JPH101549A - シルセスキオキサンラダーポリマープリプレグ及びそ れを用いた積層板 - Google Patents

シルセスキオキサンラダーポリマープリプレグ及びそ れを用いた積層板

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JPH101549A
JPH101549A JP15444496A JP15444496A JPH101549A JP H101549 A JPH101549 A JP H101549A JP 15444496 A JP15444496 A JP 15444496A JP 15444496 A JP15444496 A JP 15444496A JP H101549 A JPH101549 A JP H101549A
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JP
Japan
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group
component
prepreg
substituted
ladder polymer
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Application number
JP15444496A
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English (en)
Inventor
Masashi Hiraishi
将史 平石
Manabu Tsumura
学 津村
Takanao Iwahara
孝尚 岩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、シルセスキオキサンラダー
ポリマーを主成分とし、これと強化繊維からなるプリプ
レグ、およびこのプリプレグより得られる高強度・高耐
熱性積層板を提供すること。 【解決手段】 シルセスキオキサンラダーポリマーを必
須成分とし、これと強化繊維からなるプリプレグ、およ
び該プリプレグを複数枚重ね合わせ、加熱加圧すること
により得られる積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シルセスキオキサンラタ゛ーホ゜リ
マーを主成分とし、これと強化繊維からなるフ゜リフ゜レク゛、お
よびこのフ゜リフ゜レク゛より得られる高強度・高耐熱積層板に
関する。
【0002】
【従来の技術】産業科学技術研究開発第2回ケイ素系高
分子材料シンポジウム予稿集(65頁、平成6年12月5日
発行)には、シルセスキオキサンラタ゛ーホ゜リマーの溶融圧縮成形に関す
る技術が開示されている。しかしこの技術では、形状保
持された成形体が得られるが、その成形体は高い耐熱性
を示しながらも脆く強度が弱いことが問題であった。
【0003】また、これまでにもシリコーン樹脂の積層
板に関する技術が開示されている(特公昭52−36904、
特公昭59−17669、特公昭59−17670)が、このシリコー
ン樹脂はモノ、ジ、およびトリオルガノシリコーン単位
の混合物であり、モノオルガノシリコーン単位からなる
シルセスキオキサンの技術はなかった。シルセスキオキ
サンを用いた積層板の技術が特開昭63−173382に開示さ
れている。このシルセスキオキサンは、反応性の末端シ
ラノール基あるいはアルコキシシリル基がトリアルキル
シリル基でキャップされているため硬化性でなく、積層
板を加熱すると樹脂が溶融軟化する恐れがあることが問
題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、実質
的にモノオルカ゛ノシリコーン単位からなるシルセスキオキサンラタ゛ーホ゜リマーを主
成分とし、これと強化繊維からなるフ゜リフ゜レク゛、およびこ
のフ゜リフ゜レク゛より得られる高強度・高耐熱性積層板を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はシルセスキオキ
サンラダーポリマーを主成分とし、これと強化繊維から
なるプリプレグ、およびこのプリプレグを積層し加熱加
圧することにより積層板を作製することにより達成され
た。すなわち、本発明は以下の構成である。
【0006】[1](A)成分として次の式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(R1及びR2は置換もしくは非置換の1価
の有機基を表し、互いに同一でも異なってもよい、R3
は水素原子または置換もしくは非置換の1価の有機基を
表し、l、m、nは2≦l+m+nを満足する0または
正の整数を表す。)で表されるシルセスキオキサンラダ
ーポリマーを必須成分とし、これと強化繊維からなるプ
リプレグ。
【0009】[2](B)成分としてシラノール縮合触
媒を必須成分として、(A)成分と混合した前記[1]
記載のプリプレグ。 [3](B)成分のシラノール縮合触媒が、中性の有機
金属化合物である前記[2]記載のプリプレグ。 [4](B)成分のシラノール縮合触媒が、チタン系化
合物である前記[2]記載のプリプレグ。
【0010】[5](C)成分として加水分解・縮合反
応可能な多官能性ケイ素化合物、シラノール化合物、
水、微粉末含水シリカ・無水シリカなどのシリカ系架橋
剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の成分を
必須成分として(A)成分と混合した、前記[1]〜
[4]記載のプリプレグ。 [6]強化繊維がガラス繊維である前記[1]〜[5]
記載のプリプレグ。
【0011】[7]前記[1]〜[6]記載のプリプレ
グより得られる積層板。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の(A)成分であるシルセスキオキサンラ
ダーポリマーは式(1)で表される構造を有する。融解
性また溶媒への溶解性が良好であることから、数平均分
子量は100以上100000以下が好ましく、さらに好ましく
は500以上10000以下であり、特に好ましくは500以上500
0以下が好ましい。
【0013】式中、R1およびR2は置換もしくは非置換
の1価の有機基であり、互いに同一でも異なってもよ
く、具体的には、水素原子またはメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−
ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等のアル
キル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリー
ル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基
等のアルケニル基;クロロメチル基、トリクロロエチル
基、クロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等が
例示される。R1は好ましくはメチル基であり、R2は好
ましくはフェニル基である。
【0014】R3は水素原子または置換もしくは非置換
の1価の有機基であり、具体的には、水素原子またはメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等
のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の
アリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセ
ニル基等のアルケニル基;クロロメチル基、トリクロロ
エチル基、クロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル
基等が例示される。また、R3としては−COOH3、−N=C
(Me)(Et)、−C(CH3)=CH2等の高活性な加水分解
性基も好適に利用できる。ここで、好ましくは水素原
子、メチル基またはエチル基である。
【0015】l、m、nは2≦l+m+nを満足する0
または正の整数である。式(1)において、l個の繰り
返し単位(以下、この単位をl単位という)におけるR
1とR2はl単位毎に同一でも異なっていてもよい。この
ことはm個の繰り返し単位(以下、この単位をm単位と
いう)のR1についても同様であり、n個の繰り返し単
位(以下、この単位をn単位という)のR2についても
同様である。また、l単位、m単位およびn単位はブロ
ックであってもこれらが混在したランダムであってもよ
い。
【0016】シルセスキオキサンラダーポリマーのラダ
ー構造は、その中にラダー構造以外の不規則構造が含ま
れていても良い。(B)成分のシラノール縮合触媒は、
式(1)で表される(A)成分のシルセスキオキサンラ
ダーポリマーの末端官能基SiOR3の加水分解・縮合反応
を促進させるために用いることができる。(B)成分と
しては、各種酸触媒、アルカリ触媒、あるいは有機金属
化合物などの従来公知のものを広く使用することがで
き、特に制限されないが、その具体例としては、酸触媒
として例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、活性白
土、塩化鉄、ホウ酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ
メタンスルフォン酸、P−トルエンスルフォン酸などが
挙げられる。アルカリ触媒としては例えばアルカリ金属
あるいはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属あ
るいはアルカリ土類金属のアルコキシド、テトラアルキ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラアルキルフォスフ
ォニウムヒドロキシド、アミン化合物などが挙げられ
る。アミン化合物としては、例えばピリジン、ピコリ
ン、ルチジン、ピラジン、ピペリドン、ピペリジン、ピ
ペラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピロ
リジン、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミ
ン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、トリエチ
レンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、
キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジ
ン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモ
ルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0] ウンデセン−7(D
BU)、あるいはこれらアミン系化合物のカルボン酸な
どとの塩、過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる
低分子量ポリアミド樹脂、過剰のポリアミンとエポキシ
化合物との反応生成物、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメ
チルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカ
ップリング剤などが挙げられる。また、テトラブチルア
ンモニウムフルオライド、フッ化カリウム、フッ化ナト
リウムなどのフッ素系化合物なども用いることができ
る。
【0017】有機金属化合物触媒には、錫、鉛、亜鉛、
鉄、コバルト、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、
ホウ素などの有機酸塩、アルコキシド、キレートがあ
る。本発明で使用出来る錫系触媒の具体例としては、例
えば次の一般式(2)
【0018】
【化3】
【0019】(R4は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基など
のような置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのよ
うなアルケニル基、フェニル基、トリル基などのような
アリール基などが挙げられる。Y1、Y2は炭素数が1〜
8のアルキル基、アルコキシ基、dは0、1、または
2)で示される。あるいは例えば次の一般式(3)
【0020】
【化4】
【0021】(R5は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる)で示される。例えば、錫(II)メト
キシド、錫(II)エトキシド、錫(II)2,4−ペンタン
ジオネート、錫(II)オクトエート、酢酸錫(II)、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート、ジブチル
錫ジアセテート、ナフテン酸錫、ジブチル錫オキサイド
とフタル酸エステルとの反応物、ジブチル錫ジアセチル
アセトナートなどが挙げられる。
【0022】本発明で使用出来る鉛触媒の具体例として
は、例えば次の一般式(4)
【0023】
【化5】
【0024】(Y3、Y4は置換または非置換の炭素数が
1〜8のアルキル基、アルコキシ基である)で示され
る。例えば、鉛(II)ヘキサフルオロペンタンジオネー
ト、鉛(II)2,4−ペンタンジオネート、鉛(II)2,2,6,6
−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、オクチル
酸鉛などが挙げられる。本発明で使用出来る亜鉛系触媒
の具体例としては、例えば次の一般式(5)
【0025】
【化6】
【0026】(R6は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる。Y5、Y6は炭素数が1〜8のアルキ
ル基、アルコキシ基、eは0、1、または2)で示され
る。あるいは例えば次の一般式(6)
【0027】
【化7】
【0028】(R7は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる)で示される。例えば、ジメトキシ亜
鉛、ジエトキシ亜鉛、亜鉛メトキシエトキシド、亜鉛
2,4−ペンタンジオネート、酢酸亜鉛、亜鉛 2−エチル
ヘキサノエート、ギ酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、亜鉛ネ
オデカノエート、ウンデシレン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛
などが挙げられる。
【0029】この出願発明において用いる事が出来る鉄
触媒の具体例としては、例えば一般式(7)
【0030】
【化8】
【0031】(R8は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる。Y7、Y8は置換または非置換の炭素
数が1〜8のアルキル基、アルコキシ基、fは0、1、
2、または3)で示される。例えば、鉄(III)ベンゾ
イルアセトネート、鉄(III)エトキサイド、鉄(III)
2,4−ペンタンジオネート、鉄(III)トリフルオロペン
タンジオネート、オクチル酸鉄などが挙げられる。
【0032】本発明で使用する事が出来るコバルト系触
媒の具体例としては、例えば次の一般式(8)
【0033】
【化9】
【0034】(Y9、Y10は置換または非置換の炭素数
が1から8のアルキル基、アルコキシ基、gは2または
3)で示される。例えば、コバルト(II)2,4−ペン
タンジオネート、コバルト(III)2,4−ペンタンジ
オネートなどが挙げられる。本発明で使用するチタン系
触媒の具体例としては、例えばテトラアルキルオルソチ
タネートやチタンキレートなどがある。テトラアルキル
オルソチタネートは、例えば次の一般式(9)
【0035】
【化10】
【0036】(式中、R9は置換または非置換の1価の
炭化水素基、好ましくは炭素数1から4の炭化水素基で
ある)で表される。このような1価の炭化水素基として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基などが挙げられる。チタンキ
レートは、例えば次の一般式(10)
【0037】
【化11】
【0038】(式中、R10、R11、R13は1価の炭化水
素基を表し、R12は水素原子または1価の炭化水素基を
表す)で示される。このようなチタンキレートとして
は、例えばジイソプロポキシビス(アセト酢酸エチル)
チタン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸メチル)チ
タン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チ
タン、ジブトキシビス(アセト酢酸エチル)チタンなど
が挙げられる。
【0039】この出願発明において触媒として用いる事
が出来るアルミニウムアルコキシドの具体例としては、
例えば次の一般式(11)
【0040】
【化12】
【0041】(式中、R14は置換または非置換アルキル
基、Xはアルコキシ基以外の1価の陰性基、hは0,1,2
または3を示す)で示される。最も好ましいアルミニウ
ムアルコキシドは、一般式(11)においてhが3の場
合であるアルミニウムトリアルコキシドであるが、アル
コキシ基の一部がXなどで置換された化合物を用いても
よい。Xとしては、F-、Cl-、Br-などのハロゲン
原子や、次の一般式(12)
【0042】
【化13】
【0043】(Y11およびY12は、炭素数が1〜8まで
のアルキル基またはアルコキシ基を示す)で表される陰
性基が好ましい。具体的には、アルミニウムトリイソプ
ロポキシド、アルミニウムトリ第2ブトキシド、アルミ
ニウムジイソプロポキシ第2ブトキシド、アルミニウム
ジイソプロポキシドアセチルアセトナート、アルミニウ
ムジ第2ブトキシドアセチルアセトナート、アルミニウ
ムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミ
ニウムジ第2ブトキシドエチルアセトアセテートなどが
挙げられる。
【0044】この出願発明において触媒として用いる事
が出来るジルコニウムアルコキシドまたはキレートの具
体例としては、例えば次の一般式(13)
【0045】
【化14】
【0046】(R15は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる。Y13、Y14は炭素数が1から8のア
ルキル基、アルコキシ基、iは0、1、2、3、または
4)で示される。具体的には、ジルコニウムテトラブト
キシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコ
ニウムテトラメトキシド、ジルコニウムトリブトキシド
モノアセチルアセトナート、ジルコニウムジブトキシド
ビスアセチルアセトナート、ジルコニウムモノブトキシ
ドトリスアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブト
キシドモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムジブ
トキシドビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムモ
ノブトキシドトリスエチルアセトアセテート、ジルコニ
ウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラ
エチルアセトアセテートなどが挙げられる。
【0047】本発明で使用する事が出来るホウ素アルコ
キシド触媒の具体例としては、例えば次の一般式(1
4)
【0048】
【化15】
【0049】(R16は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる)で示される。例えば、ホウ素メトキ
シド、ホウ素エトキシド、ホウ素n−ブトキシドなどが
挙げられる。
【0050】これらの触媒は1種類を単独で用いてもよ
く、また2種以上を併用してもよい。好ましい触媒は中
性の有機金属化合物であり、さらに好ましくはチタン系
およびアルミニウム系触媒であり、特に好ましい触媒は
チタン系触媒である。触媒の使用量はシルセスキオキサ
ンラダーポリマー100重量部に対して0.01〜20重量部で
あり、好ましくは 0.3〜10、最も好ましくは0.5〜6重
量部である。
【0051】また、本発明における(C)成分である加
水分解・縮合反応可能な多官能性ケイ素化合物、水、あ
るいはシリカ系架橋剤を併用する場合には、それらに含
有されるアルコキシ基やシラノール基、もしくは加水分
解によって生成するシラノール基間での縮合反応、ある
いは該官能基と式(1)で表されるシルセスキオキサン
ラダーポリマーの末端官能基SiOR3の縮合反応を促進さ
せることが可能である。本発明における(C)成分の1
つである多官能性ケイ素化合物は次の式(15)
【0052】
【化16】
【0053】(R17は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる)で表される化合物を好ましく用いる
ことができる。好ましくは、水素原子、メチル基であ
り、kは1≦k≦10 を満足する正の整数で、好まし
くは平均4である。例えば、Si(OMe)4、Si(OEt)4
Si(OAc)4、MeO{Si(OMe)2O}nMe(n=平均3〜
6)、EtO{Si(OEt)2O}nEt(n=平均3〜6)等を挙
げることが出来る。式(27)で示される以外の化合物
としては、MeSi(OMe)3、MeSi(OEt)3、MeSi(OA
c)3、MeSi(OC(CH3)=CH23、MeSi(ON=CMeE
t)3、Me2Si{N(Et)CO(Me)}2、Me2Si{N(Me)CO
(Me)}3等を挙げることが出来る。この多官能性架橋
剤の使用量はシルセスキオキサンラダーポリマー100重
量部に対して1〜50重量部であり、好ましくは10〜50重
量部である。
【0054】本発明の(C)成分のひとつとして、シラ
ノール化合物を用いることが出来る。具体的に例示する
ならば、Ph2Si(OH)2、PhMe2SiOH、Ph2MeSiOH、PhSi
(OH) 3及びその低分子量オリゴマーなどを挙げること
が出来る。また、HOSi(Me)2−p−C6H4−Si(Me)2O
H、HOSi(Me)2−m−C6H4−Si(Me)2OH、(HO)2SiMe
−p−C6H4−SiMe(OH)2、(HO)2SiMe−m−C6H4−SiMe
(OH)2等も例示される。
【0055】このシラノール化合物の使用量はシルセス
キオキサンラダーポリマー100重量部に対して1〜50重
量部であり、好ましくは10〜50重量部である。また、本
発明の(C)成分のひとつとして、水を添加して用いる
ことができる。水の添加量は任意であるが、(A)成分
であるシルセスキオキサンラダーポリマーの末端アルコ
キシ基に対して5〜100mol%が好ましい。また水を上記
の加水分解・縮合反応可能な多官能性ケイ素化合物と併
用するとより効果的である。この場合にも水の添加量は
任意であるが、該成分及び(A)成分の全てのアルコキ
シ基に対して5〜100mol%が好ましい。
【0056】本発明で使用することができる(C)成分
のシリカ系架橋剤は、微粉末の含水シリカあるいは無水
シリカ、あるいは各種表面処理剤で処理されたシリカ粉
末などを挙げることが出来る。これらのシラノール基あ
るいは吸着した水が式(1)で表されるシルセスキオキ
サンラダーポリマーの末端官能基 SiOR3の縮合反応に関
与し、得られる硬化物の物性を改善することができる。
シリカ系架橋剤の使用量は、シルセスキオキサンラダー
ポリマー100重量部に対して5〜30重量部が好ましい。
これらのシリカ系架橋剤は上記の加水分解・縮合反応可
能な多官能性ケイ素化合物、シラノール化合物、水と併
用しても構わない。
【0057】本発明に用いる強化繊維は長繊維からな
り、一般に先進複合材料として用いられる耐熱性および
引張強度の良好な繊維である。その強化繊維には、PA
N系炭素繊維(東レ製トレカ、東邦レーヨン製ベスファ
イトなど)、ピッチ系炭素繊維(呉羽化学工業製クレ
カ、三菱化学製ダイアリードなど)、炭化ケイ素繊維
(日本カーボン製ニカロンなど)、窒化ケイ素繊維、ア
ルミナ繊維(住友化学工業製ALTEX、3M製NEXTELな
ど)、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、アラ
ミド繊維(デュポン製Kevlar、帝人製Technoraなど)、
チラノ繊維、ガラス繊維などが挙げられる。ガラス繊維
などは、樹脂との接着性を良好にするため、シランカッ
プリング剤等により表面処理したものを使用できる。本
発明では長繊維状の強化繊維を用いるが、その形状や配
列は特に限定されない。例えば、単一方向、ランダム配
向シート状、マット状、織物状、組み紐状などが使用で
きる。
【0058】本発明のプリプレグは前記の(A)、好ま
しくは(A)にさらに(B)および(C)成分を混合し
てなる組成物をガラスクロスなどの強化繊維基材に適宜
な手段により塗布又は含浸させることにより得られる。
その具体例としては、例えば(A)〜(C)各成分を有
機溶媒を介して均一に混合し、使用するのに好適な粘度
に希釈して樹脂溶液を調製し、これをガラスクロスなど
の強化繊維基材に塗布又は含浸させた後、適当な温度で
加熱乾燥させ、溶媒の除去と樹脂の予備硬化を行うとい
う方法が挙げられる。
【0059】乾燥後の樹脂付着量はプリプレグ重量の20
〜100wt%、好ましくは30〜60wt%、さらに好ましくは4
0〜50wt%である。樹脂溶液調製に使用される有機溶媒
としては、ベンゼン、ヘキサン、トルエン、ヘプタンな
どの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、クロロ
ホルム、塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒を好適に用
いることが出来る。溶媒は2種類以上の混合溶媒として
も用いることが出来る。溶媒としては、テトラヒドロフ
ラン、トルエン、クロロホルムが好ましい。さらに好ま
しくはテトラヒドロフランである。有機溶媒の使用量に
より、樹脂溶液の粘度とプリプレグの樹脂付着量を調整
できる。溶液の粘度は、樹脂が単繊維間にまで含浸でき
る程度が好ましく、溶媒使用量はシルセスキオキサン10
0gに対して1〜 500gであり、好ましくは 50〜200g、さ
らに好ましくは80〜150gである。
【0060】加熱乾燥の条件は、室温〜100℃で2〜20
時間である。溶媒を十分に除去するため、40〜60℃で3
〜18時間加熱後、さらに70〜100℃で15〜60分加熱、と
いうように段階的に加熱することもできる。また、1〜
60℃/h、好ましくは5〜40℃/hの速度で連続的に昇温
してもかまわない。加熱乾燥後の冷却条件は、急激に冷
却しても、段階的及び連続的に降温してもかまわない。
加熱乾燥を行った後の予備硬化物の状態は、後に続く積
層体を作製するための加熱加圧行程で良好な積層体が得
られる程度に塗布または含浸させた樹脂が溶融流動性を
保持していればよく、特に限定はない。
【0061】積層板を作製するには、複数のプリプレグ
を重ね合わせ、オートクレーブやプレス機で加熱加圧す
ればよい。積層板の厚さや大きさなどの形状により作製
条件は異なるが、概ね加熱温度は100〜200℃、好ましく
は130〜170℃であり、圧力は3〜50kg/cm2、好ましく
は5〜30Kg/cm2であり、加熱加圧の時間は15〜90分、
好ましくは30〜60分である。
【0062】加熱加圧を開始後30〜120秒の間に、ガス
抜きを行う。ガス抜きは、樹脂に混入した空気や硬化に
より発生した縮合生成物等の揮発成分を成形体から抜く
ために、一旦圧力を開放することにより行う。所望する
積層板の厚さや大きさにより必ずしも行う必要はない
が、積層板中に発生するボイドを低減するため、ガス抜
きを行うことが好ましい。
【0063】積層板作製後、後硬化を行う。後硬化は、
積層板を50〜500℃に加熱することにより、硬化を完結
させると同時に内部応力を低減させ、また積層板の耐熱
性を向上させるために行う。後硬化の条件は積層板の形
状や作製条件に依存するが、一般に作製温度より若干低
めの温度から加熱して、50〜300℃/hで昇温していく方
法が好ましい。降温も10〜100℃/hで行うことが好まし
い。樹脂の劣化を防止するためにも、後硬化を窒素やア
ルゴンなどの不活性ガス中や真空下で行う方が好まし
い。
【0064】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではな
い。シルセスキオキサンラダーポリマーとしては、昭和
電工(株)のグラスレジン(商品名)で、ケイ素上の置
換基の比がメチル基/フェニル基=2/1のGR−100(M
w/Mn=7210/1260)を用いた。触媒であるジイソプロ
ポキシビス(アセチルアセトナト)チタンは、日本遭達
(株)製の T−50(イソプロピルアルコール溶液(75
%))を使用した。強化繊維はガラス繊維で、日東紡績
(株)製の100μm厚の平織りガラスクロス(WEA116E10
5F257)、180μm厚の朱子織りガラスクロスを用いた。 (実施例1)グラスレジンGR-100(20g)をテトラヒド
ロフラン(20g)に超音波を照射しながら完全に溶解さ
せた。グラスレジンが完全に溶解したのち、水(0.76
g)を均一に混合した後、縮合触媒であるTi(0-i-Pr)2
(acac)2(i-Pr;イソプロピル、acac;アセチルアセ
トナト)を0.60g加え、均一に攪拌した。上記の溶液を
バットに注ぎ、ここに10x10cmに裁断した100μm厚の
平織りガラスクロス12枚を浸漬し、十分に樹脂溶液を
含浸させてから1枚ずつ吊り下げ、熱風乾燥器内で50℃
で17時間、さらに80℃で15分加熱乾燥・予備硬化し、プ
リプレグを作製した。(樹脂量)=100x[(プリプレ
グ重量)−(ガラス繊維重量)]/(プリプレグ重量)
により算出したこのプリプレグの樹脂量は、46.8%であ
った。
【0065】得られた得られたプリプレグ12枚を重ね合
わせ、ダイキン工業製のフッ素系離型剤(タ゛イフリーGA-601
0)を塗布した鉄板で挟み、150℃に加熱したプレス機で
5kg/cm2で30秒間加圧後、一旦圧力を抜いてガス抜
きガス抜きを行い、さらに10kg/cm2で30分間加圧
し、積層板を作製した。得られた積層板を、窒素気流下
で室温から1時間で300℃まで昇温し、300℃で3時間加
熱し、6時間で100℃まで降温することにより後硬化さ
せ、1.2mm厚の積層板を得た。
【0066】得られた積層板について、JIS K 7203に
よる3点曲げで曲げ特性を評価した結果、曲げ弾性率は
11.6GPa、曲げ強度は63.1MPaであった。 (実施例2)グラスレジンGR-100(170g)をテトラヒド
ロフラン(170g)に超音波を照射しながら完全に溶解さ
せた。グラスレジンが完全に溶解したのち、水(6.5g)
を均一に混合した後、縮合触媒であるTi(O−i−Pr)2
(acac)2を5.1g加え、均一に攪拌した。上記の溶液を
バットに注ぎ、ここに20x30cmに裁断した180μm厚の
朱子織りガラスクロス12枚を浸漬し、十分に樹脂溶液を
含浸させてから1枚ずつ吊り下げ室温にて30分風乾し
た。その後、熱風乾燥器内で50℃で4時間、さらに80℃
で30分加熱乾燥・予備硬化し、プリプレグを作製した。
【0067】得られた得られたプリプレグ12枚を重ね合
わせ、150℃に加熱したプレス機で接触圧(5〜10Kg/cm
2)で加圧し硬化させて積層板を得た、この積層板をオ
ーブン中で、160℃で2時間、180℃で2時間、200℃で
3時間後硬化させ、2.8mm厚の積層板を得た。得られた
積層板の曲げ弾性率は18.7GPa、曲げ強度は226MPaであ
った。 (比較例)GR-100(50g)をテトラヒドロフラン(50m
L)に超音波洗浄器を用いて完全に溶解させ、縮合触媒
であるTi(O-i-Pr)2(acac)2を1.50g、水を1.90g加
え、均一に攪拌した。
【0068】ポリイミドフィルムを貼った底面が21x28
cmの金属製の容器に、上記の手順で調整した溶液を静か
に流し込み、アルミホイルで蓋をした後、50℃の熱風乾
燥機中に入れ、17時間加熱、さらに80℃で30分間加熱
し予備硬化を行った。得られた黄色透明なシート状樹脂
を、ドライアイスで冷却しながら乳鉢で粉砕した後、室
温で15時間真空乾燥し、予備硬化物を得た。
【0069】あらかじめ150℃に予熱しておいた金型
(内寸10x120mm)に上記の予備硬化物(6.5g)を入
れ、60秒間樹脂を予熱してから1次加圧(30Kg/cm2、3
0秒)し、ガス抜きを1回行ってから2次加圧(100Kg/
cm2、30分間)を行った。成形体を金型から取り出し、
黄色透明の成形体(4x10x120mm)を得た。この成形体
を、150℃で8時間、さらに真空下180℃で10時間の後硬
化を行い、JIS K 7203に準じて測定した曲げ特性は、
曲げ弾性率1.85GPa、最大強度30.2MPaを示した。
【0070】
【発明の効果】本発明により、シルセスキオキサンラダ
ーポリマーを主成分とし、これと強化繊維からなるプリ
プレグ、およびこのプリプレグより得られる高強度・高
耐熱性積層板を容易に作製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/04 LRV C08L 83/04 LRV LRX LRX // C08K 7:14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分として式(1) 【化1】 (R1及びR2は置換もしくは非置換の1価の有機基を表
    し、互いに同一でも異なってもよい、R3は水素原子ま
    たは置換もしくは非置換の1価の有機基を表し、l、
    m、nは2≦l+m+nを満足する0または正の整数を
    表す。)で表されるシルセスキオキサンラダーポリマー
    とし、これと強化繊維からなるプリプレグ。
  2. 【請求項2】(B)成分としてシラノール縮合触媒を必
    須成分として、(A)成分と混合した請求項1記載のプ
    リプレグ。
  3. 【請求項3】(B)成分のシラノール縮合触媒が、中性
    の有機金属化合物である請求項2記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】(B)成分のシラノール縮合触媒が、チタ
    ン系化合物である請求項2記載のプリプレグ。
  5. 【請求項5】(C)成分として加水分解・縮合反応可能
    な多官能性ケイ素化合物、シラノール化合物、水、微粉
    末含水シリカ・無水シリカなどのシリカ系架橋剤からな
    る群より選ばれる少なくとも1種以上の成分を必須成分
    として(A)成分と混合した、請求項1〜4記載のプリ
    プレグ。
  6. 【請求項6】強化繊維がガラス繊維である請求項1〜5
    記載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6記載のプリプレグより得られ
    る積層板。
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