JPH10149791A - 電子ビーム装置の冷却装置 - Google Patents

電子ビーム装置の冷却装置

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JPH10149791A
JPH10149791A JP8307907A JP30790796A JPH10149791A JP H10149791 A JPH10149791 A JP H10149791A JP 8307907 A JP8307907 A JP 8307907A JP 30790796 A JP30790796 A JP 30790796A JP H10149791 A JPH10149791 A JP H10149791A
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JP
Japan
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liquid nitrogen
tank
sample
electron beam
cooling
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JP8307907A
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English (en)
Inventor
Toyoji Ishikawa
豊治 石川
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Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体窒素注入時の振動を短時間に抑えること
ができる電子ビーム装置の冷却装置を実現する。 【解決手段】 電磁弁14を制御し、タンク8内をロー
タリーポンプ16によって真空に排気するモードと、タ
ンク8内を大気にリークするモードとを複数回繰り返
す。タンク8内を真空排気すると、タンク8内の圧力が
低下するので、液体窒素11の凝固点が上がり、液体窒
素はシャーベット状に変化する。この真空排気とリーク
との2種のモードを短時間の間に繰り返し行うと、タン
ク8内の液体窒素11は、全体としてシャーベット状に
変化する。液体窒素11をシャーベット状とすると、液
体窒素の沸騰現象は起きず、その結果、タンク8や容器
9が振動することは防止される。したがって、試料3等
も振動せず、安定して高分解能の像を観察することが可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の汚染を防止
するための冷却フィンや、試料自体を液体窒素温度に冷
却するようにした、走査電子顕微鏡や透過電子顕微鏡等
の電子ビーム装置の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、走査電子顕微鏡では、試料に電
子ビームを照射すると共に、試料上の特定領域で電子ビ
ームを走査し、試料から発生した2次電子などを検出し
ている。この検出信号は、電子ビームの走査に同期した
陰極線管に供給され、陰極線管上に2次電子像が表示さ
れる。
【0003】このような走査電子顕微鏡では、試料の周
囲は真空に排気されているものの、試料の周辺部には、
ハイドロカーボンなどの分子が残存しており、このハイ
ドロカーボンが試料に付着する。この結果、試料の真の
表面状態を観察することが困難となる。
【0004】そのため、試料に接近して液体窒素で冷却
される冷却フィンを配置し、この冷却フィンにハイドロ
カーボンなどを吸着して試料表面の汚染を防止してい
る。図1はこのような走査電子顕微鏡の概略を示してい
る。図において、1は鏡筒であり、この鏡筒1内には、
電子ビームを発生し加速する電子銃、電子ビームを試料
室2内の試料3上に細く集束するための走査コイルなど
が含まれている。
【0005】試料3はステージ4上に載せられている
が、ステージ4は、X,Y,Z方向の移動や回転、傾斜
ができるように構成されている。図示していないが、試
料室2内には、2次電子検出器が設けられており、この
検出器で検出された信号は、陰極線管に供給される。
【0006】試料3の上部には、試料3に接近して電子
ビーム通過孔5を有した冷却フィン6が設けられてい
る。冷却フィン6は、熱伝導棒7に熱的に接続されてお
り、熱伝導棒7は液体窒素タンク8に熱的に接続されて
いる。液体窒素タンク8は試料室2に固定された容器9
内に配置されている。また、タンク8の上部には液体窒
素の注ぎ口10が設けられている。
【0007】このような構成で、液体窒素タンク8に注
ぎ口10から液体窒素11を入れると、冷却フィン6
は、熱伝導棒7を介して液体窒素温度に冷却される。こ
の結果、試料3近傍のハイドロカーボンなどの分子は、
冷却フィン6に吸着され、試料3の汚染は防止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記構成で、液体窒素
タンク8内に液体窒素11を注入すると、液体窒素11
はタンク8内で沸騰する。この沸騰にともない、タンク
8は振動し、その振動は容器9を介して試料室2に伝わ
り、試料3も振動する。この振動が生じると、観察像に
振動が乗り、像がボケてしまう。この振動が納まるまで
には、30分から1時間を要し、その間は高分解能の像
の観察ができない。
【0009】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、液体窒素注入時の振動を短時間に
抑えることができる電子ビーム装置の冷却装置を実現す
るにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に基づく
電子ビーム装置の冷却装置は、鏡筒内で電子ビームを試
料に照射して試料像を観察する電子ビーム装置における
冷却装置において、鏡筒内の被冷却物体に熱的に接続さ
れた熱伝導部材と、熱伝導部材と熱的に接続された液体
窒素タンクと、液体窒素タンク内を排気する手段とリー
クする手段とを備えており、液体窒素タンク内の排気と
リークを繰り返し行うように構成したことを特徴として
いる。
【0011】請求項1の発明では、鏡筒内の被冷却物体
を冷却するための液体窒素タンク内の排気とリークを繰
り返し行う。請求項2の発明に基づく電子ビーム装置の
冷却装置は、鏡筒内の被冷却物体を冷却するための液体
窒素タンク内の排気とリークを繰り返し行って、液体窒
素タンク内の液体窒素をシャーベツト状とすることを特
徴としている。
【0012】請求項3の発明では、請求項1〜2の発明
において、被冷却物体は、試料の近傍に配置された汚染
防止用の冷却フィンであることを特徴としている。請求
項4の発明では、請求項〜21の発明において、被冷却
物体は、試料であることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図2は本発明に基づく冷却
装置を実施する走査電子顕微鏡を示しており、図1の従
来装置と同一ないしは類似の構成要素には、同一番号を
付しその詳細な説明は省略する。
【0014】図2において、液体窒素の注ぎ口10には
キャップ12が設けられているが、このキャップ12は
Oリングシールが可能で、液体窒素11をタンク8内に
注入した後は、タンク8内を気密に保つことができる。
液体窒素タンク8には排気管13を介して電磁弁14が
取り付けられている。この電磁弁14にはリークチュー
ブ15とロータリーポンプ16に接続されている排気管
17が接続されている。
【0015】電磁弁14は、図示していない制御装置に
より、タンク8内をリークチューブ15を介してリーク
するモードと、タンク8内をロータリーポンプ16で排
気するモードを切り換えられるように構成されている。
このような構成の動作を次に説明する。
【0016】冷却フィン6を冷却する場合、キャップ1
2を取り外し、注ぎ口10から液体窒素11をタンク8
内に注入する。所定の量の液体窒素11をタンク8内に
注入した後、キャップ12を注ぎ口10に取り付け、タ
ンク8内を気密に保つ。
【0017】その後直ちに、電磁弁14を制御し、タン
ク8内をロータリーポンプ16によって真空に排気する
モードと、タンク8内を大気にリークするモードとを複
数回繰り返す。例えば、最初の5秒間、電磁弁14はロ
ータリーポンプ16側に接続され、タンク8内の真空排
気を行い、次の5秒間、電磁弁14はリークチューブ1
5側に接続されてタンク8内を大気にリークする。そし
て、この真空排気とリークとを、例えば、3回繰り返
す。
【0018】タンク8内を真空排気すると、タンク8内
の圧力が低下するので、液体窒素11の凝固点が上が
り、液体窒素はシャーベット状に変化する。このまま真
空排気を続けると、液体窒素11の表面のみが固体化
し、それ以外は液体状態のままに維持され、依然として
沸騰現象が生じる。
【0019】そのため、短時間で真空排気をした後に
は、タンク8内をリークする。この真空排気とリークと
の2種のモードを短時間の間に繰り返し行うと、タンク
8内の液体窒素11は、全体としてシャーベット状に変
化する。この各モードを5秒間づつ行い、その繰り返し
を3回行ったところ、タンク8内の液体窒素11は全体
としてシャーベット状となることが実験で確認された。
【0020】液体窒素11をシャーベット状とすると、
液体窒素の沸騰現象は起きず、その結果、タンク8や容
器9が振動することは防止される。したがって、試料3
等も振動せず、安定して高分解能の像を観察することが
可能となる。なお、上記したように、モードの切り換え
を3回行った場合には、30秒後に振動のない安定した
状態とすることができる。
【0021】以上本発明の一実施の形態を説明したが、
本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、
真空排気の時間とリークの時間は例示したものに限定さ
れず、また、繰り返しの回数も3回には限定されない。
更に、冷却フィンの冷却装置を例に説明したが、試料自
体を冷却する場合等、他の冷却目的にも本発明を適用す
ることができる。なお、走査電子顕微鏡を例に説明した
が、本発明は透過電子顕微鏡にも他の電子ビーム装置に
も適用することができる。
【0022】
【発明の効果】請求項1の発明では、鏡筒内の被冷却物
体を冷却するための液体窒素タンク内の排気とリークを
繰り返し行い、また、請求項2の発明では、鏡筒内の被
冷却物体を冷却するための液体窒素タンク内の排気とリ
ークを繰り返し行って、液体窒素タンク内の液体窒素を
シャーベツト状とするように構成した。その結果、短時
間に液体窒素の沸騰現象を抑えることができるので、液
体窒素注入後、直ちに高分解能の像の観察が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の走査電子顕微鏡を示す図である。
【図2】本発明の冷却装置を実施する走査電子顕微鏡の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 鏡筒 2 試料室 3 試料 4 ステージ 5 電子ビーム通過孔 6 冷却フィン 7 熱伝導棒 8 液体窒素タンク 9 容器 10 注ぎ口 11 液体窒素 12 キャップ 14 電磁弁 15 リークチューブ 16 ロータリーポンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡筒内で電子ビームを試料に照射して試
    料像を観察する電子ビーム装置における冷却装置におい
    て、鏡筒内の被冷却物体に熱的に接続された熱伝導部材
    と、熱伝導部材と熱的に接続された液体窒素タンクと、
    液体窒素タンク内を排気する手段とリークする手段とを
    備えており、液体窒素タンク内の排気とリークを繰り返
    し行うように構成した電子ビーム装置の冷却装置。
  2. 【請求項2】 液体窒素タンク内の液体窒素をシャーベ
    ツト状とする請求項1記載の電子ビーム装置の冷却装
    置。
  3. 【請求項3】 被冷却物体は、試料の近傍に配置された
    汚染防止用の冷却フィンである請求項1〜2記載の電子
    ビーム装置の冷却装置。
  4. 【請求項4】 被冷却物体は、試料である請求項1〜2
    記載の電子ビーム装置の冷却装置。
JP8307907A 1996-11-19 1996-11-19 電子ビーム装置の冷却装置 Withdrawn JPH10149791A (ja)

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Effective date: 20040203