JPH10155774A - 指紋採取用粉末 - Google Patents
指紋採取用粉末Info
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- JPH10155774A JPH10155774A JP9087004A JP8700497A JPH10155774A JP H10155774 A JPH10155774 A JP H10155774A JP 9087004 A JP9087004 A JP 9087004A JP 8700497 A JP8700497 A JP 8700497A JP H10155774 A JPH10155774 A JP H10155774A
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Abstract
て、どのような状態からでも、より鮮明に採取でき、か
つ安全で、被採取物の汚れが少なく、元通りにもどすこ
との容易な指紋採取用粉体を提供すること。 【解決手段】 顔料粉末に、撥水性物質、又は撥水撥油
性物質、特にフッ素化合物、シリコン化合物、脂肪酸、
金属石鹸よりなる群より選んだ少なくとも一種を表面処
理した指紋採取用粉体
Description
にするための指紋採取用粉末に関する。
鮮明な指紋を得られる場合以外で、不鮮明な指紋から採
取する場合には、粉末を使って明瞭にして、ゼラチン紙
等に転写や写真で保存する。
にわたり、その環境もいろいろである。これまで利用さ
れてきた粉末はアルミ粉末、カーボンブラック粉末等が
あるが、指紋のついている表面が、ザラザラしたアルミ
缶の蓋、強化プラスチック、感光紙、クラフトテープの
表面、裏面の粘着面、古い皮革の表面等はこれまでの粉
末では指紋が不鮮明にしかとれないか、或いは全く指紋
を採取できなかった。また、従来、指紋の採取がもっと
も困難とされるのは水に濡れた表面であり、従来の粉末
では、ほとんど指紋の採取は不可能であった。
もあり、この粉の安全性も問題になる。加えて指紋採取
中、採取後のよごれ及び被採取物を元通りに戻すことの
困難さの問題もある。
を、従来採取が困難であった表面を含めて、どのような
状態からでもより明確に採取でき、かつ安全で、被採取
物の汚れが少なく、元通りにもどすことの容易な指紋採
取用粉末を提供することである。
題を解決するため、各種の粉末を試験検討した。その結
果、顔料粉末に撥水性物質又は撥水撥油性物質を表面処
理した粉末が、前記の課題をすべて解決することが判明
して、本発明を完成した。各撥水性物質で表面処理され
た粉体表面は撥水性物質で覆われており、粉体表面の親
水性の活性点が封鎖され、強い撥水性となっているた
め、指紋の主体である人間の皮指との親和性、密着性が
強くまた、表面処理による被検体への均一分散性も良好
であるため、従来採取不能又は採取困難とされていた種
々の表面状態の対象物に対しても、指紋採取が可能とな
った。この撥水性によって最も困難とされてきた水に濡
れた検体に対しても粉体の水のはじきがよく鮮明な指紋
採取が可能となりもっともその効果を発揮する。さらに
撥水性があり且つ撥油性をもった物質で粉体表面を処理
すると上記の指紋の主体が皮脂であるにも関わらず、よ
り鮮明な指紋採取が可能であった。これは単に撥油性だ
けでは効果を発揮しないので、撥水性と撥油性の両方の
効果を有する場合には検体により相乗効果を発揮し、更
に有効に作用すると思われる。
油性物質を表面処理した粉末は、化粧品の分野及び工業
用分野では汎用されているが、この粉末が指紋採取の困
難な表面の指紋を鮮明に採取することを可能にすること
は、従来全く知られていなかった。この粉末に使用され
る原料の顔料を例示すると、酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ベンガラ、黄酸化
鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロ
ム、タルク、カオリン、白雲母、絹雲母、炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸
カルシウム、クレー、雲母チタン、オキシ塩化ビスマ
ス、シリカ、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレン、
ポリスチレン、アルミパウダー、銅粉、金粉、カーボン
ブラック、チタンブラック、グラファイト、蓄光顔料、
蛍光顔料等がある。採取した指紋の色は、顔料の種類に
よって規定されるので、色や用途、コスト等を勘案して
選定する。
厚さや用途によって若干異なるが、0.01〜200μ
が適当であり、最適な粒径は0.2〜100μである。
凝集する特性のある粉体の場合は、凝集体での粒径が上
記の値になるように調整することが必要である。
物質たとえば、フッ素化合物、シリコン化合物、脂肪
酸、金属石鹸よりなる群より選んだ少なくとも一種を表
面処理する。
ポリエーテル、パーフルオロアルキルリン酸エステル
類、パーフルオロアルキルリン酸塩類、パーフルオロア
ルキルシラン類、パーフルオロアルキルシラザン類、パ
ーフルオロアルキル含有環状オルガノシロキサン等があ
る。
リシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、
メチルハイドロジェンポリシロキサン等がある。
酸がよく、特に2重結合の有無や水酸基等他の官能基の
有無は問わないが、コストや経時安定性等の見地から飽
和脂肪酸であるステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチ
ン酸等が好ましい。
が、金属としては、鉛、マンガン、アルミニウム、銅、
亜鉛、クロム、カルシウム、ジルコニウム、マグネシウ
ム等が挙げられるが、一般的には亜鉛、カルシウム、ア
ルミニウムが好ましい。
酸トリグリセライド、脂肪酸ジグリセライド、脂肪酸モ
ノグリセライド、パラフィン類、動植物油、高級アルコ
ール、エステル油、水素添加レシチン、酸化ポリエチレ
ン、アシル化コラーゲンペプチド塩類等がある。
分類にまたがってもよいが、1種或いは2種類以上を混
合して用いる。ただし、場合によっては混合不可のもの
もあるので、組み合わせには注意する必要がある。
て異なる場合もあるが、基本的には顔料に、揮発性のあ
る溶媒に溶かした表面処理剤を撹拌しながら加え、表面
処理剤の融点、顔料への浸透、溶媒の種類を考慮して、
必要により加熱する。
選択することが必要であるが、例示すれば、アセトン、
トルエン、メタノール、エタノール、水或いはこれらの
混合物が挙げられる。場合によっては反応率を上げるた
めに触媒を用いる。また、表面処理剤の種類によって
は、アンモニア水又は酸を加え、顔料に表面処理剤を反
応させることが好ましい場合もある。
が、撥水性、撥水撥油性、顔料への表面処理剤の吸着性
等を考えると、顔料は酸化チタン、酸化鉄、雲母チタ
ン、又はそれらの複合体、表面処理剤はシリコン化合
物、フッ素化合物が適切である。
るが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるもの
ではない。
採取用粉体 酸化チタン(平均粒径0.035μ)100gに、50
0mlの水に分散させたパーフルオロアルキルリン酸エ
ステルジエタノールアミン塩5gを撹拌しつつ加え、3
時間撹拌し、水を濾過などで除去し、真空脱気した後、
アンモニアを導入し、200℃で40分間撹拌すること
により処理粉体を得た。得られた処理粉体を100℃
で、弱い窒素気流下におくことにより、アンモニアを留
去した。効果の確認は後記においてまとめて示す。以下
の実施例も同様である。
用粉体 酸化鉄(平均粒径0.2μ)100gに500mlの水
に分散したパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタ
ノールアミン塩5gを撹拌しつつ加え、3時間撹拌し、
水を濾過等で除去し、真空脱気した後アンモニアを導入
し、200℃で40分間撹拌することにより処理粉体を
得た。得られた処理粉体を100℃、弱い窒素気流下に
おくことにより、アンモニアを留去した。
採取用粉末 酸化鉄(平均粒径0.2μ)100gに、20mlのア
セトンに溶かしたメチルハイドロジェンポリシロキサン
(平均分子量2000)3gを撹拌しつつ加え、80℃
で加熱しつつ溶媒を除いた。
ルエンに溶かしたメチルポリシロキサン(平均分子量3
000)3gを撹拌しつつ加え、80℃で加熱しつつ溶
媒を除いた。
の蓋 写真1−1:実施例1の粉末を用いて採取した指紋の写
真。 写真1−2:従来のアルミ粉末を用いて採取した指紋の
写真。 従来のアルミ粉末では指紋を明確に採取できないが、本
発明の実施例1の粉末を用いると明確に指紋が採取でき
た。
真。 写真2−2:従来のアルミ粉末を用いて採取した指紋の
写真。 従来のアルミ粉末では、まったく指紋を採取できない
が、本発明の実施例1の粉末を用いると明確に指紋が採
取できた。
真。 写真3−2:従来のアルミ粉末を用いて採取した指紋の
写真。 従来のアルミ粉末では指紋を明確に採取できないが、本
発明の実施例1の粉末を用いると明確に指紋が採取でき
た。
真。 写真4−2:従来のアルミ粉末を用いて採取した指紋の
写真。 従来のアルミ粉末では指紋を明確に採取できないが、本
発明の実施例1の粉末を用いると明確に指紋が採取でき
た。
ろ。 写真II−3:被採取物から採取した指紋の写真。 〔実験III〕 写真III:ステンレス製灰皿から実施例1の粉末を用い
て採取した指紋。
取。 写真IV−1:タバコの包装紙からの指紋採取。 写真IV−2:タバコの包装紙から採取した指紋をゼラチ
ン紙に転写したもの。
した指紋。
粉末を用いて採取した指紋。
採取した指紋。
て採取した指紋。 実験II〜VIIIは、何れも従来の指紋採取用粉末では鮮明
な指紋が採取できない物体であるが、本発明の指紋採取
用粉末を用いれば、何れも鮮明な指紋が採取できた。
くにフッ素化合物、シリコン化合物、脂肪酸、金属石鹸
よりなる群より選んだ少なくとも一種を表面処理した指
紋採取用粉末は、今までの指紋採取用に用いられてきた
粉末に比較して、これまで特に指紋採取しにくいと言わ
れた、皮製品(特に古い皮)、クラフトテープ、たばこ
の包装紙、人の肌等から指紋を採取するとき、今までと
比較にならないほど明瞭に指紋が採取できた。また、も
っとも困難と言われる水に濡れた検体より採取すると
き、最も効果を発揮する。更に安全性、作業性の点でも
従来品より優れている。
Claims (9)
- 【請求項1】 顔料粉末を撥水性物質で表面処理してな
る指紋採取用粉末。 - 【請求項2】 顔料粉末を撥水撥油性物質で表面処理し
てなる指紋採取用粉末。 - 【請求項3】撥水性物質がフッ素化合物、シリコン化合
物、脂肪酸、金属石鹸よりなる群より選んだ少なくとも
一種である請求項1又は、2記載の指紋採取用粉末。 - 【請求項4】 顔料が酸化チタン、酸化アルミニウム、
酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒
酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、タル
ク、カオリン、白雲母、絹雲母、炭酸カルシウム、リン
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ
酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウ
ム、クレー、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、シリ
カ、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリスチ
レン、アルミニウムパウダー、銅粉、金粉、カーボンブ
ラック、チタンブラック、グラファイト、蓄光顔料、蛍
光顔料よりなる群より選んだ少なくとも一種又はそれら
の複合体である請求項1又は2記載の指紋採取用粉末。 - 【請求項5】 指紋採取用粉末の粒径が、0.01〜2
00μの範囲である請求項1又は2記載の指紋採取用粉
末。 - 【請求項6】 フッ素化合物が、パーフルオロポリエー
テル、パーフルオロアルキルリン酸エステル類、パーフ
ルオロアルキルリン酸塩類、パーフルオロアルキルシラ
ン類、パーフルオロアルキルシラザン類、パーフルオロ
アルキル含有環状オルガノシロキサンよりなる群より選
んだ少なくとも一種である請求項3記載の指紋採取用粉
末。 - 【請求項7】 シリコン化合物が、ジメチルポリシロキ
サン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハ
イドロジェンポリシロキサンよりなる群より選んだ少な
くとも一種である請求項3記載の指紋採取用粉末。 - 【請求項8】 脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸、
及びミリスチン酸よりなる群より選んだ少なくとも一種
である請求項3記載の指紋採取用粉末。 - 【請求項9】 金属石鹸が、亜鉛、カルシウム、アルミ
ニウムよりなる群より選んだ少なくとも一種の金属のス
テアリン酸、パルミチン酸及びミリスチン酸よりなる群
より選んだ少なくとも一種の金属塩である請求項3記載
の指紋採取用粉末。
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JP8-264811 | 1996-10-04 | ||
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---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-04-04 JP JP08700497A patent/JP3659543B2/ja not_active Expired - Fee Related
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