JPH10152668A - 熱線反射ガラスのシール、接着方法 - Google Patents

熱線反射ガラスのシール、接着方法

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JPH10152668A
JPH10152668A JP2922497A JP2922497A JPH10152668A JP H10152668 A JPH10152668 A JP H10152668A JP 2922497 A JP2922497 A JP 2922497A JP 2922497 A JP2922497 A JP 2922497A JP H10152668 A JPH10152668 A JP H10152668A
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polymer
sealing
component
unsaturated
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JP2922497A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Makoto Chinami
誠 千波
Masafumi Sakaguchi
雅史 坂口
Junji Takase
純治 高瀬
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合
体を主成分として含有する硬化性組成物の硬化物を用い
熱線反射ガラスをシールあるいは接着する方法において
硬化物の耐侯接着性を改善すること。 【解決手段】 (A)反応性ケイ素基を有する飽和炭化
水素系重合体、(B)乾性油などの空気中の酸素と反応
することにより重合しうる不飽和基を分子中に有する化
合物を含有する組成物を用いる方法により耐候接着性を
改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐候接着性を示
す熱線反射ガラスのシールあるいは接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱線反射ガラスはガラス表面を金属化合
物等で表面処理したガラスである。このガラスは夏期に
は太陽光からの熱線を反射し、冬期には室内からの熱線
を反射し、効率的な空調に寄与する。ガラスが建築物や
車両に用いられる場合、あらかじめ成形されたガスケッ
トを用いて建築物や車両に取り付けることが可能であ
る。しかし、ガラスを建築物や車両に取り付けた後でシ
ーリング材を目地に注入し接着やシールをすれば目地の
形状にかかわらず接着やシールをすることが可能であ
る。従って、ガラスのシールにはシーリング材がよく用
いられる。
【0003】シーリング材はガラスやガラス以外の被着
体に対して大きい接着強度を有することが必要である。
さらにシーリング材は接着強度が熱や光によって経時的
に低下しないこと、すなわち耐侯接着性が必要である。
しかしながら、ガラス等の透明な材料にシーリング材を
用いると接着面に光が照射されるため耐侯接着性が劣る
ことがある。特に熱線反射ガラスにシーリング材を用い
ると耐侯接着性が劣ることが多い。
【0004】ケイ素原子に結合した水酸基または加水分
解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋
し得るケイ素含有基(以下、「反応性ケイ素基」とい
う。)を有する飽和炭化水素系重合体は、室温において
も湿分等により反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴う
シロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が
得られるという興味深い性質を有することが知られてい
る。このため、複層ガラス用シーリング材や建築用弾性
シーリング材等に用いることができる。この重合体は主
鎖が熱や光によって劣化しにくい飽和炭化水素から構成
されている。しかし、この重合体を用いたシーリング材
はガラスなど透明材料に用いると耐侯接着性が劣る場合
があった。特開平8−81599号公報には接着強度を
改善するため、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系
重合体にシランンカップリング剤を添加した硬化性組成
物が開示されている。シランンカップリング剤を用いる
ことにより硬化初期には大きい接着強度を有する硬化物
が得られるものの耐侯接着性が劣る場合があることがわ
かった。特に、この組成物を熱線反射ガラス等の表面処
理したガラスに用いる場合、耐侯接着性が劣る場合が多
いことがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、反応
性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体を含有する硬
化性組成物を用い熱線反射ガラスをシールあるいは接着
する方法において硬化物が優れた耐候接着性(熱、光な
どによる接着性能の経時変化がない性質)を示す方法を
提供することにある。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、特開平8−
41357号公報や特開平8−41138号公報に記載
されている乾性油等の空気中の酸素と反応しうる不飽和
化合物を添加した組成物を用いると、この組成物の硬化
物物性の低下などの悪影響を及ぼさないで、耐候接着性
を改善することができることを見い出した。
【0007】すなわち、本発明は、(A)ケイ素原子に
結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン
結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少
なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体を用いる熱線
反射ガラスのシールあるいは接着方法において、前記
(A)成分の重合体及び(B)空気中の酸素と反応する
ことにより重合し得る不飽和基を分子中に有する化合物
を含有する硬化性組成物を用いることを特徴とする熱線
反射ガラスのシールあるいは接着方法に関するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる反応性ケイ素基を
有する飽和炭化水素系重合体は、芳香環以外の炭素ー炭
素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、たと
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレ
ン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレン
などがあげられる。反応性ケイ素基としては、一般式
(1)、
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数7〜20のアラルキル基または
(R’)3SiO−(R’は、それぞれ独立に、炭素数
1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で
示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、
それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さ
らに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、
1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になるこ
とはない。また、mは0または1〜19の整数である)
で表される基があげられる。
【0011】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0012】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。反応性
ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上必要である
が、シロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の
場合には、20個以下であることが好ましい。とくに、
一般式(2)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R2、X、aは前記と同じ)で表
される反応性ケイ素基が、入手が容易であるので好まし
い。飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ素基は
1個以上であり、1.1〜5個あることが好ましい。分
子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になる
と、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性が得られな
くなることがある。
【0015】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端
にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。
【0016】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチレ
ン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどのよう
な炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとし
て重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどの
ようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記
オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する
などの方法により得ることができるが、イソブチレン系
重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基
を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官
能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0017】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテ
ン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテ
ン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0018】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化
水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の
ばあいと同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単
量体単位を含有させてもよい。
【0019】また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化
合物のような重合後2重結合の残るような単量体単位を
少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とく
には1%以下の範囲で含有させてもよい。飽和炭化水素
系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体または水添
ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜5
0,000程度であるのが好ましく、500〜30,0
00程度であるのがさらに好ましく、1,000〜1
5,000程度の液状ないし流動性を有するものが取扱
いやすいなどの点からとくに好ましい。
【0020】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。反応性ケイ素基を
有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファ
ー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と
連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重
合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能
型イソブチレン系重合体を用いて製造することができ
る。例えば、この重合体の脱ハロゲン化水素反応や特開
昭63−105005号公報に記載されているような重
合体への不飽和基導入反応等により末端に不飽和基を有
するポリイソブチレンを得た後、一般式
【0021】
【化4】
【0022】(式中、R1、R2、X,aおよびbは前記
と同じである。)で表されるヒドロシラン化合物(この
化合物は一般式(1)で表される基に水素原子が結合し
た化合物である。)、好ましくは、一般式
【0023】
【化5】
【0024】(式中、R2、Xおよびaは前記と同じで
ある。)で示されるヒドロシラン化合物を白金触媒を用
いてヒドロシリル化反応と呼ばれる付加反応をさせるこ
とにより反応性ケイ素基を重合体に導入する方法があげ
られる。ヒドロシラン化合物としては、たとえば、トリ
クロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロ
シラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シ
ラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メ
チルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェ
ニルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メ
チルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン
のようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシ
メート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシ
メート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。これらのうちではとくにハロゲン化シラン類、アル
コキシシラン類が好ましい。
【0025】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特公平7−108928号、特開昭6
3−254149号、特開昭64−22904号、特開
昭64−38407号の各明細書などに記載されてい
る。また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブ
チレン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー
中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシ
ラン類を添加し、共重合せしめることにより製造され
る。
【0026】さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際し
て、主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケ
イ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを
共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入するこ
とにより、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体が製造される。
【0027】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0028】前記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(3): CH2=CH−R3−Y (3) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、−R4−OCO−または−R4−CO
−(R4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、アル
キレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラル
キレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、−C
2−、−R”−C65−CH2−(R”は炭素数1〜1
0の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとくに好まし
い)で示される有機ハロゲン化合物を反応させることに
より、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン系
重合体が製造される。
【0029】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。前記方法では、出発原料として使用
した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ
同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場
合には、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させ
る前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼ
ン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分
子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物
と反応させれば分子量を増大させることができ、その後
一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させ
れば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する
水添ポリブタジエン系重合体をうることができる。
【0030】前記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0031】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応を
させることにより製造される。前記のように反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体が、芳香環でない不
飽和結合を分子中に実質的に含有しない場合には、不飽
和結合を有する有機系重合体やオキシアルキレン系重合
体のような従来のゴム系重合体よりなるシーリング剤な
どとくらべて、著しく耐候性がよくなる。また、該重合
体は炭化水素系重合体であるので湿気遮断性や耐水性が
よく、ガラス、アルミなどの各種無機質基材に対して優
れた接着性能を有するとともに、湿気遮断性の低い硬化
物になる。
【0032】本発明に用いる硬化性組成物中の反応性ケ
イ素基を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%
以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以
上がとくに好ましい。本発明に用いる硬化性組成物にお
いては、耐候接着性を高めるために、(B)成分として
空気中の酸素と反応することにより重合し得る不飽和基
を分子中に有する化合物を使用する。空気中の酸素と反
応することにより重合し得る不飽和基を分子中に有する
化合物は酸化重合反応性物質ともいう。
【0033】(B)成分の具体例としては、不飽和高級
脂肪酸とアルコールとのエステル化合物、1,2−ポリ
ブタジエン、1,4−ポリブタジエン、C5〜C8ジエン
などのジエン系重合体や共重合体、さらには該重合体や
共重合体の各種変性物(マレイン化変性体、ボイル油変
性体など)などがある。酸化重合反応の反応性は反応温
度、湿度、光、添加物などによって影響を受け、(A)
成分に(B)成分として空気中の酸素により重合し得る
不飽和化合物を添加した場合、(B)成分は光の照射に
よって、ガラスなどの被着体との接着面でさらに硬い被
膜を形成し得るために、(A)成分の耐候接着性改良剤
としてより強く作用すると推定される。
【0034】(B)成分として、不飽和高級脂肪酸とア
ルコールとのエステルを主成分とするエステル化合物を
用いると、熱線反射ガラスなどの各種ガラスに対する耐
候接着性が顕著に改善される。不飽和高級脂肪酸とアル
コールとのエステルの不飽和高級脂肪酸成分は1分子中
の炭素数が少なくとも10個有するものが好ましく、そ
の不飽和基数およびカルボキシル基数は、それぞれ1個
をこえて存在していてもよい。
【0035】上記の不飽和高級脂肪酸のエステル化合物
の具体例を挙げると、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、エレオステアリン酸、リカン酸、リシノール酸、
アラキドン酸などの高級不飽和脂肪酸と、メタノール、
エタノールなどの1価アルコール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどの2価アルコール、トリ
メチロールプロパン、グリセリンなどの3価アルコー
ル、ペンタエリスリトールなどの4価アルコール、ソル
ビッドなどの6価アルコールや、ケイ素原子に結合した
有機基を介して水酸基を有する有機ケイ素化合物などか
ら選択されるアルコールとの縮合反応より得られるエス
テル化合物がある。
【0036】前記酸化重合反応の反応性は、飽和脂肪酸
基は不飽和脂肪酸基に比べて著しく小さく、不飽和脂肪
酸基の内でも二重結合の数と共役性の大きさに比例し
て、反応性が高くなることが知られている。従って、上
記の不飽和高級脂肪酸のエステル化合物の内でも、ヨウ
素価が100以上を示すエステル化合物が、反応性が高
いために好ましい。
【0037】上記のヨウ素価が100以上を示す不飽和
高級脂肪酸のエステル化合物は、先述のように不飽和高
級脂肪酸とアルコールとを縮合反応して製造してもよい
が、実際的には不飽和高級脂肪酸とグリセリンとのエス
テルであるトリグリセリンエステルを主成分とする亜麻
仁油、桐油、大豆油、アサ実油、イサノ油、ウルシ核
油、エゴマ油、オイチシカ油、カヤ油、クルミ油、ケシ
油、サクランボ種子油、ザクロ種子油、サフラワー油、
タバコ種子油、トウハゼ核油、ゴム種子油、ヒマワリ種
子油、ブドウ核油、ホウセンカ種子油、ミツバ種子油な
どの乾性油が、安価で、簡便に入手できるためにより好
ましい。
【0038】これらの乾性油には、炭素数が10以上の
不飽和高級脂肪酸エステル化合物、炭素数が10未満の
不飽和高級脂肪酸のエステル化合物、飽和脂肪酸エステ
ル化合物、アルコール類、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸な
どが存在することがあるが、炭素数が10以上の不飽和
高級脂肪酸エステル化合物が乾性油中100重量%存在
することが最も好ましいが、少なくとも80重量%であ
ることが好ましい。
【0039】先述したように、前記酸化重合反応の反応
性は不飽和脂肪酸基の共役性の大きさに比例するため、
上記の乾性油の中でも、エレオステアリン酸、リカン
酸、プニカ酸、カヌルピン酸などの共役系不飽和高級脂
肪酸のトリグリセリンエステルを主成分として有する乾
性油は、酸化重合反応の反応性が高いために耐候接着性
改善効果がより高く、最も好ましい。共役系不飽和高級
脂肪酸のトリグリセリンエステルを主成分として有する
乾性油の具体例としては、桐油、オイチシカ油、ザクロ
種子油、ホウセンカ種子油などがある。
【0040】(B)成分は単独で使用してもよいし、2
種以上併用してもよい。(B)成分の耐候接着性改善効
果をより確実に、迅速に発揮させる必要がある場合に
は、さらに、光増感剤を添加すると効果がある。空気中
の酸素と反応し得る不飽和化合物は、本発明に用いる組
成物に用いた場合、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体を含有してなる硬化性組成物の耐候接着性を
大幅に改善することができる。しかも、前記空気中の酸
素と反応し得る不飽和化合物は硬化物物性に悪影響を与
えない。
【0041】(B)成分の配合量は、(A)成分100
部に対して0.1〜20部が好ましいが、1〜10部配
合することがとくに好ましい。配合量が0.1部未満の
場合には、耐候接着性の改善効果が十分でないことがあ
り、20部をこえるとシーリング材組成物の貯蔵安定性
が低下することがある。本発明に用いる硬化性組成物に
は、必要に応じて各種添加剤が添加される。
【0042】このような添加物の例としては、たとえ
ば、シラノール縮合反応を促進する硬化触媒、生成する
硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、可塑剤、充填
剤、シランカップリング剤等の接着性向上剤、老化防止
剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、
オゾン劣化防止剤、光安定剤、リン系過酸化物分解剤、
滑剤、顔料、発泡剤などがあげられる。
【0043】このうちシランカップリング剤(以下、
(C)成分ともいう)を用いると本発明に用いる硬化性
組成物の各種基材に対する接着性を大きく向上させる。
(C)成分であるシランカップリング剤は、加水分解性
基が結合した珪素原子を含む基(以下、加水分解性珪素
基という)及びこの基以外の官能性基を有する化合物で
ある。この加水分解性珪素基の例としては、一般式
(1)で表わされる基のうちXが加水分解性基であるも
のを挙げることができる。具体的には、加水分解性基と
して既に例示した基を挙げることができるが、メトキシ
基等のアルコキシ基が好ましい。加水分解性基の個数
は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
【0044】加水分解性珪素基以外の官能基としては、
1級、2級、3級のアミノ基、メルカプト基、エポキシ
基、カルボキシル基、ビニル基、ハロゲン、イソシアネ
ート基等を例示できる。これらのうち、ビニル基、エポ
キシ基、イソシアネート基等が好ましい。加水分解性珪
素基とそれ以外の官能基は、アルキレン基、アリーレン
基等の炭化水素基で結合されていればよいが、特にそれ
らに限定されるものではない。シランカップリング剤の
分子量は、500以下、特に300以下であることが好
ましい。
【0045】シランカップリング剤の具体例としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチ
ル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジル
アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミ
ノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメ
ルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン等のエポキシ結合含有シラン類;β−
カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシ
エチルフェニルビス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-
β-(N-カルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシ
シラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロ
プロピルメチルトリメトキシシラン等の塩素原子含有シ
ラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等
のイソシアネート基含有シラン類等を挙げることができ
る。また、これらを変性した誘導体等もシランカップリ
ング剤として用いることができる。
【0046】エポキシシランとして、次の一般式で示さ
れる化合物も挙げることができる。
【0047】
【化6】
【0048】式中、R5 は炭素数が1から20の置換又
は非置換の2価の有機基であり、R 6 は構造式(CH3
0)3 Si−CH=CH−、(C2 5 0)3 Si−C
H=CH−、又はアルコキシシリル基である。R5 とし
て好ましい基は、アルキレン基、シクロアルキレン基、
アルケニレン基、アリーレン基、アラルキレン基等であ
る。このような化合物の具体例としては、
【0049】
【化7】
【0050】を挙げることができる。また、イソシアネ
ートシランとして、次の一般式で示される化合物を挙げ
ることができる。
【0051】
【化8】
【0052】式中、R1 、R2 、R5 、X、a、b、m
は前記と同じである。これらの化合物の具体例として
は、前述したものが挙げられる。更に、アミノ基置換シ
ランカップリング剤としては、前述のγ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン等や(C2 5 O)3 SiCH2
CH2 CH2 NHCH2CH2 NHCH2 CH2 CH2
Si(C2 5 O)3 等のアミノ基置換アルコキシシラ
ン、及び上記アミノ基置換アルコキシシランと、
【0053】
【化9】
【0054】等のエポキシシラン化合物との反応物、又
は上記アミノ基置換アルコキシシランと、CH2 =C
(CH3 )C(=O)−O−CH2 CH2 CH2 Si
(OCH33 、CH2 =C(CH3 )C(=O)−O
−CH2 CH2 CH2 −Si(OCH2 CH2 OC
3 3 、等のメタクリルオキシシラン化合物との反応
物も挙げることができる。
【0055】アミノ基置換アルコキシシランとエポキシ
シラン化合物又はメタクリルオキシシラン化合物との反
応は、アミノ基置換アルコキシシラン1モルに対して当
該シラン化合物を0.2〜5モル混合し、室温乃至18
0℃の範囲で1〜8時間攪拌することによって容易に得
ることができる。また、被着体が陽極酸化処理したアル
ミニウムや、金属或いは金属化合物で表面処理したガラ
スには、シランカップリング剤のなかでも、エポキシシ
ランやイソシアネートシランが初期接着性や耐候接着性
が優れるという点で、他のシランカップリング剤よりも
好ましい。特にイソシアネートシランが最も優れた性能
を示す。
【0056】シランカップリング剤は、反応性珪素基を
有する飽和炭化水素系重合体100部(重量部、以下同
じ)に対し、0.01〜20部の範囲で使用される。特
に0.1〜10部の範囲で使用するのが好ましい。上記
シランカップリング剤は1種類のみで使用してもよい
し、2種類以上混合使用しても良い。他の添加物の具体
例は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−
108928号、特開昭63−254149号、特開昭
64−22904号の各明細書などに記載されている。
【0057】本発明に用いる硬化性組成物は、汎用無機
ガラス(フロートガラス)などの各種ガラスに用いた場
合、すぐれた耐候接着性を示すが、熱線反射ガラスに使
用した場合には、耐候接着性を改善する効果が特に顕著
である。本発明が適用される熱線反射ガラスとは、ガラ
ス表面に金属膜、金属窒化物膜、金属酸化物膜などを被
覆することにより、特定の波長の光を反射または吸収す
るなどの光学的機能を備えたガラスを示す。
【0058】ガラス表面に処理される金属や金属化合物
としては、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、
鉄、チタン等の金属単体、又はこれらの金属酸化物や窒
化物を挙げることができる。これらの金属又は金属化合
物は、スプレー法、CVD法、真空蒸着法、スパッタリ
ング法等で形成させることができる。本発明の空気中の
酸素により重合し得る不飽和化合物の効果は、前述の各
種添加剤が添加された場合も同様に認められる。すなわ
ち、本発明に用いる硬化性組成物が建築用弾性シーリン
グ剤や複層ガラス用シーリング剤、および、網入りガラ
スや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材
などに用いられた場合、該化合物の添加により、それら
シーリング剤の耐候接着性を改善することができる。ま
た接着剤としても同様に用いられる。
【0059】
【実施例】つぎに実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0060】
【製造例】3Lの耐圧ガラス製オ−トクレ−ブに撹拌用
羽根、三方コック及び真空ラインを取り付けて、真空ラ
インで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加
熱することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コック
を用いて窒素で常圧に戻した。
【0061】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオ−トクレ−ブにモレキュラー
シーブ処理によって乾燥させた溶媒、塩化メチレン61
8mL、n−ヘキサン1001mLを導入した。次いで
p−DCC(下記化合物)15mmolを溶解させた5
0mLの塩化メチレン溶液を添加した。さらに続いて添
加剤α−ピコリン6.0mmolを添加した。
【0062】
【化10】
【0063】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが224g入
っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管
を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドラ
イアイス−アセトンバスに浸積し、重合器内部を撹拌し
ながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部
を減圧した後、ニ−ドルバルブを開け、イソブチレンを
耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。
その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧
に戻し、さらに撹拌下に1時間冷却を続け、重合容器内
を−70℃まで昇温した。
【0064】次に、TiCl4 8.2mL(75mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、1時間経過した時点で、アリルシラン14.3
mL(90mmol)を添加した。さらに1時間反応さ
せた後、反応混合物をメタノールに注ぎ反応を停止させ
た。しばらく撹拌した後静置し、ポリマ−を沈殿分離さ
せた。
【0065】このようにして得られたポリマ−を再びn
−ヘキサンに溶解させ、純水で3回洗浄した後、溶媒を
留去しアリル末端イソブチレン系ポリマーを得た。次い
で、こうして得られたアリル末端イソブチレンポリマ−
100gを、n−ヘプタン50mlに溶解し、約70℃
まで昇温した後、メチルジメトキシシラン1.5[eq/
ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体1x10-4
[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化反応を行っ
た。FT−IRにより反応追跡を行い、約4時間で16
40cm-1のオレフィン吸収が消失した。
【0066】反応溶液を減圧濃縮することにより、目的
とする両末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレンポ
リマ−が得られた。(下記化合物)
【0067】
【化11】
【0068】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMR
は、Varian Gemini300(300MHz
for 1H)を用い、CDCl3中で測定した。
【0069】なお、FT−IRは島津製作所製IR−4
08、GPCは送液システムとしてWaters LC
Module1、カラムはShodex K−804
を用いて行った。分子量はポリスチレンスタンダードに
対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、
Mn=11416、Mw/Mn=1.18、Fn(シリ
ル)=1.95であった。(数平均分子量はポリスチレ
ン換算、末端シリル官能基数はイソブチレンポリマー1
分子当たりの個数)。
【0070】
【実施例1〜2および比較例1〜2】製造例で得られた
重合体100部に対し、パラフィン基プロセスオイル
(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−3
2)90部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム
(株)製、商品名スノーライトSS)30部、膠質炭酸
カルシウム(白石工業(株)製、商品名EDS−D10
A)100部、タルク(富士タルク工業(株)製、商品
名タルクLMR)100部、Na2SO4・10H2O6
部、光安定剤 ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル
(三新化学(株)製、商品名サンダントNBC)3部、
[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラー
ト)]−n−ブチルアミンニッケル(ACC(株)製、
商品名CYASORB UV−1084)3部、酸化防
止剤(チバガイギー(株)製、商品名イルガノックス1
010)1部、紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、
商品名チヌビン327)1部、光安定剤(三共(株)
製、商品名サノールLS−770)1部、エポキシシラ
ンカップリング剤であるγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン(日本ユニカー(株)製、商品名シラン
カップリング剤A−187)2部、イシシアネートシラ
ンカップリング剤であるγ−イソシアネートプロピルト
リエトキシシラン(日本ユニカー(株)製、商品名シラ
ンカップリング剤Y−9030)4部、空気中の酸素と
反応し得る不飽和化合物として桐油を表1に示す部数加
え、三本ペイントロールでよく混練して主剤とした。
【0071】また、パラフィン基プロセスオイル(出光
興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)1
0部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、
商品名スノーライトSS)20部、硬化触媒(日東化成
(株)製、商品名U−220)4部、カーボンブラック
(三菱化学(株)製、商品名CB#30)2.5部をデ
ィスポーザルカップ中で手混ぜ混練した後、日本精機製
作所(株)製のエクセル・オート・ホモジナイザーを用
いて、回転数10000rpmで10分間撹拌する操作
を3回行うことにより硬化剤を調製した。
【0072】試験用サンプルは、JIS A 5758
−1992規定の引張接着性試験体の作製方法に従っ
て、ガラス基材をH型に組み、上記の主剤と硬化剤を1
2:1の重量比で秤量して充分混練した後、配合物中の
泡をスパチュラで押しつぶしながら充填し、オーブン中
で硬化させた。養生条件はいずれも、23℃×7日+5
0℃×7日である。H型引張試験用に用いた基材は、J
IS A 5758−1992に準拠したフロートガラ
ス(広苑社製:日本シーリング材工業会指定、寸法:3
×5×0.5cm)、または、TiOxを表面に熱融着
させた熱線反射ガラス(セントラル硝子(株)製、商品
名:KLS、寸法:5×5×0.6cm)、である。こ
れらの被着体は、配合物を充填する前に、メチルエチル
ケトン(和光純薬製:特級)で洗浄し、清浄な綿布でふ
いた。
【0073】上記の方法で作製したH型引張試験用硬化
物を、耐候性試験後に引張接着性試験を行い、引張特性
と破壊形態を比較することにより耐候接着性を評価し
た。引張接着性試験は、JIS A 5758−199
2規定の引張接着性試験方法に従って、温度23℃、湿
度65±5%の恒温室中、引張速度50mm/minの
条件で、島津オートグラフAG−2000Aを用いて行
った。表1中の凝集破壊(CF)・薄層破壊(TCF)・
界面破壊(AF)の割合は、引張試験後の破断面を目で
見て判断した割合である。耐候性試験は、光源にサンシ
ャインカーボンを用い、ブラックパネル温度を63℃に
設定したスガ試験機株式会社製サンシャイン・スーパー
ロングライフ・ウェザーメーターWEL−SUN−HC
中にH型引張試験用サンプルを入れ、表1に示す時間、
耐候性試験機(SWOM)内で曝露した後き取り出し、
H型引張接着性試験を行った。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】表1に示す通り、桐油を添加しない場合
(比較例1、2)、被着体として一般的なガラスである
フローートガラスを用いると、SWOM3000時間曝
露した後も、100%凝集破壊を示しているが、難接着
ガラスである熱線反射ガラス:KLSを被着体として用
いると、SWOM1000時間曝露後には、100%界
面破壊を示し、各種ガラスに対して十分な耐候接着性を
有しないことがわかる。しかし、桐油を6部添加した場
合(実施例1、2)、各種ガラスに対する耐候接着性が
良く、いずれのガラスを用いても100%凝集破壊を示
し、最大引張り応力の値も高い値となった。また、30
%引張り応力の値の比較からわかるように、桐油を添加
しても硬化物物性に悪影響を与えない。このように、分
子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する飽和炭化
水素系重合体からなる硬化性組成物のガラス基材に対す
る耐候接着性は、空気中の酸素と反応しうる不飽和化合
物の添加により改善されることが確認できる。特に、熱
線反射ガラスのようなガラス表面を金属膜で被覆した難
接着ガラスに対して、顕著な効果が見られる。
【0076】
【発明の効果】本発明の熱線反射ガラスのシールあるい
は接着方法によれば熱線反射ガラスに対する耐候接着性
に優れるシールあるいは接着が可能になる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体を用いる熱線反射ガラスのシール
    あるいは接着方法において、前記(A)成分の重合体及
    び(B)空気中の酸素と反応することにより重合し得る
    不飽和基を分子中に有する化合物を含有する硬化性組成
    物を用いることを特徴とする熱線反射ガラスのシールあ
    るいは接着方法。
  2. 【請求項2】 ケイ素原子に結合した水酸基または加水
    分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより
    架橋し得るケイ素含有基が一般式(1)、 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
    数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される基である
    請求項1記載のシールあるいは接着方法。
  3. 【請求項3】 加水分解性基が水素原子、アルコキシ
    基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、ア
    ミド基、アミノオキシ基、メルカプト基またはアルケニ
    ルオキシ基である請求項2記載のシールあるいは接着方
    法。
  4. 【請求項4】 Xがアルコキシ基であることを特徴とす
    る請求項2記載のシールあるいは接着方法。
  5. 【請求項5】 飽和炭化水素系重合体の数平均分子量が
    500〜50000であることを特徴とする請求項1記
    載のシールあるいは接着方法。
  6. 【請求項6】 飽和炭化水素系重合体が、イソブチレン
    に起因する繰り返し単位の総量が50重量%以上有する
    重合体である請求項1記載のシールあるいは接着方法。
  7. 【請求項7】 (B)成分が、不飽和高級脂肪酸とアル
    コールとのエステル化合物であることを特徴とする請求
    項1記載のシールあるいは接着方法。
  8. 【請求項8】 不飽和高級脂肪酸とアルコールとのエス
    テル化合物が、ヨウ素価が100以上を示す不飽和高級
    脂肪酸とアルコールとのエステル化合物であることを特
    徴とする請求項7記載のシールあるいは接着方法。
  9. 【請求項9】 (B)成分が、乾性油であることを特徴
    とする請求項1記載のシールあるいは接着方法。
  10. 【請求項10】 乾性油が、共役系不飽和高級脂肪酸の
    トリグリセリンエステルである乾性油であることを特徴
    とする請求項9記載のシールあるいは接着方法。
  11. 【請求項11】 硬化性組成物がさらに(C)シランカ
    ップリング剤を含有することを特徴とする請求項1記載
    のシールあるいは接着方法。
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