JPH1015487A - 粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼 管およびその製造方法 - Google Patents
粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼 管およびその製造方法Info
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- JPH1015487A JPH1015487A JP18993496A JP18993496A JPH1015487A JP H1015487 A JPH1015487 A JP H1015487A JP 18993496 A JP18993496 A JP 18993496A JP 18993496 A JP18993496 A JP 18993496A JP H1015487 A JPH1015487 A JP H1015487A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 粉体塗装性を改善したZnまたはZn−Al
系合金めっき鋼管およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 表面に0.5g/m2 以上の有機樹脂皮
膜または高分子粉末を5〜15mass%含有したウレ
タン樹脂が形成されたZnまたはZn−Al系合金めっ
き鋼板を母材とした電縫鋼管において、電縫溶接部を3
0〜200g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆し
た後、0.5〜4.0g/m2 の有機樹脂皮膜をZnま
たはZn合金被覆部位に形成したことを特徴とする粉体
塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管
である。ZnまたはZn合金被覆部位の温度が40℃以
上で水分散性もしくは水溶性の有機樹脂を粒子径500
μm以下で噴霧し、有機樹脂皮膜を形成することを特徴
とする粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金
めっき鋼管の製造方法である。
系合金めっき鋼管およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 表面に0.5g/m2 以上の有機樹脂皮
膜または高分子粉末を5〜15mass%含有したウレ
タン樹脂が形成されたZnまたはZn−Al系合金めっ
き鋼板を母材とした電縫鋼管において、電縫溶接部を3
0〜200g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆し
た後、0.5〜4.0g/m2 の有機樹脂皮膜をZnま
たはZn合金被覆部位に形成したことを特徴とする粉体
塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管
である。ZnまたはZn合金被覆部位の温度が40℃以
上で水分散性もしくは水溶性の有機樹脂を粒子径500
μm以下で噴霧し、有機樹脂皮膜を形成することを特徴
とする粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金
めっき鋼管の製造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路資材および建材用
に使用されるZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管の
粉体塗装性を改善したZnまたはZn−Al系合金めっ
き鋼管およびその製造方法に関する。
に使用されるZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管の
粉体塗装性を改善したZnまたはZn−Al系合金めっ
き鋼管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より道路資材および建材用に使用され
るZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管は、使用され
る環境が屋外でしかも長期間であることから、めっき表
面に50μm以上の塗装が施される。この塗装皮膜は長
期間の耐食性が要求されるため、近年、均質な塗膜が得
られかつ、無溶剤で塗装できる粉体塗装が主流になって
いる。
るZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管は、使用され
る環境が屋外でしかも長期間であることから、めっき表
面に50μm以上の塗装が施される。この塗装皮膜は長
期間の耐食性が要求されるため、近年、均質な塗膜が得
られかつ、無溶剤で塗装できる粉体塗装が主流になって
いる。
【0003】この粉体塗装用のZnまたはZn−Al系
合金めっき鋼管は、鋼管メーカーで造管される時点で鋼
板表面に防錆油が塗布される。これは、塗装工程までの
ZnまたはZn−Al系合金めっき層の初期錆、すなわ
ち白錆の発生を防止するためであり、白錆の発生は塗装
後の外観を損ねる。鋼管メーカーで造管されたZnまた
はZn−Al系合金めっき鋼管は塗装メーカーにて防錆
油を脱脂、水洗した後、塗膜の密着性を確保するための
リン酸塩処理が施される。その後、リン酸塩処理液を除
くための水洗が行われ、乾燥後粉体塗装が施されてい
る。この様に、塗装工程は複雑、多岐にわたるため、粉
体塗装めっき鋼管の製造コストの内、塗装コストの占め
る割合は非常に大きい。さらに、塗膜の密着性を確保す
るためのリン酸塩処理は、処理液が強酸性であるため水
洗液の廃液処理にも大きな問題があった。また、鋼管表
面に防錆油が塗布されているため、鋼管を取扱う場合に
手や作業場が汚れるという作業環境上の問題もあり、製
造コストの低減および作業環境の改善の観点から、塗装
工程の省略化が切望されていた。
合金めっき鋼管は、鋼管メーカーで造管される時点で鋼
板表面に防錆油が塗布される。これは、塗装工程までの
ZnまたはZn−Al系合金めっき層の初期錆、すなわ
ち白錆の発生を防止するためであり、白錆の発生は塗装
後の外観を損ねる。鋼管メーカーで造管されたZnまた
はZn−Al系合金めっき鋼管は塗装メーカーにて防錆
油を脱脂、水洗した後、塗膜の密着性を確保するための
リン酸塩処理が施される。その後、リン酸塩処理液を除
くための水洗が行われ、乾燥後粉体塗装が施されてい
る。この様に、塗装工程は複雑、多岐にわたるため、粉
体塗装めっき鋼管の製造コストの内、塗装コストの占め
る割合は非常に大きい。さらに、塗膜の密着性を確保す
るためのリン酸塩処理は、処理液が強酸性であるため水
洗液の廃液処理にも大きな問題があった。また、鋼管表
面に防錆油が塗布されているため、鋼管を取扱う場合に
手や作業場が汚れるという作業環境上の問題もあり、製
造コストの低減および作業環境の改善の観点から、塗装
工程の省略化が切望されていた。
【0004】かかる問題を解決するための手段として、
たとえば特開昭61−23768に開示されている樹脂
皮膜を形成した塗装性に優れた表面処理鋼板を母材とし
て鋼管を製造する方法がある。本発明者らは、種々の樹
脂皮膜が形成された表面処理鋼板を母材として鋼管を製
造し、従来の脱脂、水洗、リン酸塩処理工程を省略して
粉体塗装を実施し、塗装後の外観および耐食性を調査し
た。その結果、樹脂の種類によらず、有機樹脂が施され
ていれば、鋼管のほとんどの部位が外観および耐食性と
も良好な結果となった。ところが、塗装後の電縫溶接部
にはピンホールの発生が顕著であり、さらに、電縫溶接
部はピンホールが発生していない部位でも、耐食試験後
に赤錆の発生が認められ、十分な耐食性が得られないこ
とが分かった。
たとえば特開昭61−23768に開示されている樹脂
皮膜を形成した塗装性に優れた表面処理鋼板を母材とし
て鋼管を製造する方法がある。本発明者らは、種々の樹
脂皮膜が形成された表面処理鋼板を母材として鋼管を製
造し、従来の脱脂、水洗、リン酸塩処理工程を省略して
粉体塗装を実施し、塗装後の外観および耐食性を調査し
た。その結果、樹脂の種類によらず、有機樹脂が施され
ていれば、鋼管のほとんどの部位が外観および耐食性と
も良好な結果となった。ところが、塗装後の電縫溶接部
にはピンホールの発生が顕著であり、さらに、電縫溶接
部はピンホールが発生していない部位でも、耐食試験後
に赤錆の発生が認められ、十分な耐食性が得られないこ
とが分かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の粉体
塗装の前処理である脱脂、水洗、リン酸塩処理工程を省
略しても、電縫溶接部も含めて良好な塗装後外観および
耐食性を有するZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管
とその製造方法を提供するものである。
塗装の前処理である脱脂、水洗、リン酸塩処理工程を省
略しても、電縫溶接部も含めて良好な塗装後外観および
耐食性を有するZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管
とその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、Znまたは
Zn−Al系合金めっき鋼板の鋼板表面に0.5g/m
2 以上の量で有機樹脂皮膜が形成された鋼板を母材とし
て電縫鋼管を製造する方法において、電縫溶接部を30
〜200g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆補修
した後、この部位の温度が40℃以上を確保できる位置
で、噴霧粒子径500μm以下の水分散性もしくは水溶
性の有機樹脂を噴霧し、0.5〜4.0g/m2 の有機
樹脂皮膜を形成した。
Zn−Al系合金めっき鋼板の鋼板表面に0.5g/m
2 以上の量で有機樹脂皮膜が形成された鋼板を母材とし
て電縫鋼管を製造する方法において、電縫溶接部を30
〜200g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆補修
した後、この部位の温度が40℃以上を確保できる位置
で、噴霧粒子径500μm以下の水分散性もしくは水溶
性の有機樹脂を噴霧し、0.5〜4.0g/m2 の有機
樹脂皮膜を形成した。
【0007】
【作用】本発明者らは、従来の粉体塗装の前処理である
脱脂、水洗、リン酸塩処理工程の省略化を検討したとこ
ろ、鋼板表面に0.5g/m2 以上の有機樹脂皮膜が施
された鋼板を母材とし鋼管を製造し、その電縫溶接部に
ZnまたはZn合金を被覆し、その上から有機樹脂を被
覆すれば解決できることを見い出した。本発明は、樹脂
皮膜自体の良好な塗装性を利用するものであるため、有
機樹脂皮膜は0.5g/m2 以上必要であるが、好まし
くは2.0〜5.0g/m2 である。有機樹脂皮膜の樹
脂としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキ
シ系樹脂などのものでよい。
脱脂、水洗、リン酸塩処理工程の省略化を検討したとこ
ろ、鋼板表面に0.5g/m2 以上の有機樹脂皮膜が施
された鋼板を母材とし鋼管を製造し、その電縫溶接部に
ZnまたはZn合金を被覆し、その上から有機樹脂を被
覆すれば解決できることを見い出した。本発明は、樹脂
皮膜自体の良好な塗装性を利用するものであるため、有
機樹脂皮膜は0.5g/m2 以上必要であるが、好まし
くは2.0〜5.0g/m2 である。有機樹脂皮膜の樹
脂としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキ
シ系樹脂などのものでよい。
【0008】しかし、有機樹脂が被覆されたこれらの鋼
板は、成型ロールを介して鋼管に造管されるため、鋼管
の径、板厚によって、造管後の有機樹脂の残存率が異な
ることが判明した。ウレタン系樹脂は、アクリル系樹脂
およびエポキシ系樹脂に比べて、皮膜が柔軟で延性に富
んでおり潤滑性が優れることから、この皮膜中に高分子
粉末を5〜15mass%の量を添加すれば潤滑性が著
しく向上することが分かった。5mass%未満では潤
滑性の向上効果が十分に得られない。一方、15mas
s%を越えると、その後の粉体塗装の焼き付け時に高分
子粉末が溶融し、逆に粉体塗膜との密着性が低下するた
めである。高分子粉末としては、ポリエチレンやポリプ
ロピレンが望ましい。
板は、成型ロールを介して鋼管に造管されるため、鋼管
の径、板厚によって、造管後の有機樹脂の残存率が異な
ることが判明した。ウレタン系樹脂は、アクリル系樹脂
およびエポキシ系樹脂に比べて、皮膜が柔軟で延性に富
んでおり潤滑性が優れることから、この皮膜中に高分子
粉末を5〜15mass%の量を添加すれば潤滑性が著
しく向上することが分かった。5mass%未満では潤
滑性の向上効果が十分に得られない。一方、15mas
s%を越えると、その後の粉体塗装の焼き付け時に高分
子粉末が溶融し、逆に粉体塗膜との密着性が低下するた
めである。高分子粉末としては、ポリエチレンやポリプ
ロピレンが望ましい。
【0009】電縫溶接部は溶接後、造管時に鋼管外面に
生じた溶接金属を切削・除去するのが一般的であり、そ
のため、その部位はめっき金属が消失している。この様
な部位に粉体塗装を施すと、粉体塗膜の密着性は得られ
ないばかりか、耐食性にも問題がある。すなわち、めっ
き層が消失している電縫溶接部では、粉体塗膜がある程
度母材である鉄地の腐食を抑制することができるが、長
期間屋外環境で使用された場合や傷付き部では赤錆の発
生が防止できない。そのため、電縫溶接部を30〜20
0g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆補修する。
被覆補修量が30g/m2 未満であると、鉄地の腐食抑
制効果が十分でない。また、200g/m2 を越える
と、ZnまたはZn合金皮膜自体の密着性が劣ることに
なり、塗装後の外観に悪影響を及ぼすためである。この
ZnまたはZn合金を被覆する方法は、造管ラインでの
インライン処理を考慮すると、フレーム溶射に代表され
る溶射方法が好ましいが、とくに限定するものではな
い。
生じた溶接金属を切削・除去するのが一般的であり、そ
のため、その部位はめっき金属が消失している。この様
な部位に粉体塗装を施すと、粉体塗膜の密着性は得られ
ないばかりか、耐食性にも問題がある。すなわち、めっ
き層が消失している電縫溶接部では、粉体塗膜がある程
度母材である鉄地の腐食を抑制することができるが、長
期間屋外環境で使用された場合や傷付き部では赤錆の発
生が防止できない。そのため、電縫溶接部を30〜20
0g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆補修する。
被覆補修量が30g/m2 未満であると、鉄地の腐食抑
制効果が十分でない。また、200g/m2 を越える
と、ZnまたはZn合金皮膜自体の密着性が劣ることに
なり、塗装後の外観に悪影響を及ぼすためである。この
ZnまたはZn合金を被覆する方法は、造管ラインでの
インライン処理を考慮すると、フレーム溶射に代表され
る溶射方法が好ましいが、とくに限定するものではな
い。
【0010】電縫溶接部をZnまたはZn合金を被覆補
修することにより、鉄地の腐食抑制効果は得られるが、
それだけではその後の粉体塗装性は改善することはでき
ない。粉体塗装性を改善するためには、ZnまたはZn
合金の被覆部位の上から、水分散性もしくは水溶性の有
機樹脂を0.5〜4.0g/m2 の量で被覆する必要が
ある。水分散性もしくは水溶性の有機樹脂に限定するの
は、造管ラインでのインライン処理のため、安全性およ
び作業性を考慮したためである。有機樹脂の付着量が
0.5g/m2 未満であると、ZnまたはZn合金皮膜
を完全に覆うことができず、十分な粉体塗装性が得られ
ない。一方、有機樹脂の量が4.0g/m2 を越える
と、水分が皮膜中に残存するため、粉体塗膜との密着性
を阻害するためである。
修することにより、鉄地の腐食抑制効果は得られるが、
それだけではその後の粉体塗装性は改善することはでき
ない。粉体塗装性を改善するためには、ZnまたはZn
合金の被覆部位の上から、水分散性もしくは水溶性の有
機樹脂を0.5〜4.0g/m2 の量で被覆する必要が
ある。水分散性もしくは水溶性の有機樹脂に限定するの
は、造管ラインでのインライン処理のため、安全性およ
び作業性を考慮したためである。有機樹脂の付着量が
0.5g/m2 未満であると、ZnまたはZn合金皮膜
を完全に覆うことができず、十分な粉体塗装性が得られ
ない。一方、有機樹脂の量が4.0g/m2 を越える
と、水分が皮膜中に残存するため、粉体塗膜との密着性
を阻害するためである。
【0011】ZnまたはZn合金の被覆部位の温度を限
定するのは、水分散性もしくは水溶性の有機樹脂含有液
から有機皮膜を形成させるため、溶接後の余熱を利用し
て、皮膜中の水分を効率的に乾燥させるためである。Z
nまたはZn合金の被覆部位の温度が40℃未満である
と、有機樹脂皮膜の乾燥が不十分となり、粉体塗膜との
密着性が得られず、ピンホールの発生も防止できない。
この有機皮膜は造管ラインで成型ロールと接触しないた
め、有機樹脂の種類はウレタン系樹脂、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂で良い。
定するのは、水分散性もしくは水溶性の有機樹脂含有液
から有機皮膜を形成させるため、溶接後の余熱を利用し
て、皮膜中の水分を効率的に乾燥させるためである。Z
nまたはZn合金の被覆部位の温度が40℃未満である
と、有機樹脂皮膜の乾燥が不十分となり、粉体塗膜との
密着性が得られず、ピンホールの発生も防止できない。
この有機皮膜は造管ラインで成型ロールと接触しないた
め、有機樹脂の種類はウレタン系樹脂、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂で良い。
【0012】水分散性もしくは水溶性の有機樹脂は、ス
プレー法により粒子径500μm以下で噴霧することが
好ましい。これは、ZnまたはZn合金被覆層の表面粗
度が大きいため、ロールコート方式では均一な塗膜を形
成することができないためである。また、粒子径が50
0μmを越えると、スプレー法を用いても、均一な塗膜
を形成することができず、粉体塗膜との密着性が劣化す
るためである。
プレー法により粒子径500μm以下で噴霧することが
好ましい。これは、ZnまたはZn合金被覆層の表面粗
度が大きいため、ロールコート方式では均一な塗膜を形
成することができないためである。また、粒子径が50
0μmを越えると、スプレー法を用いても、均一な塗膜
を形成することができず、粉体塗膜との密着性が劣化す
るためである。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。アクリルまたはウレタン系の有機樹脂が被覆され
た片面めっき付着量190g/m2 の溶融Znめっきま
たは溶融Zn−4mass%Alめっき鋼板を母材とし、管径
38.1mmφの鋼管を製造した。この鋼管の電縫溶接部にイ
ンラインにてZn−Al合金をフレーム溶射にて溶射補
修し、さらにその上から、水分散性のアクリルまたはウ
レタン樹脂を被覆した。この様にして製造した鋼管に脱
脂、水洗、リン酸塩処理することなくポリエステル・ウ
レタン系の粉体塗膜を50μm施し、粉体塗膜の外観、そ
の密着性、塗装後の耐食性を調査した。この結果を表1
および表2に示す。表1は、電縫溶接部を除く鋼管母材
部の塗装後特性を調査した結果であり、また、表2は電
縫溶接部の塗装後特性を調査した結果を示すものであ
る。なお、表2では、ウレタン系の有機樹脂皮膜(2.5
g/m2 )を被覆した溶融溶融Znめっき鋼板を母材に
用いている。
する。アクリルまたはウレタン系の有機樹脂が被覆され
た片面めっき付着量190g/m2 の溶融Znめっきま
たは溶融Zn−4mass%Alめっき鋼板を母材とし、管径
38.1mmφの鋼管を製造した。この鋼管の電縫溶接部にイ
ンラインにてZn−Al合金をフレーム溶射にて溶射補
修し、さらにその上から、水分散性のアクリルまたはウ
レタン樹脂を被覆した。この様にして製造した鋼管に脱
脂、水洗、リン酸塩処理することなくポリエステル・ウ
レタン系の粉体塗膜を50μm施し、粉体塗膜の外観、そ
の密着性、塗装後の耐食性を調査した。この結果を表1
および表2に示す。表1は、電縫溶接部を除く鋼管母材
部の塗装後特性を調査した結果であり、また、表2は電
縫溶接部の塗装後特性を調査した結果を示すものであ
る。なお、表2では、ウレタン系の有機樹脂皮膜(2.5
g/m2 )を被覆した溶融溶融Znめっき鋼板を母材に
用いている。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】(1)粉体塗膜の外観 塗膜のピンホール発生有無を目視にて観察し、ピンホー
ル発生個数で評価した。○:ピンホール発生なし
△:10個/cm2 以内 ×:10個/cm2 以上
ル発生個数で評価した。○:ピンホール発生なし
△:10個/cm2 以内 ×:10個/cm2 以上
【0017】(2)粉体塗膜の密着性 塗膜の表面から素地に達する1mm間隔の切り傷を付け、
その上から粘着テープを貼り、はがした後の塗膜の付着
状態を目視によって評価した。 ◎:塗膜の剥離なし ○:切り傷の交点にわずかなはがれあり、欠損部の面積
は5%以内 △:切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損部の面
積は5〜15% ×:欠損部の面積が15%以上
その上から粘着テープを貼り、はがした後の塗膜の付着
状態を目視によって評価した。 ◎:塗膜の剥離なし ○:切り傷の交点にわずかなはがれあり、欠損部の面積
は5%以内 △:切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損部の面
積は5〜15% ×:欠損部の面積が15%以上
【0018】(3)粉体塗膜の耐食性 塗膜の表面から素地に達する切り傷を入れて、JIS
Z 2371に基く塩水噴霧試験を500hr 行い、切り傷
から発生する錆巾により評価した。 ◎:切り傷からの錆巾 2mm以内 ○:切り傷からの錆巾 2〜5mm 以内 △:切り傷からの錆巾 5〜10mm ×:切り傷からの錆巾10mm以上 ××:切り傷から赤錆発生
Z 2371に基く塩水噴霧試験を500hr 行い、切り傷
から発生する錆巾により評価した。 ◎:切り傷からの錆巾 2mm以内 ○:切り傷からの錆巾 2〜5mm 以内 △:切り傷からの錆巾 5〜10mm ×:切り傷からの錆巾10mm以上 ××:切り傷から赤錆発生
【0019】
【発明の効果】以上の様に、本発明のZnまたはZn−
Al系合金めっき鋼管は、脱脂、水洗、リン酸塩処理を
施さなくとも、電縫溶接部も含めて良好な粉体塗装性が
得られる。また、電縫溶接部へのZnまたはZn合金の
被覆およびその上からの有機樹脂被覆はインラインで処
理できるので、製造コストは低く、作業性も良い。
Al系合金めっき鋼管は、脱脂、水洗、リン酸塩処理を
施さなくとも、電縫溶接部も含めて良好な粉体塗装性が
得られる。また、電縫溶接部へのZnまたはZn合金の
被覆およびその上からの有機樹脂被覆はインラインで処
理できるので、製造コストは低く、作業性も良い。
Claims (4)
- 【請求項1】 表面に0.5g/m2 以上の有機樹脂皮
膜を有するZnまたはZn−Al系合金めっき鋼板を母
材とする電縫鋼管において、電縫溶接部を30〜200
g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆補修した後、
0.5〜4.0g/m2 の有機樹脂皮膜をZnまたはZ
n合金被覆補修部位に形成したことを特徴とする粉体塗
装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管。 - 【請求項2】 母材のZnまたはZn−Al系合金めっ
き鋼板表面に形成された有機樹脂皮膜が高分子粉末を5
〜15mass%含有したウレタン樹脂からなることを
特徴とする請求項1に記載の粉体塗装性に優れたZnま
たはZn−Al系合金めっき鋼管。 - 【請求項3】 ZnまたはZn合金被覆補修部位の温度
が40℃以上で水分散性もしくは水溶性の有機樹脂を噴
霧し、有機樹脂皮膜を形成することを特徴とする粉体塗
装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管の
製造方法。 - 【請求項4】 請求項3の有機樹脂の噴霧粒子径が50
0μm以下であることを特徴とする粉体塗装性に優れた
ZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18993496A JPH1015487A (ja) | 1996-07-02 | 1996-07-02 | 粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼 管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18993496A JPH1015487A (ja) | 1996-07-02 | 1996-07-02 | 粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼 管およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1015487A true JPH1015487A (ja) | 1998-01-20 |
Family
ID=16249662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18993496A Withdrawn JPH1015487A (ja) | 1996-07-02 | 1996-07-02 | 粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼 管およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1015487A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003072984A1 (en) * | 2002-02-27 | 2003-09-04 | Nsk Ltd. | Rolling bearing |
EP1484520A2 (en) * | 2003-06-06 | 2004-12-08 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Sealing member and rolling bearing provided with the same |
JP2013237925A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-11-28 | Jfe Steel Corp | 鋼製部材の溶接部塗装後耐食性改善方法および鋼製部材ならびに鋼製部材の製造方法 |
CN113231287A (zh) * | 2021-05-07 | 2021-08-10 | 福建辉丰环境工程科技有限公司 | 一种绝缘防腐预应力钢棒的制造方法 |
-
1996
- 1996-07-02 JP JP18993496A patent/JPH1015487A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003072984A1 (en) * | 2002-02-27 | 2003-09-04 | Nsk Ltd. | Rolling bearing |
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