JPH10148938A - 金属精密加工用感光性フィルム及びこれを用いたパターン製造方法 - Google Patents

金属精密加工用感光性フィルム及びこれを用いたパターン製造方法

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JPH10148938A
JPH10148938A JP8307822A JP30782296A JPH10148938A JP H10148938 A JPH10148938 A JP H10148938A JP 8307822 A JP8307822 A JP 8307822A JP 30782296 A JP30782296 A JP 30782296A JP H10148938 A JPH10148938 A JP H10148938A
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JP
Japan
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group
isocyanate compound
photosensitive film
photosensitive
film
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Pending
Application number
JP8307822A
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English (en)
Inventor
Jinko Kimura
仁子 木村
Taku Kawaguchi
卓 川口
Tsutomu Ishikawa
力 石川
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 感光性フィルムの下地金属(特に鉄を含む合
金)への密着性、耐エッチング性、耐薬品性に優れた金
属精密加工用感光性フィルム及びこれを用いたパターン
製造方法を提供する。 【解決手段】 A)カルボキシル基を含有するバインダ
ーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)分子内に少な
くとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光
重合性化合物及び(D)下記一般式Iで表されるイソシ
アネート化合物(式中、R1はm価の有機基を表し、m
は1〜6の整数を表す。)とこれと反応し得る、ジケト
ン類、オキシム類、フェノール類、アルカノール類及び
カプロラクタム類から選ばれる少なくとも一種のブロッ
ク剤とから得られる一般式IIで表されるブロックイソ
シアネート化合物を含有する感光性樹脂組成物からなる
感光層を支持体上に形成してなる金属精密加工用感光性
フィルム

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICチップ搭載用
リードフレーム(以下単にリードフレームという)製
造、メタルマスク製造などの精密金属加工に好適な精密
金属加工用感光性フィルム及びこれを用いたパターン製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リードフレーム、メタルマスクなどの金
属精密加工の方法として、金型を用いて打ち抜くスタン
ピング法と、感光性樹脂を用いて写真法で像を形成した
後エッチング加工するエッチング法の2つに大別され
る。
【0003】近年の半導体素子の軽薄短小化、少量多品
種化の傾向下においては、スタンピング法では小型化に
伴う狭小品の製造ができず、また、少量多品種化に伴う
金型代の高騰という問題があり、軽薄短小化、少量多品
種化には、狭小品の製造が可能で金型の不要なエッチン
グ法が有利である。このようなエッチング法において用
いられる感光性樹脂としては、水溶性液状感光性樹脂、
溶剤含有型液状感光性樹脂、感光性フィルムの3つがあ
る。
【0004】液状感光性樹脂を用いる場合、塗工装置に
莫大な投資が必要であり、また塗工にかなり手間がかか
る、感光性樹脂そのもの及び感光性樹脂を塗工したあと
の可使期間が短い、感度が低いといった共通欠点があ
る。さらに個別の欠点として、水溶性液状感光性樹脂
は、カゼインやPVA(ポリビニルアルコール)をクロ
ム酸塩を用いて硬化させるため、有害な重金属塩を使用
後に処理する煩雑な廃液処理工程が必要である。溶剤含
有型液状感光性樹脂では、有機溶剤を塗工中に排出する
ため環境に悪影響を与える恐れがある。
【0005】一方、感光性フィルム法は、感光性フィル
ムを下地金属上に加熱圧着した後、像を形成して用いる
ため、液状感光性樹脂に比べ設備投資が少なく、感度も
高く、可使期間が長い特長があり、金属精密加工に好適
な方法として注目されている。
【0006】しかしながら、従来の感光性フィルムは下
地金属が銅の場合には密着性は良好であるが、金属が鉄
を含む合金(42ニッケル、SUS)などに対しては密
着性が悪く、エッチング時にレジストと金属界面にエッ
チング液がしみ込みやすく、金属表層部が侵されやすい
(エッチングもぐりと称する)という問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感光性フィ
ルムの下地金属(特に鉄を含む合金)への密着性、耐エ
ッチング性、耐薬品性に優れた金属精密加工用感光性フ
ィルム及びこれを用いたパターン製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のブロッ
クイソシアネートを添加した感光性フィルムが金属精密
加工用として下地金属への密着性、耐エッチング性、耐
薬品性に優れていることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、(A)カルボキシル
基を含有するバインダーポリマー、(B)光重合開始
剤、(C)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレ
ン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(D)下記一
般式Iで表されるイソシアネート化合物(式中、R1
m価の有機基を表し、mは1〜6の整数を表す。)とこ
れと反応し得る、ジケトン類、オキシム類、フェノール
類、アルカノール類及びカプロラクタム類から選ばれる
少なくとも一種の化合物からなるブロック剤とから得ら
れる一般式IIで表されるブロックイソシアネート化合
物(式中、R1及びmは前記と同じ意味を表し、R2は一
般式Iで表されるイソシアネート化合物とこれと反応し
得るブロック剤が反応した際に得られるブロック剤の残
基を表す。)を含有する感光性樹脂組成物からなる感光
層を支持体上に形成してなる金属精密加工用感光性フィ
ルムを提供するものである。
【0010】
【化3】 本発明は、また、上記の金属精密加工用感光性フィルム
を金属板の両面に積層し、感光性フィルムに活性光線を
パターン形状に露光し、感光性フィルムの非露光部を現
像により除去した後、露光部を加熱及び/又は活性光線
照射により硬化させてレジストを形成し、次いで金属板
をエッチング処理した後、レジストを剥離をすることを
特徴とするパターン製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
成分のカルボキシル基を含有するバインダーポリマーと
しては、例えば、アクリル酸アルキルエステル又はメタ
クリル酸アルキルエステルとアクリル酸又はメタクリル
酸とこれらと共重合しうるビニルモノマーとの共重合体
等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。
【0012】アクリル酸アルキルエステルとしては、例
えば、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエ
ステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エ
チルヘキシルエステル等が挙げられる。メタクリル酸ア
ルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル
エステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸
ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル等が挙げられる。
【0013】アクリル酸アルキルエステル又はメタクリ
ル酸アルキルエステルやアクリル酸又はメタクリル酸と
共重合しうるビニルモノマーとしては、例えば、アクリ
ル酸テトラヒドロフルフリルエステル、メタクリル酸テ
トラヒドロフルフリルエステル、アクリル酸ジメチルア
ミノエチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ルエステル、アクリル酸ジエチルアミノエチルエステ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、メタ
クリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオ
ロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチ
ルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピルメタクリレート、アクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げ
る。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。
【0014】(B)成分の光重合開始剤としては、例え
ば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラ
メチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メト
キシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチ
ルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾ
インエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベ
ンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、
ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2,
4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2−(o−
クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二
量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−
メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フ
ルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二
量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェ
ニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニ
ル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4
−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾ
ール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メ
チルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルア
クリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘ
プタン等)、フェナンソレンキノン(9,10−フェナ
ンソレンキノン等)などが挙げられる。これらは単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0015】(C)成分の分子内に少なくとも一つの重
合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と
しては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カル
ボン酸を反応させて得られる化合物(ポリエチレングリ
コールジアクリレート(エチレン基の数が2〜14のも
の)、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、テトラメチロール
メタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテト
ラアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレ
ート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート等)、ビスフェノールAポリ
オキシエチレンジアクリレート(ビスフェノールAジオ
キシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAトリオ
キシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオ
キシエチレンジアクリレート等)、グリシジル基含有化
合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化
合物(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
トリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエー
テルアクリレート等)、2,2−ビス(4−メタクリロ
キシペンタエトキシフェニル)プロパン、アクリル酸の
アルキルエステル(アクリル酸メチルエステル、アクリ
ル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アク
リル酸2−エチルヘキシルエステル等)などが挙げら
れ、これらに対応するメタクリレートやメタクリル酸エ
ステルなども挙げられる。
【0016】(D)成分のブロックイソシアネート化合
物を得るのに用いられる一般式Iで表されるイソシアネ
ート化合物としては、一般式(III)で表されるイソ
シアヌレート型や一般式(IV)で表されるビウレット
型、一般式(V)で表されるアダクト型等が挙げられ、
特にイソシアヌレート型が密着性の面から好ましい。
【0017】
【化4】 (一般式III、IV、V中のR3〜R11は、互いに独
立して、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数4〜6
のシクロアルキレン基、該アルキレン基−該シクロアル
キレン基混合基又は炭素数6〜14のアリーレン基であ
り、前記基の水素原子は炭素数1〜3のアルキル基又は
炭素数1〜3のアルコキシル基で置換されていてもよ
い。) 上記アルキレン基−シクロアルキレン基混合基の具体例
としては下記に示すものが挙げられる。
【0018】
【化5】 ブロック剤としては、ジケトン類、オキシム類、フェノ
ール類、アルカノール類及びカプロラクタム類から選ば
れる少なくとも一種の化合物が挙げられる。具体的に
は、メチルエチルケトンオキシム、ε−カプロラクタム
等が挙げられる。
【0019】また、一般式I、II中のmは1〜6の整
数であり、mが7以上だと、市販品の入手が困難であ
る。
【0020】上記一般式IIで表される化合物は、市販
品として容易に入手することができ、例えばスミジュー
ルBL3175、デスモジュールTPLS−2957、
TPLS−2062、TPLS−2957、TPLS−
2078、BL4165、TPLS−2117、BL1
100、BL1265、デスモサーム2170、226
5(住友バイエルウレタン(株)商品名)コロネート2
512、2513、2520(日本ポリウレタン工業
(株)商品名)等が挙げられる。
【0021】上記(A)成分、(B)成分、(C)成分
及び(D)成分を含有する感光性樹脂組成物の(A)成
分の配合量は、(A)成分及び(C)成分の総量100
重量部として、40〜80重量部とすることが好まし
い。この配合量が、40重量部未満では、光硬化物が脆
くなり易い傾向があり、塗膜性に劣る傾向がある。ま
た、80重量部を超えると、感度が不充分となる傾向が
ある。
【0022】上記(A)成分、(B)成分、(C)成分
及び(D)成分を含有する感光性樹脂組成物の(B)成
分の配合量は、(A)成分及び(C)成分の総量100
重量部に対して、0.1〜20重量部とすることが好ま
しい。この配合量が、0.1重量部未満では、感度が不
充分となる傾向があり、20重量部を超えると、露光の
際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不
充分となる傾向がある。
【0023】上記(A)成分、(B)成分(C)成分及
び(D)成分を含有する感光性樹脂組成物の(C)成分
の配合量は、(A)成分及び(C)成分の総量100重
量部として、20〜60重量部とすることが好ましい。
この配合量が、20重量部未満では、感度が不充分とな
る傾向があり、60重量部を超えると、光硬化物が脆く
なる傾向がある。
【0024】上記(D)成分の配合量は、成分(A)及
び成分(C)の総量100重量部に対し、0.5〜10
重量部が好ましく、2〜5重量部がより好ましい。この
配合量が少なすぎると、期待する効果が得られず、多す
ぎると剥離性、解像度が低下する傾向がある。
【0025】本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、
必要に応じて、可塑剤、熱重合禁止剤、染料、ロイコク
リスタルバイオレット、マラカイトグリーン等の顔料、
充填剤、密着性付与剤、香料、イメージング剤等を配合
してもよい。
【0026】上記(A)成分、(B)成分、(C)成分
及び(D)成分を含有する感光性樹脂組成物は、必要に
応じ溶剤を加えて、溶液とした後、これを支持体上に塗
布、乾燥して金属精密加工用感光性フィルムとする。
【0027】溶剤としては、特に制限はなく、公知のも
のが使用でき、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン、メタノー
ル、エタノール等が挙げられる。これらは単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
【0028】支持体としては、重合体フィルム、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等からなるフィルムが用いられ、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0029】これらの重合体フィルムは、後に感光層
(感光性樹脂組成物の層)から除去可能でなくてはなら
ないため、除去が不可能となるような表面処理が施され
たものであったり、除去が不可能な材質であったりして
はならない.これらの重合体フィルムの厚さは、5〜1
00μmとすることが好ましく、10〜30μmとする
ことがより好ましい。
【0030】また、感光層の厚さは、5〜100μmと
することが好ましく、10〜40μmとすることがより
好ましい。
【0031】なお、これらの重合体フィルムを2枚用
い、1枚は感光層の支持体フィルムとして、他の1枚を
感光層の保護フィルムとして感光層の両面に積層しても
よい。
【0032】本発明における感光性フィルムは、保護フ
ィルムを除去後、感光層を加熱しながら金属板の表面に
圧着することにより金属板の両面に積層される。
【0033】感光層の加熱、圧着は、通常、90〜13
0℃、圧着圧力3〜4kgf/cm 2で行われるが、こ
れらの条件には特に制限はない。
【0034】感光層を前記のように加熱すれば、予め金
属板表面を予熱処理することは必要でないが、積層性を
さらに向上させるために、金属板表面の予熱処理を行う
ことが好ましい。
【0035】このようにして積層が完了した感光性フィ
ルムは、次いで、ネガフィルムを用いて、活性光により
パターン形状に露光される。この際、感光層上に存在す
る重合体フィルム(支持体)が透明の場合には、そのま
ま露光してもよく、また、不透明の場合には、当然除去
する必要がある。感光層の保護という点からは、支持体
として透明な重合体フィルムを用い、この重合体フィル
ムを残存させたまま、それを通して露光することが好ま
しい。
【0036】活性光は、公知の活性光源、例えば、カー
ボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク等から発
生する光が用いられる。
【0037】感光層に含まれる光重合開始剤の感受性
は、通常、紫外線領域において最大であるので、その場
合は活性光源は紫外線を有効に放射するものにすべきで
ある。もちろん、光重合開始剤が可視光線に感受するも
の、例えば、9,10−フェナンスレンキノン等である
場合には、活性光としては可視光が用いられ、その光源
としては前記のもの以外に写真用フラッド電球、太陽ラ
ンプ等も用いられる。
【0038】現像は、露光後の感光層から、不要な未露
光部分を除去する行程である。現像方法としては、露光
後、感光層上に重合体フィルム等が存在している場合に
は、これを除去した後、アルカリ水溶液を用いて、例え
ば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビン
グ等の公知方法により未露光部を除去する。
【0039】アルカリ性水溶液の塩基としては、例え
ば、水酸化アルカリ(リチウム、ナトリウムあるいはカ
リウムの水酸化物等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナト
リウムあるいはカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等)、ア
ルカリ金属リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウ
ム等)、アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリ
ウム、ピロリン酸カリウム等)などが挙げられ、特に、
炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。現像に用いるアル
カリ水溶液のpHは、9〜11とすることが好ましく、
また、その温度は、感光層の現像性に合わせて調節され
る。
【0040】また、アルカリ水溶液中には、表面活性
剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等
を混入させることができる。
【0041】本発明においては、前記現像後に金属板上
の露光部を熱及び/又は活性光線照射により硬化させレ
ジストを形成する工程を必須工程とする。この硬化時
に、上記感光性樹脂組成物の(D)成分であるブロック
イソシアネート化合物が熱分解し、イソシアネート化合
物が発生することが好ましい。
【0042】硬化は、金属板の表面と感光性樹脂組成物
層(感光層)との密着性、耐エッチング性、耐薬品性を
向上させるために行われる。硬化の手段としては、例え
ば、乾燥機、ホットプレート等による加熱、遠、近赤外
線、紫外線等による活性光線照射等が挙げられる。
【0043】加熱硬化は、100〜300℃で15秒〜
30分行うことが好ましい。加熱温度が100℃未満で
あったり、加熱時間が15秒未満の場合、期待する密着
性の向上の効果が得られず、また、加熱温度が300℃
より高かったり、加熱時間が30分より長い場合は、レ
ジストの剥離性及び作業性が悪化する傾向にある。
【0044】本発明のパターン製造方法は金属板が鉄を
含む合金である場合、特に有効である。鉄を含む合金と
しては、特に制限はなく、例えば、鉄/ニッケル合金
(コバール、42ニッケル、(42アロイともいう)、
50ニッケル、52ニッケル等)、ステンレス(鉄/ク
ロム系合金)(SUS201、SUS202、SUS3
01、SUS302、SUS303、SUS303S
e、SUS304、SUS304L、SUS304N
l、SUS304N2、SUS304LN、SUS30
5、SUS309S、SUS310S、SUS316、
SUS316L、SUS316N、SUS316LN、
SUS316J1、SUS316J1L、SUS31
7、SUS317L、SUS317J1、SUS32
1、SUS347、SUSXM7、SUSXM15J
1、SUS329J1、SUS405、SUS410
L、SUS430、SUS430F、SUS434、S
US447J1、SUSXM27、SUS403、SU
S410、SUS410J1、SUS416、SUS4
20J1、SUS420J2、SUS420F、SUS
431、SUS440A、SUS440B、SUS44
0C、SUS440F、SUS630、SUS631
等)などが挙げられ、鉄/ニッケル合金、ステンレスが
好ましい。
【0045】現像後に行われる金属板のエッチング処理
には、塩化第2銅溶液、塩化第2鉄溶液、アルカリエッ
チング溶液、過酸化水素系エッチング液等を用いること
ができるが、エッチングファクタが良好な点から、塩化
第2鉄溶液を用いることが望ましい。
【0046】エッチング処理は金属板の両面から行わ
れ、レジスト形状のパターン以外の金属は除去される。
エッチング処理後、硬化した両面のレジストを剥離する
ことにより目的とする精密金属加工されたパターンが得
られる。
【0047】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】実施例1〜4及び比較例1〜3 表1及び表2の材料を配合し、感光性樹脂組成物溶液を
得た。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】 次いでこの感光性樹脂組成物溶液を16μm厚のポリエ
チレテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100
℃の熱風対流式乾燥機で約5分間乾燥して感光性フィル
ムを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は15μ
mであった。
【0052】一方、厚さ0.15mmの42アロイ(ヤ
マハ社製)を3重量%NaOH溶液に50℃で2分間浸
漬しその後水洗乾燥し、得られた金属板の両面に前記感
光性フィルムを110℃に加熱しながらラミネートし
た。
【0053】次いでこのようにして得られた感光性フィ
ルム付金属板の両面に、両面位置合わせしたネガフィル
ムを使用し、3kW高圧水銀灯(オーク製作所社製、H
MW−590)で50mJ/cm2の露光を行った。こ
の際、光感度を評価できるように、光透過量が段階的に
少なくなるように作られたネガフィルム(光学密度0.
05を1段階とし、1段ごとに光学密度0.15ずつ増
加するステップタブレット)を用いた。
【0054】また、ライン/スペースが200/30μ
mであるライン精度評価用ネガも同時に用いた。
【0055】次いで、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを除去し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液
を金属板の両面に25秒間スプレーすることにより、未
露光部分を除去した。このとき、42アロイ基材上に形
成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定し
た。その結果を表3に示す。光感度はステップタブレッ
トの段数で示され、このステップタブレットの段数が高
いほど光感度が高いことを示している。
【0056】次いで加熱硬化を対流式熱乾燥機により表
4に示す加熱条件で行った 次いで現像処理したもの
を、45ボーメ塩化第2鉄溶液(ボーメは溶液の比重を
表す。数値が大きいほど比重が大きい)で55℃、圧力
0.2MPaで8分間スプレーしてエッチングを終了
し、3重量%NaOH溶液に50℃で2分浸漬しレジス
トを剥離し水洗乾燥してエッチングされた42アロイ板
のパターンを得た。得られた42アロイ板のライン際を
観察し、エッチングもぐりを調べた。その結果を同じく
表4に示す。
【0057】ここでエッチングもぐりとは、レジスト−
金属界面にエッチング液がしみ込むことにより、ライン
の両端が浸された幅を示す。エッチングもぐりの値が小
さい程、レジストの密着性が優れている。
【0058】
【表4】 表4から明らかなように、(D)成分として一般式II
Iに相当する化合物を用い、現像後に加熱硬化を行う実
施例1〜4の感光性樹脂組成物を用いたパターン製造方
法は、各比較例1〜3に比べエッチングもぐりが少な
く、改良されていることがわかる。
【0059】
【発明の効果】本発明の金属精密加工用感光性フィルム
及びこれを用いたパターン製造方法は、下地金属(特に
鉄を含む合金)との密着性が向上し、エッチングもぐり
が少なく金属精密加工に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/028 G03F 7/028 // H01L 23/50 H01L 23/50 A H05K 3/06 H05K 3/06 J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)カルボキシル基を含有するバイン
    ダーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)分子内に少
    なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する
    光重合性化合物及び(D)下記一般式Iで表されるイソ
    シアネート化合物(式中、R1はm価の有機基を表し、
    mは1〜6の整数を表す。)とこれと反応し得る、ジケ
    トン類、オキシム類、フェノール類、アルカノール類及
    びカプロラクタム類から選ばれる少なくとも一種のブロ
    ック剤とから得られる一般式IIで表されるブロックイ
    ソシアネート化合物(式中、R1及びmは前記と同じ意
    味を表し、R2は一般式Iで表されるイソシアネート化
    合物とこれと反応し得るブロック剤が反応した際に得ら
    れるブロック剤の残基を表す。)を含有する感光性樹脂
    組成物からなる感光層を支持体上に形成してなる金属精
    密加工用感光性フィルム。 【化1】
  2. 【請求項2】 ブロックイソシアネート化合物が、熱及
    び/又は活性光線照射により分解し、イソシアネート化
    合物を発生する化合物である請求項1記載の金属精密加
    工用感光性フィルム。
  3. 【請求項3】 イソシアネート化合物が次式で表される
    イソシアヌレート骨格を持つ化合物である請求項1記載
    の金属精密加工用感光性フィルム。 【化2】 (式中のR3、R4及びR5は互いに独立して、炭素数1
    〜12のアルキレン基、炭素数4〜6のシクロアルキレ
    ン基、該アルキレン基−該シクロアルキレン基混合基又
    は炭素数6〜14のアリーレン基であり、前記基の水素
    原子は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のア
    ルコキシル基で置換されていてもよい。)
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の金属精密加工
    用感光性フィルムを金属板の両面に積層し、感光性フィ
    ルムに活性光線をパターン形状に露光し、次いで感光性
    フィルムの非露光部を現像により除去した後、露光部を
    加熱及び/又は活性光線照射により硬化させてレジスト
    を形成し、次いで金属板をエッチング処理した後、レジ
    ストを剥離をすることを特徴とするパターン製造方法。
  5. 【請求項5】 現像後の硬化を100〜300℃で15
    秒〜30分加熱することにより行う請求項4記載のパタ
    ーン製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001305726A (ja) * 2000-02-17 2001-11-02 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性組成物
JP2002174892A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Hitachi Chem Co Ltd 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの製造法及びプリント配線板の製造法
JPWO2008029706A1 (ja) * 2006-09-01 2010-01-21 日産化学工業株式会社 高平坦化膜形成用樹脂組成物
US20100041785A1 (en) * 2005-10-07 2010-02-18 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive resin composition and photosensitive element using the same

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