JPH10151790A - イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法

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JPH10151790A
JPH10151790A JP8324886A JP32488696A JPH10151790A JP H10151790 A JPH10151790 A JP H10151790A JP 8324886 A JP8324886 A JP 8324886A JP 32488696 A JP32488696 A JP 32488696A JP H10151790 A JPH10151790 A JP H10151790A
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electrode
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Naohito Shiga
直仁 志賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚の方向性がなく且つ表面粗さが微小で厚
さむらのない絶縁体層を備え、イオン発生量のばらつき
をなくしたイオンフロー静電記録ヘッドの製法を提供す
る。 【解決手段】 絶縁基板11上に設けた複数の第1電極12
と、該第1電極と交差して設けた交差部に開口部14aを
有する複数の第2電極14と、前記交差部と対応して開口
部16aを有する第3電極16と、第1,第2電極間に設け
た誘電体層13と、第2,第3電極間に設けた開口部15a
を有する絶縁体層15とを備えたイオンフロー静電記録ヘ
ッドの製法において、前記第2電極14と誘電体層13上に
粘度20000cpsの付加型耐熱ポリイミド樹脂製の絶縁体ペ
ーストをスキーザ18とメタルマスク19を用いてオリフラ
と平行にスキージして塗布し、次いでオリフラと直交方
向で再度スキージを行って絶縁体ペースト層20を形成
し、溶媒を揮発除去した後、硬化して膜厚ばらつきを1
μm以下に抑えた絶縁体層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静電式の印刷や
複写に利用されるイオンフロー静電記録ヘッドの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば静電印刷などにおいて、
高電流密度のイオンを発生させ、これを抽出して選択的
に被帯電部材に付与して、この被帯電部材を画像状に帯
電させる静電記録装置が知られている。
【0003】この静電記録装置に用いられるイオンフロ
ー静電記録ヘッドには、図8の(A),(B)に示すよ
うな構成のものが知られている。図8の(A),(B)
において、1は絶縁基板で、該絶縁基板1上には同方向
に略直線状に延設され、略平行に並設された複数の第1
電極2が設けられている。これらの第1電極2は、誘電
体層3の一方の面に固着されている。また、誘電体層3
の他方の面には、第1電極2の延設方向と異なる方向に
延設された複数の第2電極4が接着剤8で固着されてい
る。そして、複数の第1電極2・・・と複数の第2電極
4・・・とでマトリックスを構成している。更に、この
第2電極4のマトリックスの交差部と対応する部分に
は、イオン発生用の開口部4aが形成されている。ま
た、第2電極4の第1電極2と反対側には、絶縁体層5
を介して第3電極6が配設されている。これらの絶縁体
層5及び第3電極6には、第2電極4の開口部4aと対
応する開口部5a,6aがそれぞれ形成されており、こ
れらの開口部5a,6aによってイオン流通過口7が形
成されている。
【0004】そして、このように構成されたイオンフロ
ー静電記録ヘッドにおいては、第1電極2と第2電極4
とのマトリックスの、選択された部分に対応する第1電
極2と第2電極4との間に、交互に高電圧を印加するこ
とにより、その部分に対向する第2電極4の開口部4a
近傍に、正・負のイオンが発生する。また、第2電極4
と第3電極6との間にはバイアス電圧が印加され、その
極性によって決まるイオンのみが、発生したイオンから
選択的に抽出され、イオン流通過口7を通過し、第3電
極6と対向して配置される被帯電部材を部分的に帯電さ
せることができる。したがって、マトリックス構造の第
1及び第2の電極を選択的に駆動することにより、ドッ
トによる静電記録を行うことができるようになってい
る。
【0005】このように構成されたイオンフロー静電記
録ヘッドの誘電体層3を形成する誘電物質には、イオン
発生のために印加される高電圧でも絶縁破壊しないこと
が要求される。また、この誘電体層3はイオンを効率よ
く発生させ、絶縁破壊にも耐えられる程度の厚さを必要
とするため、高誘電率を有するものが適している。例え
ば、特開平2−153760号公報では、誘電体層の材
料として、シリコーン変性ポリエステルアルキド樹脂中
に酸化チタン粉を混在させたものを用いたものを開示し
ている。また、上記公報開示のものでは、第1電極の材
料としては銅箔,第2電極及び第3電極の材料としては
ステンレス鋼のシートが用いられていると共に、この第
2電極を誘電体層に固着する接着剤や第3電極を絶縁体
層に固着する接着剤として、シリコーン系の感圧接着剤
が用いられている。また、絶縁体層5の材料としては、
ドライフイルムソルダマスクが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に構成されているイオンフロー静電記録ヘッドの駆動時
には、第1電極2と第2電極4との間の高電圧下での放
電により、その周辺の部材、特に第2電極4と第3電極
6との間に存在する絶縁体層5は、活性化した多量のイ
オンに曝される。特開平2−153760号公報に開示
されているように、この絶縁体層5としてドライフイル
ムソルダマスクを用いている場合には、ソルダマスクの
素材がアクリル樹脂であるために、比較的短時間で絶縁
体層5を構成する樹脂が活性イオンに侵され、高分子鎖
がバラバラに切断され、絶縁体層5の開口部5aの表面
から次第に粉を吹く現象が見られる。この粉は、経時的
に第3電極6の開口部6a周辺に付着し、開口部6aを
徐々に塞いでいく。また、第2電極4が設けられておら
ず、第1電極2と第3電極6とが誘電体層3と絶縁体層
5を挟んで相対しているような周辺部などにおける非イ
オン発生部では、誘電体層3と絶縁体層5の界面や、第
3電極6の端面近傍の絶縁体層5の表面においても放電
が起きやすくなっており、特開平2−153760号公
報に開示されているように、絶縁体層5としてドライフ
イルムソルダマスクを用いている場合では、素材のアク
リル樹脂が第1電極2と第3電極6間の高電圧に耐えら
れず、徐々に放電が発生して侵食され、ついには絶縁破
壊に至る現象が見られる。
【0007】したがって、第3電極6の開口部6aの開
口径が経時的に縮小し、発生したイオンが制御されにく
くなると同時に、イオン発生部以外の場所で放電が発生
することによって、経時的に第2電極4の各開口部4a
内での電気特性が変化し、均一にイオンを発生できない
部分が存在したり、漏電及び短絡現象が起きることによ
り、静電記録される画像の画質も劣化し、高精細な画像
が得られなくなるという問題がある。
【0008】上記問題点等を鋭意検討の結果、絶縁体層
5の厚みむらが、各開口部からのイオン発生量のばらつ
きを引き起こす最も重要な要因であることが判明した。
また、絶縁体層を、スキーザとメタルマスクを用いて絶
縁体ペーストを絶縁基板ウエハ上に印刷塗布し、溶剤を
除去乾燥した後に硬化して形成すると、比較的平滑な絶
縁体層を形成できることが判明した。しかし、この際、
端縁部が直線状の稜線形状を有するスキーザを用いて、
一方向の印刷塗布を行うような、ウエハ上への通常の印
刷塗布方法では、絶縁体層の中央部分や周辺部分が若干
膨らんだり、ウエハのオリフラ( orientation flat )
近辺でむらになったりして、部分的に膜厚の平滑性が欠
くという問題点があった。
【0009】本発明は、従来の絶縁体層における上記問
題点を解消するためになされたもので、請求項1記載の
発明は、膜厚の方向性がなく、表面粗さが微小で且つ厚
さむらのない絶縁体層を備え、高精細な画像形成が可能
なイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供するこ
とを目的とする。請求項2記載の発明は、請求項1記載
のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、更
に絶縁基板を構成するウエハのオリフラの影響を回避し
た絶縁体層の形成方法を提供することを目的とする。請
求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のイオンフロ
ー静電記録ヘッドの製造方法において、更に厚さむらを
生じさせないようにした絶縁体層の形成方法を提供する
ことを目的とする。請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれか1項に記載のイオンフロー静電記録ヘッド
の製造方法において、長時間の放電下でも劣化しない絶
縁体層の形成方法を提供することを目的とする。請求項
5記載の発明は、請求項4記載のイオンフロー静電記録
ヘッドの製造方法において、温度変化に伴う膨脹・収縮
によって生じる反り等を最小限に抑えることができるポ
リイミド樹脂からなる絶縁体層の形成方法を提供するこ
とを目的とする。請求項6記載の発明は、請求項4又は
5記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法におい
て、低温度域での溶剤揮発のみで硬化・成膜でき、且つ
耐コロナ放電性の高いポリイミド樹脂からなる絶縁体層
の形成方法を提供することを目的とする。請求項7記載
の発明は、請求項1〜〜3のいずれか1項に記載のイオ
ンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、更に長時
間の放電下でも劣化せず、第3電極の開口径を変化させ
ず、イオン発生部以外の場所での放電による漏電や短絡
現象を発生させることがないようにした絶縁体層の形成
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、絶縁基板上に一方向に且つ
平行に延設された複数の第1電極と、該第1電極と交差
する方向に延設され、前記第1電極と共にマトリックス
を形成し、該マトリックスの交差部と対応する部分に開
口部が形成されている複数の第2電極と、該第2電極に
対し前記第1電極とは反対側に配置され、前記マトリッ
クスの交差部と対応する部分に開口部が形成されている
第3電極と、前記第1電極と第2電極との間に設けられ
た誘電体層と、前記第2電極と第3電極との間に設けら
れ、前記マトリックスの交差部に対応する部分に開口部
が形成されている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電
記録ヘッドの製造方法において、前記第2電極及び誘電
体層上に、絶縁体ペーストをスキーザとメタルマスクを
用いて一方向にスキージして塗布し厚さ30μm以上150
μm以下の未硬化の絶縁体ペースト層を形成する工程
と、前記未硬化の絶縁体ペースト層を前記スキージ方向
と直交する方向に再スキージする工程と、前記再スキー
ジした絶縁体ペースト層から溶剤を揮発乾燥させた後、
絶縁体ペースト層を硬化させて膜厚のばらつきが1μm
以下の絶縁体層を形成する工程とを備えていることを特
徴とするものである。
【0011】このような工程を用いることにより、最初
の一方向のスキージにより塗布形成された絶縁体ペース
ト層において残った膜厚不均一性を、最初のスキージ方
向と直交する方向の再スキージにより補正し、膜厚の方
向性をなくすと共に、膜厚のばらつきを1μm以下にし
て、より平滑な表面を有する絶縁体層を形成することが
可能となる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載のイ
オンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、前記ス
キーザによりスキージする2方向は、前記絶縁基板を構
成するウエハのオリフラと平行な方向とこれに直交する
方向とするものである。オリフラが存在することによっ
て、直径方向のスキージ距離が、オリフラに平行な方向
と直交方向とで異なり、これによりウエハ上に形成する
絶縁体層に膜厚の方向性が生じるが、スキージ方向を上
記のように設定することによって上記膜厚の方向性を回
避しやすくなり、絶縁体層の膜厚ばらつきを容易に1μ
m以下とすることができ、より平滑な表面を実現するこ
とができる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、
前記スキーザのスキージする稜線の形状を、硬化後の前
記絶縁体層の膜厚分布をキャンセルする形状に形成する
ものである。このように予め膜厚データをフィードバッ
クして膜厚分布をキャンセルするような形状に、スキー
ザの稜線(端縁部)を形成し、このスキーザを用いるこ
とにより、より平滑な表面をもつ絶縁体層を形成するこ
とができる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造
方法において、前記絶縁体ペーストとして、粘度が5000
cps以上1500000cps以下のポリイミド樹脂を主成分とす
るペーストを用いたことを特徴とするものである。この
ように、絶縁体ペーストとして耐コロナ放電性の高いポ
リイミド樹脂を主成分とするペーストを用いることによ
り、長時間の放電下でも劣化しない絶縁体層が得られ、
それにより第3電極の開口部の開口径を変化させず、イ
オン発生部以外の部分での放電による漏電や短絡現象を
発生させることがないイオンフロー静電記録ヘッドが実
現できる。また数百cps 程度の低粘度溶液を、スピンコ
ートやディッピング等によって数十回も塗布・乾燥・硬
化の各工程を繰り返して行う従来の厚膜均一成膜手法に
比べ、少ない工数で、厚膜で且つ平滑な膜厚ばらつきの
殆どないポリイミド樹脂からなる絶縁体層の成膜を行う
ことができる。なお、ここでペーストの粘度を5000〜15
00000cpsとしているのは、5000cps 未満では、30μm以
上の膜厚の形成が難しくなり、1500000cpsを越えると、
付与されているチクソトロピック性の度合いにもよる
が、前記スキーザによる平滑化操作によっても、絶縁体
ペースト層を平滑化しきれなくなりやすいからである。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項4記載のイ
オンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、前記ポ
リイミド樹脂を主成分とするペーストは、硬化後に線膨
脹率が10ppm/K以下のポリイミド樹脂層となるペースト
であることを特徴とするものである。これにより、セラ
ミック製基板等の線膨脹係数の小さい材料からなる絶縁
基板上に厚膜の絶縁体層を成膜した際に、温度変化に伴
う膨脹・収縮によって生じる反り等の変形を最小限に抑
えることができ、対向配設される被帯電部材とのギャッ
プを全体に渡って均一化し、高精細な画像形成が可能な
イオンフロー静電記録ヘッドを実現することができる。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項4又は5記
載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、
前記ポリイミド樹脂を主成分とするペーストは、溶剤可
溶型ポリイミド樹脂を主成分とするペーストであること
を特徴とするものである。これにより、高温硬化時に収
縮して変形を起こしたり他の樹脂材料がダメージを受け
たりすることがないような、低温度域での溶剤揮発のみ
で硬化・成膜でき、且つ耐コロナ放電性の高い絶縁体層
を形成することができる。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造
方法において、前記絶縁体ペーストとして、セラミック
材料ペーストを用いたことを特徴とするものである。こ
れにより請求項4記載の発明におけるポリイミド樹脂か
らなる絶縁体層よりも、更に長時間の放電下でも劣化せ
ず、第3電極の開口部の開口径を変化させず、イオン発
生部以外の部分での放電による漏電や短絡現象を発生さ
せることのない、高耐久性で高精細な画像形成が可能な
イオンフロー静電記録ヘッドを実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、実施の形態について説明す
る。図1〜図6は、本発明に係るイオンフロー静電記録
ヘッドの製造方法の第1の実施の形態を説明するための
製造工程を示す断面図で、単一の素子部分を示してい
る。まず、表面を研磨処理した石英からなる厚さ 0.6mm
の絶縁基板11を用意し、該絶縁基板11の表面を洗浄した
後、図1に示すように、該絶縁基板11の板面に、スパッ
タリングによって厚さ1μmのチタンを全面に成膜し、
続いて、絶縁基板11上のチタン薄膜層をフォトエッチン
グ処理することにより、絶縁基板11上に第1電極12を形
成する。
【0019】次に図2に示すように、絶縁基板11におけ
る第1電極12のパターン形成面側に、プラズマCVD法
により窒化珪素を4μm厚に成膜し、誘電体層13を形成
する。更に、成膜した誘電体層13の上に、スパッタリン
グによりモリブデン膜を厚さ1μm成膜し、図3に示す
ように、フォトエッチングで第2電極のパターンにパタ
ーニングし、第2電極14を積層形成する。この第2電極
14には、複数の開口部14a・・・のパターンが形成され
ている。
【0020】続いて、絶縁基板11上に第1電極12,誘電
体層13及び第2電極14を形成した表面に、図4に示すよ
うに、粘度20000cpsの付加型耐熱ポリイミド樹脂製の絶
縁体ペーストを、メタルスキーザ18とメタルマスク19を
用いたスクリーン印刷により塗布し、未硬化の絶縁体ペ
ースト層20を形成する。この際、まず絶縁基板11を構成
するウエハのオリフラと平行な方向でスキージを行って
絶縁体ペーストを塗布し、続いてオリフラと直交する方
向で再度スキージを行う。その後、絶縁体ペースト層20
中の溶媒を揮発・除去した後、硬化させる。これによ
り、膜厚ばらつきが1μm以下に抑えられた、平滑な絶
縁体層が形成される。その後、フォトエッチングにより
絶縁体層のパターンにパターニングし、図5に示すよう
な、開口部15aを備えた厚さ50μmの絶縁体層15が形成
される。
【0021】絶縁体層15は、イオンフロー静電記録ヘッ
ドのイオン発生及び制御の電気仕様から、厚さ30μm以
上 150μm以下が適する。絶縁体層15の厚さが30μm未
満であると、発生したイオンが漏れ易く制御できなくな
り、また 150μmを超えると、各開口部14a,15a及び
次に述べる第3電極の開口部内の電界が弱まり、発生し
たイオンを第3電極の開口部から外に放出したり止めた
りする制御が難しくなる。
【0022】次に、ウエハ内からイオンフロー静電記録
ヘッドの構成に必要な部分をダイシングして切り出し、
第2電極14の開口部14a・・・と対応した開口部16a・
・・を予め形成した第3電極16を、絶縁体層15の開口部
15aと第3電極16の開口部16aとを位置合わせした状態
で絶縁体層15上に重ね合わされて、図6に示すイオンフ
ロー静電記録ヘッドが完成する。なお、第3電極16はニ
ッケル箔を用いて電鋳により作製し、絶縁体層15と第3
電極16とは粘着剤や両面テープで貼り合わせる他、第3
電極16上から片面テープで絶縁体層15に貼り付けてもよ
い。また、第3電極16は直接絶縁体層15上に、スパッタ
リング等の薄膜技術を用いパターニングして形成しても
よい。
【0023】このようにしてイオンフロー静電記録ヘッ
ドを製作する製造方法においては、イオンフロー静電記
録ヘッドの絶縁体層15の形成時に、誘電体層13及び第2
電極14の上に20000cpsのポリイミド樹脂製の未硬化の絶
縁体ペーストを、まずオリフラと平行方向にスキーザで
スキージして塗布し、次いでオリフラと直交する方向に
スキーザで再スキージを行って未硬化の絶縁体ペースト
層20を平滑化し、溶媒を揮発乾燥させた後、加熱硬化し
て、絶縁体層15を形成するようにしているので、膜厚ば
らつきを1μm以下にした、30μm以上 150μm以下の
厚膜の平滑な絶縁体層15を容易に形成することができ
る。そして、この絶縁体層15は耐コロナ放電性も高いの
で、開口部15aが活性化されたイオンにより劣化し難
く、また非イオン発生部における絶縁体層も放電により
劣化し難く、初期の電気特性を長時間維持できる。その
結果、初期の高画質を長時間維持できる高耐久性のイオ
ンフロー静電記録ヘッドを実現することができる。
【0024】なお、本実施の形態においては、絶縁体ペ
ースト層として付加型ポリイミド樹脂からなるペースト
を用いたものを示したが、後工程のフォトエッチングで
のパターニングをより容易にするために、膜質としては
堅めではあるが、耐コロナ放電性は非常に高いネガ型感
光性ポリイミド樹脂,例えば、「TBb−1150N
(s)」(商品名、日東電工製)にポリイミド樹脂フィ
ラーを添加して、数万cps に高粘度化したペーストを用
いることによっても耐久性が向上できる。
【0025】また、絶縁体層を線膨脹係数の小さいポリ
イミド樹脂,例えば、セントラル硝子製「PABL−G
S」(粘度:230000cps ,線膨脹係数:約1ppm )を用
いて形成すると、石英からなる絶縁基板の線膨脹係数0.
55ppm にかなり近く、温度変化に伴う膨脹収縮に対して
も殆ど変形せず、長さ方向全体に渡って対向して配設さ
れる被帯電部材(帯電ドラム)とのギャップを均一にで
き、高精細な画像が形成できるイオンフロー静電記録ヘ
ッドが得られる。
【0026】更にスキージの際にメタルマスク19と未硬
化の絶縁体ペースト層20に接するスキーザ18の稜線18a
の形状を、図7に示すように、稜線の形状を直線とした
スキーザによりスキージした後硬化させて得られる絶縁
体層15′の膜厚分布15a(図示例では、中央部分と周辺
部分が膨らんで大なる膜厚となっている態様を示してい
る)をキャンセルする形状に、すなわち予め膜厚データ
をフィードバックした形状に形成したスキーザ18を用い
ることにより、より平滑な表面をもつ絶縁体層が得られ
る。
【0027】次に第2の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、第1の実施の形態において絶縁体
ペーストとして付加型ポリイミド樹脂からなるペースト
を用いていた代わりに、溶剤可溶型ポリイミド樹脂から
なるペーストを用いたもので、他の製造工程は第1の実
施の形態と同様にしてイオンフロー静電記録ヘッドを製
造するものである。
【0028】本実施の形態で用いる溶剤可溶型ポリイミ
ド樹脂は、例えば「CRI−100」(商品名、新日本
製鉄製)であり、m−クレゾール中に35wt%溶解させ
た、粘度約50000cpsのものを、第1の実施の形態で製作
したものと同様にスキーザを用いてオリフラと平行方向
にスキージを行ってスクリーン印刷で塗布して絶縁体ペ
ースト層を形成し、次いでオリフラと直交する方向に再
度スキーザでスキージして、ウエハ内の膜厚方向性をな
くし、未硬化の絶縁体ペースト層の表面を平滑にした
後、溶媒を揮発させて、厚みばらつきが1μm以下で厚
さ50μmの絶縁体層を形成する。
【0029】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
と同様に、厚みばらつきの小さい、厚膜の絶縁体層を形
成でき、且つ耐コロナ放電性も高いので、絶縁体層の開
口部が活性化されたイオンにより劣化し難く、また非イ
オン発生部でも放電により劣化し難く、初期の電気特性
を長時間維持でき、その結果、初期の高画質を長時間維
持できる高耐久性のイオンフロー静電記録ヘッドを実現
することができる。
【0030】また、比較的低温下で絶縁体層を成膜でき
るため、短時間での成膜が実現できる上、絶縁体層より
下の層に対する熱的ダメージがなく、高温硬化しなくて
はならない通常のポリイミド樹脂では、高温硬化したも
のを常温付近まで冷却することで生じる、絶縁体層の歪
みや変形といった不具合を回避することができる。更
に、絶縁体層の周辺の他の構成材料への制約も少なくな
り、より安価な材料・製造工程が採用できる。
【0031】次に第3の実施の形態について説明する。
この実施の形態においては、第1の実施の形態において
絶縁体層を付加型ポリイミド樹脂を用いて形成していた
代わりに、耐熱無機バインダー,例えば、「レッドプル
ーフMR−100」((株)熱研製)によってセラミッ
ク絶縁膜を成膜し、これをフォトエッチングしてパター
ニングすることにより、厚さ50μmの絶縁体層を形成
し、これ以外の工程は第1の実施の形態と同様の工程を
用いて、イオンフロー静電記録ヘッドを作製するもので
ある。
【0032】本実施の形態で用いる耐熱無機バインダー
は、水に珪素化合物を主成分として溶解させ、これにア
ルミナ,ジルコニア,溶融シリカ,ムライト,マイカ等
のセラミックフィラーを各種配合させたものであり、ス
キージして塗布した後、方向を変えて再スキージを行
い、常温で1時間乾燥し、その後常温で2日間放置し
て、硬化を終了させる。この材料を用いると、常温近辺
での成膜であるため、大きな膜内の残留応力や周辺構成
材料への熱的負荷のない厚膜形成ができる。
【0033】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
と同様に、反り等の変形がなく厚膜の絶縁体層を形成で
き、且つセラミック材料であるため、有機材料であるポ
リイミド樹脂に比べて、熱やコロナ放電にも強く、耐コ
ロナ放電性も高いので、絶縁体層の開口部が活性化され
たイオンにより劣化し難く、また非イオン発生部でも放
電により劣化し難く、初期の電気特性を長時間維持で
き、その結果、初期の高画質を長時間維持できる高耐久
性のイオンフロー静電記録ヘッドを実現することができ
る。
【0034】また、常温付近のかなり低温下で絶縁体層
を成膜できるため、熱的ダメージがなく、熱膨脹係数も
絶縁基板や誘電体層の材料に近い。このため、高温硬化
しなくてはならない通常のポリイミド樹脂では、高温硬
化したものを常温付近まで冷却することにより生じる、
絶縁体層表層及び絶縁体層の歪みや変形といった不具合
を回避することができ、絶縁体層周辺の他の構成材料の
制約も少なくなり、より安価な材料及び製造工程が採用
できる。
【0035】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項1記載の発明によれば、膜厚の方向性がな
く、表面粗さが微小で且つ厚さむらのない絶縁体層を形
成することができ、高精細な画像形成の可能なイオンフ
ロー静電記録ヘッドを容易に製造することができる。請
求項2記載の発明によれば、ウエハのオリフラによる膜
厚の方向性を回避しやすくなり、絶縁体層の膜厚ばらつ
きを容易に1μm以下にすることができ、より平滑な表
面の絶縁体層を実現することができる。請求項3記載の
発明によれば、スキージする稜線の形状を硬化後の絶縁
体層の膜厚分布をキャンセルする形状にしたスキーザを
用いて絶縁体ペースト層を形成するようにしているの
で、より平滑な表面をもつ絶縁体層を形成することが可
能となる。請求項4記載の発明によれば、耐コロナ放電
性の高いポリイミド樹脂を主成分とするペーストを用い
て絶縁体層を形成するようにしているので、長時間の放
電下でも劣化しない絶縁体層が得られ、それにより第3
電極の開口部の開口径を変化させず、またイオン発生部
以外の部分での放電による漏電や短絡現象を発生させる
ことがない高耐久性で高精細な画像形成が可能なイオン
フロー静電記録ヘッドを実現することができ、更に、少
ない工数で、厚膜で且つ平滑な膜厚ばらつきの殆どない
ポリイミド樹脂からなる絶縁体層の成膜を行うことがで
きる。
【0036】また、請求項5記載の発明によれば、厚膜
の絶縁体層の成膜を行っても、全体に渡って反り等の変
形を最小限に抑えることができ、イオンフロー静電記録
ヘッドに対向配設される被帯電部材とのギャップを全体
に渡って均一化し、高精細な画像形成が可能なイオンフ
ロー静電記録ヘッドを実現することができる。請求項6
記載の発明によれば、溶剤可溶型ポリイミド樹脂を主成
分とするペーストを用いて絶縁体層を形成しているの
で、高温硬化時に収縮して変形を起こしたり、他の樹脂
材料がダメージを受けたりすることがないような、低温
度域での溶剤揮発のみで硬化・成膜ができ、且つ耐コロ
ナ放電性の高い絶縁体層を形成することができる。また
請求項7記載の発明によれば、セラミック材料のペース
トを用いて絶縁体層を形成しているので、ポリイミド樹
脂からなる絶縁体層よりも、更に長時間の放電下でも劣
化せず、更に高耐久性で高精細な画像形成が可能なイオ
ンフロー静電記録ヘッドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオンフロー静電記録ヘッドの製
造方法の第1の実施の形態を説明するための製造工程を
示す概略断面図である。
【図2】図1に示した製造工程に続く製造工程を示す概
略断面図である。
【図3】図2に示した製造工程に続く製造工程を示す概
略断面図である。
【図4】図3に示した製造工程に続く製造工程を示す概
略断面図である。
【図5】図4に示した製造工程に続く製造工程を示す概
略断面図である。
【図6】図5に示した製造工程に続く製造工程を示す概
略断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態において用いるスキ
ーザの稜線形状の構成例を示す概略図である。
【図8】従来のイオンフロー静電記録ヘッドの構成例を
示す断面図及び一部を破断して示す斜視図である。
【符号の説明】
11 絶縁基板 12 第1電極 13 誘電体層 14 第2電極 14a 開口部 15 絶縁体層 15a 開口部 16 第3電極 16a 開口部 18 スキーザ 19 メタルマスク 20 未硬化絶縁体ペースト層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に一方向に且つ平行に延設さ
    れた複数の第1電極と、該第1電極と交差する方向に延
    設され、前記第1電極と共にマトリックスを形成し、該
    マトリックスの交差部と対応する部分に開口部が形成さ
    れている複数の第2電極と、該第2電極に対し前記第1
    電極とは反対側に配置され、前記マトリックスの交差部
    と対応する部分に開口部が形成されている第3電極と、
    前記第1電極と第2電極との間に設けられた誘電体層
    と、前記第2電極と第3電極との間に設けられ、前記マ
    トリックスの交差部に対応する部分に開口部が形成され
    ている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電記録ヘッド
    の製造方法において、前記第2電極及び誘電体層上に、
    絶縁体ペーストをスキーザとメタルマスクを用いて一方
    向にスキージして塗布し厚さ30μm以上 150μm以下の
    未硬化の絶縁体ペースト層を形成する工程と、前記未硬
    化の絶縁体ペースト層を前記スキージ方向と直交する方
    向に再スキージする工程と、前記再スキージした絶縁体
    ペースト層から溶剤を揮発乾燥させた後、絶縁体ペース
    ト層を硬化させて膜厚のばらつきが1μm以下の絶縁体
    層を形成する工程とを備えていることを特徴とするイオ
    ンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記スキーザによりスキージする2方向
    は、前記絶縁基板を構成するウエハのオリフラと平行な
    方向とこれに直交する方向であることを特徴とする請求
    項1記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記スキーザのスキージする稜線の形状
    が、硬化後の前記絶縁体層の膜厚分布をキャンセルする
    形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記絶縁体ペーストとして、粘度が5000
    cps 以上1500000cps以下のポリイミド樹脂を主成分とす
    るペーストを用いたことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリイミド樹脂を主成分とするペー
    ストは、硬化後に線膨脹率が10ppm/K以下のポリイミド
    樹脂層となるペーストであることを特徴とする請求項4
    記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ポリイミド樹脂を主成分とするペー
    ストは、溶剤可溶型ポリイミド樹脂を主成分とするペー
    ストであることを特徴とする請求項4又は5記載のイオ
    ンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記絶縁体ペーストとして、セラミック
    材料ペーストを用いたことを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製
    造方法。
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