JPH10154593A - 除電ブラシ及びその製造方法 - Google Patents

除電ブラシ及びその製造方法

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JPH10154593A
JPH10154593A JP8311812A JP31181296A JPH10154593A JP H10154593 A JPH10154593 A JP H10154593A JP 8311812 A JP8311812 A JP 8311812A JP 31181296 A JP31181296 A JP 31181296A JP H10154593 A JPH10154593 A JP H10154593A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除電ブラシの中心部の抜けを防止するととも
に、ブラシの擦過音を低減することができる除電ブラシ
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ループ形状部2をテープ3で固定したブ
ラシの素線を導電性複合繊維で構成し、擦過音の低い線
材6とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写
機、印刷機、フィルム製造装置、ファクシミリ等の機器
に使用し、紙、フィルム等のシート状或いは平面状部材
の表面から静電荷を除去する自己放電型の除電ブラシ及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷は、荷電した部材、例えば、複写
機における移送用ローラや定着ローラ等と摩擦接触する
ことにより用紙上に発生する。このため、紙捌き、フィ
ルム捌きが良好に行えない他、帯電電荷が人体、OA機
器等に徐々に蓄積されることがあり、この蓄積電荷が一
時に火花放電すると、通信回線や半導体装置等に多大な
影響を与える。そこで、帯電電荷を取り除くために、自
己放電型の除電ブラシが設けられている。
【0003】図14は従来の除電ブラシの断面図、図1
5はその除電ブラシの斜視図である。これらの図に示す
ように、従来の除電ブラシは、導電性線材からなる多数
本の単糸を集合したブラシ32を、金属性枠体33で挟
持して構成しており、複写用紙などの帯電体31上の帯
電電荷を除去するようにしている。
【0004】このように、従来の除電ブラシ32は、導
電性線材からなる多数本の単糸を集合して構成されてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の除電ブラシでは、例えば、複写機に装着される
場合、複写用紙の移動時にブラシ32が当接し、その際
に発生する擦過音が大きいといった問題があった。ま
た、多数本の単糸を集合したブラシ32は接着、圧着で
も中心部が抜けやすいものであった。
【0006】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたものであって、除電ブラシの中心部の抜けを防
止するとともに、ブラシの擦過音を低減することができ
る除電ブラシ及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)除電ブラシにおいて、ループ形状部をテープで固
定したブラシの素線を導電性複合繊維で構成し、擦過音
の低い線材としたものである。 (2)上記(1)記載の除電ブラシにおいて、前記導電
性複合繊維がSUSとナイロンからなる。
【0008】(3)上記(1)記載の除電ブラシにおい
て、前記導電性複合繊維がアクリロニトリル−硫化銅複
合繊維からなる。 (4)上記(1)記載の除電ブラシにおいて、前記テー
プは両面テープである。 (5)上記(1)記載の除電ブラシにおいて、前記テー
プは片面テープである。
【0009】(6)上記(4)又は(5)記載の除電ブ
ラシにおいて、前記テープは仮止めの接着テープであ
る。 (7)上記(4)又は(5)記載の除電ブラシにおい
て、前記テープは導電性接着テープである。 (8)上記(7)記載の除電ブラシにおいて、前記導電
性接着テープはアルミニウム箔を含む。
【0010】(9)上記(7)記載の除電ブラシにおい
て、前記導電性接着テープは銅箔を含む。 (10)除電ブラシの製造方法において、巻き枠板の両
側に芯棒を配置した部材に軸方向に所望のピッチで擦過
音の低い線材を巻回する工程と、前記芯棒を外側に引っ
張り、前記巻き枠板を軸方向に抜き取る工程と、前記芯
棒の近傍を軸方向にテープで止める工程と、前記巻回さ
れた線材の中央線に沿って切断する工程とを施すように
したものである。
【0011】(11)上記(10)記載の除電ブラシの
製造方法において、前記ピッチが可変になるように巻回
するようにしたものである。 (12)ループ形状部をテープで固定したブラシを導電
性素線で構成し、撚りを入れ、先端部を散線させて、電
極分散による除電効果の向上と、擦過音の低い線材とす
るようにしたものである。
【0012】上記のように構成したので、除電ブラシの
中心部の抜けを防止するとともに、例えば、複写用紙の
移動時に除電ブラシが当接し、その際に発生する擦過音
を低減することができる。また、曲げ力にも強く折れに
くい線材を有する除電ブラシを得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例
を示す除電ブラシの正面図、図2はその除電ブラシの線
材を示す図(図1のA部拡大図)、図3は図2のB−B
線断面図、図4は3本の素線からなる撚線を示す図、図
5はその除電ブラシの側面図である。
【0014】これらの図に示すように、この実施例にお
いては、ループ形状部2を有するテープ3で固定された
除電ブラシ1の素線4を、SUS(Special U
seStainless Steel)とテトロンから
構成し、擦過音の低い線材を得る。例えば、SUSとテ
トロンの比が1対1の導電性複合繊維からなる素線4を
3本撚り合わせた撚線5を2組用意して、これらを互い
に撚り合わせた線材6からなる。
【0015】また、SUSとテトロンとの比を2:1と
し、素線3本の撚線を更に撚り合わせた線材6を得るよ
うにしてもよい。これらの場合、例えば、線材6の径
は、30/1000(素線径mm)×3×2(本)とな
し、0.18φ(mm)である。また、素線の本数は適
宜変更可能である。
【0016】例えば、素線4が3本の場合には、線材6
の径は、24/1000(素線径mm)×3(本)とな
し、0.072φ(mm)を得ることができる。更に、
アクリロニトリル−硫化銅複合繊維からなるサンダーロ
ンSS−N(日本蚕毛染色株式会社製)を用いるように
してもよい。この複合繊維は、直径は15.6〜19μ
mと極めて細く、導電膜の厚さが、300〜1000Å
で、比抵抗は、5.85×10-1Ω・cmと導体に近い
半導体であり、除電ブラシに用いるのに好適である。
【0017】このような複合繊維を上記のように撚って
線材6にする。このように構成することにより、撚り線
(ロープ)とループ化により、除電ブラシの中心部の抜
けを防止することが可能となり、擦過音の低い線材を有
する除電ブラシを得ることができる。また、曲げ力にも
強く折れにくい線材を有する除電ブラシを得ることがで
きる。
【0018】次に、本発明の実施例を示す除電ブラシの
製造方法について説明する。図6は本発明の実施例を示
す除電ブラシの製造工程図である。 (1)まず、図6(a)に示すように、巻き枠板11の
両側にはV字形状の溝11aを形成しておき、この巻き
枠板11の両側に断面が円形の芯棒12を配置した部材
10に、上記した導電性複合繊維からなる線材13を所
望のピッチPで巻回する。
【0019】(2)次いで、図6(b)に示すように、
両側に配置された芯棒12を外側に引っ張って、巻き枠
板11のV字形状の溝11aと芯棒12間に空隙14を
生ぜしめて、図6(c)に示すように、巻き枠板11を
軸方向に抜き取る。 (3)次に、図6(d)に示すように、芯棒12の近傍
に両面テープ15を接着した後、軸方向に沿った中心線
で線材13を切断し、芯棒12を抜き取る。
【0020】このようにして、図1及び図5に示すよう
な除電ブラシを得ることができる。なお、上記巻回され
る線材のピッチPは以下の態様に変形することができ
る。 (a)粗い除電ブラシでよい場合には、ピッチPを大き
くして一定間隔にする。 (b)密な除電ブラシが必要とされる場合には、ピッチ
Pを小さくして一定間隔にする。
【0021】(c)1個の除電ブラシにおいて、可変ピ
ッチとすることにより、粗い部分と密な部分が形成され
る除電ブラシとすることができる。 このような線材は、図6(a)において、巻き枠板と芯
棒からなる部材を回転させながら軸方向に移動させるこ
とにより、自動的に種々のピッチで巻回することができ
る。
【0022】また、上記したテープによる固定のみでな
く、更に、図7に示すように、保持部材25を形成する
ようにしてもよい。なお、21は除電ブラシ、22はリ
ード線(アース)、23,24は接着テープである。そ
の場合、保持部材25としては、弾性を有するゴム、プ
ラスチック等の高分子材料を用い、偏平長方形または条
状となし、一体にモールド成形することができる。ま
た、導電性を付与することもできる。
【0023】更に、テープとしては、アルミニウム箔や
銅箔を用いると、導電・リード線対応が容易であり、好
ましい。また、上記の除電ブラシは以下のような利用形
態を有する。 (1)上記実施例における両面テープ15に代えて、片
面テープとするようにしてもよい。
【0024】(2)このようなテープは仮止めの接着テ
ープであってもよい。 次に、本発明の他の実施例について説明する。この実施
例では、素線としては、耐酸化性と延展性があり、しか
も安価な素材SUS304系を用い、その素線の線径と
しては、伸線技術上最も安定しているとされる最小径3
0μmφを使用する。また、線束としては、30μmφ
×7(7本構成)や30μmφ×2×3(6本構成)と
することができる。
【0025】(イ)30μmφ×7(7本構成)の場合 図8に示すように、芯線1本に素線4が6本が撚り合わ
された線材(撚線)6とする。ここで、芯線に接着剤を
予めコートしておくと、他の6本の素線4がより強固な
結束状態となる。
【0026】(ロ)30μmφ×2×3(6本構成)の
場合 図9に示すように、まず、2本の素線4が撚り合わさ
れ、その撚り合わさった撚線5に4本の素線4を撚り合
わせて、6本構成の線材6とする。つまり、芯線1×1
=2本と、その芯線2に4本の素線が撚り合わされて6
本構成の線材(撚線)6とする。この場合は、2工程と
なるが、全体結束は高くなる。
【0027】次いで、本発明の線材(撚線)の撚り数
は、上記(イ)及び(ロ)共に40〜60回/cmとす
る。ここで、線材(撚線)の撚り数が60回/cmの場
合は、 (A)芯線に無接着の場合は、図10に示すように、テ
ープ下よりランダムに導電性ブラシの先端部の散線(バ
ラケ)を生じさせることができる。
【0028】(B)なお、芯線が接着剤コートされてい
る場合は、図5に示すように、切断〔図6(d)工程参
照〕後も、その結束は維持される。 (C)除電効果を向上させるため、導電性ブラシの先端
部の素線のみを散線(バラケ)させることが有効であ
り、その場合、図11に示すように、導電性ブラシの有
効長の1/3〜1/2を散線(バラケ)させることが望
ましいことがわかった。
【0029】以下、その製造方法について述べる。 工程1:線材の巻き上がり〔図6(c)工程参照〕時
に、線材の中間部に接着剤を塗る。 工程2:線材を切断する〔図6(d)工程参照〕。 工程3:図12に示すように、金属台16上に線材6を
セットして、押さえ部材18で押さえ、樹脂刃19で線
材6の所定寸法をしごくと、必要寸法分がバラけ、散線
させることができる。
【0030】また、図13に示すように、金属台16´
上に線材6をセットして、押さえ部材18´で押さえ、
回転式の金属ブラシ19´で線材6の所定寸法をしごく
と、必要寸法分がバラけ、散線させることができる。こ
のように構成することにより、撚り線(ロープ)とルー
プ化により、導電性ブラシの先端部分を散線(バラケ)
させた、擦過音の低い線材を有する除電ブラシを得るこ
とができる。
【0031】また、線材のピッチに依存して導電性ブラ
シの疎密を調整することができる。更に、線材の組み合
わせによって、種々の導電性ブラシを得ることができ
る。なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、
これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。 (1)請求項1乃至3記載の発明によれば、除電ブラシ
の中心部の抜けを防止するとともに、除電ブラシの擦過
音を低減することができる。
【0033】また、曲げ力に強い折れにくい除電ブラシ
を得ることができる。 (2)請求項4又は6記載の発明によれば、除電ブラシ
の線材間の固定を簡便に行うことができる。 (3)請求項7又は9記載の発明によれば、除電ブラシ
の線材間の固定を簡便に行うとともに、導電・リード線
対応を図ることができる。
【0034】(4)請求項10記載の発明によれば、簡
単な方法により、安価な除電ブラシを製造することがで
きる。 (5)請求項11記載の発明によれば、可変巻き取りを
行うことにより、除電ブラシの線材の粗密化対応を図る
ことができる。 (6)請求項12記載の発明によれば、除電ブラシの中
心部の抜けを防止するとともに、導電性ブラシの先端部
分を散線(バラケ)させた擦過音の低い線材を有する除
電ブラシを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す除電ブラシの正面図であ
る。
【図2】本発明の実施例を示す除電ブラシの線材を示す
図(図1のA部拡大図)である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】3本の素線からなる撚線を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示す除電ブラシの側面図であ
る。
【図6】本発明の実施例を示す除電ブラシの製造工程図
である。
【図7】本発明の他の実施例を示す除電ブラシの断面図
である。
【図8】本発明の更なる他の実施例を示す除電ブラシの
線材の製造方法を示す図(その1)である。
【図9】本発明の更なる他の実施例を示す除電ブラシの
線材の製造方法を示す図(その2)である。
【図10】本発明の素線が散線した除電ブラシの構成図
である。
【図11】本発明の素線の先端部が散線した除電ブラシ
の構成図である。
【図12】本発明の素線の先端部が散線した除電ブラシ
の製造方法(その1)の説明図である。
【図13】本発明の素線の先端部が散線した除電ブラシ
の製造方法(その2)の説明図である。
【図14】従来の除電ブラシの説明図である。
【図15】従来の除電ブラシの斜視図である。
【符号の説明】
1,21 除電ブラシ 2 ループ形状部 3 テープ 4 素線 5 撚線 6,13 線材 10 部材 11 巻き枠板 11a V字形状の溝 12 芯棒 14 空隙 15 両面テープ 16,16´ 金属台 18,18´ 押さえ部材 19 樹脂刃 19´ 回転式金属ブラシ 22 リード線(アース) 23,24 接着テープ 25 保持部材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ループ形状部をテープで固定したブラシ
    の素線を導電性複合繊維で構成し、擦過音の低い線材と
    したことを特徴とする除電ブラシ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の除電ブラシにおいて、前
    記導電性複合繊維がSUSとナイロンからなることを特
    徴とする除電ブラシ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の除電ブラシにおいて、前
    記導電性複合繊維がアクリロニトリル−硫化銅複合繊維
    からなることを特徴とする除電ブラシ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の除電ブラシにおいて、前
    記テープは両面テープであることを特徴とする除電ブラ
    シ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の除電ブラシにおいて、前
    記テープは片面テープであることを特徴とする除電ブラ
    シ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の除電ブラシにおい
    て、前記テープは仮止めの接着テープであることを特徴
    とする除電ブラシ。
  7. 【請求項7】 請求項4又は5記載の除電ブラシにおい
    て、前記テープは導電性接着テープであることを特徴と
    する除電ブラシ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の除電ブラシにおいて、前
    記導電性接着テープはアルミニウム箔を含むことを特徴
    とする除電ブラシ。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の除電ブラシにおいて、前
    記導電性接着テープは銅箔を含むことを特徴とする除電
    ブラシ。
  10. 【請求項10】 除電ブラシの製造方法において、
    (a)巻き枠板の両側に芯棒を配置した部材に軸方向に
    所望のピッチで擦過音の低い線材を巻回する工程と、
    (b)前記芯棒を外側に引っ張り、前記巻き枠板を軸方
    向に抜き取る工程と、(c)前記芯棒の近傍を軸方向に
    テープで止める工程と、(d)前記巻回された線材の中
    央線に沿って切断する工程とを施すことを特徴とする除
    電ブラシの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の除電ブラシの製造方
    法において、前記ピッチが可変になるように巻回するこ
    とを特徴とする除電ブラシの製造方法。
  12. 【請求項12】 ループ形状部をテープで固定したブラ
    シを導電性素線で構成し、撚りを入れ、先端部を散線さ
    せて、電極分散による除電効果の向上と擦過音の低い線
    材としたことを特徴とする除電ブラシ。
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