JP4605958B2 - 耐震補強金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震、台風等により木造建築物に強度の振動が負荷されても崩壊しないように、交差して接続される建築構造材の接合部に取付け、これを補強することを目的とする改良された耐震補強金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造建築物の構造材の接合部を補強する方法としては、筋かいや火打梁を設けたり、かすがい、L型金具を取付けるなど種々の方法が採用されている。
しかし、このような方法では、地震、台風等により強度の振動が負荷された場合の補強効果は十分ではなく、接合部で建築構造材が簡単に離反したり破損したりして、木造建築物がその接合部で破壊したり、酷い場合には倒壊してしまうこともあった。
【0003】
そこで、地震、台風等による強度の振動に耐え得るものとして、図5に斜視図で示すような補強金具51が考案され、使用されている。
この補強金具51は、高張力鋼よりなる板材をL字状に折曲すると共に、両片部521,522の各々の中間部に外側に折曲した折曲膨出部521a,522aを各々形成したL形基材52を設け、このL形基材52の折曲角部523に高張力鋼よりなる板材を折曲した補強部材53を溶接により固着し、上記L形基材52の四ヶ所に吸震ゴム等よりなる緩衝部材54を係着したものである。
【0004】
これによれば、L形基材52全体及びその折曲膨出部521a,522aにより、交差する建築構造材に加わる垂直、水平両方向の振動はある程度吸収されるものの、強い振動が負荷された場合には、L形基材52の変形を確実に復元させるには不十分であり、建築構造材相互の接合部において破損する虞れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記補強金具51は、両片部521,522の中間部を外側に折曲して平坦な折曲膨出部521a,522aを形成してあるので、垂直方向の振動、鉛直回りの揺動を吸収したり、L形基材52の変形を復元させる等の作用効果が不十分であると共に、L形基材52に補強部材53を溶接により固着して、L形基材52の折曲角部523と補強部材53の折曲角部531とを隙間なく密着させてあるために、弾性変形量が少なくなり、補強部材53の各部に過大な集中負荷がかかり、締結用のボルトが飛んだり補強部材53に亀裂が生じたりするという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決すべく為されたものであって、地震、台風等により、建築構造材の交差接合部に水平方向や鉛直方向に強い振動を生じても、これを吸収して、木造建築物の耐震性能を一層向上させることができ、且つ、耐久性を持たせた耐震補強金具を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためのものであって、その要旨は、交差する建築構造材の相互間を接合する金属と硬質ゴムとからなる耐震補強金具であって、L字状の折曲部を有し、当該折曲部方向に向かい厚肉に形成した金属製の補強材本体の中芯に、硬質ゴム製の弾性芯材を一体に埋設した構成であることを特徴とする耐震補強金具である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の耐震補強金具の好適な実施形態について、図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明の耐震補強金具を示す斜視図、図2は図1のX−X線矢視を示す断面図、図3は本発明の取付け状態を示す部分側面図、図4は本発明の使用状態を示す斜視図である。
【0009】
本発明は、図示したように、交差する建築構造材Aの柱構造材A−1と梁、桁構造材A−2の相互間を接合する金属と硬質ゴムとからなる耐震補強金具1であって、L字状の折曲部111を有し、この折曲部111方向に向かい厚肉に形成した金属製の補強材本体11の中芯に、硬質ゴム製の弾性芯材12を一体に埋設した構成のものである。
【0010】
そして、上記耐震補強金具1の外面1″に、折曲部111が直角に形成された耐震補強金具1の内面1′と平行な面をなす締着座112を形成し、この締着座112の面と直交する方向にボルト止孔113が穿設されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、好ましくは、上記金属製の補強材本体11が、不銹鋼、アルミニウム又はアルミ合金からなると共に、上記硬質ゴム製の弾性芯材12が、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンメチレン三元共重合体)からなるものである。
【0012】
本発明で、上記金属製の補強材本体11が有する機械的強度と、補強材本体11中に一体に埋設されている硬質ゴム製の弾性芯材12が有する緩衝力との相互補完機能により、交差する建築構造材A相互間の接合が強力にバックアップされるので、木造建築物の建築構造材A相互の接合部に強い振動が負荷された場合でも、その接合部が破損したり、締着ボルトが飛んだりする虞れがなくなり、地震や台風等による木造建築物の損壊を防止することができる。
【0013】
また、不銹鋼、アルミニウム又はアルミ合金からなる金属製の上記補強材本体11は、抗張力、剛性等の機械的強度を長期に亘り保持することができると共に、この補強材本体11中に埋設されるEPDM等の硬質ゴム製の弾性芯材12は、衝撃を弾発吸収する機能を備え且つ耐老化性に優れているので、長期に亘って弾発緩衝力を維持することができるものである。
【0014】
【実施例】
耐震補強金具1の補強材本体11は、図1、図2に示すように、L字状の折曲部111で折曲角θが90°になるように、その内面1′と外面1″とを交差させ、また、上記折曲部111の方向に向かうに従い厚肉に形成したこの補強材本体11の中芯に、硬質ゴム製の弾性芯材12が一体に埋設された構成のものである。
【0015】
上記耐震補強金具1の外面1″には、ボルト締着個所に応じて締着座112が形成されるが、この締着座112の各々は、折曲部111の折曲角度θが90°に設定された内面1′と平行な面をなすように形成されると共に、図3に示すように、上記締着座112の面と直交するように、穿孔角度θ′を90°に設定したボルト止孔113が穿設される。
耐震補強金具1の内面1′側には、建築構造材A面との摩擦係数を大きくする目的で、必要に応じ多数の防滑条溝114が設けられる。
【0016】
上記補強材本体11の材質は、ステンレススチール等の剛性を有する不銹鋼や、アルミニウム、アルミに酸化被膜を施したアルマイト、又は、ジュラルミン等のアルミ合金が適用されるが、軽量、安価にして成形性に優れている点から、アルミニウムやアルミ合金製のものが好適に用いられる。
【0017】
一方、本発明で上記補強材本体11の中芯に一体に埋設される硬質ゴム製の弾性芯材12は、未加硫ゴムに多量の無機質充填材を配合したもの、或いは、加硫剤によって加硫したゴムであり、特に、EPDMやこれを加硫したものは、弾発性は勿論のこと、成形時の熱安定性や耐老化性に優れているので好適に使用される。
【0018】
そして、本発明の耐震補強金具1を成形するには、弾性芯材12の側面形状に該当する中空部を形成すると共に、補強材本体11の側面形状に該当するリップ形状を備えた成形口金を通し、溶融金属を押出成形して、一旦、補強材本体11の幅方向に長尺の押出型材を成形しておく。次いで、この長尺の押出型材の中空部に、硬質ゴムを圧入して弾性芯材12部分を形成したのち、押出型材を所定の幅間隔に裁断して耐震補強金具1が得られる。なお、補強材本体11の締着座112へのボルト止孔113の穿孔は、補強材本体11を所定の幅間隔に裁断する前に形成しても、後で形成してもよい。
【0019】
また、大型の耐震補強金具1を成形するには、鋳型成形技術を利用して、型内の弾性芯材12を形成する中空部に硬質ゴムを注入すると共に、型内の補強材本体11を形成するキャビティに、溶融金属を注入し成形して冷却することにより、補強材本体11内に弾性芯材12が一体に埋設された耐震補強金具1を成形することもできる。この場合、ボルト止孔113は、補強材本体11の成形と同時に形成される。
【0020】
上述の本発明により、交差する建築構造材Aの相互間を固着するには、図4に示すように、L字状の耐震補強金具1の内面1′、即ち、補強材本体11の防滑条溝114が形成された面側を、柱構造材A−1面と梁、桁構造材A−2面に各々当接したのち、耐震補強金具1の外面1″に形成した締着座112のボルト止孔113から、図3に示すように、ワッシャー131を介して、建築構造材A面に直交するようにねじボルト13を締着して、木造建築物の柱構造材A−1と梁、桁構造材A−2間を簡単且つ確実に取付けることができる。
【0021】
本発明で、金属製の補強材本体が有する強靭性、剛性等の機械的強度と、この補強材本体中に一体に埋設される硬質ゴム製の弾性芯材が有する緩衝力との相互補完機能により、交差する建築構造材相互間の接合が強力にバックアップされる。
【0022】
また、耐震補強金具の補強材本体は、耐久性に優れた不銹鋼、アルミニウム、アルミ合金等からなっているので、長期に亘り強靭性、剛性を保持することができると共に、本発明に適用される硬質ゴム製の弾性芯材は耐老化性に優れているので、長期に亘り弾発緩衝性を維持するという作用効果を奏するものである。
【0023】
従って、金属製の補強材本体が有する機械的強度と、硬質ゴム製の弾性芯材が有する弾発緩衝性との相乗効果により、交差する柱構造材と梁、桁構造材の相互間の接合が強化され、また、地震や台風等により木造建築物の鉛直方向や水平方向に強度の振動が加わってもこれが吸収され、長期に亘り木造建築物の優れた耐震性能が維持されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐震補強金具を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線矢視を示す断面図である。
【図3】本発明の取付け状態を示す部分側面図である。
【図4】本発明の使用状態を示す斜視図である。
【図5】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 耐震補強金具
1′ 内面
1″ 外面
11 補強材本体
111 折曲部
112 締着座
113 ボルト止孔
114 防滑条溝
12 弾性芯材
13 ねじボルト
131 ワッシャー
A 建築構造材
A−1 柱構造材
A−2 梁、桁構造材
Claims (4)
- 交差する建築構造材の相互間を接合する金属と硬質ゴムとからなる耐震補強金具であって、L字状の折曲部を有し、当該折曲部方向に向かうに従い厚肉に形成した金属製の補強材本体の中芯に、硬質ゴム製の弾性芯材を一体に埋設した構成であることを特徴とする耐震補強金具。
- 耐震補強金具の外面に、折曲部が直角に形成された耐震補強金具の内面と平行な面をなす締着座を形成し、当該締着座の面と直交する方向にボルト止孔が穿設されていることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強金具。
- 金属製の補強材本体が、不銹鋼、アルミニウム又はアルミ合金からなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐震補強金具。
- 硬質ゴム製の弾性芯材が、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンメチレン三元共重合体)からなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の耐震補強金具。
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