JPH10152801A - 鉄道の騒音減少方法 - Google Patents

鉄道の騒音減少方法

Info

Publication number
JPH10152801A
JPH10152801A JP2056397A JP2056397A JPH10152801A JP H10152801 A JPH10152801 A JP H10152801A JP 2056397 A JP2056397 A JP 2056397A JP 2056397 A JP2056397 A JP 2056397A JP H10152801 A JPH10152801 A JP H10152801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rail
railway
soundproofing material
soundproofing
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2056397A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozaburo Sato
昇三郎 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOUSHINSHIYA KK
Original Assignee
KOUSHINSHIYA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOUSHINSHIYA KK filed Critical KOUSHINSHIYA KK
Priority to JP2056397A priority Critical patent/JPH10152801A/ja
Publication of JPH10152801A publication Critical patent/JPH10152801A/ja
Priority to US09/482,523 priority patent/US6402044B1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の走行によって発生する鉄道の騒音を減
少させる方法を提供する。 【解決手段】 鉛などを用いて帯板状や各種断面形状に
形成した制振防音材3をレール1における縦リブ2や車
輪の側面、レールの継目板、ガードや鉄橋等の側面に重
ねて固定し、車両の走行により、これらに伝わる振動エ
ネルギーを制振防音材3で吸収し、車両走行による騒音
の発生を効果的に減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄道の騒音減少
方法、特に線路と車両の関係によって生じる騒音を減衰
するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道は、線路上を車両が走行するため、
騒音が発生することになるが、従来、車両走行の騒音
は、社会公益から見て容認されてきた。
【0003】しかしながら、時代の要求にともなう鉄道
の高速化に伴い、車両走行の騒音が社会許容をはみ出す
騒音となり、近年、大きな社会問題となりつつある。
【0004】ところで、高速鉄道や地下鉄の騒音原因は
多数の発生源の複合したものであるが、発生源として
は、パンタグラフの風切音、架線とパンタグラフの摺動
音、車体表面の凹凸や車両下部吸引の凹凸から出る高速
乱流音、モータなどの騒音があるが、最も大きな騒音
は、レールと車輪との走行音やブレーキ音、カーブのき
しみ音、ポイントやレール継目部の車輪との衝撃音であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、各騒音原因のなかで線路と車両の車輪の関係によっ
て発生する騒音が最も大きな騒音源であるが、従来は線
路と車輪に関する騒音対策は何ら施されておらず、鉄道
の高速化に併う騒音の増大が周辺住民の大きな問題にな
っている。
【0006】そこで、この発明の課題は、線路と車輪の
関係によって発生する騒音を効果的に減衰することがで
きる鉄道の騒音減少方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、請求項1の発明は、レールの少なくとも縦リ
ブの側面に防音材を長さ方向に沿って取付ける構成を採
用したものである。
【0008】請求項2の発明は、レールの側面又は底面
の少なくとも一方に溝状部を長さ方向に沿って設け、こ
の溝状部内に防音材を圧入固定する構成を採用したもの
である。
【0009】請求項3の発明は、レールの縦リブ部分に
底面で開口する溝を長さ方向に沿って設け、この溝を防
音材で埋める構成を採用したものである。
【0010】請求項4の発明は、レールの少なくとも縦
リブの両側面に防音材を長さ方向に沿って取付け、両側
の防音材を挟持手段で両側から挾圧してレールに固定す
る構成を採用したものである。
【0011】請求項5の発明は、挟持手段が、レールの
下部で嵌合する部分を有する雄金物と雌金物の各々に防
音材の外面へ当接する防音材保持部分を設け、雄金物と
雌金物を嵌合部分へのクサビの打込みによって締付け固
定化するようになっている構成を採用したものである。
【0012】請求項6の発明は、車輪の側面に防音材を
取付ける構成を採用したものである。
【0013】請求項7の発明は、車輪のタイヤ部に横孔
を設け、この横孔を防音材で埋める構成を採用したもの
である。
【0014】請求項8の発明は、レール間の継目板に防
音材を取付けることにより、車輪によるレール隙間部分
での打撃音を減少する構成を採用したものである。
【0015】請求項9の発明は、線路の一部を構成する
鋼製構造物に防音材を取付ける構成を採用したものであ
る。
【0016】請求項10の発明は、請求項1乃至9記載
の発明において、防音材が鉛などで形成されている構成
を採用したものである。
【0017】請求項11の発明は、請求項1乃至9記載
の発明において、防音材が鉛などを用い、内部中空の断
面フープ形状に形成されている構成を採用したものであ
る。
【0018】請求項12の発明は、請求項11記載の発
明において、防音材の中空部分に防音発泡材が充填され
ている構成を採用したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。
【0020】図1乃至図13に示す実施形態は線路のレ
ール1に対して騒音減少を施した例であり、図1乃至図
10はレール1における縦リブ2の側面に防音材3を長
さ方向に沿って取付けたものである。
【0021】上記防音材3は、質量が重く、かつ軟質で
音に共鳴しにくい材料、例えば鉛を用い、騒音発生源の
条件に合わせて、質量や形状、取付方法等が採用され、
鉛は制振性があり、成分が大気中安定して耐食性を有
し、水中では炭酸塩となり、水道の用に適すると共に、
高分子でコーティングできるという利点がある。
【0022】図1(A)に示す第1の例は、鉛を用いて
フラットバー状に形成した防音材3をレール1の縦リブ
2の側面に重ねて接着固定したものである。
【0023】図1(B)に示す第2の例は、第1の例と
同様の防音材3を縦リブ2に固定したスタットボルト4
を利用して重なり状に固定したものである。
【0024】図1(C)に示す第3の例は、防音材3を
縦リブ2への重なり面に凹部5を有する断面形状に押出
成形等の手段で形成し、縦リブ2の側面に接着固定した
ものである。
【0025】図1(D)に示す第4の例は、第3の例で
示した防音材3の凹部5内にアルミ等の金属や合成樹脂
等の発泡体6を充填したものである。
【0026】図2(A)乃至(C)の第5の例は、内部
を中空状としてこの内部に上記した発泡体6を充填した
防音材3の異なった断面形状を示している。この第5の
例において、各防音材の内部は中空のままで使用するよ
うにしてもよい。
【0027】上記の各例で示した防音材3において、図
1(A)乃至(D)は、縦リブ2の片面に取付けたが、
縦リブ2の両面に取付けて騒音の吸収効果を上げるよう
にしてもよいと共に、レール1に対する防音材3の長さ
方向への取付けは、図5(A)の如く、一本のレール1
の全長にわたって連続的に取付けたり、図5(B)のよ
うに、一定長さの防音材3をレール1の長さ方向へ間歇
的に並べて固定してもよい。
【0028】図3は防音材3をレール1の両面に取付け
る例において、レール1の一面側、即ち、平行敷設する
レールの対向する内面側は、頭部1aの下面から縦リブ
2及び底部1bの一部にわたって一枚物の防音材3を取
付けるのに対し、他面側、即ち外面側では、頭部1aの
側面上部から縦リブ2及び底部1bの一部にわたって一
枚物の防音材3を取付けている。頭部1aの外面側に防
音材3を広幅に付けた場合、頭部自体の共鳴を直接吸収
することができる。
【0029】また、図4は、二重構造によって中空部5
を形成した断面形状の防音材3をレール1の両側面に取
付けている。
【0030】なお、防音材3は、図1乃至図4に示した
成形品を用いる場合のほか、レールの片面又は両面に溶
融状態の材料を直接吹付けて所望の厚みに塗布溶着する
ことにより形成することもでき、溶着は、レールと分子
的にからみ合い、強固な固着が得られるので、固定手段
を省略でき、極めて簡素化ができ、既存、新品の何れの
レールにも取付けることができる。
【0031】ところで、レール1上を車両が走行する場
合、レール1側において、車輪の転動による衝撃と振動
エネルギーが音に変化し、この衝撃振動エネルギーの音
への変化は構造的に薄い厚みとなる縦リブ2の部分で最
大となって放音されるが、上記の各例で示すように、少
なくとも縦リブ2の側面に質量が重く共鳴しにくい鉛製
の防音材3を重ね合わせて取付けると、縦リブ2の振動
エネルギーが防音材3に吸収され、縦リブ2の共鳴度合
が著しく低下し、これによりレール1からの騒音の発生
を抑えることができる。
【0032】ここで、レール1の騒音発生は、レールの
構造的に厚みの薄い部分の衝撃による振動エネルギーの
音への変化によって生じるものであり、従って、縦リブ
2の厚さや質量(重さ)に対し、付着させた鉛製防音材
3の形状や厚さ、質量により音の共鳴度合が変わってく
る。
【0033】このため、レール1の振動部となる縦リブ
2の質量に対し、少し厚い鉛を付着させた場合、高速通
過の衝撃エネルギーをただ質量だけで吸収するのも瞬秒
の時間を要し、振動エネルギーを本来の振動部(主にレ
ール1の縦リブ2や車輪のハブ)だけでなく他部(例え
ばレール1の頭部1aや車輪のタイヤ部)に僅かながら
移行流出する事も考えられる。
【0034】そこで、図2で示したように、防音材3の
断面形状を、レールの側面に付着する裏面3aと隙間を
へだてて音を閉じ込む表面の袋部3bからなる鉛のフー
プ状二重断面形状とし、且つその隙間空間の内部にアル
ミや樹脂などの防音発泡材6が封入されている。
【0035】車輪走行中レール1の縦リブ2は上下に振
動して音源となるが、二重鉛フープのややうすい裏面を
共鳴を押さえながら透過させ更にその音の残存エネルギ
ーは隙間空間の発泡材によりかく乱減衰され、且つ表面
の鉛袋により共鳴音は閉じ込められる。
【0036】即ち、レール1の瞬間連続の共鳴を厚い目
方の大きい単体の鉛フープだけで音の振動エネルギー
(共鳴)を防ぐのではなく、走行発生した音の振動エネ
ルギーを瞬時にややうすい裏面の鉛フープで第一次の共
鳴を防ぎつつ吸収し、鉛フープの裏面を透過した音の残
存エネルギーを隙間空間の発泡材6によりかく乱減衰さ
せ、表面の袋状鉛部の質量と形状で共鳴音を最終的に閉
じ込める。
【0037】かくて、走行車輪の音のエネルギーが他部
(レール頭部や底部など)から出来るだけ流出させない
ようにする。
【0038】図6乃至図10は、レール1の両側面に図
1乃至図4で示した防音材3を、レール3に何らの事前
工事を要することなく機械的に固定化するための挟持手
段の例を示している。
【0039】図6と図7に示す挟持手段の例において、
雄金物21は、長い帯状の金属バーを用い、レール1の
底部1bの下に挿通する直線バー22の一方端部にレー
ル1の底部1bの一方側部へ外嵌する屈曲部23と、こ
の屈曲部23の上端に立上り部24を連成し、直線バー
22の他方端部にクサビ25の打込孔26を設けて形成
されている。
【0040】雌金物27は、直線バー22を挿入する断
面溝形となるホルダー部28の一方端部に、レール1の
底部1bの他方側部に外嵌する屈曲部29と、この屈曲
部29の上端に立上り部30を連成し、屈曲部29の下
部に直線バー22の貫通用角孔31を設けて形成されて
いる。
【0041】雄金物21と雌金物27の立上り部24、
30には、締付けねじ32で押え爪33が取付けられて
いる。締付けねじ32は、立上り部24、30の上端に
設けたねじ孔34に螺合し、締付けねじ32の先端に押
え爪33の背面が、防振用ウレタン35と座金36を用
いて傾動可能に取付けられている。
【0042】レール1に対する防音材3の固定を行うに
は、レール1の両側面に防音材3を重ね、レール1を挟
んで雄金物21と雌金物27を配置し、レール1の下を
通した直線バー22を雌金物27の通孔31に挿通し、
直線バー22の打込孔26にクサビ25を打込んでレー
ル1に対して雄金物21と雌金物27を固定化する。
【0043】この状態で両側の押え爪33、33は防音
材3に外接するので、締付けねじ32を締付ければ、防
音材3、3の上下端部を均等に締付けてレール1に固定
化することができる。
【0044】図8乃至図10に示す挟持手段の例は、弾
性ホルダー式であり、雄金物41及び雌金物42が帯板
状の弾性金属板を用い、図6と図7に示した雄金物21
及び雌金物27と略同様の形状に形成されている。従っ
て、図6及び図7と同一部分又は該当する部分には同一
符号を付して説明に代える。
【0045】両側の立上り部24、30には、上下端部
に押え爪43、44が固着して設けられている。また、
レール1に対して、上部押さえ爪43が防音材3の上部
に当接したとき、下部押さえ爪44は防音材3から少し
離れるよう弾性的に形成されている。
【0046】この例の挟持手段で防音材3をレール1に
固定するには、専用の締付具45が使用される。
【0047】この締付具45は、図8の如く、S字状に
屈曲する一対の挟持杆46、46を交差する中央部分で
互に枢止し、両挟持杆46、46の上端部を引寄せ又は
離開させるねじ軸47の一端にハンドル49を設けた構
造になっている。なお、ねじ構造に代えて流体圧力を用
いた構造を採用してもよい。
【0048】レール1に対する防音材3の固定を行うに
は、レール1の両側面に防音材3、3を重ね、レール1
の両側に雄金具41と雌金具42を配置し、直線バー2
2を角孔31に少し挿通したセット状態で、拡開した締
付具45の先端をレール1上から外嵌して両側立上り部
24、30の根元部分に当接させ、この状態でハンドル
48を操作してねじ軸47を回動させ、挟持手段の弾性
を押さえつつ締付具45の先端を閉じることにより雄金
物21と雌金物27を互に接近させ、上下の押え爪4
3、44が防音材3、3をレール1に向けて圧着させた
状態で直線バー22の打込孔26内にクサビ25を打込
み、防音材3、3をレール1の両側面に弾力的に圧接さ
せた挟持状態を固定化した後、挟持具45の取外しを行
う。
【0049】なお、クサビ25には図10の如く、傾斜
縁に凹欠部49を設けておき、打込時にこの凹欠部49
を直線バー22に係止させれば、打込んだクサビ25の
抜止状態が得られることになる。
【0050】このように、クサビ25の打込みにより、
雄金物41と雌金物42により防音材3、3を弾力的に
挟持固定すれば列車の振動やびびりがあっても挟持の緩
みの発生はない。
【0051】なお、レール1の長さ方向に対する挟持手
段の間隔は、防音材3の長さが2〜3m前後を適寸とす
れば、60cm位が適当であり、この挟持手段は、レー
ル1に対して何ら加工を施す必要はなく、防音材3を既
存のレールに対して簡単な作業で取付けることができ、
耐久性に優れ、保線上の問題はない。また、レール1と
防音材3との間に軟質の接着剤を介在させれば、保持と
共に共鳴の吸収に効果がある。
【0052】上記した図1乃至図10の例は、主として
既設及び既存のレールに対して防音材3を取付ける場合
を示したが、図11乃至図13は、製造される新造レー
ルに対する防音材の取付け構造を示している。
【0053】レール1の製造は、熱間で成形ロールによ
る挾圧によって、所定の断面形状に成形することで作ら
れる。
【0054】そこで、レール1の縦リブ2における両側
面の上下両端部に、突部51、52を設けることによっ
てその間に凹溝53を長さ方向に連続するよう加圧成形
する。またレール1の底部に螺溝状の凹溝54を長さ方
向に沿って形成する。
【0055】レール1の熱間成形後に、前記凹溝53、
54に該凹溝53、54に適合する断面形状に形成した
鉛のフープを臨ませ、このフープを圧力ロールで強圧し
て凹溝53、54内に圧入すれば、縦リブ2の両側面及
びレール1の底面に防音材3を機械的に強固に固着する
ことができ、防音材3の表面は平滑な仕上がりとなる。
【0056】図11の場合、縦リブ3の両側面で凹溝5
3の底部に、縦や横、斜めやクロス状の凹部55や凸部
を設け、レール1に対する防音材3の固着強度及び共鳴
防止効果を向上させると共に、凹溝54の底面も同様の
目的で凹凸の筋による粗面にしている。図12の例は、
レール1の一方側面で頭部がフランジの範囲にわたって
防音材3を取付けている。この例のように、防音材3を
レール1の片側だけにすると、レール1の探傷が支障な
く行える。
【0057】図13に示す例は、レール1の縦リブ2に
底面で広幅に開口する溝56を設け、この溝56内に溶
融した鉛を流し込んだ後、これをレール1の底面側から
加圧することにより、溝56内を防音材3で埋めたもの
である。
【0058】この例では縦リブ2が二本となり、縦リブ
2の合計幅が広幅になってレール1の安定性がよくな
り、縦リブ(双脚)の左右のふれが少なくなると共に、
荷重が加わっても上部R部57と下部R部58とによっ
て両側縦リブ2が開きにくくなっている。
【0059】また、枕木の締金具によって両側縦リブは
開かないが、更に図13(A)は両側縦リブ2の下部
を、ボルトとナット又は冷圧リベット59で締結し、図
13(B)では、レール1の底部で一方のフランジに帯
状金属板を用いたホルダー60を係止し、フランジの他
方に当接させた受具61をホルダー60の孔に打ち込ん
だ楔62で締付け、レール1の下部を両側から挾圧する
ようにし、レール1の下部の補強を図っている。このレ
ールは底部の幅が変わらないから、従来の敷設構造をそ
のまま利用できる。
【0060】次に、図14乃至図17に示す例は、車輪
7に防音材3を取付ける場合であり、図14(A)は車
両の車輪7におけるハブ8の片面又は両面に防音材3を
貼付け、図14(B)はハブ8の内部に防音材3を注入
して鋳込み、図14(C)は車輪7の外端面に防音材3
を取付けたものである。
【0061】車両の走行時、車輪7はレールと衝撃し、
継目部をはじめ枕木の沈下および枕木間のレールのしわ
りやカーブのきしみにより音が発生する。
【0062】車輪7には、レールに対する枕木のような
共鳴防止物がなく、走行のすべてにおいて、レールとの
走行衝撃音やブレーキ音を、車輪のタイヤやハブ8から
騒音をじかに発散走行する。
【0063】このため、図14(A)のように、車輪7
のハブに、前記レールに付着したものと同様の断面形状
を有する防音材3を取付け固定することにより、走行打
撃音やブレーキ音を大幅に減衰することができる。車輪
7への防音材3の取付けは、図14(B)や図15
(C)の如く、ハブ内に鋳込んだり、図15(A)の如
く、板状に成形したものをボルト止したり、図15
(B)の如く接着する等の方法で行えばよい。
【0064】図16に示す例は、車輪7のリブとタイヤ
部との間に形成されている段部を利用し、この段部に内
接するように環状の防音材3をボルト止によって固定し
ている。
【0065】上記段部は高速回転時の遠心力による環状
防音材3の脱落発生を有効に防ぎ、かつ、炭素繊維など
のカバー63で覆うこともでき、在来使用車輪に対して
施工が簡単で有効であり、この防音材3は内径を延ばし
て車輪のリブに広く当接させることもできる。
【0066】図17に示す例は、車輪7のタイヤ部に多
数の小径横孔64を、表面と裏面側から交互の配置とな
るよう同心円上に穿設し、各横孔64内を鉛の防音材3
で埋めたものである。上記横孔64の直径と数は防音効
果や強度を考慮して決定すればよい。
【0067】上記のように、レール1と車輪7の両者に
防音材3を取付けることにより、レール1と車輪7の双
方の騒音を減少させることができる。
【0068】また、図示省略したが、ブレーキシューの
側面に防音材3を取付け、ブレーキ音を低下させること
もできる。
【0069】次に、図18乃至図21はレールの継目部
分の防音を行なう防音材を示し、防音材3は鉛を用い、
レール1の縦リブ2と継目板9の間に介在させる二枚の
横長プレート10と10をジグザグ状の伸縮部11を介
して連成し、両プレート10、10には外面の上下にそ
れぞれ複数の突条12、13を長さ方向に沿うよう形成
し、かつ、レール1と継目板9の締結ボルト14の挿通
孔15が設けられ、両プレート10、10の上下面は継
目板9の内面に対応する傾斜面16、17になってい
る。なお、上部の突条12は上方に、下部の突出13は
下方にそれぞれ曲がりやすくなっている。また、伸縮部
11は、夏期と冬期のレール1の伸縮を吸収する部分と
なる。
【0070】この継目用防音材3は、図18に示すよう
に、継目板9によるレール1、1の締結時、伸縮部11
がレール1、1の継目に臨むよう、両プレート10、1
0をレール1の縦リブ2と継目板9間に介在させて締結
する。
【0071】この締結状態で、プレート10、10の上
下突条12、13は継目板9のボルトの締付圧力により
上下に傾き、防音材3の厚みは締付け分だけ薄くなり、
レール1の縦リブ2と継目板9の双方に密着し、継目板
9は防音材3の厚みで締まりを阻害されることなく強く
レール1、1間を締結し、防音材3はレール1と継目板
9の両者間に密着してレール1の継目部に生じる車輪の
打撃音の共鳴を減少させる。なお、横長プレート10、
10の突条12、13は、図20の如く、縦しまの突条
12aに形成してもよいと共に、図21の如く、継目板
9の外面に更に防音材3を重ね、締結ボルト14を用い
て取付けてもよい。
【0072】次に、図22に示す例は、鉄道の線路を構
成するガード、鉄橋18やトラス19に対する防音方法
を示している。ガード、鉄橋18は一般的にH型鋼が用
いられ、トラス19も各種断面形状の鋼材が用いられ、
これらガード、鉄橋18やトラス19に対してレールの
場合と同様の防音材3を取付けや被覆によって装着す
る。
【0073】これにより、レールからガード、鉄橋18
やトラス19に伝わる振動エネルギーを防音材3によっ
て吸収することができ騒音の発生を防止できる。
【0074】
【発明の効果】以上のように、この発明によると、レー
ルの側面や底部、車輪のハブ、タイヤ部、ブレーキシュ
ー、レール間の継目板もしくは鉄橋やトラス等に防音材
を取付けるようにしたので、レールと車輪によって起因
する騒音を効果的に減少させることができ、鉄道車両の
高速化に伴う走行騒音の住民環境に対する社会的問題
を、極めて簡単かつ容易に総合して解決することができ
る。
【0075】また、防音材をレールや車輪等に取付ける
だけであるので、価格的に安く容易に施工でき、レール
や車輪の構造を変えることなく既存のものにそのまま適
用でき、しかも経年耐久性もよく、保線上の問題も生じ
ない。
【0076】更に、新造レールや車輪に防音材を予め取
付けることにより、運搬や保管は従来と変わることなく
そのまま使用できる、防音材の密着により、騒音防止の
効果は極めて高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(D)の各々はレールに対する防音
材の第1の例乃至第4の例の使用状態を示す縦断面図
【図2】(A)乃至(C)は防音材の第5の例を示す断
面図
【図3】レールの両側に防音材を取付けた例を示す縦断
面図
【図4】レールの両側に防音材を取付けた他の例を示す
縦断面図
【図5】(A)と(B)はレールに対する防音材の取付
けを示す正面図
【図6】挟持手段を用いた防音材の取付け状態を示す縦
断面図
【図7】同上における挟持手段の分解斜視図
【図8】挟持手段を用いた防音材の取付けにおける締付
前の状態を示す縦断正面図
【図9】同上の締付状態を示す縦断面図
【図10】同上に用いる挟持手段の分解斜視図
【図11】レールに防音材を取付けた斜視図
【図12】レールに防音材を取付けた斜視図
【図13】(A)はレールの縦リブ内に防音材を埋込ん
だ断面図、(B)は挟持手段の他の例を示す断面図
【図14】(A)と(B)及び(C)は車輪に対する防
音材の取付けを示す異なった例の縦断面図
【図15】(A)乃至(C)は車輪に対する防音材取付
けの異なった例を示す一部切欠正面図
【図16】(A)は車輪に防音材を取付けた正面図、
(B)は同縦断面図
【図17】(A)は横孔を防音材で埋めた車輪の正面
図、(B)は同縦断面図、(C)は同横断面図
【図18】レールの継目部分に用いる防音材の斜視図
【図19】同上の使用状態を示す斜視図
【図20】継目部分に用いる防音材の他の例を示す斜視
【図21】レールの継目板に防音材を取付けた縦断面図
【図22】鉄橋に対する防音材の取付けを示す正面図
【符号の説明】
1 レール 2 縦リブ 3 防音材 5 凹部 6 発泡体 7 車輪 8 ハブ 9 継目板 10 横長プレート 11 伸縮部 21、41 雄金物 27、42 雌金物 25 クサビ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールの少なくとも縦リブの側面に防音
    材を長さ方向に沿って取付けることを特徴とする鉄道の
    騒音減少方法。
  2. 【請求項2】 レールの側面又は底面の少なくとも一方
    に溝状部を長さ方向に沿って設け、この溝状部内に防音
    材を圧入固定することを特徴とする鉄道の騒音減少方
    法。
  3. 【請求項3】 レールの縦リブ部分に底面で開口する溝
    を長さ方向に沿って設け、この溝を防音材で埋めること
    を特徴とする鉄道の騒音減少方法。
  4. 【請求項4】 レールの少なくとも縦リブの両側面に防
    音材を長さ方向に沿って取付け、両側の防音材を挟持手
    段で両側から挾圧してレールに固定することを特徴とす
    る鉄道の騒音減少方法。
  5. 【請求項5】 挟持手段が、レールの下部で嵌合する部
    分を有する雄金物と雌金物の各々に防音材の外面へ当接
    する防音材保持部分を設け、雄金物と雌金物を嵌合部分
    へのクサビの打込みによって締付け固定化するようにな
    っている請求項4記載の鉄道の騒音減少方法。
  6. 【請求項6】 車輪の側面に防音材を取付けることを特
    徴とする鉄道の騒音減少方法。
  7. 【請求項7】 車輪のタイヤ部に横孔を設け、この横孔
    を防音材で埋めることを特徴とする鉄道の騒音減少方
    法。
  8. 【請求項8】 レール間の継目板に防音材を取付けるこ
    とにより、車輪によるレール隙間部分での打撃音を減少
    することを特徴とする鉄道の騒音減少方法。
  9. 【請求項9】 線路の一部を構成する鋼製構造物に防音
    材を取付けることを特徴とする鉄道の騒音減少方法。
  10. 【請求項10】 防音材が鉛などで形成されている請求
    項1乃至9記載の鉄道の騒音減少方法。
  11. 【請求項11】 防音材が鉛などを用い、内部中空の断
    面フープ形状に形成されている請求項1乃至9記載の鉄
    道の騒音減少方法。
  12. 【請求項12】 防音材の中空部分に防音発泡材が充填
    されている請求項11記載の鉄道の騒音減少方法。
JP2056397A 1996-07-04 1997-02-03 鉄道の騒音減少方法 Pending JPH10152801A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2056397A JPH10152801A (ja) 1996-07-04 1997-02-03 鉄道の騒音減少方法
US09/482,523 US6402044B1 (en) 1997-02-03 2000-01-14 Method of damping railroad noise and railroad noise damping members

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17482996 1996-07-04
JP8-174829 1996-09-27
JP25660396 1996-09-27
JP8-256603 1996-09-27
JP2056397A JPH10152801A (ja) 1996-07-04 1997-02-03 鉄道の騒音減少方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10152801A true JPH10152801A (ja) 1998-06-09

Family

ID=27283097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2056397A Pending JPH10152801A (ja) 1996-07-04 1997-02-03 鉄道の騒音減少方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10152801A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144409A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Sekisui Chem Co Ltd 制振材固定具および固定方法
JP2007120018A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Railway Technical Res Inst レールの防音構造
NL1031217C2 (nl) * 2006-02-22 2007-12-11 Ginkel Groep B V Van Inrichting en werkwijze voor het stralen van spoorrails.
JP2008063813A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Sekisui Chem Co Ltd レールの防音装置
JP2012047190A (ja) * 2010-08-24 2012-03-08 Ihi Corp 振動体用の弾性ダンパ
DE102011107309A1 (de) 2011-07-06 2013-01-10 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Verfahren und Vorrichtung zum Anschweißen von Funktionselementen an eine Schiene
WO2013058082A1 (ja) * 2011-10-17 2013-04-25 積水化学工業株式会社 レールの防音装置
JP2016098483A (ja) * 2014-11-18 2016-05-30 積水化学工業株式会社 レールの防音装置
KR102622017B1 (ko) * 2023-10-18 2024-01-05 신덕재 호이스트 크레인용 주행레일

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144409A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Sekisui Chem Co Ltd 制振材固定具および固定方法
JP2007120018A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Railway Technical Res Inst レールの防音構造
JP4695487B2 (ja) * 2005-10-25 2011-06-08 財団法人鉄道総合技術研究所 レールの防音構造
NL1031217C2 (nl) * 2006-02-22 2007-12-11 Ginkel Groep B V Van Inrichting en werkwijze voor het stralen van spoorrails.
JP2008063813A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Sekisui Chem Co Ltd レールの防音装置
JP2012047190A (ja) * 2010-08-24 2012-03-08 Ihi Corp 振動体用の弾性ダンパ
DE102011107309A1 (de) 2011-07-06 2013-01-10 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Verfahren und Vorrichtung zum Anschweißen von Funktionselementen an eine Schiene
DE102011107309B4 (de) * 2011-07-06 2016-04-07 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Verfahren und Vorrichtung zum Anschweißen von Funktionselementen an eine Schiene
WO2013058082A1 (ja) * 2011-10-17 2013-04-25 積水化学工業株式会社 レールの防音装置
EP2770107A1 (en) * 2011-10-17 2014-08-27 Sekisui Chemical Co., Ltd. Noise insulation device for rail
JPWO2013058082A1 (ja) * 2011-10-17 2015-04-02 積水化学工業株式会社 レールの防音装置
EP2770107A4 (en) * 2011-10-17 2015-07-15 Sekisui Chemical Co Ltd ANTI-NOISE INSULATION DEVICE FOR RAIL
JP2016098483A (ja) * 2014-11-18 2016-05-30 積水化学工業株式会社 レールの防音装置
KR102622017B1 (ko) * 2023-10-18 2024-01-05 신덕재 호이스트 크레인용 주행레일

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6402044B1 (en) Method of damping railroad noise and railroad noise damping members
CN109518547B (zh) 一种钢轨降噪阻尼器及其制作安装方法、减振降噪方法
WO2008043249A1 (en) A rail with vibration damper
CN202369865U (zh) 轨道弹性固定装置
US5011077A (en) Railways
JP2848587B2 (ja) 吸音性制振形材
CN101413231A (zh) 一种自锁式轨底动力吸振器的设计及结构
JPH10152801A (ja) 鉄道の騒音減少方法
HU205402B (en) Permanent way advantageously loose gravelly permanent way for railroad vehicles and method for establishing the permanent way
CN201785681U (zh) 一种城市轨道交通用的扣件装置
CA2518176A1 (en) Rail damper
WO2008043248A1 (fr) Roue d'amortissement
JPH11172603A (ja) レールの騒音低減部材
EP3974582A1 (en) Rail damper system
CN214362591U (zh) 一种轨道减振降噪协同装置
JP2000336606A (ja) 滑り止め措置を施した防振・防音鋼板の構造
JP4056203B2 (ja) 道路用伸縮継手
KR20120001962U (ko) 방음 차륜
KR200312651Y1 (ko) 철도 궤도 방진 방음 체결장치용 와셔 볼트
JP2001011819A (ja) まくらぎ弾性支持装置及び該装置を用いたまくらぎ弾性支持構造
JPH0235102A (ja) 鉄道用防音レール
CN111827019A (zh) 一种具有减震降噪功能的轨道垫板
KR100396349B1 (ko) 철도 레일 받침
JPH09268504A (ja) 防振軌道構造及びこれに用いる防振装置
JP4605958B2 (ja) 耐震補強金具

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20060206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060613

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061128