JPH10147616A - 塩水吸収性重合体の製造方法及び該重合体で被覆された吸収性材料 - Google Patents
塩水吸収性重合体の製造方法及び該重合体で被覆された吸収性材料Info
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- JPH10147616A JPH10147616A JP8309666A JP30966696A JPH10147616A JP H10147616 A JPH10147616 A JP H10147616A JP 8309666 A JP8309666 A JP 8309666A JP 30966696 A JP30966696 A JP 30966696A JP H10147616 A JPH10147616 A JP H10147616A
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Abstract
合体の製造方法及び該重合体で被覆された吸収性材料を
提供する。 【構成】 カルボキシル基の一部を水酸基を1つだけ含
有するアミノ化合物(B)で中和した、カルボキシル基
含有ラジカル重合性単量体(A)からなる重合体中の、
未中和のカルボキシル基とアミノ化合物の水酸基とをエ
ステル化反応させて両性高分子化することにより製造さ
れる塩水吸収性重合体の製造方法及び該重合体で被覆さ
れてなる吸収性材料。 【効果】 海水、血液、汗、尿、セメント水、多価金属
塩含有水溶液等の電解質水溶液に対して高吸収性、且つ
低コストであるため、紙おむつ、生理用品等の生活用品
だけではなく一般土木、建築、各種資材用途にも有用で
ある。
Description
製造方法及び該重合体で被覆された吸収性材料に関す
る。この重合体及び吸収性材料は純水だけでなく、尿、
汗、地下水、海水等の電解質を含有する水溶液を吸収す
るのに特に有用である。
樹脂は紙おむつや生理用品等の吸収剤、農園芸用の保水
材、土壌改良剤、止水剤等に使用されている。この様な
吸水性樹脂としては、例えば、デンプン−アクリロニト
リルグラフト共重合体の加水分解物、デンプン−アクリ
ル酸グラフト共重合体、カルボキシメチルセルロース架
橋物、酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体加水分解
物、ポリアクリル酸塩架橋物等が一般的に使用されてい
る。
が一部で繊維状のものが上市されており、その加工性の
良さを生かして不織布、成形体、エレメント等に加工し
て種々の用途に展開されている。この様な吸水性繊維と
しては、特開昭54−138693号公報にアクリロニ
トリル系繊維を内層、ポリアクリル酸塩架橋体を外層と
した芯−鞘2層構造の繊維が良好な繊維物性を維持しな
がら高吸水性を発現するものとして開示されている。ま
た、特開平6−65810号公報にカルボキシル基を有
するビニルモノマーとヒドロキシル基及び/またはアミ
ノ基を有するビニルモノマーとの共重合体からなる高吸
水性繊維が開示されている。
イオン交換水あるいは低濃度の電解質水溶液に対しては
非常に優れた吸収性を示すが、海水や塩水、血液、汗、
尿等の電解質を含んだ水溶液に対してはその吸収能力が
低下するという欠点を有している。特に海水等の高濃度
の電解質水溶液あるいは多価金属塩水溶液に対しては極
端に吸収性能が低下するため、その用途が制限される。
めには、例えば、特開昭61−36309号公報にはス
ルホアルキル(メタ)アクリレートを含む架橋重合体
が、また、特開昭62−266140号公報にはポリエ
ーテルを側鎖に有する(メタ)アクリレートとスルホン
酸基を有する単量体との架橋共重合体等が耐塩性吸水樹
脂として提案されている。しかし、これらの吸水樹脂で
も高濃度の電解質水溶液、あるいは多価金属塩水溶液に
対しては吸収能力が低下してしまう。
より電解質水溶液に対する吸収性が向上することが知ら
れている。両性高分子電解質としては酸性基を有する単
量体と塩基性を有する単量体との共重合体、及び同一側
鎖上に酸性基と塩基性基の両者を有するベタイン型官能
基を有した重合体が挙げられ、これらの架橋重合体は電
解質水溶液に対する吸収性が一般に高い。特開昭58−
154710号公報には3級アミノ基を有するビニル単
量体とカルボキシル基を有するビニル単量体との共重合
体からなる両性高吸水性樹脂の製法が開示されており、
特開平5−237377号公報にはベタイン構造を有す
る両性高分子電解質を用いたイオン封鎖性の吸水性樹脂
が開示されている。しかしながら、これらの重合体は原
料である塩基性単量体及びスルホベタイン型単量体また
はカルボキシベタイン型単量体が比較的高価なため、衛
生材料や止水材等の汎用用途においては工業的に使用す
ることは現実的ではない。
問題点を克服するために、電解質水溶液に対して高度に
吸収性であり、且つ低コストで製造することができる吸
水性樹脂について鋭意検討した結果、本発明に到達した
ものである。電解質水溶液、特に高濃度の電解質水溶
液、及び多価金属塩水溶液に対して優れた吸収性を有
し、且つ低コストの樹脂を開発することは、従来の吸水
性樹脂が使用されてきた分野だけに止まらず、これまで
吸水性樹脂を使用することができなかった分野への応
用、特に海水等の高濃度の電解質を含有する媒体を吸収
させる様な用途への応用が可能となり、また、吸収能力
の増大は電解質水溶液を吸収するのに必要な樹脂量を大
幅に少なくすることができるため、吸収材の小型化や省
資源化と共に使用者にとって経費の節約となる。
キシル基の20〜80モル%、より好ましくは40〜7
0モル%を水酸基を1つだけ含有するアミノ化合物
(B)で中和したカルボキシル基含有ラジカル重合性単
量体(A)と、重合同時架橋性または重合後架橋性の架
橋性単量体(C)とを共重合し、次いで、未中和のカル
ボキシル基とアミノ化合物(B)の水酸基とをエステル
化反応させて両性高分子化し、必要に応じて架橋反応を
行うことを特徴とする、塩水吸収性重合体の製造方法に
より達成することができ、電解質水溶液に対して高度に
吸収性である吸水性樹脂を提供することができる。ま
た、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(A)を
重合同時架橋性または重合後架橋性の架橋性単量体
(C)と共重合し、共重合体中の単量体(A)部分のカ
ルボキシル基の20〜80モル%、より好ましくは40
〜70モル%を水酸基を1つだけ含有するアミノ化合物
(B)で中和し、次いで、未中和のカルボキシル基とア
ミノ化合物(B)の水酸基とをエステル化反応させて両
性高分子化し、必要に応じて架橋反応を行うことを特徴
とする、塩水吸収性重合体の製造方法によっても本発明
の目的は達成することができる。
性であるときは、単量体(A)と該単量体(C)の共重
合後に両性高分子化と架橋反応を同時に行うことによ
り、本発明はより良く達成される。また、本発明の吸収
性材料提供の目的は、繊維、ヤーン、糸、不織布、織
布、編み地、紙、シート、フィルム、またはこれらの複
合構造体から選ばれる基材が、上記の方法で得られる塩
水吸収性重合体により被覆されてなる吸収性材料により
達成される。尚、塩または電解質とは、水その他の溶媒
に溶解してその溶液がイオン電導を行うような物質を言
い、塩水または電解質水溶液とはそのような物質が1種
類以上溶解した水溶液を指す。
カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(A)は、カ
ルボキシル基を1つ以上とラジカル重合性の官能基を併
せ有するものであって、単量体1種類以上が採用され
る。かかる単量体(A)としては、例えばアクリル酸及
びその塩、メタクリル酸及びその塩、イタコン酸及びそ
の塩、マレイン酸及びその塩等のラジカル重合性の単量
体が好適に採用される。また、加水分解等により容易に
カルボキシル基を導入することができる単量体も採用す
ることができるが、その場合、重合後に一旦カルボキシ
ル基に変換した後水酸基を1つだけ含有するアミノ化合
物(B)で中和する必要がある。この様なカルボキシル
基を導入可能な単量体としては、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リル酸エステル類及び(メタ)アクリロニトリル等の単
量体が挙げられる。
アミノ化合物(B)は、分子内に水酸基を1つだけ含有
した置換基を有する1級〜4級のアミノ化合物であり、
1種類以上が採用される。尚、水酸基を2つ以上含有す
るアミノ化合物を用いた場合は、エステル化反応の際に
重合体間で架橋結合を形成して吸水性能が大きく低下す
るため、水酸基は1つである必要がある。かかるアミノ
化合物(B)としては、例えば2−アミノエタノール、
3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、N−
メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミ
ン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノ
ールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタ
ノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、ジブチル
エタノールアミン、ジメチルプロパノールアミン、ジエ
チルプロパノールアミン、コリン、N−ヒドロキシプロ
ピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヒドロキサ
イド、ジメチル−p−アミノフェノール、ジエチル−p
−アミノフェノール、p−ジメチルアミノベンジルアル
コール、p−ジエチルアミノベンジルアルコール、ジメ
チルアミノエチルオキシポリエチレングリコール、ジエ
チルアミノエチルオキシポリエチレングリコール、N,
N−ジメトキシポリエチレングリコールアミノエタノー
ル等のアミノ化合物が本発明において好適に採用され
る。
化合物(B)でカルボキシル基含有ラジカル重合性単量
体(A)の20〜80モル%、より好ましくは40〜7
0モル%を中和した後、重合同時架橋性または重合後架
橋性の架橋性単量体(C)と共重合し、次いで、未中和
のカルボキシル基とアミノ化合物(B)の水酸基とをエ
ステル化反応させて両性高分子化し、必要に応じて架橋
反応を行うことにより本発明の塩水吸収性重合体を得る
ことができる。また、アミノ化合物(B)による中和に
先立って、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体
(A)と重合同時架橋性または重合後架橋性の架橋性単
量体(C)とを先ず共重合し、該共重合体中の単量体
(A)部分のカルボキシル基の20〜80モル%、より
好ましくは40〜70モル%をアミノ化合物(B)で中
和し、次いで、未中和のカルボキシル基とアミノ化合物
(B)の水酸基とをエステル化反応させて両性高分子化
し、必要に応じて架橋反応を行うことによっても本発明
の塩水吸収性重合体を得ることができる。すなわち、単
量体(A)のカルボキシル基の中和は、共重合の前でも
後でも行うことができ、重合体の使用形態、操作の容易
さ、工程の設計等の都合でいずれでも採用しうる。ここ
で、アミノ化合物(B)による中和度が20モル%より
も少ないと本発明の目的である電解質水溶液に対する高
吸収性が発現しないため、中和度は20モル%以上、好
ましくは40モル%以上である。また、中和度が80モ
ル%を超えると同じく電解質水溶液に対する高吸収性が
発現しないため、中和度は80モル%以下、好ましくは
70モル%以下である。
カル重合性単量体(A)(重合後に中和する場合は重合
後の単量体(A)部分)は、水酸基を1つだけ含有する
アミノ化合物(B)と共にアミノ化合物(B)以外の有
機及び/または無機の塩基を併用して中和することもで
きる。その場合、アミノ化合物(B)による中和度は2
0モル%以上であること、未中和のカルボキシル基は2
0モル%以上であることが必要である。すなわち、カル
ボキシル基の中和は、所定量をアミノ化合物(B)で中
和し、未中和のカルボキシル基が所定量残っていれば、
それ以外は諸物性の向上等を目的に他の塩基を採用して
もよい。アミノ化合物(B)以外の有機及び/または無
機の塩基としては、例えばアンモニア、トリメチルアミ
ンやトリエチルアミン等のアルキルアミン、NaOHや
KOH等のアルカリ金属の水酸化物等が例示できる。
解する事無く膨潤状態を維持するためには、共有結合、
あるいは静電結合、水素結合、分子鎖間の絡み合い等の
物理結合によって重合体に架橋構造を導入することが必
要である。本発明において、重合体に架橋構造を導入す
るために重合同時架橋性の架橋性単量体(C)としてジ
ビニル化合物の様な多官能ラジカル重合性単量体を用い
ることができる。その場合、重合後にフィルムやシート
状あるいは繊維状に成形することは事実上不可能であ
り、何らかの形状に成形する様な場合は重合と同時に成
形が行われる必要がある。例えば、単量体組成物を型枠
内に注型した後、その状態で重合を行う様な注型重合法
が採用される。一般的には、重合と同時に架橋を行う場
合、重合後に乾燥及び粉砕して粉体状の吸水性樹脂とし
て用いられることが多い。
スアクリルアミド類、ジ(メタ)アクリル酸エステル
類、ジアリル化合物類、ジビニル化合物類等が挙げら
れ、具体的には、N,N−ジアリルメタクリルアミド、
ジアリルアミン、N,N−ビスアクリルアミド酢酸、
N,N’−ビスアクリルアミド酢酸メチルエステル、
N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ベン
ジリデンビスアクリルアミド、ジアリルスクシネート、
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリ
レート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3
−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、グリセ
リンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタ
クリレート、ジアリルアクリルアミド、ジビニルベンゼ
ン等の単量体が本発明において採用することができる。
時架橋性単量体としては、アゾ基やパーオキサイド基の
様なラジラル発生基を有するラジカル重合性単量体が挙
げられる。この様な単量体としては、t−ブチルパーオ
キシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルフマレイト等が採用される。これらの重合同時架
橋性の架橋性単量体(C)の重合体中の組成は、水性媒
体を吸収した重合体が媒体に溶解せず、且つ流動性ある
いは粘着性を持たないために、好ましくは0.01重量
%以上である。また、架橋性単量体の組成が高くなると
吸収能力が低下してしまうため、1重量%以下、好まし
くは0.1重量%以下であることが望ましい。
て、重合後架橋性である官能基を有する単量体と共重合
した後、該単量体を架橋化処理する方法がある。すなわ
ち、重合後に適当な形態(粒子、繊維、フィルム、シー
ト等)に成形した後、架橋化処理を行い架橋構造を導入
する方法である。本発明において重合後架橋化処理可能
な、すなわち、後処理により架橋構造を導入することが
可能な単量体を架橋性単量体(C)として採用するとき
は、該単量体と化学的に結合し架橋構造を形成するよう
な化合物を別途用いる場合があり、この化合物を架橋助
剤と称する。また、共重合の際には架橋せず、熱処理等
によって自己架橋する様な単量体を用いる場合は、重合
後架橋性ではあるが架橋助剤は必ずしも必要としない。
カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(A)と同一
の単量体であってもよく、その場合、該架橋性単量体
(C)とは単量体(A)中の架橋化処理後の架橋構造に
寄与した単量体部分を言う。すなわち、単量体(A)が
架橋化処理により架橋構造を導入することが可能であ
り、架橋化処理によりその一部が架橋構造を形成する場
合、架橋構造を形成している単量体部分を架橋性単量体
(C)とするのである。
を導入可能な単量体としては、カルボキシル基、アミド
基、ニトリル基、メチロール基、グリシジル基、水酸
基、イミノ基を含有する単量体、酸無水物系単量体が本
発明において好適に使用することができる。例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、N−メチロ
ールアクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルア
クリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、イミノールメタクリレ
ート等の単量体が挙げられる。
橋助剤としては例えば、架橋性単量体(C)がカルボキ
シル基を有する場合には、水酸基、エポキシ基、アミノ
基、メチロール基等のカルボキシル基と反応して化学結
合を形成しうる官能基を2個以上有する多官能性化合
物、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、グリシジルアルコール、ジグリシジル
エーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、エタノールアミ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポリエチ
レングリコール、ポリビニルアルコール、トリメチロー
ルメラミン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプ
ロパン、ポリエチレンイミン、尿素等が挙げられる。ま
た、ホルムアルデヒドによる架橋化も挙げられる。さら
に、カルボキシル基と化学結合を形成しうる官能基を有
する単量体をカルボキシル基を有する単量体と共に後架
橋性の架橋性単量体(C)として併用して、両者間の結
合により架橋化することもできる。
には、カルボキシル基、酸無水物、アルデヒド基、イソ
シアネート基の様な水酸基と反応して化学結合を形成し
得る官能基を2個以上有する多官能性化合物、例えば、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、プロパン
−1,2,3−トリカルボン酸及びそれらの酸無水物、
グリオキザール、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等
が架橋助剤として挙げられる。さらに、水酸基と化学結
合を形成しうる官能基を有する単量体を、水酸基を有す
る単量体と共に後架橋性の架橋性単量体(C)として併
用して、両者間の結合により架橋化することもできる。
ボキシル基と水素結合により架橋構造を形成する様な場
合は架橋助剤を使用する必要はない。例えば、後架橋性
の架橋性単量体(C)として酢酸ビニルあるいは(メ
タ)アクリル酸エステル等を用い、エステルの加水分解
により水酸基あるいはカルボキシル基を生成させれば、
熱処理によって水素結合性の微結晶構造を架橋点とし
て、特に共有結合による架橋構造を導入しなくとも水性
媒体を吸収し膨潤状態を維持することができ、この様な
架橋構造の導入方法も本発明において採用することがで
きる。
基と水酸基、あるいは水酸基同志を脱水触媒を用いて、
酸無水物を形成することによる架橋化、エステル結合に
よる架橋化、あるいはエーテル結合による架橋化を行う
ことによっても架橋構造を導入することができる。
基を有する場合には、アミノ基の様なニトリル基と反応
して化学結合を形成しうる官能基を2個以上有する多官
能性化合物、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンタメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、両末端アミノ化
ポリエチレングリコール等が架橋助剤として挙げられ
る。さらに、ニトリル基と化学結合を形成しうる官能基
を有する単量体を、ニトリル基を有する単量体と共に後
架橋性の架橋性単量体(C)として併用して、両者間の
結合により架橋化することもできる。
(C)の1種または2種以上を、水酸基を1つだけ含有
するアミノ化合物(B)で中和した単量体(A)と共に
重合を行い、重合後任意の方法により適当な形態に成形
した後、架橋化処理を行い架橋構造を導入するという方
法により、容易に本発明の高塩水吸収性重合体が作製で
きる。また、重合後に単量体(A)をアミノ化合物
(B)で中和し、次いで、任意の方法により適当な形態
に成形した後、架橋化処理を行い架橋構造を導入すると
いう方法によっても、容易に本発明の高塩水吸収性重合
体が作製できる。尚、本発明における架橋化処理は用い
た架橋性単量体(C)の種類に応じて適宜選択すればよ
いが、乾熱処理による方法が簡便であるため好適に採用
される。特に、カルボキシル基を有する単量体と水酸基
を有する単量体を架橋性単量体(C)として併用した重
合体を適当な形態に成形した後、乾熱処理により架橋構
造を導入する方法は、架橋化処理の容易さ、処理条件の
設定範囲が広いことから本発明においてさらに好適に採
用される。
量体(C)を用いて重合体を得た後、架橋化処理と同時
に両性高分子化を行うことは、工程の短縮を図ることが
できるため好適に採用される。すなわち、架橋化処理と
両性高分子化の反応条件が同じ場合には両反応を同時に
行うことができる。この様な場合としては、後架橋性の
架橋性単量体(C)としてカルボン酸基を有する単量体
と水酸基を有する単量体の組み合わせ、カルボン酸基を
有する単量体とアミノ基を有する単量体の組み合わせ、
カルボン酸基を有する単量体とカルボン酸基を有する単
量体の組み合わせ、水酸基を有する単量体と水酸基を有
する単量体の組合せ等からの縮合反応の場合が挙げら
れ、両性高分子化のエステル化反応と同じ条件で架橋化
処理を行うことができる様に重合体中の組成を設定すれ
ばよい。
基含有ラジカル重合性単量体(A)及び架橋性単量体
(C)以外の単量体を重合体の物性を向上させる等の理
由により使用することができ、吸収性能を大きく妨げな
い範囲内ではその種類に制限はない。すなわち、使用目
的に合わせてラジカル重合性のビニル系単量体の中から
適宜選択し使用することができる。特に重合体に可塑
性、柔軟性、強靱性を付与するために可塑化単量体を使
用することが望ましい。
トリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、スチレン等のラジカル重合性単量体が好適に使
用することができる。
1種類としてアクリロニトリルを使用することにより、
本発明の重合体に良好な物性を付与することができる。
すなわち、アクリロニトリルを共重合することにより、
重合体に柔軟性と物理的強度及び低吸湿性を付与するこ
とができ、さらに吸水後のゲル強度も向上させることが
できる。
上記した重合体物性の向上が図れるが、吸水性能を大き
く低下させないために、好ましくは40重量%以下、さ
らに好ましくは30重量%以下の仕込み組成であること
が望ましい。
橋成分として使用する等の理由により、カルボキシル基
含有ビニル系単量体(A)以外の親水性単量体を重合体
中に含有させることは、塩水に対する吸収性能を極端に
低下させない範囲内において推奨される。この様な親水
性単量体としては、アミド基、水酸基、スルホン酸基、
リン酸基、1級・2級・3級アミノ基、4級アンモニウ
ム基、ポリエチレングリコール基、カルボキシベタイン
型官能基、スルホベタイン型官能基等の親水性の官能基
を有するビニル系単量体が挙げられる。
ては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−置換アルキルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、酢酸ビニ
ル、ビニルスルホン酸及びそのアルカリ塩、メタアリル
スルホン酸及びそのアルカリ塩、スチレンスルホン酸及
びその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸及びそのアルカリ塩、2−メタクリロイルオキ
シエタンスルホン酸及びそのアルカリ塩、モノ(2−ア
クリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ
(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ
ート、3−メタクリルアミドプロピルジメチルアミン及
びその塩、2−メタクリロイルオキシエチルジメチルア
ミン及びその塩、2−メタクリロイルオキシエチルジエ
チルアミン及びその塩、3−メタクリルアミドプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド、N−ビニル−2−
ピロリドン、ポリエチレングリコールメタクリレート、
ポリエチレングリコールアクリレート、N,N−ジメチ
ル−N−(3−アクリルアミドプロピル)−N−カルボ
キシメチルアンモニウムベタイン等が挙げられ、これら
の単量体を1種類または2種類以上を組み合わせて使用
することができる。この様な親水性単量体の重合体中の
組成は、電解質水溶液に対する高吸収性を大きく低下さ
せなければ特に制限はないが、40重量%以下の範囲内
であることが望ましい。
ジカル重合法のいずれの方法を用いて調整してもよい。
すなわち、塊状重合、水系沈殿重合、懸濁重合、逆相懸
濁重合、乳化重合、溶液重合のいずれの方法を用いても
よく、目的に応じて、得られる重合体の形態を考慮して
適宜選択すればよい。しかし、一般には水を媒体とした
重合系がコスト、環境面から望ましい。ラジカルの発生
方法はラジカル重合触媒を用いる方法、放射線、電子
線、紫外線を照射する方法等が挙げられる。ラジカル重
合触媒としては例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイ
ル、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物、2,
2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等のラ
ジカル発生剤、及びこれらのラジカル発生剤と亜硫酸水
素ナトリウム、L−アスコルビン酸等の還元剤との組み
合わせからなるレドックス系開始剤が挙げられる。重合
媒体としては例えば、水、電解質水溶液、メタノール、
アセトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、重
合方法に応じて適宜選択すればよい。
めには重合体を両性高分子化することが必須である。す
なわち、重合体中の中和されていない未中和の単量体
(A)のカルボキシル基と、単量体(A)と中和塩を形
成している水酸基を1つだけ含有するアミノ化合物
(B)の水酸基及び/または遊離のアミノ化合物(B)
の水酸基との間でエステル結合を形成させることによ
り、高分子鎖上にカルボキシル基とアミノ基の両者を有
する両性高分子電解質となる。エステル化の方法として
は乾熱処理、脱水触媒を用いる方法、減圧下での熱処理
等の方法が挙げられる。エステル化の反応条件として
は、採用する方法に応じて適宜条件を選択し十分にエス
テル化が進行して塩水吸収性が発現すれば特に制限はな
い。例えば、乾熱処理の場合は120℃以上、好ましく
は150℃以上の温度でエステル化が十分進行するまで
熱処理を行えばよい。熱処理時間は処理温度が高いほど
短縮することができるが、重合体の耐熱性及び基材に被
覆して用いる場合は基材の耐熱性が問題となるため、適
当な温度条件及び処理時間を採用する必要がある。
砕し、未架橋の場合は必要に応じて架橋化処理を行い、
粉体状の吸水性重合体として各種用途に対して使用する
ことができる。また、未架橋の重合体溶液をフィルム状
あるいは繊維状に成形した後、乾燥後架橋化処理を行っ
てフィルム状、繊維状の吸収性重合体として使用するこ
ともできる。さらに、未架橋の重合体溶液の状態で適当
な基材に被覆し、乾燥後架橋化処理を行い、必要に応じ
て加工を施して吸収性材料として用いることもできる。
被覆方法としては各種コーティング法、含浸法等が挙げ
られるが、基材に対する吸水性重合体の割合を多くする
には含浸法が適している。基材としては、繊維、ヤー
ン、糸、不織布、織布、編み地、紙、シート、フィルム
等が挙げられ、これらを必要に応じて単独、あるいは複
合構造体として適宜選択して使用することができる。こ
の様な、本発明の重合体を各種基材へ被覆した吸収性材
料も本発明の範囲である。近年は粉体状の吸水性樹脂に
対し、その取扱い上の困難さ、粉塵等の作業環境への影
響等の問題があり、重合体溶液の基材への被覆法は安全
且つ簡便でしかも低コストで製造することができる優れ
た方法である。
吸収性である理由は十分に解明するに至っていないが以
下のことが言える。本発明の重合体は、カルボキシル基
含有ラジカル重合性単量体(A)の一部を水酸基を1つ
だけ含有するアミノ化合物(B)で中和し、未中和のカ
ルボキシル基とアミノ化合物(B)の水酸基とを反応さ
せてエステル結合を形成させることにより、同一高分子
鎖上にカルボキシル基と1〜4級のアミノ基の両者を有
する弱酸−弱塩基型の両性高分子電解質となっている。
この様な両性高分子電解質は、通常の同一符号のイオン
性基のみを含むモノイオン性の高分子電解質と比べて、
ポリマーの溶解性に与える添加塩の影響を受けにくいた
めに、重合体が架橋構造を有する場合は電解質水溶液に
対して優れた吸収性能を発揮すると考えられる。
するが、本発明の範囲がこれら実施例にのみ限定される
ものではない。
単量体(A)としてアクリル酸(以下AAと略す)及び
メタクリル酸(MAA)を使用した。水酸基を1つだけ
含有するアミノ化合物(B)としてはジメチルアミノエ
タノール(DMAE)、ジエチルアミノエタノール(D
EAE)、水酸化コリン(ChOH)を使用した。重合
同時架橋性単量体(C)として、N,N’−メチレンビ
スアクリルアミド(MBAAm)を使用した。重合後架
橋性単量体(C)としては、単量体(A)であるAAと
ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)との併用系
と、AAあるいはMAAとHEA及びN−メチロールア
クリルアミド(N−MAM)とを併用した系について実
施した。さらに、その他の単量体としてアクリルアミド
(AAm)、アクリロニトリル(AN)及びメチルアク
リレート(MA)を使用した。また、架橋助剤としてポ
リエチレングリコール(PEG;平均分子量400)及
びポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PE
DG;共栄社油脂化学工業株式会社製エポライト400
E)を用いた。
化合物(B)で中和して重合に使用した。また、AA及
びMAAを重合前には中和せず、重合後に各種アミノ化
合物(B)で中和した系についても実施した。さらに、
比較例としてアミノ化合物(B)で中和せずにNaOH
で中和した系についても実施した。
ルに溶解させ(総単量体濃度18重量%)、重合溶媒が
蒸留水の場合は開始剤として過硫酸カリウム(KPS)
を、メタノ−ルの場合は2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)(AVN)を総単量体重量に
対し0.3重量%添加し、重合同時架橋性の架橋性単量
体を用いた場合は静置下で、重合後架橋性の架橋性単量
体を用いた場合は攪拌下で65℃にて6時間重合を行っ
た。重合溶媒としてはAN及びMAを用いる場合にはメ
タノールを、それ以外の場合には蒸留水を用いた。重合
後、重合同時架橋性の架橋性単量体を用いた場合は、ゲ
ル状の重合体を適当な大きさに切断し乾燥機に入れて乾
燥した後、粉砕してから180℃で十分にエステル化反
応が進行するまで乾熱処理を行い粉体状の重合体を得
た。また、重合後架橋性の架橋性単量体を用いた場合
は、重合後の溶液に必要に応じて架橋助剤を加えた後、
テフロン板上に流延して乾燥しフィルムを作製した。次
に、180℃で十分にエステル化反応及び架橋が進行す
るまで乾熱処理を行い吸水性のフィルムを得た。尚、架
橋助剤としてPEDGを用いた場合は、フィルムが形成
された時点で架橋構造が導入されており、架橋とエステ
ル化反応は別々に行われるが、それ以外の場合について
は、架橋とエステル化反応を同一の条件により同時に行
っている。表1に各重合体の単量体仕込み組成、アミノ
化合物(B)の種類と中和度、使用した架橋助剤とその
添加量を示す。尚、重合体14は重合後にアミノ化合物
(B)で中和した系であり、それ以外の重合体は全て重
合前に中和した系である。
吸水性能は、以下の方法によって蒸留水及び各種電解質
水溶液に対する吸収倍率を測定し評価した。乾燥した重
合体1gを蒸留水及び各種電解質水溶液500ml中に
4時間浸漬した後、200メッシュ金網で濾過し、10
分間水切りした後、水性媒体を吸収した重合体の重量を
測定し、重合体1g当たりの吸収した水性媒体のグラム
数を吸収倍率とした。電解質水溶液としては、0.9重
量%のNaCl水溶液、人工海水(アクアマリンS、八
州薬品(株)製)を用いた。また、比較のために市販品
の高吸水性樹脂(市販品=アクアリックCA(日本触媒
株式会社製))も同様に評価した。表2に各重合体の各
種水性媒体に対する吸収倍率を示す。
してだけではなく、後架橋性の架橋性単量体(C)とし
て用いて架橋助剤により架橋構造を導入した系である。
重合体1はアミノ化合物(B)による中和度が本発明の
範囲より少ないものであり、各種水性媒体とも全体に低
い吸水倍率となっている。重合体2から9は本発明の範
囲内の中和度のものであり、中和度及び架橋助剤の種類
と添加量に依存するが高い塩水吸収性能を示す。重合体
10は中和度が本発明の範囲より高いものであり、低い
塩水吸収性能となっている。重合体11と12は重合同
時架橋性の架橋性単量体(C)を用いた系であり単量体
(C)の組成に依存して吸水倍率が変化するが優れた塩
水吸収性能を示す。重合体13から21は後架橋性の架
橋性単量体(C)としてAAとHEAを併用した系と、
AAとHEA及びN−MAMとを併用した系であり、重
合体17は単量体(A)としてMAAを用いたもの、重
合体18、19、20はその他の単量体としてAAm、
AN、MAをそれぞれ共重合したもの、また、重合体2
1はアミノ化合物(B)としてChOHを用いたもので
ある。いずれの重合体も塩水吸収性能が優れており、本
発明の重合体の優位性が認められる。一方、比較例であ
る重合体22と23、市販品はいずれも塩水吸収性能が
低く、特に人工海水に対する吸収性能が低いものであっ
た。
えて濃度20重量%に希釈した。希釈液をバットに入れ
て、基材となる不織布に含浸させた後、マングルで絞っ
てからテフロン板上で乾燥した。次に、乾燥した不織布
を180℃で架橋及びエステル化反応が十分に進行する
まで乾熱処理を行って、本発明の重合体で被覆した吸水
性材料を得た。基材不織布としては、レーヨン:ポリエ
ステル混(混率70:30(重量%)、目付65g/m
2 )、ポリエステル100%(目付130g/m2 )の
2種類を用いた。得られた吸水性材料中の重合体16の
割合は、レーヨン:ポリエステル混のもので60重量
%、ポリエステル100%のもので55重量%であっ
た。また、比較のために本発明の範囲外である重合体2
3をレーヨン:ポリエステル混不織布に被覆した吸水性
材料も作製した。得られた吸水性材料中の重合体23の
割合は60重量%であった。
ン100%、ポリエステルラップ、1/7番手)を用
い、重合体16の水溶液(濃度20重量%)を含浸さ
せ、乾燥後架橋及びエステル化反応が十分に進行するま
で乾熱処理を行って、本発明の重合体で被覆した吸水性
材料を得た。得られた吸水性材料中の重合体16の割合
は60重量%であった。
方法によって蒸留水及び各種電解質水溶液に対する吸収
倍率を測定し評価した。秤量した吸水性材料を蒸留水及
び各種電解質水溶液500ml中に4時間浸漬した後、
200メッシュ金網で濾過し、160Gで5分間遠心脱
水して水性媒体を吸収した吸水性材料の重量を測定し、
吸水性材料1g当たりの吸収した水性媒体のグラム数を
吸収倍率とした。電解質水溶液としては、重合体の場合
と同様に、0.9重量%のNaCl水溶液及び人工海水
を用いた。結果を表3に示す。本発明の吸水性材料は、
いずれも比較例と比べて電解質水溶液に対する吸収性能
の高いものであり、本発明の優位性が認められる。
収性能を有しており、これまで使用することができなか
ったような分野、用途へ極めて有効に使用することがで
きる。特に、海水、汗、尿、血液、セメント水、塩類土
壌地下水等の電解質を含有する水性媒体を吸収させる様
な用途に絶大な効果を発揮するため、衛生材料等の生活
用品だけでなく、一般土木・建築用止水材、各種資材用
途にも有用である。例えば、紙おむつ、失禁用吸尿材、
ナプキン、血液用フローストッパー、救急絆創膏、傷当
て材、止水フィルター、農園芸・緑化用保水材、加湿
材、消火・防災用資材、食品用ドリップ吸収シート、水
分除去フィルター、塩類土壌改良材、地中止水材、ケー
ブル止水材、配管コンクリート成型物用目地材、住宅用
目地材、バスタブ用目地材、結露吸収材(コンテナ天
井、冷蔵・冷凍食品の包材等)、冷却剤(シート、マッ
ト、腹巻き、首巻き、帽子等)、鋼管矢板工法用止水材
等の用途が挙げられるが、もちろんこれら用途に限定さ
れるものではない。さらに、本発明の塩水吸収性重合体
は、重合体そのものを粉体やシート状、繊維状に成形し
て用いることもできるが、各種基材へ被覆することによ
り、任意の形態への加工が容易に行えるため種々の用途
への応用展開をより容易に行うことができる。
Claims (5)
- 【請求項1】カルボキシル基の20〜80モル%を水酸
基を1つだけ含有するアミノ化合物(B)で中和したカ
ルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(A)と、重合
同時架橋性または重合後架橋性の架橋性単量体(C)と
を共重合し、次いで、未中和のカルボキシル基とアミノ
化合物(B)の水酸基とをエステル化反応させて両性高
分子化し、必要に応じて架橋反応を行うことを特徴とす
る、塩水吸収性重合体の製造方法。 - 【請求項2】カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体
(A)を重合同時架橋性または重合後架橋性の架橋性単
量体(C)と共重合し、共重合体中の単量体(A)部分
のカルボキシル基の20〜80モル%を水酸基を1つだ
け含有するアミノ化合物(B)で中和し、次いで、未中
和のカルボキシル基とアミノ化合物(B)の水酸基とを
エステル化反応させて両性高分子化し、必要に応じて架
橋反応を行うことを特徴とする、塩水吸収性重合体の製
造方法。 - 【請求項3】重合後架橋性の架橋性単量体(C)を用
い、重合後に両性高分子化と架橋反応を同時に行うこと
を特徴とする、請求項1または2記載の塩水吸収性重合
体の製造方法。 - 【請求項4】単量体(A)部分のカルボキシル基のアミ
ノ化合物(B)による中和度が40〜70モル%の範囲
内であることを特徴とする、請求項1から3いずれかに
記載の塩水吸収性重合体の製造方法。 - 【請求項5】繊維、ヤーン、糸、不織布、織布、編み
地、紙、シート、フィルム、またはこれらの複合構造体
から選ばれる基材が、請求項1から4いずれかに記載の
塩水吸収性重合体により被覆されてなる吸収性材料。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-11-20 JP JP30966696A patent/JP3918959B2/ja not_active Expired - Fee Related
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