断面逆T字形をなす布基礎の底面と地盤との間に免震滑り面を設ける技術が示されている。布基礎の底面は広いため、基礎構造の底面と地盤との間の単位面積当たり荷重は小さく、地盤による布基礎の支持は良好に行えるが、風などの外力で建造物が動く易い。断面I字形の基礎ばり構造も示されている。この場合は、地盤への当接面積が小さくなるので、基礎構造の底面と地盤との間の単位面積当たり荷重は大きくなる。大きな地震でなければ動くことは少ないが、地盤による支持が十分に行い難く、沈下や傾きが発生し易い。
特許文献2の技術では、断面逆T字形の布基礎の底面と、小さな四角形状の免震部材との間で滑り免震機能を果たす。免震部材の面積を適切に設定すれば、滑り易さや滑り始める外力の大きさを適切な範囲に調整できる。しかし、免震部材を設置して地盤に埋め込まれる地盤部材を施工する必要があるため、通常の布基礎構造に比べて、施工が面倒で施工コストも高くつく。
特許文献1、2の何れの基礎構造も、予め構築された基礎構造の全体を、クレーンなどで吊り上げて、下方の免震滑り面の上に設置することになるので、施工の手間がかかり作業コストも増大する。
特許文献1、2の何れの基礎構造も、予め構築された基礎構造の全体を、クレーンなどで吊り上げて、下方の免震滑り面の上に設置することになるので、施工の手間がかかり作業コストも増大する。
本発明の課題は、従来における滑り免震技術の問題点を解消し、基礎構造による地盤への建造物の支持機能と、免震滑り面による免震機能との両方を適切に発揮でき、施工も容易な免震構造を提供することである。
本発明にかかる建造物の免震構造は、地盤にコンクリート基礎構造を介して構築される建造物の免震構造であって、前記基礎構造が、互いに独立した基礎下半部と基礎上半部とからなり、前記基礎下半部は、その底面が地盤に支持され、前記基礎上半部は、その底面が前記基礎下半部の底面よりも狭く基礎下半部に支持され、その上部に建造物の上部構造が支持され、前記基礎下半部と前記基礎上半部との間に、一対の免震滑り面を有する滑り免震部を備える。
各構成について詳しく説明する。
〔建造物〕
免震機能を付与する必要がある各種の建造物に適用できる。
各構成について詳しく説明する。
〔建造物〕
免震機能を付与する必要がある各種の建造物に適用できる。
従来、大掛りな免震構造が適用し難かった比較的に小規模な建造物に適している。具体的には、建築面積10〜500m2、総重量10〜50トン程度の建造物に適している。建造物には、戸建て住宅のほか、小規模な集合住宅、店舗などの商業施設、公共サービス施設、娯楽施設などが含まれる。平屋建てのほか、2階建てや3階建ての建造物でもよい。建造物は、木造、コンクリート造、鉄筋コンクリート造、これらの複合構造などがあり、在来工法、パネル工法など各種の工法で建造されるものに適用できる。
〔基礎構造〕
建造物は、地盤にコンクリート基礎構造を介して構築される。コンクリート基礎構造には、コンクリートのみで構築されるもののほか、コンクリートの内部に鉄筋や鉄骨が埋め込まれるものもある。基礎構造は、地盤の表面に構築されてもよいし、地盤に掘り下げた基礎溝の底に設置される場合もある。
〔基礎構造〕
建造物は、地盤にコンクリート基礎構造を介して構築される。コンクリート基礎構造には、コンクリートのみで構築されるもののほか、コンクリートの内部に鉄筋や鉄骨が埋め込まれるものもある。基礎構造は、地盤の表面に構築されてもよいし、地盤に掘り下げた基礎溝の底に設置される場合もある。
基礎構造には、布基礎やベタ基礎、連続基礎、独立基礎などと呼ばれる各種構造が知られている。布基礎は、断面形状において逆T字形をなす。通常、基礎構造は、建造物の外壁に沿って枠状に配置される。建造物の間仕切りや柱の配置に合わせて、外壁の内側を仕切る格子状にも配置される。
本発明の基礎構造は、上記したような基本的な構造を備えた上で、基礎構造が、互いに独立した基礎下半部と基礎上半部とに分割されている。
基礎構造は、予め工場などで成形製造されたブロック基礎を用いることもできるし、建造物の施工現場でコンクリートを打設して構築することもできる。基礎構造のうち、基礎下半部をコンクリートの現場打ちで施工し、基礎上半部については予め製造されたブロック基礎を組み合わせて使用することもできる。
本発明の基礎構造は、上記したような基本的な構造を備えた上で、基礎構造が、互いに独立した基礎下半部と基礎上半部とに分割されている。
基礎構造は、予め工場などで成形製造されたブロック基礎を用いることもできるし、建造物の施工現場でコンクリートを打設して構築することもできる。基礎構造のうち、基礎下半部をコンクリートの現場打ちで施工し、基礎上半部については予め製造されたブロック基礎を組み合わせて使用することもできる。
〔基礎下半部〕
基礎下半部は、その底面が地盤に支持される。
したがって、基礎下半部は、地盤への安定的で確実な支持に適した形状および構造に設定される。上部構造を含む建造物の全重量や重量配分に合わせて、基礎下半部の底面積を適切に設定することで、地盤への支持機能を良好に果たすことができる。具体的には、基礎下半部の底面に加わる単位面積当たり荷重を30〜50kN/m2に設定することが好ましい。より好ましくは30〜40kN/m2である。
基礎下半部の形状は、上記した地盤への支持機能が良好に果たせ、十分な底面積を確保できるように設定できる。具体的には、例えば、布基礎の場合、断面形状において水平方向に延びる厚盤状をなすものが、前記機能を果たし、現場打ちコンクリートによる構築が容易であるので好ましい。断面形状が台形状をなすもの、逆T字形をなすもの、逆L字形をなすものなども採用できる。ベタ基礎の場合は、建造物の施工領域の全体に対応して水平方向に延びる厚盤状の水平面と、水平面の外周に垂直壁状に配置される外周壁とを有する構造が採用できる。
基礎下半部は、その底面が地盤に支持される。
したがって、基礎下半部は、地盤への安定的で確実な支持に適した形状および構造に設定される。上部構造を含む建造物の全重量や重量配分に合わせて、基礎下半部の底面積を適切に設定することで、地盤への支持機能を良好に果たすことができる。具体的には、基礎下半部の底面に加わる単位面積当たり荷重を30〜50kN/m2に設定することが好ましい。より好ましくは30〜40kN/m2である。
基礎下半部の形状は、上記した地盤への支持機能が良好に果たせ、十分な底面積を確保できるように設定できる。具体的には、例えば、布基礎の場合、断面形状において水平方向に延びる厚盤状をなすものが、前記機能を果たし、現場打ちコンクリートによる構築が容易であるので好ましい。断面形状が台形状をなすもの、逆T字形をなすもの、逆L字形をなすものなども採用できる。ベタ基礎の場合は、建造物の施工領域の全体に対応して水平方向に延びる厚盤状の水平面と、水平面の外周に垂直壁状に配置される外周壁とを有する構造が採用できる。
基礎下半部の上面は、滑り免震部を構成する免震滑り面の一方が配置される。免震滑り面の設置に適した形状に設定しておく。免震滑り面を、基礎下半部の上面そのもので構成することもできる。
基礎下半部の厚みを十分に設定しておくことで、耐荷重性や剛性を良好にできる。具体的には、厚み15〜25cmに設定することが好ましい。
〔基礎上半部〕
基礎上半部は、その底面が基礎下半部の底面よりも狭く基礎下半部に支持され、その上部に建造物の上部構造が支持される。
基礎下半部の厚みを十分に設定しておくことで、耐荷重性や剛性を良好にできる。具体的には、厚み15〜25cmに設定することが好ましい。
〔基礎上半部〕
基礎上半部は、その底面が基礎下半部の底面よりも狭く基礎下半部に支持され、その上部に建造物の上部構造が支持される。
基礎上半部は、建造物の上部構造を支持できる耐荷重性を備えている必要がある。そのために十分な幅や断面積を設定しておく。
基礎上半部の底面には、滑り免震部を構成する免震滑り面の一方が配置されるので、免震滑り面の設置に必要な形状および寸法に設定される。基礎上半部の底面そのもので免震滑り面を構成することもできる。
基礎上半部の底面積を適切に設定することで、滑り免震部における免震機能を良好に発揮させることができる。具体的には、基礎上半部の底面に加わる単位面積当たり荷重を90〜250kN/m2に設定することが好ましい。より好ましくは90〜150kN/m2である。
基礎上半部の底面には、滑り免震部を構成する免震滑り面の一方が配置されるので、免震滑り面の設置に必要な形状および寸法に設定される。基礎上半部の底面そのもので免震滑り面を構成することもできる。
基礎上半部の底面積を適切に設定することで、滑り免震部における免震機能を良好に発揮させることができる。具体的には、基礎上半部の底面に加わる単位面積当たり荷重を90〜250kN/m2に設定することが好ましい。より好ましくは90〜150kN/m2である。
基礎上半部の形状は、前記のような建造物の支持機能および免震機能が良好に果たせ、適切な底面積を設定できるようにしておく。具体的には、断面形状において垂直方向に延びる立壁状をなすものが、前記機能を果たし、製造あるいは現場構築も容易であるので好ましい。断面形状が台形状をなすもの、逆T字形をなすもの、逆L字形をなすものなども採用できる。何れの場合も、基礎下半部の形状と合わせた基礎構造の全体形状が、基礎構造に要求される各種機能を良好に果たせるように設定しておけばよい。
基礎下半部の底面積S1は地盤への支持機能に影響を与え、基礎上半部の底面積S2は滑り免震機能に影響を与える。両者の比率が適切であれば、何れの機能をも良好に発揮できる。そこで、基礎下半部の底面積S1と基礎上半部の底面積S2とが、S1/S2=2.0〜8.0の関係になるように設定しておくことが望ましい。
基礎下半部の底面積S1は地盤への支持機能に影響を与え、基礎上半部の底面積S2は滑り免震機能に影響を与える。両者の比率が適切であれば、何れの機能をも良好に発揮できる。そこで、基礎下半部の底面積S1と基礎上半部の底面積S2とが、S1/S2=2.0〜8.0の関係になるように設定しておくことが望ましい。
〔滑り免震部〕
基礎下半部と基礎上半部との間に、一対の免震滑り面を有する滑り免震部が配置される。
基本的な構造や使用材料、製造技術は、通常の滑り免震構造と共通する技術が適用できる。
通常、適切な滑り性あるいは摩擦係数を備えた板状やシート状の滑り部材を、基礎下半部の上面および基礎上半部の底面に設置しておく。滑り部材として、コンクリートやセメント系硬化板、鋼板、セラミック板、FRP板などが使用できる。滑り部材の表面に、フッ素樹脂などの摩擦係数が小さな材料を含む塗膜や、セラミックコーティング膜を形成しておくことができる。滑り部材の表面を研削したり研磨したりする表面加工を施しておくこともできる。
基礎下半部と基礎上半部との間に、一対の免震滑り面を有する滑り免震部が配置される。
基本的な構造や使用材料、製造技術は、通常の滑り免震構造と共通する技術が適用できる。
通常、適切な滑り性あるいは摩擦係数を備えた板状やシート状の滑り部材を、基礎下半部の上面および基礎上半部の底面に設置しておく。滑り部材として、コンクリートやセメント系硬化板、鋼板、セラミック板、FRP板などが使用できる。滑り部材の表面に、フッ素樹脂などの摩擦係数が小さな材料を含む塗膜や、セラミックコーティング膜を形成しておくことができる。滑り部材の表面を研削したり研磨したりする表面加工を施しておくこともできる。
基礎下半部の上面に滑り面板を配置し、基礎上半部の底面に滑り底板を配置しておくことができる。滑り面板と滑り底板とは、同じ材料や表面特性を有するものでも良いし、異なる材料あるいは表面特性を有するものを組み合わせることもできる。互いの間における摩擦係数をμ=0.05〜0.15に設定しておけば、良好な免震機能が発揮できる。
通常、基礎下半部の滑り面板を、基礎上半部の滑り底板よりも大きく設定しておく。両者が水平方向に滑る相対運動を行ったときに、基礎上半部の滑り底板が基礎下半部の滑り面板の外周からはみ出さないようにする。
〔免震構造の施工〕
前記した免震構造を含む基礎構造は、通常の基礎構造の施工技術、および、免震構造の施工技術を組み合わせて施工することができる。
通常、基礎下半部の滑り面板を、基礎上半部の滑り底板よりも大きく設定しておく。両者が水平方向に滑る相対運動を行ったときに、基礎上半部の滑り底板が基礎下半部の滑り面板の外周からはみ出さないようにする。
〔免震構造の施工〕
前記した免震構造を含む基礎構造は、通常の基礎構造の施工技術、および、免震構造の施工技術を組み合わせて施工することができる。
以下に説明する施工方法が好ましい。
<工程(a)>
地盤のうち基礎構造を設置する個所に基礎溝などの基礎凹部を掘る。
基礎凹部の構造や施工手順は、通常の基礎構造における基礎凹部と共通する技術が適用される。基礎凹部の底や内側面には、必要に応じて補強や整地、土留めなどを行っておくことができる。基礎凹部が、一定の幅で長さ方向に連続する凹溝状をなす基礎溝である場合、その深さは、通常、0.27〜0.5mである。その幅は、通常、0.3〜1.2mである。
<工程(a)>
地盤のうち基礎構造を設置する個所に基礎溝などの基礎凹部を掘る。
基礎凹部の構造や施工手順は、通常の基礎構造における基礎凹部と共通する技術が適用される。基礎凹部の底や内側面には、必要に応じて補強や整地、土留めなどを行っておくことができる。基礎凹部が、一定の幅で長さ方向に連続する凹溝状をなす基礎溝である場合、その深さは、通常、0.27〜0.5mである。その幅は、通常、0.3〜1.2mである。
<工程(b)>
基礎凹部の底にコンクリートを打設して基礎下半部を構築する。
基本的には、通常の基礎構造の構築技術を適用して、基礎構造のうち基礎下半部の形状部分を構築すればよい。
基礎下半部を構築する際には、コンクリート打設用の型枠を設置したり、コンクリートに埋め込む鉄筋や補強構造を配置しておいたりする作業を行うことができる。また、基礎下半部の上方に基礎溝を横断する支承部材を配置しておくことができる。支承部材は、滑り面板の位置決めを果たす機能を有する。
基礎凹部の底にコンクリートを打設して基礎下半部を構築する。
基本的には、通常の基礎構造の構築技術を適用して、基礎構造のうち基礎下半部の形状部分を構築すればよい。
基礎下半部を構築する際には、コンクリート打設用の型枠を設置したり、コンクリートに埋め込む鉄筋や補強構造を配置しておいたりする作業を行うことができる。また、基礎下半部の上方に基礎溝を横断する支承部材を配置しておくことができる。支承部材は、滑り面板の位置決めを果たす機能を有する。
<工程(c)>
基礎下半部の上面に、免震滑り面の一方となる滑り面板を固定設置する。
滑り面板は、予め所定の形状に製造されている。通常は、矩形状など取り扱い易い寸法形状に設定され、構築された基礎下半部の上面に並べて取り付け固定される。
基礎下半部への滑り面板の固定は、ボルト締結や係合固定、接着接合など、通常の土木建築技術における固定手段が適用できる。滑り面板は、基礎構造の全面において正確な水平状態で凹凸や不陸がないように設置されることが望ましい。そのために、滑り面板の高さ位置や姿勢、傾きなどを調整する作業や手段を講じることができる。
基礎下半部の上面に、免震滑り面の一方となる滑り面板を固定設置する。
滑り面板は、予め所定の形状に製造されている。通常は、矩形状など取り扱い易い寸法形状に設定され、構築された基礎下半部の上面に並べて取り付け固定される。
基礎下半部への滑り面板の固定は、ボルト締結や係合固定、接着接合など、通常の土木建築技術における固定手段が適用できる。滑り面板は、基礎構造の全面において正確な水平状態で凹凸や不陸がないように設置されることが望ましい。そのために、滑り面板の高さ位置や姿勢、傾きなどを調整する作業や手段を講じることができる。
例えば、基礎下半部にモルタルを盛り上げ、モルタルの上に滑り面板を載せてモルタルの硬化とともに滑り面板を基礎下半部に固定する方法を採用すれば、滑り面板を下方に押さえ付けてモルタルを変形させることで、滑り面板の高さや姿勢を調整することが可能である。滑り面板と基礎下半部の間に、高さ調整用のシートやクサビ、ボルトなどを設置することもできる。
さらに、前工程(b)で支承部材を設置してあれば、基礎下半部の上面に支承部材よりも高くモルタルを盛り上げる工程(c−1)と、盛り上げたモルタルの上に滑り底板を配置し、滑り底板を支承部材に当接させて支承させる工程(c−2)とを行うことで、滑り底板の位置決めを支承部材で果たすことができる。硬化したモルタルだけでなく、機械的強度のある支承部材で滑り底板を支持することができるので、施工後に建造物の大きな荷重が加わっても、滑り底板の高さ位置や姿勢が変わることが防止できる。
さらに、前工程(b)で支承部材を設置してあれば、基礎下半部の上面に支承部材よりも高くモルタルを盛り上げる工程(c−1)と、盛り上げたモルタルの上に滑り底板を配置し、滑り底板を支承部材に当接させて支承させる工程(c−2)とを行うことで、滑り底板の位置決めを支承部材で果たすことができる。硬化したモルタルだけでなく、機械的強度のある支承部材で滑り底板を支持することができるので、施工後に建造物の大きな荷重が加わっても、滑り底板の高さ位置や姿勢が変わることが防止できる。
<工程(d)>
滑り面板の上面に免震滑り面の他方となる滑り底板を配置し、滑り底板の上部に型枠を設置し、型枠の内部空間にコンクリートを打設し硬化させて、基礎上半部を構築する。
基礎上半部の構築も、基本的には通常の基礎構造における構築技術が適用できる。
但し、基礎上半部は、底面に滑り底板が配置された状態で、滑り底板がコンクリート打設空間の底面を構成するように型枠を設置することになる。滑り底板に型枠を支持するには、各種の型枠支持構造や支持部材が採用できる。例えば、通常のコンクリート打設技術において型枠を支持するのに利用されるセパレータや固定金具が使用できる。
滑り面板の上面に免震滑り面の他方となる滑り底板を配置し、滑り底板の上部に型枠を設置し、型枠の内部空間にコンクリートを打設し硬化させて、基礎上半部を構築する。
基礎上半部の構築も、基本的には通常の基礎構造における構築技術が適用できる。
但し、基礎上半部は、底面に滑り底板が配置された状態で、滑り底板がコンクリート打設空間の底面を構成するように型枠を設置することになる。滑り底板に型枠を支持するには、各種の型枠支持構造や支持部材が採用できる。例えば、通常のコンクリート打設技術において型枠を支持するのに利用されるセパレータや固定金具が使用できる。
滑り底板が滑り面板に対して水平方向に滑り運動を起こさないように、滑り底板あるいは型枠を、滑り面板や基礎下半部さらには地盤側の固定構造に固定しておくことができる。
<工程(e)>
工程(d)のあと、型枠を撤去し、基礎上半部の上部に建造物の上部構造を構築する。
これ以降の建造物の構築施工は、通常の住宅その他の建造物における建築施工と同様に行える。
但し、基礎上半部および滑り底板が、滑り面板および基礎下半部に対して水平方向の滑り運動しないように、基礎上半部側を基礎下半部側や地盤側に一時的に固定しておくことが望ましい。建造物が完成した段階で、基礎上半部側の固定を解除すれば、地震に対する免震機能が発揮できるようになる。
<工程(e)>
工程(d)のあと、型枠を撤去し、基礎上半部の上部に建造物の上部構造を構築する。
これ以降の建造物の構築施工は、通常の住宅その他の建造物における建築施工と同様に行える。
但し、基礎上半部および滑り底板が、滑り面板および基礎下半部に対して水平方向の滑り運動しないように、基礎上半部側を基礎下半部側や地盤側に一時的に固定しておくことが望ましい。建造物が完成した段階で、基礎上半部側の固定を解除すれば、地震に対する免震機能が発揮できるようになる。
〔免震機能〕
本発明の免震構造では、基礎構造が基礎下半部と基礎上半部とに分割構成されていて、基礎下半部と基礎上半部との間に配置された滑り免震部によって、滑り免震機能が発揮される。
地震が生じていない通常時には、建造物の上部構造から基礎上半部までの重量は、基礎上半部の底面から、滑り免震部を介して、基礎下半部に負荷される。基礎上半部の底面は狭いので、単位面積当たりで、滑り免震部を介して基礎下半部に加わる荷重は大きい。そのため、風などの外力が加わっても、滑り免震部は容易には滑りを起こさず、建造物が移動してしまうことが防止できる。
本発明の免震構造では、基礎構造が基礎下半部と基礎上半部とに分割構成されていて、基礎下半部と基礎上半部との間に配置された滑り免震部によって、滑り免震機能が発揮される。
地震が生じていない通常時には、建造物の上部構造から基礎上半部までの重量は、基礎上半部の底面から、滑り免震部を介して、基礎下半部に負荷される。基礎上半部の底面は狭いので、単位面積当たりで、滑り免震部を介して基礎下半部に加わる荷重は大きい。そのため、風などの外力が加わっても、滑り免震部は容易には滑りを起こさず、建造物が移動してしまうことが防止できる。
しかも、建造物の全体の重量は、基礎下半部の底面から地盤で支持される。基礎下半部の底面は、滑り免震部とは全く無関係に、十分に広く設定できるので、基礎下半部から地盤に加わる単位面積当たりの荷重は小さくなり、地盤による支持が確実に行える。基礎構造が地盤に沈下したり、基礎構造が傾いたりすることが確実に防止できる。基礎構造を支持する地盤に特別な補強や対策を講じる必要はない。
地震が発生しても、小さな地震や震動であれば、滑り免震部における滑りが生じず、震動が建造物の上部へと伝達されても、問題となるような被害は生じない。
大きな地震が発生したり、震動の加速度が非常に大きくなったりした場合には、滑り免震部における滑りが発生する。地盤側が激しく震動しても、基礎上半部よりも上方の建造物は慣性力によって、その場に留まり、過剰に震動することはない。地盤側の震動の一部は、基礎上半部から上方に伝達される場合もあるが、滑り免震部において十分に減衰された弱い震動であれば、建造物に甚大な被害を発生させることはない。
地震が発生しても、小さな地震や震動であれば、滑り免震部における滑りが生じず、震動が建造物の上部へと伝達されても、問題となるような被害は生じない。
大きな地震が発生したり、震動の加速度が非常に大きくなったりした場合には、滑り免震部における滑りが発生する。地盤側が激しく震動しても、基礎上半部よりも上方の建造物は慣性力によって、その場に留まり、過剰に震動することはない。地盤側の震動の一部は、基礎上半部から上方に伝達される場合もあるが、滑り免震部において十分に減衰された弱い震動であれば、建造物に甚大な被害を発生させることはない。
本発明にかかる建造物の免震構造は、建造物を地盤に支持する基礎構造を、基礎下半部と基礎上半部とに分割して、基礎下半部と基礎上半部との間に、一対の免震滑り面を有する滑り免震部を設けていることによって、基礎構造による建造物の地盤への支持機能と、免震滑り面による滑り免震機能とを、それぞれ独立して適切に設定することが可能になる。
滑り免震機能は、地盤および基礎下半部と、基礎上半部および建造物の上部構造との間における滑り運動によって果たされる。地盤への基礎下半部の設置や支持、あるいは、基礎下半部の底面積は、滑り免震部の存在とは全く関係なく、通常の基礎構造と同じように、建造物の支持機能が適切に発揮されるように設定することができる。基礎構造が地盤に沈下したり傾いたりする問題は生じない。しかも、基礎上半部の底面は、基礎下半部の底面よりも狭くして、滑り免震機能にとって適切な単位面積当たり荷重を免震滑り面に加えることができる。風などの通常時に加わる外力ではみだりに動くことがなく、建造物に過大な震動が加わる大きな地震の際には確実に滑り免震機能を発揮させることができる。
滑り免震機能は、地盤および基礎下半部と、基礎上半部および建造物の上部構造との間における滑り運動によって果たされる。地盤への基礎下半部の設置や支持、あるいは、基礎下半部の底面積は、滑り免震部の存在とは全く関係なく、通常の基礎構造と同じように、建造物の支持機能が適切に発揮されるように設定することができる。基礎構造が地盤に沈下したり傾いたりする問題は生じない。しかも、基礎上半部の底面は、基礎下半部の底面よりも狭くして、滑り免震機能にとって適切な単位面積当たり荷重を免震滑り面に加えることができる。風などの通常時に加わる外力ではみだりに動くことがなく、建造物に過大な震動が加わる大きな地震の際には確実に滑り免震機能を発揮させることができる。
免震構造としては、通常の基礎構造を分割形成して滑り免震部を追加するだけでよいので、施工は容易であり、施工コストもそれほど高くはつかない。特に、基礎下半部は、通常の基礎構造と同様に、現場打ちコンクリートなどで能率的に施工することができるので、基礎構造の全体を予め製造してから建築現場へと搬入したりクレーンなどで吊下げて設置したりするような面倒な作業の手間と時間が省ける。
図1、2に示す実施形態は、一般的な戸建て住宅に適用された免震構造を示す。
〔免震構造〕
図1、2に示すように、地盤Eには、住宅の外形あるいは間取り構造に合わせて基礎溝Tが掘り下げられている。基礎溝Tの左右の内側面には、木質板などからなる型枠30が設置されている。
型枠30の内側で基礎溝Tの底には、厚盤状の基礎下半部14が配置されている。基礎下半部14は、コンクリートからなり、内部には補強用の配筋16が埋め込まれており、鉄筋コンクリート構造を備えている。
〔免震構造〕
図1、2に示すように、地盤Eには、住宅の外形あるいは間取り構造に合わせて基礎溝Tが掘り下げられている。基礎溝Tの左右の内側面には、木質板などからなる型枠30が設置されている。
型枠30の内側で基礎溝Tの底には、厚盤状の基礎下半部14が配置されている。基礎下半部14は、コンクリートからなり、内部には補強用の配筋16が埋め込まれており、鉄筋コンクリート構造を備えている。
基礎下半部14の上面に、モルタル層18を介して滑り面板22が固定設置されている。滑り面板22は、セメント材料に合成樹脂が配合されたポリマーセメント系硬化板の表面に、フッ素樹脂パウダーを配合してなるエポキシ樹脂塗料が塗工されている。表面の摩擦係数がμ=0.1程度であり、免震滑り面を構成する。
滑り面板22の下面に当接して、左右の型枠30、30に支持された棒状の支承部材50が横断している。支承部材50が滑り面板22の高さ位置や水平姿勢を正確に設定する位置決め機能を果たす。
滑り底板22の上には、滑り底板22よりも幅が狭い滑り底板24を介して基礎上半部12が配置されている。滑り底板24は、滑り面板22と同様の材料からなり、底面が免震滑り面を構成する。滑り面板22に対して滑り底板24は水平方向に滑り易くなっている。基礎上半部12も、コンクリートに配筋16が埋め込まれた鉄筋コンクリート構造になっている。基礎上半部12の断面形状は、垂直方向に延びる立壁状をなしている。基礎上半部12の幅は滑り底板22の幅よりも少し狭い。
滑り面板22の下面に当接して、左右の型枠30、30に支持された棒状の支承部材50が横断している。支承部材50が滑り面板22の高さ位置や水平姿勢を正確に設定する位置決め機能を果たす。
滑り底板22の上には、滑り底板22よりも幅が狭い滑り底板24を介して基礎上半部12が配置されている。滑り底板24は、滑り面板22と同様の材料からなり、底面が免震滑り面を構成する。滑り面板22に対して滑り底板24は水平方向に滑り易くなっている。基礎上半部12も、コンクリートに配筋16が埋め込まれた鉄筋コンクリート構造になっている。基礎上半部12の断面形状は、垂直方向に延びる立壁状をなしている。基礎上半部12の幅は滑り底板22の幅よりも少し狭い。
基礎下半部14および基礎上半部12が組み合わせられて全体形状が、逆T字形をなす通常の布基礎と同様の基礎構造10を構成している。基礎下半部14の上面に配置された滑り面板22と、基礎上半部12の底面に配置された滑り底板24とが、上下一対の免震滑り面からなる免震滑り部を構成している。
このような基礎構造10の上部には、通常の建造物と同様に、住宅の土台や床、壁、天井、屋根などを含む上部構造90が構築される。このような基本的な住宅の構造は、通常の住宅と共通しているので、詳しい説明は省略する。
基礎溝Tの内側で、基礎構造10と型枠30との間の空間には、緩衝材60が充填されている。緩衝材60は、地震による滑り運動における、基礎下半部12と基礎上半部14との相対運動を許容し、地震が終了すれば、元の状態に復元することができる緩衝性のある材料で構成されている。具体的には、砂などの粒状物質や発泡樹脂などが使用される。
このような基礎構造10の上部には、通常の建造物と同様に、住宅の土台や床、壁、天井、屋根などを含む上部構造90が構築される。このような基本的な住宅の構造は、通常の住宅と共通しているので、詳しい説明は省略する。
基礎溝Tの内側で、基礎構造10と型枠30との間の空間には、緩衝材60が充填されている。緩衝材60は、地震による滑り運動における、基礎下半部12と基礎上半部14との相対運動を許容し、地震が終了すれば、元の状態に復元することができる緩衝性のある材料で構成されている。具体的には、砂などの粒状物質や発泡樹脂などが使用される。
〔免震構造の施工〕
図3〜7に示す工程で、基礎構造および免震構造を施工する。
<基礎溝の施工>
図3に示すように、地盤Eを溝状に掘り下げて、断面矩形状の基礎溝Tを構築する。
基礎溝Tの底面は、転圧したり、割栗石を敷き詰めたり、モルタルを流し込んだりして、基礎構造の支持力が十分に発揮されるような処理を施しておく。
基礎溝Tの左右の内側面には、木質板などからなる型枠30を貼り付けて設置する。型枠30は、基礎溝Tが崩れないように補強する機能、および、基礎下半部12のコンクリート打設用型枠として機能する。
図3〜7に示す工程で、基礎構造および免震構造を施工する。
<基礎溝の施工>
図3に示すように、地盤Eを溝状に掘り下げて、断面矩形状の基礎溝Tを構築する。
基礎溝Tの底面は、転圧したり、割栗石を敷き詰めたり、モルタルを流し込んだりして、基礎構造の支持力が十分に発揮されるような処理を施しておく。
基礎溝Tの左右の内側面には、木質板などからなる型枠30を貼り付けて設置する。型枠30は、基礎溝Tが崩れないように補強する機能、および、基礎下半部12のコンクリート打設用型枠として機能する。
支承部材50が、左右の型枠30、30に架け渡される。支承部材50は、両端にネジが切られた鋼棒材からなり、型枠30、30を貫通して裏側にナットを締め付けることで、型枠30、30の所定高さ位置に正確な水平状態で設置される。基礎溝Tの長さ方向において一定の間隔をあけて支承部材50が取り付けられる。
<基礎下半部の施工>
図4に示すように、型枠30、30の内側で基礎溝Tの底に、基礎下半部12を構築する。具体的には、型枠30、30の内側に鉄筋16を配置したあと、コンクリートを流し込んで硬化させれば、所定の厚みを有する厚盤状の基礎下半部12が構築される。基礎下半部12の上面は、支承部材50よりも少し下に位置している。なお、コンクリートの打設によって構築された基礎下半部12の上面は、ほぼ水平で平坦であるが、不可避的に発生する凹凸や不陸が存在することはある。
<基礎下半部の施工>
図4に示すように、型枠30、30の内側で基礎溝Tの底に、基礎下半部12を構築する。具体的には、型枠30、30の内側に鉄筋16を配置したあと、コンクリートを流し込んで硬化させれば、所定の厚みを有する厚盤状の基礎下半部12が構築される。基礎下半部12の上面は、支承部材50よりも少し下に位置している。なお、コンクリートの打設によって構築された基礎下半部12の上面は、ほぼ水平で平坦であるが、不可避的に発生する凹凸や不陸が存在することはある。
<滑り面板の施工>
図5に示すように、基礎下半部12の上面に、支承部材50を埋め込む程度の厚みでモルタル18を盛り上げ、モルタル層18が硬化する前に、モルタル層18の上に滑り面板22を配置する。滑り面板22は、矩形板状をなし、基礎溝Tの長さ方向に沿って順次並べて配置される。
モルタル層18に載せた滑り面板22を下側に押さえ付けるようにすると、滑り面板22がモルタル層18と強力に固着され、滑り面板22の下面が支承部材50の上端に当接する。滑り面板22の高さ位置および水平姿勢が、支承部材50によって正確に規制される。
図5に示すように、基礎下半部12の上面に、支承部材50を埋め込む程度の厚みでモルタル18を盛り上げ、モルタル層18が硬化する前に、モルタル層18の上に滑り面板22を配置する。滑り面板22は、矩形板状をなし、基礎溝Tの長さ方向に沿って順次並べて配置される。
モルタル層18に載せた滑り面板22を下側に押さえ付けるようにすると、滑り面板22がモルタル層18と強力に固着され、滑り面板22の下面が支承部材50の上端に当接する。滑り面板22の高さ位置および水平姿勢が、支承部材50によって正確に規制される。
モルタル層18が硬化すれば、滑り面板22は基礎下半部12に対して固定一体化することになる。
<基礎上半部の施工>
図6に示すように、滑り面板22の上に滑り底板24を配置する。
図6(a)に示すように、滑り底板24の両側辺に沿って、型枠40を立てつけ、中央にコンクリート打設用の空間を構成させる。型枠40は通常のコンクリート打設用の型枠が使用される。型枠40の底面が滑り底板24に支持される。図6(b)に示すように、滑り底板24の上に、樹脂シート材料を屈曲させて左右の両端に凹溝を設けたセパレータシート42を取り付け、セパレータシート42の左右の凹溝に型枠40の下端を嵌め込むようにすれば、形枠40を簡単に位置決めして取り付けることができる。
<基礎上半部の施工>
図6に示すように、滑り面板22の上に滑り底板24を配置する。
図6(a)に示すように、滑り底板24の両側辺に沿って、型枠40を立てつけ、中央にコンクリート打設用の空間を構成させる。型枠40は通常のコンクリート打設用の型枠が使用される。型枠40の底面が滑り底板24に支持される。図6(b)に示すように、滑り底板24の上に、樹脂シート材料を屈曲させて左右の両端に凹溝を設けたセパレータシート42を取り付け、セパレータシート42の左右の凹溝に型枠40の下端を嵌め込むようにすれば、形枠40を簡単に位置決めして取り付けることができる。
但し、滑り底板24は、滑り面板22の上に載っているだけで水平方向に固定されていないので、型枠40が滑り底板24とともに動いてしまうことになる。
そこで、型枠40の上端から基礎溝Tの内側面に固定された型枠30へと、支持梁材44を設置する。支持梁材44は、通常のコンクリート打設施工などにおいて型枠支持用に使用されている建築資材であり、中央の操作部を回動させることで長さが調整できるようになっている。支持梁材44の設置によって、型枠30および滑り底板24の位置決め固定が果たされる。
型枠40、40の内側空間に鉄筋16が配筋されたあと、コンクリート70が流し込まれて、基礎上半部14が構築される。
そこで、型枠40の上端から基礎溝Tの内側面に固定された型枠30へと、支持梁材44を設置する。支持梁材44は、通常のコンクリート打設施工などにおいて型枠支持用に使用されている建築資材であり、中央の操作部を回動させることで長さが調整できるようになっている。支持梁材44の設置によって、型枠30および滑り底板24の位置決め固定が果たされる。
型枠40、40の内側空間に鉄筋16が配筋されたあと、コンクリート70が流し込まれて、基礎上半部14が構築される。
<基礎構造の完成>
図7に示すように、基礎上半部14が構築されたあと、型枠40、40および支持梁材44を撤去すれば、基礎構造10が完成する。
基礎上半部14と滑り底板24は、コンクリートの硬化にともなって固着一体化する。滑り底板24は滑り面板22の表面を水平方向に滑り移動することができる。
構築された基礎上半部14の上部に、通常の建築施工技術を適用して上部構造90を構築すれば、前記した図1、2の建造物が完成する。なお、上部構造90の施工時に、基礎上半部14が水平方向に移動するのを抑えるために、基礎上半部14から基礎溝Tの外側の地盤Eへと、前記支持梁材44と同様の支持部材を架け渡して位置決め固定しておくことが有効である。
図7に示すように、基礎上半部14が構築されたあと、型枠40、40および支持梁材44を撤去すれば、基礎構造10が完成する。
基礎上半部14と滑り底板24は、コンクリートの硬化にともなって固着一体化する。滑り底板24は滑り面板22の表面を水平方向に滑り移動することができる。
構築された基礎上半部14の上部に、通常の建築施工技術を適用して上部構造90を構築すれば、前記した図1、2の建造物が完成する。なお、上部構造90の施工時に、基礎上半部14が水平方向に移動するのを抑えるために、基礎上半部14から基礎溝Tの外側の地盤Eへと、前記支持梁材44と同様の支持部材を架け渡して位置決め固定しておくことが有効である。
〔免震機能〕
図1に示す状態において、上部構造90および基礎上半部12の荷重は、滑り底板24を介して、滑り面板22から基礎下半部14で支持される。滑り底板24の幅は、基礎下半部14の幅よりもかなり狭いので、大きな荷重が狭い面積に加わることになり、滑り底板24と滑り面板22との間には、大きな単位面積当たり荷重が作用する。水平方向の外力が加わって、滑り底板24と滑り面板22とが滑るには、単位面積当たり荷重に比例する大きな外力が加わらなければならない。
地震のない通常状態で、風などの外力が加わっても、よほど大きな外力が加わらない限り、滑り底板24と滑り面板22との間で滑りを生じることはなく、互いに静止状態を維持する。建造物が風に揺れたりずれたりすることはない。
図1に示す状態において、上部構造90および基礎上半部12の荷重は、滑り底板24を介して、滑り面板22から基礎下半部14で支持される。滑り底板24の幅は、基礎下半部14の幅よりもかなり狭いので、大きな荷重が狭い面積に加わることになり、滑り底板24と滑り面板22との間には、大きな単位面積当たり荷重が作用する。水平方向の外力が加わって、滑り底板24と滑り面板22とが滑るには、単位面積当たり荷重に比例する大きな外力が加わらなければならない。
地震のない通常状態で、風などの外力が加わっても、よほど大きな外力が加わらない限り、滑り底板24と滑り面板22との間で滑りを生じることはなく、互いに静止状態を維持する。建造物が風に揺れたりずれたりすることはない。
なお、建造物全体の重量は、基礎下半部14の底面を介して地盤Eで支持されている。基礎下半部14の底面積は通常の布基礎などと変わりのない十分な広さがある。地盤Eで支持すべき単位面積当たりの荷重は適切な範囲に収まっている。したがって、特別に強固な地盤Eにしておいたり、特別な支持構造を設置しておいたりしなくても、基礎構造10の沈下や傾きなどの問題が生じることはない。
地震が発生し、その震動エネルギーや加速度が過大になると、滑り底板24と滑り面板22とが滑りを起こす。滑り面板22および基礎下半部14は地盤Eとともに震動するが、滑り底板24と基礎上半部12を含む建造物の全体は、その慣性力によって、そのままの位置に留まる。地震の震動は滑り免震部によって吸収あるいは減衰される。震動の一部が滑り底板24から上方の建造物に伝達されたとしても、滑り免震部で減衰されていれば、建造物に甚大な被害が生じることは免れる。
地震が発生し、その震動エネルギーや加速度が過大になると、滑り底板24と滑り面板22とが滑りを起こす。滑り面板22および基礎下半部14は地盤Eとともに震動するが、滑り底板24と基礎上半部12を含む建造物の全体は、その慣性力によって、そのままの位置に留まる。地震の震動は滑り免震部によって吸収あるいは減衰される。震動の一部が滑り底板24から上方の建造物に伝達されたとしても、滑り免震部で減衰されていれば、建造物に甚大な被害が生じることは免れる。
基礎下半部14および地盤E側と、基礎上半部12および建造物側が、水平方向に相対運動を起こすと、緩衝材60が圧縮されることになる。緩衝材60の圧縮変形によっても震動エネルギーの一部が吸収されるので、建造物に伝達される震動が減衰される。また、地震が終了したあとは、緩衝材60が弾力的に元の状態へと復元することで、基礎上半部12よりも上方の建造物を元の位置および姿勢へと戻す作用も生じる。緩衝材60が塑性的に変形した場合は、地震のあとで、ジャッキなどを使って、基礎上半部12よりも上方の建造物を元の位置および姿勢へと戻すこともできる。
本発明の免震構造は、例えば、戸建て住宅における免震構造に利用できる。基礎構造の基本的な機能を損なうことなく、比較的に簡単な構造で優れた免震機能を発揮させることができ、施工も容易である。
10 基礎構造
12 基礎上半部
14 基礎下半部
16 配筋
18 モルタル層
22 滑り面板
24 滑り底板
30、40 枠板
42 セパレータシート
44 支持梁材
50 支承部材
60 緩衝材
70 打設コンクリート
90 上部構造
E 地盤
T 基礎溝
12 基礎上半部
14 基礎下半部
16 配筋
18 モルタル層
22 滑り面板
24 滑り底板
30、40 枠板
42 セパレータシート
44 支持梁材
50 支承部材
60 緩衝材
70 打設コンクリート
90 上部構造
E 地盤
T 基礎溝
Claims (7)
- 地盤にコンクリート基礎構造を介して構築される建造物の免震構造であって、
前記基礎構造が、互いに独立した基礎下半部と基礎上半部とからなり、
前記基礎下半部は、その底面が地盤に支持され、
前記基礎上半部は、その底面が前記基礎下半部の底面よりも狭く基礎下半部に支持され、その上部に建造物の上部構造が支持され、
前記基礎下半部と前記基礎上半部との間に、一対の免震滑り面を有する滑り免震部
を備える建造物の免震構造。 - 前記基礎下半部の底面積S1と、前記基礎上半部の底面積S2とが、S1/S2=2.0〜8.0の関係にある
請求項1に記載の建造物の免震構造。 - 前記基礎下半部の底面に加わる単位面積当たり荷重が30〜50kN/m2であり、
前記基礎上半部の底面に加わる単位面積当たり荷重が90〜250kN/m2である
請求項1または2に記載の建造物の免震構造。 - 前記基礎構造が、断面形状において逆T字形をなす布基礎であり、
前記基礎下半部が、断面形状において水平方向に延びる厚盤状をなし、
前記基礎上半部が、断面形状において垂直方向に延びる立壁状をなす
請求項1〜3の何れかに記載の建造物の免震構造。 - 前記基礎構造が、ベタ基礎構造であり、
前記基礎下半部が、水平方向に延びる厚盤状をなし、
前記基礎上半部が、断面形状において垂直方向に延びる立壁状をなす
請求項1〜3の何れかに記載の建造物の免震構造。 - 請求項1〜5の何れかに記載の免震構造を施工する方法であって、
前記地盤のうち前記基礎構造を設置する個所に基礎凹部を掘る工程(a)と、
前記基礎凹部の底にコンクリートを打設して前記基礎下半部を構築する工程(b)と、
前記基礎下半部の上面に、前記免震滑り面の一方となる滑り面板を固定設置する工程(c)と、
前記滑り面板の上面に前記免震滑り面の他方となる滑り底板を配置し、滑り底板の上部に型枠を設置し、型枠の内部空間にコンクリートを打設し硬化させて、前記基礎上半部を構築する工程(d)と、
前記工程(d)のあと、前記型枠を撤去し、前記基礎上半部の上部に前記建造物の上部構造を構築する工程(e)と
を含む建造物の免震施工方法。 - 前記工程(a)において、前記基礎凹部として凹溝状をなす基礎溝を掘り、
前記工程(b)が、前記基礎下半部の上方に前記基礎溝を横断する支承部材を配置する工程(b−1)を含み、
前記工程(c)が、前記基礎下半部の上面に前記支承部材よりも高くモルタルを盛り上げる工程(c−1)と、盛り上げたモルタルの上に前記滑り底板を配置し、滑り底板を支承部材に当接させて支承させる工程(c−2)とを含む
請求項6に記載の建造物の免震施工方法。
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JP2005258104A JP2007070858A (ja) | 2005-09-06 | 2005-09-06 | 建造物の免震構造および免震施工方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012180651A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 免震装置の感度規制構造 |
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CN110093935A (zh) * | 2019-06-04 | 2019-08-06 | 上海山南勘测设计有限公司 | 带肋槽地撑支护结构 |
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-
2005
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