JPH10158228A - N−アセチルエチレンジアミンの製造法 - Google Patents

N−アセチルエチレンジアミンの製造法

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JPH10158228A
JPH10158228A JP8316650A JP31665096A JPH10158228A JP H10158228 A JPH10158228 A JP H10158228A JP 8316650 A JP8316650 A JP 8316650A JP 31665096 A JP31665096 A JP 31665096A JP H10158228 A JPH10158228 A JP H10158228A
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JP
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oxide
acetylethylenediamine
acid
metal
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JP8316650A
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Yasushi Hara
靖 原
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のN−アセチルエチレンジアミンの製造
法は、N,N’−ジアセチルエチレンジアミンが副生す
る問題があり、工業的に十分満足できるものではない。
したがって、N,N’−ジアセチルエチレンジアミンを
副生しない製造法の開発が望まれていた。 【解決手段】 エチレンジアミン、アセトニトリル及び
水を触媒存在下で反応させてN−アセチルエチレンジア
ミンを製造する際、触媒として、金属の有機酸塩、金属
の無機酸塩、金属酸化物と有機酸、及び金属酸化物と無
機酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−アセチルエチ
レンジアミンの製造法に関する。N−アセチルエチレン
ジアミンは医薬中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来知られているN−アセチルエチレン
ジアミンの製造法としては、無水酢酸等のアセチル化剤
とエチレンジアミンを反応させる方法がある。しかし、
無水酢酸等のアセチル化剤を使用すると、エチレンジア
ミンの窒素を一つだけ選択的にアセチル化することはで
きず、二つアセチル化された化合物(N,N’−ジアセ
チルエチレンジアミン)が副生する。エチレンジアミン
と酢酸を反応させて、N−アセチルエチレンジアミンを
製造するには、脱水するために高温を必要とするし、こ
の方法も二つアセチル化された化合物の副生を避けるこ
とはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のN−アセチルエ
チレンジアミンの製造法は、N,N’−ジアセチルエチ
レンジアミンが副生する問題があり、工業的に十分満足
できるものではない。したがって、N,N’−ジアセチ
ルエチレンジアミンを副生しない製造法の開発が望まれ
ていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、N−アセチ
ルエチレンジアミンの製造法について鋭意検討した結
果、エチレンジアミン、アセトニトリル及び水を、金属
塩の存在下、又は金属酸化物及びカルボン酸の存在下反
応させることによって、N,N’−ジアセチルエチレン
ジアミンの副生も無く、N−アセチルエチレンジアミン
を製造できるという新規な事実を見いだし、本発明を完
成させるに至った。
【0005】すなわち本発明は、エチレンジアミン、ア
セトニトリル及び水を触媒存在下で反応させてN−アセ
チルエチレンジアミンを製造する方法において、触媒と
して、金属の有機酸塩、金属の無機酸塩、金属酸化物と
有機酸、及び金属酸化物と無機酸からなる群より選ばれ
る少なくとも1種を使用することを特徴とするN−アセ
チルエチレンジアミンの製造法である。
【0006】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0007】本発明の方法において使用される触媒は、
金属の有機酸塩、金属の無機酸塩、金属酸化物と有機
酸、及び金属酸化物と無機酸からなる群より選ばれる少
なくとも1種である。
【0008】本発明の方法において、金属の有機酸塩又
は金属の無機酸塩の金属としては、亜鉛、鉄、銅、コバ
ルト、マンガン、アルミニウム、スズ、水銀、クロム及
びカドミウムからなる少なくとも一種が使用される。金
属元素の酸化度には特に制限無く、例えば銅の場合は、
一価、二価のどちらを使用しても良い。
【0009】金属の有機酸塩としては、例えば、カルボ
ン酸塩、スルホン酸塩等が挙げられるが、これらのうち
カルボン酸塩が収率が高いことから好ましく、またカル
ボン酸塩の中でもモノカルボン酸塩が入手しやすいこと
から特に好ましい。また金属の無機酸塩としては特に制
限するものではないが、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等が例
示される。
【0010】金属の有機酸塩又は金属の無機酸塩は、担
体に担持して使用しても良い。担体としては、シリカ、
アルミナ等の酸化物、シリカ−アルミナ、珪藻土等の複
合酸化物、活性炭、多孔質ガラス、セラミック等が使用
できる。金属塩は他の金属塩と混合しても使用できる。
【0011】本発明の方法において言う金属酸化物とし
ては、例えば、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化チ
タン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸
化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜
鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、
酸化銀、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、
酸化タンタル、酸化タングステン、酸化レニウム、酸化
鉛、スカンジウム,イットリウム,ランタン,セリウム
等の希土類の酸化物等が挙げられるが、それらの中でも
活性、選択性が向上する酸化銅、酸化クロム、酸化マン
ガン、酸化亜鉛、酸化ニオブが特に好ましい。金属元素
の酸化度には特に制限無く、例えば銅の場合は一価、二
価のどちらを使用しても良い。また金属酸化物は水を含
んだ形、例えば水酸化物として使用しても良い。
【0012】有機酸としては、例えば、カルボン酸、ス
ルホン酸等が挙げられるが、これらのうちカルボン酸が
収率が高いことから好ましく、またカルボン酸の中でも
モノカルボン酸が入手しやすいことから特に好ましい。
また無機酸としては特に制限するものではないが、塩
酸、硝酸、硫酸等が例示される。
【0013】金属酸化物は担体に担持して使用しても良
い。担体としては、シリカ、アルミナ等の酸化物、シリ
カ−アルミナ、珪藻土等の複合酸化物、活性炭、多孔質
ガラス、セラミック等が使用できる。金属酸化物は他の
金属酸化物と混合しても使用できる。例えば銅クロマイ
ト、酸化銅−酸化亜鉛等も使用できる。
【0014】本発明の方法において、カルボン酸に特に
制限は無いが、ギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ
酪酸,吉草酸,イソ吉草酸,ピバル酸,ラウリン酸,ミ
リスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,2−エチル
ヘキサン酸等の脂肪族飽和モノカルボン酸類、シュウ
酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピ
メリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸等の
脂肪族飽和ジカルボン酸、アクリル酸,プロピオル酸,
メタクリル酸,クロトン酸,イソクロトン酸,オレイン
酸,エライジン酸,マレイン酸,フマル酸,シトラコン
酸,メサコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸類、ショウ
ノウ酸,安息香酸,フタル酸,イソフタル酸,テレフタ
ル酸,ナフトエ酸,トルイル酸,ヒドロアトロパ酸,ア
トロパ酸,けい皮酸等の炭素環式カルボン酸類、フル
酸,テン酸,ニコチン酸,イソニコチン酸等の複素環式
カルボン酸類、ポリアクリル酸,ポリメタクリル酸等の
重合体、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸等が例示される。
【0015】金属酸化物とカルボン酸の比に特に制限は
ない。カルボン酸、又は金属酸化物単独では反応は遅い
が、両方が存在すると反応は大きく加速される。
【0016】本発明の方法において、触媒の形態に特に
制限はなく、反応形式に応じて、粉末で使用しても良い
し、成型して使用することもできる。
【0017】本発明の方法において使用される原料はエ
チレンジアミン、アセトニトリル、水である。エチレン
ジアミン、アセトニトリル、水は化学当量又はいずれか
の過剰で反応を行うことができる。
【0018】本発明の方法において、反応温度は、反応
速度の向上、アミン類の分解抑制及びN−アセチルエチ
レンジアミンの収率向上のため、通常100〜300℃
の範囲で行われるが、120〜250℃で行うことが更
に好ましい。
【0019】本発明の方法は通常液相で実施される。
【0020】本発明の方法において、反応は原料を液体
状、溶液状、懸濁状に保てれば良く、常圧、又は加圧下
で行うことができる。この反応では、反応中にアンモニ
アが生成するため、加圧反応の場合は、圧力が上昇する
が、このアンモニアは反応途中で除去することもできる
し、反応が終了してから除去することもできる。反応温
度が原料の沸点を越えている場合は、加圧下で反応を実
施する、凝縮器を設ける、あるいは原料を少しずつ供給
する等の方法をとることができる。
【0021】本発明の方法においては、溶媒を使用して
もしなくても良い。溶媒としては、反応条件に不活性な
ものであれば特に制限なく使用できる。
【0022】本発明の方法は、連続反応で実施しても良
いし、回分反応、半回分反応で実施しても良い。また固
定床でも懸濁床でも反応できる。
【0023】本発明の方法において、生成するN−アセ
チルエチレンジアミンの精製方法に特に制限はなく、蒸
留、晶析等によって単離できる。また回収された未反応
の原料及び触媒は再び反応に使用することもできる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【発明の効果】本発明はN,N’−ジアセチルエチレン
ジアミンを副生しないN−アセチルエチレンジアミンの
製造法を提供するものであり、極めて有意義である。
【0026】実施例1 エチレンジアミン48.7g,アセトニトリル36.9
g,水32.5g,活性亜鉛華1.2g,酢酸1.2g
を200mlの電磁撹拌式ステンレス製オートクレーブ
に入れ、窒素置換した後、180℃に昇温した。6時間
後オートクレーブの圧力は1.7MPaに上昇した。
【0027】これを冷却し、ガスクロマトグラフィーで
分析した結果、エチレンジアミンの転化率は71.5
%,N−アセチルエチレンジアミンの選択率は95.6
%であった。N−アセチルエチレンジアミン以外には2
−メチルイミダゾリンが生成していたが、N,N’−ジ
アセチルエチレンジアミンは生成していなかった。
【0028】実施例2 エチレンジアミン48.7g,アセトニトリル33.2
g,水59.2g,酸化銅1.2g,酢酸1.2gを2
00mlの電磁撹拌式ステンレス製オートクレーブに入
れ、窒素置換した後、180℃に昇温した。6時間後オ
ートクレーブの圧力は1.9MPaに上昇した。
【0029】これを冷却し、ガスクロマトグラフィーで
分析した結果、エチレンジアミンの転化率は83.2
%,N−アセチルエチレンジアミンの選択率は99.4
%であり、N,N’−ジアセチルエチレンジアミンは生
成していなかった。
【0030】実施例3 エチレンジアミン48.7g,アセトニトリル37.5
g,水40.0g,酢酸亜鉛3gを200mlの電磁撹
拌式ステンレス製オートクレーブに入れ、窒素置換した
後、200℃に昇温した。10時間後オートクレーブの
圧力は2.6MPaに上昇した。
【0031】これを冷却し、ガスクロマトグラフィーで
分析した結果、エチレンジアミンの転化率は99.1
%,N−アセチルエチレンジアミンの選択率は99.4
%であり、N,N’−ジアセチルエチレンジアミンは生
成していなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンジアミン、アセトニトリル及び
    水を触媒存在下で反応させてN−アセチルエチレンジア
    ミンを製造する方法において、触媒として、金属の有機
    酸塩、金属の無機酸塩、金属酸化物と有機酸、及び金属
    酸化物と無機酸からなる群より選ばれる少なくとも1種
    を使用することを特徴とするN−アセチルエチレンジア
    ミンの製造法。
  2. 【請求項2】 金属が、亜鉛、鉄、銅、コバルト、マン
    ガン、アルミニウム、スズ、水銀、クロム及びカドミウ
    ムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1に記載のN−アセチルエチレンジア
    ミンの製造法。
  3. 【請求項3】 金属酸化物が、酸化アルミニウム、二酸
    化珪素、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸
    化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸
    化銅、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化
    モリブデン、酸化銀、酸化カドミウム、酸化インジウ
    ム、酸化スズ、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化
    レニウム、酸化鉛及び希土類の酸化物からなる群より選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    に記載のN−アセチルエチレンジアミンの製造法。
  4. 【請求項4】 金属の有機酸塩が、金属のカルボン酸塩
    であることを特徴とする請求項1に記載のN−アセチル
    エチレンジアミンの製造法。
  5. 【請求項5】 金属の有機酸塩が、金属のモノカルボン
    酸塩であることを特徴とする請求項1に記載のN−アセ
    チルエチレンジアミンの製造法。
  6. 【請求項6】 有機酸が、カルボン酸であることを特徴
    とする請求項1に記載のN−アセチルエチレンジアミン
    の製造法。
  7. 【請求項7】 有機酸が、モノカルボン酸であることを
    特徴とする請求項1に記載のN−アセチルエチレンジア
    ミンの製造法。
  8. 【請求項8】 反応温度が、100〜300℃の範囲で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか
    に記載のN−アセチルエチレンジアミンの製造法。
  9. 【請求項9】 反応を液相で実施することを特徴とする
    請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のN−アセチル
    エチレンジアミンの製造法。
JP8316650A 1996-11-27 1996-11-27 N−アセチルエチレンジアミンの製造法 Pending JPH10158228A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105949077A (zh) * 2016-05-16 2016-09-21 中国科学院兰州化学物理研究所 一种非贵金属催化制备二酰胺的方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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