JP3781852B2 - 硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

硬化性エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性エポキシ樹脂組成物に関し、詳しくは、保存安定性が優れ、加熱により速やかに硬化する硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する有機化合物、および有機アルミニウム化合物からなる硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化して、体積抵抗率、絶縁破壊強さ、誘電率等の電気特性が優れた硬化物を形成することから、電気・電子部品の保護材やコーティング材として利用されている(特開昭56−2319号公報、特開昭56−4625号公報、特開昭56−4647号公報、および特開昭56−18643号公報参照)。
【0003】
これらの硬化性エポキシ樹脂組成物は常温においても硬化反応が進行して、保存安定性が乏しいという問題があった。このため、室温での保存安定性を向上させるために、アミン化合物等の窒素原子含有有機化合物を配合してなる硬化性エポキシ樹脂組成物が提案されている(特開昭57−180627号公報、特開昭59−11326号公報、および特開昭59−27952号公報参照)。
【0004】
しかし、これらの硬化性エポキシ樹脂組成物においては、アミン化合物またはアミノ基含有化合物の配合量によっては有機アルミニウム化合物を不活性化したりして、保存安定性と硬化性を両立させることが困難であったり、また、これらの臭気のために作業環境が悪化するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、保存安定性が優れ、加熱により速やかに硬化する硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、
(A)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂 100重量部、
(B)ケイ素原子結合水酸基を有する有機ケイ素化合物、フェノール樹脂、ビスフェノール樹脂、またはフェノールノボラック樹脂からなる1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する有機化合物 0.1〜500重量部、
(C)アルミニウムアルコレート、アルミニウムカルボキシレート、またはアルミニウムキレートからなる有機アルミニウム化合物 触媒量、
および
(D)長周期型周期表におけるIVA族またはVA族の遷移金属の窒化物を含む無機粉末
0.01〜500重量部
からなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を詳細に説明する。
(A)成分のエポキシ樹脂は本組成物の主剤であり、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有することを特徴とする。このような(A)成分のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;環式脂肪族エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂が例示される。このような(A)成分は室温において液状でもよく、また室温においては固体状であるが室温以上で軟化するものであってもよいが、本組成物の取扱作業性が良好であることから、室温で液状のものが好ましい。
【0008】
(B)成分の有機化合物は本組成物の硬化剤であり、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有することを特徴とする。このような(B)成分の有機化合物としては、ケイ素原子結合水酸基を有する有機ケイ素化合物、フェノール樹脂、ビスフェノール樹脂、またはフェノールノボラック樹脂が例示され、特に、ケイ素原子結合水酸基を有する有機ケイ素化合物であることが好ましい。この有機ケイ素化合物中のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。また、この有機ケイ素化合物の分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状が例示され、特に、直鎖状であることが好ましい。このような有機ケイ素化合物としては、分子鎖両末端にケイ素原子結合水酸基を有するジメチルシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端にケイ素原子結合水酸基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合オリゴマー、分子鎖両末端にケイ素原子結合水酸基を有するメチルフェニルシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端にケイ素原子結合水酸基を有するジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合オリゴマー、分子鎖両末端にケイ素原子結合水酸基を有するジフェニルシロキサンオリゴマー等の分子鎖両末端にケイ素原子結合水酸基を有するジオルガノシロキサンオリゴマーが好ましく、さらには、ケイ素原子結合フェニル基を有するジオルガノシロキサンオリゴマーが好ましく、特には、ケイ素原子結合全有機基に対する、ケイ素原子結合フェニル基が10モル%以上であるジオルガノシロキサンオリゴマーが好ましい。
【0009】
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜500重量部の範囲内の量であり、好ましくは、5〜100重量部の範囲内の量である。これは、(B)成分の配合量が、この範囲未満の量である組成物は硬化が十分に進行しにくくなる傾向があり、一方、この範囲をこえる量である組成物は、これを硬化して得られる硬化物の機械的強度が低下する傾向があるからである。
【0010】
(C)成分の有機アルミニウム化合物は本組成物の硬化を促進するための触媒である。このような(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムアルコレート;アルミニウムトリアセテート、アルミニウムモノステアレート、アルミニウムオクトエート、アルミニウムベンゾエート等のアルミニウムカルボキシレート;エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレートが例示される。
【0011】
(C)成分の配合量は触媒量であるが、触媒として十分に作用し、また、硬化物の機械的特性に影響を与えないことから、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲内の量であることが好ましい。
【0012】
(D)成分の無機粉末は本組成物の保存安定性を向上させるための成分であり、遷移金属の窒化物を含むものであることを特徴とする。このような(D)成分に含まれている窒化物としては、長周期型周期表におけるIVA族またはVA族の遷移金属の窒化物であ、具体的には、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化タンタルが例示され、特に、窒化チタンであることが好ましい。また、このような(D)成分は遷移金属の窒化物粉末であってもよく、また、表面が遷移金属の窒化物で被覆された無機粉末、さらには、遷移金属の窒化物とその他の金属化合物からなる無機粉末であってもよく、好ましくは、特開昭60−65069号公報や特開昭60−200827号公報により開示されているような、窒化チタンおよび/または水酸化チタンをアンモニアガス中で還元して得られた、一般に、チタンブラックと称されている窒化チタンを含む無機粉末であることが好ましい。このような(D)成分の粒子径は限定されないが、これが本組成物中に均一に分散して、本組成物の保存安定性を十分に向上させることができることから、この平均粒子径が0.001〜10μmの範囲内であることが好ましい。
【0013】
(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜500重量部の範囲内の量であり、好ましくは、0.01〜100重量部の範囲内の量であり、特に好ましくは、0.1〜50重量部の範囲内の量である。これは、(C)成分の配合量が、(A)成分100重量部に対して、この範囲未満の量である組成物は、保存安定性が十分でなくなる傾向があり、一方、この範囲をこえる量である組成物を調製することは困難であるからである。
【0014】
また、本組成物には、これに良好な接着耐久性を付与するための接着促進剤として、平均単位式:
(R1SiO3/2)a(R2 2SiO2/2)b(R2 3SiO1/2)c(R31/2)d
で表されるオルガノポリシロキサンを配合することが好ましい。上式中のR1はエポキシ基含有一価有機基であり、例えば、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基が挙げられ、特に、3−グリシドキシプロピル基等のグリシドキシアルキル基であることが好ましい。また、上式中のR2は同じか、または異なる一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、特に、メチル基、ビニル基、フェニル基であることが好ましい。また、上式中のR3は水素原子または炭素原子数4以下のアルキル基であり、R3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、特に、メチル基であることが好ましい。また、上式中のa、b、およびdはそれぞれ正数であり、また、cは0または正数である。
【0015】
このようなオルガノポリシロキサンは、原料となる有機ケイ素化合物の加水分解または平衡重合して調製され、特に、平衡重合して調製されたものであることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを調製する方法としては、例えば、一般式(i):
1Si(OR4)3
で表されるエポキシ基含有トリアルコキシシランと、一般式(ii):
【化1】
Figure 0003781852
で表される環状ジオルガノシロキサンおよび/または一般式(iii):
【化2】
Figure 0003781852
で表されるジオルガノシロキサンを酸性またはアルカリ性の重合触媒の存在下で平衡重合する方法、平均単位式:
(R1SiO3/2)
で表されるエポキシ基含有オルガノポリシロキサンレジンと上記一般式(ii)で表される環状ジオルガノシロキサンおよび/または上記一般式(iii)で表されるジオルガノシロキサンを酸性またはアルカリ性の重合触媒の存在下で平衡重合する方法が挙げられ、特に、前者の方法であることが好ましい。
【0016】
一般式(i)で表されるエポキシ基含有トリアルコキシシランにおいて、式中のR1はエポキシ基含有一価有機基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中のR4は炭素原子数が4以下のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。このような一般式(i)で表されるエポキシ基含有トリアルコキシシランとしては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、4−オキシラニルブチルトリメトキシシラン、8−オキシラニルオクチルトリメトキシシランが挙げられ、特に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることが好ましい。
【0017】
また、一般式(ii)で表される環状ジオルガノシロキサンにおいて、式中のR2は同じか、または異なる一価炭化水素基であり、前記と同様の一価炭化水素基が例示される。また、式中のmは3以上の整数であり、好ましくは、4以上の整数であり、特に好ましくは、4〜20の範囲内の整数である。
【0018】
また、一般式(iii)で表されるジオルガノシロキサンにおいて、式中のR2は同じか、または異なる一価炭化水素基であり、前記と同様の一価炭化水素基が例示される。また、式中のR5は同じか、または異なる水酸基、炭素原子数4以下のアルコキシ基、もしくは一価炭化水素基であり、R5のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられ、R5の一価炭化水素基としては、前記R2と同様の一価炭化水素基が例示される。また、式中のnは1以上の整数であり、好ましくは、1〜50の範囲内の整数である。
【0019】
一般式(i)で表されるエポキシ基含有アルコキシシランと、一般式(ii)で表される環状ジオルガノシロキサンおよび/または一般式(iii)で表される直鎖状ジオルガノシロキサンを酸性またはアルカリ性の重合触媒の存在下で平衡重合する方法としては、一般式(i)で表されるエポキシ基含有アルコキシシランと、一般式(ii)で表される環状ジオルガノシロキサンおよび/または一般式(iii)で表される直鎖状ジオルガノシロキサンを塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸;酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸、活性白土等の固体酸触媒等の酸性の重合触媒;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;シロキサンのアルカリ金属塩等のアルカリ性の重合触媒の存在下で室温または加熱下で攪拌することにより行われる。この平衡重合は、加熱により促進されるが、この加熱温度としては、50〜150℃の範囲内であることが好ましい。この平衡反応を停止させるためには、この重合触媒の中和剤を添加したり、重合触媒が固体触媒である場合には、この反応系から除去する方法が一般に行われる。アルカリ性の重合触媒を用いた場合には、この中和剤として炭酸、クロロシラン化合物を用いることができるが、好ましくは、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等のクロロシラン化合物を用いることが好ましい。
【0020】
本組成物において、このようなオルガノポリシロキサンの配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜500重量部の範囲内の量であることが好ましく、特に、0.5〜100重量部の範囲内の量であることが好ましい。これは、このオルガノポリシロキサンの配合量が、(A)成分100重量部に対して、この範囲未満の量であると、得られる組成物に良好な接着耐久性を付与することができないためであり、一方、これがこの範囲をこえる量であると、得られる組成物の機械的強度が低下するようになるためである。
【0021】
本組成物には、その他任意の成分として各種の充填剤を配合することができる。このような充填剤としては、ガラス繊維、石綿、アルミナ繊維、アルミナとシリカを成分とするセラミック繊維、ボロン繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維、フェノール繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、天然の動物性または植物性繊維等の繊維状充填剤、溶融シリカ、沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、酸化亜鉛、焼成クレイ、カーボンブラック、ガラスビーズ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、水酸化アルミナ、硫酸バリウム、二酸化チタン、窒化ほう素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化セリウム、カオリン、雲母、ジルコニア、金属ケイ素等の無機質系粉体、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機質系粉体が例示され、これらの二種以上の充填剤を併用してよい。また、本組成物には、キシレン、トルエンのような溶剤、染料、未反応性のエポキシ樹脂、未反応性のシリコーン樹脂等を配合してもよい。
【0022】
本組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、および(D)成分、さらには、その他任意の成分を均一に混合することにより調製される。本組成物の(A)成分として液状のエポキシ樹脂を用いた場合には、硬化前には優れた流動性を有する液状硬化性エポキシ樹脂組成物となるので、これをトランスファーモールド、インジェクションモールド、ポッティング、キャスティング、浸漬塗布、ディスペンサー等による滴下塗布、スプレーコーティング、はけ塗り等の方法により使用することができる。このような液状の硬化性エポキシ樹脂組成物の粘度は限定されないが、25℃において少なくとも100センチポイズであることが好ましく、この上限としては1,000,000センチポイズであることが好ましい。また、本組成物を硬化して得られる硬化物は、優れた可とう性、接着性、耐熱性を有するので、IC、ハイブリッッドIC、LSI等の半導体素子、これらの半導体素子、コンデンサ、電気抵抗器等の電子素子を実装した電気・電子部品の封止用樹脂、コーティング用樹脂、含浸用樹脂、接着剤等に使用することができる。本組成物を硬化させる条件は限定されないが、これを加熱して硬化させる場合には、50〜250℃の範囲内に加熱することが好ましく、特に、90〜200℃の範囲内に加熱することが好ましい。
【0023】
【実施例】
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度は25℃において測定した値であり、硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、硬化物の初期接着性、および接着耐久性は次のようにして評価した。
[硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性]
硬化性エポキシ樹脂組成物を調製直後から25℃で1日間静置して、この組成物の粘度を回転粘度計により測定することによって、この組成物の保存安定性を評価した。
[硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性]
硬化性エポキシ樹脂組成物を150℃の熱風循環式オーブンで1時間加熱することにより硬化物を得た。この硬化物の硬さをASTM D 2240に規定されたタイプDデュロメータにより測定し、その硬化状態を評価した。
[硬化物の初期接着性]
石英ガラス板、アルミニウム板、およびガラス繊維強化エポキシ樹脂板上にそれぞれ硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布した後、120℃の熱風循環式オーブン中で4時間加熱することにより硬化させた。得られた硬化物の初期接着性を、○:強固に接着している、△:一部剥離している、×:完全に剥離している、で示した。
[硬化物の接着耐久性]
石英ガラス板、アルミニウム板、およびガラス繊維強化エポキシ樹脂板上にそれぞれ硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布した後、120℃の熱風循環式オーブン中で4時間加熱することにより硬化させた。得られた硬化物を温度121℃、相対湿度100%の雰囲気下で24時間放置した。この硬化物の接着耐久性を、○:強固に接着している、△:一部剥離している、×:完全に剥離している、で示した。
【0024】
[参考例]
攪拌装置、温度計、および還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン100g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100g、および水酸化カリウム0.05gを投入して、攪拌下、120℃に加熱しながら3時間平衡重合反応させた。その後、この反応をジメチルジクロロシランで停止させた。この反応混合物を100℃、5mmHgで減圧蒸留することにより低沸点成分を除去した。得られた生成物をフーリエ変換核磁気共鳴分析で分析したところ、次の平均単位式からなるオルガノポリシロキサンであることが判った。
【化3】
Figure 0003781852
【0025】
[実施例1]
(A)成分として、粘度が2,000センチポイズであり、式:
【化4】
Figure 0003781852
で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂(エポキシ当量=165)75重量部、(B)成分として、粘度が500センチポイズである分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルフェニルポリシロキサン25重量部、(C)成分として、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.2重量部、および(D)成分として、酸化チタン粉末をアンモニアガス中で還元して得られた、平均粒子径が60mμである窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末(この無機粉末中の酸素原子の含有量が20重量%であり、窒素原子の含有量が13重量%である。)10重量部を均一に混合して硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0026】
[実施例2]
実施例1において、(D)成分として用いた窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末の配合量を2重量とした以外は実施例1と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0027】
[実施例3]
実施例1において、(D)成分として用いた平均粒子径が60mμである窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末の代わりに、酸化チタンをアンモニアガス中で還元して得られた、平均粒子径が40mμである窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末(この無機粉末中の酸素原子の含有量が26重量%であり、窒素原子の含有量が11重量%である。)を同量配合した以外は実施例1と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0028】
[比較例1]
実施例1において、(D)成分として用いた窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末を配合しない以外は実施例1と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0029】
[比較例2]
実施例1において、(D)成分として用いた窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末の代わりに平均粒子径が60mμである酸化チタン粉末を同量配合した以外は実施例1と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0030】
[実施例4]
(A)成分として、粘度が2,000センチポイズであり、式:
【化5】
Figure 0003781852
で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂(エポキシ当量=165)70重量部、接着促進剤として、参考例で調製したオルガノポリシロキサン5重量部、(B)成分として、粘度が500センチポイズである分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルフェニルポリシロキサン25重量部、(C)成分として、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.2重量部、および(D)成分として、酸化チタンをアンモニアガス中で還元して得られた、平均粒子径が60mμである窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末(この無機粉末中の酸素原子の含有量が20重量%であり、窒素原子の含有量が13重量%である。)10重量部を均一に混合して硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性、および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0031】
[実施例5]
実施例4において、(D)成分として用いた平均粒子径が60mμである窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末の代わりに、酸化チタンをアンモニアガス中で還元して得られた、平均粒子径が40mμである窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末(この無機粉末中の酸素原子の含有量が26重量%であり、窒素原子の含有量が11重量%である。)を同量配合した以外は実施例4と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0032】
[比較例3]
実施例4において、(D)成分として用いた窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末を配合しない以外は実施例4と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0033】
[比較例4]
実施例4において、(D)成分として用いた窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末の代わりに、平均粒子径が60mμである酸化チタン粉末を同量配合した以外は実施例4と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0034】
[比較例5]
実施例1において、(D)成分として用いた窒化チタンと酸化チタンからなる無機粉末の代わりにエチレンジアミンを0.05重量部配合した以外は実施例1と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。この硬化性エポキシ樹脂組成物はエチレンジアミン臭がしていた。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0035】
[比較例6]
比較例5において、エチレンジアミンの配合量を0.01重量部とした以外は比較例5と同様にして硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。この硬化性エポキシ樹脂組成物はエチレンジアミン臭がしていた。
この硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性および硬化性、この硬化物の初期接着性および接着耐久性を評価して、これらの評価結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
Figure 0003781852
【0037】
【発明の効果】
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、保存安定性が優れ、加熱により速やかに硬化するという特徴がある。

Claims (4)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
    100重量部、
    (B)ケイ素原子結合水酸基を有する有機ケイ素化合物、フェノール樹脂、ビスフェノール樹脂、またはフェノールノボラック樹脂からなる1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する有機化合物 0.1〜500重量部、
    (C)アルミニウムアルコレート、アルミニウムカルボキシレート、またはアルミニウムキレートからなる有機アルミニウム化合物 触媒量、
    および
    (D)長周期型周期表におけるIVA族またはVA族の遷移金属の窒化物を含む無機粉末
    0.01〜500重量部
    からなる硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. (D)成分に含まれる窒化物が窒化チタンであることを特徴とする、請求項1記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. (D)成分の無機粉末が酸化チタンおよび/または水酸化チタンをアンモニアガス中で還元して得られたものであることを特徴とする、請求項記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. (B)成分の有機ケイ素化合物が分子鎖両末端にケイ素原子結合水酸基を有するジオルガノシロキサンオリゴマーであることを特徴とする、請求項1記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
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