JPH05286167A - イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法

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JPH05286167A
JPH05286167A JP9280792A JP9280792A JPH05286167A JP H05286167 A JPH05286167 A JP H05286167A JP 9280792 A JP9280792 A JP 9280792A JP 9280792 A JP9280792 A JP 9280792A JP H05286167 A JPH05286167 A JP H05286167A
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Naohito Shiga
直仁 志賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は長時間の高温下でも誘電体層が劣化せ
ず、マイカと同程度の高精細な画像を形成し、コスト低
下を図ることを最も主要な特徴とする。 【構成】低融点ガラス粉末中に高誘電率セラミック粉末
を分散して誘電体ペーストを調製し、この誘電体ペース
トをイオンフロー静電記録ヘッド1の絶縁基板2上およ
びこの絶縁基板2上に積層された第1電極3…上に塗布
したのち、加熱硬化して誘電体層4を形成することを特
徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば静電式の印刷や複
写を行なう静電記録装置で使用されるイオンフロー静電
記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば静電印刷等において、高
電流密度のイオンを発生させ、これを抽出して選択的に
被帯電部材に付与して、この被帯電部材を画像状に帯電
させる静電記録装置が知られている。
【0003】この静電記録装置に用いられるイオンフロ
ー静電記録ヘッドは誘電体層とその誘電体層の一方の側
に固着され、第1の方向に伸びる複数の第1電極と、誘
電体層の他方の側に固着され、第1電極の伸び方向と交
差する方向に伸びる複数の第2電極とを有し、複数の第
1電極と複数の第2電極とでマトリックスを構成する。
そして、この第2電極のマトリックスと対応する部位に
はイオン発生用の開口部が形成されている。
【0004】また、第2電極の第1電極と反対側には第
3電極が配設されている。この第3電極と第2電極との
間には絶縁体層が配設されている。これらの絶縁体層お
よび第3電極には第2電極の開口部と対応する開口部が
形成されており、これらの開口部によってイオン流通過
口が形成されている。
【0005】そして、第1電極と第2電極との間のマト
リックスの選択された部分に対応する第1電極と第2電
極との間に交互に高電圧を印加することにより、その部
分に対向する第2電極の開口部近傍に正・負のイオンが
発生する。
【0006】また、第2電極と第3電極との間にはバイ
アス電圧が印加され、その極性によって決まるイオンの
みが発生したイオンから選択的に抽出され、イオン流通
過口を通過し、第3電極と対向配置される被帯電部材を
部分的に帯電させることができる。したがって、マトリ
ックス構造の電極を選択的に駆動することにより、ドッ
トによる静電記録を行なうことができる。
【0007】ここで使用される誘電体層を形成する誘電
物質はイオン発生のために印加される高電圧でも絶縁破
壊しないことが要求される。また、誘電体層はイオンを
効率よく発生させ、絶縁破壊にも耐えられる程度の厚さ
が必要となるため、高い誘電率を有するものが適してい
る。
【0008】そこで、従来からイオンフロー静電記録ヘ
ッドの誘電物質としては一般にマイカが用いられてい
る。そして、このマイカは例えば有機ポリシロキサン系
の粘着剤により電極に固着されている。
【0009】また、最近では特開平2−153760号
公報のように、シリコーン変性ポリエステル−アルキド
樹脂といった有機高分子材料に酸化チタンの微粉末を分
散させて誘電体層を形成させる方法が提唱されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来から用いられてい
る誘電物質としてのマイカは、電気的特性や耐久性は他
の誘電体より優れているが、天然物であるため、均一な
厚さ、均一な電気特性、ピンホール等の欠陥のない均質
性等の特性を満足する材料を選定、選別することが、非
常に困難であり、歩留まりが悪く、結果として高価なも
のとなる。
【0011】また、特開平2−153760号公報に記
載されているようにシリコーン変性ポリエステル−アル
キド樹脂といった有機高分子材料に酸化チタンの微粉末
を分散させてペースト状にしたものを、直接電極上に塗
布し、硬化させる方法では、ペーストの乾燥、硬化がそ
れぞれ100℃で1時間、150℃で5時間といった高
温長時間の条件で行われる。
【0012】さらに、イオンフロー静電記録ヘッドの動
作時には第1、第2電極間の高電圧下での放電により、
この放電部の周辺の部材、特に第1、第2電極間に存在
する誘電体層は高温に曝される。
【0013】この誘電体層のバインダーとして有機高分
子系樹脂を用いた場合には高分子樹脂中にいくら高誘電
率粉末を分散させても、高電圧印加状態という厳しい使
用環境下では、比較的短時間で誘電体層のバインダーが
熱酸化劣化を生じ、高分子鎖がバラバラに切断され、誘
電体層の表面から次第に粉を吹く現象が見られる。
【0014】従って、経時的に第2電極のイオン発生用
の各開口部内での電気特性が変化し、均一にイオンを発
生できない部分が現れたり、漏電及び短絡現象が起きる
おそれがあるので、イオンフロー静電記録ヘッドの初期
の電気特性を維持できなくなるおそれがあり、イオンフ
ロー静電記録ヘッドの動作時に高精細な画像が得られな
い問題がある。
【0015】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的は、長時間の高温下でも誘電体層が劣化
せず、マイカと同程度の高精細な画像形成が可能で、コ
スト低下が図れるイオンフロー静電記録ヘッドの製造方
法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は低融点ガラス粉
末中に高誘電率セラミック粉末を分散して誘電体ペース
トを調製する誘電体ペースト調製工程と、この誘電体ペ
ーストをイオンフロー静電記録ヘッド本体の絶縁基板上
およびこの絶縁基板上に積層された第1電極上に塗布し
たのち、加熱硬化して誘電体層を形成する誘電体層形成
工程とを具備したものである。
【0017】
【作用】イオンフロー静電記録ヘッド本体の製造時には
予め低融点ガラス粉末中に高誘電率セラミック粉末を分
散して誘電体ペーストを調製し、この誘電体ペーストを
イオンフロー静電記録ヘッド本体の絶縁基板上およびこ
の絶縁基板上に積層された第1電極上に塗布したのち、
加熱硬化して誘電体層を形成する。ここで、誘電体層を
形成する物質として低融点ガラス中にセラミック粉体を
分散させた誘電体材料を使用することにより、セラミッ
ク製の誘電体層を形成させることができ、高耐熱性・低
熱膨脹率で、かつ放電による熱酸化劣化を受けにくく、
初期の電気特性を長時間維持することができる。さら
に、形成された誘電体層の表面は、高温で低速昇温の為
にレベリングし、平滑で接着性も良好なものとなり、第
2電極の接着層の精度も向上する。この結果、誘電体を
挟んだ放電は経時的に安定化し、発生するイオン量は均
一となり、高精細で耐久性も向上できるようにしたもの
である。
【0018】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図面を
参照して説明する。図1(A),(B)は静電記録装置
のイオンフロー静電記録ヘッド1の概略構成を示すもの
で、2はイオンフロー静電記録ヘッド1の絶縁基板であ
る。
【0019】この絶縁基板2上にはイオン発生用の誘導
電極である複数の第1電極3…が設けられている。これ
らの複数の第1電極3…は一方向に向けて略平行に並設
されている。また、絶縁基板2上には第1電極3…の並
設面側にこれらの第1電極3…を埋設する状態で誘電体
層4が設けられている。
【0020】この誘電体層4は絶縁基板2よび第1電極
3…上に塗布された誘電体ペーストを硬化させて形成さ
れている。また、誘電体層4の表面には接着剤層5を介
して放電電極である複数の第2電極6…が接着されてい
る。
【0021】さらに、複数の第2電極6…は誘電体層4
における絶縁基板2とは反対側の面に第1電極3…と交
差する方向に並設されており、第1電極3…と第2電極
6…とによってマトリックスが構成されている。そし
て、第2電極6…にはこのマトリックスと対応する部位
にそれぞれイオン発生用の開口部6a…が形成されてい
る。
【0022】また、誘電体層4の第2電極6…の並設面
側には第2電極6…を埋設する状態で絶縁体層7が設け
られている。この絶縁体層7には第2電極6…の各開口
部6a…と対応する部位に開口部7a…が形成されてい
る。
【0023】さらに、絶縁体層7の表面には帯状の第3
電極8が設けられている。この第3電極8には第1電極
3…と第2電極6…とのマトリックスと対応する部位に
開口部8a…が形成されている。この第3電極8の開口
部8a…は絶縁体層7の開口部7a…および第2電極6
…の開口部6a…と連通されてイオンフロー静電記録ヘ
ッド1のイオン流通過口9…が形成されている。
【0024】そして、イオンフロー静電記録ヘッド1の
動作時には印字信号にもとづいて第1電極3…と第2電
極6…との間のマトリックスが適宜選択され、選択され
たマトリックス部分に対応する第1電極3…と第2電極
6…との間に交流電圧が印加される。
【0025】これにより、選択されたマトリックス部分
に対応する第2電極6…の開口部6a…内の近傍部位に
正負イオンが発生する。このとき、第2電極6…と第3
電極8との間にはバイアス電圧が印加され、その極性に
よって決まるイオンのみが第2電極6…の開口部6a…
内の近傍部位に発生したイオンから抽出される。
【0026】そして、抽出されたイオンは絶縁体層7の
開口部7aおよび第3電極8の開口部8a…を通過し、
図示しない誘電体ドラムを局部的に帯電させる。したが
って、第1電極3…および第2電極6…の選択的駆動に
より、誘電体ドラム上にドット潜像を形成することがで
きる。
【0027】次に、図1(A),(B)のイオンフロー
静電記録ヘッド1の製造方法について詳細に説明する。
まず、絶縁基板2上に第1電極3…が形成される。この
場合、絶縁基板2は例えば厚さ1mmのアルミナ製プリ
ント基板(セラミック基板)である。この絶縁基板2に
はスクリーン印刷で白金ペーストが第1電極3のパター
ンで塗布され、焼き付けて厚さ20μmの第1電極3が
形成される。
【0028】また、絶縁基板2上に第1電極3…を形成
した後、絶縁基板2上の第1電極3のパターン間および
第1電極3…上に誘電体層4が形成される。この誘電体
層4の形成時には予め酸化鉛−酸化ほう素を主成分とし
た低融点ガラス、例えば日本電気硝子(株)社製の「L
S−0810」(商品名)の粉末にチタン酸バリウムの
粉末を2:1の割合に混ぜ、次にこれにα−ターピネオ
ールを溶剤とし、これにアクリル樹脂を5%溶解させた
ものを20wt%混ぜ、ボールミル等で良く混練して誘
電体ペーストを作製する。
【0029】次に、この誘電体ペーストを図2に示すよ
うに絶縁基板2上の第1電極3のパターン間および第1
電極3…上に例えばスクリーン印刷等の手段によって塗
布する。続いて、塗布された誘電体ペーストを、まず1
20℃で15分間加熱して溶剤を除去する。この結果、
塗膜の厚さは35μmとなる。
【0030】次に、塗布された誘電体ペーストを空気中
で加熱硬化させる。この加熱硬化処理時には7〜10℃
/分で300℃まで温度上昇させ、その後4℃/分で3
70℃まで温度上昇させ、更にこの温度で10分間保持
させる。
【0031】塗布された誘電体ペーストの最終硬化はそ
の後、50〜100℃/分で410℃まで昇温し、この
温度で10分間保持させる。そして、その後、20〜4
0℃/分でゆっくりと冷却する。このようにして、図3
に示すように第1電極3上に厚さ33μmの誘電体層4
を形成させる。
【0032】次に、誘電体層4の表面上に接着剤層5を
介して第2電極6…の電極板が固着される。この第2電
極6…は予め厚さ30μmのステンレス箔をエッチング
等で複数の第2電極6…および各第2電極6の開口部6
a…の電極パターンがそれぞれパターニングされた電極
板によって形成されている。
【0033】そして、この第2電極6…の電極板は図3
に示すように第2電極6…の各開口部6a…を複数の第
1電極3…に位置合わせした状態で、誘電体層4上に接
着剤層5を介して接合される。接着剤層5はシリコーン
系接着剤をトルエンで4倍に希釈したものを、誘電体層
4および絶縁基板2上に、スプレーまたはディッピング
で塗布し、70℃で5分加熱し、溶剤分を揮発・乾燥さ
せた後、接着する。
【0034】次に、誘電体層4および絶縁基板2上と第
2電極6…との間に挟まれた接着剤層5を、130℃の
熱板上にて10分間、8Kg/cm2 の荷重下で加熱硬
化させる。ここで、絶縁基板2、第2電極6…およびそ
の開口部6a…内の接着剤層5上をシランカップリング
剤で処理しておく。
【0035】その後、絶縁基板2、第2電極6およびこ
の第2電極6の開口部6a内の接着剤層5上に絶縁体層
7が形成される。この絶縁体層7の形成作業時には第2
電極6の上に感光性絶縁フィルム(ソルダーレジスト)
が真空ラミネートされる。その後、通常の感光性フィル
ムと同様に、露光・現像等のフォトエッチング処理が施
されてこの絶縁フィルムに、複数の第2電極6…の開口
部6a…に対応したイオン流通過用の開口部7a…が形
成される。
【0036】次に、このように形成された絶縁体層7の
上に例えば厚さ30μm程度のステンレス箔に第2電極
6…の開口部6a…と対応した開口部8a…が形成され
た第3電極8が例えば接着等の手段で接合される。この
場合、第3電極8がその開口部8a…を第2電極6…の
開口部6a…と対応させた状態で位置決めして重ね合わ
されることにより、イオンフロ−静電記録ヘッド1が製
造される。なお、絶縁体層7と第3電極8とは粘着剤や
両面テープで貼り合わせる他、第3電極8を片面テープ
で絶縁体層7に貼り付けてもよい。
【0037】そこで、上記方法にあってはイオンフロー
静電記録ヘッド1の製造時には予め低融点ガラス粉末中
に高誘電率セラミック粉末であるチタン酸バリウムの粉
末を2:1の割合に混ぜ、次にこれにα−ターピネオー
ルを溶剤とし、これにアクリル樹脂を5%溶解させたも
のを20wt%混ぜ、ボールミル等で良く混練して誘電
体ペーストを調製し、この誘電体ペーストをイオンフロ
ー静電記録ヘッド1本体の絶縁基板2上およびこの絶縁
基板2上に積層された第1電極3…上に塗布したのち、
加熱硬化して誘電体層4を形成する。
【0038】ここで、誘電体層4を形成する物質として
低融点ガラス中にセラミック粉体を分散させた誘電体材
料を使用したので、セラミック製の誘電体層4を形成さ
せることができる。そのため、高耐熱性・低熱膨脹率
で、長時間の高温下でも誘電体層4が劣化せず、かつ放
電による熱酸化劣化を受けにくく、初期の電気特性を長
時間維持することができる。
【0039】さらに、形成された誘電体層4の表面は、
高温で低速昇温の為にレベリングし、平滑で接着性も良
好なものとなるので、第2電極6…の接着精度も向上す
る。この結果、イオンフロー静電記録ヘッド1の動作時
に誘電体層4を挟んだ放電は経時的に安定化し、発生す
るイオン量は均一となるので、マイカと同程度の高精細
な画像を得ることができ、耐久性も向上できる。また、
従来のように天然物であるマイカを格別に使用する必要
がないので、コスト低下が図れる。
【0040】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。これは、誘電体ペーストとして酸化鉛−酸化亜鉛
−酸化ほう素−酸化珪素を主成分としたセラミック粉末
に、第1の実施例と同様のアクリル系樹脂のバインダー
と溶剤とを混入させたガラスペースト、例えば、日本電
気硝子(株)社製「PLS−3123」(商品名)に、
チタン酸バリウムの微粉末を2倍量混ぜ、少量のα−タ
ーピネオールを加えて良く混練した物を用いたものであ
る。その他は第1の実施例と同様である。
【0041】このペーストを用いた場合の乾燥は第1の
実施例と同様の条件で行い、硬化焼成は、30℃/分で
510℃まで昇温し、そのまま5分間保持した後、50
℃/分で冷却する。昇温時は、好ましくは450℃まで
は10℃/分の昇温速度で行うと良い。
【0042】このようにして製造されたイオンフロー静
電記録ヘッド1は誘電体層4がセラミック製であるた
め、高耐熱性・低熱膨脹率でかつ放電による熱酸化劣化
を受けにくく、初期の電気特性を長時間維持することが
できる。
【0043】さらに、形成された誘電体層4の表面は、
高温で低速昇温の為にレベリングし、平滑で接着性も良
好なものとなるので、第2電極6…の接着精度も向上す
る。この結果、誘電体層4を挟んだ放電は経時的に安定
化し、発生するイオン量は均一となり、な画像を得るこ
とができ、耐久性も向上できる。
【0044】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。これは、誘電体ペーストとして酸化鉛−酸化ほう
素−酸化珪素を主成分としたセラミック粉末、例えばセ
ントラル硝子社製の非結晶系封着用粉末硝子に、第1の
実施例と同様のアクリル系樹脂のバインダーと溶剤とを
混入させ、チタン酸バリウムの微粉末を2倍量混ぜ、良
く混練した物を用いたものである。その他は第1の実施
例と同様である。この材料を用いた際の硬化条件は第1
の実施例と同様の条件で行う。
【0045】このようにして製造されたイオンフロー静
電記録ヘッド1は誘電体層4がセラミック製であるた
め、高耐熱性・低熱膨脹率で、かつ放電による熱酸化劣
化を受けにくく、初期の電気特性を長時間維持すること
ができる。
【0046】さらに、形成された誘電体層4の表面は、
高温で低速昇温の為にレベリングし、平滑で接着性も良
好なものとなるので、第2電極6…の接着精度も向上す
る。この結果、誘電体層4を挟んだ放電は経時的に安定
化し、発生するイオン量は均一となり、マイカと同程度
の高精細な画像を得ることができ、耐久性も向上でき
る。
【0047】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではない。例えば、低融点ガラスの材料としては、
酸化鉛、酸化ほう素、酸化亜鉛、酸化珪素等のセラミッ
ク粉末を主成分とし、これに高誘電率セラミック、例え
ば、酸化チタン、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムとい
った物質の微粉末を混ぜた粉末材料と、これに有機高分
子系のバインダーや溶剤を添加して液状にしたものを、
誘電体層形成用材料として用いる。
【0048】この材料を第1電極3…および絶縁基板2
の表面に塗布して溶剤を揮発させる。溶剤を揮発させた
後に、ガラスを連続的に成膜させ、かつ成膜中のバイン
ダーを除去するために所定の加熱条件および冷却条件、
すなわちプログラム平均温度で行ない成膜を硬化させ
る。
【0049】この際、樹脂の分解・燃焼が最も活発な硬
化温度付近では、昇温速度はできるだけ緩やかにし、硬
化は空気中または窒素中で行うのが望ましい。軟化点は
350〜650℃位のものである。さらに、その他この
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施できるこ
とは勿論である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば誘電体層がセラミック製
であるため、高耐熱性・低熱膨脹率でかつ放電による熱
酸化劣化を受けにくく、初期の電気特性を長時間維持す
ることができる。さらに、形成された誘電体層の表面は
高温で低速昇温の為にレベリングし、平滑で接着性も良
好なものとなり、第2電極の接着精度も向上するので、
誘電体層を挟んだ放電は経時的に安定化し、発生するイ
オン量は均一となる。そのため、マイカと同程度の高精
細な画像を得ることができ、耐久性も向上でき、コスト
低下も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を示すもので、(A)は
イオンフロ−静電記録ヘッドの概略構成を示す要部の縦
断面図、(B)はイオンフロ−静電記録ヘッドの断面斜
視図。
【図2】 第1電極および絶縁基板上に誘電体層を積層
させた状態を示す要部の縦断面図。
【図3】 第2電極を誘電体層に接着させた状態を示す
要部の縦断面図。
【符号の説明】
2…絶縁基板,3…第1電極,4…誘電体層,5…接着
剤層,6…第2電極,6a,7a,8a…開口部,7…
絶縁体層,8…第3電極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低融点ガラス粉末中に高誘電率セラミッ
    ク粉末を分散して誘電体ペーストを調製する誘電体ペー
    スト調製工程と、この誘電体ペーストをイオンフロー静
    電記録ヘッド本体の絶縁基板上およびこの絶縁基板上に
    積層された第1電極上に塗布したのち、加熱硬化して誘
    電体層を形成する誘電体層形成工程とを具備したことを
    特徴とするイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
JP9280792A 1992-04-13 1992-04-13 イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法 Withdrawn JPH05286167A (ja)

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