JPH09254432A - イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法

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JPH09254432A
JPH09254432A JP8091795A JP9179596A JPH09254432A JP H09254432 A JPH09254432 A JP H09254432A JP 8091795 A JP8091795 A JP 8091795A JP 9179596 A JP9179596 A JP 9179596A JP H09254432 A JPH09254432 A JP H09254432A
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JP
Japan
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electrode
electrodes
recording head
ion flow
electrostatic recording
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JP8091795A
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English (en)
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Naohito Shiga
直仁 志賀
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤を介さずに下地への密着性が良好で熱
変形を起こさない微細なパターニングされた電極を備え
た、画質のばらつきのない高耐久性のイオンフロー静電
記録ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁基板11上に一方向に延設された複数
の第1電極12と、該第1電極と交差する方向に延設され
交差部に開口部14aを形成している複数の第2電極14
と、前記交差部と対応する部分に開口部16aを形成して
いる第3電極16と、第1電極と第2電極間に設けられた
誘電体層13と、第2電極と第3電極間に設けられた開口
部15aを形成している絶縁体層15とを備えたイオンフロ
ー静電記録ヘッドの製造方法において、ガラス質のグレ
ーズ処理層111 を施したアルミナ絶縁基板11上に、金レ
ジネートペーストをスクリーン印刷し650 ℃で焼成した
後、フォトエッチングにより所定パターンにパターニン
グし、次いで850 ℃で再焼成して第1電極12を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静電式の印刷や
複写に利用されるイオンフロー静電記録ヘッドの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば静電印刷などにおいて、
高電流密度のイオンを発生させ、これを抽出して選択的
に被帯電部材に付与して、この被帯電部材を画像状に帯
電させる静電記録装置が知られている。
【0003】この静電記録装置に用いられるイオンフロ
ー静電記録ヘッドには、図6の(A),(B)に示すよ
うな構成のものが知られている。図において、1は絶縁
基板で、該絶縁基板1上には同方向に略直線状に延設さ
れ、略平行に並設された複数の第1電極2が設けられて
いる。これらの第1電極2は、誘電体層3の一方の面に
固着されている。また、誘電体層3の他方の面には、第
1電極2の延設方向と異なる方向に延設された複数の第
2電極4が接着剤8で固着されている。そして、複数の
第1電極2・・・と複数の第2電極4・・・とでマトリ
ックスを構成している。更に、この第2電極4のマトリ
ックスの交差部と対応する部分には、イオン発生用の開
口部4aが形成されている。また、第2電極4の第1電
極2と反対側には、絶縁体層5を介して第3電極6が配
設されている。これらの絶縁体層5及び第3電極6に
は、第2電極4の開口部4aと対応する開口部5a,6
aが形成されており、これらの開口部5a,6aによっ
てイオン流通過口7が形成されている。
【0004】そして、このように構成されたイオンフロ
ー静電記録ヘッドにおいては、第1電極2と第2電極4
とのマトリックスの、選択された部分に対応する第1電
極2と第2電極4との間に、交互に高電圧を印加するこ
とにより、その部分に対向する第2電極4の開口部4a
近傍に、正・負のイオンが発生する。また、第2電極4
と第3電極6との間にはバイアス電圧が印加され、その
極性によって決まるイオンのみが、発生したイオンから
選択的に抽出され、イオン流通過口7を通過し、第3電
極6と対向して配置される被帯電部材を部分的に帯電さ
せることがてきる。したがって、マトリックス構造の第
1及び第2の電極を選択的に駆動することにより、ドッ
トによる静電記録を行うことができるようになってい
る。
【0005】このように構成されたイオンフロー静電記
録ヘッドの誘電体層3を形成する誘電物質には、イオン
発生のために印加される高電圧でも絶縁破壊しないこと
が要求される。また、この誘電体層3はイオンを効率よ
く発生させ、絶縁破壊にも耐えられる程度の厚さを必要
とするため、高誘電率を有するものが適している。例え
ば、特開平2−153760号公報では、誘電体層の材
料として、シリコーン変性ポリエステルアルキド樹脂中
に酸化チタン粉を混在させたものを用いたものを開示し
ている。また、上記開示のものでは、第1電極の材料と
しては銅箔,第2電極及び第3電極の材料としてはステ
ンレス鋼のシートが用いられていると共に、この第2電
極を誘電体層に固着する接着剤や第3電極を絶縁体層に
固着する接着剤として、シリコーン系の感圧接着剤が用
いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
2−153760号公報に開示されているように、第2
電極の材料としてステンレス鋼のシートを用いた場合に
は、この第2電極は厚さ5μm以下の接着剤の層を介し
て、誘電体層の表面に固着される。この場合第2電極の
厚さや、接着剤の塗布条件、第2電極の貼り合わせ作業
時の加圧のばらつき、あるいは第2電極の開口部内に露
出される誘電体層の表面の接着剤除去条件等により、第
2電極と誘電体層の表面との間の接着状態に局部的なば
らつきが発生する問題がある。そのため、イオンフロー
静電記録ヘッドの動作時には、第2電極の開口部の内周
壁面以外の部分からも局部的に放電が発生し、局部的に
放電状態のばらつきが発生するので、静電記録される画
像の画質が低下する問題がある。更に、イオンフロー静
電記録ヘッドの動作によって生じる、経時的な第2電極
の開口部の周辺のステンレス表面の酸化劣化速度にも局
部的にばらつきが発生するので、耐久性の向上を図る上
でも問題がある。
【0007】また、絶縁基板上の第1電極には高電圧が
印加されるため、絶縁基板には高い絶縁耐圧が要求され
る上、イオンフロー静電記録ヘッドの動作時にはヘッド
が発熱する。このため、特開平2−153760号公報
に開示されているもののように、絶縁基板及び第1電極
の材料として、柔軟なガラス繊維強化銅張りエポキシ基
板を使用すると、組立工程中及びヘッド動作時にヘッド
の発熱により、熱膨張係数の大きく異なるエポキシ基板
が熱変形したり熱劣化し易く、絶縁耐圧が低下したり位
置ずれを起こしたりして、初期画質や耐久性に問題を起
こし易い。また絶縁体層とその上の第3電極とについて
も同様な現象があり、特開平2−153760号公報に
開示されているもののように、絶縁体層にドライフィル
ムソルダーマスクを、第3電極にステンレス箔を用いる
と、やはり初期画質や耐久性に問題を起こし易い。
【0008】本発明は、従来のイオンフロー静電記録ヘ
ッドにおける上記問題点を解消するためになされたもの
で、請求項1記載の発明は、接着剤を介さずに下地への
密着性が良好で熱変形を起こさず微細なパターニングさ
れた電極を備え、画質のばらつきのない耐久性の高いイ
オンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供することを
目的とする。請求項2記載の発明は、絶縁基板上の各電
極、誘電体層及び絶縁体層の厚さと表面粗さを高精度に
抑え、各開口部からの放電を均一にする高画質で高耐久
性のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供する
ことを目的とする。請求項3記載の発明は、電気特性並
びに電気的接続性に優れ、且つ熱による酸化劣化に高耐
久性を有するイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法を
提供することを目的とする。請求項4記載の発明は、接
着剤を介さずに下地への密着性が良好で熱変形を起こさ
ず微細なパターニングされた電極を備えたイオンフロー
静電記録ヘッドを作製するための具体的な下地材料及び
焼成温度を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、絶縁基板上に一方向に且つ
平行に延設された複数の第1電極と、該第1電極と交差
する方向に延設され、前記第1電極と共にマトリックス
を形成し、該マトリックスの交差部と対応する部分に開
口部が形成されている複数の第2電極と、該第2電極に
対し前記第1電極とは反対側に配置され、前記マトリッ
クスの交差部と対応する部分に開口部が形成されている
第3電極と、前記第1電極と第2電極との間に設けられ
た誘電体層と、前記第2電極と第3電極との間に設けら
れ、前記マトリックスの交差部に対応する部分に開口部
が形成されている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電
記録ヘッドの製造方法において、前記第1電極、第2電
極及び第3電極の少なくとも一つの電極を、セラミック
製の下地上にレジネート系材料を塗布して低温で焼成し
た後にフォトエッチングでパターニングを行い、次いで
高温で再焼成を行って形成するするものである。
【0010】セラミック製下地上では、ある程度高温焼
成しないとレジネート材料が密着し難く、一方ではあま
り高温焼成するとエッチングにおいて薄膜残渣が残留し
て電極が短絡する不具合が生じるため、相互のバランス
を取る必要があることが判明した。よって、上記請求項
1記載の工程により、接着剤を介さない上に下地への密
着性が良好で熱変形を起こさず、微細なパターニングさ
れた電極を形成することができ、画質のばらつきがなく
耐久性の高いイオンフロー静電記録ヘッドを実現するこ
とができる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載のイ
オンフロー静電記録ヘッドにおいて、セラミック製の下
地として表面粗さRa が0.5 μm以下のガラス系の下地
を用いるものである。これにより絶縁基板上の各電極、
誘電体層及び絶縁体層の厚さと表面粗さを高精度に且つ
均一に抑えることができ、各開口部からの放電を均一に
した高画質で高耐久性のイオンフロー静電記録ヘッドを
実現することができる。ここで、特に下地の表面粗さを
0.5 μm以下としているのは、通常0.2 〜0.3μmの膜
厚の電極膜を部分断線などを生じないように形成するに
は、0.5 μm以下の表面粗さの下地を必要とするからで
ある。また、下地の表面粗さを0.5 μm以下に小さく抑
えるには、低温でレベリングしやすい材料を用いるか、
焼成温度を高くして溶融状態を作ってレベリングさせれ
ばよい。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のイオンフロー静電記録ヘッドにおいて、レジネート
系材料として金レジネートを含有する材料を用いるもの
である。これにより、電気的特性に優れ、ワイヤーボン
ディング性が良好で電気的接続性に優れ、且つ熱による
酸性劣化に高耐久性を有する金製の電極を形成したイオ
ンフロー静電記録ヘッドを実現することができる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載のイオンフロー静電記録ヘッドにおい
て、前記セラミック製の下地として非晶質ガラス系の下
地を用い、前記低温での焼成温度は550 ℃以上700 ℃以
下とし、前記高温での再焼成温度は710 ℃以上900 ℃以
下とするものである。このように、セラミック製の下地
として非晶質ガラス系の下地を用いることにより、より
下地の表面粗さRa を0.5 μm以下に小さく抑えやすく
なり、またその下地上に塗布したレジネート系材料を第
1段階の低温焼成でエッチングに支障のない程度に密着
させ、且つ残渣が残らないようにエッチングしパターニ
ングができるようにし、次いで第2段階の高温焼成で更
に耐久性を有する下地への密着性を確保することができ
る。なお、上記第1段階の低温焼成において焼成温度が
550 ℃未満になると、電極パターンのエッチングの際
に、各種機械的・熱的応力に対抗する下地との密着が損
なわれ、剥がれ易くなってしまうし、また第2段階の高
温焼成において900 ℃を超える高温で焼成を行うと、下
地のセラミック材料が再溶融して、折角形成した電極の
パターン形状を崩し易くしてしまうので、各焼成温度は
上記のように設定するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態について
説明する。図1〜図5は、本発明に係るイオンフロー静
電記録ヘッドの製造方法の第1の実施の形態を説明する
ための製造工程を示す図である。まず図1に示すよう
に、厚さ約1mmのアルミナからなる絶縁基板11の表面
に、「GS−40」(日本特殊陶業製)などの非晶質ガラ
ス質のグレーズ処理層111 を厚さ50μm程度施す。この
グレーズ処理層111 の表面粗さRaは0.01μmである。
次に、この表面に「GB−1003」(田中貴金属インター
ナショナル製)などの金レジネートペーストをスクリー
ン印刷し、ベルト炉で650 ℃で10分間焼成する。そして
再度印刷と焼成を繰り返した後、フォトエッチングによ
り所定のパターンにパターニングする。次いで再度ベル
ト炉で850 ℃で10分間再焼成して、図2に示すように厚
さ0.7 μmの第1電極12を形成する。
【0015】次に、この上に、スクリーン印刷により、
非晶質ガラス系誘電体ペースト「LS−201 」(田中貴
金属インターナショナル製)を塗布し、100 ℃で溶剤を
乾燥した後ベルト炉で850 ℃で10分間焼成し、これを2
回繰り返して、厚さ20μmの誘電体層13を図3に示すよ
うに形成する。このときの誘電体層13の表面粗さRaは
0.02μmである。この表面上に、第1電極と同様にし
て、「GB−1003」(田中貴金属インターナショナル
製)などの金レジネートペーストをスクリーン印刷し、
ベルト炉で650 ℃で10分間焼成した後、再度印刷と焼成
を繰り返し、フォトエッチングにより所定のパターンに
パターニングする。そして再度ベルト炉で850 ℃で10分
間再焼成して、図4に示すように厚さ0.7 μmの第2電
極14を形成する。
【0016】次に、この上に、ポリイミド前駆体溶液を
スクリーン印刷で塗布し、400 ℃で1時間硬化した後、
アルカリエッチング液で所定のパターンにパターニング
し、厚さ50μmのポリイミド製の絶縁体層15を形成す
る。その上に、予めフォトエッチングによりパターニン
グしておいた、厚さ25μmのモリブデン製の第3電極16
を位置出しして感圧接着剤で貼り付け、図5に示すよう
に、イオンフロー静電記録ヘッドを完成する。
【0017】以上の工程で製造したイオンフロー静電記
録ヘッドの構成を、図5に基づいてまとめて説明する
と、次のとおりである。すなわち、表面にガラス系材料
のグレーズ処理層111 を形成した絶縁基板11上に、金レ
ジネートを印刷焼成しフォトエッチングでパターニング
し再度焼成して形成したイオン発生用の誘導電極である
複数の第1電極12を、一方向に向けてほぼ平行に並設し
ている。そして、絶縁基板11及び第1電極12上には、非
晶質ガラス系の誘電体ペーストを印刷焼成して形成した
誘電体層13が設けられており、この誘電体層13の表面に
は第1電極と同様にして形成された、放電電極である複
数の第2電極14が設けられている。この複数の第2電極
14は誘電体層13における絶縁基板11とは反対側の面に配
置され、第1電極12と交差する方向に並設されており、
第1電極12と第2電極14とによってマトリックスを構成
している。そして、第2電極14には、このマトリックス
の交差部に対応する部分に、イオン発生用の開口部14a
が形成されている。
【0018】誘電体層13における第2電極14の並設面側
には、第2電極14を埋設する状態でポリイミド製の絶縁
体層15が設けられており、絶縁体層15の表面には帯状の
モリブデン製の第3電極16が設けられている。この第3
電極16には、第1電極12と第2電極14のマトリックスの
交差部と対応する部分に開口部16aが形成されており、
また絶縁体層15には第2電極14の開口部14aと第3電極
16の開口部16aとの間を連通する開口部15aが形成され
ている。そして、第3電極16の開口部16aは絶縁体層15
の開口部15aを介して第2電極14の開口部14aと連通さ
れてイオン流通口17を形成して、イオンフロー静電記録
ヘッドを構成している。
【0019】このように構成されたイオンフロー静電記
録ヘッドの動作時には、印字信号に基づいて第1電極12
・・・と第2電極14・・・とのマトリックス交差部が適
宜選択され、選択されたマトリックス交差部に対応する
第1電極12・・・と第2電極14・・・との間に交流電圧
が印加される。これにより、選択されたマトリックス交
差部に対応する第2電極14・・・の開口部14a・・・内
の近傍部分に、正・負のイオンが発生する。このとき、
第2電極14・・・と第3電極16との間にはバイアス電圧
が印加され、その極性によって決まるイオンのみが、第
2電極14・・・の開口部14a・・・内の近傍部分に発生
したイオンから抽出される。そして、抽出されたイオン
は絶縁体層15の開口部15a及び第3電極16の開口部16a
・・・を通過し、図示しない誘電体ドラムを局部的に帯
電させる。したがって、第1電極12・・・及び第2電極
14・・・の選択的駆動により、誘電体ドラム上にドット
潜像を形成することができるようになっている。
【0020】上記第1の実施の形態の製造方法によれ
ば、第1電極及び第2電極を、セラミック製の下地上に
塗布したレジネート系材料を一旦低温で焼成した後にフ
ォトエッチングでパターニングしてから、高温で最終焼
成することによって形成しているので、接着剤を介さず
に各下地への密着性が良好で熱変形を起こさず微細なパ
ターニングがされた各電極を形成することができ、画質
のばらつきのない耐久性の高いイオンフロー静電記録ヘ
ッドを製作することができる。
【0021】また、セラミック製の下地として表面粗さ
Raが0.01μmのガラス系材料を用いることにより、絶
縁基板上の第1電極、誘電体層、第2電極、絶縁体層、
第3電極の各層の厚さと表面粗さを高精度に抑え、各開
口部からの放電を均一にした、高画質で高耐久性のイオ
ンフロー静電記録ヘッドを製作することができる。そし
て、前記レジネート系材料として、金レジネートペース
トを用いたことにより、電気特性に優れ、ワイヤーボン
ディング製が良好な電気的接続性に優れ、且つ熱による
酸化劣化に高耐久性を有するイオンフロー静電記録ヘッ
ドを製作することができる。
【0022】更に、第1電極及び第2電極を、非晶質ガ
ラス系セラミック製の下地上に塗布した金レジネートペ
ーストを一旦650 ℃で焼成した後にフォトエッチングで
パターニングしてから、850 ℃で最終焼成して形成する
ことにより、接着剤を介さずに各下地への密着性が良好
で熱変形を起こさず微細なパターニングがされた各電極
を形成することができ、画質のばらつきのない耐久性の
高いイオンフロー静電記録ヘッドを製作することができ
る。
【0023】なお、本実施の形態では、絶縁体層をポリ
イミド前駆体溶液を用いてスクリーン印刷し硬化して形
成したものを示したが、ポリイミドカバーレイフィルム
をラミネートして形成してもよい。また、耐久仕様によ
っては、感光性ポリイミドカバーレイフィルムやアクリ
ル樹脂製やエポキシ樹脂製のフォトソルダーレジストマ
スクを用いて形成してもよい。また、本実施の形態で
は、第3電極としてモリブデン製箔をパターニングした
ものを用いた例を示したが、耐久仕様によっては、ステ
ンレス箔やニッケル箔をパターニングしたものや、これ
らを表面処理したもの等を用いてもよい。
【0024】次に、第2の実施の形態について説明す
る。第1の実施の形態においては、絶縁体層をポリイミ
ド前駆体溶液を用いてスクリーン印刷し硬化したものを
エッチングでパターニングして形成したものを示した
が、本実施の形態では、感光性絶縁ガラスペーストを用
いてスクリーン印刷し、露光・現像・焼成して絶縁体層
15を形成するものであり、この工程以外は第1の実施の
形態と同様な工程で製作する。ここで用いる感光性絶縁
ガラスペーストは、光硬化絶縁ワニスで、日本電気
(株)や沖電気(株)等が開発して実用化しているもの
で、光が当たった部分は硬化して絶縁層になり、光が当
たらなかった部分は現像で除去され、ものによっては硬
化後の絶縁層を更に焼成して有機物を分解除去し、ガラ
ス質の無機質の絶縁体層にすることができるものであ
る。
【0025】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
と同様の効果が得られる他に、ポリイミドを強アルカリ
性溶液でウエットエッチングする必要がなくなり、薬液
処理の危険性を回避することができる。また、有機物を
分解除去してガラス質の無機質の絶縁体膜にまで処理す
ることにより、その絶縁体膜はポリイミドのような放電
や酸化により劣化しやすい有機物ではなくなるため、劣
化による画質のばらつきを防止でき、安定した均一な画
質を維持できる高耐久性のイオンフロー静電記録ヘッド
が得られる。
【0026】次に、第3の実施の形態について説明す
る。第2の実施の形態では、ガラス質の無機質絶縁体層
上にモリブデン製の第3電極を感圧接着剤で貼り付けて
形成したものを示したが、第3の実施の形態において
は、第1電極や第2電極と同様に、ガラス質の無機質絶
縁体層上に直接金レジネートペーストをスクリーン印刷
して乾燥し、ベルト炉で650 ℃で10分間焼成した後フォ
トエッチングしてパターニングし、その後更にベルト炉
で800 ℃で10分間再焼成して第3電極を形成するもので
あり、この工程以外は第2の実施の形態と同様な工程で
製作する。
【0027】本実施の形態によれば、第2の実施の形態
と同様の効果が得られる他に、絶縁体層上に第3電極を
感圧接着剤で貼り付けずに直接形成するようにしている
ので、使用中に第3電極自身が熱膨張によりたわんだり
変形したりして、絶縁体層から浮いたり剥がれたりする
ことがなくなり、帯電ドラムとの距離を常に一定に維持
でき、均一な高画質が得られる。
【0028】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項1記載の発明によれば、接着剤を介さずに下
地への密着性が良好で熱変形を起こさず微細なパターニ
ングがされた電極が形成され、画質のばらつきのない耐
久性の高いイオンフロー静電記録ヘッドを実現すること
ができる。請求項2記載の発明によれば、絶縁基板上の
各電極、誘電体層、絶縁体層の各層の厚さと表面粗さを
高精度に抑えて、各開口部からの放電を均一にし、高画
質で高耐久性のイオンフロー静電記録ヘッドを実現する
ことができる。請求項3記載の発明によれば、電気的特
性に優れ、且つワイヤーボンディング性が良好な電気的
接続性に優れ、更に熱による酸性劣化に高耐久性を有す
るイオンフロー静電記録ヘッドを実現することができ
る。請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明
と同様に、接着剤を介さずに下地への密着性が良好で熱
変形を起こさず微細なパターニングがされた電極が形成
され、画質のばらつきのない耐久性の高いイオンフロー
静電記録ヘッドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオンフロー静電記録ヘッドの製
造方法の第1の実施の形態を説明するための製造工程を
示す図である。
【図2】図1に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図3】図2に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図4】図3に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図5】図4に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図6】従来のイオンフロー静電記録ヘッドの構成例を
示す断面図及び一部を破断して示す斜視図である。
【符号の説明】
11 絶縁基板 111 グレーズ処理層 12 第1電極 13 誘電体層 14 第2電極 15 絶縁体層 16 第3電極 17 開口部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に一方向に且つ平行に延設さ
    れた複数の第1電極と、該第1電極と交差する方向に延
    設され、前記第1電極と共にマトリックスを形成し、該
    マトリックスの交差部と対応する部分に開口部が形成さ
    れている複数の第2電極と、該第2電極に対し前記第1
    電極とは反対側に配置され、前記マトリックスの交差部
    と対応する部分に開口部が形成されている第3電極と、
    前記第1電極と第2電極との間に設けられた誘電体層
    と、前記第2電極と第3電極との間に設けられ、前記マ
    トリックスの交差部に対応する部分に開口部が形成され
    ている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電記録ヘッド
    の製造方法において、前記第1電極、第2電極及び第3
    電極の少なくとも一つの電極を、セラミック製の下地上
    にレジネート系材料を塗布して低温で焼成した後にフォ
    トエッチングでパターニングを行い、次いで高温で再焼
    成を行って形成することを特徴とするイオンフロー静電
    記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記セラミック製の下地は、表面粗さR
    a が0.5 μm以下のガラス系の下地であることを特徴と
    する請求項1記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記レジネート系材料は、金レジネート
    を含有する材料であることを特徴とする請求項1又は2
    記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記セラミック製の下地は非晶質ガラス
    系の下地であり、前記低温での焼成温度は550 ℃以上70
    0 ℃以下であり、前記高温での再焼成温度は710 ℃以上
    900 ℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109203676A (zh) * 2017-06-29 2019-01-15 佳能株式会社 液体排出头、记录装置以及制造液体排出头的方法

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