JPH10157286A - インクジェット記録用の透明記録媒体 - Google Patents

インクジェット記録用の透明記録媒体

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JPH10157286A
JPH10157286A JP8330289A JP33028996A JPH10157286A JP H10157286 A JPH10157286 A JP H10157286A JP 8330289 A JP8330289 A JP 8330289A JP 33028996 A JP33028996 A JP 33028996A JP H10157286 A JPH10157286 A JP H10157286A
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JP
Japan
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ink
water
fixing layer
ink fixing
degree
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Application number
JP8330289A
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English (en)
Inventor
Kazuo Yonehara
和男 米原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性インクのインク吸収性に優れるのみな
らず、耐水性、耐指紋性も良好なインクジェット記録用
の透明記録媒体を提供する。 【解決手段】 透明基体1の片面又は両面に、インク定
着層2を設けるようにしたインクジェット記録用の透明
記録媒体において、前記インク定着層は、水溶性樹脂
と、水中油型エマルジョンよりなり、前記水溶性樹脂
が、けん化度が78モル%から92モル%の範囲内で、
且つ、重合度が1700以上のポリビニルアルコール
と、カチオン変性がなされて重合度が1700以上のポ
リビニルアルコールとの内の少なくとも何れか1つを含
み、前記水中油型エマルジョンをアクリル系エマルジョ
ンにより構成する。これにより、インク吸収性、耐水性
及び耐指紋性を共に向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
たインクジェット記録方式で用いることのできる透明記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、熱転写記録
方式や電子写真記録方式と同じく、記録時の騒音の少な
い代表的なノンインパクトプリント方式の一つである。
このインクジェット記録方式は、カラー記録が容易であ
り、装置のコンパクト化が可能であり、記録媒体に普通
紙が使えることにより低ランニングコスト化が可能であ
ることから、コストパーフォーマンスに優れた記録方式
として近年、特に注目されている。このようなインクジ
ェット記録方式は、その特性を生かすような用途展開が
計られているが、具体的な例として、透明記録フィルム
を利用したオーバーヘッドプロジェクタ(以下、OHP
と称す)用透明原稿の作成がある。
【0003】インクジェット記録方式では、安全性や取
り扱い性の観点より、水性インクが多くの場合用いられ
ている。従って、インクジェット記録用紙には、吸水性
の良いものを用いることが必要である。一般にセルロー
ス繊維紙等多孔質の材料では、毛細管現象によりインク
ジェットプリンタの水性インクが材料表面の多孔質層に
浸透し、その結果、乾燥して色材が定着する。
【0004】一方、上記OHP用透明原稿等の作成に用
いられる透明記録フィルムでは、一般にその透明性を得
るために、透明なプラスチックフィルムが用いられるこ
とが多いが、これらプラスチックフィルムの多くは疎水
性であるため、このフィルム上に直接的にインクジェッ
ト記録を行っても、インクジェットの水性インクは全く
吸収されない。そのため、この透明プラスチックフィル
ムの水性インクに対する吸水性を改善する方法として、
ポリビニールアルコール(以下、PVAと称す)や、ポ
リビニールピロリドン(以下、PVPと称す)等からな
る水溶性高分子を、インク定着層として透明プラスチッ
クフィルム上に設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの水溶性高分子
は、水性インクを定着するという機能に於いては、満足
のいく結果が得られているが、しかしながら、水に対す
る耐久性が劣ることや、取り扱い時に指紋が付着しやす
いこと等の、実用上いくつかの問題点を抱えている。例
えば、プレゼンテーション時に唾液等がフィルム上に付
着することは十分考えられ、耐水性は高いことが望まし
い。また、プリンタへの装填時やプリント後の取り扱い
時に、インク定着層面へ指紋跡が付着すると、投影時に
目立つため、指紋跡も付かない方が望ましい。指紋跡に
関しては、指の汗腺から発生する汗がほとんど水分であ
り、この水分が水溶性のインク定着層の表面を変形させ
ること及び指には人体から発生した油脂成分等も付着し
ており、この油脂成分等の汚れが付着することが原因で
あると考えられる。
【0006】これらの耐水性、耐指紋性に関しては、表
面に油脂を付着させて耐指紋性を上げるという特開昭6
1−237682号公報に開示された提案や、インク定
着層を2層構造にして表面を疎水性のインク透過層と
し、フィルムに近い面を親水性インク定着層にして、耐
水性の改善を行うような特開昭61−35276号公報
に開示された提案がなされている。しかしながら、これ
らの従来技術では、耐水性、耐指紋性は改善されるが、
これに対して逆に印字性や透明性が損なわれることが多
く、これらの諸特性を同時に改善することができなかっ
た。本発明は、前記のような問題点に着目し、これを有
効に解決すべく創案されたものであり、その目的は、水
溶性インクのインク吸収性に優れながら、耐水性、耐指
紋性も良好なインクジェット記録方式に好適な透明記録
媒体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】インクジェット記録方式
の、特に水性のインクを用いて画像を形成する方式にお
いては、液滴状のインクを熱や圧電素子を用いて印字ヘ
ッドから飛ばし、親水性のインク定着層に付着させて、
画像記録を行うことが一般的である。透明記録フィルム
においては、その透明性を確保しながらインク定着性を
改善するために、インク定着層には透明な水溶性樹脂層
を設けている。このインク定着層を構成する水溶性樹脂
にPVAを用い、水溶性樹脂の耐水性を補強する目的
で、水に不溶の微粒子を均一に分散させた、水中油型エ
マルジョンを添加した場合、PVAとエマルジョンの組
み合わせにより、耐水性及び耐指紋性の改善が顕著であ
ることが明らかとなった。
【0008】水溶性樹脂であるPVAは、けん化度、重
合度、変性により耐水性の違いはあるが、PVA単独で
は所望とする耐水性、耐指紋性が得られない。PVAの
耐水性、耐指紋性を改善するには、熱処理や、耐水性架
橋剤の添加が有効であるが、インク定着層のインク定着
性が悪化し、印字品質が悪くなることが多く、良い方法
とは言えない。また、耐水性を改善する目的で、疎水性
である水中油型エマルジョンを添加して、補強すること
は有効であるが、基本的に水中油型エマルジョンはイン
クを吸収しないため、印字品質を確保するには、エマル
ジョンの添加割合が制限され、所望とする耐水性、耐指
紋性が得られない。
【0009】以上のことを基に、本発明者が、PVA、
添加するエマルジョンについて鋭意研究を行った結果、
けん化度が78モル%から92モル%の範囲内で、且つ
重合度が1700以上のPVAか、または、カチオン変
性がなされて重合度が1700以上のPVAを単独か、
あるいはブレンドして用い、これに水中油型エマルジョ
ンを添加した場合に、所望とする耐水性、耐指紋性が得
られることが明らかとなった。耐水性を考慮すると、P
VAの重合度は、大きいほどよいが、重合度が大きくな
るほど塗料にした場合の粘度が増大して塗工しにくくな
り、従って、製造上問題となることから、好ましくは、
3500程度までが良い。
【0010】添加する水中油型エマルジョンには、アク
リル系、スチレン系、スチレン−ブタジエン系、ウレタ
ン系、エチレン−酢酸ビニル系、塩化ビニル系等多くの
種類があるが、アクリル系が最も好ましい。添加する水
中油型エマルジョンは、インクを吸収しないため、添加
量を多くし過ぎると、インク定着層のインクの吸収性を
阻害されるため、少ない方がよいが、少なすぎると耐水
性、耐指紋性の改善効果が小さくなってしまう。従っ
て、どの特性を重視するかによって添加量の調整を行っ
てもよいが、好ましい添加量の範囲は、水溶性樹脂に対
し、10重量部から200重量部の範囲である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るインクジェ
ット記録用の透明記録媒体の一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。図1は本発明になる透明記録媒体の実施
例を示す断面図である。図示するように、透明記録媒体
10としての透明記録フィルムは、フィルム状の透明基
体1上に、プライマー層3及びインク定着層2を順次積
層して形成されている。図示例では、透明基体1の片面
側にインク定着層2を形成した場合を示している。
【0012】ここで、透明基体1としては、周知の透明
性のあるプラスチックフィルムが用いられる。具体的に
は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレ
ンナフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフ
ィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポ
リプロピレンフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカ
ーボネートフィルム等を挙げることが出来る。好ましく
は、機械的強度、熱的強度、寸法安定性、経済性、入手
の容易さなどによりポリエチレンテレフタレートフィル
ムを用いるのがよい。この透明基体1の厚みは、取り扱
い易さ、強度等の観点より、10μm〜250μmの範
囲内、好ましくは、50μm〜125μmの範囲内であ
る。
【0013】インク定着層2に用いられる水溶性樹脂に
は、PVAが用いられ、これは所定の重合度、及び所定
のけん化度になされている。また、場合によってはカチ
オン変性されたPVAを用いることができる。また、両
者のPVAをブレンドして用いてもよい。添加される水
中油型エマルジョンとしては、アクリル系のエマルジョ
ンを用いる。これらの材料を必要に応じて、水もしく
は、水とアルコール等の水と相溶な有機溶剤を混ぜた溶
媒中で希釈し、耐水性架橋剤、消泡剤や、可塑剤、滑
剤、透明性を損なわない範囲で水に不溶の無機粒子、有
機粒子、界面活性剤等を添加してインク定着層塗工液を
調整する
【0014】このような塗膜組成物で透明基体1にイン
ク定着層2を形成する方法は、一般的な方法を用いれば
よく、例えば、リバースロールコート、正回転ロールコ
ート、グラビアコート、ダイコート、ナイフコート、ロ
ッドコート、ブレードコート、バーコート等の塗工方法
を用いることができる。透明基体1にインク定着層2を
直接形成する場合には、透明基体1との密着性の改善の
ためにこの表面をコロナ処理したり、或いは図1に示す
ようにプライマー層3を介在させて形成しても良い。
【0015】インク定着層2は、透明基体1の片面側、
あるいは両面側に形成する。透明基体1上に形成される
インク定着層2の厚みは、インクの吸収性を考慮して決
定される。インク定着層の厚みは、薄すぎるとインクの
吸収乾燥が不十分となり、逆に、厚すぎると塗工での塗
膜乾燥が困難になる等の製造上問題になるばかりでな
く、経済上も好ましくない。よって、乾燥後のインク定
着層の厚みは、使用するインクにもよるが、1μm〜5
0μmの範囲内、好ましくは5μm〜20μmの範囲内
である。
【0016】次に、本発明の具体的な実施例及びこれに
対する比較例について説明する。 (実施例1)透明基体1として、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(厚さ100μm)を用い、この基体1
の一方の面に下記に示すインク定着層組成物を、溶媒の
水に対する固形分が10重量部となるように、塗料を作
製し、バーコータ法にて乾燥後の膜厚が5μmとなるよ
うに塗工し、100℃、5分の乾燥処理をしてインク定
着層2を得た。尚、添加する組成物の量は、水溶性樹脂
に対する重量比で示す。 インク定着層組成物(固形分10%) 部分けん化ポリビニールアルコール(PVA) けん化度88モル% 重合度1700 100重量部 アクリル系エマルジョン 100重量部 可塑剤 10重量部 添加粒子(平均粒径10μm) 1重量部
【0017】(実施例2)実施例1と同様なインク定着
層組成物の内、部分けん化PVAの重合度を3500に
変えたものを用い、重量比、塗工条件、方法、厚みは、
実施例1と同じように作製し、インク定着層を得た。 (実施例3)実施例1と同様なインク定着層組成物の
内、部分けん化PVAのけん化度を78モル%に変えた
ものを用い、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施例
1と同じように作製し、インク定着層を得た。
【0018】(実施例4)実施例1と同様なインク定着
層組成物の内、部分けん化PVAのけん化度を92モル
%に変えたものを用い、重量比、塗工条件、方法、厚み
は、実施例1と同じように作製し、インク定着層を得
た。 (実施例5)実施例1と同様なインク定着層組成物の
内、部分けん化PVAを、カチオン変性がなされて、け
ん化度を85モル%、重合度を1700に変えたものを
用い、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同
じように作製し、インク定着層を得た。
【0019】(実施例6)実施例1と同様なインク定着
層組成物の内、部分けん化PVAを、けん化度が78モ
ル%、重合度が1700のPVAと、カチオン変性なさ
れて、けん化度が85モル%、重合度が1700のPV
Aとを1対1でブレンドしたものと変えて用い、重量
比、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同じように作
製し、インク定着層を得た。 (実施例7)実施例1と同様なインク定着層組成物を用
い、エマルジョンの添加量を10重量部に変えたものを
用い、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同じように
作製し、インク定着層を得た。
【0020】(実施例8)実施例1と同様なインク定着
層組成物を用い、エマルジョンの添加量を200重量部
に変えたものを用い、塗工条件、方法、厚みは、実施例
1と同じように作製し、インク定着層を得た。
【0021】(比較例1)実施例1で用いたインク定着
層組成物からエマルジョンを抜いて添加しないインク定
着層組成物を用い、塗工条件、方法、厚みは、実施例1
と同じように作製し、インク定着層を得た。 (比較例2)実施例1と同様なインク定着層組成物の
内、部分けん化PVAの重合度を1000に変えたもの
を用い、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と
同じように作製し、インク定着層を得た。
【0022】(比較例3)実施例1と同様なインク定着
層組成物の内、PVAを、けん化度が95モル%に変え
たものを用い、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施
例1と同じように作製し、インク定着層を得た。 (比較例4)実施例1と同様なインク定着層組成物の
内、PVAを、けん化度が70モル%、重合度が500
に変えたものを用い、重量比、塗工条件、方法、厚み
は、実施例1と同じように作製し、インク定着層を得
た。 (比較例5)実施例1で用いたインク定着層組成物を用
い、エマルジョンの添加量を300重量部に変えたもの
を用い、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同じよう
に作製し、インク定着層を得た。
【0023】(比較例6)実施例1で用いたインク定着
層組成物の内、エマルジョンをスチレン系に変えたもの
を用い、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と
同じように作製し、インク定着層を得た。 (比較例7)実施例1と同様なインク定着層組成物の
内、部分けん化PVAの重合度を1600に変えたもの
を用い、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と
同じように作製し、インク定着層を得た。
【0024】(比較例8)実施例1と同様なインク定着
層組成物の内、部分けん化PVAを、カチオン変性がな
されて、けん化度が85モル%、重合度が1600に変
えたものを用い、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実
施例1と同じように作製し、インク定着層を得た。
【0025】以上のようにして得た各実施例及び比較例
の透明記録フィルムについて、以下のような条件にて評
価を行なった結果を表1に示す。 [耐水性]インクジェットプリンタにてカラー印刷を行
ない、印字部に水を滴下し、10秒後に拭き取った時の
印字部の変化を観察した場合、変化がほとんどない場合
を○、明確に分かるものに×、その中間△とする。 [耐指紋性]インク定着層に指を押し付けて、表面を観
察した場合、指紋が分からないものに○、明確に分かる
ものに×、その中間を△とする。
【0026】[印字濃度]市販のカラーインクジェット
プリンタにて印字を行ない、透明記録フィルムを白色の
紙の上に置いて、マクベス濃度計で印字濃度を測定し、
水溶性樹脂単独の場合と比較して、同等な場合を○、明
らかに濃度が低い場合を×、その中間を△とする。 [乾燥性]印字10分後に、白色の紙を印字面に押し当
てた場合、インクの転写がないものを○、インクが明確
に転写するものを×、その中間を△として評価した。 [透明性]目視で判断し、水溶性樹脂単独の場合と比較
して、透明性が同等な場合を○、透明性が損なわれる場
合を×、その中間を△とする。
【0027】
【表1】
【0028】表1より明らかなように、比較例1のよう
に水中油型エマルジョンを含まない場合、及び比較例2
のようにPVAの重合度が低過ぎる場合には、耐水性、
耐指紋性がかなり劣る。また、比較例3のようにPVA
のけん化度が大き過ぎる場合には、印字濃度及び乾燥性
においてやや劣る。比較例4のようにPVAのけん化度
及び重合度が低過ぎる場合には耐水性がかなり劣り、耐
指紋性、印字濃度、乾燥性はやや劣る。
【0029】また、比較例5のように水中油型エマルジ
ョンの添加量がやや多過ぎる場合には、乾燥性がやや劣
る(尚、比較例5は、請求項1の範囲内のものである
が、請求項2の範囲外のものであるので、ここでは比較
例とした)。比較例6のようにスチレン系の水中油型エ
マルジョンを用いた場合には、耐水性、耐指紋性及び透
明性においてやや劣る。また、比較例7のようにPVA
の重合度が低過ぎる場合には、耐水性及び耐指紋性にお
いてやや劣る。比較例8のようにPVAとしてカチオン
を用いてもこの重合度が低過ぎる場合には、比較例7と
同様に耐水性及び耐指紋性においてやや劣る。
【0030】これに対して、本発明の実施例1〜8の場
合には、全ての特性において良好な結果を示しているこ
とが判明する。すなわち、けん化度が78モル%より9
2モル%の範囲内で、且つ、重合度が1700以上のP
VAか、または、カチオン変性してあり、重合度が17
00以上のPVAを単独で用いるか、或いはブレンドし
て用い、アクリル系の水中油型エマルジョンを添加した
透明記録フィルムは、透明性が高く、水性インクを用い
た場合でも、印字濃度、乾燥性が十分でありながら、耐
水性、耐指紋性も良好なことが判明する。また、比較例
5は、乾燥性以外は実施例と同様の優れた結果を示して
おり、他の比較例よりも良好な特性を得ている。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録用の透明記録媒体によれば、次のように優れ
た作用効果を発揮することができる。水溶性樹脂のポリ
ビニルアルコールのけん化度、重合度、イオン性を選
び、インク定着層の耐水性を補強するために、添加する
水中油型エマルジョンをアクリル系にすることで、水性
インクの定着性や、透明性に優れ、且つ、実用上問題と
なる耐水性、耐指紋性の良好な透明記録媒体を提供する
ことが可能となった。特に、水中油型エマルジョンの添
加量を、水溶性樹脂に対して10重量部から200重量
部の範囲内に設定することにより、上記各諸特性を一層
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録用の透明記録媒体
を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1…透明基体、2…インク定着層、3…プライマー層、
10…透明記録フィルム(透明記録媒体)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基体の片面又は両面に、インク定着
    層を設けるようにしたインクジェット記録用の透明記録
    媒体において、前記インク定着層は、水溶性樹脂と、水
    中油型エマルジョンよりなり、前記水溶性樹脂が、けん
    化度が78モル%から92モル%の範囲内で、且つ、重
    合度が1700以上のポリビニルアルコールと、カチオ
    ン変性がなされて重合度が1700以上のポリビニルア
    ルコールとの内の少なくとも何れか1つを含み、前記水
    中油型エマルジョンがアクリル系エマルジョンであるこ
    とを特徴とするインクジェット記録用の透明記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記水中油型エマルジョンの割合が、前
    記水溶性樹脂に対して10重量部から200重量部の範
    囲内であることを特徴とする請求項1記載のインクジェ
    ット記録用の透明記録媒体。
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