JPH10158994A - 防湿紙の防湿層用組成物 - Google Patents

防湿紙の防湿層用組成物

Info

Publication number
JPH10158994A
JPH10158994A JP33168896A JP33168896A JPH10158994A JP H10158994 A JPH10158994 A JP H10158994A JP 33168896 A JP33168896 A JP 33168896A JP 33168896 A JP33168896 A JP 33168896A JP H10158994 A JPH10158994 A JP H10158994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
composition
paper
proof
proof layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33168896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3035703B2 (ja
Inventor
Tatsuya Osumi
辰也 大隅
Hiroshi Oishi
博 大石
Yoshifumi Okamoto
好史 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP8331688A priority Critical patent/JP3035703B2/ja
Publication of JPH10158994A publication Critical patent/JPH10158994A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3035703B2 publication Critical patent/JP3035703B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のものに比べ、滑りの問題がなく防湿性
に優れた防湿層を形成する防湿紙の防湿層用組成物を提
供する。 【解決手段】 樹脂ラテックスと、一定の温度を境界に
して親水性と疎水性が可逆的に変化する重合体とからな
る防湿紙の防湿層用組成物;および該組成物を用いてな
る防湿紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防湿紙の防湿加工用
組成物に関し、さらに詳しくは、塗工時に防湿層形成用
組成物が支持体に浸透し難いため、ピンホールが少なく
防湿性に優れた防湿層を形成する防湿紙の防湿加工用組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙などの包装等に用いられる防湿
紙としては、紙等の支持体上にポリエチレン等のフィル
ムをラミネートしたものが使用されている。しかしなが
ら、ポリエチレンラミネートした紙は、紙の再生工程に
おいて蒸解できないため、パルプとしての再使用が不可
能であった。しかし、近年の紙のリサイクルの気運の高
まりに伴いパルプとして再使用可能な防湿紙が強く求め
られてきており、このような蒸解可能な防湿紙としてブ
タジエン系ラテックスにワックスをブレンドした配合物
を塗工して防湿紙を得る技術が提案されている(特公昭
55−22597号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
ブタジエン系ラテックスにワックスをブレンドした配合
物を塗工して得られる防湿紙は、ワックスが防湿層表面
あるいは裏面に存在するため、紙どおしが滑り易く、裏
面に防滑剤を塗工する必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、滑りの心
配がなく、ポリエチレンフルムラミネート並の防湿性を
発揮する防湿層を実現するためには、防湿層用組成物中
の樹脂ラテックス粒子の支持体内部への浸透を抑え支持
体表面にピンホールのない均一な防湿層を形成させれば
よく、ワックス系エマルションを用いる場合でもワック
ス系エマルション粒子の塗工層表面あるいは裏面へのマ
イグレーションを抑えれば滑りの問題がないとの観点に
立ち、樹脂ラテックス粒子の支持体内部への浸透、ある
いはワックス系エマルションを用いる場合のワックス系
エマルションの粒子のマイグレーションが少ない防湿層
用組成物について鋭意検討した結果、樹脂ラテックスと
感温ゲル化剤とを組み合わせた防湿層用組成物を用いた
場合、感温ゲル化剤が樹脂ラテックスに有効に作用し
て、該防湿層用組成物を使用した塗料が感温ゲル化性を
有するようになり、塗工後の加熱乾燥工程で加熱される
ことによって早期に不動化し、支持体内部への浸透が抑
えられ、その結果ピンホールのない均一で分厚い防湿層
を与えることを見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、支持体上に防湿層を設
けてなる防湿紙の防湿層用組成物であって、樹脂ラテッ
クス(A)と、一定の温度を境界にして親水性と疎水性
が可逆的に変化する重合体(B)とからなることを特徴
とする防湿紙の防湿層用組成物;並びに該組成物を用い
てなる防湿紙に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる樹脂ラテック
ス(A)の樹脂の種類には特に制限はなく、例えば、ア
クリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−
ブタジエン系樹脂、アクリル−ブタジエン系樹脂、ブタ
ジエン−アクリロニトリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン/プロピレン系
樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂等の樹脂のラテックスが挙げられる。
これらのうち、防湿性が優れるという点でスチレン−ブ
タジエン系樹脂およびアクリル−ブタジエン系樹脂が好
ましい。
【0007】樹脂ラテックス(A)の固形分は通常5〜
70重量%、好ましくは30〜60重量%である。
【0008】とくに(A)の液相中の乳化剤量が、通常
0または0.01mmol(ミリモル)/g(樹脂)以
下、好ましくは0または0.002mmol/g(樹
脂)以下である場合に、該防湿層用組成物を使用した塗
料の感温ゲル化性がよりシャープになるため好ましい。
なお、該「液相中の乳化剤量」は樹脂ラテックス(A)
中の樹脂分の重量に対して表される数値であり、樹脂1
gあたりの乳化剤の量である。液相中の乳化剤量は、樹
脂ラテックスから樹脂分を、円心分離法、塩析法等によ
り除いて得た液相を、液体クロマトグラフィー等で分析
し定量することによって求められる。
【0009】ラテックスの液相中の乳化剤量が0または
0.01mmol/g(樹脂)以下の樹脂ラテックスを
製造する方法としては、例えば、水への溶解度が低い
乳化剤を用いてラジカル重合性モノマーを公知の方法で
乳化重合する方法;ラジカル重合性基を有するラジカ
ル重合性乳化剤[例えば、(メタ)アクリロイル基を有
するラジカル重合性乳化剤、ビニル基を有するラジカル
重合性乳化剤、アリル基を有するラジカル重合性乳化剤
等]を使用してラジカル重合性モノマーを公知の方法で
乳化重合する方法;水溶性ポリマーを保護コロイドと
して使用してラジカル重合性モノマーを公知の方法で乳
化重合する方法;有機溶剤中でイオン性官能基(カル
ボキシル基、スルホン酸基、アミノ基等)を有するポリ
マーを公知の方法で合成し必要によりアルカリまたは酸
で中和し、水を加えて乳化後に、溶剤を除去する方法等
が挙げられる。
【0010】これら方法のなかでは、樹脂ラテックスが
通常の条件で容易に得られる点での方法が好ましく、
特に安定なラテックスを与えるという点で、(メタ)ア
クリロイル基を有するラジカル重合性乳化剤がを用いて
乳化重合する方法が特に好ましい。
【0011】本発明に用いられる一定の温度を境界にし
て親水性と疎水性が可逆的に変化する重合体(以下、感
温ゲル化剤という。)(B)としては、例えば、(イ)
アルキルナフタレンホルマリン縮合物のアルキレンオキ
シド付加物(特開昭63−193901号公報に記載の
もの等);(ロ)アルキレンオキシド変性ポリオルガノ
シロキサン(特開平6−256617号公報に記載のも
の等);(ハ)セルロース系感温ゲル化剤(メチルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース等);(ニ)ポリ
ビニルアルキルエーテル(ポリビニルメチルエーテル
等);(ホ)N−アルキル(メタ)アクリルアミドを必
須単量体とする(共)重合体(N−イソプロピルアクリ
ルアミド重合体、N−メトキシプロピルアクリルアミド
重合体等特開平1−14276号公報に記載のもの
等);(ヘ)N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミ
ドを必須単量体とする(共)重合体(N,N−ジエチル
メタクリルアミド重合体、N−アクリロイルピロリジン
重合体等特開昭60−233184号公報に記載のもの
等);(ト)環状アミンのアルキレンオキシド付加物の
(メタ)アクリル酸エステルを必須単量体とする(共)
重合体(モルホリノエチルメタクリレート重合体等特開
平6−9848号公報に記載のもの等);(チ)炭素数
5以上の非環状アミンのアルキレンオキシド付加物の
(メタ)アクリル酸エステルを必須単量体とする(共)
重合体(ジイソプロピルアミノエチルアクリレート重合
体等);(リ)アルコールまたは水のアルキレンオキシ
ド付加物の(メタ)アクリル酸エステルを必須単量体と
する(共)重合体(メトキシエトキシエチルメタクリレ
ート重合体等特公平6−23375号公報に記載のもの
等);(ヌ)アルコールまたは水のアルキレンオキシド
付加物の(ビニルフェニル)エーテルを必須単量体とす
る(共)重合体[テトラエチレングリコールモノメチル
モノ(ビニルフェニル)エーテル重合体等];および、
(ル)酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体等の、一
定の温度を境界にして、疎水性と親水性とが可逆的に変
化してその水溶液の粘度を急激に変化させる特性を有す
るものが挙げられる。
【0012】これらのうち、(ホ)〜(ヌ)の感温ゲル
化剤が、防湿剤層が支持体に浸透し難いという点で好ま
しく、なかでも(ト)の環状アミンのアルキレンオキシ
ド付加物の(メタ)アクリル酸エステルを必須単量体と
する(共)重合体、および(チ)の炭素数5以上の非環
状アミンのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリ
ル酸エステルを必須単量体とする(共)重合体が特に好
ましい。
【0013】該感温ゲル化剤(B)は、一定の温度を境
界にして親水性と疎水性が可逆的に変化するが、この親
水性から疎水性に変化する温度(転移温度)は、通常1
5〜100℃、好ましくは40〜80℃である。なお、
転移温度は、(B)の1%水溶液を徐々に加温してい
き、その水溶液が白濁またはゲル化し始める温度を測定
することによって求められる。
【0014】本発明の防湿紙の防湿層用組成物におい
て、(A)と(B)の固形分合計100重量部に対する
(B)の固形分の重量割合は通常0.001〜30重量
部、好ましくは0.01〜10重量部である。(B)の
割合が0.001重量部未満では、感温ゲル化性が不十
分となるため防湿剤層の支持体への浸透防止性が不十分
となり、30重量%を超えると組成物の粘度が高くなり
作業性が悪くなる。
【0015】本発明の防湿層用組成物に、さらにワック
ス系エマルション(C)を含有させた場合、防湿性がよ
り良好となり、例えば防湿層の塗工量を低減できるため
好ましい。
【0016】ワックス系エマルション(C)としては、
天然ワックス(ろう等)、石油ワックス(パラフィンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス、酸価パラフィ
ンワックス等)、ポリエチレンワックス(ポリエチレン
樹脂、熱減成ポリエチレン、酸化ポリエチレン、酸変性
ポリエチレン等)、ポリプロピレンワックス(ポリプロ
ピレン樹脂、熱減成ポリプロピレン、酸化ポリプロピレ
ン、酸変性ポリプロピレン等)等のワックスのエマルシ
ョンが挙げられる。ワックスの融点は通常30〜200
℃、好ましくは40〜160℃である。
【0017】該ワックス系エマルション(C)の固形分
は通常5〜70重量%、好ましくは15〜50重量%で
ある。
【0018】該(C)の液相中の乳化剤量が、0または
0.01mmol(ミリモル)/g(樹脂)以下、好ま
しくは、0または0.002mmol/g(樹脂)以下
である場合、該防湿層用組成物を使用した塗料の感温ゲ
ル化性がよりシャープになるために好ましい。なお、液
相中の乳化剤量は(C)の固形分の重量に対して表さ
れ、(C)の固形分1gあたりの液相中の乳化剤量であ
る。該液相中の乳化剤量は前記樹脂ラテックス(A)の
場合と同様の方法で測定できる。
【0019】液相中の乳化剤量が0または0.01mm
ol/g(樹脂)以下のワックス系エマルション(C)
を製造する方法としては、例えば、酸価を有するワッ
クス(酸価パラフィンワックス、酸化ポリエチレン、酸
変性ポリエチレン、酸化ポリプロピレン、酸変性ポリプ
ロピレン等)をアルカリ(アルカリ金属水酸化物または
アミン類)で中和し、水を加えて機械的に乳化する方
法;酸価を有するワックスをアルカリ(アルカリ金属
水酸化物またはアミン類)で中和し、溶剤で溶解後、水
を加えて乳化した後に、必要に応じて溶剤を除去する方
法などが挙げられる。
【0020】本発明の防湿層用組成物にワックス系エマ
ルション(C)を含有させる場合、(A)と(B)の固
形分合計100重量部に対する(C)の固形分の重量割
合は、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重
量部である。(C)の割合が0.1重量部未満では、
(C)を併用した効果が不十分となり、50重量部を超
えると滑りが発生し易くなる。
【0021】本発明の防湿層用組成物は、樹脂ラテック
ス(A)と、感温ゲル化剤(B)単独あるいは該(B)
を必要により水で希釈したものと、必要によりワックス
系エマルション(C)とを、該(B)の転移温度よりも
低い温度で、通常の混合装置(櫂型攪拌翼等)で混合す
ることによって得られる。このようにして得られる防湿
層用組成物中の固形分濃度は通常1〜80重量%であ
る。
【0022】また、本発明の防湿層用組成物は、必要に
応じて、表面サイズ剤{アクリル樹脂系サイズ剤[スチ
レン−マレイン酸共重合物のソーダ塩、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合物の
ソーダ塩等]、デンプン系サイズ剤(酸化デンプン、リ
ン酸エステル化デンプン等)、カゼイン系サイズ剤(カ
ゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、マンナンガラクタン誘導
体等)、セルロース系サイズ剤(カルボキシメチルセル
ロース等)等}を含有することができる。
【0023】さらに必要に応じて、各種クレー、カオリ
ン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カル
シウム、タルク、プラスチックピグメント(ポリスチレ
ン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/アクリ
ル共重合体等のビーズ等)等の公知の顔料、定着剤(硫
酸バンド、ポリ塩化アルミニウム)、顔料分散剤[ポリ
(メタ)アクリル酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等]、消泡剤(鉱物油
系消泡剤、シリコン系消泡剤等)、その他の添加剤[染
料、潤滑剤、pH調整剤、(B)以外の増粘剤(カルボ
キシメチルセルロース等)、防腐剤、耐水化剤、印刷適
性向上剤等]などの公知の添加剤も含有することができ
る。
【0024】本発明の防湿紙の防湿層用組成物を必要に
応じて水等で希釈後、必要に応じてサイズ剤等を配合す
ることによって防湿紙の防湿層用塗料が得られる。
【0025】該防湿層用塗料中の本発明の組成物の固形
分は通常1〜80重量%である。
【0026】本発明の組成物からなる防湿層用塗料が塗
工されてなる防湿紙は、該塗料を、支持体(紙、板紙、
不織布、繊維基材等)に塗工機によって一層あるいは多
層に分けて塗工し、ドライヤーで加熱乾燥し、必要によ
ってカレンダー処理することによって得られる。
【0027】防湿層用塗料を塗布する塗工機としては、
ロールコーター(サイズプレス、ゲートロールコーター
等)、バーコーター、グラビアコーター、エアナイフコ
ーター、ブレードコーター等が挙げられる。塗工量は、
乾燥後の重量として通常0.1〜100g/m2、好ま
しくは3〜30g/m2である。
【0028】乾燥は、蒸気加熱、熱風加熱等によって行
われる。ドライヤーとしては、ドラムドライヤー、エア
キャップドライヤー、エアホイルドライヤー、エアコン
ベアドライヤーおよびこれらの組合せが挙げられる。乾
燥温度はドライヤーの種類によって種々変化するがドラ
イヤー内部の温度は通常50〜200℃、好ましくは1
00〜150℃である。
【0029】カレンダー処理は、通常スパーカレンダ
ー、フリクションカレンダー、グロスカレンダー等によ
って、ニップ圧1〜200kg/cm、温度20〜12
0℃で行われる。
【0030】本発明の防湿層用組成物を用いると、支持
体内部への浸透が少ないため、ピンホールがなく、均一
で分厚い防湿層を与える。このため、防湿性が良好とな
り、防湿剤の塗布量を低減することも可能になる。ま
た、蒸解性が良好なため、そのまま古紙としてパルプを
リサイクルできる。ワックス系エマルションを用いた場
合でも、ワックス成分が防湿層内部に存在するため、滑
りがなく、防滑剤の処理が不要である。本発明の組成物
を用いた防湿紙は、新聞原紙、PPC用紙、印刷用紙等
紙類の包装用の防湿紙、ダンボール、紙器用の板紙等の
ほか、防湿トレー、紙コップ等の食品の製造および包装
用等にも好適に使用できる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実
施例中の部は重量部である。
【0032】製造例1 攪拌機、滴下ボンベ、窒素ガス導入管および温度計を備
えた加圧反応容器に、水102部、スチレン45部、メ
チルメタクリレート9部、メタクリル酸4部、アクリロ
イルポリオキシプロピレン(重合度=12)硫酸エステ
ルNa塩5部、過硫酸ナトリウム1部およびラウリルメ
ルカプタン0.2部を仕込み、攪拌下、系内を窒素ガス
で置換後、滴下ボンベからブタジエン37部を圧入し、
50℃で30時間、85℃で5時間反応させた。減圧下
未反応モノマーをストリッピングし、水酸化ナトリウム
水溶液でpH9.5に調整することによって、スチレン
−ブタジエン系樹脂ラテックス(固形分47.9%、以
下、「ラテックス1」という。)を得た。この「ラテッ
クス1」の液相中の乳化剤量は0.0003mmol/
g(樹脂)であった。
【0033】製造例2 2−モルホリノエチルメタクリレート10部および2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.01部をアンプルに加え、凍結脱気後密閉し、50
℃で8時間重合させて、「感温ゲル化剤1」を得た。
【0034】製造例3 N−イソプロピルアクリルアミド10部および2,2’
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.0
1部をアンプルに加え、凍結脱気後密閉し、50℃で8
時間重合させて、「感温ゲル化剤2」を得た。
【0035】製造例4 攪拌機、温度計、滴下ポンプを備えた加圧反応容器に、
熱減成ポリプロピレンの酸変性物[三洋化成工業(株)
製、「ユーメックス1010」]300部、トルエン9
00部及び1−ブタノール200部を加え加圧下に12
0℃で溶解後、トリエチルアミン60部と水2500部
の溶液を15分で圧入し、1時間攪拌した。その温度で
徐々に圧力を下げて、トルエン、1−ブタノールおよび
水を留去し、トルエン含量が0.1%以下になった時点
で冷却し、トリエチルアミンでpHを8に調整すること
によって、ワックス系エマルション(固形分30%、以
下「ワックス1」という。)を得た。この「ワックス
1」中の乳化剤量は0mmol/g(樹脂)であった。
【0036】実施例1 製造例1で得た「ラテックス1」100部に、攪拌下2
5℃で、製造例2で得た「感温ゲル化剤1」の20%水
溶液2部を混合して「防湿層用組成物1」を得た。
【0037】実施例2 実施例1において、「感温ゲル化剤1」に代えて製造例
3で得た「感温ゲル化剤2」を同量用いた以外は実施例
1と同様の操作を行い、「防湿層用組成物2」を得た。
【0038】実施例3 製造例1で得た「ラテックス1」100部に、攪拌下2
5℃で、製造例2で得た「感温ゲル化剤1」の20%水
溶液2部および製造例4で得た「ワックス1」20部を
混合して「防湿層用組成物3」を得た。
【0039】実施例4 実施例3において、「感温ゲル化剤1」に代えて製造例
3で得た「感温ゲル化剤2」を同量用いた以外は実施例
3と同様の操作を行い、「防湿層用組成物4」を得た。
【0040】比較例1 感温ゲル化剤1を用いないこと以外は実施例4と同様に
して「防湿層用組成物5」を得た。
【0041】実施例5〜8,比較例2 防湿層用組成物1〜5に水を加えて固形分10重量%の
防湿層用塗料1〜5をそれぞれ得た。各防湿層用塗料1
〜5を、それぞれクラフト紙(坪量74g/m2)にバ
ーコーターで、乾燥後の塗工量が15g/m2となるよ
うに塗工し、130℃の加熱空気で30秒間乾燥し、防
湿紙1〜5をそれぞれ得た。得られた各防湿紙につい
て、下記の方法により、透湿度、水蒸解性および静摩擦
係数を測定した。その結果を表1に示す。
【0042】透湿度:JIS Z0208防湿包装材料
の透湿度試験(40℃,90%RH)に準じて測定。 水蒸解性:500mlビーカーに、イオン交換水250
gと2cm角に裁断した防湿紙5gとを入れ、ホモミキ
サーで攪拌(2000rpm×30分)して、液の状態
を目視観察した。 (評価基準) ◎原形が全くなく、完全に分散 △原形が少し残っている ×ほぼ原形のまま紙または防湿層が残っている 静摩擦係数;JIS P8147の紙及び板紙の摩擦係
数試験方法に準じて、塗工した面どおしの静摩擦係数を
測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の防湿紙の防湿層用組成物は、感
温ゲル化剤を樹脂ラテックスと組み合わせることによっ
て感温ゲル化剤が樹脂ラテックスに有効に作用して、該
組成物を使用した塗料が塗工後の加熱乾燥工程で加熱さ
れることによって塗料が早期に不動化して乾燥されるた
め、塗料の浸透が抑制され、ピンホールがなく均一で分
厚い防湿層を与える。また、防湿紙の蒸解性が良好なた
め、そのまま古紙としてパルプをリサイクル使用するこ
とができる。さらに、ワックス系エマルションを用いた
場合でも、ワックス成分が防湿層内部に存在するため滑
りがなく、従来のような防滑剤処理が不要である。上記
効果を奏することから本発明の防湿層用組成物を用いた
防湿紙は、新聞原紙、PPC用紙、印刷用紙等紙類の包
装用の防湿紙、ダンボール、紙器用の板紙等のほか、防
湿トレー、紙コップ等の食品の製造および包装用等に好
適に使用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に防湿層を設けてなる防湿紙の
    防湿層用組成物であって、樹脂ラテックス(A)と、一
    定の温度を境界にして親水性と疎水性とが可逆的に変化
    する重合体(B)とからなることを特徴とする防湿紙の
    防湿層用組成物。
  2. 【請求項2】 (A)が、液相中の乳化剤量が0または
    0.01mmol/g(樹脂)以下の樹脂ラテックスで
    ある請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 (A)が、(メタ)アクリロイル基を有
    するラジカル重合性乳化剤を用いて乳化重合された樹脂
    ラテックスである請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (B)が環状アミンのアルキレンオキシ
    ド付加物の(メタ)アクリル酸エステルおよび/または
    炭素数5以上の非環状アミンのアルキレンオキシド付加
    物の(メタ)アクリル酸エステルを必須単量体とする
    (共)重合体である請求項1〜3いずれか記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 (A)と(B)の固形分合計100重量
    部に対し、(B)を0.001〜30重量部(固形分)
    の割合で含有する請求項1〜4いずれか記載の組成物。
  6. 【請求項6】 さらにワックス系エマルション(C)
    を、(A)と(B)の固形分合計100重量部に対し、
    0.1〜50重量部(固形分)の割合でさらに含有する
    請求項1〜5いずれか記載の組成物。
  7. 【請求項7】 (C)が乳化剤を用いないで製造された
    ワックス系エマルションである請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか記載の組成物を防
    湿層に用いてなる防湿紙。
JP8331688A 1996-11-26 1996-11-26 防湿紙の防湿層用組成物 Expired - Fee Related JP3035703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8331688A JP3035703B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 防湿紙の防湿層用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8331688A JP3035703B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 防湿紙の防湿層用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10158994A true JPH10158994A (ja) 1998-06-16
JP3035703B2 JP3035703B2 (ja) 2000-04-24

Family

ID=18246476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8331688A Expired - Fee Related JP3035703B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 防湿紙の防湿層用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3035703B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005105134A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Unitika Ltd 防湿コート剤および防湿加工品
JP2006519912A (ja) * 2003-03-05 2006-08-31 ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット エルカミドを含有しないクロージャおよびライナー組成物
JP2018087339A (ja) * 2013-12-19 2018-06-07 サートゥンティード コーポレーション 建築材料用コーティング組成物及び被コーティング建築材料基材
CN112622344A (zh) * 2019-10-09 2021-04-09 大理州祥云大宇包装有限公司 一种节能环保的瓦楞纸箱生产工艺
US10988630B2 (en) 2014-12-19 2021-04-27 Certainteed Corporation Coating compositions for building materials and coated building material substrates
US11136755B2 (en) 2017-06-30 2021-10-05 Certainteed Llc Vapor retarding building materials and methods for making them

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006519912A (ja) * 2003-03-05 2006-08-31 ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット エルカミドを含有しないクロージャおよびライナー組成物
JP2005105134A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Unitika Ltd 防湿コート剤および防湿加工品
JP2018087339A (ja) * 2013-12-19 2018-06-07 サートゥンティード コーポレーション 建築材料用コーティング組成物及び被コーティング建築材料基材
JP2020045487A (ja) * 2013-12-19 2020-03-26 サートゥンティード コーポレーション 建築材料用コーティング組成物及び被コーティング建築材料基材
US10988630B2 (en) 2014-12-19 2021-04-27 Certainteed Corporation Coating compositions for building materials and coated building material substrates
US11136755B2 (en) 2017-06-30 2021-10-05 Certainteed Llc Vapor retarding building materials and methods for making them
US11795684B2 (en) 2017-06-30 2023-10-24 Certainteed Llc Vapor retarding building materials and methods for making them
CN112622344A (zh) * 2019-10-09 2021-04-09 大理州祥云大宇包装有限公司 一种节能环保的瓦楞纸箱生产工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP3035703B2 (ja) 2000-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7807271B2 (en) Polymers for paper and paperboard coatings
EP0019716B1 (en) Aqueous polymeric dispersions and paper coating compositions
US20080206571A1 (en) Coating compositions
BRPI0619648B1 (pt) Composition applied in collage press and paper substrate
US3081198A (en) Mineral-coated paper products and methods for making them
JP3035703B2 (ja) 防湿紙の防湿層用組成物
WO1996001877A1 (fr) Composition de liant pouvant etre epaissie de maniere thermoreversible
US3255130A (en) Ethylene propylene copolymer latices containing polar groups
JP2000220094A (ja) 防湿紙の防湿層形成用組成物
JP2004182898A (ja) 共重合体ラテックス及びその製造方法並びに紙塗工用組成物
JP3038541B2 (ja) 剥離紙のアンダーコート層用組成物
JP3028468B2 (ja) 紙力増強剤組成物および紙用サイズ剤組成物
US3303155A (en) Two-stage heating method for preparing butadiene-styrene latex
CA3105044A1 (en) Compositions and methods for improving properties of lignocellulosic materials
WO2009051577A1 (en) Paper coating composition
JP2552841B2 (ja) 紙用塗工組成物
JP2936249B2 (ja) ダブル塗工キャスト紙の製造方法
JP2506350B2 (ja) 紙用コ−テイング組成物
JPH10330691A (ja) バインダー組成物、塗料及びそれを含有するインクジェット記録用シート
JP3246087B2 (ja) グラビア印刷用塗工紙
JP2000226547A (ja) バインダー組成物
JPH06287890A (ja) 易離解性防湿紙
JP3966879B2 (ja) リサイクル可能な防湿包装紙
JPH0665897A (ja) オフセット印刷用塗工紙
JPH11350390A (ja) 紙塗工用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees