JPH1015487A - 粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼 管およびその製造方法 - Google Patents

粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼 管およびその製造方法

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JPH1015487A
JPH1015487A JP18993496A JP18993496A JPH1015487A JP H1015487 A JPH1015487 A JP H1015487A JP 18993496 A JP18993496 A JP 18993496A JP 18993496 A JP18993496 A JP 18993496A JP H1015487 A JPH1015487 A JP H1015487A
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alloy
plated steel
steel pipe
powder coating
organic resin
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JP18993496A
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Tomohisa Aoki
青木智久
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Nippon Steel Nisshin Pipe Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Kokan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉体塗装性を改善したZnまたはZn−Al
系合金めっき鋼管およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 表面に0.5g/m2 以上の有機樹脂皮
膜または高分子粉末を5〜15mass%含有したウレ
タン樹脂が形成されたZnまたはZn−Al系合金めっ
き鋼板を母材とした電縫鋼管において、電縫溶接部を3
0〜200g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆し
た後、0.5〜4.0g/m2 の有機樹脂皮膜をZnま
たはZn合金被覆部位に形成したことを特徴とする粉体
塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管
である。ZnまたはZn合金被覆部位の温度が40℃以
上で水分散性もしくは水溶性の有機樹脂を粒子径500
μm以下で噴霧し、有機樹脂皮膜を形成することを特徴
とする粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金
めっき鋼管の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路資材および建材用
に使用されるZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管の
粉体塗装性を改善したZnまたはZn−Al系合金めっ
き鋼管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より道路資材および建材用に使用され
るZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管は、使用され
る環境が屋外でしかも長期間であることから、めっき表
面に50μm以上の塗装が施される。この塗装皮膜は長
期間の耐食性が要求されるため、近年、均質な塗膜が得
られかつ、無溶剤で塗装できる粉体塗装が主流になって
いる。
【0003】この粉体塗装用のZnまたはZn−Al系
合金めっき鋼管は、鋼管メーカーで造管される時点で鋼
板表面に防錆油が塗布される。これは、塗装工程までの
ZnまたはZn−Al系合金めっき層の初期錆、すなわ
ち白錆の発生を防止するためであり、白錆の発生は塗装
後の外観を損ねる。鋼管メーカーで造管されたZnまた
はZn−Al系合金めっき鋼管は塗装メーカーにて防錆
油を脱脂、水洗した後、塗膜の密着性を確保するための
リン酸塩処理が施される。その後、リン酸塩処理液を除
くための水洗が行われ、乾燥後粉体塗装が施されてい
る。この様に、塗装工程は複雑、多岐にわたるため、粉
体塗装めっき鋼管の製造コストの内、塗装コストの占め
る割合は非常に大きい。さらに、塗膜の密着性を確保す
るためのリン酸塩処理は、処理液が強酸性であるため水
洗液の廃液処理にも大きな問題があった。また、鋼管表
面に防錆油が塗布されているため、鋼管を取扱う場合に
手や作業場が汚れるという作業環境上の問題もあり、製
造コストの低減および作業環境の改善の観点から、塗装
工程の省略化が切望されていた。
【0004】かかる問題を解決するための手段として、
たとえば特開昭61−23768に開示されている樹脂
皮膜を形成した塗装性に優れた表面処理鋼板を母材とし
て鋼管を製造する方法がある。本発明者らは、種々の樹
脂皮膜が形成された表面処理鋼板を母材として鋼管を製
造し、従来の脱脂、水洗、リン酸塩処理工程を省略して
粉体塗装を実施し、塗装後の外観および耐食性を調査し
た。その結果、樹脂の種類によらず、有機樹脂が施され
ていれば、鋼管のほとんどの部位が外観および耐食性と
も良好な結果となった。ところが、塗装後の電縫溶接部
にはピンホールの発生が顕著であり、さらに、電縫溶接
部はピンホールが発生していない部位でも、耐食試験後
に赤錆の発生が認められ、十分な耐食性が得られないこ
とが分かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の粉体
塗装の前処理である脱脂、水洗、リン酸塩処理工程を省
略しても、電縫溶接部も含めて良好な塗装後外観および
耐食性を有するZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管
とその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、Znまたは
Zn−Al系合金めっき鋼板の鋼板表面に0.5g/m
2 以上の量で有機樹脂皮膜が形成された鋼板を母材とし
て電縫鋼管を製造する方法において、電縫溶接部を30
〜200g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆補修
した後、この部位の温度が40℃以上を確保できる位置
で、噴霧粒子径500μm以下の水分散性もしくは水溶
性の有機樹脂を噴霧し、0.5〜4.0g/m2 の有機
樹脂皮膜を形成した。
【0007】
【作用】本発明者らは、従来の粉体塗装の前処理である
脱脂、水洗、リン酸塩処理工程の省略化を検討したとこ
ろ、鋼板表面に0.5g/m2 以上の有機樹脂皮膜が施
された鋼板を母材とし鋼管を製造し、その電縫溶接部に
ZnまたはZn合金を被覆し、その上から有機樹脂を被
覆すれば解決できることを見い出した。本発明は、樹脂
皮膜自体の良好な塗装性を利用するものであるため、有
機樹脂皮膜は0.5g/m2 以上必要であるが、好まし
くは2.0〜5.0g/m2 である。有機樹脂皮膜の樹
脂としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキ
シ系樹脂などのものでよい。
【0008】しかし、有機樹脂が被覆されたこれらの鋼
板は、成型ロールを介して鋼管に造管されるため、鋼管
の径、板厚によって、造管後の有機樹脂の残存率が異な
ることが判明した。ウレタン系樹脂は、アクリル系樹脂
およびエポキシ系樹脂に比べて、皮膜が柔軟で延性に富
んでおり潤滑性が優れることから、この皮膜中に高分子
粉末を5〜15mass%の量を添加すれば潤滑性が著
しく向上することが分かった。5mass%未満では潤
滑性の向上効果が十分に得られない。一方、15mas
s%を越えると、その後の粉体塗装の焼き付け時に高分
子粉末が溶融し、逆に粉体塗膜との密着性が低下するた
めである。高分子粉末としては、ポリエチレンやポリプ
ロピレンが望ましい。
【0009】電縫溶接部は溶接後、造管時に鋼管外面に
生じた溶接金属を切削・除去するのが一般的であり、そ
のため、その部位はめっき金属が消失している。この様
な部位に粉体塗装を施すと、粉体塗膜の密着性は得られ
ないばかりか、耐食性にも問題がある。すなわち、めっ
き層が消失している電縫溶接部では、粉体塗膜がある程
度母材である鉄地の腐食を抑制することができるが、長
期間屋外環境で使用された場合や傷付き部では赤錆の発
生が防止できない。そのため、電縫溶接部を30〜20
0g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆補修する。
被覆補修量が30g/m2 未満であると、鉄地の腐食抑
制効果が十分でない。また、200g/m2 を越える
と、ZnまたはZn合金皮膜自体の密着性が劣ることに
なり、塗装後の外観に悪影響を及ぼすためである。この
ZnまたはZn合金を被覆する方法は、造管ラインでの
インライン処理を考慮すると、フレーム溶射に代表され
る溶射方法が好ましいが、とくに限定するものではな
い。
【0010】電縫溶接部をZnまたはZn合金を被覆補
修することにより、鉄地の腐食抑制効果は得られるが、
それだけではその後の粉体塗装性は改善することはでき
ない。粉体塗装性を改善するためには、ZnまたはZn
合金の被覆部位の上から、水分散性もしくは水溶性の有
機樹脂を0.5〜4.0g/m2 の量で被覆する必要が
ある。水分散性もしくは水溶性の有機樹脂に限定するの
は、造管ラインでのインライン処理のため、安全性およ
び作業性を考慮したためである。有機樹脂の付着量が
0.5g/m2 未満であると、ZnまたはZn合金皮膜
を完全に覆うことができず、十分な粉体塗装性が得られ
ない。一方、有機樹脂の量が4.0g/m2 を越える
と、水分が皮膜中に残存するため、粉体塗膜との密着性
を阻害するためである。
【0011】ZnまたはZn合金の被覆部位の温度を限
定するのは、水分散性もしくは水溶性の有機樹脂含有液
から有機皮膜を形成させるため、溶接後の余熱を利用し
て、皮膜中の水分を効率的に乾燥させるためである。Z
nまたはZn合金の被覆部位の温度が40℃未満である
と、有機樹脂皮膜の乾燥が不十分となり、粉体塗膜との
密着性が得られず、ピンホールの発生も防止できない。
この有機皮膜は造管ラインで成型ロールと接触しないた
め、有機樹脂の種類はウレタン系樹脂、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂で良い。
【0012】水分散性もしくは水溶性の有機樹脂は、ス
プレー法により粒子径500μm以下で噴霧することが
好ましい。これは、ZnまたはZn合金被覆層の表面粗
度が大きいため、ロールコート方式では均一な塗膜を形
成することができないためである。また、粒子径が50
0μmを越えると、スプレー法を用いても、均一な塗膜
を形成することができず、粉体塗膜との密着性が劣化す
るためである。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。アクリルまたはウレタン系の有機樹脂が被覆され
た片面めっき付着量190g/m2 の溶融Znめっきま
たは溶融Zn−4mass%Alめっき鋼板を母材とし、管径
38.1mmφの鋼管を製造した。この鋼管の電縫溶接部にイ
ンラインにてZn−Al合金をフレーム溶射にて溶射補
修し、さらにその上から、水分散性のアクリルまたはウ
レタン樹脂を被覆した。この様にして製造した鋼管に脱
脂、水洗、リン酸塩処理することなくポリエステル・ウ
レタン系の粉体塗膜を50μm施し、粉体塗膜の外観、そ
の密着性、塗装後の耐食性を調査した。この結果を表1
および表2に示す。表1は、電縫溶接部を除く鋼管母材
部の塗装後特性を調査した結果であり、また、表2は電
縫溶接部の塗装後特性を調査した結果を示すものであ
る。なお、表2では、ウレタン系の有機樹脂皮膜(2.5
g/m2 )を被覆した溶融溶融Znめっき鋼板を母材に
用いている。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】(1)粉体塗膜の外観 塗膜のピンホール発生有無を目視にて観察し、ピンホー
ル発生個数で評価した。○:ピンホール発生なし
△:10個/cm2 以内 ×:10個/cm2 以上
【0017】(2)粉体塗膜の密着性 塗膜の表面から素地に達する1mm間隔の切り傷を付け、
その上から粘着テープを貼り、はがした後の塗膜の付着
状態を目視によって評価した。 ◎:塗膜の剥離なし ○:切り傷の交点にわずかなはがれあり、欠損部の面積
は5%以内 △:切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損部の面
積は5〜15% ×:欠損部の面積が15%以上
【0018】(3)粉体塗膜の耐食性 塗膜の表面から素地に達する切り傷を入れて、JIS
Z 2371に基く塩水噴霧試験を500hr 行い、切り傷
から発生する錆巾により評価した。 ◎:切り傷からの錆巾 2mm以内 ○:切り傷からの錆巾 2〜5mm 以内 △:切り傷からの錆巾 5〜10mm ×:切り傷からの錆巾10mm以上 ××:切り傷から赤錆発生
【0019】
【発明の効果】以上の様に、本発明のZnまたはZn−
Al系合金めっき鋼管は、脱脂、水洗、リン酸塩処理を
施さなくとも、電縫溶接部も含めて良好な粉体塗装性が
得られる。また、電縫溶接部へのZnまたはZn合金の
被覆およびその上からの有機樹脂被覆はインラインで処
理できるので、製造コストは低く、作業性も良い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に0.5g/m2 以上の有機樹脂皮
    膜を有するZnまたはZn−Al系合金めっき鋼板を母
    材とする電縫鋼管において、電縫溶接部を30〜200
    g/m2 の量でZnまたはZn合金を被覆補修した後、
    0.5〜4.0g/m2 の有機樹脂皮膜をZnまたはZ
    n合金被覆補修部位に形成したことを特徴とする粉体塗
    装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管。
  2. 【請求項2】 母材のZnまたはZn−Al系合金めっ
    き鋼板表面に形成された有機樹脂皮膜が高分子粉末を5
    〜15mass%含有したウレタン樹脂からなることを
    特徴とする請求項1に記載の粉体塗装性に優れたZnま
    たはZn−Al系合金めっき鋼管。
  3. 【請求項3】 ZnまたはZn合金被覆補修部位の温度
    が40℃以上で水分散性もしくは水溶性の有機樹脂を噴
    霧し、有機樹脂皮膜を形成することを特徴とする粉体塗
    装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の有機樹脂の噴霧粒子径が50
    0μm以下であることを特徴とする粉体塗装性に優れた
    ZnまたはZn−Al系合金めっき鋼管の製造方法。
JP18993496A 1996-07-02 1996-07-02 粉体塗装性に優れたZnまたはZn−Al系合金めっき鋼 管およびその製造方法 Withdrawn JPH1015487A (ja)

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