JPH1015366A - 選択透過性中空糸膜の製造方法 - Google Patents

選択透過性中空糸膜の製造方法

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JPH1015366A
JPH1015366A JP17362096A JP17362096A JPH1015366A JP H1015366 A JPH1015366 A JP H1015366A JP 17362096 A JP17362096 A JP 17362096A JP 17362096 A JP17362096 A JP 17362096A JP H1015366 A JPH1015366 A JP H1015366A
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
solution
nozzle
coagulation bath
Prior art date
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Pending
Application number
JP17362096A
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English (en)
Inventor
Koji Soga
宏治 曽我
Shoji Mizutani
昭治 水谷
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスコア剤を中空糸形成剤としてポリマー溶
液を紡糸する際に、糸斑の少ない膜厚の薄い選択透過性
中空糸膜の製造方法を提供する。 【解決手段】 ガスコア剤法により中空糸状の溶液流を
形成させ、凝固浴に導入し中空糸を凝固させた後、凝固
浴よりも高い温度で加熱処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー溶液から
選択透過性中空糸膜を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】近年血液透析などの分野で高性能分離膜が
開発され、その製造方法としては、半乾半湿式紡糸法が
主に行われ、ポリマー溶液を二重管ノズルから吐出する
と同時にノズル中心部から気体を供給する方法(以下、
ガスコア剤法という)が行われている。
【0003】ガスコア剤を用いた透析膜の紡糸法として
は特開昭58−98411号公報記載のセルロースアセ
テート中空糸膜の溶融紡糸法、特公平1−44803の
再生セルロース中空糸膜の紡糸法が知られている。
【0004】ガスコア剤法による半乾半湿式の中空糸膜
の製造方法は、非凝固性の液体を中空糸形成剤に使用し
た紡糸法に比較して、中空糸形成剤を除去するための複
雑な洗浄工程が不要となり製造工程が簡略化できる点、
残留する中空糸形成剤の問題がない点で優れている。
【0005】半乾半湿式で気体コア剤による製造方法と
しては、特開平5−6470号公報に記載のセルロース
アセテート透析膜用中空糸膜及び製造方法がある。
【0006】かかる紡糸方法においては、中空率の高い
状態で、膜厚10〜30μmの薄い中空糸を紡糸するた
め、凝固浴での液中ガイドの前後の中空糸の角度を90
度以上160度未満に規制したり、液中ガイドの浸漬深
さ5〜100mm、中空糸状の紡糸原液の空中走行させ
る距離を1〜20mmにするなど、紡糸条件の規制を行
っている。この方法により紡糸を行うと中空糸状の溶液
の空中走行部で脈打ち現象が発生しやすく糸斑の原因と
なり、空中走行させる距離を1〜3mmに可及的に短く
する必要があり、更に紡糸安定化を図ることが必要であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、ガスコア
剤を中空糸形成剤としてポリマー溶液を紡糸する際に、
糸斑が少なく、膜厚の薄い選択透過性中空糸膜の製造方
法を提供するものである。
【0008】
【課題解決のための手段】本発明者は、ガスコア剤法に
よる紡糸方法について鋭意検討した結果、ポリマー溶液
をノズルから吐出させ、同時にノズル中心部から気体を
供給して中空糸状の溶液流を形成させ、凝固浴に導入し
中空糸を凝固させた後、水浴に浸漬する工程において、
水浴の温度を上げて熱水浸漬をすることにより、中空糸
膜の内径が拡大することを見出した。
【0009】このことにより、ノズルから吐出させる中
空糸状の溶液流の中空率を飛躍的に下げることが可能と
なる。ポリマー溶液をノズルから気体雰囲気中に吐出す
る際の、ノズル中心部から供給する気体流量を減少させ
ることにより、気体雰囲気中を走行する溶液流の中空率
は低下し、走行中の溶液流の脈打ち現象を大幅に抑制す
ることが出来ることを見出した。
【0010】また、溶液流の膜厚化を図ることが出来る
ため、凝固浴での液中ガイドの抵抗による中空部のつぶ
れの発生が大幅に軽減され、凝固浴での浸漬の深さも3
0cm以上を取ることが可能となり、糸導の簡素化が図
れる。凝固浴を出た後で加熱処理により、所定の内径に
調節することにより、ガスコア剤を用いても薄膜化中空
糸膜の紡糸が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本願発明は、ポリマー溶液を2重
管ノズル又は3重管ノズルから吐出すると同時に、該ノ
ズル中心部から気体を供給して、中空糸状の溶液流を形
成させ、凝固浴に導入して凝固させた後、該凝固浴より
高い温度で処理することを特徴とする選択透過性中空糸
膜である。
【0012】本発明における、中空形成材としての気体
は常温常圧であれば特に限定されないが、好ましい気体
としては空気、窒素等が挙げられる。
【0013】また、本発明におけるポリマーとしては、
再生セルロース、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート等のセルロース誘導体、ポリサルフォ
ン、ポリアクリルニトリル、エチレンビニルアルコール
共重合体、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メ
チル等が挙げられる。
【0014】また、本発明のポリマーの溶剤としては、
N−メチル2−ピロリドン、ジメチルスルフォキシド、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等が挙げ
られ、非溶媒としては、プロピレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げら
れる。
【0015】そして、本発明の紡糸方法としては湿式、
半乾半湿式など特に限定されるものではなく、中空糸膜
形成材に気体を用いた紡糸法であれば良い。
【0016】凝固させた後、該凝固浴よりも高い温度で
処理する時の加熱方式としては、液体浴、気体浴、加熱
ロール、加熱プレート等で中空糸膜を処理する方式があ
り、その他加熱処理により内径が拡大する条件であれ
ば、かかる方式に限定されない。好ましい加熱方式とし
ては熱水浴があり、凝固浴の直後に長さ5mの熱水浴を
設け、熱水浴の温度を調節することにより加熱処理を行
った場合、中空糸膜の内径は70℃付近より拡大し、高
温になるにしたがって更に大きくなるが、100℃以上
ではエネルギー消費的にも好ましくない。
【0017】以下に本発明の内容を具体的に説明する
が、これらによって本発明は何ら限定させるものではな
い。
【0018】
【実施例】トリアセチルセルロース20重量%、N−メ
チル−2−ピロリドン56重量%、及びプロピレングリ
コール24重量%を140℃で加熱混合して溶解後、孔
径40μmのフィルターで濾過し二重管ノズルに導き吐
出した後、中心部より窒素ガスを供給して中空糸状に
し、5mmだけ室温の空気中を走行させた後、中空糸ノ
ズル直下に設けた凝固浴中に25cmの深さに浸漬し
た。凝固浴の組成は水80重量%、N−メチル−2ピロ
リドン14重量%、プロピレングリコール6重量%であ
り、凝固浴温度は28℃に設定した。
【0019】次いで、凝固した中空糸膜を長さ5mの熱
水浴で50〜98℃で加熱処理し(実施例1〜6)、水
洗、グリセリン(50重量%)付与、及び乾燥をライン
で行い、ワインダーにより40m/分で巻き取った。ま
た、凝固した中空糸膜を従来通り水浴を通した後(比較
例1)、同様の操作を行った。
【0020】加熱処理温度と中空糸の内径の関係は、凝
固浴出側でサンプリングした中空糸膜と、加熱処理後に
サンプリングした中空糸膜の各々50本の断面につい
て、顕微鏡で内径、膜厚、糸斑について測定することに
より求めた。
【0021】ワインダーに巻き取った中空糸は、800
0本に束ね、中空糸束とし、それを空のモジュールに入
れてウレタン樹脂で固定し、余分のウレタン樹脂を切断
し評価用のモジュールを作成した。そして、かかるモジ
ュールの管板部の中空糸断面の変形糸発生率を測定し
た。変形糸の判断基準は、短径/長径<0.5とした。
【0022】表1に示すように、熱水処理温度の上昇と
共に糸斑の発生率、モジュール管板部の変形糸率は低下
する傾向が認められた。特に熱水処理温度70℃(実施
例3)の結果、加熱処理後の中空糸の内径/膜厚比が2
01μm/13.7μmであるのに対して、凝固浴出側
の中空糸の内径/膜厚比を194μm/19.1μmに
まで下げることによりギャップ吐出時の中空糸状の溶液
流の脈打ち現象の抑制効果と共に、凝固浴での糸導の抵
抗による変形糸の発生も減少し、更にはN2供給量を抑
える効果も相まって、糸斑が少なく、モジュール管板部
変形糸率も比較例の1/6以下である良好な中空糸が得
られた。熱水処理温度80℃(実施例4)、90℃(実
施例5)、98℃(実施例6)においても同様の効果が
認められた。
【0023】また、加熱処理温度50℃(実施例1)、
60℃(実施例2)においても、加熱温度の上昇に伴う
変形糸率の低下傾向は確認できた。但し、加熱処理後の
内径が凝固浴出側の内径よりも少し収縮しており、キャ
ップ吐出時の中空糸の中空率を下げることが出来ず、糸
斑とモジュール管板部の変形糸率は実施例3〜6に比較
して若干高めになった。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本願発明のポリマー溶液をガスコア剤を
中空糸形成材とする選択透過性中空糸膜の製造方法にお
いて、凝固後に加熱処理することで中空糸内径を調節
し、吐出時の中空糸の中空率を下げることにより、膜厚
の薄い糸斑の少ない選択透過性中空糸膜の製造すること
ができ、凝固後それを加熱処理することにより薄膜化を
実現できるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー溶液を二重管ノズルまたは三重
    管ノズルから吐出すると同時に該ノズル中心部から気体
    を供給して中空糸状の溶液流を形成させ凝固浴に導入し
    て凝固させた後、該凝固浴より高い温度で加熱処理する
    ことを特徴とする選択透過性中空糸膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 凝固浴出側の凝固液湿潤状態での中空糸
    内径R1 と加熱処理後の水湿潤状態での中空糸の内径R
    2 の比が1.00≦R2/R1≦1.30の関係にある請求
    項1記載の選択透過性中空糸膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 凝固浴出側の凝固液湿潤状態での中空糸
    膜の膜厚h1 と加熱処理後の水湿潤状態での中空糸膜の
    膜厚h2 の比が1.30≦h1/h2≦1.70の関係にあ
    る請求項1又は2記載の選択透過性中空糸膜の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 該ポリマーがセルロース誘導体である請
    求項1〜3に記載の選択透過性中空糸膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 中空糸中に溶剤が残存する状態で加熱処
    理を行う請求項1に記載の選択透過性中空糸膜の製造方
    法。
JP17362096A 1996-07-03 1996-07-03 選択透過性中空糸膜の製造方法 Pending JPH1015366A (ja)

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