JPH10158061A - 圧電磁器組成物 - Google Patents

圧電磁器組成物

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JPH10158061A
JPH10158061A JP8313255A JP31325596A JPH10158061A JP H10158061 A JPH10158061 A JP H10158061A JP 8313255 A JP8313255 A JP 8313255A JP 31325596 A JP31325596 A JP 31325596A JP H10158061 A JPH10158061 A JP H10158061A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振子やフィルタ等に用いた時280℃近傍
の半田付け実装温度でも電気特性劣化と、温度サイクル
による共振周波数の変化が小さい圧電磁器組成物を提供
することを目的とする。 【解決手段】 本発明の圧電磁器組成物は、一般式(化
1)で表される主成分に対し、副成分として0.05〜
0.40重量%のCr23を含有させてなることを特徴
とするものである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に厚みすべりモ
ード共振を利用した発振子、フィルタなどに適した圧電
磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より圧電磁器組成物としては、チタ
ン酸バリウム磁器、ジルコン酸チタン酸鉛磁器、マグネ
シウムニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛磁器、および亜鉛
ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛磁器などがあり、使用目
的に応じて種々の改良がなされてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発振子、フィルタなど
に用いる圧電磁器組成物はエネルギー、環境問題および
電気特性のばらつき低減の観点から、できるだけ低温で
の焼成が可能で、かつ表面実装タイプのチップ部品に対
応するため、半田付け実装温度に耐えうる耐熱性が要求
されている。
【0004】従来の圧電磁器組成物を用いて発振子やフ
ィルタを形成する場合高い焼成温度を必要とするので、
ひずみも大きくなっており、この様に大きなひずみを持
った状態のものが、その後の温度サイクルによりひずみ
が緩和される状態となる結果、共振周波数が大きく変化
するという問題点を有していた。
【0005】そこで本発明は、温度サイクルによる共振
周波数の変化が小さい圧電磁器組成物を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の圧電磁器組成物は、一般式(化2)で表さ
れる主成分に対し、副成分として0.05〜0.40重
量%のCr23を含有させてなることを特徴とするもの
であり、従来より低い温度で焼成することができるので
ひずみが小さくなり、この結果として上記目的を達成す
ることができる。
【0007】
【化2】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、一般式(化3)で表される主成分に対し、副成分と
して0.05〜0.40重量%のCr23を含有させて
なることを特徴とする圧電磁器組成物であり、比較的低
温での焼成が可能で、電気機械結合係数k15が大きく、
またその変化率の小さい、つまりひずみが小さいもので
あり、温度サイクルによる共振周波数変化の小さい発振
子やフィルタ等を得ることができる。
【0009】
【化3】
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例における厚みすべ
り振動共振子の斜視図であり、圧電磁器1の上、下両面
に共振電極2を形成したものである。
【0012】まず、原料としてPbO,TiO2,Zr
2,ZnO,Nb25,MnO,Sb23,Cr23
を(表1)の組成となるように正確に秤量し、ボールミ
ルによりよく混合した。
【0013】
【表1】
【0014】なお、原料はこれらの化合物のみに限られ
るものでなく、化学反応により上記の酸化物を生成する
ものであれば他の化合物を使用しても良い。
【0015】次に前記混合物を850℃の温度で仮焼
し、さらにボールミルにより粉砕した。次いで、これを
乾燥し、結合剤としてのポリビニールアルコール水溶液
を加え、造粒した後、1ton/cm2の圧力で加圧成
形し、縦50mm、横45mm、高さ10mmの成形体
を得た。その後、得られた成形体を閉炉中で1150〜
1290℃の温度で1時間焼成し、得られた圧電磁器よ
り、図1に示す厚みすべり振動共振子を以下のようにし
て作成した。
【0016】まず矩形板状の圧電磁器をラッピングによ
り、厚みを5mmとした後、両面に銀電極を焼き付け、
100℃のシリコンオイル中で3kV/mmの直流電界
を30分間印加して分極処理した。次にこの圧電磁器を
厚み方向に0.5mmの厚みにスライスした後、0.0
5μmCr−1μmAuの二層蒸着膜よりなる共振電極
2を上、下両面に形成し、分極方向にダイシングするこ
とにより、図1に示した縦1.0mm、横5.0mm、
厚み0.5mmの矩形板状の厚みすべり振動共振子を得
た。
【0017】このようにして得た試料について、密度
ρ、誘電率(外1)、電気機械結合係数k15を測定し
た。
【0018】
【外1】
【0019】耐熱性は、厚みすべり振動共振子を280
℃のホットプレート上で1分間保持し、k15の変化率を
測定した。k15値が0.4以上、k15変化率が−5%以
下のもの(k15変化率の絶対値が5%以下のもの)を耐
熱性良好と判定した。これらの測定結果は、磁器焼成温
度(密度最大)とともに(表1)にまとめた。温度サイ
クル(外2)前後での共振周波数の変動((fr
r0)/fr0の値;%)も上記厚みすべり振動共振子に
より測定し(表1)に示した。
【0020】
【外2】
【0021】共振周波数変動については、0.3%以下
のものを良品と判定した。以下本実施例について(表
1)を参照しながら説明する。
【0022】(表1)によると、α<1.0の場合、焼
成温度が1250℃以上と高いが、これは焼結反応にお
ける液層生成量が減少し、焼結性が低下したためであ
る。またα>1.06の場合、電気機械結合係数k15
0.40以下まで低下するが、これは過剰のPbOがガ
ラス成分となって焼結体中に残留したためである。
【0023】従ってαは1.0≦α≦1.06の範囲に
限定した。またA<0.08では圧電性が低く(k15
0.4),A>0.28では耐熱性が低下するため、A
は0.08≦A≦0.28の範囲に限定した。
【0024】更にB<0.05では、温度サイクルによ
る共振周波数変化率が0.3%以上と大きく、B>0.
15では圧電性が低下する(k15<0.4)ため、Bの
範囲は0.05≦B≦0.15に限定した。
【0025】またC<0.15では焼結性および圧電性
が低下する(k15<0.4)ため、C>0.52では焼
結性が低下するため、Cは0.29≦C≦0.49の範
囲に限定した。
【0026】Dについては、A+B+C+D=1なる条
件下でA,B,Cを上記範囲に限定した場合、必然的に
0.08≦D≦0.72の範囲に限定される。
【0027】Cr23の添加量については0.05重量
%以下の場合、温度サイクルによる共振周波数変化率が
0.3%以上と大きくなり、0.40重量%以上の場
合、圧電性が低下する(k15<0.4)ため本発明の範
囲から除外した。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明は比較的低温での焼
成が可能で、電気機械結合係数が大きくまたその変化率
の小さい、つまりひずみの少ないものであるので厚みす
べり共振を利用した発振子、フィルタ等を作製した場
合、温度サイクルによる共振周波数変化を小さくするこ
とができる。
【0029】また、本発明の圧電磁器組成物は280℃
近傍の半田付実装温度でも電気特性劣化の小さいもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における厚みすべり振動共振
子の斜視図
【符号の説明】
1 圧電磁器 2 共振電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(化1)で表される主成分に対
    し、副成分として0.05〜0.40重量%のCr23
    を含有させてなることを特徴とする圧電磁器組成物。 【化1】
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